(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シフト体に設けられ、前記規制部と前記シフト体の回転周方向における異なる位置に配置されると共に、付勢力が作用されて前記シフト体が回転周方向に付勢される付勢部を備えた請求項1又は請求項2記載のシフト装置。
前記シフト体に設けられると共に、前記シフト体回転周方向中間位置に前記規制部が配置にされ、回転を係止されることで前記シフト体の回転が係止される係止部を備えた請求項1〜請求項3の何れか1項記載のシフト装置。
前記シフト体と前記操作部との間に設けられ、付勢力により前記シフト体に前記操作部を保持させる保持手段を備えた請求項1〜請求項8の何れか1項記載のシフト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、シフト体を回転径方向において小型化できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のシフト装置は、回転されてシフト位置が変更される回転式のシフト体と、前記シフト体に設けられる操作部と、前記シフト体に設けられ、前記操作部が操作されることで前記シフト体の回転軸方向側に移動される規制部と、前記規制部の回転を規制して前記シフト体の回転が規制され、前記規制部が移動されることで前記規制部の回転規制が解除されて前記シフト体の回転規制が解除される規制体と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載のシフト装置は、請求項1に記載のシフト装置において、前記規制部が前記シフト体側に移動されることで前記規制体による前記規制部の回転規制が解除される。
【0008】
請求項3に記載のシフト装置は、請求項1又は請求項2に記載のシフト装置において、前記シフト体に設けられ、前記規制部と前記シフト体の回転周方向における異なる位置に配置されると共に、付勢力が作用されて前記シフト体が回転周方向に付勢される付勢部を備えている。
【0009】
請求項4に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体に設けられると共に、前記シフト体回転周方向中間位置に前記規制部が配置にされ、回転を係止されることで前記シフト体の回転が係止される係止部を備えている。
【0010】
請求項5に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のシフト装置において、前記規制体に設けられ、前記規制部が当接されて前記規制部の回転が規制される当接部と、前記シフト体に設けられ、前記規制部の回転が規制される際に前記規制部を前記当接部側に押圧する押圧部と、を備えている。
【0011】
請求項6に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体に設けられ、前記規制部が設けられる本体部と、前記シフト体に設けられると共に、前記本体部を被覆し、前記操作部が設けられると共に、負荷が入力されることで前記本体部から離脱される被覆部と、を備えている。
【0012】
請求項7に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のシフト装置において、前記規制部を前記規制体による回転規制が解除される側に付勢する付勢手段を備えている。
【0013】
請求項8に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のシフト装置において、前記規制体が前記シフト体の所定シフト位置への回転のみを規制する。
【0014】
請求項9に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体と前記操作部との間に設けられ、付勢力により前記シフト体に前記操作部を保持させる保持手段を備えている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載のシフト装置では、回転式のシフト体が回転されて、シフト体のシフト位置が変更される。また、シフト体に規制部が設けられており、規制体が規制部の回転を規制して、シフト体の回転が規制される。さらに、シフト体に操作部が設けられており、操作部が操作されて、規制部が移動されることで、規制体による規制部の回転規制が解除されて、シフト体の回転規制が解除される。
【0016】
ここで、規制部がシフト体の回転軸方向側に移動される。このため、シフト体を回転径方向において小型化できる。
【0017】
請求項2に記載のシフト装置では、規制部がシフト体側に移動されることで、規制体による規制部の回転規制が解除される。このため、規制部及び規制体の構成を簡単にでき、規制部及び規制体を小型化できる。
【0018】
請求項3に記載のシフト装置では、シフト体に付勢部が設けられており、付勢部に付勢力が作用されて、シフト体が回転周方向に付勢される。
【0019】
ここで、規制部と付勢部とがシフト体の回転周方向における異なる位置に配置される。このため、シフト体を回転径方向において小型化できる。
【0020】
請求項4に記載のシフト装置では、シフト体に係止部が設けられており、係止部が回転を係止されることで、シフト体の回転が係止される。
【0021】
ここで、係止部のシフト体回転周方向中間位置に規制部が配置にされる。このため、シフト体を回転径方向において小型化できる。
【0022】
請求項5に記載のシフト装置では、規制体に当接部が設けられており、規制部が当接部に当接されて、規制部の回転が規制される。
【0023】
ここで、シフト体に押圧部が設けられており、規制部の回転が規制される際に、押圧部が規制部を当接部側に押圧する。このため、規制部が当接部と押圧部との間で圧縮応力を作用されることで、規制部の損傷を抑制できる。
【0024】
請求項6に記載のシフト装置では、シフト体に本体部及び被覆部が設けられており、本体部を被覆部が被覆している。
【0025】
ここで、本体部に規制部が設けられると共に、被覆部に操作部が設けられており、被覆部に負荷が入力されることで、本体部から被覆部が離脱される。このため、本体部から被覆部が離脱された際に、規制部を移動できて、規制部の回転規制を解除できる。
【0026】
請求項7に記載のシフト装置では、付勢手段が規制部を規制体による回転規制が解除される側に付勢する。このため、仮にシフト体が破断された場合に、規制部の規制体による回転規制を付勢手段の付勢力によって解除できる。
【0027】
請求項8に記載のシフト装置では、規制体がシフト体の所定シフト位置への回転のみを規制する。このため、規制体の構成を簡単にできる。
【0028】
請求項9に記載のシフト装置では、シフト体と操作部との間に保持手段が設けられており、保持手段が付勢力によりシフト体に操作部を保持させる。このため、保持手段がシフト体に操作部を保持させた状態でシフト体を組付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が左斜め上方から見た斜視図にて示されており、
図2には、シフト装置10が前斜め左方から見た分解斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0031】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のインストルメントパネルに設置されて、車両の運転席(図示省略)の車両前側かつ車幅方向内側に配置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の上側、右側及び後側に向けられている。
【0032】
図1及び
図2に示す如く、シフト装置10には、規制体としての樹脂製で略矩形板状のプレート12(
図3参照)が設けられており、プレート12は、インストルメントパネル内(車体側)に設置されている。
【0033】
プレート12の前後方向中間部には、平面視略C字状の支持枠14が一体に設けられており、支持枠14は、プレート12から上側に突出されると共に、内部が後側に開放されている。支持枠14の中心部分の上側には、略円筒状の回転軸16が一体に設けられており、回転軸16は、支持枠14より上側に配置されると共に、軸方向が上下方向に平行に配置されている。
【0034】
支持枠14には、回転軸16の前側において、係止部位としての略湾曲矩形筒状の係止筒14Aが設けられており、係止筒14Aは、下端全体がプレート12と一体にされると共に、内部が回転軸16の周方向に沿って湾曲されている。係止筒14A内の左面及び右面は、水平方向に垂直な平面状にされており、係止筒14A内の左面は、前方へ向かうに従い左方へ向かう方向に傾斜されると共に、係止筒14A内の右面は、前方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されている。
【0035】
係止筒14A内の左側部分には、当接部としての平板状のロック壁14Bが設けられており、ロック壁14Bの下端全体は、プレート12と一体にされている。ロック壁14Bの上端は、係止筒14Aの上端に比し下側に配置されており、ロック壁14Bの前端全体及び後端全体は、係止筒14Aと一体にされている。ロック壁14Bは、水平方向に垂直に配置されており、ロック壁14Bは、前方へ向かうに従い左方へ向かう方向に傾斜されている。
【0036】
支持枠14の左部及び右部には、配置部としての円筒状の案内筒18が設けられており、案内筒18は、下端全体がプレート12と一体にされると共に、支持枠14より上側に突出されている。案内筒18は、回転軸16の左方及び右方に配置されており、案内筒18の軸方向は、回転軸16の軸方向と平行にされている。
【0037】
支持枠14の上側には、被覆部材としての略有底円筒状のカバー20が取付けられており、カバー20は、内部が下側に開放されると共に、支持枠14を上側及び後側から被覆している。
【0038】
プレート12の上側には、シフト体としての略円柱状の回転式のノブ22が支持されており、ノブ22は、カバー20の上壁(底壁)を同軸上に貫通している。
【0039】
ノブ22には、本体部としての樹脂製で略円筒状のノブ本体24(
図4及び
図5参照)が同軸上に設けられており、ノブ本体24内には、プレート12の回転軸16が上下方向への移動を制限された状態で同軸上に嵌合されている。このため、ノブ本体24は、回転軸16を回転中心軸として回転可能にされている。
【0040】
ノブ本体24の前部には、配置部としての貫通孔24Aが貫通形成されており、貫通孔24Aの軸方向は、ノブ本体24の回転軸方向と平行に配置されている。貫通孔24Aの上側部分は、平面視円状にされると共に、貫通孔24Aの下側部分は、平面視矩形状にされており、貫通孔24Aの下側部分は、平面視で、貫通孔24Aの上側部分の内側に配置されている。
【0041】
ノブ本体24の下面前部には、係止部及び押圧部としての直方体状のストッパ24Bが一対一体に設けられており、ストッパ24Bは、下方に突出されると共に、ノブ本体24と一体に回転可能にされている。ストッパ24Bは、貫通孔24Aの左側と右側とに隣接されており、左側のストッパ24Bは、右側のストッパ24Bに比し軸方向(上下方向)寸法が小さくされている。ストッパ24Bは、プレート12(支持枠14)の係止筒14A内に挿入されており、ノブ本体24が回転される際には、左側及び右側のストッパ24Bがそれぞれプレート12(支持枠14)の係止筒14A内の左面及び右面に当接(面接触)されて回転を係止されることで、ノブ本体24の回転が係止されて、ノブ本体24の回転範囲が規定される(
図9参照)。また、左側のストッパ24Bの下面は、係止筒14A内のロック壁14Bの上端より上側の上下方向位置に配置されており、右側のストッパ24Bの下面は、ロック壁14Bの上端より下側の上下方向位置に配置されている。
【0042】
ノブ本体24の下面には、左部及び右部において、付勢部としての節度面24Cが形成されており、節度面24Cは、ノブ本体24の回転周方向に延伸されている。節度面24Cは、長手方向中央部(ノブ本体24回転周方向の中央部分)から長手方向両端部(ノブ本体24回転周方向の両端部分)へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されており、左側の節度面24Cと右側の節度面24Cとは、ノブ本体24の回転中心軸線に対し点対称に配置されている。
【0043】
ノブ22には、被覆部としての樹脂製で略有底円筒状のノブパネル26(
図6参照)が同軸上に設けられており、ノブパネル26内は、下側に開放されている。ノブパネル26は、ノブ本体24の上側を被覆しており、ノブパネル26は、ノブ本体24に固定されて、ノブ本体24と一体に回転可能にされている。ノブパネル26のノブ本体24への組付強度は、ノブ本体24のプレート12(回転軸16)への組付強度に比し、低くされており、ノブパネル26に過負荷が入力された際には、ノブパネル26がノブ本体24から離脱される。
【0044】
ノブパネル26の周壁の前部には、正面視矩形状の露出孔26Aが貫通形成されており、露出孔26Aは、ノブパネル26内を前方に開放させている。ノブパネル26の上壁(底壁)の下面(内側面)には、中心部分において、案内部としての矩形柱状の案内柱26Bが一体に設けられており、案内柱26Bは、下方に突出されている。案内柱26Bの前面及び後面は、前後方向に垂直に配置されており、案内柱26Bの左面及び右面は、左右方向に垂直に配置されている。
【0045】
ノブ22は、車両の乗員(例えば運転手)によって、ノブパネル26を把持されて、左右方向に回転操作可能にされており、ノブ22は、左側から右側に向けて、シフト位置としての「R」位置(リバース位置、所定シフト位置)、「N」位置(ニュートラル位置)、「H」位置(ホーム位置)、「N」位置(ニュートラル位置)、「D」位置(ドライブ位置)に等間隔で配置可能にされている。
【0046】
プレート12の各案内筒18内には、接触部材としての略円柱状の節度ピン28が同軸上に嵌合されており、節度ピン28は、案内筒18に案内されつつ、上下方向に移動可能にされている。節度ピン28の上面は、半球面状に突出されており、左側の節度ピン28と右側の節度ピン28とは、ノブ本体24の回転中心軸線に対し点対称に配置されている。
【0047】
案内筒18の下面(プレート12)と節度ピン28の下面との間には、付勢部材として節度スプリング30(圧縮コイルスプリング)が掛渡されており、節度スプリング30は、節度ピン28を上方に付勢している。節度ピン28の上面は、節度スプリング30の付勢力により、ノブ本体24の節度面24Cの長手方向中央部に接触されており、これにより、ノブ22が「H」位置に配置されている。ノブ22は、節度スプリング30の付勢力に抗して回転操作可能にされており、ノブ22が「H」位置以外に配置されて節度ピン28の上面が節度面24Cの長手方向中央部以外の部分に接触された状態でノブ22に回転操作力が作用されなくなった際には、節度スプリング30の付勢力によって節度面24Cが長手方向中央部を節度ピン28に接近させる方向に回転されて、ノブ22が「H」位置に回転(復帰)される。
【0048】
ノブパネル26内には、操作部としての略断面L字形板状の解除ボタン32(
図6参照)が設けられており、解除ボタン32の下側部は、解除ボタン32の上側部に対し前側に配置されている。
【0049】
解除ボタン32の下側部には、湾曲矩形板状の露出部32Aが一体に設けられており、露出部32Aは、前側に突出されると共に、ノブパネル26の回転周方向に沿って湾曲されている。露出部32Aは、ノブパネル26の露出孔26Aに嵌合されており、露出部32Aは、ノブパネル26の前側に露出されている。解除ボタン32の下側部には、露出部32Aの周囲全体において、当接面32Bが形成されており、当接面32Bは、ノブパネル26の回転周方向に沿って湾曲されている。
【0050】
解除ボタン32の上側部の前側部分には、断面台形状の傾斜突起32Cが一体に設けられており、傾斜突起32Cは、下側に突出されている。傾斜突起32Cの下面は、上下方向に垂直に配置されており、傾斜突起32Cの前面は、前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されている。
【0051】
解除ボタン32の上側部の後側部分には、被案内部としての矩形状のガイド孔32Dが貫通形成されており、ガイド孔32Dは、前面が前後方向に垂直に配置されると共に、左面及び右面が左右方向に垂直に配置されて、後方に開放されている。ガイド孔32Dには、ノブパネル26の案内柱26Bが左右方向において嵌合されており、ガイド孔32Dが案内柱26Bに案内されて(ガイド孔32Dの左面及び右面がそれぞれ案内柱26Bの左面及び右面に面摺動されて)前後方向に移動されることで、解除ボタン32が前後方向に移動可能にされている。解除ボタン32の上側部には、ガイド孔32Dの前側において、円状の支持孔(図示省略)が形成されており、支持孔は、軸方向を前後方向に平行に配置されると共に、ガイド孔32Dに開放されている。
【0052】
解除ボタン32の支持孔には、保持手段(操作付勢手段)としての操作スプリング34(圧縮コイルスプリング)が挿入されて支持されており、操作スプリング34は、案内柱26Bの前面と支持孔の前面(底面)との間に掛渡されている。操作スプリング34は、解除ボタン32を前方に付勢しており、これにより、解除ボタン32下側部の当接面32Bがノブパネル26周壁の露出孔26A周囲部分に当接(面接触)されている。解除ボタン32は、乗員によって、露出部32Aを後側に押圧操作可能にされており、解除ボタン32が露出部32Aを後側に押圧操作されることで、解除ボタン32が操作スプリング34の付勢力に抗して後側に移動される。
【0053】
ノブ本体24の貫通孔24Aには、ロック機構36(
図4参照)が設けられている。
【0054】
ロック機構36には、規制部としての柱状のロッド38が設けられており、ロッド38は、貫通孔24Aに上側から同軸上に挿入されている。ロッド38の上端部には、接触部としての逆U字形枠状の当接枠38Aが設けられており、当接枠38Aの上面は、左右方向に平行に配置されると共に、前後方向において上側に凸状に湾曲されている。ロッド38には、当接枠38Aの下側において、円柱状の嵌合柱38Bが同軸上に設けられており、嵌合柱38Bは、貫通孔24Aの上側部分に嵌合されている。ロッド38には、嵌合柱38Bの下側において、略円柱状の連結柱38Cが同軸上に設けられており、連結柱38Cは、嵌合柱38Bに対し縮径されている。ロッド38の下端部(連結柱38Cの下側)には、矩形柱状の規制柱38Dが同軸上に設けられており、規制柱38Dは、貫通孔24Aの下側部分に嵌合されると共に、貫通孔24Aの下方(ノブ本体24の下方)に突出されている。
【0055】
ロック機構36には、付勢手段としての規制スプリング40(圧縮コイルスプリング)が設けられており、規制スプリング40は、貫通孔24Aに上側から同軸上に挿入されると共に、内部にロッド38が上側から同軸上に貫通されている。規制スプリング40は、貫通孔24A上側部分の下面とロッド38の嵌合柱38B下面との間に掛渡されており、規制スプリング40は、ロッド38を上方に付勢している。このため、ロッド38の当接枠38A上面は、解除ボタン32上側部の傾斜突起32C前面の後部に接触されており、ロッド38の規制柱38D下面は、ノブ本体24の右側のストッパ24B下面と略同一の上下方向位置に配置されている(
図7参照)。また、規制スプリング40の付勢力は、上記操作スプリング34の付勢力に比し小さくされており、規制スプリング40は、圧縮された状態で、貫通孔24A上側部分の下面と嵌合柱38Bの下面との間に保持されている。
【0056】
上述の如く解除ボタン32が露出部32Aを後側に押圧操作されて後側に移動された際には、ロッド38が規制スプリング40によって上側に付勢された状態で、傾斜突起32Cが後側に移動されて、当接枠38Aの上面が傾斜突起32Cの前面に対し前側かつ上側に摺動されることで、ロッド38が上側に移動されて、ロッド38の下面がノブ本体24の左側のストッパ24B下面と略同一の上下方向位置に配置される(
図8及び
図9参照)。
【0058】
以上の構成のシフト装置10では、プレート12の案内筒18内に節度ピン28及び節度スプリング30が設けられており、節度ピン28の上面が節度スプリング30の付勢力によりノブ22の節度面24Cの長手方向中央部に接触されることで、ノブ22が「H」位置に配置されている。
【0059】
ノブ22が左側及び右側に回転操作される際には、それぞれ、ノブ22の左側及び右側のストッパ24Bがプレート12(支持枠14)の係止筒14A内の左面及び右面に係止されて、ノブ22の回転が係止されることで、ノブ22の左右方向への回転操作範囲が規定される。
【0060】
また、ノブ22の解除ボタン32が露出部32Aを後側に押圧操作されない状態で、ノブ22が左側の「N」位置から「R」位置に回転される際には、ノブ22におけるロッド38の規制柱38Dがプレート12(係止筒14A内)のロック壁14Bに当接(面接触)されて、規制柱38Dの左側への回転がロック壁14Bによって規制されることで、ノブ22の「R」位置への回転が規制される(
図7参照)。
【0061】
一方、解除ボタン32が操作スプリング34の付勢力に抗して露出部32Aを後側に押圧操作されて、ロッド38が規制スプリング40の付勢力によって上側に移動された状態で、ノブ22が左側の「N」位置から「R」位置に回転される際には、規制柱38Dが、ロック壁14Bより上側の上下方向位置に配置されて、ロック壁14Bの上側を左側に通過されることで、ノブ22の「R」位置への回転規制が解除される(
図8及び
図9参照)。
【0062】
ここで、解除ボタン32が後側に押圧操作されることで、ロッド38がノブ22の回転軸方向(上下方向)に移動される。このため、ロッド38の移動範囲をノブ22の回転径方向において小さくでき、ノブ22を回転径方向において小型化できる。
【0063】
さらに、解除ボタン32が後側に押圧操作されることで、ロッド38が規制スプリング40の付勢力によって上側に移動されて、ノブ22の「R」位置への回転規制が解除される。このため、電気的機構(上記特許文献1のモータ)を使用しなくても、解除ボタン32の移動にロッド38を機械的に連動させる機械的機構によってノブ22の「R」位置への回転規制を解除できる。これにより、簡単な構成でノブ22の「R」位置への回転規制を解除でき、シフト装置10を小型化できると共に、コストを低減できる。
【0064】
また、ロッド38がノブ22側に移動されることで、ロッド38の規制柱38Dがプレート12のロック壁14Bから離間されて、ロック壁14Bによる規制柱38Dの回転規制が解除される。このため、ロッド38がプレート12側に移動されることで規制柱38Dがロック壁14Bに接近されてロック壁14Bによる規制柱38Dの回転規制が解除される場合とは異なり、ロッド38及びプレート12の構成を簡単にでき、ロッド38及びプレート12を小型化できて、シフト装置10を小型化できる。
【0065】
さらに、ロッド38(規制柱38D)の回転がロック壁14Bによって規制される際に、ノブ22(ノブ本体24)の右側のストッパ24Bが、規制柱38Dに当接(面接触)されて、規制柱38Dをロック壁14B側に押圧する。このため、規制柱38Dがロック壁14Bと右側のストッパ24Bとの間で圧縮応力を作用される。これにより、ロッド38を右側のストッパ24Bによって補強できて、ロッド38の損傷を抑制できると共に、ロッド38を小型化できる。
【0066】
また、ノブ22の回転中心軸(回転軸16)の回転径方向外側において、ロッド38と節度面24Cとストッパ24Bとがノブ22(ノブ本体24)の回転周方向における異なる位置に配置されている。このため、ノブ22を回転径方向において小型化できる。
【0067】
しかも、一対の節度面24Cのノブ22回転周方向中間位置、更には、一対のストッパ24Bのノブ22回転周方向中間位置に、ロッド38が配置にされている。このため、ノブ22を回転径方向において一層小型化できる。
【0068】
さらに、ノブ22の「R」位置への回転のみが規制される。このため、プレート12におけるロッド38の回転を規制する構成(ロック壁14Bの構成)を簡単にでき、シフト装置10を小型化できる。
【0069】
また、ノブ22にノブ本体24及びノブパネル26が設けられており、仮に、ノブパネル26に過負荷が入力された際には、ノブパネル26がノブ本体24から離脱される(ノブパネル26のノブ本体24への組付けが破断される)。このため、乗員からノブパネル26に過負荷が入力されても、乗員に入力される荷重を低減できる。
【0070】
さらに、ノブ22のノブ本体24にロッド38が設けられると共に、ノブ22のノブパネル26に解除ボタン32が設けられている。このため、仮に、ノブパネル26がノブ本体24から離脱された際でも、ロッド38が上側に移動されることで、ノブ22の「R」位置への回転規制を解除でき、ノブ22を「R」位置に回転させることができる。
【0071】
しかも、規制スプリング40がロッド38を上側に付勢している。このため、仮に、ノブパネル26がノブ本体24から離脱された際に、ロッド38が規制スプリング40の付勢力によって上側に移動でき、ノブ22の「R」位置への回転規制を容易に解除できる。
【0072】
また、解除ボタン32の支持孔に操作スプリング34が挿入された状態で、ノブパネル26の案内柱26B前面と支持孔の前面(底面)との間に操作スプリング34が掛渡されると共に、案内柱26Bがガイド孔32Dに嵌合されて、操作スプリング34の付勢力により解除ボタン32の当接面32Bがノブパネル26周壁の露出孔26A周囲部分に当接されることで、ノブパネル26に解除ボタン32が保持されている。このため、ノブパネル26に解除ボタン32を操作スプリング34によって保持させると共に、ノブ本体24の貫通孔24Aにロッド38及び規制スプリング40を挿入した状態で、ノブパネル26及び解除ボタン32をノブ本体24に組付けることで、ノブパネル26及び解除ボタン32をノブ本体24に容易に組付けることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、ノブ22のシフト位置(「R」位置)への回転が規制される。しかしながら、ノブ22のシフト位置からの回転が規制されてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、シフト装置10をインストルメントパネルに設置した。しかしながら、シフト装置10を車室の床部やコラムカバーに設置してもよい。