【文献】
Journal of the American Chemical Society,米国,2011年,133,20754-20757
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.本発明の特定の実施形態の概要
高い立体規則性を有するポリマーは、重要な物質であり、非常に望ましい。本出願以前には、立体化学的に高度に制御された、特定の所望の配置及び立体規則性で調製することができないポリマーがあった。例えば、高シンジオタクチックポリ(ジシクロペンタジエン)(「ポリ(DCPD)」)及び水素化ポリ(DCPD)は、本発明までは、調製に成功していなかった。
【0016】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高シス、シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)及び/又は水素化ポリ(DCPD)の調製に有用な化合物を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を含む組成物を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明は、式I:
【0021】
【化5】
[式中、
R
1は、−C(R
1a)
3であり、
それぞれのR
1aは、独立して、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、あるいは、
3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式若しくは二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0022】
【化6】
である]の化合物を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明は、式II:
【0024】
【化7】
[式中、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環を形成し、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0025】
【化8】
であり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR
8は、独立して、リン含有配位子であり、このリン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の化合物を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明は、式II−a:
【0027】
【化9】
[式中、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員のヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0028】
【化10】
であり、
R
6は、それぞれ独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R
7は、任意選択的に置換されたフェニルであり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR
8は、独立して、リン含有配位子であり、このリン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の化合物を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明は、式III:
【0030】
【化11】
[式中、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
それぞれのR
5’は、独立して、−OAr
bであり、
Ar
bは、
【0031】
【化12】
であり
又は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは多環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは多環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環Bは、フェニル、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環B’は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは三環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
それぞれの環Cは、独立して、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十四員の二環式若しくは三環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
R
xは、それぞれ独立して、ハロゲン、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)
2、−C(O)N(R)(OR)、−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)
2、−OSi(R)
3、−SR、−S(O)R、−S(O)
2R、−S(O)
2OR、−S(O)
2N(R)
2、−NO
2、−N(R)
2、−NROR、−NRC(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)S(O)
2R、−N(R)S(O)
2N(R)
2、−P(R)
2、−P(OR)
2、−P(O)(R)
2、−P(O)(OR)
2、−P(O)[N(R)
2]
2、又は−Si(R)
3であり、
R
5aは、それぞれ独立して、Rであり、
p及びtのそれぞれは、独立して、0〜7であり、
mは、0〜3であり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR
9は、独立して、中性配位子である]の化合物を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、本発明は、ROMPのシンジオ選択性を向上させる方法を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、本発明は、ROMPを加速する方法を提供し、ROMPにより生成したポリマーのシンジオ選択性は低下しない。
【0034】
2.定義
本発明の化合物は、概ね本明細書に記載の化合物を含み、本明細書に開示された分類、下位分類、及び種類により更に説明する。本明細書において使用する場合、別途記載のない限り、以下の定義を適用するものとする。本発明の目的のため、化学元素は、元素周期表(CAS版、Handbook of Chemistry and Physics、75
th Ed)に従って特定される。更に、有機化学の一般原理は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999、並びに「March’s Advanced Organic Chemistry」、5
th Ed.、Ed.:Smith,M.B.及びMarch,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されている。
【0035】
用語「脂肪族」又は「脂肪族基」は、本明細書において使用する場合、完全飽和であるか又は1つ若しくは2つ以上の不飽和単位を含む、直鎖(すなわち、分枝していない)若しくは分枝した、置換若しくは無置換の炭化水素鎖、あるいは、完全飽和であるか又は1つ若しくは2つ以上の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、その分子の他の部分に対して単一の結合位置を有する単環式炭化水素、二環式炭化水素、若しくは三環式炭化水素(本明細書において、「カルボサイクル」、「シクロ脂肪族」、又は「シクロアルキル」としてもまた呼ばれる)である。別途記載のない限り、脂肪族基は、1〜30個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含み、なお別の実施形態では、脂肪族基は、1、2、3、又は4個の脂肪族炭素原子を含む。好適な脂肪族基には、直鎖又は分枝、置換又は無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基、及びこれらの複合体の、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、又は(シクロアルキル)アルケニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
用語「シクロ脂肪族」は、本明細書において使用する場合、飽和又は一部不飽和の環状脂肪族の単環式、二環式、又は多環式の環系を指し、本明細書に記載の通り、三〜十四員を有し、この脂肪族環系は、上記で定義し、本明細書に記載の通りに任意選択的に置換される。シクロ脂肪族基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、及びシクロオクタジエニルが挙げられるが、限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。用語「シクロ脂肪族」はまた、1個又は2個以上の芳香環又は非芳香環と縮合した脂肪族環、例えば、デカヒドロナフチル又はテトラヒドロナフチルなどを含んでもよく、ラジカル又は結合位置は、脂肪族環上にある。いくつかの実施形態では、カルボサイクル基は、二環式である。いくつかの実施形態では、カルボサイクル基は、三環式である。いくつかの実施形態では、カルボサイクル基は、多環式である。いくつかの実施形態では、「シクロ脂肪族」(又は「カルボサイクル」又は「シクロアルキル」)は、単環式C
3〜C
6炭化水素、又は、完全飽和であるか又は1つ若しくは2つ以上の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、その分子の他の部分に対して単一の結合位置を有するC
8〜C
10二環式炭化水素、又は、完全飽和であるか又は1つ若しくは2つ以上の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、その分子の他の部分に対して単一の結合位置を有するC
9〜C
16三環式炭化水素を指す。
【0037】
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」は、当該技術分野において通常の意味で定められ、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を含んでもよい。特定の実施形態では、直鎖又は分枝鎖アルキルは、その骨格に約1〜20個の炭素原子を含み(例えば、直鎖に対してはC
1〜C
20、分枝鎖に対してはC
2〜C
20)、また場合により、約1〜10個である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル環は、その環構造内に約3〜10個の炭素原子を有し、そのような環は、単環式又は二環式であり、また場合により、環構造内に約5、6、又は7個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む(例えば、直鎖低級アルキルに対してはC
1〜C
4)。
【0038】
本明細書において使用する場合、用語「アルケニル」は、本明細書で定義する通り、1つ又は2つ以上の二重結合を有するアルキル基を指す。
【0039】
本明細書において使用する場合、用語「アルキニル」は、本明細書で定義する通り、1つ又は2つ以上の三重結合を有するアルキル基を指す。
【0040】
用語「ヘテロアルキル」は、当該技術分野において通常の意味で定められ、本明細書で記載の通り、1個又は2個以上の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄など)で置換されたアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例として、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)置換アミノ、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
単独で用いられる用語「アリール」、又は「アラルキル」、「アラルコキシ」、若しくは「アリールオキシアルキル」においてのように、より大きな部位の部分として用いられる用語「アリール」は、合計5〜14個の環員を有する単環式又は二環式の環系を指し、この環系における少なくとも1つの環は、芳香族であり、この環系におけるそれぞれの環は、3〜7個の環員を含む。用語「アリール」は、用語「アリール環」と相互に置き換えて使用してもよい。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、芳香環系を指し、1個又は2個以上の置換基を有してもよいフェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、用語「アリール」の範囲内に、芳香環が1個又は2個以上の非芳香環と縮合している、例えば、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、又はテトラヒドロナフチルなどの基もまた含まれる。
【0042】
単独で用いられる用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラ〜」、又は、例えば、「ヘテロアラルキル」若しくは「ヘテロアラルコキシ」においてのように、より大きな部位の部分として用いられる用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラ〜」は、5〜10個の環原子を有する基(すなわち、単環式又は二環式)を指し、いくつかの実施形態では、5、6、9、又は10個の環原子である。いくつかの実施形態では、そのような環は、環状配置内で共有される6、10、又は14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する。用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、又は硫黄を指し、窒素又は硫黄の任意の酸化型、及び塩基性窒素の任意の4級化型を含む。ヘテロアリール基には、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、例えば、ビピリジルなどのヘテロビアリール基である。用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラ〜」は、本明細書において使用する場合、ヘテロ芳香環が1個又は2個以上のアリール環、シクロ脂肪族環、又はヘテロサイクリル環に縮合している基をまた含み、ラジカル又は結合位置は、ヘテロ芳香環上である。非限定的な例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式又は二環式であってもよい。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、又は「ヘテロ芳香族」と相互に置き換えて使用してもよく、いずれの用語も、任意選択的に置換された環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールにより置換されたアルキル基を指し、アルキル及びヘテロアリール部分は、独立して、任意選択的に置換される。
【0043】
本明細書において使用する場合、用語「ヘテロサイクル」、「ヘテロサイクリル」、「ヘテロサイクルラジカル」、及び「ヘテロサイクル環」は、相互に置き換えて使用され、飽和若しくは一部不飽和のいずれか一方の、安定な五〜七員の単環式、又は七〜十員の二環式のヘテロサイクル部位を指し、上記で定義した通り、炭素原子に加えて、1個又は2個以上、好ましくは、1〜4個のヘテロ原子を有する。ヘテロサイクルの環原子を参照して使用するとき、用語「窒素」は、置換窒素を含む。例として、酸素、硫黄、又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和又は一部不飽和の環では、窒素は、(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルでのように)N、(ピロリジニルでのように)NH、又は(N置換ピロリジニルでのように)
+NRであってもよい。
【0044】
ヘテロサイクル環は、そのペンダント基と、任意のヘテロ原子又は炭素原子上で結合可能であり、安定な構造をもたらし、いずれの環原子も、任意選択的に置換可能である。そのような飽和又は一部不飽和のヘテロサイクルラジカルの例として、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロサイクル」、「ヘテロサイクリル」、「ヘテロサイクリル環」、「ヘテロサイクル基」、「ヘテロサイクル部位」、及び「ヘテロサイクルラジカル」は、本明細書において、相互に置き換えて使用され、ヘテロサイクリル環が1個又は2個以上のアリール環、ヘテロアリール環、又はシクロ脂肪族環に縮合している、例えば、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、又はテトラヒドロキノリニルなどの基をもまた含む。ヘテロサイクリル基は、単環式又は二環式であってもよい。用語「ヘテロサイクリルアルキル」は、ヘテロサイクリルによって置換されたアルキル基を指し、アルキル及びヘテロサイクリル部分は、独立して任意選択的に置換される。
【0045】
本明細書において使用する場合、用語「一部不飽和の」は、少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含む環部位を指す。用語「一部不飽和の」は、複数部分が不飽和である環を含むことが意図されるが、本明細書で定義した通り、アリール又はヘテロアリール部位を含むことは意図されない。
【0046】
用語「ヘテロ原子」は、1種又は2種以上の、酸素、硫黄、窒素、リン、又はケイ素(窒素、硫黄、リン、若しくはケイ素の任意の酸化型、任意の塩基性窒素の4級化型、又はヘテロサイクル環の置換可能な窒素、例えば、(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルでのように)N、(ピロリジニルでのように)NH、若しくは(N置換ピロリジニルでのように)NR
+を含む)を意味する。
【0047】
本明細書において使用する場合、用語「不飽和の」は、部位が1つ又は2つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
【0048】
用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、又はIを意味する。
【0049】
本明細書において使用する場合、本発明の化合物は、「任意選択的に置換された」部位を含んでいてもよい。概ね、用語「置換された」は、用語「任意選択的に」が前置されるどうかに関わらず、指定された部位の1個又は2個以上の水素が好適な置換基で置換されたことを意味する。別途記載のない限り、「任意選択的に置換された」基は、基の置換可能なそれぞれの位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造における2個以上の位置が特定の基から選択された2個以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、全ての位置で同一か又は異なるかのいずれか一方であってもよい。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な又は化学的にあり得る化合物の生成をもたらす組み合わせである。用語「安定な」は、本明細書において使用する場合、生産、検出、並びに特定の実施形態では、回収、精製、及び本明細書で開示された目的のうち1つ又は2つ以上のための使用を可能にする条件に付した場合に、実質的に変化しない化合物を指す。
【0050】
「任意選択的に置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH
2)
0〜4R
○、−(CH
2)
0〜4OR
○、−O(CH
2)
0〜4R
○、−O−(CH
2)
0〜4C(O)OR
○、−(CH
2)
0〜4CH(OR
○、)
2、R
○で置換してもよい−(CH
2)
0〜4Ph、R
○で置換してもよい−(CH
2)
0〜4O(CH
2)
0〜1Ph、R
○で置換してもよい−CH=CHPh、R
○で置換してもよい−(CH
2)
0〜4O(CH
2)
0〜1−ピリジル、−NO
2、−CN、−N
3、−(CH
2)
0〜4N(R
○)
2、−(CH
2)
0〜4N(R
○)C(O)R
○、−N(R
○)C(S)R
○、−(CH
2)
0〜4N(R
○)C(O)NR°
2、−N(R
○)C(S)NR
○2、−(CH
2)
0〜4N(R
○)C(O)OR
○、−N(R
○)N(R
○)C(O)R
○、−N(R
○)N(R
○)C(O)NR
○2、−N(R
○)N(R
○)C(O)OR
○、−(CH
2)
0〜4C(O)R
○、−C(S)R
○、−(CH
2)
0〜4C(O)OR
○、−(CH
2)
0〜4C(O)SR
○、−(CH
2)
0〜4C(O)OSiR
○3、−(CH
2)
0〜4OC(O)R
○、−OC(O)(CH
2)
0〜4SR
○、−SC(S)SR
○、−(CH
2)
0〜4SC(O)R
○、−(CH
2)
0〜4C(O)NR
○2、−C(S)NR
○2、−C(S)SR
○、−SC(S)SR
○、−(CH
2)
0〜4OC(O)NR
○2、−C(O)N(OR
○)R
○、−C(O)C(O)R
○、−C(O)CH
2C(O)R
○、−C(NOR
○)R
○、−(CH
2)
0〜4SSR
○、−(CH
2)
0〜4S(O)
2R
○、−(CH
2)
0〜4S(O)
2OR
○、−(CH
2)
0〜4OS(O)
2R
○、−S(O)
2NR
○2、−(CH
2)
0〜4S(O)R
○、−N(R
○)S(O)
2NR
○2、−N(R
○)S(O)
2R
○、−N(OR
○)R
○、−C(NH)NR
○2、−P(O)
2R
○、−P(O)R
○2、−OP(O)R
○2、−OP(O)(OR
○)
2、−SiR
○3、−OSiR
○3、−(C
1〜4直鎖若しくは分枝アルキレン)O−N(R
○)
2、又は−(C
1〜4直鎖若しくは分枝アルキレン)C(O)O−N(R
○)
2であって、それぞれのR
○は、以下に定義した通りに置換されてもよく、かつ独立して、水素、C
1〜6脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、−CH
2−(五〜六員ヘテロアリール環)、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、又は、上記定義に関わらず、独立に存在する2個のR
○は、その間に介在する(複数の)原子と共に組み合わされて、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する三〜十二員の飽和、一部不飽和、若しくはアリールの、単環式若しくは二環式の環を生成し、以下に定義する通りに置換されてもよい。
【0051】
R
○上の好適な一価置換基(又は、独立に存在する2個のR
○とその間に介在する原子とを共に組み合わせることにより生じた環)は、独立して、ハロゲン、−(CH
2))
0〜2R
●、−(ハロR
●)、−(CH
2)
0〜2OH、−(CH
2)
0〜2OR
●、−(CH
2)
0〜2CH(OR
●)
2、−O(ハロR
●)、−CN、−N
3、−(CH
2)
0〜2C(O)R
●、−(CH
2)
0〜2C(O)OH、−(CH
2)
0〜2C(O)OR
●、−(CH
2)
0〜2SR
●、−(CH
2)
0〜2SH、−(CH
2)
0〜2NH
2、−(CH
2)
0〜2NHR
●、−(CH
2)
0〜2NR
●2、−NO
2、−SiR
●3、−OSiR
●3、−C(O)SR
●、−(C
1〜4直鎖若しくは分枝アルキレン)C(O)OR
●、又は−SSR
●であって、それぞれのR
●は、無置換、又は「ハロ」が前置されるときは1個若しくは2個以上のハロゲンのみで置換され、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環から独立して選択される。R
○の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、=O及び=Sが挙げられる。
【0052】
「任意選択的に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、以下の=O、=S、=NNR
*2、=NNHC(O)R
*、=NNHC(O)OR
*、=NNHS(O)
2R
*、=NR
*、=NOR
*、−O(C(R
*2))
2〜3O−、又は−S(C(R
*2))
2〜3S−が挙げられ、それぞれ独立に存在するR
*は、水素、以下に定義する通りに置換してもよいC
1〜6脂肪族、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する無置換の五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環から選択される。「任意選択的に置換された」基のビシナル置換可能な炭素に結合する好適な二価置換基には、−O(CR
*2)
2〜3O−が挙げられ、それぞれ独立に存在するR
*は、水素、以下に定義する通りに置換してもよいC
1〜6脂肪族、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する無置換の五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環から選択される。
【0053】
R
*の脂肪族基上の好適な置換基には、ハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2、又は−NO
2が挙げられ、それぞれのR
●は、無置換、又は「ハロ」が前置されるときは1個若しくは2個以上のハロゲンのみで置換され、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環である。
【0054】
「任意選択的に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基には、−R
†、−NR
†2、−C(O)R
†、−C(O)OR
†、−C(O)C(O)R
†、−C(O)CH
2C(O)R
†、−S(O)
2R
†、−S(O)
2NR
†2、−C(S)NR
†2、−C(NH)NR
†2、又は−N(R
†)S(O)
2R
†が挙げられ、それぞれのR
†は、独立して、水素、以下に定義する通りに置換してもよいC
1〜6脂肪族、無置換の−OPh、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する無置換の五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、又は上記定義に関わらず、独立に存在する2個のR
†は、その間に介在する(複数の)原子と共に組み合わされて、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する三〜十二員の飽和、一部不飽和、若しくはアリールの、単環式若しくは二環式の環を生成する。
【0055】
R
†の脂肪族基上の好適な置換基には、独立して、ハロゲン、−R
●、−(ハロR
●)、−OH、−OR
●、−O(ハロR
●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
●、−NH
2、−NHR
●、−NR
●2、又は−NO
2が挙げられ、それぞれのR
●は、無置換、又は「ハロ」が前置されるときは1個若しくは2個以上のハロゲンのみで置換され、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0〜1Ph、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環である。
【0056】
本明細書において使用する場合、用語「ステレオジェニックな金属原子」は、通常の意味で定められ、少なくとも2個の配位子(例えば、少なくとも4個の配位子)により配位結合された金属原子を指し、全体構造(例えば、金属錯体)が金属原子に関する対称面を持たないように、配位子は、金属原子周りに配置される。場合により、ステレオジェニックな金属原子は、少なくとも3個の配位子、少なくとも4個の配位子、少なくとも5個の配位子、少なくとも6個の配位子、又はそれ以上により配位結合され得る。特定の実施形態では、ステレオジェニックな金属原子は、4個の配位子で配位結合され得る。ステレオジェニックな金属中心を含む金属錯体は、対称面を有する分子基質が、対称面を持たない生成物を生成するために反応部位で反応してもよいように、金属錯体の反応部位に十分な空間特異性を提供してもよい。すなわち、金属錯体のステレオジェニックな金属中心は、キラル生成物を生成するステレオジェニック性を効果的に引き起こすために十分な形状特異性を与えてもよい。このような金属錯体は、以前の系に比べて、向上した触媒活性及び立体選択性を示すことが可能であり、不要な副反応(例えば、金属錯体の二量化又はオリゴマー化)を低減し得る。
【0057】
用語「キラル」は、当該技術分野において通常の意味で定められ、その鏡像と重ねることができない分子を指し、生じる重ねることができない鏡像は、「エナンチオマー」として既知であり、(R)エナンチオマー又は(S)エナンチオマーのいずれか一方として標識される。通常、キラル分子は、対称面を持たない。
【0058】
用語「アキラル」は、当該技術分野において通常の意味で定められ、その鏡像と重ねることができる分子を指す。通常、アキラル分子は、対称面を有する。
【0059】
本明細書において使用する場合、配位子は、単座又は多座のいずれか一方であってもよい。いくつかの実施形態では、配位子は、単座である。いくつかの実施形態では、配位子は、二座である。いくつかの実施形態では、配位子は、三座である。いくつかの実施形態では、2個以上の単座配位子は共に、多座配位子を形成するために組み合わされる。配位子は、1よりも大きいハプト数を有してもよい。場合により、配位子は、1〜10のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、1のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、2のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、3のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、4のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、5のハプト数を有する。いくつかの実施形態では、配位子は、6のハプト数を有する。1よりも大きいハプト数を有する配位子について、当該技術分野において時折行われるように、単結合は、配位子と金属との間に描いてもよい。場合により、配位子は、アルキリデンである。場合により、配位子は、窒素含有配位子である。場合により、配位子は、酸素含有配位子である。場合により、配位子は、リン含有配位子である。いくつかの実施形態では、配位子は、不飽和結合を含み、この不飽和結合は、金属に配位結合している。いくつかの実施形態では、配位子は、炭素−炭素二重結合を含み、この二重結合は、金属に配位結合している。いくつかの実施形態では、配位子は、オレフィンである。オレフィン二重結合が金属に配位結合するとき、オレフィンと金属との間の化学結合は、環員が金属と二重結合の両方の炭素原子とを含む三員環として、又は金属と二重結合との間の単結合として、いずれか一方で表記できる。
【0060】
本明細書において使用する場合、「窒素含有配位子」は、窒素原子を含有する任意の化学種であってもよい。場合により、窒素原子は、金属原子と結合してもよい。場合により、窒素含有配位子は、異なる原子を介して金属中心に結合してもよい。場合により、窒素原子は、ヘテロアリール基又はヘテロアルキル基の環原子であってもよい。場合により、窒素原子は、置換アミン基であってもよい。本明細書に記載の触媒前駆体において、窒素含有配位子は、金属中心、例えば、Mo又はW金属中心に配位結合する十分なイオン性を有してもよいことが理解されるべきである。窒素含有配位子の例として、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、カルバゾリル、モルホリニル、ピペリジニル、オキサジニル、これらの置換誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、窒素含有配位子は、ピロリド又は2,5−ジメチルピロリドであってもよい。窒素含有配位子は、酸素含有配位子がプレ触媒中の窒素含有配位子を速やかに置換して触媒を発生させるような酸素含有配位子と相互作用するように選択してもよい。化学反応を発現するために触媒組成物を系内で発生させてもよい場合、最初の窒素含有配位子は、酸素含有配位子により置換される際に、窒素含有配位子又はそのプロトン化された配位子が化学反応を妨害しないように選択してもよい。いくつかの実施形態では、窒素含有配位子は、キラルであってもよく、プレ触媒は、ラセミ混合物又は精製された立体異性体として提供されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、窒素含有配位子はまた、窒素原子に直接結合しした少なくとも1個の水素原子を含む配位子前駆体を表してもよく、この少なくとも1個の水素原子の脱プロトン化は、金属原子に配位結合し得る負の電荷を持つ窒素原子をもたらす。そのような前駆体の例として、アミン、アミド、及びピロール、並びにこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有配位子は、少なくとも1個の窒素環原子を含む、ヘテロアリール基又はヘテロアルキル基であってもよい。場合により、窒素原子は、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基の置換基上に位置してもよい。例えば、窒素含有配位子は、アミン置換又はアミド置換のアリール基であってもよく、アミン基又はアミド基は、金属中心に配位結合する際に脱プロトン化される。
【0062】
本明細書において使用する場合、用語「酸素含有配位子」は、少なくとも1個の酸素原子を含有する配位子を指すために使用してもよい。場合により、酸素原子は、金属原子と結合することにより、エーテル結合を形成する。別の場合には、酸素含有配位子は、異なる原子を介して金属中心に結合してもよい。用語「酸素含有配位子」はまた、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する配位子前駆体(例えば、ヒドロキシル含有配位子)を表してもよく、ヒドロキシル基の脱プロトン化は、金属原子に配位結合し得る負の電荷を持つ酸素原子をもたらす。酸素含有配位子は、少なくとも1個の酸素環原子を含有するヘテロアリール基又はヘテロアルキル基であってもよい。場合により、酸素原子は、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基の置換基上に位置してもよい。例えば、酸素含有配位子は、ヒドロキシ置換アリール基であってもよく、ヒドロキシル基は、金属中心に配位結合する際に脱プロトン化される。
【0063】
いくつかの実施形態では、酸素含有配位子はまた、少なくとも1個のヒドロキシル基を含む配位子前駆体(例えば、ヒドロキシル含有配位子)を表してもよく、ヒドロキシル基の脱プロトン化は、金属原子に配位結合し得る負の電荷を持つ酸素原子をもたらす。酸素含有配位子は、少なくとも1個の酸素環原子を含有するヘテロアリール基又はヘテロアルキル基であってもよい。場合により、酸素原子は、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基の置換基上に位置してもよい。例えば、酸素含有配位子は、ヒドロキシ置換アリール基であってもよく、ヒドロキシル基は、金属中心に配位結合する際に脱プロトン化される。
【0064】
本明細書において使用する場合、用語「リン含有配位子」は、少なくとも1個のリン原子を含有する配位子を指すために使用してもよい。場合により、リン原子は、金属に結合する。別の場合、リン原子含有配位子は、異なる原子(すなわち、リン以外の原子)を介して金属中心に結合してもよい。リン含有配位子は、様々な酸化状態のリン原子を有してもよい。場合により、リン含有配位子は、ホスフィンである。場合により、リン含有配位子は、亜リン酸である。場合により、リン含有配位子は、リン酸である。リン含有配位子は、単座又は多座のいずれか一方であってもよい。場合により、2個以上のリン原子が金属に結合する。場合により、1個又は2個以上のリン原子が、1個又は2個以上のリン以外の原子と共に金属に結合する。
【0065】
語句「保護基」は、本明細書において使用する場合、潜在的反応性官能基を不要な化学変換から保護する一時的な置換基を指す。そのような保護基の例として、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びにアルデヒドのアセタール及びケトンのケタールが挙げられる。「Si保護基」は、Si原子を含有する保護基であり、例えば、Si−トリアルキル(例えば、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)、Si−トリアリール、Si−アルキルジフェニル(例えば、t−ブチルジフェニルシリル)、又はSi−アリールジアルキル(例えば、Si−フェニルジアルキル)である。概ね、Si−保護基は、酸素原子に結合させる。保護基化学の分野は、レビューされている(Greene,T.W.、Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.,Wiley:New York,1991)。そのような保護基(及び関連する保護部位)は、以下で詳細に説明する。
【0066】
保護ヒドロキシル基は、当該技術分野において周知であり、その内容全体が参照により本明細書に援用される、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3
rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載された保護ヒドロキシル基を含む。好適な保護ヒドロキシル基の例として、エステル、カルボナート、スルホナート、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、及びアルコキシアルキルエーテルが更に挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルの例として、ホルマート、アセタート、プロピオナート、ペンタノアート、クロトナート、及びベンゾアートが挙げられる。好適なエステルの具体例として、ホルマート、ベンゾイルホルマート、クロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート、ピバロアート(トリメチルアセタート)、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−ベンジルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアートが挙げられる。好適なカルボナートの例として、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、及びp−ニトロベンジルカルボナートが挙げられる。好適なシリルエーテルの例として、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテル、及び他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。好適なアルキルエーテルの例として、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチル、及びアリルエーテル、又はこれらの誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルには、例えば、メトキシメチル、メチルチオメチル、(2−メトキシエトキシ)メチル、ベンジルオキシメチル、ベータ−(トリメチルシリル)エトキシメチル、及びテトラヒドロピラン−2−イルエーテルが挙げられる。好適なアリールアルキルエーテルの例として、ベンジル、p−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、2−及び4−ピコリルエーテルが挙げられる。
【0067】
保護アミンは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記述された保護アミンを含む。好適なモノ保護アミンには、アラルキルアミン、カルバマート、アリルアミン、アミドなどが更に挙げられるが、これらに限定されない。好適なモノ保護されたアミノ部位の例として、t−ブチルオキシカルボニルアミノ(−NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ(−NHAlloc)、ベンジルオキシカルボニルアミノ(−NHCBZ)、アリルアミノ、ベンジルアミノ(−NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(−NHFmoc)、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、フェニルアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、t−ブチルジフェニルシリルなどが挙げられる。好適なジ保護アミンは、モノ保護アミンとして上述した置換基から独立して選択される2つの置換基により置換されたアミンを含み、例えば、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミドなどの環状イミドを更に含む。好適なジ保護(di-protected)アミンはまた、ピロールなど、2,2,5,5−テトラメチル[1,2,5]アザジシロリジンなど、及びアジドも含む。
【0068】
保護アルデヒドは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記述された保護アルデヒドを含む。好適な保護アルデヒドには、非環状アセタール、環状アセタール、ヒドラゾン、イミンなどが更に挙げられるが、これらに限定されない。このような基の例として、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、ジベンジルアセタール、ビス(2−ニトロベンジル)アセタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、セミカルバゾン、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0069】
保護カルボン酸は、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記述された保護カルボン酸を含む。好適な保護カルボン酸には、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族エステル、任意選択的に置換されたアリールエステル、シリルエーテル、活性エステル、アミド、ヒドラジンなどが更に挙げられるが、これらに限定されない。このようなエステル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ベンジル、及びフェニルエステルが挙げられ、それぞれの基は、任意選択的に置換される。更に、好適な保護カルボン酸として、オキサゾリン及びオルトエステルが挙げられる。
【0070】
保護チオールは、当該技術分野において周知であり、Greene(1999)に詳細に記述された保護チオールを含む。好適な保護チオールには、ジスルフィド、チオエーテル、シリルチオエーテル、チオエステル、チオカルボナート、及びチオカルバマートなどが更に挙げられるが、これらに限定されない。このような基の例として、数例を挙げるならば、アルキルチオエーテル、ベンジル及び置換ベンジルチオエーテル、トリフェニルメチルチオエーテル、並びにトリクロロエトキシカルボニルチオエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
別途明記しない限り、本明細書で表記された構造はまた、その構造の全ての異性(例えば、エナンチオ異性、ジアステレオ異性、及び幾何異性(又は配座異性))体、例えば、それぞれの不斉中心に対するR及びS配置、(Z)及び(E)二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)配座異性体を含むことを意味する。したがって、単一の立体化学異性体と同様に、本発明の化合物のエナンチオ異性、ジアステレオ異性、及び幾何異性(又は配座異性)混合物は、別途特定しない限り、本発明の範囲内にある。
【0072】
別途明記しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体は、本発明の範囲内にある。
【0073】
更に、別途明記しない限り、本明細書で示した構造はまた、1個又は2個以上の同位体が濃縮された原子が存在する場合のみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素若しくは三重水素による水素の置換以外、又は
11C若しくは
13C若しくは
14C濃縮炭素による炭素の置換以外の本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。そのような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツール又はプローブとして有用である。
【0074】
本明細書及び特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上、別途明らかな記載のない限り、複数形の照応を含む。したがって、例えば、「a compound」に言及すると、複数のそのような化合物を含む。
【0075】
3.本発明の特定の実施形態の説明
いくつかの実施形態では、本発明は、前例のない立体規則性を有するポリマーを提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高度な立体規則性を有するポリ(DCPD)を提供する。
【0076】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、シンジオタクチックが80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%を超えている。
【0077】
いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、81%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、82%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、83%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、84%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、86%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、87%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、88%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、89%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、99.5%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチックポリ(DCPD)は、100%シンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)のシンジオタクチック性は、核磁気共鳴分光法(「NMR」)により決定される。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)のシンジオタクチック性は、
13C NMRにより決定される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%を超えている。いくつかの実施形態では、ポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、50%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、60%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、70%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、91%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、92%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、93%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、94%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、95%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、96%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、97%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、98%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、99%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、99.5%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、100%シスである。
【0079】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、シス、シンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0080】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0081】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0082】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0083】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0084】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0085】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0086】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0087】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0088】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0089】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0090】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超えている。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、80%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである。
【0091】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、100%シンジオタクチックであり、ポリマー骨格の二重結合は、100%シスである。
【0092】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、シンジオタクチックが80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%を超えている。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、80%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、81%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、82%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、83%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、84%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、85%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、86%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、87%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、88%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、89%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、91%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、92%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、93%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、94%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、95%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、96%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、97%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、98%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、99%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、99.5%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、100%シンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、提供された水素化ポリ(DCPD)のシンジオタクチック性は、核磁気共鳴分光法(「NMR」)により決定される。いくつかの実施形態では、提供された水素化ポリ(DCPD)のシンジオタクチック性は、
13C NMRにより決定される。
【0093】
いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、完全に水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、一部水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99.5%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約10%水素化されている(二重結合の約10%が水素化されている)。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約20%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約30%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約40%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約50%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約60%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約70%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、80%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約90%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約95%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約99%水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99.5%を超えて水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約10%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約20%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約30%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約40%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約50%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約60%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約70%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、80%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約90%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約95%超水素化されている。いくつかの実施形態では、水素化ポリ(DCPD)は、約99%超水素化されている。
【0094】
いくつかの実施形態では、提供されたポリマー、例えば、ポリ(DCPD)又は水素化ポリ(DCPD)は、約1,000を超える分子量M
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約2,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約3,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約4,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約5,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約6,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約7,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約8,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約9,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約10,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約11,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約12,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約13,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約14,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約15,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約16,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約17,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約18,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約19,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約20,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約21,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約22,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約23,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約24,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約25,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約26,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約27,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約28,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約29,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約30,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約35,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約40,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約45,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約50,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約55,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約60,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約65,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約70,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約80,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約90,000を超えるM
nを有する。いくつかの実施形態では、提供されたポリマーは、約100,000を超えるM
nを有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、直鎖である。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、架橋していない。いくつかの実施形態では、提供されたポリ(DCPD)は、架橋している。いくつかの実施形態では、提供された水素化ポリ(DCPD)は、直鎖である。いくつかの実施形態では、提供された水素化ポリ(DCPD)は、架橋していない。いくつかの実施形態では、提供された水素化ポリ(DCPD)は、架橋している。
【0096】
いくつかの実施形態では、ジシクロペンタジエンは、endo−ジシクロペンタジエンである。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩、R
4−Hの構造を有する化合物、R
5−Hの構造を有する化合物、R
5’−Hの構造を有する化合物、又はR
8若しくはR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩、R
4−Hの構造を有する化合物、R
5−Hの構造を有する化合物、又はR
8若しくはR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩、R
4−Hの構造を有する化合物、又はR
5−Hの構造を有する化合物を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩、R
5’−Hの構造を有する化合物、又はR
8若しくはR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩を更に含む。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式Iの構造を有する。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式IIの構造を有する。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式IIIの構造を有する。いくつかの実施形態では、ROMPは、特定の反応時間後にクエンチされる。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式I、II、又はIIIの化合物のクエンチ生成物である。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式Iの化合物のクエンチ生成物である。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式IIの化合物のクエンチ生成物である。いくつかの実施形態では、タングステン塩は、式IIIの化合物のクエンチ生成物である。いくつかの実施形態では、提供された化合物は、R
5’−Hの構造を有する化合物を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された化合物は、R
5−Hの構造を有する化合物を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、R
8又はR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、R
4−Hの構造を有する化合物を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、R
5−Hの構造を有する化合物を更に含む。いくつかの実施形態では、提供された組成物は、タングステン塩、R
4−Hの構造を有する化合物、及びR
5−Hの構造を有する化合物を更に含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明は、式I:
【0099】
【化13】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法を提供する。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明は、式II:
【0101】
【化14】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、式III:
【0102】
【化15】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物及びルイス酸を提供することを含む高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、ホウ素を含有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(R)
3の構造を有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(C
6F
5)
3である。
【0103】
いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式Iの化合物の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式IIの化合物の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式IIIの化合物の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式IIIの化合物及びルイス酸の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含む。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、ホウ素を含有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(R)
3の構造を有する。いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式IIIの化合物及びB(R)
3の構造を有する化合物の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含み、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、提供された方法は、提供された式IIIの化合物及びB(C
6F
5)
3の構造を有する化合物の存在下でジシクロペンタジエンを重合することを更に含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式I:
【0105】
【化16】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式Iの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式II:
【0107】
【化17】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式IIの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0109】
【化18】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式IIIの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0110】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0111】
【化19】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ルイス酸を提供する工程と、
c)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
d)提供された式IIIの化合物及びルイス酸の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0112】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0113】
【化20】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)B(R)
3の構造を有する化合物を提供する工程と、
c)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
d)提供された式IIIの化合物及びB(R)
3の構造を有する化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供することを含む高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式I:
【0115】
【化21】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式II:
【0116】
【化22】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式III:
【0117】
【化23】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供することを含む高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIIの化合物及びルイス酸を提供することを含む高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、ホウ素を含有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(R)
3の構造を有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(C
6F
5)
3である。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式I:
【0119】
【化24】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式Iの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式I:
【0121】
【化25】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程
c)提供された式Iの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、
d)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0122】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法をであって、
a)式II:
【0123】
【化26】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式IIの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式II:
【0125】
【化27】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式IIの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、
d)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0126】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0127】
【化28】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)提供された式IIIの化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、
d)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0128】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0129】
【化29】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)ルイス酸を提供する工程と、
c)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
d)提供された式IIIの化合物及び提供されたルイス酸の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、
e)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0130】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチックポリ(DCPD)の調製方法であって、
a)式III:
【0131】
【化30】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載された通りである]の化合物を提供する工程と、
b)B(R)
3の構造を有する化合物を提供する工程と、
c)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
d)提供された式IIIの化合物及びB(R)
3の構造を有する化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合して、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を提供する工程と、
e)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程と、を含む、方法を提供する。
【0132】
いくつかの実施形態では、提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)の骨格の二重結合は、大部分がシスである。いくつかの実施形態では、二重結合は、シスが50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%を超えている。いくつかの実施形態では、二重結合は、約95%超がシスである。
【0133】
例示的な水素化の方法は、当該技術分野において広く既知である。いくつかの実施形態では、例示的な方法は、触媒的水素化である。いくつかの実施形態では、例示的な方法は、ジイミンによる水素化である。いくつかの実施形態では、ジイミンは、例えば、p−トルエンスルホニルヒドラジド(p−Tos−NHNH
2)から系内で発生させる。好適な溶媒には、例えば、クロロホルム及びシクロヘキサンが挙げられる。いくつかの実施形態では、水素化は、室温よりも高い温度で実施される。いくつかの実施形態では、水素化は、約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200℃で実施される。いくつかの実施形態では、水素化は、約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200℃を超える温度で実施される。いくつかの実施形態では、水素化は、高圧下で行われる。いくつかの実施形態では、水素化は、約1.0MPaで行われる。
【0134】
いくつかの実施形態では、ジシクロペンタジエンの重合は、開環メタセシス重合(ROMP)により行われる。いくつかの実施形態では、重合は、提供された化合物又はその誘導体により促進される。
【0135】
いくつかの実施形態では、本発明は、式I:
【0136】
【化31】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式II:
【0137】
【化32】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供する。いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式II−a:
【0138】
【化33】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の構造を有する。いくつかの実施形態では、本発明は、式III:
【0139】
【化34】
[式中、それぞれの変数は、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである]の化合物を提供する。
【0140】
概ね上記で定義した通り、R
1は、−C(R
1a)
3の構造を有する3級基であり、それぞれのR
1aは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜30脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜30アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜20アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜10アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された3級C
1〜4アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、t−ブチルである。いくつかの実施形態では、R
1は、t−ブチル以外である。いくつかの実施形態では、R
1は、アダマンチルである。いくつかの実施形態では、R
1は、アダマンチル以外である。いくつかの実施形態では、R
1は、t−ブチル及びアダマンチル以外である。
【0141】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
1aは、独立して、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、あるいは、
3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。
【0142】
いくつかの実施形態では、R
1aは、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0143】
いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたC
3〜10シクロ脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル、又はメチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたペンチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたブチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたプロピルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたエチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたメチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、ヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、ペンチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、ブチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、プロピルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、エチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、メチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、イソプロピルである。
【0144】
いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換されたC
1〜10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換されたC
1〜6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換されたC
1〜4ヘテロアルキルである。
【0145】
いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、置換フェニルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、無置換フェニルである。
【0146】
いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換された三〜七員の飽和カルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたシクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、シクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、シクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、シクロペンチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたシクロブチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、シクロブチルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換されたシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、R
1aは、シクロプロピルである。
【0147】
いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換された八〜十員の二環式又は多環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換された八〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、任意選択的に置換された二環式又は多環式の八〜十員の飽和カルボサイクル環である。
【0148】
いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員単環式ヘテロアリール環である。
【0149】
いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七〜十員の二環式の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、R
1aは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式ヘテロアリール環である。
【0150】
いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。2個のR
1a基が結合している炭素原子と共に組み合わされるとき、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成することが、当業者により理解され、R
1は、
【0151】
【化35】
の構造を有し、環A
1は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環であり、R
1aは、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0152】
いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の二価シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された三〜十員の単環式の飽和又は一部不飽和の二価シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された三〜十員の単環式飽和二価シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロプロピル環(任意選択的に置換された
【0153】
【化36】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロブチル環(任意選択的に置換された
【0154】
【化37】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロペンチル環(任意選択的に置換された
【0155】
【化38】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロヘキシル環(任意選択的に置換された
【0156】
【化39】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロヘプチル環(任意選択的に置換された
【0157】
【化40】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価シクロオクチル環(任意選択的に置換された
【0158】
【化41】
)を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された三〜十員の単環式の一部不飽和の二価シクロ脂肪族環を形成する。
【0159】
いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された四〜十員の二環式の飽和又は一部不飽和のシクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された四〜十員の二環式飽和シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された四〜十員の二環式の一部不飽和のシクロ脂肪族環を形成する。
【0160】
いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された六〜十員の多環式の飽和又は一部不飽和のシクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された六〜十員の多環式飽和シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された十員多環式飽和シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された十員三環式飽和シクロ脂肪族環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された
【0161】
【化42】
を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、
【0162】
【化43】
を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された六〜十員の多環式の一部不飽和のシクロ脂肪族環を形成する。
【0163】
いくつかの実施形態では、2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。
【0164】
いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、それぞれのR
1aは、独立して、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、それぞれのR
1aは、独立して、任意選択的に置換されたC
1〜10アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1は、t−ブチルである。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、2個のR
1aは、独立して、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族であり、3個目のR
1aは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(CH
3)
2Phである。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、それぞれのR
1aは、独立して、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
1は、−CPh
3である。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基のうち2個は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1a基のうち2個は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換されたシクロヘキシルを形成し、3個目のR
1aは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
1は、
【0165】
【化44】
である。いくつかの実施形態では、R
1a基のうち2個は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、任意選択的に置換された2級アダマンチルを形成し、3個目のR
1aは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
1は、
【0167】
いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜九員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和カルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された六〜十員の二環式又は多環式の飽和カルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された八〜十員の二環式又は多環式の飽和カルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された八員の二環式又は多環式の飽和カルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された
【0168】
【化46】
である。いくつかの実施形態では、R
1は、
【0169】
【化47】
である。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された
【0170】
【化48】
である。いくつかの実施形態では、R
1は、
【0171】
【化49】
である。いくつかの実施形態では、R
1は、−C(R
1a)
3であり、3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換された十員の二環式又は多環式の飽和カルボサイクル環を形成する。いくつかの実施形態では、R
1は、任意選択的に置換された1−アダマンチルである。いくつかの実施形態では、R
1は、
【0175】
概ね上記で定義した通り、R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、若しくは−NRSO
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通り、又は、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、若しくは多環式の飽和若しくは一部不飽和の環を形成する。
【0176】
いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、R
2及びR
3のうち他方は、Rである。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3の両方は、水素である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、C
1〜10脂肪族、C
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−SOR、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rから選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、C
1〜10脂肪族、C
1〜10ヘテロ脂肪族、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、C
1〜6脂肪族、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方のR
2及びR
3は、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方のR
2及びR
3は、任意選択的にメチルである。
【0177】
特定の実施形態では、R
2又はR
3は、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
2又はR
3は、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。特定の実施形態では、R
2又はR
3は、フェニル及び1種又は2種の追加置換基で置換されたC
1〜6アルキルである。特定の実施形態では、R
2又はR
3は、1個又は2個のメチル基及びフェニルで任意選択的に置換された低級アルキル基である。特定の実施形態では、R
2又はR
3は、−C(Me)
2Phである。特定の実施形態では、R
2又はR
3は、−C(Me)
3である。
【0178】
いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、Rであり、R
2及びR
3のうち少なくとも一方は、水素ではない。
【0179】
特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−SOR、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、任意選択的に置換されたC
1〜20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、任意選択的に置換されたC
1〜20アルキルである。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、フェニル及び1個又は2個以上の追加置換基で置換されたC
1〜6アルキルである。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、1個又は2個のメチル基及びフェニルで任意選択的に置換された低級アルキル基である。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、−C(Me)
2Phである。特定の実施形態では、R
2は、水素であり、R
3は、−C(Me)
3である。
【0180】
いくつかの実施形態では、R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換されたC
3〜10シクロアルキリデンを形成する。いくつかの実施形態では、R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、任意選択的に置換されたシクロペンチリデンを形成する。
【0181】
概ね上記で定義した通り、R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員のヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素である。いくつかの実施形態では、R
4は、少なくとも1個の窒素原子を介してWに結合している。いくつかの実施形態では、R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素である。いくつかの実施形態では、R
4は、任意選択的に置換された
【0182】
【化52】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、任意選択的に置換された
【0183】
【化53】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、任意選択的に置換された
【0184】
【化54】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、任意選択的に置換された
【0185】
【化55】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、任意選択的に置換された
【0186】
【化56】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、
【0187】
【化57】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、
【0189】
概ね上記で定義した通り、R
5は、−OAr
aであり、Ar
aは、任意選択的に置換された
【0190】
【化59】
である。いくつかの実施形態では、R
5は、−OAr
aであり、Ar
aは、置換された
【0192】
概ね上記で定義した通り、Ar
aは、任意選択的に置換された
【0193】
【化61】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、1個若しくは2個以上のハロゲン又はC
1〜6の脂肪族、ハロアルキル、又はヘテロアルキルで任意選択的に置換された
【0194】
【化62】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、1個若しくは2個以上のハロゲン又はC
1〜6の脂肪族、ハロアルキル、又はヘテロアルキルで置換された
【0195】
【化63】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、1個又は2個以上のハロゲンで置換された
【0196】
【化64】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、1個又は2個以上のC
1〜6脂肪族で置換された
【0197】
【化65】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、1個又は2個以上のC
1〜6アルキルで置換された
【0198】
【化66】
である。いくつかの実施形態では、2’、2’’、6’、及び6’’位のそれぞれは、独立して置換される(
【0199】
【化67】
)。いくつかの実施形態では、Ar
aは、
【0200】
【化68】
である。いくつかの実施形態では、Ar
aは、
【0202】
いくつかの実施形態では、R
5は、任意選択的に置換された
【0203】
【化70】
である。いくつかの実施形態では、R
5は、置換された
【0204】
【化71】
である。いくつかの実施形態では、2’、2’’、6’、及び6’’位のそれぞれは、独立して置換されている(
【0205】
【化72】
)。いくつかの実施形態では、R
5は、
【0206】
【化73】
である。いくつかの実施形態では、R
5は、
【0208】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
5’は、独立して、−OAr
bであり、Ar
bは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、それぞれのR
5’は、独立して、アリールオキシ基であり、酸素原子は、Ar
bの芳香族炭素原子に結合している。
【0210】
【化75】
あるいは、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは多環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは多環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0212】
【化76】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0215】
【化78】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0216】
【化79】
であり、環B及び環Cのそれぞれは、独立して、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0217】
【化80】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換された
【0218】
【化81】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、置換された
【0219】
【化82】
である。いくつかの実施形態では、2’、2’’、6’、及び6’’位のそれぞれは、独立して置換されている(
【0220】
【化83】
)。いくつかの実施形態では、Ar
bは、1個若しくは2個以上のハロゲン又はC
1〜6の脂肪族、ハロアルキル、又はヘテロアルキルで任意選択的に置換された
【0221】
【化84】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、1個若しくは2個以上のハロゲン又はC
1〜6アルキルで任意選択的に置換された
【0222】
【化85】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、1個又は2個以上のハロゲンで置換された
【0223】
【化86】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、1個又は2個以上のC
1〜6アルキルで置換された
【0224】
【化87】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0225】
【化88】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0226】
【化89】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0227】
【化90】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0228】
【化91】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0229】
【化92】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0232】
【化94】
であり、環Bは、任意選択的に置換されたフェニルであり、それぞれの環Cは、独立して、任意選択的に置換されたピロリルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0233】
【化95】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0236】
【化97】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0237】
【化98】
であり、環B及び環Cのそれぞれは、独立して、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0238】
【化99】
である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0239】
【化100】
であり、環B及び環Cのそれぞれは、独立して、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、
【0243】
いくつかの実施形態では、Ar
bは、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは多環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは多環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0244】
いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Ar
bは、置換フェニルである。
【0245】
いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換された十〜十四員の二環式又は多環式のアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、任意選択的に置換された十員二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換された十四員三環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は多環式のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三環式ヘテロアリール環である。
【0246】
概ね上記で定義した通り、環Bは、フェニル、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、環Bは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、環Bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。
【0248】
【化103】
の構造を有し、R
x及びmのそれぞれは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、m=0である。いくつかの実施形態では、環Bは、
【0250】
概ね上記で定義した通り、環B’は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは三環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0251】
いくつかの実施形態では、環B’は、置換フェニルである。いくつかの実施形態では、環B’は、1個又は2個以上の任意選択的に置換されたC
1〜4脂肪族で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、環B’は、十〜十四員の二環式又は三環式のアリール環である。いくつかの実施形態では、環B’は、十員二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、環B’は、
【0253】
【化106】
は、独立して、環C又は酸素に結合する点を表す]から選択される任意選択的に置換された基であり、環B’は、0〜7個のR
xで任意選択的に置換されている。いくつかの実施形態では、環B’は、
【0254】
【化107】
の構造を有し、R
x及びtのそれぞれは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、環Bは、任意選択的に置換された
【0255】
【化108】
である。いくつかの実施形態では、環B’は、任意選択的に置換された
【0256】
【化109】
である。いくつかの実施形態では、環B’は、任意選択的に置換された
【0257】
【化110】
である。いくつかの実施形態では、環B’は、十四員三環式アリール環である。いくつかの実施形態では、環B’は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は三環式のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環B’は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環B’は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の三環式ヘテロアリール環である。
【0258】
概ね上記で定義した通り、それぞれの環Cは、独立して、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十四員の二環式若しくは三環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0259】
いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、環Cは、
【0260】
【化111】
であり、R
x及びpのそれぞれは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、環Cは、
【0261】
【化112】
の構造を有し、それぞれのR
xは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、環Cは、
【0262】
【化113】
の構造を有し、それぞれのR
xは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、環Cは、−C
6F
5、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、又は2,4,6−トリイソプロピルフェニルである。
【0263】
いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された三〜七員の飽和カルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された五〜六員の飽和カルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された三〜七員の一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された五〜六員の一部不飽和のカルボサイクル環である。
【0264】
いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された六〜十四員の二環式若しくは三環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、Rであり、Rは、任意選択的に置換された六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は三環式の飽和カルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は三環式の一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された十員二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された十四員三環式アリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された
【0265】
【化114】
である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された
【0267】
いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、1〜4個の窒素原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、1〜2個の窒素原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、
【0268】
【化116】
であり、R
xは、上記で定義し、本明細書に記載の通りであり、pは0〜4である。いくつかの実施形態では、環Cは、
【0269】
【化117】
であり、R
xは、任意選択的に置換されたフェニル又はC
1〜6脂肪族であり、pは0〜4である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された
【0270】
【化118】
である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された
【0271】
【化119】
である。いくつかの実施形態では、環Cは、任意選択的に置換された
【0272】
【化120】
である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員単環式ヘテロアリール環である。
【0273】
いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜七員の飽和ヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の飽和ヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜七員の一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の一部不飽和のヘテロサイクル環である。
【0274】
いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七〜十員の二環式の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七〜十員の二環式の飽和ヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式の飽和ヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七〜十員の二環式の一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式の一部不飽和のヘテロサイクル環である。
【0275】
いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は三環式のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八員二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された九員二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された十員二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Cは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された十〜十四員の三環式のヘテロアリール環である。
【0276】
環Cに関する例示的な実施形態として、Rが挙げられるが、これに限定されず、Rは、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0277】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
xは、独立して、R、ハロゲン、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)
2、−C(O)N(R)(OR)、−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)
2、−OSi(R)
3、−SR、−S(O)R、−S(O)
2R、−S(O)
2OR、−S(O)
2N(R)
2、−NO
2、−N(R)
2、−NROR、−NRC(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)S(O)
2R、−N(R)S(O)
2N(R)
2、−P(R)
2、−P(OR)
2、−P(O)(R)
2、−P(O)(OR)
2、−P(O)[N(R)
2]
2、又は−Si(R)
3である。
【0278】
いくつかの実施形態では、R
xは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、R
xは、−Fである。いくつかの実施形態では、R
xは、−Clである。いくつかの実施形態では、R
xは、−Brである。いくつかの実施形態では、R
xは、−Iである。
【0279】
いくつかの実施形態では、R
xは、水素である。いくつかの実施形態では、R
xは、C
1〜6脂肪族、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。
【0280】
特定の実施形態では、R
xは、Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたC
1〜6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたC
1〜6ハロアルキルであり、1個の置換基は、−Fである。いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたC
1〜6ハロアルキルであり、2個以上の置換基は、−Fである。特定の実施形態では、R
xは、メチル、エチル、プロピル、又はブチルから選択される。特定の実施形態では、R
xは、イソプロピルである。特定の実施形態では、R
xは、−CF
3である。
【0281】
いくつかの実施形態では、R
xは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
xは、置換フェニルである。いくつかの実施形態では、R
xは、フェニルである。
【0282】
いくつかの実施形態では、R
xは、−CNである。いくつかの実施形態では、R
xは、−C(O)Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−C(O)ORであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−C(O)N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−C(O)N(R)(OR)であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−ORであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−OC(O)Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−OC(O)N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−OSi(R)
3であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−SRであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−S(O)Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−S(O)
2Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−S(O)
2ORであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−S(O)
2N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−NO
2である。いくつかの実施形態では、R
xは、−N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−NRORであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−NRC(O)Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−N(R)C(O)ORであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−N(R)C(O)N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−N(R)S(O)
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−N(R)S(O)
2N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−P(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−P(OR)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−P(O)(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−P(O)(OR)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−P(O)[N(R)
2]
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
xは、−Si(R)
3であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。
【0283】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
5aは、独立して、Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
5aは、水素である。
【0284】
概ね上記で定義した通り、p及びtのそれぞれは、独立して0〜7である。
【0285】
いくつかの実施形態では、pは、0〜7である。いくつかの実施形態では、pは、0〜5である。いくつかの実施形態では、pは、0〜4である。いくつかの実施形態では、pは、0である。いくつかの実施形態では、pは、1〜6である。いくつかの実施形態では、pは、1〜5である。いくつかの実施形態では、pは、1〜4である。いくつかの実施形態では、pは、1である。いくつかの実施形態では、pは、2である。いくつかの実施形態では、pは、3である。いくつかの実施形態では、pは、4である。いくつかの実施形態では、pは、5である。いくつかの実施形態では、pは、6である。いくつかの実施形態では、pは、7である。
【0286】
いくつかの実施形態では、tは、0〜7である。いくつかの実施形態では、tは、0〜5である。いくつかの実施形態では、tは、0〜4である。いくつかの実施形態では、tは、0である。いくつかの実施形態では、tは、1〜6である。いくつかの実施形態では、tは、1〜5である。いくつかの実施形態では、tは、1〜4である。いくつかの実施形態では、tは、1である。いくつかの実施形態では、tは、2である。いくつかの実施形態では、tは、3である。いくつかの実施形態では、tは、4である。いくつかの実施形態では、tは、5である。いくつかの実施形態では、tは、6である。いくつかの実施形態では、tは、7である。
【0287】
いくつかの実施形態では、mは、0〜3である。いくつかの実施形態では、mは、0である。いくつかの実施形態では、mは、1〜3である。いくつかの実施形態では、mは、1である。いくつかの実施形態では、mは、2である。いくつかの実施形態では、mは、3である。
【0288】
いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換された十〜十四員の二環式又は多環式のアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、任意選択的に置換された十員二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、任意選択的に置換された十四員三環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十四員の二環式又は多環式のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、Rであり、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Ar
bは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三環式ヘテロアリール環である。
【0289】
いくつかの実施形態では、R
5’は、−OAr
bであり、Ar
bは、
【0290】
【化121】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、−OAr
bであり、Ar
bは、
【0291】
【化122】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、−OAr
bであり、Ar
bは、
【0292】
【化123】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、任意選択的に置換された
【0293】
【化124】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、置換された
【0294】
【化125】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、
【0295】
【化126】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、
【0296】
【化127】
である。いくつかの実施形態では、R
5’は、
【0297】
【化128】
である。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、R
5’は、−OAr
bであり、Ar
bは、
【0301】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
6は、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。
【0302】
いくつかの実施形態では、R
6は、Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、水素である。いくつかの実施形態では、R
6は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、R
6は、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
6は、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
6は、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、R
6は、メチルである。いくつかの実施形態では、それぞれのR
6は、メチルである。
【0303】
いくつかの実施形態では、R
6は、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−ORであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−SRであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−OC(O)Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−S(O)Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−S(O)
2Rであり、Rは、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−SO
2N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−C(O)N(R)
2であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−NRC(O)Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
6は、−NRSO
2Rであり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、それぞれのR
6は、メチルであり、R
7は、フェニルである。
【0304】
概ね上記で定義した通り、R
7は、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R
7は、フェニルである。いくつかの実施形態では、R
7は、置換フェニルである。
【0305】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
8は、独立して、リン含有配位子であり、このリン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している。いくつかの実施形態では、R
8は、P(R
8a)
3の構造を有する化合物であり、それぞれのR
8aは、独立して、−R、−N(R)
2、又は−ORである。いくつかの実施形態では、R
8は、P(R)
3の構造を有する化合物であり、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
8は、P(R)
3の構造を有する化合物であり、それぞれのRは、独立して、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族又はフェニルである。いくつかの実施形態では、R
8は、PPhMe
2である。いくつかの実施形態では、R
8は、任意選択的に置換されたPPh
2Meである。いくつかの実施形態では、配位子、例えばR
8は、ROMPなどのメタセシス反応で使用されるとき、十分に早く解離する。いくつかの実施形態では、配位子は、十分に早く解離し、n=0である式IIの化合物を形成する。
【0306】
概ね上記で定義した通り、それぞれのR
9は、独立して、中性配位子である。いくつかの実施形態では、R
9は、リン含有配位子である。いくつかの実施形態では、R
9は、R
8である。いくつかの実施形態では、R
9は、P(R
8a)
3の構造を有し、それぞれのR
8aは、独立して、−R、−N(R)
2、又は−ORである。いくつかの実施形態では、R
9は、P(R)
3の構造を有し、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
9は、窒素含有配位子である。いくつかの実施形態では、R
9は、N(R)
3の構造を有し、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、R
9は、酸素含有配位子である。いくつかの実施形態では、R
9は、(R)
2Oの構造を有し、それぞれのRは、独立して、上記で定義し、本明細書に記載の通りである。
【0307】
概ね上記で定義した通り、それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。
【0308】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基である。いくつかの実施形態では、同一の原子上の2個のR基は、結合している原子と共に任意選択的に組み合わされ、結合している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。
【0309】
いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたC
1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル、又はメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、ヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、ペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、プロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、エチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。いくつかの実施形態では、Rは、イソプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、n−プロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、tert−ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、sec−ブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、n−ブチルである。
【0310】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換されたC
1〜10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換されたC
1〜6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、
【0311】
【化131】
−N=、≡N、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−O−、又は=Oから独立して選択される1〜3個の部位を含む、任意選択的に置換されたC
1〜
6ヘテロアルキルである。
【0312】
いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルであり、1個又は2個以上の置換基は、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルであり、1個又は2個以上の置換基は、−Fである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルであり、1個又は2個以上の置換基は、−Clである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルであり、1個又は2個以上の置換基は、−Brである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたフェニルであり、1個又は2個以上の置換基は、−Iである。いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。
【0313】
いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された三員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された四員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された五員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された六員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された七員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、三〜七員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、三員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、四員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、五員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、六員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、七員の飽和又は一部不飽和のカルボサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたシクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたシクロブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0314】
いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換された六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された六〜十員の二環式の飽和の環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された八〜十員の二環式の一部不飽和の環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、任意選択的に置換された八〜十員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、六〜十員の二環式の飽和の環である。いくつかの実施形態では、Rは、八〜十員の二環式の一部不飽和の環である。いくつかの実施形態では、Rは、八〜十員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたナフチルである。
【0315】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する置換された五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する無置換の五〜六員の単環式ヘテロアリール環である。
【0316】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員単環式ヘテロアリール環である。
【0317】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたピロリル、フラニル、又はチエニルから選択される。
【0318】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環である。特定の実施形態では、Rは、1個の窒素原子、及び、硫黄又は酸素から選択される追加のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環である。R基の例として、任意選択的に置換されたピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、又はイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0319】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環である。R基の例として、任意選択的に置換されたトリアゾリル、オキサジアゾリル、又はチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0320】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環である。R基の例として、任意選択的に置換されたテトラゾリル、オキサトリアゾリル、及びチアトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0321】
いくつかの実施形態では、Rは、又は、1〜4個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、又は、1〜3個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1〜4個の窒素原子を有する六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1〜3個の窒素原子を有する六員ヘテロアリール環である。別の実施形態では、Rは、1〜2個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、4個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、3個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。特定の実施形態では、Rは、1個の窒素原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロアリール環である。R基の例として、任意選択的に置換されたピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、又はテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0322】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する置換された三〜七員の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する無置換の三〜七員の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。
【0323】
特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜七員の一部不飽和の単環式環である。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜六員の一部不飽和の単環式環である。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員の一部不飽和の単環式環である。R基の例として、任意選択的に置換されたジヒドロイミダゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、又はオキサゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員の一部不飽和の単環式環である。R基の例として、任意選択的に置換されたジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロピラジニル、テトロヒドロピラジニル(tetrohydropyrazinyl)、ジヒドロトリアジニル、テトラヒドロトリアジニル、ジヒドロジオキシニル、ジヒドロオキサチイニル、ジヒドロオキサジニル、ジヒドロジチイン、ジヒドロチアジン、ジオキシニル、オキサチイニル、オキサジニル、ジチイニル(dithiinyl)、又はチアジニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七員の一部不飽和の単環式環である。R基の例として、任意選択的に置換されたアゼピイル(azepiyl)、オキセピニル、チエピニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、トリアゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゼピニル、ジヒドロアゼピイル(dihydroazepiyl)、ジヒドロオキセピニル、ジヒドロチエピニル、ジヒドロジアゼピニル、ジヒドロオキサゼピニル、ジヒドロチアゼピニル、ジヒドロトリアゼピニル、ジヒドロオキサジアゼピニル、ジヒドロチアジアゼピニル、テトラヒドロアゼピイル(tetrahydroazepiyl)、テトラヒドロオキセピニル、テトラヒドロチエピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロオキサゼピニル、テトラヒドロチアゼピニル、テトラヒドロトリアゼピニル、テトラヒドロオキサジアゼピニル、又はテトラヒドロチアジアゼピニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0324】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三員ヘテロサイクル環である。R基の例として、任意選択的に置換されたアジリジニル、チイラニル、又はオキシラニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四員ヘテロサイクル環である。R基の例として、任意選択的に置換されたアゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、オキサゼチジニル、チアゼチジニル、又はジアゼチジニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロサイクル環である。R基の例として、任意選択的に置換されたピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、チアゾリジニル、ジチオラニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリジニル、オキサジアゾリジニル、ジオキサゾリジニル、オキサチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、又はジチアゾリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された六員ヘテロサイクル環である。R基の例として、任意選択的に置換されたピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジチアニル、ジオキサニル、オキサチアニル、トリアジナニル、オキサジアジナニル、チアジアジナニル、ジチアジナニル、ジオキサジナニル、オキサチアジナニル、オキサジチアニル、トリオキサニル、ジオキサチアニル、又はトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七員ヘテロサイクル環である。R基の例として、任意選択的に置換されたアゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジオキセパニル、オキサチエパニル、ジチエパニル、トリアゼパニル、オキサジアゼパニル、チアジアゼパニル、ジオキサゼパニル、オキサチアゼパニル、ジチアゼパニル、トリオキセパニル、ジオキサチエパニル、オキサジチエパニル、又はトリチエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0325】
特定の実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたオキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパネイル(oxepaneyl)、アジリジネイル(aziridineyl)、アゼチジネイル(azetidineyl)、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニル、チエパニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、ジチオラニル、ジオキサニル、モルホリニル、オキサチアニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、ジチアニル、ジオキセパニル、オキサゼパニル、オキサチエパニル、ジチエパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラノニル、テトラヒドロピラノニル、オキセパノニル、ピロリジノニル、ピペリジノニル、アゼパノニル、ジヒドロチオフェノニル、テトラヒドロチオピラノニル、チエパノニル、オキサゾリジノニル、オキサジナノニル、オキサゼパノニル、ジオキソラノニル、ジオキサノニル、ジオキセパノニル、オキサチオリノニル、オキサチアノニル、オキサチエパノニル、チアゾリジノニル、チアジナノニル、チアゼパノニル、イミダゾリジノニル、テトラヒドロピリミジノニル、ジアゼパノニル、イミダゾリジンジオニル、オキサゾリジンジオニル、チアゾリジンジオニル、ジオキソランジオニル、オキサチオランジオニル、ピペラジンジオニル、モルホリンジオニル、チオモルホリンジオニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、又はテトラヒドロチオピラニルが挙げられる。
【0326】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された七〜十員の二環式の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和又は一部不飽和のヘテロサイクル環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたインドリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたイソインドリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換された1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換された1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたアザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0327】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された八〜十員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環である。
【0328】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換された1,4−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピロリル、4H−フロ[3,2−b]ピロリル、4H−チエノ[3,2−b]ピロリル、フロ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]チエニル、1H−ピロロ[1,2−a]イミダゾリル、ピロロ[2,1−b]オキサゾリル、又はピロロ[2,1−b]チアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたジヒドロピロロイミダゾリル、1H−フロイミダゾリル、1H−チエノイミダゾリル、フロオキサゾリル、フロイソオキサゾリル、4H−ピロロオキサゾリル、4H−ピロロイソオキサゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイソオキサゾリル、4H−ピロロチアゾリル、フロチアゾリル、チエノチアゾリル、1H−イミダゾイミダゾリル、イミダゾオキサゾリル、又はイミダゾ[5,1−b]チアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。
【0329】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。別の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたインドリルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたベンゾフラニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたベンゾ[b]チエニルである。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたアザインドリルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたベンゾイミダゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたベンゾチアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたベンゾオキサゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたインダゾリルである。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたオキサゾロピリジイル(oxazolopyridiyl)、チアゾロピリジニル、又はイミダゾピリジニルである。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたプリニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、オキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、オキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、又はイミダゾピリダジニルである。特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された5,6縮合ヘテロアリール環である。
【0330】
特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。別の実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたイソキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたキナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、又はナフチリジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたピリドピリミジニル、ピリドピリダジニル、ピリドピラジニル、又はベンゾトリアジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されたピリドトリアジニル、プテリジニル、ピラジノピラジニル、ピラジノピリダジニル、ピリダジノピリダジニル、ピリミドピリダジニル、又はピリミドピリミジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された6,6縮合ヘテロアリール環である。
【0331】
いくつかの実施形態では、2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一の原子上の2個のR基は、結合している原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一の炭素原子上の2個のR基は、この炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一の窒素原子上の2個のR基は、この窒素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一の硫黄原子上の2個のR基は、この硫黄原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一の酸素原子上の2個のR基は、この酸素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一のリン原子上の2個のR基は、このリン原子と共に任意選択的に組み合わされ、リン原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、2個のR基は、異なる2個の原子に結合している。
【0332】
いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換された飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換された一部不飽和の環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換されたアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換されたヘテロアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換されたフェニル環を形成する。いくつかの実施形態では、2個のR基は、共に組み合わされ、任意選択的に置換された二価フェニル環を形成する。
【0333】
概ね上記で定義した通り、nは、0〜2である。いくつかの実施形態では、nは、0である。いくつかの実施形態では、nは、0ではない。いくつかの実施形態では、nは、1又は2である。いくつかの実施形態では、nは、1である。いくつかの実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、R
8又はR
9は、二座配位子又は多座配位子であり、nは、分数であり得る。
【0334】
いくつかの実施形態では、提供された式Iの化合物は、
【0335】
【化132】
である。いくつかの実施形態では、提供された式IIの化合物は、
【0336】
【化133】
である。いくつかの実施形態では、提供された式IIIの化合物は、
【0337】
【化134】
である。いくつかの実施形態では、提供された化合物は、
図3から選択された化合物である。いくつかの実施形態では、提供された化合物は、
図5から選択された化合物である。いくつかの実施形態では、提供された化合物は、
図8から選択された化合物である。
【0338】
いくつかの実施形態では、本発明の提供された方法は、ルイス酸を提供することを含む。例示的なルイス酸は、当該技術分野において広く既知である。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、ホウ素系ルイス酸である。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、ホウ素を含有する。いくつかの実施形態では、提供されたルイス酸は、B(R)
3の構造を有する化合物である。いくつかの実施形態では、B(R)
3の化合物は、B(C
6F
5)
3である。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、B(C
6F
5)
3である。いくつかの実施形態では、B(R)
3の化合物は、BPh
3である。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、BPh
3である。
【0339】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック選択性を伴う開環メタセシス重合(「ROMP」)の実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式Iの化合物を提供することを含む高シンジオタクチック性を伴うROMPの実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIの化合物を提供することを含む高シンジオタクチック選択性を伴うROMPの実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIIの化合物を提供することを含む高シンジオタクチック選択性を伴うROMPの実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIIの化合物及びルイス酸を提供することを含む高シンジオタクチック選択性を伴うROMPの実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIIの化合物及びルイス酸を提供することを含む高シンジオタクチック選択性を伴うROMPの実施方法を提供する。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、ホウ素を含有する。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、B(R)
3の構造を有する化合物である。いくつかの実施形態では、ルイス酸は、B(C
6F
5)
3である。
【0340】
いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約60%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約70%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約80%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約85%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約91%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約92%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約93%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約94%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約96%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約97%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約98%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約99%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約99.5%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、100%シンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、シンジオタクチック性は、NMRにより測定される。
【0341】
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック選択性及び生成したポリマーの骨格の新たに生成した二重結合に対するシス選択性を伴う開環メタセシス重合(「ROMP」)の実施方法を提供する。ROMPにより新たに生成した二重結合のシス配置の割合を測定すると、いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約50%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約60%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約70%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約80%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約85%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約91%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約92%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約93%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約94%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約96%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約97%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約98%超がシスである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約99%超がシスである。
【0342】
いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約50%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約60%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約70%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約80%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約85%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約98%超がシスであり、約50%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスであり、約60%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスであり、約70%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスであり、約80%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約90%超がシスであり、約90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約98%超がシスであり、約90%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約95%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約96%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約97%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約98%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約95%超がシスであり、約99%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、約99%超がシスであり、約99%超がシンジオタクチックである。いくつかの実施形態では、ROMP生成物は、100%シスであり、100%シンジオタクチックである。
【0343】
いくつかの実施形態では、本発明は、ルイス酸を提供することを含むROMPの立体選択性を向上させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ルイス酸を提供することを含むROMP反応のタクチック選択性を向上させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ルイス酸を提供することを含むROMP反応のシンジオタクチック選択性を向上させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、ROMP反応のシンジオタクチック選択性を向上させる方法を提供し、このROMP反応は、式IIIの化合物の使用を含み、ルイス酸を提供することを含む。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、ROMPを促進する。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、ROMPを開始する。いくつかの実施形態では、モノマーは、式IIIの化合物の存在下で重合する。
【0344】
ROMPの加速は、形成されたポリマーのタクチック性を含む立体選択性の低下をもたらす可能性がある。驚くべきことに、いくつかの実施形態では、本発明は、ルイス酸を提供することを含むROMPの加速方法を提供し、生成ポリマーのシンジオタクチック性は、低下しない。いくつかの実施形態では、本発明は、ルイス酸を提供することを含むROMPの加速方法を提供し、生成ポリマーのシンジオタクチック性は、増加する。いくつかの実施形態では、本発明は、式IIIの化合物の使用を含み、ルイス酸を提供することを含むROMPの加速方法を提供し、生成ポリマーのシンジオタクチック性は、増加する。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、ROMPを促進する。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、ROMPを開始する。いくつかの実施形態では、モノマーは、式IIIの化合物の存在下で重合する。
【0345】
いくつかの実施形態では、提供された方法のROMP基質は、任意選択的に置換されたノルボルネンである。いくつかの実施形態では、提供された方法のROMP基質は、置換ノルボルネンである。いくつかの実施形態では、ROMP基質は、高反応性である。いくつかの実施形態では、ROMP基質は、ノルボルネンよりも反応性が高い。いくつかの実施形態では、ROMP基質は、DCMNBDよりも反応性が高い。いくつかの実施形態では、提供された方法のROMP基質は、ジシクロペンタジエンである。いくつかの実施形態では、提供された方法のROMP基質は、endo−ジシクロペンタジエンである。高反応性基質、例えば、ジシクロペンタジエンなどは、ROMPに関して特有の課題を提起する。このようなモノマーの重合プロセスの立体選択性を制御することははるかに困難であり、したがって、特定の配置を持つポリマー、例えば、高シンジオタクチックポリ(DCPD)及び水素化ポリ(DCDP)などは、本発明以前には得ることができなかったであろう。
【0346】
条件
提供された方法を実施するための好適な条件では、概ね、1種又は2種以上の溶媒を用いる。特定の実施形態では、1種又は2種以上の有機溶媒が使用される。そのような有機溶媒の例として、例えば、ベンゼン、トルエン、及びペンタンなどの炭化水素、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、又は、例えば、エーテル、DME、テトラヒドロフラン(THF)、若しくはジオキサンを含むエーテル系溶媒などの非プロトン性極性溶媒、又は、例えば、アルコールなどのプロトン性溶媒、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、1種又は2種以上の溶媒は、重水素化されている。いくつかの実施形態では、単一の溶媒が使用される。特定の実施形態では、溶媒は、ベンゼンである。特定の実施形態では、溶媒は、エーテルである。いくつかの実施形態では、溶媒は、シクロヘキサンである。いくつかの実施形態では、溶媒は、クロロホルムである。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンである。
【0347】
いくつかの実施形態では、2種以上の溶媒の混合物が使用され、場合により、単一の溶媒が好ましいこともある。特定の実施形態では、溶媒混合物は、エーテル系溶媒と炭化水素との混合物である。そのような混合物の例として、例えば、エーテル/ベンゼン混合物が挙げられる。溶媒混合物は、各溶媒を同体積で含有してもよく、又は1種の溶媒を他の溶媒の過剰量を含有してもよい。特定の実施形態では、溶媒混合物は、2種類の溶媒を含有し、溶媒は、約20:1、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、又は約1:1の比率で存在してもよい。他の溶媒混合物及び/又は比は、本明細書において想到され、そのような他の溶媒混合物及び/又は比の選択は、例えば、反応中に存在する化学種(例えば、基質、添加剤など)の溶解性、並びに金属錯体の安定性及び反応性などの要因次第であること、最適化された溶媒混合物及び/又は比について必要な実験は、当該技術分野においてルーチンであり、適切であることを、当業者は、理解するであろう。
【0348】
好適な条件では、いくつかの実施形態では、常温を採用する。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約15℃、約20℃、約25℃、又は約30℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約15℃〜約25℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、又は25℃である。
【0349】
特定の実施形態では、提供された方法は、高温で実施される。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約25℃〜約200℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約40℃〜約200℃、約50℃〜約200℃、約60℃〜約200℃、約70℃〜約200℃、約80℃〜約200℃、約90℃〜約200℃、約40℃〜約100℃、約50℃〜約100℃、約60℃〜約100℃、約70℃〜約100℃、約80℃〜約100℃、又は約90℃〜約100℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約25℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約30℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約40℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約50℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約60℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約70℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約80℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約90℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約100℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約110℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約120℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約130℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約140℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約150℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約160℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約170℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約180℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約190℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約200℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約200℃超である。
【0350】
特定の実施形態では、提供された方法は、常温よりも低い温度で実施される。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−100℃〜約10℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約−80℃〜約0℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約−70℃〜約10℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約−60℃〜約10℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約−50℃〜約10℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、約−40℃〜約10℃である。特定の実施形態では、好適な温度は、又は、約−30℃〜約10℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、0℃未満である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−100℃以下である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−100℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−90℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−80℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−70℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−60℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−50℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−40℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−30℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−20℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約−10℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約0℃である。いくつかの実施形態では、好適な温度は、約10℃である。
【0351】
いくつかの実施形態では、提供された方法は、異なる温度で実施される。いくつかの実施形態では、温度は、提供された方法において変化する。いくつかの実施形態では、提供された方法は、より低い好適な温度からより高い好適な温度への、温度上昇を伴う。いくつかの実施形態では、提供された方法は、約−100℃以下、−90℃、−80℃、約−70℃、約−60℃、約−50℃、約−40℃、約−30℃、約−20℃、約−10℃、又は約0℃から、約0℃、約10℃、約20℃、常温、約22℃、約25℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、又は約110℃又はそれ以上への温度上昇を含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、約−30℃から22℃への温度上昇を含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、より高い好適な温度からより低い好適な温度への温度下降を含む。いくつかの実施形態では、提供された方法は、約110℃以上、約100℃、約90℃、約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約25℃、約22℃、常温、約20℃、約10℃、又は約0℃から、約0℃、約−10℃、約−20℃、約−30℃、約−40℃、約−50℃、約−60℃、約−70℃、約−80℃、約−90℃、又は約−100℃以下への温度下降を含む。
【0352】
好適な条件は、通常、約1秒から約1日又はそれ以上の反応時間を要する。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約72時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約24時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約12時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約6時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約4時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約2時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約60分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約50分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約40分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約20分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約10分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約9分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約8分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約7分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約6分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約5分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約4分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約3分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約2分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約60秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約60秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約50秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約40秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約30秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約20秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約10秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒未満〜約5秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約0.5時間〜約72時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約0.5時間〜約48時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約0.5時間〜約20時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約0.5時間〜約15時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1.0時間〜約12時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1時間〜約10時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1時間〜約8時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1時間〜約6時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1時間〜約4時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1時間〜約2時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約2時間〜約8時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約2時間〜約4時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約2時間〜約3時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約5秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約10秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約20秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約30秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約40秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約50秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約60秒である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約2分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約5分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約10分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約15分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約20分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約25分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約35分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約40分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約45分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約50分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約60分である。特定の実施形態では、反応時間は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、60、72、96、又は120時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約2時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約3時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約4時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約5時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約6時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約8時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約10時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約12時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約16時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約50時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約24時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約36時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約48時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約60時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約72時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約96時間である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約120時間である。
【0353】
いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物、例えば、式I、II、若しくはIIIの化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で安定である。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約1時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約2時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約6時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約12時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約24時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約48時間以内に分解する。いくつかの実施形態では、提供された化合物、又はその化合物から生成した活性触媒は、メタセシス条件下で約96時間以内に分解する。
【0354】
いくつかの実施形態では、提供された方法は、ローディング量が、基質(例えば、重合されるモノマー)に対して約0.01mol%〜約20mol%の提供された化合物となるような、提供された化合物(例えば、式I、II、又はIIIの構造を有する金属錯体化合物)の量を必要とする。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約10mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約6mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約5mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約4mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約3mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約1mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約0.5mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.01mol%〜約0.2mol%の量で使用される。特定の実施形態では、提供された化合物は、約0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、3mol%、4mol%、5mol%、6mol%、7mol%、8mol%、9mol%、又は10mol%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.05%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.1%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.2%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.3%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.4%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約0.5%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約1%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約2%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約3%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約4%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約5%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約6%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約7%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約8%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約9%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約10%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約15%の量で使用される。いくつかの実施形態では、提供された金属錯体化合物は、約20%の量で使用される。
【0355】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、反応濃度が約0.01M〜約1Mとなるような溶媒量を必要とする。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.01M〜約0.5Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.01M〜約0.1Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.01M〜約0.05Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.01Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.02Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.03Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.04Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.05Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.1Mである。いくつかの実施形態では、反応濃度は、約0.3Mである。
【0356】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、常圧で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、減圧下で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約3kPa(約20torr)未満の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約2.0kPa(約15torr)未満の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約1kPa(約10torr)未満の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約1.2、1.1、0.9、0.8、0.7、0.5、0.4、0.3、又は0.1kPa(約9、8、7、6、5、4、3、2、又は1torr)の圧力で実施される。特定の実施形態では、本発明の方法は、約0.9kPa(約7torr)の圧力で実施される。特定の実施形態では、本発明の方法は、約0.1kPa(約1torr)の圧力で実施される。
【0357】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、加圧下で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.1MPa(約1atm)超の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.2MPa(約2atm)超の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.3MPa(約3atm)超の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.5MPa(約5atm)超の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約1MPa(約10atm)超の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.2MPa(約2atm)の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.3MPa(約3atm)の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約0.5MPa(約5atm)の圧力で実施される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約1MPa(約10atm)の圧力で実施される。
【0358】
特定の実施形態では、列挙されたそれぞれの変数は、単独でかつ組み合わせての両方で、本明細書において、上記で定義し、実施形態に記載の通りであることが理解されよう。
【0359】
いくつかの実施形態では、本発明は、以下の例示的な実施例を提供する。
実施例1.ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマーであって、ポリマーは、80%超がシンジオタクチックである。
実施例2.ポリマー骨格の二重結合は、90%超がシスである、実施例1に記載のポリマー。
実施例3.ポリマー骨格の二重結合は、95%超がシスである、実施例1又は2に記載のポリマー。
実施例4.ポリマーは、80%超がシンジオタクチックである、水素化ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマー。
実施例5.ポリマーは、85%超がシンジオタクチックである、実施例1〜4のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例6.ポリマーは、90%超がシンジオタクチックである、実施例1〜5のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例7.ポリマーは、95%超がシンジオタクチックである、実施例1〜6のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例8.ポリマーは、97%超がシンジオタクチックである、実施例1〜7のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例9.ポリマーは、99%超がシンジオタクチックである、実施例1〜8のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例10.ポリマーのM
nは、約5,000超である、実施例1〜9のいずれか1つに記載のポリマー。
実施例11.実施例1〜10のいずれか1つに記載のポリマーを含む組成物。
実施例12.タングステン塩、R
4−H、R
5−H、R
5’−H、又はR
8若しくはR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例13.タングステン塩、R
5’−H、又はR
8若しくはR
9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例14.タングステン塩、R
4−H、又はR
5−Hを更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例15.R
4−Hを更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例16.R
5−Hを更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例17.タングステン塩、R
4−H、及びR
5−Hを更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例18.タングステン塩を更に含む、実施例11に記載の組成物。
実施例19.式I:
【0360】
【化135】
I
[式中、
R
1は、−C(R
1a)
3であり、
それぞれのR
1aは、独立して、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、あるいは、
3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0361】
【化136】
である]の化合物。
実施例20.それぞれのR
1aは、任意選択的に置換されたC
1〜6脂肪族又はフェニルである、実施例19に記載の化合物。
実施例21.R
1は、
【0362】
【化137】
である、実施例19又は20に記載の化合物。
実施例22.R
1は、
【0363】
【化138】
である、実施例19又は20に記載の化合物。
実施例23.2個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する、実施例19に記載の化合物。
実施例24.R
1は、
【0364】
【化139】
である、実施例19又は23に記載の化合物。
実施例25.3個のR
1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成する、実施例19に記載の化合物。
実施例26.R
1は、
【0365】
【化140】
である、実施例19又は25に記載の化合物。
実施例27.R
1は、
【0366】
【化141】
である、実施例19に記載の化合物。
実施例28.式II:
【0367】
【化142】
[式中、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0368】
【化143】
であり、
nは、0〜2であり、と、
それぞれのR
8は、独立して、リン含有配位子であり、このリン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の化合物。
実施例29.式IIの化合物は、式II−a:
【0369】
【化144】
式中、
R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R
5は、−OAr
aであり、
Ar
aは、任意選択的に置換された
【0370】
【化145】
であり、
それぞれのR
6は、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2,、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R
7は、任意選択的に置換されたフェニルであり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR
8は、独立して、リン含有配位子であり、このリン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の構造を有する、実施例28に記載の化合物。
実施例30.それぞれのR
6は、独立して、任意選択的に置換されたC
1〜6アルキルであり、R
7は、任意選択的に置換されたフェニルである、実施例29に記載の化合物。
実施例31.それぞれのR
6は、メチルであり、R
7は、フェニルである、実施例29又は30に記載の化合物。
実施例32.nは、1である、実施例28〜31のいずれか1つに記載の化合物。
実施例33.それぞれのR
8は、それぞれ独立して、P(R)
3の構造を有する化合物である、実施例28〜32のいずれか1つに記載の化合物。
実施例34.nは、0である、実施例28〜32のいずれか1つに記載の化合物。
実施例35.R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環であり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素である、実施例19〜34のいずれか1つに記載の化合物。
実施例36.少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、この窒素は、タングステンに直接結合している、実施例19〜35のいずれか1つに記載の化合物。
実施例37.R
4は、任意選択的に置換された
【0371】
【化146】
である、実施例19〜36のいずれか1つに記載の化合物。
実施例38.R
4は、任意選択的に置換された
【0372】
【化147】
である、実施例19〜37のいずれか1つに記載の化合物。
実施例39.R
4は、
【0373】
【化148】
である、実施例19〜38のいずれか1つに記載の化合物。
実施例40.R
5は、置換された
【0374】
【化149】
である、実施例19〜39のいずれか1つに記載の化合物。
実施例41.R
5は、置換された
【0375】
【化150】
であり、2’、2’’、6’、及び6’’位のそれぞれは、独立して置換される、実施例19〜40のいずれか1つに記載の化合物。
実施例42.R
5は、−O−(2,6−(メシチル)
2C
6H
3又は−O−(2,6−(C
6F
5)
2C
6H
3である、実施例19〜41のいずれか1つに記載の化合物。
実施例43.R
5は、
【0376】
【化151】
である、実施例19〜41のいずれか1つに記載の化合物。
実施例44.式III:
【0377】
【化152】
[式中、
R
2及びR
3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)
2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO
2R、−SO
2N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−NRC(O)R、又は−NRSO
2Rであり、あるいは、
R
2及びR
3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C
1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC
1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
それぞれのR
5’は、独立して、−OAr
bであり、
Ar
bは、
【0378】
【化153】
又は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは多環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは多環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環Bは、フェニル、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環B’は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは三環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
それぞれの環Cは、独立して、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十四員の二環式若しくは三環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
それぞれのR
xは、独立して、R、ハロゲン、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)
2、−C(O)N(R)(OR)、−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)
2、−OSi(R)
3、−SR、−S(O)R、−S(O)
2R、−S(O)
2OR、−S(O)
2N(R)
2、−NO
2、−N(R)
2、−NROR、−NRC(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)
2、−N(R)S(O)
2R、−N(R)S(O)
2N(R)
2、−P(R)
2、−P(OR)
2、−P(O)(R)
2、−P(O)(OR)
2、−P(O)[N(R)
2]
2、又は−Si(R)
3であり、
それぞれのR
5aは、独立して、Rであり、
p及びtのそれぞれは、独立して、0〜7であり、
mは、0〜3であり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR
9は、独立して、中性配位子である]化合物。
実施例45.nは、0である、実施例44に記載の化合物。
実施例46.それぞれのAr
bは、独立して、である、実施例44又は45に記載の化合物。
【0379】
【化154】
実施例47.それぞれのAr
bは、独立して、任意選択的に置換された
【0380】
【化155】
である、実施例44〜46のいずれか1つに記載の化合物。
実施例48.Ar
bは、
【0381】
【化156】
である、実施例44〜47のいずれか1つに記載の化合物。
実施例49.化合物は、ルイス酸に配位結合している、実施例44〜48のいずれか1つに記載の化合物。
実施例50.化合物は、B(R)
3の構造を有するルイス酸に配位結合している、実施例44〜49のいずれか1つに記載の化合物。
実施例51.化合物は、B(C
6F
5)
3に配位結合している、実施例34〜40のいずれか1つに記載の化合物。
実施例52.R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、任意選択的に置換されたC
1〜4アルキルである、実施例19〜51のいずれか1つに記載の化合物。
実施例53.R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、t−ブチルである、実施例19〜52のいずれか1つに記載の化合物。
実施例54.R
2及びR
3のうち一方は、水素であり、他方は、−C(Me)
2Phである、実施例19〜52のいずれか1つに記載の化合物。
実施例55.R
4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五員ヘテロアリール環であり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素である、実施例12、14、15、又は17のいずれか1つに記載の組成物。
実施例56.R
4は、任意選択的に置換された
【0382】
【化157】
又はに記載の組成物。である、実施例12、14、15、又は17のいずれか1つ
実施例57.R
4は、任意選択的に置換された
【0383】
【化158】
である、実施例12、14、15、又は17のいずれか1つに記載の組成物。
実施例58.R
4は、
【0384】
【化159】
である、実施例12、14、15、又は17のいずれか1つに記載の組成物。
実施例59.組成物は、R
5−Hを含み、R
5は、置換された
【0385】
【化160】
である、実施例12、14、16、17、又は55〜58のいずれか1つに記載の組成物。
実施例60.組成物は、R
5−Hを含み、R
5は、置換された
【0386】
【化161】
であり、2’、2’’、6’、及び6’’位のそれぞれは、独立して、置換されている、実施例12、14、16、17、又は55〜59のいずれか1つに記載の組成物。
実施例61.組成物は、R
5−Hを含み、R
5は、−O−(2,6−(メシチル)
2C
6H
3又は−O−(2,6−(C
6F
5)
2C
6H
3である、実施例12、14、16、17、又は55〜60のいずれか1つに記載の組成物。
実施例62.組成物は、R
5−Hを含み、R
5は、
【0387】
【化162】
である、実施例12、14、16、17、又は55〜61のいずれか1つに記載の組成物。
実施例63.組成物は、タングステン塩を含み、タングステン塩は、実施例19〜54のいずれか1つに記載の化合物である、実施例12〜14、17〜18、又は55〜62のいずれか1つに記載の組成物。
実施例63.組成物は、タングステン塩を含み、タングステン塩は、実施例19〜54のいずれか1つに記載の化合物である、実施例12〜14、17〜18、及び55〜62のいずれか1つに記載の組成物。
実施例63.組成物は、タングステン塩を含み、タングステン塩は、メタセシス後の、実施例19〜54のいずれか1つに記載のクエンチ生成物の化合物である、実施例12〜14、17〜18、及び55〜62のいずれか1つに記載の組成物。
実施例64.実施例1〜10のいずれか1つに記載のポリマーの調製方法であって、
a)実施例19〜54のいずれか1つに記載の化合物を提供する工程を含む、方法。
実施例65.実施例11〜18及び55〜63のいずれか1つに記載の組成物の調製方法であって、
a)実施例19〜54のいずれか1つの化合物を提供する工程を含む、方法。
実施例66.化合物は、式Iの化合物である、実施例64又は65に記載の方法。
実施例67.化合物は、式IIの化合物である、実施例64又は65に記載の方法。
実施例68.化合物は、式IIIの化合物である、実施例64又は65に記載の方法。
実施例69
a2)ルイス酸を提供する工程を更に含む、実施例68に記載の方法。
実施例70.ルイス酸は、ホウ素を含有する、実施例69に記載の方法。
実施例71.ルイス酸は、B(R)
3である、実施例69又は70に記載の方法。
実施例72.ルイス酸は、B(C
6F
5)
3である、実施例69〜71のいずれか1つに記載の方法。
実施例73.触媒は、化合物5である、実施例64、65、又は66に記載の方法。
実施例74.触媒は、化合物12である、実施例64、65、又は67に記載の方法。
実施例75.触媒は、化合物13である、64、65、又は68に記載の方法。
実施例76
b)ジシクロペンタジエンを提供する工程と、
c)実施例19〜54のいずれか1つに記載の提供された化合物の存在下で提供されたジシクロペンタジエンを重合すして、ポリマーを提供する工程と、を更に含む、実施例64〜75のいずれか1つに記載の方法。
実施例77
d)提供された高シンジオタクチックポリ(DCPD)を水素化して、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する工程を更に含む、実施例64〜76のいずれか1つに記載の方法。
実施例78.高シンジオタクチック選択性を伴う開環メタセシス重合(「ROMP」)の実施方法であって、モノマー性基質は、好反応性であり、
a)実施例19〜54のいずれか1つに記載の化合物を提供する工程を含む、方法。
実施例79.モノマー性基質は、endo−ジシクロペンタジエンである、実施例78に記載の方法。
実施例80.化合物は、式Iの化合物である、実施例78又は79に記載の方法。
実施例81.化合物は、式IIの構造を有する、実施例78又は79に記載の方法。
実施例82.化合物は、式IIIの化合物であり、
b)任意選択的にルイス酸を提供する工程を更に含む、実施例78又は79に記載の方法。
実施例83.ROMPのタクチック選択性を向上させる方法であって、
a)ルイス酸を提供する工程を含む、方法。
実施例84.ROMPは、式IIIの化合物を提供することを含む、実施例83に記載の方法。
実施例85.式IIIの化合物は、実施例44〜48及び52〜54のいずれか1つに記載の化合物である、実施例84に記載の方法。
実施例86.ルイス酸は、ホウ素を含む、実施例82〜85のいずれか1つに記載の方法。
実施例87.ルイス酸は、B(R)
3である、実施例82〜86のいずれか1つに記載の方法。
実施例88.ルイス酸は、B(C
6F
5)
3である、実施例82〜87のいずれか1つに記載の方法。
【0388】
例示
特定の立体規則性を有するポリマー、例えば、高シンジオタクチックポリ(DCDP)及び水素化ポリ(DCDP)は、製造が特に困難である。特に、本発明は、高い立体規則性を有するポリマー、その組成物、及び化合物、並びにそれらの調製方法を提供する。非限定的な例が、本明細書に示されている。
【0389】
軽油のスチームクラッキングにおける副生成物として、ジシクロペンタジエン(DCPD)は、大量に得られる副産物であり、この化合物を開環メタセシス重合(ROMP)用の最も安価な技術的に関連したモノマーの1つにしている
1、2、3、4。いくつかの実施形態では、ROMPで生成した直鎖ポリ(ジシクロペンタジエン)(ポリ(DCPD))の形成は、
図1に例示したように、ひずんだノルボルネン環の独特な開環を経由して進行する
5,6。
1 T.Oshika,H.Tabuchi,Bull.Chem.Soc.Jpn.,1968,41,211
2 C.Z.Winstein,Chem.Abstr.,1977,86,122050n
3 D.W.Klosiewicz,U.S.Patent No.4,657,981,1987
4 K.J.Ivin,J.C.Mol,Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization,Academic Press,London,1997
5 T.A.Davidson,K.B.Wagener,D.B.Priddy,Macromolecules,1996,29,786。
【0390】
工業的にはほとんどの場合、遷移金属ハロゲン塩及び典型元素金属共触媒からなる、例えば、WCl
6/Et
2AlCl系などの古典的な触媒系が使用される
3。そのようにして合成されたポリ(DCDP)は、開環メタセシス及びオレフィン付加重合の両方の結果として、完全に架橋している
5。概ね、生じたポリ(DCPD)の二重結合配置及び架橋密度は、その調製に使用した触媒系により決定される
7。モノマーユニットの頭−尾配向対頭−頭配向を無視して、ROMPで生成したポリ(DCPD)の場合、ポリマー主鎖には2種類の立体構造因子(シス/トランス及びメソ/ラセモ)がある(
図2)
8、9、10、11。ポリマーのいくつかの物理的性質は、ポリマーの微細構造に顕著に依存し、したがって、物質合成中に上述した立体化学因子を精密に制御する能力があることが重要である。Mo、W、及びRu錯体は、メタセシスを促進でき
12、13、14、15、16、17、18、19、20、endo−ジシクロペンタジエン
9、10、21、22、23及び他の置換ノルボルネン
9、10、12、13、14、15、17、18、24、25のROMPが挙げられる。
6 T.A.Davidson,K.B.Wagener,J.Mol.Catal.A:Chem.,1998,133,67
7 A.Pacreau,M.Fontanille,Makromol.Chem.,1987,188,2585
8 J.G.Hamilton,K.J.Ivin,J.J.Rooney,J.Mol.Catal.A:Chem,1988,36,115
9 S.Hayano,H.Kurakata,D.Uchida,M.Sakamoto,N.Kishi,H.Matsumoto,Y.Tsunogae,I.Igarashi,Chem.Lett.,2003,32,670
10 S.Hayano,Y.Takeyama,Y.Tsunogae,I.Igarashi,Macromolecules,2006,39,4663.
11 M.Lindmark−Hamberg,K.B.Wagener,Macromolecules,1987,20,2949
12 H.Jeong,D.J.Kozera,R.R.Schrock,S.J.Smith,J.Zhang,N.Ren,M.A.Hillmyer,Organometallics,2013,32,484
13 M.M.Flook,A.J.Jiang,R.R.Schrock,A.H.Hoveyda,J.Am.Chem.Soc,2009,131,7962
14 R.R.Schrock,Dalton Trans,2011,40,7484.
15 M.M.Flook,J.Borner,S.M.Kilyanek,L.C.H.Gerber,R.R.Schrock,Organometallics,2012,31,6231.
16 L.E.Rosebrugh,V.M.Marx,B.K.Keitz,R.H.Grubbs,J.Am.Chem.Soc,2013,135,10032.
17 M.M.Flook,L.C.H.Gerber,G.T.Debelouchina,R.R.Schrock,Macromolecules,2010,43,7515.
18 M.M.Flook,V.W.L.Ng,R.R.Schrock,J.Am.Chem.Soc,2011,133,1784
19 B.K.Keitz,A.Fedorov,R.H.Grubbs,J.Am.Chem.Soc,2012,134,2040.
20 S.Kobayashi,L.M.Pitet,M.A.Hillmyer,J.Am.Chem.Soc,2011,133,5794
様々な努力が行われているにもかかわらず、高シンジオタクチックポリ(DCPD)又は高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)は、本発明以前には得ることができず、重合プロセスは、遅い可能性があった。いくつかの実施形態では、本発明は、特定のW及びMoアルキリデン錯体により開始されるendo−ジシクロペンタジエンの立体選択的ROMPを提供し、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を含む高度に構造化されたポリ(DCPD)を高速で実現する。
【0391】
ポリ(DCPD)の調製
図3の触媒をDCPDのROMPに関して試験した。全ての触媒は、200当量のモノマーを高速で定量的に重合した(表1を参照)。理論に制限されることなく、モリブデン系モノアリールオキシド・モノピロリジド(MAP)錯体6及び7は、不溶性の、おそらく架橋したポリマーを産出し、他の触媒は、可溶性の直鎖ポリ(DCPD)をもたrした。ポリマーの直鎖性は、
1H NMRスペクトルにおける脂肪族領域に対するオレフィン領域の積分により確認した。理想的には、比は、それぞれ4:8である(例として
図12を参照)。モリブデン系ビスtert−ブトキシ錯体1は、アタクチックの高溶解性ポリマーを与え、このポリマーは、他の触媒により生成されたよりタクチック性のポリマーに対する基準として利用するものとする。このポリマーは、ポリマー骨格の二重結合が80%トランスを示し、アタクチック性により非常に複雑なNMRスペクトルとなった(
13C NMRについて
図13を参照)。比較すると、ビフェノラート錯体2により誘導されたポリ(DCPD)のスペクトルは、格段に明瞭であった。このポリマーは、骨格の二重結合が90%シスであり、>95%イソタクチックであった。この知見は、以前の報告
9、26、27に一致した。2が介在するDCPDのROMPは、高速で進行した。100当量のモノマーは、室温で30秒未満以内に重合された。
21 S.Hayano,Y.Tsunogae,Chem.Lett.,2005,34,1520。
22 S.Hayano,H.Kurakata,Y.Tsunogae,Y.Nakayama,Y.Sato,H.Yasuda,Macromolecules,2003,36,7422。
23 S.Hayano,Y.Tsunogae,Chem.Lett.,2008,37,518
24 R.R.Schrock,A.H.Hoveyda,Angew.Chem.Int.Ed.,2003,42,4592。
25J.Yuan,R.R.Schrock,L.C.H.Gerber,P.Muller,S.Smith,Organometallics,2013,32,2983。
26 R.R.Schrock,J.K.Lee,R.O`Dell,J.H.Oskam,Macromolecules,1995,28,5933。
27 R.O`Dell,D.H.McConville,G.E.Hofmeister,R.R.Schrock,J.Am.Chem.Soc,1994,116,3414。
2により誘導されたポリ(DCDP)は、1により得られたアタクチックポリマーよりも低溶解性であった。200当量のDCPDが2により重合された場合、生じたポリマーは、50℃まで加熱したときにのみCHCl
3に溶解した。理論上、50モノマーユニットで構成されたポリマー及び200モノマーユニットで構成されるポリマーの
13C NMRスペクトルは、実質的に同等であった。この知見は、全ての触媒1〜5及び8について当てはまり、生じたポリマー構造は、再現性があり、ポリ(DCPD)の分子量とは無関係であることを示唆する。
【0392】
かさ高いHIPTO配位子[HIPTO=O−2,6−(2,4,6−(i−Pr)
3C
6H
2)
2C
6H
3]を有するタングステン系MAP触媒3は、骨格の二重結合が80%超シスで構成され、70%シンジオタクチックのポリマーを生成した。触媒3は、
図3に示された全ての開始剤のうちで一番遅い速度を与える。100当量のモノマーは、60分以内に変換された。本発明は、理論によって制限することを意図するわけではないが、遅い速度は、選択性の減少の一因となり得る。いくらか小さなHMTO配位子を持つモリブデン系MAP錯体4及び8は、更に低い立体選択性を示す。触媒4は、68%シス配置を示すポリマーを与え、8により得られたポリマーは、62%シスの二重結合から構成されている。両ポリマーは、ラセモ:メソの比が1:1に近いアタクチックである。4及び8により引き起こされるDCPDのROMPは、非常に高速で進行した。室温で、100当量のモノマーは、30秒未満以内に変換された。理論によって制限することを意図するわけではないが、この非常に速い反応速度は、ステレオジェニックな金属の制御により生じる立体選択性及びそれとともに各挿入工程後のステレオジェニックな金属中心の反転を相殺し得る。
【0393】
驚くべきことに、式Iの化合物、例えば、化合物5は、高シンジオタクチック性を伴うROMPを促進することが見出された。5を用いたDCPDのROMPは、速やかに進行し、100%シス配置、100%シンジオタクチック物質
8、28のポリマーをもたらした(
図4)。理論によって制限することを意図するわけではないが、3級アルキルR
1基及びアリールオキシドR
5基の組み合わせは、観察結果の原因であり得ることを、出願人は、提示する。
【0394】
更に多くの金属錯体を試験した(
図5)。予期せぬことに、式IIの化合物、例えば、化合物12は、100%シス配置、100%シンジオタクチックのポリ(DCPD)をもたらし、したがって、高シンジオタクチックポリ(DCPD)を調製する別の方法がもたらされた。理論によって制限することを意図するわけではないが、式IIの化合物の小さなオキソ基及びアリールオキシド基の組み合わせは、観察された高速及び高いシンジオタクチック選択性の原因であることが提示されている。
28 J.G.Hamilton,K.J.Ivin,J.J.Rooney,Brit.Polym.J,1984,16,21。
【0395】
比較すると、化合物9を用いて調製されたポリ(DCDP)は、骨格の二重結合が56%トランスを示すアタクチックである。室温で10は、骨格の二重結合を60%シスの割合で含むアタクチックのポリマーを生成する。化合物11は、室温で、約75%シンジオタクチック性を持つ100%シス配置ポリマーをもたらした(
図6)。理論によって制限することを意図するわけではないが、比較的低いシンジオタクチック性は、アセトニトリル配位子のタングステン中心へのより強い配位に起因する可能性があり、ホスフィン解離は、ROMP反応の時間スケールで速くかつ不可逆であり得る。化合物11の反応は、様々な温度で実施された。30℃の温度では、シンジオタクチック性は、最大83%に達した。しかしながら、50℃の温度では、アタクチックであるが、100%シス配置のポリマーが得られた。理論によって制限することを意図するわけではないが、30℃で向上した立体選択性は、アセトニトリルがより速やかに脱離することが原因と思われ、50℃では、増大した反応性は、シンジオ選択性の低下を引き起す。比較として、錯体5もまた、50℃で使用された。再び、100%シス配置であるが、アタクチックのポリマーが得られた。理論により制限されず、保持されたシス選択性は、アルキリデン回転がないことを示し、小さなアキシアル配位子及び大きなアリールオキシド配位子は、このシス選択性に寄与している。理論によって制限することを意図するわけではないが、高温でモノマーは、各挿入工程でピロリド配位子に対して選択的にトランスで接近しなくてもよく、シンジオ選択性の低下を引き起す。
【0396】
ビス−アルコキシド錯体13及び14は両方とも、骨格の二重結合が100%シスであるポリ(DCPD)を産出した。W(O)(CHCMe
2Ph)(OHMT)
2 13は、比較程低い活性を示し、50当量のモノマーは、30分以内で変換され、この特有の触媒は、70%シンジオタクチックのポリマーをもたらした。これに対して、W(N−C
6F
5)(CHCMe
2Ph)(ODFT)
2 14を利用したとき、反応は、30秒後に停止した。
図7に、14の反応により誘導された70%イソタクチックポリ(DCPD)サンプルの
13C NMRスペクトルを示す。
【0397】
いくつかの実施形態では、本発明は、ROMPのシンジオタクチック選択性を向上させる方法を提供し、高シンジオタクチックポリマーの更に別の調製方法もまた提供する。非常に驚くべきことに、ルイス酸、例えば、B(C
6F
5)
3を添加したとき、化合物13は、約100%シンジオタクチック選択性を有するポリ(DCPD)をもたらし、約70%から劇的で予期しない増加であった。
【0398】
化合物15〜18もまた試験をした(
図8)。MAP触媒15は、約90%シスであるポリマーをもたらした。この反応は、速いが、類似の錯体5及び12と同程度に制御されて進行することはない。触媒16は、全てシス配置であるが、アタクチックであるポリマーをもたらし、メソ:ラセモの比は、34:66であることがわかった。触媒W(N−2,4,6−Cl
3Ph)(CHCMe
2Ph)(O−2,6−((C
6H
5)CH)
2C
6H
3)
2 17により生成したポリ(DCDP)は、14の反応により調製したポリ(DCDP)に実質的に類似している。このポリマーは、100%シス配置を有し、70%イソタクチックである(
図17)。錯体18は、17とは異なり、そのフェニルイミド配位子は、2、4、及び6位に臭素が置換されている。反応は、より早く進行し、生じたポリマーは、骨格の二重結合を19%トランスの割合で含み、メソ:ラセモの比は、63:37まで減少している。理論によって制限することを意図するわけではないが、この知見は、錯体17における塩素置換類縁体と比較してよりかさ高いイミド配位子が原因であると思われ、結果として、このかさ高い配位子が、全シス構造を形成するために必須であると考えられるメタラシクロブタン遷移状態において同一の方向に向かう置換基の傾向を低減させていると思われる。
【0400】
【表1】
[a]1当量の触媒に対して。
[b]100%モノマー変換までの時間。
[C]13C NMRにより決定。
[d]一部不溶性又は不明瞭なNMRスペクトルのため決定せず。
【0401】
水素化H−ポリ(DCPD)の調製及び熱的性質の実験
いくつかの実施形態では、本発明は、高シンジオタクチック水素化ポリ(DCPD)を提供する。ポリ(DCPD)は、p−トルエンスルホニルヒドラジド(p−Tos−NHNH
2、
図9)から系内で発生させたジイミンによって水素化された。他の好適な水素化方法もまた、当該技術分野において広く既知である。完全飽和を達成するために、ポリマーは、反応全体にわたって可溶化された。水素化反応は、圧力管中130℃で、DCPD単位ごとに4当量のp−Tos−NHNH
2及びクロロホルムを溶媒として用いて実施した。
【0402】
触媒1により調製されたアタクチックポリ(DCDP)から誘導された水素化ポリ(DCDP)(H−ポリ(DCDP))は、室温でクロロホルムに可溶であった。その
13C NMRスペクトルを
図10に示した(関連する
1H NMRは、
図18を参照)。完全飽和は、
13C及び
1H NMRスペクトルの両方でオレフィンシグナルが見られないことにより示された。
13C NMRは、6本のシグナルを示し、メチン炭素C(a)のシグナルは、イソ立体規則性及びシンジオ立体規則性それぞれに起因して分離している。42.9ppmにおけるシグナルは、シンジオタクチック構造に帰属できる。42.8ppmにおけるシグナルは、イソタクチック構造を示唆する
8、10、28。
【0403】
モリブデンMAP錯体4及び8により調製されたアタクチックポリマーは、水素化時に良好な可溶性を保っていた。そのポリマーの
13C NMRスペクトルを
図19に示した。概ね、元のポリ(DCDP)が高度に構造化されるほど、生じたH−ポリ(DCDP)の可溶性が小さいことが観察された。タングステンMAP触媒3は、80%シス構造化され、70%シンジオタクチックのポリ(DCPD)を与えることが見出された。このポリマーの水素化体は、理論上、最大100モノマー単位までで構成されているとき、CHCl
3に可溶である(
13C NMR、
図20参照)。反応14により生成した70%イソタクチックポリマーの不飽和体及び水素化体は、その70%シンジオタクチック類縁体よりも溶解しないことが判明した。理論上、50モノマーユニットからなる70%イソタクチックH−ポリ(DCPD)の
13C NMRを
図21に示した。室温で、触媒2(イソタクチック)、5、及び12(シンジオタクチック)から誘導された高度構造化ポリマーは、通常の有機溶媒に完全に不溶であった。溶解性は、分子量の減少とともに増大したが、理論上、50モノマーユニットのみで構成されたH−ポリ(DCDP)であっても、十分な
1H NMRスペクトルを得るために100℃の温度が必要である。理論により制限されることを意図せず、この観察は、これらポリマーの高次の結晶構造についての更なる手がかりである。
【0404】
ROMPで生成したポリ(DCDP)の一部及びその水素化類縁体の熱的性質は、示差走査熱量測定(DSC)により特徴付けられた。触媒1及び4により調製されたアタクチックポリ(DCDP)及び関連する良好な溶解性のH−ポリ(DCDP)は、融点を示さなかった。アタクチックポリ(DCDP)及びH−ポリ(DCDP)は、アモルファスポリマーであり、結晶性の融解挙動を持たなかった。触媒5により得られたシス、シンジオタクチックポリ(DCDP)のDSC熱分析図は、約150℃のガラス転位温度(T
g)を示し、このポリマーがアモルファス物質であることも示唆する。これに対して、関連する結晶性シンジオタクチックH−ポリ(DCDP)は、270℃付近の融点を示した(
図22)。
図11に、モリブデン錯体2により調製された高イソタクチックH−ポリ(DCDP)のDSC熱分析図を例として示した。この不溶性の結晶性物質は、280℃付近の融点を持っていた。アタクチック及びシンジオタクチックポリ(DCDP)以外の、難溶性の高イソタクチック、90%シス配置ポリ(DCDP)は、200℃で弱く変化したT
gに加えて、275℃に一次相転移を示した。これらの観察は、文献に報告されたデータとよく一致した
10、21、22、23。このデータは、アタクチックポリ(DCDP)及びH−ポリ(DCDP)は、シス、シンジオタクチックポリ(DCDP)と同様に、アモルファスポリマーであることを示唆する。それに対して、水素化シンジオタクチックH−ポリ(DCDP)並びに不飽和シス、イソタクチック及び水素化イソタクチックポリマーの両方は、高融点の特徴を持つ結晶性物質である。
【0405】
高反応性モノマー、例えば、endo−ジシクロペンタジエンなどのROMPの立体化学制御は、本発明以前は周知の通り困難であった。本明細書に記述した非限定的な例により例示した通り、本発明は、特に、特定の金属錯体、並びにそのような反応性モノマーを利用可能にする方法を提供する。本発明により提供された温和な温度での立体化学的に制御された、円滑で迅速なROMPは、前例のない驚くほどの高シンジオタクチック性を有するポリ(DCDP)及び水素化ポリ(DCDP)を与える。
【0406】
実験の部
一般事項:ROMP反応は、N
2を満たしたグローブボックス中で行った。endo−ジシクロペンタジエンは、Sigma−Aldrichより購入し、使用前に蒸留した。p−トルエンスルホニルヒドラジド(p−Tos−NHNH
2)は、Sigma−Aldrichより購入し、更に精製をせずに使用した。
【0407】
Bruker Avance III 400分光計を用いて、CDCl
3中、25℃で、又はC
2D
2Cl
4中、昇温してNMRスペクトルを記録し、データは、内部標準のテトラメチルシラン(TMS)から低磁場側に百万分率(ppm)で列挙した。
【0408】
示差走査熱量分析(DSC)測定は、Perkin Elmer Pyris 1入力補償型示差走査熱量計を用いて実施した。
【0409】
ROMP反応:全ての重合は、本明細書において別途記載のない限り、室温で実施した。2重量%のDCPDを含む撹拌したジクロロメタン溶液(20mg DCPD/1g CH
2Cl
2)に、それぞれの触媒の溶液を一度に加えた(0.2mLのCH
2Cl
2中、0.5〜2.0mol%の触媒)。ベンズアルデヒドの添加により、反応は、特定の時間後に停止した(表1)。ポリ(DCDP)をメタノールから沈殿させ、減圧下で乾燥させた。
【0410】
シス、シンジオタクチックポリ(DCDP):
13C NMR(100.61MHz,CDCl
3):δ=132.4,132.1,131.5,131.2,130.8,55.1/54.9(d),45.0/44.9(d),42.4/42.2(d),41.7/41.5(d),39.1,34.7ppm。
【0411】
シス、イソタクチックポリ(DCDP):
13C NMR(100.61MHz,CDCl
3):δ=132.7,132.4,131.6,131.5,130.7,55.7/55.6(d),45.4/45.3(d),42.4/42.2(d),41.7/41.5(d),38.8,34.8ppm。
【0412】
ポリ(DCDP)の水素化:水素化反応は、130℃で圧力管を用いて実施した。2重量%のポリ(DCPD)を含むクロロホルム溶液に、DCPD単位ごとに4当量のp−Tos−NHNH
2を加えた。激しく撹拌しながら、反応を6時間行った。反応混合物を室温まで放冷し、過剰のメタノール中に注いだ。メタノールで繰り返し洗浄した後、H−ポリ(DCDP)サンプルを減圧下で乾燥させた。
【0413】
シンジオタクチックH−ポリ(DCDP):
13C NMR(100.61MHz,C
2D
2Cl
4):δ=45.6,42.9,36.5,30.2,28.2,27.6ppm。
【0414】
イソタクチックH−ポリ(DCDP):
13C NMR(100.61MHz,C
2D
2Cl
4):δ=45.5,42.6,36.3,30.1,28.1,27.5ppm。
【0415】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書において記述及び図示されてきた一方で、当業者は、機能を果たし、かつ/又は結果を得るため様々な他の手法及び/若しくは構造、並びに/又は本明細書に記載した利点のうち1つ又は2つ以上を容易に想起するであろう。そのような変形例及び/又は変更例は、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載された全ての変数、寸法、物質、及び構成が、例示的であることを意味すること、実際の変数、寸法、物質、及び/又は構成が、特定の用途又は本発明の教示が使用される用途に依存することとなることを、容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書に記載された発明の特定の実施形態に対する多数の等価物を認識、又は確認できるであろう。したがって、前述の実施形態は、単に一例として提示され、添付した特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、本発明は、具体的に記載及び特許請求された以外で実施されてもよいことが理解されよう。本発明は、本明細書に記載された個々の特徴、システム、物品、材料、装備、及び/又は方法それぞれを対象とする。加えて、そのような2つ以上の特徴、システム、物品、材料、装備、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、装備、及び/又は方法が互いに矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマーであって、該ポリマーは、80%超がシンジオタクチックである、ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマー。
(項目2)
前記ポリマーの骨格内の二重結合は、90%超がシスである、項目1に記載のポリマー。
(項目3)
前記ポリマーの骨格内の二重結合は、95%超がシスである、項目1に記載のポリマー。
(項目4)
水素化ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマーであって、該ポリマーは、80%超がシンジオタクチックである、水素化ポリ(ジシクロペンタジエン)ポリマー。
(項目5)
前記ポリマーは、90%超がシンジオタクチックである、項目1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
(項目6)
前記ポリマーは、95%超がシンジオタクチックである、項目1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
(項目7)
前記ポリマーのMnは、約5,000を超える、項目1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
(項目8)
項目1〜7のいずれか一項に記載のポリマーを含む組成物であって、タングステン塩、R4−H、R5−H、R5’−H、又はR8若しくはR9から独立して選択されるより中性の配位子のうち1種を更に含む、組成物。
(項目9)
式I:
【化163】
[式中、R1は、−C(R1a)3であり、それぞれのR1aは、独立して、C1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、八〜十員の二環式若しくは多環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、あるいは、
3個のR1a基は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された四〜十員の二環式又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
R2及びR3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、又は−NRSO2Rであり、あるいは、
R2及びR3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員のヘテロアリールであって、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R5は、−OAraであり、
Araは、任意選択的に置換された
【化164】
である]の化合物。
(項目10)
それぞれのR1aは、任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族又はフェニルである、項目9に記載の化合物。
(項目11)
R1は、
【化165】
である、項目9に記載の化合物。
(項目12)
式II:
【化166】
[式中、R2及びR3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、又は−NRSO2Rであり、あるいは、
R2及びR3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員のヘテロアリールであって、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R5は、−OAraであり、
Araは、任意選択的に置換された
【化167】
であり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR8は、独立して、リン含有配位子であって、該リン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の化合物。
(項目13)
前記式IIの化合物は、式II−a:
【化168】
[式中、R4は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された五〜十四員ヘテロアリールであり、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素であり、
R5は、−OAraであり、
Araは、任意選択的に置換された
【化169】
であり、
それぞれのR6は、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、又は−NRSO2Rであり、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
R7は、任意選択的に置換されたフェニルであり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR8は、独立して、リン含有配位子であって、該リン含有配位子は、リン原子を介してWに結合している]の構造を有する、項目12に記載の化合物。
(項目14)
R4は、任意選択的に置換された
【化170】
である、項目9〜13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
式III:
【化171】
[式中、R2及びR3のそれぞれは、独立して、−R、−OR、−SR、−N(R)2、−OC(O)R、−S(O)R、−SO2R、−SO2N(R)2、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、又は−NRSO2Rであり、あるいは、
R2及びR3は、結合している炭素原子と共に任意選択的に組み合わされ、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式、二環式、又は多環式の飽和又は一部不飽和の環を形成し、
それぞれのRは、独立して、水素、又は、C1〜10脂肪族、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC1〜10ヘテロアルキル、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十員の二環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、あるいは、
2個のR基は、介在している原子と共に任意選択的に組み合わされ、介在している原子に加えて、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された三〜十員の単環式又は二環式の飽和の環、一部不飽和の環、又はアリール環を形成し、
それぞれのR5’は、独立して、−OArbであり、
Arbは、
【化172】
であり、
又は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは多環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、若しくは、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは多環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環Bは、フェニル、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
環B’は、フェニル、十〜十四員の二環式若しくは三環式のアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
それぞれの環Cは、独立して、フェニル、三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のカルボサイクル環、六〜十四員の二環式若しくは三環式の飽和の環、一部不飽和の環、若しくはアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する五〜六員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する三〜七員の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する七〜十員の二環式の飽和若しくは一部不飽和のヘテロサイクル環、又は、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する八〜十四員の二環式若しくは三環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換された基であり、
それぞれのRxは、独立して、R、ハロゲン、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R)2、−C(O)N(R)(OR)、−OR、−OC(O)R、−OC(O)N(R)2、−OSi(R)3、−SR、−S(O)R、−S(O)2R、−S(O)2OR、−S(O)2N(R)2、−NO2、−N(R)2、−NROR、−NRC(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R)2、−N(R)S(O)2R、−N(R)S(O)2N(R)2、−P(R)2、−P(OR)2、−P(O)(R)2、−P(O)(OR)2、−P(O)[N(R)2]2、又は−Si(R)3であり、
それぞれのR5aは、独立して、Rであり、
p及びtのそれぞれは、独立して、0〜7であり、
mは、0〜3であり、
nは、0〜2であり、
それぞれのR9は、独立して、中性配位子である]の化合物。
(項目16)
前記化合物は、B(R)3の構造を有するルイス酸が配位している、項目15に記載の化合物。
(項目17)
項目1〜10のいずれか一項に記載のポリマーの調製方法であって、
a)項目9〜16のいずれか一項に記載の化合物を提供する工程を含む、方法。
(項目18)
高シンジオタクチック選択性を伴う開環メタセシス重合(「ROMP」)の実施方法であって、モノマー性基質は、高反応性であり、
a)項目9〜16のいずれか一項に記載の化合物を提供する工程を含む、方法。
(項目19)
ROMPのタクチック選択性を向上させる方法であって、
a)ルイス酸を提供する工程を含む、方法。
(項目20)
前記ROMPは、項目15に記載の化合物を提供することを含み、前記ルイス酸は、B(R)3である、項目19に記載の方法。