(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675387
(24)【登録日】2020年3月12日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】ユーザの頭部に配置可能であると共にイメージを生成する表示デバイス用の眼鏡レンズ、及びそのような眼鏡レンズを含む表示デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20200323BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02C11/00
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-516718(P2017-516718)
(86)(22)【出願日】2015年9月21日
(65)【公表番号】特表2017-531823(P2017-531823A)
(43)【公表日】2017年10月26日
(86)【国際出願番号】EP2015071592
(87)【国際公開番号】WO2016050546
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】102014114238.1
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516087698
【氏名又は名称】トーツ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TOOZ TECHNOLOGIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドゥレ、フランク
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−162793(JP,A)
【文献】
特開2014−174366(JP,A)
【文献】
特開2010−243972(JP,A)
【文献】
特開2009−151043(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/155357(WO,A1)
【文献】
特開平09−073005(JP,A)
【文献】
特開昭54−150146(JP,A)
【文献】
特開2007−212824(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/037932(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0160576(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0033830(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0313557(US,A1)
【文献】
米国特許第05654827(US,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0026486(KR,A)
【文献】
独国実用新案第202006001791(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 − 27/02
G02C 1/00 − 13/00
G02B 5/00 − 5/136
G09B 9/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部に取付け可能であると共にイメージを生成する表示デバイス(1)用の眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズ(3)は、フロント面(18)と、リア面(15)と、前記フロント面と前記リア面(18、15)とを接続するエッジ(21)と、
結合入射セクション(11)と、該結合入射セクション(11)から離間した結合出射セクション(13)と、並びに
前記眼鏡レンズ(3)の前記結合入射セクション(11)を介して前記眼鏡レンズ(3)に結合入射した生成イメージのピクセルの光束(9)を、前記眼鏡レンズ(3)内で第1の方向に沿って、前記眼鏡レンズ(3)から結合出射する前記結合出射セクション(13)まで導くのに好適な、導光チャネル(12)と
を備え、
前記眼鏡レンズ(3)は、幾つかのパーツで構成され、第1の部分眼鏡レンズ(19)と、それに接続される第2の部分眼鏡レンズ(20)とを含み、
前記導光チャネル(12)は、前記第1の部分眼鏡レンズ(19)内を通り、
前記2つの部分眼鏡レンズ(19、20)は、一方では前記フロント面(18)から前記リア面(15)まで、他方では前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に、前記眼鏡レンズ(3)の前記エッジ(21)から所与の長さに沿って延在する接触表面(24、25、26、27)を介して、互いに接続されることを特徴とする、眼鏡レンズ。
【請求項2】
前記結合出射セクション(13)は、前記第1の部分眼鏡レンズ(19)内に形成された少なくとも1つの反射表面(14)を含む、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
【請求項3】
前記結合出射セクション(13)は、前記第2の部分眼鏡レンズ(20)内に形成された少なくとも1つの反射表面(14)を含む、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの反射表面(14)は、湾曲状態に形成される、請求項2又は3に記載の眼鏡レンズ。
【請求項5】
前記結合出射セクション(13)を形成するために、前記2つの部分眼鏡レンズ(19、20)の一方に凹部(22)が形成されると共に、それに相補的な突出セクション(23)が前記2つの部分眼鏡レンズ(19、20)の他方に形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項6】
前記接触表面(24〜27)の少なくとも1つは、前記眼鏡レンズ(3)の前記エッジ(21)から前記結合出射セクション(13)まで延在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項7】
前記2つの部分眼鏡レンズ(19、20)は、それぞれ、前記眼鏡レンズの前記エッジ(21)から前記結合出射セクション(13)まで延在する2つの接触表面(24〜27)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項8】
前記第1及び第2の部分眼鏡レンズ(19、20)の前記2つの接触表面は、いずれの場合も一平面内に位置する、請求項7に記載の眼鏡レンズ。
【請求項9】
前記2つの部分眼鏡レンズは、同一の材料から形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ。
【請求項10】
ユーザの頭部に取付け可能なホルダー(2)と、
前記ホルダー(2)に固定されてイメージを生成する、イメージ生成モジュール(5)と、
前記ホルダーに固定されて、請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ(3)を含み、前記ホルダー(2)が前記ユーザの頭部に取り付けられた際に、前記ユーザがバーチャルイメージとして知覚できるように生成イメージを映し出す、イメージング光学システム(7)と
を含む、表示デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの頭部に取付け可能であると共にイメージを生成し、また請求項1に記載のプリアンブルの特徴を有する、表示デバイス用の眼鏡レンズ、及びそのような眼鏡レンズを含む表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような眼鏡レンズでは、結合出射セクションは、多くの場合、眼鏡レンズ内に埋め込まれた少なくとも1つの反射表面を含む。そのため、そのような眼鏡レンズの製造は複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここから出発して、本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの眼鏡レンズを容易に製造できるように開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、眼鏡レンズが、幾つかのパーツで構成され、第1の部分眼鏡レンズと、それに接続される第2の部分眼鏡レンズとを含み、導光チャネルが第1の部分眼鏡レンズ内を通り、2つの部分眼鏡レンズが、一方ではとくにフロント面からリア面まで(すなわち眼鏡レンズの全厚さにわたり)、他方では第1の方向に対して横方向を向く第2の方向に、眼鏡レンズのエッジから所与の長さに沿って延在する接触表面を介して、互いに接続されることによって、冒頭で述べたタイプの眼鏡レンズにおいて、本発明に従って達成される。
【0005】
この構成により、眼鏡レンズは、第1の方向に対して横方向に分割される。その結果、一方では、結合出射セクションは、一方又は両方の部分眼鏡レンズ内に容易に形成され、他方では、2つの部分眼鏡レンズは、接触表面を介して互いにしっかりと十分に接続される。
【0006】
特に、接触表面は、互いにグルー接合又はセメント接合が可能である。
【0007】
結合出射セクションは、第1及び/又は第2の部分眼鏡レンズ内に形成される少なくとも1つの反射表面を含む。少なくとも1つの反射表面は、特に湾曲表面である。さらに、結合出射セクションは、反射ファセットとも呼ぶことのできる幾つかの反射表面を含む。反射ファセットは、ジグザグラインや鋸歯状ラインのように、互いにオフセットして配置可能である。
【0008】
少なくとも1つの反射表面は、眼鏡レンズのフロント面からリア面まで延在可能である。しかしながら、少なくとも1つの反射表面は、必ずしも眼鏡レンズの全厚さ(フロント面からリア面までの範囲)にわたって延在するとは限らず、例えば、その一部分のみにわたって延在することもできる。特に、反射表面は、埋込み反射表面として形成可能であり、その結果、眼鏡レンズのフロント面及び/又はリア面に延在しない。反射表面は、例えば、眼鏡レンズのフロント面からリア面までの範囲の20〜80%にわたって延在可能である。また、眼鏡レンズのフロント面からリア面までの厚さの30〜70%又は40〜60%の範囲内で延在することも可能である。
【0009】
特に、結合出射セクションは、ビーム偏向性及び/又はイメージング性を有することができる。
【0010】
本発明に係る眼鏡レンズでは、結合出射セクションを形成するために、2つの部分眼鏡レンズの一方に凹部を形成可能であり、それに相補的な突出セクションを2つの部分眼鏡レンズの他方に形成可能である。したがって、2つの部分眼鏡レンズは、ほぼプラグ接合によって一体化可能である。
【0011】
本発明に係る眼鏡レンズでは、接触表面の少なくとも1つは、眼鏡レンズのエッジから第2の方向に沿って、結合出射セクションまで延在可能である。特に、2つの部分眼鏡レンズは、それぞれ、眼鏡レンズのエッジから第2の方向に沿って結合出射セクションまで延在する2つの接触表面を含むことができる。凹部と突出セクションとを形成する場合、2つの接触表面は、それぞれ、凹部からエッジまで又は突出セクションからエッジまでを覆うことができる。第1及び第2の部分眼鏡レンズの2つの接触表面は、いずれの場合も、一平面内に位置することができる。第1又は第2の部分眼鏡レンズの2つの接触表面は、互いにオフセットした状態及び/又はチルトした状態にすることも可能である。特に、部分眼鏡レンズの接触表面は、アセンブルされた眼鏡レンズにおいて、フロント面及び/又はリア面が連続表面として形成されるようにアライメントされる。
【0012】
2つの部分眼鏡レンズは、特に同一の材料から形成される。
【0013】
少なくとも1つの反射表面は、反射コーティングを含むことができる。この場合、ほぼ100%の反射率を達成可能である。しかしながら、より低い反射率を提供することも可能であり、その結果、反射表面は、部分反射表面として使用可能である。
【0014】
それに加えて、反射表面は、全内部反射によって実現可能である。
【0015】
本発明に係る眼鏡レンズは、正確に2つの部分眼鏡レンズを含むことができる。
【0016】
それに加えて、本発明に係る眼鏡レンズの意図された使用では、第2の方向は垂直に延在可能である。
【0017】
導光チャネル内での導光は、例えば、眼鏡レンズのフロント面及びリア面での反射によって実施可能である。これは、全内部反射であることもできるし、又は対応する部分反射コーティング若しくは反射コーティングによる反射であることもできる。しかしながら、眼鏡レンズ内の反射層によって導光を引き起こすことも可能である。この場合、反射層は、フロント面又はリア面がさらなる反射表面として機能するように設けることが可能である。しかしながら、互いに離間した2つの反射層を設けることも可能である。
【0018】
さらに、ユーザの頭部に取付け可能なホルダーと、ホルダーに固定されてイメージを生成するイメージ生成モジュールと、ホルダーに固定されて、本発明に係る眼鏡レンズを含み、ホルダーがユーザの頭部に取り付けられた際に、ユーザがそれをバーチャルイメージとして知覚できるようにイメージを映し出す、イメージング光学システムと、を含む表示デバイスが提供される。
【0019】
イメージング光学システムは、唯一の光学エレメントとして、眼鏡レンズを含むことができる。しかしながら、イメージング光学システムは、眼鏡レンズの他に、少なくとも1つのさらなる光学エレメントを含むことも可能である。少なくとも1つのさらなる光学エレメントは、例えば、2つの部分眼鏡レンズの一方とワンピースで形成可能である。
【0020】
表示デバイスは、イメージ生成モジュールを制御する制御ユニットを含むことができる。
【0021】
イメージ生成モジュールは、特に2次元イメージングシステム、例えば、LCDモジュール、LCoSモジュール、OLEDモジュール、又はチルトミラーマトリックスを含むことができる。イメージングシステムは、例えば、行及び列に配置可能な複数のピクセルを含むことができる。イメージングシステムは、自発光のものでもよいし、自発光でないものでもよい。
【0022】
イメージ生成モジュールは、特に単色像又は多色像を生成するように形成可能である。
【0023】
本発明に係る表示デバイスは、その操作に必要な当業者に公知のさらなるエレメントを含むことができる。
【0024】
上述した特徴及びこれから以下に説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、明記された組合せだけでなく、他の組合せでも単独でも使用可能であるものと理解されたい。
【0025】
例として添付の図面を参照しながら以下に本発明をさらにより詳細に説明する、これらの図面もまた本発明に不可欠な特徴を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る、表示デバイスの実施形態の模式斜視図である。
【
図2】イメージ生成モジュールの模式図を含む、第1の眼鏡レンズの拡大部分断面図である。
【
図4】第1の眼鏡レンズ3の模式斜視分解図である。
【
図5】さらなる実施形態に係る、イメージ生成モジュールの模式図を含む、第1の眼鏡レンズの拡大部分断面図である。
【
図6】さらなる実施形態に係る、イメージ生成モジュールの模式図を含む、第1の眼鏡レンズの拡大部分断面図である。
【
図7】さらなる実施形態に係る、イメージ生成モジュールの模式図を含む、第1の眼鏡レンズの拡大部分断面図である。
【
図8】さらなる実施形態に係る、第1の眼鏡レンズの模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示される実施形態では、本発明に係る表示デバイス1は、ユーザの頭部に取付け可能であると共に例えば従来の眼鏡フレームのように形成可能であるホルダー2と、さらにはホルダー2に固定された第1及び第2の眼鏡レンズ3、4とを含んでいる。眼鏡レンズ3、4を有するホルダー2は、例えば、スポーツグラス、サングラス、及び/又は、視力異常矯正用眼鏡として形成可能であり、その場合、以下に記載されるように、第1の眼鏡レンズ3を介して、ユーザの視野内にバーチャルイメージを映し出すことができる。
【0028】
この目的のために、表示デバイス1は、
図1に模式的に示されるように、ホルダー2の右側テンプルステムの領域内に配置可能なイメージ生成モジュール5を含んでいる。イメージ生成モジュール5は、例えば、行及び列に配置された複数のピクセルを有する2次元イメージ生成エレメント6(
図2)であり、例えば、OLEDチップ、LCDチップ、LCoSチップ、チルトミラーマトリックスなどを含むことができる。
【0029】
眼鏡レンズ3及び4、特に第1の眼鏡レンズ3は、例として本発明に係る表示デバイス1と共に記載されているにすぎない。眼鏡レンズ3、4、又は少なくとも第1の眼鏡レンズ3は、いずれの場合も、本発明に係る眼鏡レンズ3、4として、又は本発明に係る光学エレメントとして、個別に形成される。本発明に係る光学エレメントは、本明細書に記載の表示デバイス1以外の状況でも使用可能である。したがって、光学エレメントは、眼鏡レンズとして形成される場合には、当然ながら第2の眼鏡レンズ4としても形成可能である。
【0030】
図2の拡大模式部分断面図から最もよく分かるように、表示デバイス1は、イメージ生成エレメント6又はイメージングシステム6と第1の眼鏡レンズ3との間に配置された光学エレメント8を含有する、イメージング光学システム7を含んでいる。それに加えて、第1の眼鏡レンズ3は、それ自体がイメージング光学システム7の一部としても機能する。
【0031】
光束9は、イメージングシステム6の各ピクセルから出現可能である。それに対応してイメージ生成モジュール5の一部であり得る制御ユニット10によってイメージングシステム6のピクセルを制御することにより、所望のイメージを生成可能である。
図2では、光ビームのビーム経路は光束9を表すように描かれているので、以下では光ビーム9についても考察される。
【0032】
イメージングシステム6から出現する光ビーム9は、光学エレメント8を通り抜け、結合入射セクション11を介して第1の眼鏡レンズ3に入り、この中で導光チャネル12に沿って結合出射セクション13に導かれる。結合出射セクション13は、第1の眼鏡レンズ3のリア面15の方向に光ビーム9を反射させる反射偏向表面14を含み、その結果、光ビーム9は、リア面15を介して第1の眼鏡レンズ3から出射する。
【0033】
したがって、意図されるようにユーザが自身の頭部に本発明に係る表示デバイス1を着用した場合、結合出射セクション13を見た時に、イメージングシステム6によって生成されたイメージをバーチャルイメージとして知覚可能である。ここに記載の実施形態では、ユーザは、前方視野の視野方向Gに対して約40°右を見なければならない。
図2では、明確にするために、ユーザの眼の回旋点16、さらにはアイボックス17又はイメージング光学システム7の出射瞳17が描かれている。アイボックス17は、表示デバイス1によって提供されてユーザの眼が移動可能である領域であり、ユーザは依然として常に生成イメージをバーチャルイメージとして知覚可能である。
【0034】
図2の模式図に示されるように、第1の眼鏡レンズ3のリア面15及びフロント面18は、両方とも湾曲状態に形成されている。
【0035】
導光チャネル12内における光束9の導光は、フロント面18及びリア面15での全内部反射によって実施可能である。フロント面18及び/又はリア面15は、所望の導光を引き起こすために、導光チャネルの領域内に反射コーティング又は部分反射コーティングを含むことも可能である。
【0036】
特に、
図3の第1の眼鏡レンズ3の模式斜視図、及び
図4の第1の眼鏡レンズ3の模式斜視分解図から分かるように、第1の眼鏡レンズ3は、幾つかのパーツで形成されている。ここに記載の実施形態では、第1の眼鏡レンズ3は、第1の部分眼鏡レンズ19と第2の部分眼鏡レンズ20とを含んでいる。
図3及び
図4では、図を単純化するために、フロント面及びリア面18、15は、湾曲状態ではなくフラット状態で示されている。
【0037】
フロント面及びリア面18、15は、エッジ21によって互いに接続されている。
図2に見られるように、光束9の結合入射は、エッジ21のセクション11を介して行われる。しかしながら、光束9は、例えば、リア面15を介して第1の眼鏡レンズ3に結合入射することも可能である。
【0038】
第1の眼鏡レンズ3の2パーツ構成により、結合出射セクション13は簡単に形成可能である。したがって、反射偏向表面14の形状は、凹部22によって第1の部分眼鏡レンズ19内に形成可能であり、必要なコーティングをそれに施すことができる。次いで、第1の部分眼鏡レンズ19は、凹部22の領域内に相補的な形状を有する突出セクション23を含む、第2の部分眼鏡レンズ20に接続可能である。
【0039】
ここに記載の実施形態例では、導光チャネル12は、完全に第1の部分眼鏡レンズ19内に形成され、例えばy方向を向く。したがって、結合入射光束9は、第1の部分眼鏡レンズ19内においてy方向に、結合出射セクション13に又は反射偏向表面14に導かれる。
【0040】
第1の眼鏡レンズ3は、分割が第1の方向に対して横方向に、すなわちx方向に行われるように分割される。分割は、x方向に第1の眼鏡レンズの全範囲にわたって延在する。したがって、いずれの場合も互いに向き合う接触表面24及び25並びに26及び27は、2つの部分眼鏡レンズ19及び20上に形成される。接触表面24〜27は、いずれの場合も、第1の眼鏡レンズの全厚さにわたって、すなわちフロント面18からリア面15まで延在し、導光チャネル12内の導光方向に対して横方向に延在することを特徴とする。したがって、2つの部分眼鏡レンズ19及び20は、いずれの場合も、互いに向き合う接触表面24及び25並びに26及び27を、グルー接合することによって接続可能である。したがって、有利には、反射偏向表面14に相補的突出セクション23をグルー接合しないで済ませることが可能である。当然ながら、所望により、2つの部分眼鏡レンズ19及び20におけるこれら2つのパーツを、互いにグルー接合することも可能である。
【0041】
接触表面24〜27は、特に、いずれの場合も、導光チャネル12内の導光方向に対して横方向に、すなわちここではx方向に沿って、第1の眼鏡レンズ3のエッジ21から延在することを特徴とする。それらは、好ましくは、
図3及び
図4に見られるように、反射偏向表面14まで延在する。
【0042】
当然ながら、第1の部分眼鏡レンズ19の凹部22及び第2の部分眼鏡レンズ20の突出セクション23は、アセンブルされた状態において、それらの間にエアギャップが存在するように形成可能である。その場合、結合出射は、結合出射セクション13を介して全内部反射によって行われる。
【0043】
エアギャップを有するそのような実施形態は、
図2に記載の断面図で
図5に模式的に示されている。
図2及び
図5の断面図は、セクションが反射偏向表面14を通って延在するように選択されている。
【0044】
それに加えて、反射ファセットとも呼ぶことのできる互いに隣接して配置された幾つかの偏向表面14が提供されるように、凹部22を形成することも可能である。対応する図は、
図6に示されている。それに対応して、凹部22及び突出セクション23は両方とも、
図6の断面図に示されるように形成可能である。
【0045】
さらに、幾つかの反射偏向表面14を凹部22のみに設けて平滑上面を有する後者を形成することも可能であり、その結果、突出セクション23は、
図3及び
図4に記載の実施形態のように形成可能である。対応する断面図は、
図7に示されている。ライン28は、突出セクション23の平滑下面を表している。平滑上面を形成するために、凹部22の反射偏向表面14を第2の眼鏡部分体20と同一の材料で充填する場合、断面図のライン28は目には見えない。
【0046】
接触表面24及び26は、好ましくは同一平面内に位置する。しかしながら、それらはまた、互いにオフセット状態、及び/又は、互いにチルト状態であってもよい。同様のことが、接触表面25及び27にも当てはまる。
【0047】
図8には、本発明に係る第1の眼鏡レンズ3のさらなる実施形態が示されている。この実施形態は、第1の眼鏡レンズ3のエッジ21から導光チャネル12内の導光方向に沿って、すなわちy方向に延在する接触表面29及び30が、2つの接触表面26及び27の代わりに設けられるという点で、これまでに記載の実施形態とは異なっている。したがって、この場合、第1の部分眼鏡レンズ19は本質的にL字形に形成され、第2の部分眼鏡レンズ20は本質的に四分円又は四分楕円の形状を有し、その結果、アセンブルされた眼鏡レンズ3は、上記と同一の形状を有する。さらには、接触表面29及び30は、互いにグルー接合が可能である。この実施形態で重要なことは、接触表面24及び25が導光方向に対して横方向に、すなわちx方向に沿って、エッジ21から延在することである。
【0048】
示されていない変更形態では、第2の部分眼鏡レンズは本質的にL字形に形成可能であり、第1の部分眼鏡レンズ19は四分円又は四分楕円の形状を有してもよい。
【0049】
接触表面29及び30はy方向に沿って延在する必要はなく、他の方向でもよい。本質的に、アセンブルされた第1の眼鏡レンズ3は、2つの部分眼鏡レンズ19及び20で作製された、連続するフロント面及びリア面18、15を有することが好ましい。
【0050】
2つの部分眼鏡レンズ19及び20の材料は好ましくは同一であり、その結果、同一の屈折率を有する。
【0051】
本発明に係る表示デバイス1では、ユーザの視野内へのバーチャルイメージの映し出しは、第1の眼鏡レンズ3を介して行われる。当然ながら、第2の眼鏡レンズ4を介する映し出しもまた可能である。そのほかに、表示デバイス1は、情報項目又はバーチャルイメージが眼鏡レンズ3、4の両方を介して映し出されるように形成することも可能である。映し出しは、3次元像の印象を生じるように行うことができる。しかしながら、これは絶対に必要というわけではない。
【0052】
眼鏡レンズ3、4は、ゼロの屈折力又はゼロとは異なる屈折力(特に視力異常矯正用)を有することができる。図に示されるように、フロント面18及びリア面15は、両方とも湾曲状態に形成される。フロント面18は、特に球面状に湾曲している。視力異常を矯正するために、眼鏡レンズ3、4がゼロとは異なる屈折力を有する場合、通例、適切な矯正を達成するように、リア面15の曲率が適切に選択される。リア面15は、球面形から外れた曲率を有することもできる。
【0053】
ホルダー2は、眼鏡タイプのホルダーとして形成する必要はない。表示デバイスを取り付けて頭部に着用可能な他のタイプのホルダーも可能である。