【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に定めた一つ以上の目的を考慮した上で、本発明は、請求項1に記載するように、充填機により流動製品で充填されるよう適合されたスパウト付きパウチ、プラグおよびキャップの組み合わせを提供している。
【0010】
本発明の解決策は、消費者により開封可能なキャップに滅菌処理を施す必要のない、無菌充填されたパウチの製造を可能とする。プラグの取り外し、流動製品によるパウチの充填、およびプラグの再装着は無菌環境内で行われ、キャップの組立ては非無菌環境、例えば、充填機の下流にあるキャッピング機で行うことが好ましい。このアプローチは、無菌環境を離れる前に充填されたパウチをプラグで密封するため可能である。
【0011】
好ましい実施形態において、無菌環境は、滅菌ガス、例えば、滅菌した空気の陽圧気流が存在する中で形成される。例えば、無菌環境は、充填機またはその一部を格納する室内に形成される。
【0012】
請求項1の組み合わせはまた、キャップの取付けが無菌環境内で行われるプロセスでも使用されうることが理解される。しかし、これにはキャップの滅菌を必要とする。
【0013】
請求項1のプラグは、ネックの外面を密封する。適切な充填機、具体的にはそのノズルとの組み合わせにより、流動製品と接触しないネックの表面上にこの密封を実現するという効果を達成することが可能である。これにより高品質の密封が強化される。さらに、充填機、例えば、その充填ノズルの実施形態において、充填機は、プラグの外面がネックを密封するネックの密封表面に接触しておらず、充填ノズルまたは充填機によってこのネックの密封表面が損傷する可能性が防止される。例えば、ノズルは、充填ノズルがプラグのこの外部密封表面と接触せずに、ネック内に延び、および/またはネックの上部を密封する。別の実施形態では、充填ノズルは、例えば、ネックの上部へのノズルの密封により、ネックの外部密封表面と接触してもよい。この後者の実施形態は、ノズルの接触面、例えば、その滑らかさおよび/またはノズルに対するネックの位置付けに関するさらなる要件を必要とする可能性がある。
【0014】
実施形態において、プラグにより閉じられているがキャップはまだ組み立てられていない空のスパウト付きパウチは、無菌環境に入る前に事前滅菌処理を受けるか、または既に受けている。例えば、空のスパウト付きパウチは前記閉じられた状態で、パウチの内部も滅菌するという利点を持つ適切な放射線滅菌法により滅菌されている。他の滅菌方法、例えば、スパウト付きパウチに滅菌剤を外部噴霧する方法も利用可能である。充填機内に移ると、例えば、事前滅菌、例えば、放射線滅菌されたパウチとスパウトの外部は、充填機の無菌室に移る前にトンネル内で滅菌蒸気、例えば、過酸化水素で処理され、ここでプラグの取り外し、充填、およびプラグの再装着が行われる。
【0015】
例えば、ネックに取り付けられたプラグを備えるスパウト付きパウチは、中間移送レール、例えば、パッケージ包装内に保持されている複数の移送レール上で収集され、その全体が空のパウチを滅菌するために放射線処理される。プラグはパウチを密封し、それにより、その外面の上部を含めて、パウチとネックが無菌状態で維持されることを保証する。
【0016】
本発明は、無菌状態を必要とする用途、例えば、特定の食品や飲み物において主に利点を発揮するが、非無菌状態での充填用途にも利用できると理解するべきである。
【0017】
パウチは、例えば多層ポリマー構造でもよく、例えば、一つ以上の金属または金属化された層を含むものでも、例えば、共押出または積層処理により形成することが可能である。
【0018】
パウチは、例えば、その端部に沿って密封された二つのパウチパネルまたは壁で構成されてもよい。例えば、パウチは、例えば、充填されたパウチの直立を可能とするように具現化された、下部ガセット構造を備えている。その他のパウチのデザインも可能である。
【0019】
パウチは、例えば、0.1〜0.5リットルの流動製品で充填される容器でありうるが、他の容積の容器も可能である。
【0020】
実施形態において、プラグ本体は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、プラグがネックの上部に取り付けられる場合にネックの内面に摩擦係合する、一つ以上の芯出し部を備える。
【0021】
実施形態において、プラグ本体は、例えば、ポストの円形状の列、例えば、円形状の三つ以上のポストなど、上部から下方に向けて延びる複数のポストまたはスタブを備える。
【0022】
実施形態において、プラグ本体の芯出し部分は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、外部環状壁と同軸の内部環状壁を備え、この内部環状壁から形成されていることが好ましく、内部環状壁は、プラグがネックの上部に取り付けられている場合にネックの内面に摩擦係合し、プラグ本体の内部環状壁と外部環状壁は、その間に下方向に開いている環状の溝を画定し、この溝でネックの上部が受け入れられる。下記で詳しく説明するように、この実施形態は、例えば、実際のパウチの充填中に、充填機のプラグ保持構造のピン部分にプラグを一時的に支持することを可能とする。ピン部分はプラグの外壁の環状密封面から離れており、高速運用を行う場合でも、上記繊細な密封面が、密封の質を損なうプラグ保持構造により損傷されて品質が損われるリスクは存在しない。
【0023】
実施形態において、一つ以上の芯出し部、例えば、内部環状壁は、外部環状壁を覆って下方に延び、例えば、前記一つ以上の芯出し部は、一つ以上の芯出し部のスパウト本体のネックへの導入を促進するために面取りされた下端を備える。これは、繊細な密封面を有するプラグ外壁がネックのスパウトと接触する前に、プラグをネックの中心に正しく位置付けることを可能とする。これは、充填機の高速運用という点で利点を提供し、充填機に対するスパウトの精密な位置付けの必要性を軽減する。内部環状壁は、スパウトのネックへの導入を促進するために面取りされた端部を外部に備えてもよく、プラグ保持構造のピン部分へのプラグの配置を促進するために面取りされた端部を内部に備えてもよい。
【0024】
実施形態において、プラグ本体の上部は、上部周辺に延びる周辺溝を備え、一つの周辺溝を備えることが好ましい。例えば、この溝は、充填機のプラグ取り外しおよび/または再装着デバイスをプラグに結合できるよう適合されている。以下で詳しく説明するように、同一の溝は、キャップをプラグにスナップフィットする状況でも機能を果たしうる。他の実施形態においては、二つの機能のために別々の溝が提供されている。密封状態を構築する外部壁を慎重に取り扱うことが好ましいため、一つ以上の周辺溝を、外部環状壁ではなく上部に配置することが好ましい。例えば、高速運用するプラグ取り外しデバイスは、例えば、上部の方が外部環状壁よりも堅牢性に優れているため、外部環状壁の形状に悪影響を与えることなく上部の溝に係合しうる。
【0025】
実施形態において、プラグ本体の内部環状壁には、存在する場合には、リブと溝が交互配置されて形成されたレリーフがその外面に設けられ、上記リブは、ネックの内面に摩擦係合する。例えば、これらのリブと溝は軸方向に延びる。リブが適切な寸法である場合、例えば、プラグがスパウトから誤って外れるリスクを軽減するために、ネックの内面との摩擦係合を補強できる。
【0026】
リブと溝は、ネックの内面とプラグの内壁に密封がないように形成されることが好ましい。例えば、溝の間に形成される流路は、プラグがネックの上に押される際に、プラグとネックの間の圧力の上昇を抑える。例えば、リブの下端を面取りすることで、スパウトのネックへの導入が強化される。
【0027】
実施形態において、プラグ本体の各スナップフィット構造は、プラグ本体の上部により構成される。このデザインは、スナップフィットに起因するキャップとプラグの間の負荷をプラグ本体の上部に集中させることで、外部環状壁にそのような負荷が実質的にないようにし、それにより外部環状壁によって提供される密封の品質への不要な影響が起きないようにする。
【0028】
実施形態において、プラグ本体の上部は、上部の周りに延びる周辺溝を備え、プラグ本体の上部ショルダにより周辺溝の上限が定められ、キャップの一つ以上のスナップフィット構造は前記周辺溝に延びて、プラグ本体の前記上部ショルダの下で係合する。説明するように、充填機の適切なプラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスをプラグと係合させるために、同一の周辺溝を使用してもよい。
【0029】
実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、一体成形されたねじ山である。
【0030】
別の実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、キャップとスパウトのネックの間にスナップフィット接続を形成するように構成されている。例えば、ネックの外面に周辺スナップビードが提供され、キャップの内面に係合用周辺スナップビードまたはスナップボスが提供され、後者は前者の下で係合する。他のスナップ形式も可能である。
【0031】
さらなる別の実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、バヨネット式コネクタを形成するように構成されている。
【0032】
第一および第二キャップ接続構造が一体成形されたねじ山である実施形態において、プラグ本体の外部環状壁の外径は、筒状のネックの小径より小さく、キャップ上のねじ山の内径はプラグ本体の外部環状壁の外径より大きいことが想定されている。これは、キャップのねじ山がプラグの外壁に接触せず、または少なくともプラグの外壁に不要な負荷をかけることなく、キャップをプラグの上にかぶせ、それにより外部環状壁の形状と密封の品質の完全性を保護することを可能とする。
【0033】
実施形態において、プラグ本体は、キャップ本体に結合される場合にプラグ本体の一つ以上の部分を表示する、好ましくは一体成形された、一つ以上の窓口を備える。例えば
、キャップ本体は、プラグ本体がキャップ本体に結合される時にプラグ本体の前記上部ショルダを表示する、一つ以上の窓口を備える。プラグ本体の一つ以上の部分を一つ以上の窓口から表示することは、例えば、組立完了後にプラグ本体が実際にキャップの下に存在するかどうかを確認する効率的なインラインチェックを可能にする。そのため、充填済みパウチの閉鎖体の単純な最終チェックを可能とする。また、実施形態において、キャップとプラグについて異なる色を使用し、窓口に、望ましい外観を作る可能性を与えることができる。
【0034】
実施形態において、スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造の下に、例えば、ネックの第一のねじ山の下に、ネックの周りに延びる上方と下方のフランジのペアを備える。当該分野で周知の通り、そのようなフランジはスパウト付きパウチの、例えば充填機を通る移送過程において使用でき、例えば、ネックは、上方フランジの一部が二つの平行レールまたはその他のガイド構造の上方を、下方フランジの一部が平行レールまたはその他のガイド機構の下にある状態で、平行レールまたはその他のガイド構造の間を通過する。WO2017171834に開示するように、これらのフランジはさらに、空のスパウト付きパウチを遠隔の充填機または遠隔の充填工場に移送するために使用される中間移送レールにスパウト付きパウチを保持するために使用してもよい。
【0035】
当該分野で周知のように、実施形態において、前記上方および下方のフランジの中間にあるネックの一部分は、正反対の場所に平行垂直ガイドフェイスを備え、例えば、ネックを充填機のガイドスロットに誘導することを可能にする。
【0036】
実施形態において、キャップは、キャップがスパウト付きパウチに取り付けられる時にキャップ本体のスカートの下端のタンパーエビデント構造が上方フランジの真上に設置されるように寸法が定められている。
【0037】
実施形態において、キャップ本体のタンパーエビデント構造とスパウト本体上の係合用タンパーエビデント構造は、WO2014007612に開示される方法で構成されており、これを参照により本明細書に組み入れる。
【0038】
実施形態において、キャップ本体は、外周を持つ上部壁を備え、キャップのスカートはこの外周から下方に向けて延びる。キャップ本体は、一つ以上の窓口を備えている。
【0039】
実施形態において、一つ以上の窓口は、周方向に、例えば、上部壁の真下のスカートの一つ以上の細長いスロットとして構成されている。
【0040】
例えば、この一つ以上の窓口は、プラグの上部のみを見えるようにし、プラグの外部環状壁は見えない。
【0041】
別の実施形態において、一つ以上の窓口を上部壁に設けることができるが、好ましい実施形態においては、上部壁は中実であり、プラグを上から完全に覆い、上からプラグを表示したりアクセスを提供したりする窓口はない。
【0042】
実施形態において、スカートの内面は、内側に突出する周辺スナップフィットレッジを備え、レッジは、キャップ本体の周辺ショルダの下で係合する、例えば、前記レッジは、一つ以上の窓口、例えば、スロット型の窓口の下端の区切りを定める。この実施形態は、プラグ本体をその上部に保持することを可能とし、それにより外部環状壁に対するスナップフィットの負荷が避けられる。スナップフィットは、一つ以上の窓口から確認できる。プラグ本体がキャップ本体内の最終位置に到達しない場合、これを一つ以上の窓口から、特に、上部壁の真下の細長いスロットとして設計されている場合に見ることができる。
【0043】
実施形態において、キャップの上部壁は、プラグの上面を完全に覆い、上からプラグへのアクセスはできない。
【0044】
実施形態において、キャップ本体は外周を持つ上部壁を備え、前記スカートは、前記外周から下向きに延び、キャップ本体は、キャップ本体の垂直な中心面に延び、前記上部壁の上に、スカートの外部に沿って延び、それにより、キャップ本体を補強し消費者によるグリップを向上させる、垂直パネルを備える。ユーザーがスパウト付きパウチを開封した際に維持されるべきキャップとプラグ本体の間のスナップフィットという点から、この補強は利点となりうる。パネルはまた、ここに表示するように、窒息リスク防止のためのデザインを提供するような寸法とすることもできる。例えば、キャップはEN71-1窒息リスクテスト用シリンダには適合しない。
【0045】
別の実施形態において、一体成形されたキャップ本体は、一般的にはスカートと同心的でスカート周辺に放射線状に離間された、環状グリッピング壁を備え、一つ以上のウェブ部分が環状グリッピング壁をスカートに結合している。WO2014007612にその例が開示されている。例えば、一体グリッピング壁のあるキャップは、EN71-1窒息リスクテストシリンダに入るには適合しない。
【0046】
本発明は、実施形態において、充填機により流動製品で無菌充填されるよう適合されているスパウト付きパウチとキャップの組み合わせにも関し、
【0047】
前記組み合わせは、
- 柔軟な素材のパウチ本体と、
-プラスチックの成形スパウト本体を備えるスパウトであって、前記スパウト本体の下端にパウチ本体に接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、
ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路の少なくとも一部分は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、ネックは、さらに外面を有し、
-前記組み合わせは、スパウト本体のネックの上部に絞りばめ形式で取外し可能に取り付けられ、スパウト本体の製品流路を密封する締りばめプラグであって、プラグは、プラスチック素材で成形されているプラグ本体を有し、プラグ本体は上部と、下向きに延び、その間に下方向に開いている環状の空間を画定する同心的な内部環状壁と外部環状壁を有する、スパウト付きパウチを含み、
スパウトの筒状のネックの上部は、プラグ本体の前記環状空間に受け入れられ、
外部環状壁は、内側に突出するシールビードなどのような環状密封面を構成する内面を有し、
ネックの上部の外面は協働環状密封面を構築し、これにより、プラグの外部環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、
内部環状壁は筒状のネックに適合する寸法であり、
スパウト本体のネックの外側には、その上部の下に、一体成形されたねじ山が設けられ、前記ねじ山は小径を有し、
プラグ本体の外部環状壁の外径は、筒状のネックのねじ山の小径より小さく、
プラグは、充填機により取り外され、パウチが流動製品で充填された後にプラグをネックに押し込むことで再装着されるように適合され、前記プラグの取り外し、充填、プラグの再装着は無菌環境で好ましく行われ、
前記組み合わせは、パウチの無菌充填およびネックへのプラグの再装着後に、スパウト付きパウチにキャップを取り付けるように適合された、手動開封可能なねじ込みキャップをさらに備え、
キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備え、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、
スカートの内面の一部は、スパウト本体のネックの前記一体成形されたねじ山と協働する一体成形されたねじ山を備え、
キャップとプラグには協働スナップフィット構造が提供され、これにより、キャップは、プラグがスパウト本体のネックに取り付けられている時にスパウト本体にねじ込みまたは押込み式で固定され、その一方で、前記スナップフィット構造が係合してプラグをキャップに結合するようにスパウト本体のネックにプラグが取り付けられ、これにより、開封方向にキャップを回転した時、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とし、
キャップは、スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造を備え、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
スパウト本体は、そのねじ山の下に、キャップの前記タンパーエビデント構造と協働する一体成形された構造を備え、これにより、充填されたスパウト付きパウチを最初に開封する際に、タンパーエビデント構造が、例えば、前記構造の一つ以上の破壊可能なブリッジなどが初めて開封方向にキャップを回転した時に破れることで、前記初回の開封の証拠を確認する。
【0048】
本発明はまた、手動開封可能なキャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法に関し、製造方法は、
- 空の、好ましくは事前滅菌が施されているスパウト付きパウチを充填機に提供するステップを備え、スパウト付きパウチは、
- 柔軟な素材のパウチ本体と、
- プラスチックの成形スパウト本体を備えたスパウトであって、前記スパウト本体の下部にパウチに接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、
ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、前記ネックは、さらに外面を有し、
前記スパウト付きパウチは、
- 締りばめプラグ、を備え、
プラグは、スパウト本体の前記ネックの上部に、例えばその上に、またはその中に、取り外し可能に取り付けられ、スパウト本体の製品流路を密封し、プラグは、プラスチック素材で形成されているプラグ本体を有しており、プラグ本体は、上部と、例えば、外部環状壁などのスパウトの筒状のネックの上部分に取り付けるよう適合された下方に延びる環状壁とを有し、
プラグ本体の環状壁は、例えば内側または外側に突出するシールビードなどのような環状密封面を構成する表面を有し、
ネックの上部の表面は、協働環状密封面を構成し、これにより、前記プラグの環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、
スパウト本体のネックの外面の上部の下に、一体成形された第一キャップ接続構造を有し、
プラグは、充填機により取り外され、パウチを流動製品で充填後にプラグをネックに押し込むことで再装着するように適合され、
製造方法は、
-少なくとも空のスパウト付きパウチのネックの端部分とプラグが充填機の無菌環境に配置されるステップ、をさらに備え、前記無菌環境内では、
- プラグは、充填機によりネックから取り外され、
- パウチは、スパウト本体の製品流路を通して流動製品で充填され、
- 充填されたパウチは、プラグをネックの上部に押し込みネックとの締りばめを起こしてプラグを再装着することで再び閉じられ、
製造方法は、
- スパウト付きパウチの無菌充填とプラグのネックへの再装着後に、スパウト付きパウチに組み立てるように適合されている手動で扱うことができるねじ込みキャップを設けるステップ、をさらに備え、
キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、
スカートの内面の一部には、スパウト本体のネックの第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、
キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、
キャップはスカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
スパウト本体は、第一キャップ接続構造の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、スパウトのタンパーエビデント構造は、キャップのタンパーエビデント構造と協働することで充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
プラグがネックの上部に再装着されている状態で、製造方法は、
- キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップであって、第一と第二接続構造の協働作動を起こし、スナップフィット構造を係合させる、(例えば、前記かぶせるステップは、ねじ込むステップおよび/あるいは押し込むステップを含む)ステップ、をさらに備え、
協働スナップフィット構造は、プラグをキャップに結合し、これにより、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とする。
【0049】
説明するように、方法はキャップを滅菌プロセスから免除することを可能にする。タンパーエビデント構造は小さな隙間や他の細かな特徴により滅菌が困難であることがよく知られているため、これは利点である。例えば、滅菌液や滅菌用蒸気が使用される場合、タンパーエビデント構造の角、ギャップまたはその他の溝に残留物が残らないことを保証するのは難しい。
【0050】
実施形態において、プラグ取り外し前に、スパウト付きパウチの全体ではなく、プラグとスパウトのネックのみが滅菌され、前記滅菌された部分のみを、プラグのさらなる取り外し、充填、プラグの再装着作業を行う際に充填機の無菌環境に移動することが想定されている。
【0051】
無菌である必要性がない場合、プラグの取り外し、充填、プラグの再装着のステップは非無菌環境で行ってもよいことが理解される。
【0052】
スパウト、プラグおよび/またはキャップには、上記に説明する詳細の一つ以上が提供されうると理解するべきである。
【0053】
実施形態において、キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップは、非無菌環境、例えば、充填機の外で行われる。
【0054】
実施形態において、充填機は、充填ノズルを備えており、充填ノズルは、スパウトのネックへの挿入のために適合されている前部を備え、充填ノズルは、プラグ本体の外部環状壁の環状密封面と係合するスパウトのネックの環状密封面に接していない。
【0055】
実施形態において、充填機は、前記無菌環境において、プラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスを備え、デバイスは、プラグに係合する、例えば、プラグ本体(例えばプラグ本体の上部)の外面にある周辺溝に係合する。一つのデバイスで両方の作業を行うか、または各作業のために二つの個別のデバイスを使用することも可能であることを理解するべきである。
【0056】
実施形態において、充填機は、前記無菌環境において、取り外されたプラグがスパウトのネックに再装着される前に、プラグを一時的に支持するように適合されたプラグ保持構造を備える。例えば、プラグは、プラグが取り外された元のスパウトに再装着される。他のアプローチにおいて、プラグは、充填機により充填された他のスパウト付きパウチに、例えば、次のスパウトに、再装着される。実施形態において、方法は、取り外されたプラグを前記プラグ保持構造で保持するステップを有し、例えば、前記プラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスは、前記プラグを取り外し、プラグを前記プラグ保持構造に移動させる、またはその反対の作業を行う、ステップを含む。
【0057】
上記に説明したように、締りばめプラグが外部環状壁に提供され、その外部環状壁の内面は、スパウトのネックの外面の対応する密封面と係合することで密封シールを構築する環状密封面を形成することが好ましい。しかし、本発明の方法はまた、スパウトのネックの内面の対応する密封面と係合することで密封状態を構築する内部環状密封壁を有する締りばめプラスチックプラグとの組み合わせにおいても利点である。後者の実施形態においては、外部環状壁を持たないものが好ましい。内部密封する締りばめプラグの実施形態において、プラグ本体は、スパウトが閉じられている時に、スパウトのネックの上部に隣接する周辺ショルダを持つ上部を有することが好ましく、前記上部の直径はネックの上部の直径と最大限でも同じかそれ以下であることが好ましい。
【0058】
プラグがネックの内面と密封するための内部環状壁を備えている実施形態においては、プラグ本体は、内部環状壁の下端に隣接するドーム部分または類似した部分を備えることが想定されている。例えば、プラグがネックに設置されている場合、ドーム部分はスパウトのネックにさらに深く誘導される。
【0059】
実施形態において、プラグ本体は、プラグ本体の上部から下方に延びる一つ以上の芯出し部、例えばポストや上記で説明した内部環状壁を備え、プラグがネックの上部に取り付けられている場合にネックの内面に摩擦係合する。プラグ保持構造は、一つ以上の芯出し部と締りばめ方式で係合するよう適合されている。プラグ保持構造は、保持されたプラグの外部環状壁の環状密封面から離間していることが好ましく、これにより、特に高速充填機において、接触または結果として生じる損傷のリスクが回避される。
【0060】
実施形態において、プラグ本体の一つ以上の芯出し部は、プラグ保持構造のピン部分を受け入れるための下方に開いている空間を定め、一つ以上の芯出し部が、ピン部分と締りばめ方式に係合する。これは、上記に説明したように、プラグ本体の環状密封面との不要な接触を避けつつ高速運用を可能とする。
【0061】
実施形態において、プラグ本体の芯出し部は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、外部環状壁と同軸の内部環状壁を備えており、内部環状壁は、プラグ保持構造のピン部分を受け入れるための下方に開いている空間を定め、内部環状壁はピン部分と締りばめ方式に係合する。
【0062】
本発明はさらに、請求項21による、手動開封可能キャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法に関し、
製造方法は、
- 空の、好ましくは事前滅菌が施されているスパウト付きパウチを無菌充填機に提供するステップを備え、スパウト付きパウチは、
- 柔軟な素材のパウチ本体と、
- プラスチックの成形スパウトであって、前記スパウトの本体の下部にパウチ本体に接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、
ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、前記ネックは、さらに外面を有し、
前記製造方法は、
- 少なくとも空のスパウト付きパウチのネックの端部を充填機の無菌環境に配置するステップと、
- 無菌環境において、スパウト付きパウチを、スパウト本体の製品流路を通して流動製品で充填するステップと、
- 無菌環境において、充填機のデバイスにより、滅菌済みの締りばめ方式のプラスチック製プラグを充填されたパウチのネックの上部に配置するステップであって、プラグをネックの上部に押し込むことで、ネックとの締りばめを生じさせ、これにより、プラグはスパウトのネックの上部に取り外し可能に取り付けられて、スパウト本体の製品流路を密封するステップと、を備え、
プラグは、プラスチック素材で形成されたプラグ本体を有し、プラグ本体は、上部と、前記スパウトの前記筒状のネックの上部に取り付けるように適合されている下方に向けて延びる環状壁、例えば、外部環状壁を有し、
環状壁は、内側に突出するシールビードなどのような環状密封面を有し、
ネックの上部の外面または内面は、協働環状密封面を構築し、これにより、プラグの環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、
スパウト本体のネックの外面の上部の下には、一体成形された第一キャップ接続構造が設けられ、
- 前記締りばめ方式のプラグで閉じた充填されたスパウト付きパウチを無菌環境から取り出し、非無菌環境に移動するステップと、を備え、
製造方法は、
- スパウト付きパウチの無菌充填とプラグのネックへの配置後に、スパウト付きパウチに組み立てるために適合されている、手動で扱うことができるねじ込みキャップを設けるステップと、をさらに備え、
キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、
スカートの内面の一部には、スパウト本体のネックの第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、
キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、
キャップは、スカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
スパウト本体は、第一キャップ接続構造の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、スパウトのタンパーエビデント構造は、キャップのタンパーエビデント構造と協働することで充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
締りばめプラグで閉じた充填済みのスパウト付きパウチを無菌環境から取り出した後で、製造方法は、非無菌環境において、
- キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップであって、第一および第二接続構造の協働作動を起こし、スナップフィット構造を係合させる、例えば、前記かぶせるステップは、ねじ込むステップおよび/あるいは押し込むステップと、をさらに備え、
協働スナップフィット構造は、プラグをキャップに結合し、これにより、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とする。
【0063】
この方法は、例えば、スパウト付きパウチが、キャップが後ほど取り付けられるプラグ以外の別の閉鎖構造で、例えば、スパウトのネックの上への取り外し可能かつ使い捨て型のフォイル閉鎖体で最初に閉じられる実施形態を扱う。例えば、このようなフォイルは、事前生産された空のスパウト付きパウチが放射線処理され、充填機の無菌環境において取り外され、廃棄される時に存在する。充填後、プラグはネックに配置され、前記プラグは説明した外部環状壁を有し、その後に充填され、閉じられたパウチが無菌環境から取り出されることが好ましい。次にキャッピング機はキャップを取り付け、プラグとキャップはスナップフィットで係合され、キャップはねじ山、バヨネット式、またはダイレクトスナップフィットでスパウトのネックに係合される。
【0064】
この方法はさらに、空の開いているスパウト付きパウチが充填機に送られ、最初に、少なくとも内部が滅菌処理を受ける、例えば、パウチの内面の滅菌ガスまたは蒸気による滅菌が行われる実施形態を扱う。その後、滅菌されたパウチまたはそのネック部分は無菌環境に導入され、次にパウチが充填される。上記に段落と同様に、充填後にプラグとキャップが提供されうる。
【0065】
スパウト、プラグおよびキャップは、本明細書に説明するさらなる特徴を一つ以上有する可能性があることを理解するべきである。
【0068】
本発明はまた、流動製品用の容器、例えば、スパウト付きパウチのネックで組み立てられるように構成されている、プラグとキャップの組み合わせにも関する。この組み合わせは、スパウト付きパウチと併用するための本明細書に記載されたプラグとキャップを備えてもよい。プラグとキャップの同じ組み合わせは、ネックを有する他の容器、例えば、プラスチック製ボトルなどのネックを有するプラスチックで成形された容器、またはプラスチック製スパウトを備えるカートンなどにも利用でき、上記で説明されたのと同じ利点を提供することが想定されている。
【0069】
本発明によるキャップとプラグの組み合わせは、
- 締りばめプラグ、を備え、
プラグは、流動製品容器の筒状のネックの上部の上に締りばめ方式で取り外し可能な方法に取り付け、前記ネックを通る製品流路を密封するように適合されており、プラグはプラスチック素材で成形されたプラグ本体を有し、プラグ本体は、上部と、筒状のネックの上部にかぶせるように適合されている下方に向けて延びる外部環状壁とを有し、
外部環状壁は、環状密封面、例えば、内側に突出するシールビードを構築する内面を有し、環状密封面は、ネックの上部の外面の環状密封面と協働することで、プラグの外部環状壁とネックの間に密封状態が構築されるように適合され、
プラグは、充填機により取り外され、容器を流動製品で充填後にプラグをネックに押し込むことで再装着するように適合され、前記プラグの取り外し、パウチの充填、そしてプラグの再装着は、無菌環境で行うことが可能であり、
前記組み合わせは、
- 容器の充填およびネックへのプラグの再装着後に、容器に取り付けるように適合されている手動開封可能なキャップ、をさらに備え、
キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、
スカートの内面の一部には、ネックの上部の下の外面の第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、
キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、
キャップ本体とプラグ本体は、プラグをネックの上部に再装着した状態で、キャップ本体をプラグの上に押し下げることで、第一および第二キャップ接続構造が協働し、スナップフィット構造を係合させて、プラグをキャップに結合させるように構成され、
プラグをキャップに結合する協働スナップフィット構造は、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とするように形成され、
キャップは、スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填された容器を最初に開封する際にその証拠を視認できる。
【0070】
キャップとプラグの前記組み合わせの実施形態において、キャップのスカートには、少なくとも正反対に位置する窓口が、例えばキャップの上部壁の真下に提供されており、プラグは、前記一つ以上の窓口に延び、および/またはキャップの内側で最終的な内向きのレッジ、例えば末端上で支持され、一つ以上の窓口の下端と整合されている、一つ以上のスナップフィット構造を備えている。
【0072】
本発明の一つの態様に関連して述べた随意および/または好ましい詳細が、本発明の他の態様にも同様に適用されることを理解するべきである。