特許第6675491号(P6675491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6675491流動製品で充填されるよう適合されたスパウト付きパウチ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675491
(24)【登録日】2020年3月12日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】流動製品で充填されるよう適合されたスパウト付きパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20200323BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20200323BHJP
   B65D 51/18 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
   B65D75/58
   B65D33/38
   B65D51/18
【請求項の数】20
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-534455(P2018-534455)
(86)(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公表番号】特表2018-527269(P2018-527269A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】NL2016050646
(87)【国際公開番号】WO2017052364
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2019年8月2日
(31)【優先権主張番号】2015473
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】NL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518095954
【氏名又は名称】ショール・イーペーエヌ・イーペー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジョン・マレー
(72)【発明者】
【氏名】イェルーン・ピーテル・フィーレ
(72)【発明者】
【氏名】チャド・ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ベルモア
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 独国実用新案第29801270(DE,U1)
【文献】 独国特許出願公開第102007011929(DE,A1)
【文献】 国際公開第2010/095273(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/060762(WO,A1)
【文献】 特表2010−507540(JP,A)
【文献】 特開2014−073848(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/063961(WO,A1)
【文献】 特開2008−105730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D75/58
B65D30/00−33/38
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機により流動型の製品で充填されるのに適合されているスパウト付きパウチ(1)、プラグ(50)、およびキャップ(70)の組み合わせにおいて、
前記組み合わせは、
- 柔軟な素材のパウチ本体(10)と、
- プラスチックの成形スパウト本体を備えたスパウト(20)であって、前記スパウト本体の下部に前記パウチ本体に接続される接続部(21)を有し、前記スパウト本体の上部に筒状のネック(22)を有する、スパウト(20)と、
前記ネックは、少なくとも製品流路(24)の一部を区切る内面(23)を有し、前記製品流路は、下部の製品流路口(25)から前記スパウト本体を通り、前記ネックの上部の口(26)に延び、前記ネックは、外面(27)を有し、
前記組み合わせは、プラグ(50)を含み、
前記プラグ(50)は、前記スパウト本体の前記ネックの上部に絞りばめ形式で取外し可能に取り付けられ、前記スパウト本体の前記製品流路を密封し、前記プラグは、プラスチック素材で形成されているプラグ本体を有しており、前記プラグ本体は、上部(51)と、前記スパウトの前記筒状のネックの上部分に取り付けるのに適した下方に延びる外部環状壁(52)とを有し、
前記外部環状壁(52)は、環状の密封面(54)を構成する内表面を有し、
前記ネック(22)の上部の外面は、協働環状密封面(27a)を構成し、これにより、前記プラグの前記外部環状壁(52)と前記スパウト本体の前記ネック(22)の間に密封状態を構築し、
前記スパウト本体の前記ネックの外側の上部の下に、一体成形されたキャップ接続構造(28)が提供され、
前記プラグ(50)は、充填機(200)により取り外され、前記パウチを流動製品で充填後に前記プラグを前記ネックに押し込むことで再装着するように適合され
前記組み合わせは、キャップ(70)を備えており、前記キャップは、手動で開封されるように適合され、前記パウチの充填と前記ネックへの前記プラグの再装着後に、前記スパウト付きパウチに取り付けるように適合されており
前記キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、前記キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカート(73)を含み、
前記スカートの前記内面の一部には、前記スパウト本体の前記ネックの第一キャップ接続構造(28)と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造(76)が設けられ、
前記キャップ本体と前記プラグ本体には、協働スナップフィット構造(78、58)が提供され、
前記キャップ本体と前記プラグ本体は、前記プラグを前記ネックの上部に再装着した状態で、前記キャップ本体を前記プラグの上に押し下げることで、前記第一および第二キャップ接続構造(28、76)が協働し、前記スナップフィット構造(78、58)を係合させて前記プラグを前記キャップに結合させるように構成され、
前記プラグを前記キャップに結合する前記協働スナップフィット構造(78、58)は、前記キャップを手動開封する際、前記プラグが前記キャップに結合されたままで、前記キャップと共に外されることで前記製品流路(24)を開き、充填されたパウチからの前記流動製品の供給を行うことを可能とするように形成され、
前記キャップは、前記スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造(80)を備えており、これにより、前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
前記スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造(28)の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造(33、34)を備えており、前記タンパーエビデント構造(33、34)は、前記キャップの前記タンパーエビデント構造と協働することで前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認できる、組み合わせ。
【請求項2】
前記プラグ本体の芯出し部は、前記プラグ本体の前記上部(51)から下方に延び、前記外部環状壁(52)と同軸の内部環状壁(55)を備え、前記内部環状壁は、前記プラグが前記ネックの上部に取り付けられる場合に、前記ネックの前記内面に摩擦係合し、前記プラグ本体の前記内部環状壁と前記外部環状壁(52、55)は、それらの間に下方向が開いている環状の溝を画定し、前記プラグが前記ネック(22)の上端に取り付けられる場合に前記溝に前記ネックの上部が受け入れられる、請求項の組み合わせ。
【請求項3】
記内部環状壁(55)は、前記外部環状壁(52)を覆って下方に延び、前記スパウト本体の前記ネックへ前記内部環状壁(55)を導くための傾斜下端部を有する、請求項の組み合わせ。
【請求項4】
前記プラグ本体の前記上部(51)には、前記上部の周辺に延びる周辺溝(59)が提供され、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項5】
前記プラグ本体の各スナップフィット構造(58)が、前記プラグ本体の前記上部により具現化されている、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項6】
前記プラグ本体の前記上部には、前記上部(51)の周りに延びる周辺溝(59)が設けられ、前記プラグ本体の上部ショルダ(58)により、前記周辺溝の上限が定められ、前記キャップの一つ以上のスナップフィット構造(78)は、前記周辺溝へと延び、前記プラグ本体の前記上部ショルダの下にて係合する、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項7】
前記第一および第二キャップ接続構造は、一体成形されたねじ山(28、76)であり、前記プラグ本体の前記外部環状壁(52)の外径が、前記筒状のネックの前記ねじ山(28)の小径より小さい、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記キャップ本体は、前記キャップ本体に結合されている場合、一つ以上のプラグ本体(50)の部分の目視を可能とする一つ以上の窓口(74)を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造(28)の下に、前記ネックの周りに延びる上部および下部フランジのペア(29、20)を備え、前記キャップが前記スパウト付きパウチに組み立てられる場合に、前記キャップ本体の前記タンパーエビデント構造(80)の下部が前記上部フランジの真上に設置されるように、前記スカートの寸法が定められている、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記キャップ本体は、外周を有する上面壁(71)を備え、前記スカート(73)が前記外周から下向きに延び、前記キャップ本体には、前記上面壁(71)の真下の前記スカートに一つ以上の窓口(74)が設けられ、前記スカートの内部は、内向きに突出する周辺スナップフィットレッジ(78)を備え、前記レッジは、前記キャップ本体の周辺ショルダの下に係合する、請求項1からのいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記キャップ本体は、外周を有する上面壁(71)を備え、前記スカートが前記外周から下向きに延び、前記キャップ本体は、前記キャップ本体の垂直中心面において延び、前記上面壁(71)の上を前記スカート(73)の外面に沿って延びる垂直パネル(79)を備え、それにより前記キャップ本体を補強し、消費者のグリップを強化する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項12】
手動開封キャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法であって、
前記製造方法は、
- 空のスパウト付きパウチ(1)を無菌充填機に提供するステップを有し、前記スパウト付きパウチは、
- 柔軟な素材のパウチ本体(10)と、
- プラスチックの成形スパウト本体を備えたスパウト(20;20’)であって、前記スパウト本体は、前記スパウト本体の下部に前記パウチ本体に接続される接続部(21)を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネック(22:22’)を有する、スパウト(20;20’)と、を備え、
前記ネックは、少なくとも製品流路(24)の一部を区切る内面(23)を有し、前記製品流路は、下部の製品流路口(25)から前記スパウト本体を通り、前記ネックの上部の口(26)に延び、前記ネックは、さらに外面(27)を有し、
-前記スパウト付きパウチは、 締りばめプラグ(50;50’;50’’)と、を備え、
前記プラグ(50;50‘;50’’)は、前記スパウト本体の前記ネックの上部に取り外し可能な方法で取り付けられ、前記スパウトの前記製品流路を密封し、前記プラグはプラスチック素材で形成されているプラグ本体を有しており、前記プラグ本体は、上部(51)と、前記スパウトの前記筒状のネックの上部分に取り付けるように適合されている下方に延びる環状壁(52、63、63’’)とを有し、
前記環状壁(52、63、63’’)は、環状の密封面を具現化する表面(54)を有し、
前記ネック(22、22’’)の上部の外面または内面は、協働環状密封面を構築し、これにより、前記プラグの前記環状壁と前記スパウト本体の前記ネックの間に密封状態を構築し、
前記スパウト本体の前記ネックの外側の上部の下に、一体成形された第一キャップ接続構造(28)が提供され、
前記プラグ(50、50’、50’’)は、充填機により取り外され、前記パウチを流動製品で無菌充填後に前記プラグを前記ネックに押し込むことで再装着するように適合され、
前記製造方法は、
-少なくとも前記空のスパウト付きパウチの前記ネックの端部分と前記プラグが前記充填機の無菌環境に配置されるステップをさらに備え、前記無菌環境内で、
- 前記プラグは、前記充填機により前記ネックから取り外されるステップと、
- 前記パウチは、前記スパウト本体の前記製品流路を通して流動製品で充填されるステップと、
- 充填されたパウチは、前記プラグを前記ネックの上方に押し込み前記ネックとの締りばめを起こすことで前記プラグを再装着することで再び閉じられるステップと、をさらに備え、
前記製造方法は、
- 前記スパウト付きパウチの前記無菌充填と前記プラグ(50、50’、50’’)の前記ネックへの再装着後に、前記スパウト付きパウチに組み立てるように適合されている手動で扱うことができるねじ込みキャップ(70、70’、70’’)を設けるステップ、をさらに備え、
前記キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、前記キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカート(73;73’)を含み、
前記スカートの前記内面の一部には、前記スパウト本体の前記ネックの前記第一キャップ接続構造(28)と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造(76)が設けられ、
前記キャップ本体と前記プラグ本体には、協働スナップフィット構造(58、78、58’、78’、58’’、78’’)が提供され、
前記キャップは前記スカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造(80、80’、80’’)を備えており、これにより、前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
前記スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造(28)の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造(33、34)を備えており、前記スパウト本体の前記タンパーエビデント構造(33、34)は、前記キャップの前記タンパーエビデント構造と協働することで前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
前記プラグ(50、50’、50’’)が前記ネックの上部に再装着されている状態で、前記製造方法は、
- 前記キャップ本体(70、70’、70’’)を前記プラグ(50、50’、50’’)の上にかぶせるステップであって、第一および第二接続構造(28、76)の協働作動を起こし、前記スナップフィット構造(58、78、58’、78’、58’’、78’’)を係合させて、前記プラグを前記キャップに結合させる、ステップをさらに備え、
前記協働スナップフィット構造(58、78、58’、78’、58’’、78’’)は、前記プラグを前記キャップに結合し、前記キャップを手動開封する際、前記プラグが前記キャップに結合されたままで、前記キャップと共に外されることで前記製品流路を開き、前記充填されたパウチからの前記流動製品の供給を行うことを可能とする、製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記キャップ本体を前記プラグ(50、50’、50’’)の上にかぶせるステップは、非無菌環境で行われる、製造方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の方法において、前記充填機は、充填ノズル(220)を備えており、前記充填ノズルは、前記スパウトの前記ネックへの挿入に適合されている前部を備え、前記プラグ(50)は、密封面(54)を有する外部環状壁(52)を有し、前記密封面(54)は、前記スパウトの前記ネックの外面における対応する密封面(27a)を密封し、前記充填ノズル(220)は、前記スパウトの前記ネックの前記環状密封面(27a)に接していない、方法。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか一項に記載の方法において、無菌環境において、前記充填機は、プラグ取り外しデバイス(200)および/または再装着デバイスを備え、前記デバイスは、前記プラグ(50、50’、50’’)に係合する、方法。
【請求項16】
請求項12から15のいずれか一項に記載の方法において、無菌環境において、前記充填機は、プラグ保持構造(210)を備え、前記プラグ保持構造は、取り外されたプラグ(50)が前記スパウトの前記ネックに再装着される前に、前記プラグを一時的に支持し、前記方法は、前記プラグ保持構造(210)によって前記取り外されたプラグを保持するステップを備え、製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記プラグ本体は、前記プラグの環状密封面(54)が設けられた外部環状壁(52)を有し、前記プラグ本体は、前記プラグ本体の上部から下方に延び、前記プラグが前記ネックの上部に取り付けられている場合、前記ネックの内面と摩擦係合する内部環状壁(55)をさらに備えており、前記プラグ保持構造(210)は、前記内部環状壁(55)に締りばめ方式で係合するように適合されており、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記プラグ本体の前記内部環状壁(55)は、前記プラグ保持構造(210)のピン部分を受け入れるための下方に開いている空間を定め、前記内部環状壁(55)が、前記ピン部分と締りばめ方式に係合する、方法。
【請求項19】
手動開封キャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法であって、
前記製造方法は、
- 空のスパウト付きパウチ(1)を無菌充填機に提供するステップを備え、前記スパウト付きパウチは、
- 柔軟な素材のパウチ本体(10)と、
- プラスチックの成形スパウト本体を備えたスパウト(20)であって、前記スパウト本体の下部に前記パウチ本体に接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、
前記ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、前記製品流路は、下部の製品流路口から前記スパウト本体を通り、前記ネックの上部にある口に延び、前記ネックは、さらに外面を有し、
前記製造方法は、
-少なくとも前記空のスパウト付きパウチの前記ネックの端部を充填機の無菌環境に配置するステップと、
- 前記無菌環境において、前記スパウト付きパウチを、前記スパウト本体の前記製品流路を通して流動製品で充填するステップと、
- 前記無菌環境において、前記充填機のデバイスにより、滅菌済みの締りばめ方式のプラスチック製プラグを充填されたパウチの前記ネックの上部に配置するステップであって、プラグをネックの上部に押し込むことで、前記ネックとの締りばめを生じさせ、これにより、前記プラグは前記スパウトの前記ネックの上部に取り外し可能に取り付けられて、前記スパウト本体の前記製品流路を密封する、ステップと、を備え、
前記プラグは、プラスチック素材で形成されたプラグ本体を有し、前記プラグ本体は、上部と、下方に向けて延びる環状壁(52)と、を有し、
前記環状壁は、環状密封面(54)を構成する表面を有し、
前記ネックの上部の外面または内面は、協働環状密封面(27a)を構築し、これにより、前記プラグの前記環状壁と前記スパウト本体の前記ネックの間に密封状態を構築し、
前記スパウト本体の前記ネックの外側の上部の下には、一体成形された第一キャップ接続構造(28)が設けられ、
前記製造方法は、
- 前記締りばめ方式のプラグで閉じた充填済みのスパウト付きパウチを前記無菌環境から取り出し、非無菌環境に移動するステップと、を備え、
前記製造方法は、
- 前記スパウト付きパウチに前記無菌充填するステップと前記プラグを前記ネックに前記配置するステップの後に、前記スパウト付きパウチに組み立てるために適合されている手動で扱うことができるねじ込みキャップ(70、70’、70’’)を設けるステップと、をさらに備え、
前記キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、前記キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、前記スカートの前記内面の一部には、前記スパウト本体の前記ネックの前記第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、
前記キャップ本体と前記プラグ本体には、協働スナップフィット構造(58、78、58’、78’、58’’、78’’)が提供され、
前記キャップは、前記スカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造(80、80’、80’’)を備えており、これにより、前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
前記スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造(33、34)を備えており、前記スパウト本体の前記タンパーエビデント構造は、前記キャップの前記タンパーエビデント構造と協働することで前記充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、
前記締りばめプラグで閉じた前記充填済みのスパウト付きパウチを前記無菌環境から取り出した後で、前記製造方法は、非無菌環境において、
- 前記キャップ本体を前記プラグの上にかぶせるステップであって、前記第一および第二接続構造(28、76)の協働作動を起こし、前記スナップフィット構造(58、78、58’、78’、58’’、78’’)を係合させて、前記プラグを前記キャップに結合させる、ステップ、をさらに備え、
前記協働スナップフィット構造は、前記プラグを前記キャップに結合し、前記キャップを手動開封する際、前記プラグが前記キャップに結合されたままで、前記キャップと共に外されることで前記製品流路を開き、前記充填されたパウチからの前記流動製品の供給を行うことを可能とする、製造方法。
【請求項20】
流動製品容器のネックにおいて組み立てられるように適合されているプラグとキャップの組み合わせにおいて、前記組み合わせは、
- 締りばめプラグ(50)、を備え、
前記プラグは、流動製品容器の筒状のネックの上部に締りばめ方式で取り外し可能な方法に取り付け、前記ネックを通る製品流路を密閉するように適合されており、前記プラグは、プラスチック素材で成形されたプラグ本体を有し、前記プラグ本体は、上部と、前記筒状のネックの上部にかぶせるように適合されている下方に向けて延びる外部環状壁と、を有し、
前記外部環状壁は、環状密封面を構築する内面を有し、前記環状密封面は、前記ネックの上部の外面の環状密封面と協働することで前記プラグの前記外部環状壁と前記ネックの間に密封状態が構築されるよう適合され、
前記プラグは、充填機により取り外され、前記容器を流動製品で充填後に前記プラグを前記ネックに押し込むことで再装着するように適合されており、前記プラグの取り外し、パウチの充填、そして前記プラグの再装着は、無菌環境で行うことが可能であり、
前記組み合わせは、
- 前記容器の充填および前記ネックへの前記プラグの再装着後に、前記容器に組み立てるように適合された手動開封可能なキャップ(70)をさらに備え、
前記キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、前記キャップ本体は、内面、外面、そして下端部を有する環状スカートを含み、
前記スカートの前記内面の一部には、ネックの上部の下の外面の第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体形成された第二キャップ接続構造が設けられ、
前記キャップ本体と前記プラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、
前記キャップ本体と前記プラグ本体は、前記プラグを前記ネックの上部に再装着した状態で、前記キャップ本体を前記プラグの上に押し下げることで、前記第一および第二キャップ接続構造が協働し、前記スナップフィット構造を係合させて、前記プラグを前記キャップに結合させるように構成され、
前記プラグを前記キャップに結合する協働スナップフィット構造は、前記キャップを手動開封する際、前記プラグが前記キャップに結合されたままで、前記キャップと共に外されることで前記製品流路を開き、前記充填されたパウチからの前記流動製品の供給を行うことを可能とするように形成され、
前記キャップは、前記スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、前記充填された容器を最初に開封する際にその証拠を視認できる、組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウト付きパウチおよびその他の容器の流動製品による充填分野に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の方法では、スパウト付きパウチはキャップ無しで製造され、充填機およびキャッピング機に提供されて、ここでパウチが充填され、キャップがスパウトのネックに取り付けられる。多くの場合、パウチを閉じるために手動開封可能なねじ込みキャップが使用される。
【0003】
例えば、WO201417134は、スパウト付きパウチが移送レールに収集される方法を開示している。開示では、充填後に、スパウト付きパウチはキャップにより密封される。開示では、充填機に移送される前にスパウト付きパウチにキャップが提供されることも想定されており、ここでは充填プロセスの前にキャップが取り外され、充填後に再装着される。代替方法として、キャップは、スパウト付きパウチとは独立した形で充填機に提供されることが開示されている。
請求項1のプリアンブルの基礎となるDE2981270は、充填機によって流動性製品で充填されるように適合された可撓性材料パウチ本体を有するスパウト付き出パウチを開示している。スパウト付きパウチは、プラスチック材料の成形されたスパウト本体を有するスパウトを有する。スパウト本体は、その下端にパウチ本体に取り付けられる取付部分を有する。スパウト本体の上端には管状ネック部がある。スパウト本体は、管状ネックを閉じるプラグと一体成形されている。スクリューキャップは、熱可塑性材料で射出成形されたキャップ本体を有し、キャップ本体は、内面、外面、および下端を有する環状スカートを含む。キャップはスカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造を備えている。最初にキャップがネック部にねじ込まれ、プラグがネック部と一体のままとなる。次に使用者は、タンパーエビデント構造を取り外し、使用者によってキャップがネック部にさらにねじ込まれ、プラグはキャップに結合され、ネック部から外れて壊れる。次に使用者はキャップをネック部から緩めてパウチを開き、プラグはキャップに結合されたままとなる。
【0004】
スパウト付きパウチに保存される流動製品、例えば食品は、充填されたスパウト付きパウチの無菌操作と密封に厳重な要件を要求する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、充填されたスパウト付きパウチ、具体的には無菌充填されたスパウト付きパウチの製造に対するコスト効果に優れる解決策を提供することを目的としている。
【0006】
本発明はさらに、スパウト付きパウチを、具体的には無菌環境において高速充填する方法を提供することを目的としている。
【0007】
本発明はさらに、充填機の高速充填の運用によりスパウト付きパウチの密封の完全性を損なわずに、および/または充填機の設計および運用への要求を低下させることなく、スパウト付きパウチの高速充填を可能とすることを目的としている。
【0008】
本発明は、充填されたスパウト付きパウチ、具体的には無菌充填されたスパウト付きパウチの製造のためのコスト効果に優れた解決策を提供することを目的とし、実施形態において、組立プロセスが正しい方法で実行されたかどうかを確認する簡便なインラインコントロールを行う可能性も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に定めた一つ以上の目的を考慮した上で、本発明は、請求項1に記載するように、充填機により流動製品で充填されるよう適合されたスパウト付きパウチ、プラグおよびキャップの組み合わせを提供している。
【0010】
本発明の解決策は、消費者により開封可能なキャップに滅菌処理を施す必要のない、無菌充填されたパウチの製造を可能とする。プラグの取り外し、流動製品によるパウチの充填、およびプラグの再装着は無菌環境内で行われ、キャップの組立ては非無菌環境、例えば、充填機の下流にあるキャッピング機で行うことが好ましい。このアプローチは、無菌環境を離れる前に充填されたパウチをプラグで密封するため可能である。
【0011】
好ましい実施形態において、無菌環境は、滅菌ガス、例えば、滅菌した空気の陽圧気流が存在する中で形成される。例えば、無菌環境は、充填機またはその一部を格納する室内に形成される。
【0012】
請求項1の組み合わせはまた、キャップの取付けが無菌環境内で行われるプロセスでも使用されうることが理解される。しかし、これにはキャップの滅菌を必要とする。
【0013】
請求項1のプラグは、ネックの外面を密封する。適切な充填機、具体的にはそのノズルとの組み合わせにより、流動製品と接触しないネックの表面上にこの密封を実現するという効果を達成することが可能である。これにより高品質の密封が強化される。さらに、充填機、例えば、その充填ノズルの実施形態において、充填機は、プラグの外面がネックを密封するネックの密封表面に接触しておらず、充填ノズルまたは充填機によってこのネックの密封表面が損傷する可能性が防止される。例えば、ノズルは、充填ノズルがプラグのこの外部密封表面と接触せずに、ネック内に延び、および/またはネックの上部を密封する。別の実施形態では、充填ノズルは、例えば、ネックの上部へのノズルの密封により、ネックの外部密封表面と接触してもよい。この後者の実施形態は、ノズルの接触面、例えば、その滑らかさおよび/またはノズルに対するネックの位置付けに関するさらなる要件を必要とする可能性がある。
【0014】
実施形態において、プラグにより閉じられているがキャップはまだ組み立てられていない空のスパウト付きパウチは、無菌環境に入る前に事前滅菌処理を受けるか、または既に受けている。例えば、空のスパウト付きパウチは前記閉じられた状態で、パウチの内部も滅菌するという利点を持つ適切な放射線滅菌法により滅菌されている。他の滅菌方法、例えば、スパウト付きパウチに滅菌剤を外部噴霧する方法も利用可能である。充填機内に移ると、例えば、事前滅菌、例えば、放射線滅菌されたパウチとスパウトの外部は、充填機の無菌室に移る前にトンネル内で滅菌蒸気、例えば、過酸化水素で処理され、ここでプラグの取り外し、充填、およびプラグの再装着が行われる。
【0015】
例えば、ネックに取り付けられたプラグを備えるスパウト付きパウチは、中間移送レール、例えば、パッケージ包装内に保持されている複数の移送レール上で収集され、その全体が空のパウチを滅菌するために放射線処理される。プラグはパウチを密封し、それにより、その外面の上部を含めて、パウチとネックが無菌状態で維持されることを保証する。
【0016】
本発明は、無菌状態を必要とする用途、例えば、特定の食品や飲み物において主に利点を発揮するが、非無菌状態での充填用途にも利用できると理解するべきである。
【0017】
パウチは、例えば多層ポリマー構造でもよく、例えば、一つ以上の金属または金属化された層を含むものでも、例えば、共押出または積層処理により形成することが可能である。
【0018】
パウチは、例えば、その端部に沿って密封された二つのパウチパネルまたは壁で構成されてもよい。例えば、パウチは、例えば、充填されたパウチの直立を可能とするように具現化された、下部ガセット構造を備えている。その他のパウチのデザインも可能である。
【0019】
パウチは、例えば、0.1〜0.5リットルの流動製品で充填される容器でありうるが、他の容積の容器も可能である。
【0020】
実施形態において、プラグ本体は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、プラグがネックの上部に取り付けられる場合にネックの内面に摩擦係合する、一つ以上の芯出し部を備える。
【0021】
実施形態において、プラグ本体は、例えば、ポストの円形状の列、例えば、円形状の三つ以上のポストなど、上部から下方に向けて延びる複数のポストまたはスタブを備える。
【0022】
実施形態において、プラグ本体の芯出し部分は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、外部環状壁と同軸の内部環状壁を備え、この内部環状壁から形成されていることが好ましく、内部環状壁は、プラグがネックの上部に取り付けられている場合にネックの内面に摩擦係合し、プラグ本体の内部環状壁と外部環状壁は、その間に下方向に開いている環状の溝を画定し、この溝でネックの上部が受け入れられる。下記で詳しく説明するように、この実施形態は、例えば、実際のパウチの充填中に、充填機のプラグ保持構造のピン部分にプラグを一時的に支持することを可能とする。ピン部分はプラグの外壁の環状密封面から離れており、高速運用を行う場合でも、上記繊細な密封面が、密封の質を損なうプラグ保持構造により損傷されて品質が損われるリスクは存在しない。
【0023】
実施形態において、一つ以上の芯出し部、例えば、内部環状壁は、外部環状壁を覆って下方に延び、例えば、前記一つ以上の芯出し部は、一つ以上の芯出し部のスパウト本体のネックへの導入を促進するために面取りされた下端を備える。これは、繊細な密封面を有するプラグ外壁がネックのスパウトと接触する前に、プラグをネックの中心に正しく位置付けることを可能とする。これは、充填機の高速運用という点で利点を提供し、充填機に対するスパウトの精密な位置付けの必要性を軽減する。内部環状壁は、スパウトのネックへの導入を促進するために面取りされた端部を外部に備えてもよく、プラグ保持構造のピン部分へのプラグの配置を促進するために面取りされた端部を内部に備えてもよい。
【0024】
実施形態において、プラグ本体の上部は、上部周辺に延びる周辺溝を備え、一つの周辺溝を備えることが好ましい。例えば、この溝は、充填機のプラグ取り外しおよび/または再装着デバイスをプラグに結合できるよう適合されている。以下で詳しく説明するように、同一の溝は、キャップをプラグにスナップフィットする状況でも機能を果たしうる。他の実施形態においては、二つの機能のために別々の溝が提供されている。密封状態を構築する外部壁を慎重に取り扱うことが好ましいため、一つ以上の周辺溝を、外部環状壁ではなく上部に配置することが好ましい。例えば、高速運用するプラグ取り外しデバイスは、例えば、上部の方が外部環状壁よりも堅牢性に優れているため、外部環状壁の形状に悪影響を与えることなく上部の溝に係合しうる。
【0025】
実施形態において、プラグ本体の内部環状壁には、存在する場合には、リブと溝が交互配置されて形成されたレリーフがその外面に設けられ、上記リブは、ネックの内面に摩擦係合する。例えば、これらのリブと溝は軸方向に延びる。リブが適切な寸法である場合、例えば、プラグがスパウトから誤って外れるリスクを軽減するために、ネックの内面との摩擦係合を補強できる。
【0026】
リブと溝は、ネックの内面とプラグの内壁に密封がないように形成されることが好ましい。例えば、溝の間に形成される流路は、プラグがネックの上に押される際に、プラグとネックの間の圧力の上昇を抑える。例えば、リブの下端を面取りすることで、スパウトのネックへの導入が強化される。
【0027】
実施形態において、プラグ本体の各スナップフィット構造は、プラグ本体の上部により構成される。このデザインは、スナップフィットに起因するキャップとプラグの間の負荷をプラグ本体の上部に集中させることで、外部環状壁にそのような負荷が実質的にないようにし、それにより外部環状壁によって提供される密封の品質への不要な影響が起きないようにする。
【0028】
実施形態において、プラグ本体の上部は、上部の周りに延びる周辺溝を備え、プラグ本体の上部ショルダにより周辺溝の上限が定められ、キャップの一つ以上のスナップフィット構造は前記周辺溝に延びて、プラグ本体の前記上部ショルダの下で係合する。説明するように、充填機の適切なプラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスをプラグと係合させるために、同一の周辺溝を使用してもよい。
【0029】
実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、一体成形されたねじ山である。
【0030】
別の実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、キャップとスパウトのネックの間にスナップフィット接続を形成するように構成されている。例えば、ネックの外面に周辺スナップビードが提供され、キャップの内面に係合用周辺スナップビードまたはスナップボスが提供され、後者は前者の下で係合する。他のスナップ形式も可能である。
【0031】
さらなる別の実施形態において、第一および第二キャップ接続構造は、バヨネット式コネクタを形成するように構成されている。
【0032】
第一および第二キャップ接続構造が一体成形されたねじ山である実施形態において、プラグ本体の外部環状壁の外径は、筒状のネックの小径より小さく、キャップ上のねじ山の内径はプラグ本体の外部環状壁の外径より大きいことが想定されている。これは、キャップのねじ山がプラグの外壁に接触せず、または少なくともプラグの外壁に不要な負荷をかけることなく、キャップをプラグの上にかぶせ、それにより外部環状壁の形状と密封の品質の完全性を保護することを可能とする。
【0033】
実施形態において、プラグ本体は、キャップ本体に結合される場合にプラグ本体の一つ以上の部分を表示する、好ましくは一体成形された、一つ以上の窓口を備える。例えば、キャップ本体は、プラグ本体がキャップ本体に結合される時にプラグ本体の前記上部ショルダを表示する、一つ以上の窓口を備える。プラグ本体の一つ以上の部分を一つ以上の窓口から表示することは、例えば、組立完了後にプラグ本体が実際にキャップの下に存在するかどうかを確認する効率的なインラインチェックを可能にする。そのため、充填済みパウチの閉鎖体の単純な最終チェックを可能とする。また、実施形態において、キャップとプラグについて異なる色を使用し、窓口に、望ましい外観を作る可能性を与えることができる。
【0034】
実施形態において、スパウト本体は、前記第一キャップ接続構造の下に、例えば、ネックの第一のねじ山の下に、ネックの周りに延びる上方と下方のフランジのペアを備える。当該分野で周知の通り、そのようなフランジはスパウト付きパウチの、例えば充填機を通る移送過程において使用でき、例えば、ネックは、上方フランジの一部が二つの平行レールまたはその他のガイド構造の上方を、下方フランジの一部が平行レールまたはその他のガイド機構の下にある状態で、平行レールまたはその他のガイド構造の間を通過する。WO2017171834に開示するように、これらのフランジはさらに、空のスパウト付きパウチを遠隔の充填機または遠隔の充填工場に移送するために使用される中間移送レールにスパウト付きパウチを保持するために使用してもよい。
【0035】
当該分野で周知のように、実施形態において、前記上方および下方のフランジの中間にあるネックの一部分は、正反対の場所に平行垂直ガイドフェイスを備え、例えば、ネックを充填機のガイドスロットに誘導することを可能にする。
【0036】
実施形態において、キャップは、キャップがスパウト付きパウチに取り付けられる時にキャップ本体のスカートの下端のタンパーエビデント構造が上方フランジの真上に設置されるように寸法が定められている。
【0037】
実施形態において、キャップ本体のタンパーエビデント構造とスパウト本体上の係合用タンパーエビデント構造は、WO2014007612に開示される方法で構成されており、これを参照により本明細書に組み入れる。
【0038】
実施形態において、キャップ本体は、外周を持つ上部壁を備え、キャップのスカートはこの外周から下方に向けて延びる。キャップ本体は、一つ以上の窓口を備えている。
【0039】
実施形態において、一つ以上の窓口は、周方向に、例えば、上部壁の真下のスカートの一つ以上の細長いスロットとして構成されている。
【0040】
例えば、この一つ以上の窓口は、プラグの上部のみを見えるようにし、プラグの外部環状壁は見えない。
【0041】
別の実施形態において、一つ以上の窓口を上部壁に設けることができるが、好ましい実施形態においては、上部壁は中実であり、プラグを上から完全に覆い、上からプラグを表示したりアクセスを提供したりする窓口はない。
【0042】
実施形態において、スカートの内面は、内側に突出する周辺スナップフィットレッジを備え、レッジは、キャップ本体の周辺ショルダの下で係合する、例えば、前記レッジは、一つ以上の窓口、例えば、スロット型の窓口の下端の区切りを定める。この実施形態は、プラグ本体をその上部に保持することを可能とし、それにより外部環状壁に対するスナップフィットの負荷が避けられる。スナップフィットは、一つ以上の窓口から確認できる。プラグ本体がキャップ本体内の最終位置に到達しない場合、これを一つ以上の窓口から、特に、上部壁の真下の細長いスロットとして設計されている場合に見ることができる。
【0043】
実施形態において、キャップの上部壁は、プラグの上面を完全に覆い、上からプラグへのアクセスはできない。
【0044】
実施形態において、キャップ本体は外周を持つ上部壁を備え、前記スカートは、前記外周から下向きに延び、キャップ本体は、キャップ本体の垂直な中心面に延び、前記上部壁の上に、スカートの外部に沿って延び、それにより、キャップ本体を補強し消費者によるグリップを向上させる、垂直パネルを備える。ユーザーがスパウト付きパウチを開封した際に維持されるべきキャップとプラグ本体の間のスナップフィットという点から、この補強は利点となりうる。パネルはまた、ここに表示するように、窒息リスク防止のためのデザインを提供するような寸法とすることもできる。例えば、キャップはEN71-1窒息リスクテスト用シリンダには適合しない。
【0045】
別の実施形態において、一体成形されたキャップ本体は、一般的にはスカートと同心的でスカート周辺に放射線状に離間された、環状グリッピング壁を備え、一つ以上のウェブ部分が環状グリッピング壁をスカートに結合している。WO2014007612にその例が開示されている。例えば、一体グリッピング壁のあるキャップは、EN71-1窒息リスクテストシリンダに入るには適合しない。
【0046】
本発明は、実施形態において、充填機により流動製品で無菌充填されるよう適合されているスパウト付きパウチとキャップの組み合わせにも関し、
【0047】
前記組み合わせは、

- 柔軟な素材のパウチ本体と、

-プラスチックの成形スパウト本体を備えるスパウトであって、前記スパウト本体の下端にパウチ本体に接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、

ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路の少なくとも一部分は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、ネックは、さらに外面を有し、

-前記組み合わせは、スパウト本体のネックの上部に絞りばめ形式で取外し可能に取り付けられ、スパウト本体の製品流路を密封する締りばめプラグであって、プラグは、プラスチック素材で成形されているプラグ本体を有し、プラグ本体は上部と、下向きに延び、その間に下方向に開いている環状の空間を画定する同心的な内部環状壁と外部環状壁を有する、スパウト付きパウチを含み、

スパウトの筒状のネックの上部は、プラグ本体の前記環状空間に受け入れられ、

外部環状壁は、内側に突出するシールビードなどのような環状密封面を構成する内面を有し、

ネックの上部の外面は協働環状密封面を構築し、これにより、プラグの外部環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、

内部環状壁は筒状のネックに適合する寸法であり、

スパウト本体のネックの外側には、その上部の下に、一体成形されたねじ山が設けられ、前記ねじ山は小径を有し、

プラグ本体の外部環状壁の外径は、筒状のネックのねじ山の小径より小さく、

プラグは、充填機により取り外され、パウチが流動製品で充填された後にプラグをネックに押し込むことで再装着されるように適合され、前記プラグの取り外し、充填、プラグの再装着は無菌環境で好ましく行われ、

前記組み合わせは、パウチの無菌充填およびネックへのプラグの再装着後に、スパウト付きパウチにキャップを取り付けるように適合された、手動開封可能なねじ込みキャップをさらに備え、

キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備え、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、

スカートの内面の一部は、スパウト本体のネックの前記一体成形されたねじ山と協働する一体成形されたねじ山を備え、

キャップとプラグには協働スナップフィット構造が提供され、これにより、キャップは、プラグがスパウト本体のネックに取り付けられている時にスパウト本体にねじ込みまたは押込み式で固定され、その一方で、前記スナップフィット構造が係合してプラグをキャップに結合するようにスパウト本体のネックにプラグが取り付けられ、これにより、開封方向にキャップを回転した時、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とし、

キャップは、スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造を備え、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、

スパウト本体は、そのねじ山の下に、キャップの前記タンパーエビデント構造と協働する一体成形された構造を備え、これにより、充填されたスパウト付きパウチを最初に開封する際に、タンパーエビデント構造が、例えば、前記構造の一つ以上の破壊可能なブリッジなどが初めて開封方向にキャップを回転した時に破れることで、前記初回の開封の証拠を確認する。
【0048】
本発明はまた、手動開封可能なキャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法に関し、製造方法は、

- 空の、好ましくは事前滅菌が施されているスパウト付きパウチを充填機に提供するステップを備え、スパウト付きパウチは、

- 柔軟な素材のパウチ本体と、

- プラスチックの成形スパウト本体を備えたスパウトであって、前記スパウト本体の下部にパウチに接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、

ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、前記ネックは、さらに外面を有し、
前記スパウト付きパウチは、
- 締りばめプラグ、を備え、

プラグは、スパウト本体の前記ネックの上部に、例えばその上に、またはその中に、取り外し可能に取り付けられ、スパウト本体の製品流路を密封し、プラグは、プラスチック素材で形成されているプラグ本体を有しており、プラグ本体は、上部と、例えば、外部環状壁などのスパウトの筒状のネックの上部分に取り付けるよう適合された下方に延びる環状壁とを有し、

プラグ本体の環状壁は、例えば内側または外側に突出するシールビードなどのような環状密封面を構成する表面を有し、

ネックの上部の表面は、協働環状密封面を構成し、これにより、前記プラグの環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、

スパウト本体のネックの外面の上部の下に、一体成形された第一キャップ接続構造を有し、

プラグは、充填機により取り外され、パウチを流動製品で充填後にプラグをネックに押し込むことで再装着するように適合され、

製造方法は、
-少なくとも空のスパウト付きパウチのネックの端部分とプラグが充填機の無菌環境に配置されるステップ、をさらに備え、前記無菌環境内では、
- プラグは、充填機によりネックから取り外され、
- パウチは、スパウト本体の製品流路を通して流動製品で充填され、
- 充填されたパウチは、プラグをネックの上部に押し込みネックとの締りばめを起こしてプラグを再装着することで再び閉じられ、

製造方法は、

- スパウト付きパウチの無菌充填とプラグのネックへの再装着後に、スパウト付きパウチに組み立てるように適合されている手動で扱うことができるねじ込みキャップを設けるステップ、をさらに備え、

キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、

スカートの内面の一部には、スパウト本体のネックの第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、

キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、

キャップはスカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、

スパウト本体は、第一キャップ接続構造の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、スパウトのタンパーエビデント構造は、キャップのタンパーエビデント構造と協働することで充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、

プラグがネックの上部に再装着されている状態で、製造方法は、

- キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップであって、第一と第二接続構造の協働作動を起こし、スナップフィット構造を係合させる、(例えば、前記かぶせるステップは、ねじ込むステップおよび/あるいは押し込むステップを含む)ステップ、をさらに備え、

協働スナップフィット構造は、プラグをキャップに結合し、これにより、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とする。
【0049】
説明するように、方法はキャップを滅菌プロセスから免除することを可能にする。タンパーエビデント構造は小さな隙間や他の細かな特徴により滅菌が困難であることがよく知られているため、これは利点である。例えば、滅菌液や滅菌用蒸気が使用される場合、タンパーエビデント構造の角、ギャップまたはその他の溝に残留物が残らないことを保証するのは難しい。
【0050】
実施形態において、プラグ取り外し前に、スパウト付きパウチの全体ではなく、プラグとスパウトのネックのみが滅菌され、前記滅菌された部分のみを、プラグのさらなる取り外し、充填、プラグの再装着作業を行う際に充填機の無菌環境に移動することが想定されている。
【0051】
無菌である必要性がない場合、プラグの取り外し、充填、プラグの再装着のステップは非無菌環境で行ってもよいことが理解される。
【0052】
スパウト、プラグおよび/またはキャップには、上記に説明する詳細の一つ以上が提供されうると理解するべきである。
【0053】
実施形態において、キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップは、非無菌環境、例えば、充填機の外で行われる。
【0054】
実施形態において、充填機は、充填ノズルを備えており、充填ノズルは、スパウトのネックへの挿入のために適合されている前部を備え、充填ノズルは、プラグ本体の外部環状壁の環状密封面と係合するスパウトのネックの環状密封面に接していない。
【0055】
実施形態において、充填機は、前記無菌環境において、プラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスを備え、デバイスは、プラグに係合する、例えば、プラグ本体(例えばプラグ本体の上部)の外面にある周辺溝に係合する。一つのデバイスで両方の作業を行うか、または各作業のために二つの個別のデバイスを使用することも可能であることを理解するべきである。
【0056】
実施形態において、充填機は、前記無菌環境において、取り外されたプラグがスパウトのネックに再装着される前に、プラグを一時的に支持するように適合されたプラグ保持構造を備える。例えば、プラグは、プラグが取り外された元のスパウトに再装着される。他のアプローチにおいて、プラグは、充填機により充填された他のスパウト付きパウチに、例えば、次のスパウトに、再装着される。実施形態において、方法は、取り外されたプラグを前記プラグ保持構造で保持するステップを有し、例えば、前記プラグ取り外しデバイスおよび/または再装着デバイスは、前記プラグを取り外し、プラグを前記プラグ保持構造に移動させる、またはその反対の作業を行う、ステップを含む。
【0057】
上記に説明したように、締りばめプラグが外部環状壁に提供され、その外部環状壁の内面は、スパウトのネックの外面の対応する密封面と係合することで密封シールを構築する環状密封面を形成することが好ましい。しかし、本発明の方法はまた、スパウトのネックの内面の対応する密封面と係合することで密封状態を構築する内部環状密封壁を有する締りばめプラスチックプラグとの組み合わせにおいても利点である。後者の実施形態においては、外部環状壁を持たないものが好ましい。内部密封する締りばめプラグの実施形態において、プラグ本体は、スパウトが閉じられている時に、スパウトのネックの上部に隣接する周辺ショルダを持つ上部を有することが好ましく、前記上部の直径はネックの上部の直径と最大限でも同じかそれ以下であることが好ましい。
【0058】
プラグがネックの内面と密封するための内部環状壁を備えている実施形態においては、プラグ本体は、内部環状壁の下端に隣接するドーム部分または類似した部分を備えることが想定されている。例えば、プラグがネックに設置されている場合、ドーム部分はスパウトのネックにさらに深く誘導される。
【0059】
実施形態において、プラグ本体は、プラグ本体の上部から下方に延びる一つ以上の芯出し部、例えばポストや上記で説明した内部環状壁を備え、プラグがネックの上部に取り付けられている場合にネックの内面に摩擦係合する。プラグ保持構造は、一つ以上の芯出し部と締りばめ方式で係合するよう適合されている。プラグ保持構造は、保持されたプラグの外部環状壁の環状密封面から離間していることが好ましく、これにより、特に高速充填機において、接触または結果として生じる損傷のリスクが回避される。
【0060】
実施形態において、プラグ本体の一つ以上の芯出し部は、プラグ保持構造のピン部分を受け入れるための下方に開いている空間を定め、一つ以上の芯出し部が、ピン部分と締りばめ方式に係合する。これは、上記に説明したように、プラグ本体の環状密封面との不要な接触を避けつつ高速運用を可能とする。
【0061】
実施形態において、プラグ本体の芯出し部は、プラグ本体の上部から下方に向けて延び、外部環状壁と同軸の内部環状壁を備えており、内部環状壁は、プラグ保持構造のピン部分を受け入れるための下方に開いている空間を定め、内部環状壁はピン部分と締りばめ方式に係合する。
【0062】
本発明はさらに、請求項21による、手動開封可能キャップ付きの無菌充填されたスパウト付きパウチの製造方法に関し、

製造方法は、

- 空の、好ましくは事前滅菌が施されているスパウト付きパウチを無菌充填機に提供するステップを備え、スパウト付きパウチは、

- 柔軟な素材のパウチ本体と、

- プラスチックの成形スパウトであって、前記スパウトの本体の下部にパウチ本体に接続する接続部を有し、前記スパウト本体の上部には筒状のネックを有する、スパウトと、を備え、

ネックは、少なくとも製品流路の一部を区切る内面を有し、製品流路は、下部の製品流路口からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口に延び、前記ネックは、さらに外面を有し、
前記製造方法は、
- 少なくとも空のスパウト付きパウチのネックの端部を充填機の無菌環境に配置するステップと、

- 無菌環境において、スパウト付きパウチを、スパウト本体の製品流路を通して流動製品で充填するステップと、

- 無菌環境において、充填機のデバイスにより、滅菌済みの締りばめ方式のプラスチック製プラグを充填されたパウチのネックの上部に配置するステップであって、プラグをネックの上部に押し込むことで、ネックとの締りばめを生じさせ、これにより、プラグはスパウトのネックの上部に取り外し可能に取り付けられて、スパウト本体の製品流路を密封するステップと、を備え、

プラグは、プラスチック素材で形成されたプラグ本体を有し、プラグ本体は、上部と、前記スパウトの前記筒状のネックの上部に取り付けるように適合されている下方に向けて延びる環状壁、例えば、外部環状壁を有し、

環状壁は、内側に突出するシールビードなどのような環状密封面を有し、

ネックの上部の外面または内面は、協働環状密封面を構築し、これにより、プラグの環状壁とスパウト本体のネックの間に密封状態を構築し、

スパウト本体のネックの外面の上部の下には、一体成形された第一キャップ接続構造が設けられ、

- 前記締りばめ方式のプラグで閉じた充填されたスパウト付きパウチを無菌環境から取り出し、非無菌環境に移動するステップと、を備え、

製造方法は、

- スパウト付きパウチの無菌充填とプラグのネックへの配置後に、スパウト付きパウチに組み立てるために適合されている、手動で扱うことができるねじ込みキャップを設けるステップと、をさらに備え、

キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、

スカートの内面の一部には、スパウト本体のネックの第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、

キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、

キャップは、スカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、

スパウト本体は、第一キャップ接続構造の下に、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、スパウトのタンパーエビデント構造は、キャップのタンパーエビデント構造と協働することで充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認でき、

締りばめプラグで閉じた充填済みのスパウト付きパウチを無菌環境から取り出した後で、製造方法は、非無菌環境において、

- キャップ本体をプラグの上にかぶせるステップであって、第一および第二接続構造の協働作動を起こし、スナップフィット構造を係合させる、例えば、前記かぶせるステップは、ねじ込むステップおよび/あるいは押し込むステップと、をさらに備え、

協働スナップフィット構造は、プラグをキャップに結合し、これにより、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とする。
【0063】
この方法は、例えば、スパウト付きパウチが、キャップが後ほど取り付けられるプラグ以外の別の閉鎖構造で、例えば、スパウトのネックの上への取り外し可能かつ使い捨て型のフォイル閉鎖体で最初に閉じられる実施形態を扱う。例えば、このようなフォイルは、事前生産された空のスパウト付きパウチが放射線処理され、充填機の無菌環境において取り外され、廃棄される時に存在する。充填後、プラグはネックに配置され、前記プラグは説明した外部環状壁を有し、その後に充填され、閉じられたパウチが無菌環境から取り出されることが好ましい。次にキャッピング機はキャップを取り付け、プラグとキャップはスナップフィットで係合され、キャップはねじ山、バヨネット式、またはダイレクトスナップフィットでスパウトのネックに係合される。
【0064】
この方法はさらに、空の開いているスパウト付きパウチが充填機に送られ、最初に、少なくとも内部が滅菌処理を受ける、例えば、パウチの内面の滅菌ガスまたは蒸気による滅菌が行われる実施形態を扱う。その後、滅菌されたパウチまたはそのネック部分は無菌環境に導入され、次にパウチが充填される。上記に段落と同様に、充填後にプラグとキャップが提供されうる。
【0065】
スパウト、プラグおよびキャップは、本明細書に説明するさらなる特徴を一つ以上有する可能性があることを理解するべきである。
【0068】
本発明はまた、流動製品用の容器、例えば、スパウト付きパウチのネックで組み立てられるように構成されている、プラグとキャップの組み合わせにも関する。この組み合わせは、スパウト付きパウチと併用するための本明細書に記載されたプラグとキャップを備えてもよい。プラグとキャップの同じ組み合わせは、ネックを有する他の容器、例えば、プラスチック製ボトルなどのネックを有するプラスチックで成形された容器、またはプラスチック製スパウトを備えるカートンなどにも利用でき、上記で説明されたのと同じ利点を提供することが想定されている。
【0069】
本発明によるキャップとプラグの組み合わせは、

- 締りばめプラグ、を備え、

プラグは、流動製品容器の筒状のネックの上部の上に締りばめ方式で取り外し可能な方法に取り付け、前記ネックを通る製品流路を密封するように適合されており、プラグはプラスチック素材で成形されたプラグ本体を有し、プラグ本体は、上部と、筒状のネックの上部にかぶせるように適合されている下方に向けて延びる外部環状壁とを有し、

外部環状壁は、環状密封面、例えば、内側に突出するシールビードを構築する内面を有し、環状密封面は、ネックの上部の外面の環状密封面と協働することで、プラグの外部環状壁とネックの間に密封状態が構築されるように適合され、

プラグは、充填機により取り外され、容器を流動製品で充填後にプラグをネックに押し込むことで再装着するように適合され、前記プラグの取り外し、パウチの充填、そしてプラグの再装着は、無菌環境で行うことが可能であり、

前記組み合わせは、
- 容器の充填およびネックへのプラグの再装着後に、容器に取り付けるように適合されている手動開封可能なキャップ、をさらに備え、

キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を備えており、キャップ本体は、内面、外面、および下端部を有する環状スカートを含み、

スカートの内面の一部には、ネックの上部の下の外面の第一キャップ接続構造と協働するよう適合されている一体成形された第二キャップ接続構造が設けられ、

キャップ本体とプラグ本体には、協働スナップフィット構造が提供され、

キャップ本体とプラグ本体は、プラグをネックの上部に再装着した状態で、キャップ本体をプラグの上に押し下げることで、第一および第二キャップ接続構造が協働し、スナップフィット構造を係合させて、プラグをキャップに結合させるように構成され、

プラグをキャップに結合する協働スナップフィット構造は、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とするように形成され、

キャップは、スカートの下に、一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填された容器を最初に開封する際にその証拠を視認できる。
【0070】
キャップとプラグの前記組み合わせの実施形態において、キャップのスカートには、少なくとも正反対に位置する窓口が、例えばキャップの上部壁の真下に提供されており、プラグは、前記一つ以上の窓口に延び、および/またはキャップの内側で最終的な内向きのレッジ、例えば末端上で支持され、一つ以上の窓口の下端と整合されている、一つ以上のスナップフィット構造を備えている。
【0072】
本発明の一つの態様に関連して述べた随意および/または好ましい詳細が、本発明の他の態様にも同様に適用されることを理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
本発明について、添付図面を参照して説明する。
図1】本発明による組み合わせの実施例を示し、未充填の空のスパウト付きパウチはプラグによって密封されている。
図2】スパウトのネックからのプラグの取り外しと一時的プラグ保持構造を示す。
図3】充填機の充填ノズルによる、開かれたスパウト付きパウチの充填を示す。
図4】充填されたスパウト付きパウチへのプラグの再装着を示す。
図5】充填されたスパウト付きパウチへのキャップの取付けを示す。
図6図1の組み合わせのスパウトを示す。
図7図1の組み合わせのスパウトを示す。
図8図1の組み合わせのスパウトを示す。
図9図1の組み合わせのプラグを示す。
図10図1の組み合わせのプラグを示す。
図11図1の組み合わせのプラグを示す。
図12図1の組み合わせのプラグを示す。
図13】スパウトのネックへのプラグの締りばめの断面図を表す。
図14図1の組み合わせのキャップを示す。
図15図1の組み合わせのキャップを示す。
図16】キャップの第一断面図である。
図17】キャップの第二断面図を第一断面図と垂直に示す。
図18】キャップがプラグおよびスパウトのネックの上に取り付けられた断面図を示す。
図19】スパウト、プラグ、およびキャップが組み立てられた組み合わせを示す。
図20】スパウト、プラグ、およびキャップが組み立てられた組み合わせを示す。
図21】本発明の方法で使用する他のスパウト、プラグ、およびキャップの実施形態を示す。
図22】本発明の方法で使用する他のスパウト、プラグ、およびキャップの実施形態を示す。
図23】本発明の方法で使用する他のスパウト、プラグ、およびキャップの実施形態を示す。
図24】流動製品をスパウト付きパウチに無菌包装する本発明の方法の実施形態を表す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1図5を参照すると、手動開封可能キャップ付きの無菌充填されたパウチの製造方法を最初に説明する。
【0076】
図1は、空のスパウト付きパウチ1を無菌充填機(非表示)に提供するステップを表す。空のスパウト付きパウチ1は、例えば放射線処理により、事前滅菌されている。
【0077】
一般的に、充填機に提供される空のスパウト付きパウチは、柔軟な素材のパウチ本体10、プラスチックスパウト20、そして締りばめプラグ50で構成されている。
【0078】
プラスチックプラグ50は、スパウト本体のネックの上部に取り外し可能に取り付けられ、スパウト本体の製品流路を密封する。
パウチ1は、この状態で充填機に導入され、少なくともスパウト20とプラグ50の部分が充填機の無菌環境、例えば、トンネルなどの無菌室に移る(または充填機自体が無菌環境に配置される)。
【0079】
図2は、充填機によるプラグ50のネックからの取り外しのステップを表し、ここではプラグ取り外しおよび再装着デバイス200により図示している。
【0080】
図2はさらに、取り外されたプラグ50を一時的に保持するよう適合されたプラグ保持構造210の充填機内での提供を図示している。この保持構造210は、言及された無菌環境内に配置される。プラグの取り外しおよび再装着デバイス200は、例えば、単にプラグを持ち上げることで、プラグ50をネックから取り外し、次にプラグをプラグ保持構造に移送することが図示されている。その後にパウチに充填することができ、プラグ50を同じスパウトに再装着できる。
【0081】
例えば、充填機はカルーセル機であり、スパウト付きパウチは弓状の経路をたどり、充填ノズルとプラグ保持構造は移動するスパウト付きパウチと同時に移動する。別の実施形態において、プラグは、充填機により充填された他のスパウト付きパウチに再装着されることも可能である。
【0082】
図3は、充填機の充填ノズル220によりスパウト付きパウチを充填するステップを示す。ノズル220は、漏洩を防止するためにスパウト20と密封係合する。充填前にパウチは空であったため、充填前に空気を抜く必要はない。この充填ステップは無菌環境で行われる。
【0083】
パウチ1が十分に充填されると、ノズル220はスパウト20から離れる。その後、図2に示すように、プラグ50は保持構造210から取り外され、スパウト20に再装着される。プラグ50をネックの上部に押し込むことで、ネックとの締りばめが構築される。充填されたパウチ1は、図4に示すように、プラグ50により密封される。
【0084】
図5は、パウチの無菌充填とプラグのネックへの再装着後に、スパウト付きパウチ1に手動開封可能なプラスチックキャップ70が取り付けられたものを表す。このステップは、非無菌環境に配置されたキャッピング機で行われ、キャップ70は滅菌処理されないことが好ましい。
【0085】
キャップは、一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、これにより、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認できる。スパウト本体は、一つ以上の一体成形されたタンパーエビデント構造を備えており、キャップのタンパーエビデント構造と協働することで、充填されたパウチを最初に開封する時に、充填されたパウチを最初に開封する際にその証拠を視認できる。
【0086】
下記で詳しく説明するように、キャップ70の組立は、キャップ本体をプラグ50の上にかぶせることでネックとキャップのスカートのキャップ接続構造の協働を起こし、プラグとキャップのスナップフィット構造の係合も起こすステップを含む。後者がプラグをキャップに結合するのに対し、協働キャップコネクタ構造はキャップをネックに結合する。
【0087】
プラグ50とキャップ70の間のスナップフィット結合は、キャップを手動開封する際、プラグがキャップに結合されたままで、キャップと共に外されることで製品流路を開き、充填されたパウチからの流動製品の供給を行うことを可能とするように形成されている。
【0088】
図6図13を参照すると、スパウト20およびプラグ50の詳細、およびスパウト20およびプラグ50の間の密封協働を説明する。
【0089】
スパウト20は、単一ピースとして適切なプラスチック素材で射出成形されたスパウト本体を備えている。
【0090】
スパウト本体は、その下端にパウチに接続する接続部21を有し、スパウト本体はパウチ本体に、例えば、ヒートシール方式で取り付けられるよう適合されている。スパウト本体は上端に筒状のネック22を有する。
【0091】
図示した接続部21は、その端部でパウチ10の対向するパネルまたは壁の間に固定するよう適合されている。別の実施形態において、接続部21は、スパウトの垂直軸に垂直な平面において環状平面フランジとして構成され、このフランジは、パネルの口の上にパウチの前記パネルにスパウトを固定するよう適合されている。
【0092】
図示する接続部21は、垂直方向に離間された一連のリブを有し、この例ではリブを四つ備えている。別の実施形態において、この部分は三つのリブを備えてもよく、例えば、下部フランジ30の長い辺それぞれに沿って中心的に配置された、例えば前記フランジ30の下面に下方に突出するボスを備えることを可能とする。このようなボスは、搬送装置、例えば、充填機のレールに沿ってスパウトが移送される際の揺れを防止できる。
【0093】
ネック22の内面23は、下部の製品流路口25からスパウト本体を通り、ネックの上部にある口26に延びる製品流路24の一部を区切る。ネックはさらに外面27を有する。
【0094】
ネックの上部の外面は、プラグ50の外部環状壁の内側で、対応する密封面との密封状態を構築するよう適合された、環状密封面27aを構成する。
【0095】
密封面27aの下に、スパウト本体のネックの外面には、一体成形された第一キャップ接続構造が提供され、ここではねじ山28として構成されている。ねじ山28は、ここに示すような一つの全ねじ、二条ねじ、溝ねじ、またはその他のタイプである。
【0096】
一体成形された第一キャップ接続構造28の下、および接続部21の上に、スパウト本体は、ネックの周りに延びる上部と下部のフランジ29、30のペアを有する。当該分野で周知の通り、そのようなフランジは、スパウト付きパウチ1の移送、例えば、充填機上での過程において使用でき、例えば、ネックの反対側にフランジ29、30の間にある充填機の誘導構造の支持を受けて誘導される。
【0097】
上部と下部のフランジ29、30の中間にあるネックの一部分は、例えば、ネックを充填機のガイドスロットに誘導することを可能とするために、正反対の場所に、一組の平行垂直ガイドフェイス31、32が提供されている。
【0098】
上部フランジ29の上に、ここではネックに対して正反対の場所に、スパウト本体は一体成形されたタンパーエビデント構造33、34を備えており、これらは上部フランジから持ち上げられ、スパウト本体のネックに隣接する。
【0099】
プラグ50は、プラスチック素材で形成されているプラグ本体を有することが好ましい。
【0100】
図示した実施例において、プラグ本体は、上部51と、スパウトの筒状のネック20の上部の上にかぶせるように適合された、下方に向けて延びる外部環状壁52を備えている。
【0101】
外部環状壁52は、環状密封表面54を構成する内面53を有し、ここでは壁52の下端に近接する、内側に突出するシールビードとして構成されている。プラグ50がネックに取り付けられる時、シールビード54はネックの上部にある密封面27aと密封シールを構築する。図示するように、プラグ50がネックに押し込まれる際にシールビードは多少膨張することが想定されている。プラグとネックの間のこの単一の密封は、パッケージ包装された流動製品の品質と貯蔵寿命を確保する上で十分にパウチを閉鎖することが想定されている。そのため、プラグとネックの間とは、他の場所、例えば、キャップとネックの間にさらなる密封が存在しないことが好ましい。
【0102】
プラグ本体はさらに、一体成形された内部環状壁55を有し、この内部環状壁は外部環状壁と同軸または同心的であり、プラグ本体の上部から下方に向けて延びる。
【0103】
内部環状壁55は、プラグ50が取り付けられた際にプラグ50をネックに対して中心部に導く機能が備わることが想定されている。この点を考慮した場合、壁55は、外部環状壁52を覆って下方に向けて延び、これにより、シールビード54がネックと係合する前に壁はネックに導入される。ネックへの導入を強化するために、内部環状壁は、面取りされた下端を外面に有する。プラグ保持構造210の上への配置を補強するために、さらに面取りされた端が内部に設けられている。一つの潜在的なデザインにおいて、プラグ50のネックへの配置を向上させるために、外面の面取りは内部の面取りよりも相当に大きい、例えば、より大きく面取りがされている。壁55の長さもまた、図示する実施例に関して、変更、例えば、より長くすることが可能である。
【0104】
プラグがネックの上部に取り付けられている時、内部環状壁55は、ネックの内面に摩擦係合する。図示するように、プラグ本体の内部と外部の環状壁は、その間に下方向に開いている環状の溝を画定し、プラグがネックの上部の上に取り付けられている時に、溝にネックの上部が受け入れられる。
【0105】
図示する実施形態において、壁55の外面には交互に配列されたリブ56と溝が提供され、軸方向に延びて、リブ56はスパウト本体のネックと摩擦係合する。リブの下端は面取りされており、スパウトのネックへの導入が補強される。
【0106】
プラグ本体の上部は、上部壁57で構成されており、上部壁の外周は、周辺および半径方向に延びる前記上部ショルダ58を形成し、上部は上部ショルダ58の下に周辺溝59を形成する。
【0107】
より詳しく説明すると、この実施例において、上部壁57は壁60に直接接合されており、内部環状壁55の延長部分を形成する。溝59の下の円形フランジ61も、プラグの上部の一部を形成する。外部環状壁52は、このフランジ61の外周の上部で隣接する。
【0108】
図2を参照すると、一つの周辺溝59が上部の周りに延び、この溝はさらに、プラグ50を充填機のプラグ取り外しおよび再装着デバイス200に結合する機能も果たすことが想定されている。
【0109】
下記に説明するように、上部ショルダ58は、溝59の区切りを定めるだけではなく、プラグ本体がキャップ70に取り付けられる手段によるスナップフィット構造としても機能する。キャップのスナップフィット構造の一つ以上が周辺溝に延び、プラグ本体の上部ショルダ58の下に係合することが説明される。
【0110】
図13図17を参照すると、キャップ70の詳細、およびプラグ50とのスナップフィット協働の詳細を説明する。
【0111】
キャップは、熱可塑性素材で射出成形されたキャップ本体を有する。
【0112】
キャップ本体は、外周72を持つ上部壁71を有する。環状スカート73は、外周から下方に向けて延びる。下端で、キャップには、スカートの下に一体成形されたタンパーエビデント構造が提供され、充填されたパウチの最初の開封を視認することを可能とする。
【0113】
キャップ本体は、スカート73に一つ以上の窓口74を備えている。ここでは、上部壁71の真下に正反対の位置に二つの窓口74がある。窓口74は、スカート73に周方向の細長いスロットとして構成されるのが好ましい。
【0114】
環状スカート73は内面75を有し、キャップ70の内部空洞を定める。その上部部分において、キャップ50が受け入れられる。口のキャップ受入部分の下に、キャップ70の内面の一部に一体成形された第二キャップ接続部分が提供され、ここではねじ山76として構成されている。
【0115】
キャップ本体の内面75のキャップ受入部分は、キャップ70がネックに固定されたプラグ50の上に押し込まれる時に、スナップフィット式係合でプラグ50と結合するよう適合された、一体成形されたスナップフィット構造78を備える。
【0116】
この実施例において、スナップフィット構造78は、内側に突出する周辺スナップフィットレッジ78として構成されており、一つ以上の窓口74、ここでは、一つ以上の細長いスロット窓口74の真下に配置されることが好ましい。
【0117】
図18を参照すると、スナップフィット構造78はプラグ50の上部の溝にはめ込むように、またプラグ50の上部ショルダ58の下に係合するように適合されている。このスナップフィットは、ユーザーがスパウト付きパウチを開封する際に結合が維持されるように形成されている。
【0118】
図示するように、キャップ70の口のプラグ受入部分の内径は、プラグ50の外部環状壁52が径方向の遊びを有して受け入れられ、これにより、キャップ70をプラグ50の上に取り付けることでプラグの密封機能が損なわれないようにすることが好ましい。
【0119】
図示するように、キャップとプラグの間のスナップフィット構造78、58の間の係合は、プラグの外部環状壁から離れており、これにより、キャップ70をプラグ50の上に取り付けることでプラグの密封機能は損なわれない。
【0120】
図示するように、キャップ70のねじ山部分の内径は、プラグ50の外径より大きく、これにより、キャップのねじ山部分がプラグを不当に妨害することなくキャップ70をプラグにかぶせることが可能となる。
【0121】
図示するように、また好ましくは、キャップの上部壁71は、プラグ50の上面を完全に覆い、これにより、上からプラグにアクセスすることはできない。
【0122】
図18は、プラグ本体の外部環状壁52の外径が筒状のネック22のねじ山の小径より小さいことも示す。特に、ネックは、少なくともその一部分にねじ山が位置付けられた、円錐形の部分を含む。
【0123】
キャップ本体はさらに、キャップ本体の垂直中心面から延び、上部壁71の上そしてスカート73の外面に沿って延びる、垂直パネル79も備えている。一体成形されたしるしを備えうるこのパネルは、効果的にキャップ本体を補強し、ユーザーによるグリップを向上させる。図18から理解できるように、この補強は、キャップとプラグ本体との間のスナップフィットを考慮した場合に利点となる可能性がある。
【0124】
図18は、プラグ50のシールビード54とスパウトのネックの外面の間の密封は、パウチの内部と大気との間の完全に組み立てられた閉鎖体に存在する実質的に唯一の密封であることも表す。望ましい場合、プラグとネックの間に、例えば、ネックの上部とプラグの間および/またはネックの内面とプラグの内部環状壁の間にさらなる密封を一つ以上構築することも可能である。しかし、説明されたように、ネックの外面への一つの密封を提供することは効果的かつ信頼性を十分備えているとみなされる。
【0125】
本明細書に図示する実施形態において、キャップ本体のタンパーエビデント構造およびスパウト本体の係合用タンパーエビデント構造は、WO2014007612に開示される通り構成されており、参照により本明細書に組み入れる。タンパーエビデント構造の設計は、下記で簡潔に説明するが、より詳しい情報は言及した先行技術に記載されている。
【0126】
キャップ本体70は、スカート73に一体成形されたタンパーエビデントリング80を有する。タンパーエビデントリングは、二つのリングセグメントで構成されており、各リングセグメントは、ベース部分とインジケータ部分81を備える。インジケータ部分81は、隣接する他のリングセグメントのベース部分の終端部に、一体成形された壊れやすいブリッジ82を通して、その先端部で接続される。ここでは上部フランジ29の各部分の上面にあるスパウト20は、タンパーエビデントリングの各リングセグメント31に対する回転防止ボス33、34を備える。このボス33、34は、セグメントのインジケータ部分81の対応する先端部により係合するように配置されている。消費者がキャップ70を閉鎖位置から開封方向に初めて回転すると、インジケータ部分81の先端部がボス33、34と係合し、これにより、先端部がキャップの開封方向にさらなる動くことが阻止される。これが、壊れやすいブリッジ82の破損を起こし、インジケータ部分81は永久的に変形する。
【0127】
より詳しく述べると、ボス33、34は、インジケータ部分81の先端部を向くボスの側面に凹みのあるキャッチ部分を有し、前記キャップが閉鎖位置である時に、その終端部付近のベース部分の内面に沿って配置された、外面のあるキャッチ部分外壁を有する。インジケータ部分81の先端部は、前記キャップが閉鎖位置である時に、隣接するベース部分の終端部から内径方向に内向きに離間して配置されており、これにより、消費者がキャップを閉鎖位置から開封方向に初めて回転する時に、インジケータ部分81の先端部はキャッチ部分の凹みに入り、キャップの開封方向へのさらなる移動が阻止されつつ、その一方で、キャップをさらに開封方向に移動する場合には、キャッチ部分外壁は離間された先端部と終端部の間の空間に入り、前記先端部と終端部の壊れやすいブリッジ82が破損し、インジケータ部分81が歪み、曲がり、折りたたみ、たわみを受け、永久的に変形することになる。
【0128】
図示したタンパーエビデント構造は好ましい実施例の一つであり、多数の他のタンパーエビデント構造のデザインも可能であることを理解するべきである。タンパーエビデント構造は、キャップと一体成形されたそのすべての部分がキャップの一部として残り、スパウトに残らないことが好ましい。
【0129】
タンパーエビデント構造は、少なくともタンパーエビデント構造が一つ以上の壊れやすいブリッジを破損するまで、プラグがスパウトのネックと密封接触を維持するように形成されていることが好ましい。これは、タンパーエビデントにより視認可能な証拠が提供されない限りは閉鎖の効力がないように、例えば、不注意にキャップを操作できないことを保証する。
【0130】
消費者製品では、消費者がパウチの閉鎖体の完全性を確認できるように、タンパーエビデント構造は重要な役目を果たすことが理解される。上記で説明するように、本発明の方法は、無菌パッケージ包装された製品についてもキャップに滅菌処理を施す必要がないという利点を提供する。
【0131】
図19、20は、キャップが組み立てられた状況を示す。実際には、キャップ70はプラグの上に押し込まれ、キャップとスパウトの係合の間でねじ山によりさらに押し込まれる。後者は、当該分野で周知のねじ山の適切な設計を必要とする。また押し込みにより、キャップのタンパーエビデント構造が、スパウトの対応する構造35に正しく位置付けられる。
【0132】
図19に示すように、プラグ50はキャップ70の窓口74から視認できる。これは、プラグの存在と正しい取付けの簡単な確認を可能とする。さらに、例えば、キャップとプラグが異なる色を持つ場合に、ビジュアル効果を生むことを可能とする。
【0133】
パウチが開封される時にプラグはキャップに残るため、消費者はプラグの存在をあまり気にかけない、または完全に無視でき、組立を普通のキャップとして使用する。消費者はさらに、プラグをキャップ内に保持したままで、キャップをスパウトのネックに再装着して、パウチを再度閉じることができる。プラグ50は、本明細書で述べた密封機能を再び果たすことになる。
【0134】
上記に説明するように、締りばめプラグが外部環状壁に提供され、その外部環状壁の内面が、スパウトのネックの外面の対応する密封面と密封状態を構築する環状密封面を形成することが好ましい。
【0135】
図21図22は、本発明の方法のために使用される他のスパウト、プラグ、およびキャップの実施形態を表す。ここでは、同一または類似する部品や部分は、同じ参考番号にアポストロフィを追加して表現している。
【0136】
締りばめ方式のプラスチックプラグ50’は、スパウト20’のネック22’の内面の対応する密封面と密封状態を形成する内部環状密封面63を備えている。プラグ50’は外部環状壁を持たない。
【0137】
プラグ50’の上部には、スパウトが閉鎖されている時に、スパウトのネックの上部に隣接する周辺ショルダ64を有する。上部の直径は、ネックの上部の直径と最大限でも同じかそれ以下である。
【0138】
示すように、プラグ50は、スナップフィット構造78’と58’によってキャップ70’に接続されている。プラグ50’は、例えば、プラグ取り外しおよび再装着デバイス200との係合を可能とする、溝59’も有することが好ましい。
【0139】
図23は、本発明の方法と使用できる他のスパウト、プラグ、およびキャップのなおも別の実施形態を表す。ここでは、同一または類似する部品や部分は、同じ参考番号にアポストロフィを追加して表現している。
【0140】
締りばめプラスチックプラグ50’’は、スパウト20’のネック22’の内面の対応する密封面と密封状態を形成する内部環状密封面63’’を備えている。プラグ50”は外部環状壁を持たない。
【0141】
プラグ50’’の上部は、スパウトが閉鎖されている時にスパウトのネックの上部に隣接する周辺ショルダ64を有する。上部の直径は、ネックの上部の直径と最大限でも同じかそれ以下である。
【0142】
示すように、プラグ50’’はスナップフィット構造78’’と58’’によりキャップ70’’と接続されている。プラグ50’’は、例えば、プラグ取り外しおよび再装着デバイス200との係合を可能とする、溝59’’も有することが好ましい。
【0143】
示すように、プラグ本体は、内部環状壁63’の下端に隣接する、ドーム部分65または類似した部分を備える。プラグがネックに配置される時、ドーム部分はスパウトのネック内にさらに深く誘導される。
【0144】
図24は、流動製品をスパウト付きパウチに無菌包装する、本発明の方法の実施形態を図示するフローチャートである。
【0145】
第一ブロック300は、パウチ本体10を製造するステップと、パウチ本体にスパウトおよび未充填のパウチを密封するプラグ50を提供するステップを表す。閉鎖されたスパウト付きパウチは、例えば、スパウトのフランジ間で係合するC型レールのフランジを備える移送レールに配置されることが好ましい。
【0146】
第二ブロック301は、プラグ50により密封された空のスパウト付きパウチが事前滅菌処理、例えば、放射線処理を受けることを表す。スパウト付きパウチは、この段階において、例えば、箱および/またはプラスチック製バッグなどの移送用エンベロープにパッケージ包装されたパウチが多数のレールに載せられている状態で、移送レールで受け取られることが好ましい。
【0147】
アウトライン302は、充填機を非常に概略的に示し、アウトライン303は、例えば、滅菌ガスの陽圧気流が維持されている前記充填機内の無菌環境を非常に概略的に示す。上記で説明したように、パウチ全体がこの環境を通過することが可能である。別の実施形態においては、プラグとスパウトの部分のみ、またはスパウトの一部のみが、無菌ゾーンを通過する。説明したように、スパウト付きパウチは、プラグが取り外され、パウチが充填され、プラグが再装着される無菌室へ移送される前に、全ての外面を滅菌するために、例えば、過酸化水素などで充満された滅菌霧室またはトンネルを通過することも可能である。
【0148】
第三ブロック304は、無菌環境内での、好ましくは、例えば、単純な持上げ作業により、プラグ50をネックから取り外すステップを表す。説明するように、前記無菌環境内において、専用の保持構造によりプラグが一時的に保持されることが好ましい。
【0149】
第四ブロック305は、無菌環境内での、例えば、充填ノズル210により、開かれたパウチを充填するステップを表す。
【0150】
第五ブロック306は、無菌環境内でネックにプラグを再装着するステップを表す。上記のように、シールビード54が充填されたパウチの密封を保証する。
【0151】
アウトライン307は、キャッピング機を非常に概略的に表し、キャッピング機は無菌環境の外に設置されている。キャッピング機は、充填機の直接下流に位置することが好ましい。この実施形態において、キャッピング機と充填機はフレームを共有し、統合された充填機およびキャッピング機として構成されている。
【0152】
第六ブロック308は、キャップ70の組立を表し、キャップ70は、プラグに適切な方法でかぶせられており、さらにスパウト20に押し込められる。説明したように、このキャッピングプロセスにおいて、キャップはプラグ50にスナップフィットし、キャップおよびスパウトのねじ山または他のキャップ接続構造が係合する。さらに、同じプロセスにおいて、キャップのタンパーエビデント構造はスパウトの係合構造に対応して位置付けられる。
【0153】
第七ブロック309は、消費者に販売する準備が整った、充填されかつキャップが取り付けられたパウチを取り出すステップを表す。
【符号の説明】
【0154】
1 スパウト付きパウチ
10 パウチ本体
20 スパウト
50 締りばめプラグ
200 プラグ取り外しおよび再装着デバイス
210 プラグ保持構造
220 充填ノズル
70 キャップ
21 接続部
22 筒状のネック
29、30 フランジ
24 製品流路
28 ねじ山
33、34 タンパーエビデント構造
59 溝
73 環状スカート
74 窓口
78 スナップフィット構造
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