(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675600
(24)【登録日】2020年3月13日
(45)【発行日】2020年4月1日
(54)【発明の名称】軽負担の深脚足型装具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20200323BHJP
A43B 13/16 20060101ALI20200323BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20200323BHJP
A43B 7/18 20060101ALI20200323BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20200323BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20200323BHJP
【FI】
A61F5/02 N
A43B13/16
A43B13/14 B
A43B7/18
A41D13/06
A61F13/06 Z
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-559123(P2017-559123)
(86)(22)【出願日】2015年12月29日
(65)【公表番号】特表2018-522614(P2018-522614A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2015081375
(87)【国際公開番号】WO2016184533
(87)【国際公開日】20161124
【審査請求日】2018年12月27日
(31)【優先権主張番号】102015000015397
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517389724
【氏名又は名称】サルヴァテッリ エス.アール.エル
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァテッリ,フランコ
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァテッリ,スザンナ
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァテッリ,アルバート
【審査官】
松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3013624(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第01238640(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0288461(US,A1)
【文献】
米国特許第08230619(US,B2)
【文献】
米国特許第04572169(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01−5/02,13/06
A41D 13/06
A43B 1/00−23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面と接触するように意図された接地面を具備した軟質材料製の底板を含む基底部、
基礎板を含む剛性本体、
前記剛性本体に着脱自在に接続された一体型表甲、および、
前記剛性本体の前記基礎板上に配置された軟質材料製の少なくとも1つの中間底板、
を備える装具であって、
前記基底部は、変形不能な硬質材料製である、前記底板上に固定された補強板を含み、
前記剛性本体の前記基礎板は嵌込み結合手段を介して前記補強板に着脱自在に接続されることを特徴とする、装具。
【請求項2】
前記表甲はEVAの成型による一小片を備える、請求項1に記載の装具。
【請求項3】
前記表甲は複数の孔を穿たれた網目状または格子状構造体を有する、請求項1または2に記載の装具。
【請求項4】
前記表甲は、足の外側面及び内側面を包囲するために後部及び該後部から前方に延在する2つの側部を含み;前記表甲の前記後部は、患者のかかと及び頸骨を包囲するように患者のアキレス腱に面するように意図された凹所を具備する、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項5】
前記表甲の前記側部は、前記中間底板下の前記本体の前記基礎板上に配置されるために前記側部の下縁からからより低位置に突出するタブを含む、請求項4に記載の装具。
【請求項6】
前記本体は前記基礎板から直交して突出する後部を含み;該後部は横断面中で湾曲して凹所が前記表甲の前記後部に面し;前記本体の前記基礎板は嵌込み結合を介して前記補強板に接続される、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項7】
前記本体の前記基礎板は、前記補強板の前面に形成された前端スロット中に係合されるために前記基礎板から前方に突出する前端歯;及び前記補強板の後端スロット内に嵌込まれるように適合した基端歯で終端する弾性的可撓性の後側面タブを備える請求項6に記載の装具。
【請求項8】
前記本体は、嵌込み結合を介して前記表甲に接続され;前記表甲は、前記表甲の後部の後端に設けられて、前記本体の前記後部に形成される開口部内に係合するのに好適な突出部を含む、請求項6または7に記載の装具。
【請求項9】
前記表甲は、該表甲の上首部に形成されて前記本体の前記後部の上縁部と結合されるのに好適な、突起を介して前記本体に連結される、請求項6〜8のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項10】
前記補強板は接着によって前記底板に固定される、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項11】
EVA製の一体型頸骨保護体;及び前記表甲に前記頸骨保護体を着脱自在に固定する固定手段を更に備える、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項12】
前記頸骨保護体は複数の孔を穿たれた網目状または格子状構造体を有する、請求項11に記載の装具。
【請求項13】
前記固定手段は、前記本体に蝶番連結されて;各々がスロットを有する、翼状片、及び前記表甲上に前記頸骨保護体を締付けてこれを保持するために前記翼状片の前記スロット中を摺動するストラップを含む、請求項11または12に記載の装具。
【請求項14】
前記底板は、前部、後部、及び該前部と該後部との間に足のショパール関節線に対応して配置された中央部を具備した接地面を含み;前記前部及び前記後部は凸状であり、前記中央部は前記前部及び前記後部の曲率半径よりも大きい曲率半径を有し、前記中央部は地面上にあるとき前記装具を不安定にするように15mm未満の長さを有する、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の装具。
【請求項15】
前記本体は、病状がかかとの自由な維持を要する患者の場合に着用をより容易にするために、足のかかとに対応して形成される開口部を含む、請求項1〜14のうちいずれか一項に記載の装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
産業上の発明に対する本特許出願は、患者の足及び脚を完全にまたは部分的に固定可能である、軽負担の深脚足型装具に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科用装具は市場に見出し得るが、これらは整形外科用装具を着用した患者が負傷した足を圧迫することなく歩行を可能にするように好適に成形された底板を備えている。
【0003】
特許文献1は、上方に開放して底板のほぼ全長及び全幅に延在する広い溝部を含む機能的な基底板を備えた整形外科用特殊靴を開示する。この溝部は、静的及び動的な両局面で足裏領域での屈曲及び捻れを防止する機能を有する剛性挿入物を受容するように意図されている。
【0004】
この剛性挿入物は、患者の足裏領域に面するように意図された完全に円滑な上平坦面を有している。
【0005】
特許文献1に記載された整形外科用特殊靴は、基底部底板に直接堅固に接続された表甲及び剛性挿入物上に配置された軟質底板を更に備えている。この軟質底板はモジュール型式であり、異なる弾力性を有する3枚の互換性モジュールで構成されている。
【0006】
上述の利点にもかかわらず、この種の整形外科用特殊靴の使用は、かかと及び踵骨間に形成された足部分に対応して配置された表甲の一部が遊歩時に曲がり易いために患者に対して不快を生じ得ることによる欠点が伴う。
【0007】
先行技術によるこの整形外科用特殊靴は、表甲用詰め物が遊歩する上で逆効果となるため、患者には受入れられ難い。
【0008】
かかと及び踵骨間に形成された足部分に対応して配置された表甲の一部は、患者が足をその適正位置に維持しながら快適に遊歩し得るように、剛性挿入物の上平坦面に対して90°の角度だけ常時傾斜していなければならないことに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8230619号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先行技術の整形外科用特殊靴では、表甲及び基底板形状は患者の足の特有の療法及び/または病状に応じてデザインが随時なされる;上述に鑑みれば、患者の療法及び/または病状に応じて特有の型の整形外科用特殊靴を購入することが必要である。
【0011】
本発明の目的は、標準的方式で生産されるにもかかわらず、患者の足及び療法/病状に応じて使用中に調整及びカスタマイズ化が可能な軽負担の深脚足型装具を開示することにより、先行技術の前述の欠点を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の軽負担の深脚足型装具は、
地面と接触するように意図された接地面及び底板と関連付けられてその上に固定される変形不能な硬質料製の補強板を含む軟質材料製の底板を含む基底部、
補強板に着脱自在に接続された基礎板を含む剛性本体、
本体に着脱自在に接続された一体型表甲、ならびに
本体の基礎板上に配置された軟質材料製の少なくとも1つの中間底板、
を備える。
【0013】
本発明による装具の利点は明らかであるが、当該装具は、必要な場合には、患者の必要性に応じて別の表甲と容易かつ迅速に交換可能である表甲を備える。
【0014】
更に、本発明の装具の表甲は、患者の足及び足の病状に完全に適応するために患者の足の形状及び負傷に応じて熱成形及び切断が可能な材料で作製される。
【0015】
本体に接続される補強板を常時具備するにもかかわらず、基底部が異なる軟度レベルの底板及び異なる曲線ロファイルの接地面により特徴付けられ得ることを考えると、上述の軟質底板及び補強板で構成される基底部も、患者が自身の病状及び症状に応じて装具に好適な基底部を随時設け得るように、本発明の装具の本体に対する容易な結合及び分離が可能であることも忘れてはならない。
【0016】
明確にするために、説明目的のみに意図された限定的ではない添付図面を参照しながら、本発明による装具の説明を以下に続けることとする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は本発明による装具の部品の分解不等角投影図である。
【
図2】
図2は組付状態の本発明の装具の側面図である。
【
図3】
図3は組付状態の本発明の装具の不等角投影図である。
【
図4】
図4は本発明の装具の軟質中間底板の横断面図である。
【
図5】
図5は本発明による第2の実施形態の装具本体の不等角投影図である。
【
図6】
図6は底板を第2の実施形態中に示した本発明による装具の基底部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面を参照しながら本発明の装具を開示するが、同装具は参照数字1でこれを全般的に示すこととする。
【0019】
図1及び
図2を特に参照して、装具1は基底部F1を備え、この基底部F1は軟質底板2及び底板2と関連付けられて底板2上に固定された補強板5を含む。
【0020】
底板2は、地面と接触するように意図された接地面21、及び患者の足に面するように意図された内面22を含む。
【0021】
以下の説明中、「前端」及び「後端」の用語は、足先端部及びかかとをそれぞれ指すこととする。
【0022】
底板2は、軟質熱可塑性ポリウレタンまたは軟質EVA等の、熱成形可能な軟質材料を成型することにより取得される。
【0023】
図2及び
図3を参照して、装具1の補強板5は硬質で変形不能であり、底板の内面22と同様の形状を有する。補強板5は、底板2に面する下面56、及び上向きの上面57を含む。補強板5は硬質材料、好ましくは硬質ポリウレタン、で作製される。
【0024】
補強板5は、上に患者の足が載せられる表面の硬度及び剛性を増強するために底板2に接着され、遊歩時に底板2が長手方向に屈曲するのを防止する。
【0025】
補強板5は、補強板の上面57から上に突出する周縁55を有し、上方に開放して補強板5の長さ及び幅全体に延在する空洞50を画成する。
【0026】
図1を参照して、補強板5はこの補強板の周縁55前端部に取得される2つの前端スロット58を具備する。
【0027】
補強板5はまた、補強板の上面57の後端周縁位置に取得される2つの後端スロット52を具備する。
【0028】
装具1は、硬質プラスチック、好ましくは硬質ポリプロピレン、で作製された本体6を備える。本体6は嵌込み結合を介して補強板5に接続される。
【0029】
本体6は、横断面中にL字形状構成を具備し、基礎板60及び後部61を含む。
【0030】
本体の基礎板60は、補強板5と実質的に同様の形状を有し、硬質かつ変形不能である。基礎板60は、患者の足裏領域に面するように意図された、完全に円滑な平面状上面68を有する。
【0031】
本体6の基礎板60は、嵌込み結合を介して補強板5の空洞50内に固定される。
【0032】
図2を参照して、本体の基礎板60は、上面収容部63を画成するように基礎板60から上方に突出する周縁62を含む。
【0033】
本体の基礎板60は、補強板5中に取得される後端スロット52内に嵌込まれるように適合した基端歯65aで終端する2つの弾性的可撓性の後側面タブ65を含む。本体の基礎板60は更に2つの前端歯66を含み、これらの前端歯66は補強板5の前端スロット58中に嵌込まれるように本体の基礎板60の周縁62前端部から前方に突出する。
【0034】
本体の後部61は、横断面中で湾曲し、上へり61a及び側へり61bを具備する。本体6の後部61は、踵骨及び患者頸骨の後部に面するように意図された凹所を有する。
【0035】
装具1はまたフランジGを含むが、このフランジGは正方形板として成形されて本体の後端に突出するために留め金Aを介して本体6の後部61に接続される。フランジGは、例えば、正圧または負圧を及ぼすためにまたは足裏圧力計測装置を収容するために補助的治療に使用される。
【0036】
穴66は、本体後部61の側へり61bに近接した、基端部60の周縁62上に及び本体後部61中に取得される。
【0037】
装具1は、熱成形可能な軟質材料、好都合にはEVA、の成形による一体型表甲7を備える。この表甲7は、貫通孔76が密集して連続状にあけられた網目状または格子状構造体を含む。
【0038】
表甲7は後部70及び2つの側部71を含む。
【0039】
表甲の後部70は、患者の踵骨及び頸骨後端部を包囲するように、横断面中で湾曲して患者のアキレス腱に面するように意図された凹所を有する。
【0040】
特に、表甲の後部70は本体後部61の凹所に対応する凹所を有する。
【0041】
表甲7の側部71は、装具1を着用した患者の足の内側面及び外側面を包囲するように、後部70から前方に向けて延在する。側部71は下縁72及び複数の翼状片77を含むが、これらの翼状片77は、本体基礎板60の上面収容部63内の本体基礎板60の上面68に配置されるように、側部71の下縁72から装具内に突出する。
【0042】
装具1は、上側位置の中間底板と下側位置の本体基礎板60との間で維持、即ち締結、される表甲翼状片77上方に、本体基礎板60の上面収容部63内に配置されるように意図された軟質中間底板3を備える。これにより、表甲7は剛性本体6からの自由な取外しが妨げられることになる。そのような引出しは、表甲7から中間底板3を単に取外すことより容易かつ迅速に達成し得るのは明らかである。
【0043】
上記の中間底板3は、弾力性が異なる3つのアーチ支持体31、32、33を含む。
【0044】
図5を参照して、中間底板3の各アーチ支持体31、32、33は、前部31a、32a、33a;後部31b、32b、33b;及び中央部31c、32c、33cを含む。
【0045】
モジュール式の中間底板3は、本体の基礎板60に対する表甲7の固定と共に、患者の必要性に応じた患者の足の支持表面の硬度及び弾力性の調整を可能にする。
【0046】
表甲7は嵌込み結合を介して本体6に接続される。特に、表甲後部70は、
図1及び
図2に示すように、後端に配置されて、本体6の後部61に取得される開口部64内に係合されるように意図された、2つの突出部74を含む。
【0047】
更に、表甲7は、本体の後部61の上縁部61aで本体6に固定される。特に、表甲7は上首部7b及び突起7aを含むが、この突起7aは表甲首部7bに取得され、かつ表甲7を本体6に固定するように本体の後部61と結合されるように意図されている。
【0048】
装具1はまた、横断面中にL字形状の構成を有する頸骨保護体8を備える。頸骨保護体8は、患者の足の背面を包囲するように意図された水平部80、及び患者の頸骨を包囲するように意図された垂直部81を含む。
【0049】
頸骨保護体の水平部80及び垂直部81は、横断面中に曲線形状を有し、患者の足の背面及び患者の頸骨にそれぞれ面するように意図された凹所を具備する。
【0050】
頸骨保護体8は表甲7と同一材料で作製され;特に、頸骨保護体8は複数の貫通孔86を具備した網目状または格子状構造体を有する一体型EVA小片である。
【0051】
頸骨保護体8の材料及び構造により、患者はこの頸骨保護体を、可能な限り快適なものとするのみならず患者の足の背面及び首部に関連付けるのに好適な方法で切断するのが可能になることに留意されたい。
【0052】
図1及び
図2を参照して、装具1は、表甲7上に頸骨保護体8を固定する固定手段を備える。この固定手段は半楕円形状を有する翼状片9を含むのが好都合である。各翼状片9は貫通孔90及びスロット91を有する。各翼状片9は、翼状片9の貫通穴90中及び本体の穴66のうちの1つ中に嵌入されるピン92を介して本体6に回転可能に接続される。
【0053】
この固定手段はまたストラップFを含み、このストラップFは翼状片のスロット91中に挿入されてその中で摺動することにより表甲7上に頸骨保護体8を締付けてこれを保持する。
【0054】
上記に鑑みて、装具1の全固定手段9、92、Fは、患者の足の病状及び処置に応じた取外し及び交換が可能である。実際、固定手段9、92、Fを取外して交換するには、本体の穴66のうちの1つからピン92を引抜き、翼状片9を別の位置に移動してピン92を翼状片の貫通孔90中及び本体の別の穴66中に再挿入するだけでよい。
【0055】
このように、患者は、自身の足の負傷位置に応じてストラップFの最も快適な固定箇所を選択し得る。
【0056】
図5に第2の実施形態の本体106を示すが、この本体106はかかとを自由に維持する必要のある病状の場合に患者による自身の足の装具への挿入を容易にするために患者の足のかかと上に取得される
開口部160を具備したこと以外は上述の本体6と基本的に同様である。本体106は、本体6に対して上述したと同様の手段及び同様の方法で、補強板5及び装具1の表甲7に接続可能である。
【0057】
図6は
図2中に示したものと比較して異なるプロファイルを有する底板102を使用した基底部F2を示す。同図中、基底部F2が、嵌込み結合を介した基底部F2の剛性本体との結合を可能にする補強板5を具備することが理解される。
【0058】
底板102は接地面121を有するが、この接地面121は前部121a、後部121b、及び基底部102の接地面121の前部121aと後部121bとの間に足のショパール関節線に対応して配置された中央部121cを含む。
【0059】
底板接地面121の前部121a及び後部121bは凸状であり、同じ事前設定曲率半径の同様の凹所を有する。
【0060】
底板102の接地面121の中央部121cは、前部121a及び後部121bよりも大きい曲率半径を有し;好ましくは、底板102の接地面121の中央部121cは平坦である。
【0061】
底板102の接地面121の中央部121cは、前部121a及び後部121bと比較して非常に短い。底板102の接地面121の中央部121cは15mm未満、好ましくは8mm〜12mm、の長さLを有する。底板の接地面121の中央部121cが短小長を有することにより、底板の接地面121の中央部121cが地面上にあるとき装具が不安定になる。したがって、底板102を有する装具1を着用した患者の遊歩は、地面上では底板102のうねり動作を伴う。このうねり動作により、底板の接地面121の部分121a、121b、121cのうちの1つは地面上で連続的にかつ漸進的にうねることになる。装具1の底板102の漸進的なうねり動作により患者の体重は底板102全面に完全に分散され、患者の足に対する圧迫及び外傷の回避が可能になる。