特許第6675892号(P6675892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6675892
(24)【登録日】2020年3月13日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】印刷版
(51)【国際特許分類】
   B41N 1/12 20060101AFI20200330BHJP
   G03F 7/00 20060101ALI20200330BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20200330BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20200330BHJP
   H05K 3/12 20060101ALN20200330BHJP
【FI】
   B41N1/12
   G03F7/00 502
   G02F1/1337 520
   G02F1/13 101
   !H05K3/12 630Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-52454(P2016-52454)
(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公開番号】特開2017-164979(P2017-164979A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】594101226
【氏名又は名称】株式会社コムラテック
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(72)【発明者】
【氏名】須本 洋一
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/056703(WO,A1)
【文献】 特開2002−293049(JP,A)
【文献】 特開2003−053927(JP,A)
【文献】 特開平11−221976(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0029859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 1/12
G02F 1/13
G02F 1/1337
G03F 7/00
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面に複数の突起が分布形成された印刷用凸部を備えたフレキソ印刷に用いられる印刷版であって、上記突起の分布密度が、上記印刷用凸部の中央領域と、この中央領域の周縁に隣接する周縁領域のうちの、印刷方向に沿う印刷方向部分と、その印刷方向に直角な直角方向に沿う直角方向部分とで、それぞれ異なっており、それら分布密度のなかで、上記直角方向部分での分布密度が最も高く設定され、上記印刷方向部分での分布密度が最も低く設定されていることを特徴とする印刷版。
【請求項2】
上記直角方向部分における突起の分布密度(MC )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MC /MA )が、1.25に設定されている請求項1記載の印刷版。
【請求項3】
上記印刷方向部分における突起の分布密度(MB )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MB /MA )が、0.75に設定されている請求項1または2記載の印刷版。
【請求項4】
上記直角方向部分における突起の占有面積率(NC )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NC /NA )が、0.8に設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷版。
【請求項5】
上記印刷方向部分における突起の占有面積率(NB )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NB /NA )が、0.95に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の印刷版。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキソ印刷等の印刷に用いられる印刷版に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は、一般に、図3に示すような印刷機によりなされる。この印刷機は、印刷版P1を装着する円柱状の版胴51と、上記印刷版P1にインクを付着させるアニロックスロール52と、このアニロックスロール52の表面にインクを供給するインク供給装置53と、上記アニロックスロール52の表面の余剰なインクをかきとるドクター54と、印刷対象となる被印刷体Qを載置する印刷ステージ55とを備えている。
【0003】
そして、上記印刷機によるフレキソ印刷は、つぎのようにしてなされる。すなわち、印刷版P1を版胴51の周側面に装着し、その版胴51を回転させながら、インク供給装置53から供給されたインクを、アニロックスロール52を介して、印刷版P1の印刷領域に付着させ、その付着したインクを、印刷ステージ55に載置したガラス基板等の被印刷体Qに転写することにより、印刷がなされる。このとき、版胴51の回転に同期させて、印刷ステージ55をスライドさせる。
【0004】
ここで、上記印刷版P1は、一般に、図4(a)に平面図で示し、図4(b)に図4(a)のT−T断面図で示すように、平板状の基部11と、この基部11の表面の中央部に形成された印刷用凸部12とを備えている。その印刷用凸部12が上記印刷領域であり、その印刷用凸部12の周囲の上記基部11の部分は、印刷に関与しない。また、図4(c)に図4(b)の要部を拡大した断面図で示すように、上記印刷用凸部12の頂面には、複数の突起13が隙間14をあけて分布形成されており、その隙間14に、インクが保持されるようになっている。そして、上記印刷版P1は、上記版胴51(図3参照)の周側面に装着可能となるよう柔軟性を有している。
【0005】
しかしながら、上記フレキソ印刷では、上記印刷版P1の印刷用凸部12が上記アニロックスロール52および上記被印刷体Qと接することから、その接した際の圧力により、上記印刷用凸部12に保持されたインクが、その印刷用凸部12の周縁領域12Dに集まる。そのため、上記フレキソ印刷により形成された印刷膜の厚みが、中央部よりもその中央部を囲む周縁部の方が厚くなる、いわゆる「マージナル現象」が生じる。
【0006】
そこで、マージナル現象の発生を抑制すべく、本出願人は、印刷用凸部12に形成される突起13の分布密度を、印刷用凸部12の中央領域12Aよりも周縁領域12Dの方を高く設定した印刷版を提案し出願している(例えば、特許文献1,2参照)。すなわち、印刷用凸部12の周縁領域12Dでは、突起13の分布密度を高くすることにより、突起13間の隙間14を小さくし、その隙間14に保持されるインクの量が少なくなるようにしている。それにより、印刷膜の周縁部の厚みが厚くなることを抑制している。なお、特許文献1,2の印刷版では、印刷用凸部12の周縁領域12Dにおける突起13の分布密度は、印刷方向(版胴51の回転方向)に沿う印刷方向部分12Bも、その印刷方向に直角な直角方向(版胴51の回転軸と平行な方向)に沿う直角方向部分12Cも、同じに設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3376908号公報
【特許文献2】特開2002−293049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1,2の印刷版により、マージナル現象の発生が抑制されるものの、場合によって、印刷膜の周縁部の厚みが厚くなることがあり、その点で改善の余地がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、マージナル現象の発生を安定して抑制することができる印刷版の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明の印刷版は、頂面に複数の突起が分布形成された印刷用凸部を備えた印刷版であって、上記突起の分布密度が、上記印刷用凸部の中央領域と、この中央領域の周縁に隣接する周縁領域のうちの、印刷方向に沿う印刷方向部分と、その印刷方向に直角な直角方向に沿う直角方向部分とで、それぞれ異なっており、それら分布密度のなかで、上記直角方向部分での分布密度が最も高く設定され、上記印刷方向部分での分布密度が最も低く設定されているという構成をとる。
【0011】
本発明者は、マージナル現象の発生を安定して抑制すべく、印刷版の印刷用凸部の頂面に分布形成される複数の突起の分布密度に着目し、研究を重ねた。その結果、上記突起の分布密度を、印刷用凸部の中央領域と、この中央領域の周縁に隣接する周縁領域のうちの、印刷方向に沿う印刷方向部分と、その印刷方向に直角な直角方向に沿う直角方向部分とで、それぞれ異なるように設定し、それら分布密度のなかで、上記直角方向部分での分布密度を最も高く設定し、上記印刷方向部分での分布密度を最も低く設定すると、マージナル現象の発生を安定して抑制できることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、上記のように、上記突起の分布密度のなかで、上記直角方向部分での分布密度を最も高く設定し、上記印刷方向部分での分布密度を最も低く設定すると、上記印刷用凸部が印刷機のアニロックスロールおよび被印刷体と接した際の圧力により、上記印刷用凸部に保持されたインクが、その上記印刷用凸部の頂面において、均一厚みに広がりやすくなると推測される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の印刷版は、突起の分布密度が、印刷用凸部の中央領域と、周縁領域のうちの、印刷方向部分と、直角方向部分とで、それぞれ異なっており、それら分布密度のなかで、上記直角方向部分での分布密度が最も高く設定され、上記印刷方向部分での分布密度が最も低く設定されている。そのため、上記印刷用凸部が印刷機のアニロックスロールおよび被印刷体と接した際の圧力により、上記印刷用凸部に保持されたインクが、その上記印刷用凸部の頂面において、均一厚みに広がりやすくなる。その結果、マージナル現象の発生が安定して抑制され、印刷膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0014】
なかでも、上記直角方向部分における突起の分布密度(MC )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MC /MA )が、1.25に設定されている場合には、印刷膜の厚みの均一性向上が顕著である。
【0015】
さらに、上記印刷方向部分における突起の分布密度(MB )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MB /MA )が、0.75に設定されている場合にも、印刷膜の厚みの均一性向上が顕著である。
【0016】
また、上記直角方向部分における突起の占有面積率(NC )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NC /NA )が、0.8に設定されている場合には、上記突起の分布密度をより適正化することができ、印刷膜の厚みの均一性がより一層向上する。
【0017】
さらに、上記印刷方向部分における突起の占有面積率(NB )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NB /NA )が、0.95に設定されている場合にも、上記突起の分布密度をより適正化することができ、印刷膜の厚みの均一性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の印刷版の一実施の形態を模式的に示し、(a)は、その印刷版の平面図であり、(b)は、(a)のR−R断面での要部拡大図であり、(c)は、(a)のS−S断面での要部拡大図である。
図2】(a)〜(f)は、実施例、従来例、比較例1〜4の印刷膜の厚みを示すグラフ図である。
図3】上記印刷版を用いる印刷機を模式的に示す説明図である。
図4】従来の印刷版を模式的に示し、(a)は、その印刷版の平面図であり、(b)は、(a)のT−T断面図であり、(c)は、(b)の要部断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0020】
図1(a)は、本発明の印刷版の一実施の形態を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のR−R断面の要部拡大図であり、図1(c)は、図1(a)のS−S断面の要部拡大図である。この実施の形態の印刷版Pは、平面視長方形の平板状の基部1と、この基部1の表面の中央部に形成された平面視長方形の印刷用凸部2とを備えており、この印刷用凸部2の頂面には、複数の円錐台状の微小な突起3が隙間4をあけて分布形成されている。上記基部1と印刷用凸部2と突起3とは、一体に形成されている。そして、この実施の形態では、平面視長方形の上記印刷用凸部2の長辺に沿う矢印Xの方向が印刷方向に設定されている。
【0021】
また、上記印刷用凸部2は、上記突起3の分布密度によって、3つの領域(部分)2A〜2Cに分けられる。その3つの領域(部分)2A〜2Cは、上記印刷用凸部2の中央領域2A、ならびにこの中央領域2Aの周縁に隣接する周縁領域のうちの、印刷方向に沿う印刷方向部分2B、およびその印刷方向に直角な直角方向に沿う直角方向部分2Cである。上記印刷方向部分2Bと上記直角方向部分2Cとが重なる、上記印刷用凸部2の4つの角部の部分は、上記直角方向部分2Cに含める。
【0022】
そして、この実施の形態では、上記直角方向部分2Cでの分布密度が最も高く、つぎに高いのが上記中央領域2Aであり、最も低いのが上記印刷方向部分2Bである。上記突起3の分布密度は、例えば、1インチ(25.4mm)当たりの突起3の数で示すと、最も高い上記直角方向部分2Cで400〜600個/インチの範囲内、つぎに高い上記中央領域2Aで300〜500個/インチの範囲内、最も低い上記印刷方向部分2Bで200〜400個/インチの範囲内に設定される。好ましくは、上記直角方向部分2Cにおける突起3の分布密度(MC )と上記中央領域2Aにおける突起3の分布密度(MA )との比(MC /MA )が1.25、上記印刷方向部分2Bにおける突起3の分布密度(MB )と上記中央領域2Aにおける突起3の分布密度(MA )との比(MB /MA )が、0.75に設定されることである。
【0023】
さらに、この実施の形態では、上記突起3の占有面積率も、上記3つの領域(部分)2A〜2Cで、それぞれ異なっており、その占有面積率の高さの順番は、上記中央領域2Aが最も高く、つぎに高いのが上記印刷方向部分2Bであり、最も低いのが上記直角方向部分2Cである。なお、上記突起3の占有面積率は、上記印刷用凸部2の頂面の面積に対する上記突起3の底面積の合計の割合である。そして、その突起3の占有面積率は、例えば、最も高い上記中央領域2Aで40〜50%の範囲内、つぎに高い上記印刷方向部分2Bで38〜48%の範囲内、最も低い上記直角方向部分2Cで31〜41%の範囲内に設定される。好ましくは、上記直角方向部分2Cにおける突起3の占有面積率(NC )と、上記中央領域2Aにおける突起3の占有面積率(NA )との比(NC /NA )が、0.8、上記印刷方向部分2Bにおける突起3の占有面積率(NB )と、上記中央領域2Aにおける突起3の占有面積率(NA )との比(NB /NA )が、0.95に設定されることである。
【0024】
また、この実施の形態では、上記突起3の深度(上記突起3の頂面から上記印刷用凸部2の頂面までの深さ)Dも、上記3つの領域(部分)2A〜2Cで、それぞれ異なっており、その深度Dの大きさの順番は、上記分布密度の高さの順番と逆である。すなわち、上記印刷方向部分2Bが最も大きく、つぎに大きいのが上記中央領域2Aであり、最も小さいのが上記直角方向部分2Cである。上記突起3の深度Dは、例えば、最も大きい上記印刷方向部分2Bで15〜25μmの範囲内、つぎに大きい上記中央領域2Aで10〜20μmの範囲内、最も小さい上記直角方向部分2Cで5〜15μmの範囲内に設定される。
【0025】
上記3つの各領域(部分)2A〜2Cでは、それぞれ、突起3の寸法および形成ピッチが均一になっている。そのため、上記3つの各領域(部分)2A〜2Cでは、それぞれ、突起3の分布密度も占有面積率も深度Dも均一になっている。
【0026】
上記印刷版Pにおいて、上記印刷用凸部2が形成されている領域が印刷領域であり、その印刷用凸部2の頂面の外形寸法は、印刷する印刷膜の外形寸法に設定される。その印刷用凸部2の上記印刷方向部分2Bの幅WB は、上記印刷用凸部2の頂面の縦の長さ(印刷方向に直角な辺の長さ)の1.2〜2.2%の範囲内に設定され、上記直角方向部分2Cの幅WC は、上記印刷用凸部2の頂面の横の長さ(印刷方向に沿う辺の長さ)の1.2〜2.2%の範囲内に設定される。また、上記円錐台状の突起3の寸法は、例えば、頂面の直径が20〜70μmの範囲内、底面の直径が頂面の直径の185〜300%の範囲内、深度Dが5〜25μmの範囲内、形成ピッチが51〜85μmの範囲内に設定される。
【0027】
上記印刷版Pは、フレキソ印刷に用いられるものであり、印刷機(図3参照)の版胴51の周側面に装着可能となるよう柔軟性を有している。その印刷版Pの形成材料としては、例えば、樹脂,ゴム等があげられる。その印刷版Pの形成方法としては、例えば、型成形等があげられ、特に、形成材料として感光性樹脂を用いる場合は、フォトリソグラフィ法により形成することができる。
【0028】
そして、上記印刷版Pを用いたフレキソ印刷により、液晶表示部における配向膜,有機ELにおける有機発光膜,電子機器における電極膜等の印刷膜を、厚みの均一性を向上させた状態で形成することができる。
【0029】
上記印刷の際、上記印刷版Pの前記突起3の分布密度の設定により、上記印刷用凸部2が印刷機のアニロックスロール52および被印刷体Q(図3参照)と接した際の圧力により、上記印刷用凸部2に保持されたインクが、その上記印刷用凸部2の頂面において、均一厚みに広がりやすくなる。その結果、マージナル現象の発生が安定して抑制され、上記印刷膜の厚みの均一性をより向上させることができる。
【0030】
なお、上記実施の形態では、突起3の占有面積率の高さの順番は、上記中央領域2Aが最も高く、つぎに高いのが上記印刷方向部分2Bとし、最も低いのが上記直角方向部分2Cとしたが、上記突起3の分布密度が上記直角方向部分2Cで最も高く設定されていれば、上記突起3の占有面積率の高さの順番は、他でもよい。この場合でも、印刷膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0031】
さらに、上記実施の形態では、突起3の深度Dの大きさの順番は、上記印刷方向部分2Bが最も大きく、つぎに大きいのが上記中央領域2Aとし、最も小さいのが上記直角方向部分2Cとしたが、上記突起3の分布密度が上記直角方向部分2Cで最も高く設定されていれば、上記突起3の深度Dの大きさの順番は、他でもよい。この場合でも、印刷膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0032】
そして、上記実施の形態では、突起3の形状を円錐台状としたが、他でもよく、例えば、円柱状等でもよい。
【0033】
つぎに、実施例について従来例および比較例と併せて説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
〔実施例〕
図1(a)〜(c)に示す印刷版を準備した。この印刷版は、形成材料としてポリブタジエン系液状光硬化性樹脂を用い、フォトリソグラフィ法により形成した。印刷用凸部の平面視の寸法は、中央領域を22.9mm×22.9mm、周縁領域の印刷方向部分も直角方向部分も幅を0.2mmとした。突起の分布密度は、1インチ(25.4mm)当たりの突起の数で示し、中央領域を400(個/インチ)、印刷方向部分を300(個/イインチ)、直角方向部分を500(個/インチ)とした。突起の占有面積率および深度は、下記の表1に示した。
【0035】
この実施例では、上記直角方向部分における突起の分布密度(MC )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MC /MA )が1.25に設定され、上記印刷方向部分における突起の分布密度(MB )と、上記中央領域における突起の分布密度(MA )との比(MB /MA )が0.75に設定されている。また、直角方向部分における突起の占有面積率(NC )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NC /NA )が0.8に設定され、上記印刷方向部分における突起の占有面積率(NB )と、上記中央領域における突起の占有面積率(NA )との比(NB /NA )が、0.95に設定されている。
【0036】
〔従来例〕
上記実施例において、周縁領域での突起の分布密度を、印刷方向部分も直角方向部分も500(個/インチ)とした。
【0037】
〔比較例1〕
上記実施例において、周縁領域での突起の分布密度を、中央領域と同じの400(個/インチ)とした。
【0038】
〔比較例2〕
上記実施例において、周縁領域の直角方向部分での突起の分布密度を、中央領域と同じの400(個/インチ)とした。
【0039】
〔比較例3〕
上記実施例において、周縁領域の印刷方向部分での突起の分布密度を、中央領域と同じの400(個/インチ)とした。
【0040】
〔比較例4〕
上記実施例において、周縁領域の直角方向部分での突起の分布密度と印刷方向部分での突起の分布密度とを入れ替えた。すなわち、突起の分布密度は、印刷方向部分を500(個/インチ)、直角方向部分を300(個/インチ)とした。
【0041】
【表1】
【0042】
〔印刷〕
図3に示す印刷機の版胴に、上記実施例、従来例、比較例1〜4の印刷版を装着し、インクとして液晶配向剤を用い、被印刷体としてガラス基板を用い、印刷し、そのガラス基板に、印刷膜として液晶配向膜をパターン形成した。
【0043】
〔印刷膜の厚みの測定〕
上記印刷膜の厚みを、膜厚測定器(小坂研究所社製、ET−1479)により測定した。測定個所は、印刷用凸部の中央領域および周縁領域で印刷された印刷膜の各領域について、それぞれ、印刷方向の前後左右の4個所ずつ測定した。その結果を図2(a)〜(f)に示す。
【0044】
図2(a)〜(f)に示す結果から、実施例では、印刷膜の厚みの均一性に優れていることがわかる。従来例も、印刷膜の厚みの均一性に優れているものの、上記実施例に少し劣ることがわかる。これに対し、比較例1〜4は、印刷膜の厚みの均一性に劣ることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の印刷版は、マージナル現象の発生を安定して抑制し、印刷膜の厚みの均一性を向上させる場合に利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
P 印刷版
2 印刷用凸部
2A 中央領域
2B 印刷方向部分
2C 直角方向部分
3 突起
図1
図2
図3
図4