(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メータボディに形成されガスを導入するガス流入口及びガスを排出するガス流出口と、前記ガス流入口から前記ガス流出口にかけて延在するストレート形状のガス流路と、前記ガス流路を流れるガスの流量を計測するための流速センサと、前記流速センサにより計測される計測値に基づくガス流量の積算値を表示する表示部とを備えた直管型ガスメータであって、
少なくとも重力方向に応じた信号を出力する加速度センサと、
前記加速度センサからの信号に基づく重力方向に応じて前記表示部に表示される表示情報の向きを制御する表示制御手段と、
前記ガス流路を閉じる遮断弁と、
前記遮断弁が弁閉状態にあるときに所定の操作があった場合に前記遮断弁を開動作させる弁制御手段と、を備え、
前記弁制御手段は、前記遮断弁が弁閉状態にあるときに前記加速度センサによりメータボディに対するノックに相当する加速度が検出された場合、前記所定の操作があったと判断する
ことを特徴とする直管型ガスメータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本件出願人は、特許文献1に記載のガスメータを改良し、メータ内部の流路を略直線状に形成した直管型ガスメータを提案している。このような直管型の直管型ガスメータは、縦向きや横向きなど様々な向きで設置可能であるが、正面の表示部については、このような向きそれぞれに対して対応する表示内容とならない可能性がある。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、取り付け状態に応じて適切な表示を行うことが可能な直管型ガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の直管型ガスメータは、メータボディに形成されガスを導入するガス流入口及びガスを排出するガス流出口と、前記ガス流入口から前記ガス流出口にかけて延在するストレート形状のガス流路と、前記ガス流路を流れるガスの流量を計測するための流速センサと、前記流速センサにより計測される計測値に基づくガス流量の積算値を表示する表示部とを備えた直管型ガスメータであって、少なくとも重力方向に応じた信号を出力する加速度センサと、前記加速度センサからの信号に基づく重力方向に応じて前記表示部に表示される表示情報の向きを制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この直管型ガスメータによれば、重力方向に応じて表示部に表示される表示情報の向きを制御するため、縦向きに設置されたり横向きに設置されたりしたとしても、表示情報の向きを制御でき、取り付け状態に応じて適切な表示を行うことができる。
【0008】
さらに、本発明の直管型ガスメータにおいて、前記ガス流路を閉じる遮断弁と、前記遮断弁が弁閉状態にあるときに所定の操作があった場合に前記遮断弁を開動作させる弁制御手段と、をさらに備え、前記弁制御手段は、前記遮断弁が弁閉状態にあるときに前記加速度センサによりメータボディに対するノックに相当する加速度が検出された場合、前記所定の操作があったと判断すること
を特徴とする。
【0009】
この直管型ガスメータによれば、遮断弁が弁閉状態にあるときに所定の操作があった場合に遮断弁を開動作させる弁制御手段を備え、メータボディに対するノックに相当する加速度が検出された場合、所定の操作があったと判断する。このため、従来と同様の遮断弁の復帰ボタン(押し込み式の復帰ボタン)を直管型ガスメータに設ける必要がない。特に、押し込み式の復帰ボタンを押す行為については復帰させても良いかについて不安や怖さを感じてしまうユーザがいるが、このようなユーザに対しては不安や怖さの軽減につなげることができる。
【0010】
また、本発明の直管型ガスメータにおいて、前記表示部に表示可能な複数の情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記記憶手段により記憶される複数の情報から表示する情報を選択して表示させると共に、
前記遮断弁が弁閉状態でなく、かつ、情報の表示制御中であるときに前記加速度センサによりメータボディに対するノックに相当する加速度が検出された場合、当該ノック方向に応じて次に表示する情報を選択することが好ましい。
【0011】
この直管型ガスメータによれば、記憶される複数の情報から表示する情報を選択して表示させると共に、加速度センサによりメータボディに対するノックに相当する加速度が検出された場合、当該ノック方向に応じて次に表示する情報を選択する。このため、押し込み式の復帰ボタンと比較してノック方向(例えば4方向)に応じたユーザにとって感覚的且つ多彩な情報の選択を行うことができる。
【0012】
また、本発明の直管型ガスメータにおいて、前記加速度センサは、少なくとも互いに直交する3軸方向に対する加速度を検出するものであって、前記弁制御手段は、前記加速度センサにより不定周期の加速度が前記3軸方向で検出された場合に、前記遮断弁を閉動作させることが好ましい。
【0013】
この直管型ガスメータによれば、加速度センサは少なくとも3軸方向に対する加速度を検出するものであって、加速度センサにより不定周期の加速度が3軸で検出された場合に、遮断弁を閉動作させるため、表示の適正化及び操作機能を実現するために設置される加速度センサを利用して、更に従来の感震器と同様の地震検知を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、取り付け状態に応じて適切な表示を行うことが可能な直管型ガスメータを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る直管型ガスメータの外観斜視図であり、
図2は、
図1に示した直管型ガスメータの制御ブロック図である。
【0018】
図1に示すように、直管型ガスメータ1は、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属材料等により成形された筐体であるメータボディ10を備えている。メータボディ10は、略四角柱状の外形形状を有しており、四角柱の高さ方向に長手となる直管形状とされている。
図1に示す例においてメータボディ10は、その長手方向が鉛直方向(重力方向)と一致するように設置されている。
【0019】
メータボディ10は、その長手方向の一端部10aにガスを導入するガス流入口11と、その長手方向の他端部10bにガスを排出するガス流出口12とを備えている。ガス流入口11は、上流側配管200を介してガス供給元と接続され、ガス流出口12は、下流側配管201を介してガス供給先と接続される。ガス流入口11と上流側配管200との接続、及びガス流出口12と下流側配管201との接続には、ワンタッチ操作(すなわち押し込み操作のみ)で連結解除が可能な継手構造15が利用されている。
【0020】
メータボディ10の内部には、ガス流入口11からガス流出口12に至る1つのガス流路13が形成されている。本実施形態において、ガス流路13は、ガス流入口11からガス流出口12にかけて略直線状に延在するストレート形状とされている。
【0021】
さらに、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、
図2に示すように、表示パネル(表示部)2、流速センサ5、圧力センサ6、遮断弁7、通信部8及びマイコン(マイクロコンピュータ)100を備えている。
【0022】
表示パネル2は、LCD等によって構成され、メータボディ10の正面部10cに設けられている。表示パネル2は、マイコン100に制御され、マイコン100によって処理された情報を表示する。表示パネル2に表示される代表的な情報は、流速センサ5により計測される計測値に基づくガス流量の積算値(積算流量)である。
【0023】
流速センサ5は、ガスメータ1内部のガス流路13に設けられている。流速センサ5は、ガス流路13を通過するガスの流れ(具体的には流速)を計測し、その流速に応じた信号を出力する。流速センサ5から出力される信号は、マイコン100に入力される。流速センサ5としては、例えば超音波式センサやフローセンサなどを用いることができる。
【0024】
ここで、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、ガス流路13が略ストレート状とされていることから、ガス流入口11、ガス流出口12、及び、流速センサ5が直線状に並べられる構造となる。
【0025】
圧力センサ6は、ガスメータ1内部のガス流路13に設けられている。圧力センサ6は、ガス流路13内におけるガス圧力を計測し、その圧力に応じた信号を出力する。圧力センサ6から出力される信号は、マイコン100に入力される。圧力センサ6としては、ピエゾ抵抗式や静電容量式などのセンサを用いることができる。
【0026】
遮断弁7は、ガスメータ1内部のガス流路13に設けられており、ガス流路13を遮断するためのものである。遮断弁7としては、例えばソレノイド弁、モータ弁又はボールバルブを用いることができる。ボールバルブは、貫通流路を有するボール状の弁体を、バルブボディ内に回転自在に備えるものであり、弁軸を中心に弁体を回転させることで、ガスを開放又は遮断する。遮断弁7としてボールバルブを用いることで、遮断弁7自身の小型化を図ることができ、ひいてはメータボディ10の小型化や圧力損失の低減を図ることができる。
【0027】
通信部8は、直管型ガスメータ1のマイコン100が外部機器(設定器、検針用機器やセンターの機器)と通信するためのものである。通信部8は、各種信号が入出力される端子(例えば、電話回線用のNライン端子、ガス漏れ警報器と接続するため端子、一酸化炭素警報器と接続するための端子など)を備えた端子台や、電波や光を利用した無線式の通信機器などで構成することができる。
【0028】
マイコン100は、直管型ガスメータ1の全体の制御を行う制御部である。マイコン100は、例えば制御基板に実装され、当該制御基板はメータボディ10の内部に収容されている。
【0029】
ここで、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、
図1に示すように縦向きに設置することができるのみならず、横向きにも設置可能である。しかし、正面部10cの表示パネル2については、このような向きそれぞれに対して対応する表示内容とならない可能性がある。例えば、常にガス流入口11が上側となる表示が行われてしまい、横向きに設置した場合には数字等が横に倒れた状態で表示されてしまう可能性がある。
【0030】
そこで、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、更に、加速度センサ9を備えると共に、マイコン100は、不図示のROM内のプログラムを実行することによって、表示制御部(表示制御手段)101を機能させる。
【0031】
加速度センサ9は、少なくとも重力方向に応じた信号を出力するセンサである。より詳細に加速度センサ9は、互いに直交する3軸方向に対する加速度を検出するものであり、現実空間での重力方向に加えて、他方向の加速度に応じた信号についても出力する。加速度センサ9から出力される信号は、マイコン100に入力される。
【0032】
表示制御部101は、表示パネル2の表示内容を制御するものであって、特に加速度センサ9からの信号に基づく重力方向に応じて表示パネル2に表示される表示情報の向きを制御するものである。すなわち、表示制御部101は、直管型ガスメータ1の取り付け姿勢が縦向きか横向きかに拘わらず、表示パネル2に表示される文字や数字の上側が鉛直上方側に向くように、表示情報の向きを制御する。これにより、取り付け姿勢に拘わらず適正な表示状態とすることができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、遮断弁7の弁閉時に、これを復帰させるための押し込み式の復帰ボタンを備えておらず、加速度センサ9からの信号を利用して遮断弁7を復帰させる構造となっている。
【0034】
詳細に説明すると、マイコン100は、不図示のROM内のプログラムを実行することによって、弁制御部(弁制御手段)102が機能するようになっている。弁制御部102は、遮断弁7が弁閉状態にあるときに所定の操作があった場合に遮断弁7を開動作させるものである。本実施形態において弁制御部102は、遮断弁7の弁閉時に加速度センサ9によりメータボディ10に対するノックに相当する加速度が検出された場合、所定の操作があったと判断する。すなわち、遮断弁7を開動作させる。なお、ここでいうノックとは、メータボディ10を破損させない程度に叩く動作であって、例えば人差し指でコツンと叩く程度の動作である。
【0035】
ここで、押し込み式の復帰ボタンを押す行為については復帰させても良いかについて不安や怖さを感じてしまうユーザがいる。上記の復帰構成では、このようなユーザに対しては不安や怖さの軽減につなげることができる。なお、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、上記の復帰構成に加えて、押し込み式の復帰ボタンを備えるものであってもよい。また、表示制御部101は、メータボディ10のどの辺りをノックすべきかを示す表示を行うことが好ましい。
【0036】
さらに、本実施形態においてマイコン100は、記憶部(記憶手段)103を備えている。記憶部103は、表示パネル2に表示可能な複数の情報を記憶するものである。具体的に記憶部103は、例えば個別積算値、圧力情報、及びメータ情報等を記憶している。個別積算値とは、流量区分別の流量積算値や、連続して使用されたガス流量の積算値や、指定時間帯における流量積算値などである。圧力情報は、現在の圧力値、調整圧力の最大値及び最小値、並びに、閉塞圧力などである。メータ情報は、直管型ガスメータ1の電池電圧の低下が判断されてから遮断されるまでの残日数、微少漏洩が検知されてからの経過日数、並びに遮断弁7の遮断事象に関する情報などである。遮断事象に関する情報は、どの機能によって遮断されたかの情報と、遮断したときの日時の情報とで構成されている。
【0037】
さらに、本実施形態に係る表示制御部101は、記憶部103により記憶される複数の情報から表示する情報を選択して表示させると共に、上記情報の表示制御中において、加速度センサ9によりメータボディ10に対するノックに相当する加速度が検出された場合、当該ノック方向に応じて次に表示する情報を選択する。
【0038】
ここで、上記したように、記憶部103には多くの情報が記憶されている。従来は、押し込み式の復帰ボタンを操作して、表示する情報を選択しているが、操作性が決して良いとは言えなかった。このため、本実施形態では、ノック方向に応じて次に表示する情報を選択することで、ユーザにとって感覚的且つ多彩な情報の選択を行うようにしている。
【0039】
加えて、弁制御部102は、加速度センサ9により不定周期の加速度が少なくとも3軸で検出された場合に、遮断弁7を閉動作させる。地震のときには、少なくとも3軸で不定周期の加速度が検出される。一方、直管型ガスメータ1に対して何らかの物体が当たった場合には、直管型ガスメータ1が振動して周期的に減衰する加速度が検出される。弁制御部102は、不定周期の加速度が検出された場合に地震の発生を検知して、遮断弁7を閉動作させる。これにより、加速度センサ9を利用した地震検知を行うことができ、感震器を不要とすることができる。なお、本実施形態に係る直管型ガスメータ1は、上記の構成に加えて、更に感震器を備えるものであってもよい。
【0040】
次に、本実施形態に係る直管型ガスメータ1の動作を説明する。
図3は、本実施形態に係る直管型ガスメータ1の処理内容を示す第1のフローチャートである。
図3に示すように、マイコン100は、まず加速度センサ9からの信号を入力する(S1)。次に、マイコン100は、加速度センサ9の信号から重力方向を判断する(S2)。このとき、マイコン100は、一定時間以上一定方向の加速度が検出されると、その方向を重力方向であると判断する。次いで、表示制御部101は、ステップS2にて検出された重力方向が、第1〜第4区分のいずれに属するかを判断する(S3)。
【0041】
図4は、重力方向の区分を示す直管型ガスメータ1の正面図である。本実施形態では
図4に示すように、直管型ガスメータ1を正面視した場合において、一端部10aを中心とする両側45°の範囲を第1区分とし、他端部10bを中心とする両側45°の範囲を第2区分としている。さらに、直管型ガスメータ1を正面視した場合において、第1区分に対して時計周り方向に隣接し、第1区分と第2区分とに挟まれる範囲を第3区分とし、第3区分と対向する範囲を第4区分としている。表示制御部101は、重力方向が、このような第1〜第4区分のいずれに属するかを判断する。
【0042】
再度、
図3を参照する。区分判断後(S3の後)、表示制御部101は、ステップS3にて判断した区分に応じて表示パネル2に表示される表示情報の向きを制御する(S4)。すなわち、表示制御部101は、ステップS3において重力方向が第2区分であると判断された場合、
図4に示すように、文字や数字等の表示情報DDの下端が第2区分側に向くように、表示情報DDの向きを制御する。他の区分においても同様に表示情報DDの下端がステップS3にて判断された区分側に向くように表示情報DDの向きが制御される。その後、
図3に示す処理は終了する。なお、
図3に示す処理は常時又は所定時間毎に繰り返し実行される。
【0043】
図5は、本実施形態に係る直管型ガスメータ1の処理内容を示す第2のフローチャートである。また、マイコン100は
図5に示す処理も実行する。すなわち、マイコン100は、ノック操作があったかを判断する(S11)。このとき、マイコン100は、例えば所定値以上且つ規定値未満の周期的な加速度が検出されたときに、ノック操作があったと判断する。
【0044】
ノック操作があったと判断した場合(S11:YES)、弁制御部102は、遮断弁7が弁閉状態であるかを判断する(S12)。遮断弁7が弁閉状態であると判断した場合(S12:YES)、弁制御部102は、所定の弁開操作があったと判断して、遮断弁7を弁開させる(S13)。その後、
図5に示す処理は終了する。
【0045】
一方、遮断弁7が弁閉状態でないと判断した場合(S12:NO)、表示制御部101は、情報の表示制御中であるかを判断する(S14)。このとき、表示制御部101は、直管型ガスメータ1に対する操作(設定器等の他の機器を介した操作等を含む)によって、記憶部103に記憶される情報を表示する制御状態(後述の
図6に示す情報D1〜D3のいずれかの情報D11〜D15,D21〜D24,D31〜D34が表示されている状態)に突入しているかを判断する。
【0046】
情報の表示制御中でないと判断した場合(S14:NO)、
図5に示す処理は終了する。情報の表示制御中であると判断した場合(S14:YES)、表示制御部101は、ステップS11にて検出されたノック操作のノック方向を判断する(S15)。表示制御部101は、例えばノック操作によって生じる最初の加速度方向に基づいてノック方向を判断する。すなわち、表示制御部101は、最初の加速度方向が第1〜第4区分のいずれに該当するかに基づいてノック方向を判断する。
【0047】
次に、表示制御部101は、ステップS16において判断されたノック方向に基づいて、表示する情報を選択し(S16)、選択した情報を表示する(S17)。その後、
図5に示す処理は終了する。
【0048】
ところで、ノック操作がなかったと判断した場合(S11:NO)、弁制御部102は、不定周期の加速度が3軸で検出されたかを判断する(S18)。検出されなかったと判断した場合(S18:NO)、
図5に示す処理は終了する。
【0049】
一方、不定周期の加速度が3軸で検出されたと判断した場合(S18:YES)、弁制御部102は、地震であると判断し、遮断弁7を弁閉させる(S19)。その後、
図5に示す処理は終了する。
【0050】
図6は、
図5に示したステップS17における情報選択の様子を示す概念図である。まず、
図6に示すように記憶部103には、個別積算値の情報D1、圧力情報D2、及びメータ情報D3が記憶されているものとする。また、個別積算値の情報D1は、流量区分別の流量積算値D11〜D13、連続して使用されたガス流量の積算値D14や、指定時間帯における流量積算値D15の情報から構成されているものとする。さらに、圧力情報D2は、現在の圧力値D21、調整圧力の最大値D22及び最小値D23、並びに、閉塞圧力D24の情報から構成されているものとする。加えて、メータ情報D3は、直管型ガスメータ1の電池電圧の低下が判断されてから遮断されるまでの残日数D31、微少漏洩が検知されてからの経過日数D32,D33、並びに遮断弁7の遮断事象D34の情報から構成されているものとする。
【0051】
なお、
図6では図示の都合上、各情報D1〜D3を、それぞれ4つ又は5つの情報D11〜D15,D21〜D24,D31〜D34で構成している例を示したが、各情報D1〜D3は6つ以上の情報にて構成されていてもよい。また、情報D1〜D3以外の情報を有していてもよい。
【0052】
このような場合において、従来では押し込み式の復帰ボタンを長押しすることにより、個別積算値の情報D1、圧力情報D2、及びメータ情報D3を切り替えることができる。すなわち、個別積算値の情報D1のいずれかの情報D11〜D15の表示中に復帰ボタンが長押しされると、圧力情報D2の表示に切り替えられる。同様に、圧力情報D2のいずれかの情報D21〜D24の表示中に復帰ボタンが長押しされると、メータ情報D3の表示に切り替えられ、メータ情報D3のいずれかの情報D31〜D34の表示中に復帰ボタンが長押しされると、個別積算値の情報D1の表示に切り替えられる。
【0053】
また、従来では押し込み式の復帰ボタンを短押しすることにより、各情報D11〜D15,D21〜D24,D31〜D34を切り替えることができる。例えば特大流量の流量積算値D11の情報が表示されているときに復帰ボタンが短押しされると、大流量の流量積算値D12の情報の表示に切り替えられる。以後、同様に、中流量の流量積算値D13の情報、連続使用流量の積算値D14の情報、指定時間帯における流量積算値D15の情報の順に切り替えられ、指定時間帯における流量積算値D15の情報が表示されているときに復帰ボタンが短押しされると、特大流量の流量積算値D11の情報に戻る。圧力情報D2、及びメータ情報D3も同様である。
【0054】
しかし、従来の押し込み式の復帰ボタンでは、上記のような一方通行型となる表示切替しかできず(符号A1の切り替えのみで符号A2の切り替えができず)、利便性に劣るものである。これに対して、本実施形態ではノック方向に基づいて表示する情報を選択するため、感覚的且つ多彩な情報の選択を行うことができる。
【0055】
例えば、直管型ガスメータ1を正面視してメータボディ10の右側からノック操作した場合、選択されている情報を従来の押し込み式の復帰ボタンと逆に切り替えることができる。すなわち、連続使用流量の積算値D14の情報が表示されているときに、メータボディ10の右側からノック操作した場合、符号A2に示すように、中流量の流量積算値D13の情報を選択させるように切り替えることができる。同様に、直管型ガスメータ1を正面視してメータボディ10の下側からノック操作した場合においても選択されている情報を従来の押し込み式の復帰ボタンと逆に切り替えることができる。すなわち、圧力情報D2のいずれかの情報D21〜D24の表示中に下側からノック操作した場合、符号A2に示すように、個別積算値の情報D1を選択させるように切り替えることができる。
【0056】
さらに、直管型ガスメータ1を正面視してメータボディ10の上側又は左側からノック操作した場合、符号A1に示すように、従来の押し込み式の復帰ボタンの切り替えと同様の表示切替を行うことができる。
【0057】
このような表示情報の選択によって、感覚的且つ多彩な情報の選択を行うことができるようにしている。
【0058】
このようにして、本実施形態に係る直管型ガスメータ1によれば、重力方向に応じて表示パネル2に表示される表示情報の向きを制御するため、縦向きに設置されたり横向きに設置されたりしたとしても、表示情報の向きを制御でき、取り付け状態に応じて適切な表示を行うことができる。
【0059】
また、遮断弁7の弁閉時に所定の操作があった場合に遮断弁7を開動作させる弁制御部102を備え、メータボディ10に対するノックに相当する加速度が検出された場合、所定の操作があったと判断する。このため、従来と同様の遮断弁の復帰ボタン(押し込み式の復帰ボタン)を直管型ガスメータ1に設ける必要がない。特に、押し込み式の復帰ボタンを押す行為については復帰させても良いかについて不安や怖さを感じてしまうユーザがいるが、このようなユーザに対しては不安や怖さの軽減につなげることができる。また、直管型ガスメータ1は、1方向に延びる構成であることからコンパクトであり、押し込み式の復帰ボタンを設置するにはスペース上の問題があり大型化を招いてしまうが、押し込み式の復帰ボタンを設ける必要がなくなるため、直管型ガスメータ1に適した遮断弁7の復帰構成を提供することができる。
【0060】
また、加速度センサ9は3軸方向に対する加速度を検出するものであって、加速度センサ9により不定周期の加速度が3軸で検出された場合に、遮断弁7を閉動作させるため、表示の適正化及び操作機能を実現するために設置される加速度センサ9を利用して、更に従来の感震器と同様の地震検知を行うことができる。
【0061】
また、記憶される複数の情報から表示する情報を選択して表示させると共に、加速度センサ9によりメータボディ10に対するノックに相当する加速度が検出された場合、当該ノック方向に応じて次に表示する情報を選択する。このため、押し込み式の復帰ボタンと比較してノック方向(例えば4方向)に応じたユーザにとって感覚的且つ多彩な情報の選択を行うことができる。
【0062】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0063】
例えば、上記実施形態においてガス流路13は、完全なストレート形状として破線にて図示したが、これに限らず、例えばガス流入口11やガス流出口12の直径の範囲内程度の屈曲及び湾曲を許容するものであり、この程度の屈曲及び湾曲を有していてもガスメータを直管型とすることに支障がないことから、このようなガス流路13についてもストレート形状の概念に含むものとする。さらに、ソレノイド弁やモータ弁を設けるための屈曲についても許容するものである。
【0064】
また、上記では重力方向が4つの区分のいずれに該当するかを判断し、これに応じて表示情報の向きを制御しているが、区分は4つに限らず、いくつでも良い。特に、区分数を360やこれを超えるものとし、直管型ガスメータ1が斜め方向に設置される場合においても、文字や数字の下端が重力方向となるようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態において加速度センサ9は、3軸方向の加速度を検出するものであるが、加速度センサ9に基づいて地震検知を行わない場合には3軸は必要なく、2軸であってもよい。さらに、加速度センサ9に基づいて地震検知を行う場合には3軸に限らず、例えば6軸センサなど、4軸以上の加速度検出が可能であるものが用いられてもよい。