(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記穀粒の貯留量を検出する籾センサーは、グレンタンクの壁面に設置するため、グレンタンクの内部の凹凸形状に籾センサーの配置が制限されて、きめ細かく穀粒の貯留量を検出することは困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、グレンタンクの内部に穀粒の検知手段を適切な位置に配置することで、高い精度で正確に穀粒の貯留量を検出することができるコンバインを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、刈取られた穀稈を脱穀する脱穀部(6)と、脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(7)と、を備えたコンバイン(1)において、
前記グレンタンク(7)の上部と下部とに亘って延設された柱部材(41)と、
前記グレンタンク(7)の内部に突出して設けられた穀粒搬送路(17)と、
前記穀粒搬送路(17)に設けられ、前記脱穀部(6)から搬送された穀粒を掻き出し板(22)により前記グレンタンク(7)の内部に放出する放出口(19)と、
前記柱部材(41)に支持されて、上下に並べられた複数の穀粒検知手段(42)と、を備え、
前記柱部材(41)は、前記グレンタンク(7)の最深部の近傍に配置され、
前記複数の穀粒検知手段(42)は、前記グレンタンクの前記下部から前記放出口より上方の前記上部に亘って配置され、
前記柱部材並びに前記柱部材に支持される前記複数の穀粒検知手段(42)は、前記掻き出し板(22)により飛散する穀粒が当たらない位置に配置されてなる、
ことを特徴とする。
【0007】
例えば
図4、
図5、
図6、
図8及び
図9を参照して、
前記柱部材(41)に支持され、前記複数の穀粒検知手段(42)を制御する制御部(43)
と、
前記グレンタンク(7)の天板(30)に形成された開口(30a)を閉塞する着脱板(40)と、を備え、
前記柱部材(41)は、前記着脱板(40)と前記グレンタンク(7)の底板(31)とを連結し、
前記着脱板(40)、前記複数の穀粒検知手段(42)及び前記制御部(43)を設けた前記柱部材(41)
は、前記グレンタンク(7)から着脱可能な穀粒検出ユニット(39)を構成する。
【0008】
例えば
図4を参照して、上下方向に隣接する前記穀粒検知手段(42)の少なくとも一部が、上下方向においてその一部が重なるようにかつ上下方向に直交する方向にずれるように配置されてなる。
【0009】
例えば
図4及び図
7を参照して、
前記掻き出し板(22)は、前記穀粒搬送路(17)内に回転可能に設けられ且つ水平方向に延びる回転軸(20)を中心に回転可能であり、
前記放出口(19)は、前記回転軸(20)の下方から上方に亘って延在してなる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によると、グレンタンクの内部の柱部材に上下に亘って複数の穀粒検知手段を設けたので、グレンタンクの内壁の継ぎ目や凹凸に影響を受けず、所望の高さに穀粒検知手段を配置をすることができ、穀粒の貯留量を高い精度で正確に検出できる。また、柱部材はグレンタンクの上部と下部に亘って固定されるので、穀粒検知手段を支持すると共にグレンタンクの剛性を向上することができる。
また、掻き出し板によって飛散する穀粒が穀粒検知手段に接触して誤検知する虞や穀粒検知手段を破損する虞がない。また、グレンタンクの最深部の近傍に柱部材を設けたので、穀粒の貯留量が少ない場合でも穀粒を検出できる。
【0011】
請求項2に係る本発明によると、穀粒検知手段及び制御部を柱部材に設けて穀粒検出ユニットとしてグレンタンクから着脱可能としたので、穀粒検知手段の着脱作業性やメンテナンス性を向上できる。また、穀粒検知手段の配置の変更や穀粒検知手段の仕様変更を行う際の対応が容易となる。
【0012】
請求項3に係る本発明によると、上下方向に隣接する穀粒検知手段の少なくとも一部が、上下方向においてその一部が重なるようにかつ上下方向に直交する方向にずれるように配列されるので、上下方向に大きな穀粒検知手段を使用する場合であっても高い分解能で穀粒を検出できる。
【0013】
請求項4に係る本発明によると、
放出口が回転軸の上方から下方に亘って延在しているので、放出口から掻き出された穀粒をグレンタンク内に広く行き渡らせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るコンバイン1は、汎用コンバインであって、
図1及び
図2に示すように、左右一対のクローラ式走行装置2を有する走行機体3と、走行機体3の前方に昇降自在に連結された前処理部5と、穀稈を脱穀する脱穀部6と、穀粒を貯留するグレンタンク7と、運転席9を備えてオペレータが搭乗するキャビン10と、を有する。なお、本実施の形態では、水平に載置されたコンバイン1の運転席9に着座したオペレータが向いている正面方向Xを前方とし、これを基準に前後左右方向を定義する。
【0016】
走行機体3の右前部にはエンジン(図示せず)が設けられ、エンジンで発生した動力は、走行系の動力と作業系の動力とに分岐される。走行系の動力は、左右のクローラ式走行装置2に伝動され、作業系の動力は、刈取クラッチ(図示せず)を介して前処理部5に伝動される他、脱穀クラッチ(図示せず)を介して脱穀部6及びグレンタンク7等に伝動される。前処理部5は、左右方向に延びる筒状のリール11、リール11を上下方向及び前後方向に移動可能に支持する可動機構(図示せず)、レシプロ式の刈刃12及びフィーダコンベア(図示せず)を備えるフィーダ13を有する。回転するリール11によって掻込まれた圃場の穀稈は刈刃12によって刈取られ、フィーダコンベアにより脱穀部6へ搬送される。脱穀部6は扱室(図示せず)と、扱室の下部に配置される選別室(図示せず)と、を有し、脱穀部6へ搬送された穀稈は扱室に設けられて回転する扱胴(図示せず)により脱穀されて落下し、選別室で廃藁と穀粒とに分けられる。脱穀された穀粒は揚穀コンベア16によってグレンタンク7の内部に搬送され、貯留される。
【0017】
グレンタンク7の内側の最深部には前後方向に沿うように排出螺旋35(
図4参照)が回転自在に設けられている。排出螺旋35の回転により、グレンタンク7の最深部に貯留された穀粒はグレンタンク7の後部へ向けて搬送され、グレンタンク7の下部後方からグレンタンク7の外部に搬出され、穀粒を揚送する縦搬送螺旋(図示せず)を備える排出オーガ37によって、機外へ排出される。
【0018】
次いで、グレンタンク7及びその周辺部について、
図3乃至
図7に沿って説明する。揚穀コンベア16は、脱穀部6とグレンタンク7の間に配置されており、動力伝動ケース15及び横螺旋筒17(穀粒搬送路)を有する。動力伝動ケース15の内部には、軸回転するプーリ(図示せず)や、プーリの回転により作動し、脱穀部6の下部からグレンタンク7の上部へ延設されているベルト(図示せず)等が設けられている。
【0019】
円筒状の横螺旋筒17は、動力伝動ケース15の上端からグレンタンク7の上部付近の側壁を貫通してグレンタンク7の内部に向けて突出して設けられている。横螺旋筒17は、その内部に設けられて横螺旋軸20の回りに螺旋状に一体で形成された横螺旋21と、横螺旋筒17の終端の筒面に後方へ向けて開口する放出口19と、横螺旋21の先端に設けられ、横螺旋筒17の内面に近接するように配置されて横螺旋21に固定された掻き出し板22と、横螺旋21の回転異常を検出するために横螺旋21の回転量を電気信号に変換する回転センサ23と、を有する。
【0020】
脱穀部6で脱穀された穀粒は、動力伝動ケース15の内部をベルトにより脱穀部6の下部からグレンタンク7の上部まで揚送され、横螺旋筒17の内部を横螺旋21の回転によりグレンタンク7の内部へ右方搬送され、横螺旋21と一体で回転する掻き出し板22により放出口19からグレンタンク7の内部へ散布される。放出口19は横螺旋筒17の下部から上部に亘って所定の範囲K(
図7(b)参照)で形成されており、掻き出し板22が右側面視で時計回りに回転することにより、放出口19の下方から後方に亘ってグレンタンク7の内部に広く穀粒が行き渡るよう構成されている。
【0021】
グレンタンク7は、前板25、後板26、右板27、左板29、天板30を有して、その上下方向の所定範囲の横断面積が略一定となるようにグレンタンク7の前面、後面、左面、右面及び上面を形成すると共に、下面を第1底板31及び第2底板32で塞いで箱状に形成されている。前板25及び天板30には、グレンタンク7の内部を確認するための開閉可能なメンテナンス孔36が形成されている。第1底板31及び第2底板32は、共に前後方向に延設される略平面状の板金で形成されて、かつ互いに所定の角度を有してグレンタンク7の下面が排出螺旋35に向けて下方へ傾斜するように配置されている。すなわち、前板25、後板26、第1底板31及び第2底板32は、横断面積が下方へ向かうに従って漸減するように形成されており、排出螺旋35の回転によりグレンタンク7の最深部に貯留されている穀粒が後方へ搬送されると、第1底板31及び第2底板32の傾斜に沿って上方の穀粒が順次排出螺旋35に集まるように構成されている。グレンタンク7の内部には、貯留された穀粒の重量によってグレンタンク7が変形することを防ぐため、板金等で形成された複数の補強板33が設けられている。
【0022】
グレンタンク7には、グレンタンク7の内部に貯留された穀粒の貯留量を検出し得る穀粒検出ユニット39が設けられている。該穀粒検出ユニット39は、
図8及び
図9に示すように、グレンタンク7の天板30に開口するユニット着脱口30aを閉塞するユニット着脱板40と、ユニット着脱板40の下面とグレンタンク7の第1底板31とを連結する検出ベース41(柱部材41)と、検出ベース41の下端付近から検出ベース41の上端付近に亘って複数並べられたタッチスイッチ42(穀粒検知手段42)と、ユニット着脱板40の上面に載置されて複数のタッチスイッチ42を制御する制御部43と、検出ベース41の前面を下端から上端まで覆う検出カバー45と、タッチスイッチ42と制御部43とを電気的に接続するスイッチハーネス46と、検出ベース41の下端に設けられて、検出ベース41と第1底板31とを接続するL字プレート47と、検出ベース41の下端に設けられるガイド部材49と、を有する。
【0023】
検出ベース41は、上下方向に延伸する板金で形成されて、前後に面して配置されたスイッチ取付板41aと、スイッチ取付板41aの両端を前方へ向けて折り曲げて形成した締結板41bと、により、断面コ字状に一体に形成されている。締結板41bの内側にはベースナット41cが溶接等により固定されており、ベースナット41cの固定位置に対応して締結板41bに形成されているベースボルト穴(図示せず)を通して締結板41bの外側からベースボルト41dが挿入されている。
【0024】
検出カバー45は、上下方向に延伸する板金で形成されて、スイッチ取付板41aの前面に対向するカバー板45aと、カバー板45aの両端を後方へ向けて折り曲げて形成した被締結板45bと、により、断面コ字状に一体に形成されている。被締結板45bにはU字状の切欠き45cが形成されており、締結板41bに設けられたベースボルト41dを緩めた状態で、ベースボルト41dの頭部と締結板41bの間に被締結板45bを挿入してベースボルト41dに切欠き45cを係合させ、ベースボルト41dを締めることで、検出カバー45が検出ベース41に固定され、カバー板45a、スイッチ取付板41a、締結板41b及び被締結板45bにより前後左右を筒状に囲まれる断面長方形の空間が形成され、該空間にはスイッチハーネス46が配索される。
【0025】
L字プレート47は、板金をL字状に折り曲げて形成されており、検出ベース41に固定される固定板47aと、第1底板31に密着して固定される支持板47bと、を有する。支持板47bの上面にはプレートナット47cが溶接等により固定されており、プレートナット47cの固定位置に対応して支持板47bに形成されているプレートボルト穴(図示せず)を通してグレンタンク7の外部からプレートボルト47dを装着することで、L字プレート47がグレンタンク7に固定される。このように、ユニット着脱板40とL字プレート47を介して、検出ベース41は天板30と第1底板31とを連結して固定される。ガイド部材49は、支持板47bの上部であって、締結板41b及び被締結板45bと、第1底板31と、が鋭角を成す部分に、スイッチ取付板41aとカバー板45aとを外側から前後方向に挟むように固定されており、第1底板31に沿って上方へ向かうに従い徐々に前後の幅が小さくなる傾斜面49aが形成されている。
【0026】
タッチスイッチ42は、後方が開放する円筒状に形成されて、スイッチ取付板41aの後面に固定されるスイッチ本体42bと、スイッチ本体42bの後面側を覆って塞ぐ円盤状のダイヤフラム42aと、スイッチ本体42bの内部でかつダイヤフラム42aの前方に配置されて、ダイヤフラム42aの変形を検知する接点スイッチ(図示せず)と、を有する。ダイヤフラム42aは、後方水平方向よりやや上方に向けて配置されており、ゴム等の伸縮性を有する材質で形成され、穀粒未検知状態において、ダイヤフラム42aの前面の中心は接点スイッチに近接して配置されている。検出ベース41は、放出口19及び排出螺旋35のそれぞれの近傍でかつ横螺旋軸20より後方であって、放出口19からの穀粒の飛散範囲L(
図5参照)の範囲外にダイヤフラム42aが配置される位置に立設されている。
【0027】
タッチスイッチ42は、上下に直線的に並べられる第1の列と、同じく上下に直線的に並べられる第2の列と、を構成するように配置され、第2の列は第1の列に対して平行にかつ隣接して設けられている。また、第2の列のタッチスイッチ42の高さは、第1の列において上下に隣接する2つのタッチスイッチ42の間の高さとなるように、すなわち、タッチスイッチ42はスイッチ取付板41aに千鳥状に配置されている。また、第1の列の一つのダイヤフラム42aは、上下に隣接する第2の列の他のダイヤフラム42aと左右方向においてその一部が重なっており、グレンタンク7の横断面積が最大の部分においては、上記二つのダイヤフラム42aは上下方向においてもその一部が重なって配置されている。
【0028】
タッチスイッチ42は、グレンタンク7の下端を通過する水平面と、最も下方に配置されたタッチスイッチ42のダイヤフラム42aの中心を通過する水平面と、の間のグレンタンク7の内部の容積が、上下に隣接する任意のダイヤフラム42aの中心を通過するそれぞれの水平面間の容積と略同一となるように配置されている。即ち、グレンタンク7の横断面積が一定である範囲においては、上下に隣接するダイヤフラム42aの上下の間隔が略一定となるように配置されており、横断面積が下方へ向かうに従って漸減する範囲においては、上下に隣接するダイヤフラム42aの上下の間隔が下方へ向かうに従って徐々に長くなるように配置されている。
【0029】
制御部43は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、インターフェース(図示せず)等を含むマイクロコンピュータ(図示せず)を備えている。制御部43には複数のコネクタ43aが設けられており、該コネクタ43aは、ユニット着脱板40に形成された配線挿通孔40aを通して検出ベース41と検出カバー45との間に配索されているスイッチハーネス46により、接点スイッチと電気的に接続されると共に、検出ユニットハーネス(図示せず)により、コンバイン1の各部へ電源を供給する電源部(図示せず)や、キャビン10の内部に設けられてオペレータに穀粒の貯留情報を表示する表示部(図示せず)と電気的に接続されている。また、配線挿通孔40aの縁にはゴム等の硬度が低い材質で形成された保護部材40cが取り付けられており、該保護部材40cは、スイッチハーネス46を保護すると共に、グレンタンク7の気密性を高めている。
【0030】
グレンタンク7の内部の穀粒によりダイヤフラム42aの後面が前方へ向けて押されることによりダイヤフラム42aの中心が前方へ変位すると、接点スイッチが押されて接点スイッチが制御部43により通電され、または制御部43から接点スイッチへの電流が遮断される。接点スイッチへの電流が断接されると、複数配置された何れの接点スイッチが通電されているか否かに基づいて、制御部43が穀粒の貯留量を算出して、表示部へ穀粒の貯留量を表示する信号を送り、表示部に穀粒の貯留量が表示される。
【0031】
ユニット着脱板40は天板30に天板ボルト40bで固定されており、制御部43のコネクタ43aから検出ユニットハーネスを外し、天板ボルト40bとプレートボルト47dを外すことで、穀粒検出ユニット39はグレンタンク7から取り外すことができる。
【0032】
本実施の形態は、以上のような構成からなるので、グレンタンク7の内部の検出ベース41に上下に亘って複数のタッチスイッチ42を配置することにより、グレンタンク7の継ぎ目、凹凸または補強板33の配置等に影響を受けず、所望の高さにタッチスイッチ42を配置をすることができ、穀粒の貯留量を高い精度で正確に検出できる。また、検出ベース41と検出カバー45とにより一体で筒状の柱を構成し、該筒状の柱がグレンタンク7の上部と下部とを連結して固定したことにより、タッチスイッチ42を支持しつつグレンタンク7の剛性を向上したので、部品点数を削減し、コストダウンできる。また、ダイヤフラム42aは水平方向よりやや上向きに配置されているため、穀粒の圧力を効率的に接点スイッチに伝えることができ、検出精度を向上できる。
【0033】
ユニット着脱板40、タッチスイッチ42、制御部43、スイッチハーネス46、検出ベース41等を穀粒検出ユニット39としてグレンタンク7から一体で着脱可能としたので、タッチスイッチ42の着脱作業性やメンテナンス性を向上できる。また、タッチスイッチ42の配置の変更等、穀粒検出ユニット39の仕様変更を行う際の対応が容易となる。例えば、配置されるタッチスイッチ42の数量の増減によりグレンタンク7の内部の穀粒量を検出する分解能を変更したい場合や、タッチスイッチ42を改良品に更新する場合等は、グレンタンク7を変更する必要がなく、穀粒検出ユニット39を、それぞれタッチスイッチ42の数量を増減した穀粒検出ユニット39やタッチスイッチ42の改良品を搭載した穀粒検出ユニット39と交換することで対応できる。例えば、グレンタンクの内部の壁面に穀粒を検出するセンサー等が設けられている従来機を本実施の形態に係るコンバイン1へ変更する場合は、グレンタンクの内部のセンサー等を取り除き、グレンタンクの不要な穴を塞いだ上で、穀粒検出ユニット39を取り付ける為の軽微な改造を行うこと等により、対応できる。
【0034】
また、穀粒検出ユニット39をグレンタンク7から取り外すことで、穀粒検出ユニット39やグレンタンク7の内部の清掃が容易となり、コンバイン1を複数の穀物の刈取りに使用する場合でも他の穀粒が混入する虞を減らすことができる。また、穀粒検出ユニット39を着脱する際に挿抜する配線は制御部43のコネクタ43aに集約されているので、穀粒検出ユニット39を取り外す作業を容易とし、また、穀粒検出ユニット39を取付ける際に配線を接続し忘れる虞を減らすことができる。スイッチハーネス46は配線挿通孔40aを通して制御部43に接続されているので、穀粒検出ユニット39を取り付ける際に配線をグレンタンク7とユニット着脱板40との間に挟んで損傷する虞を減らすことができる。
【0035】
安定した検出結果を得るためには穀粒からの圧力を受けるダイヤフラム42aの面積が大きなタッチスイッチ42を使用することが求められるが、上下方向に大きなタッチスイッチ42を使用する場合においても、上下方向に隣接するタッチスイッチ42が、上下方向においてその一部が互いに重なるようにかつ上下方向とは直交する方向である左右方向にずれるように配列されることにより、高い分解能で穀粒を検出できる。また、第1の列の一つのダイヤフラム42aは、上下に隣接する第2の列の他のダイヤフラム42aと左右方向において一部が重なって配置されているので、検出ベース41の左右方向の幅を小さく設定することができ、部品のコンパクト化によるコストダウンや、グレンタンク7の容量の拡大をすることができる。
【0036】
タッチスイッチ42は、横断面積が下方へ向かうに従って漸減する範囲において、グレンタンク7の横断面積の漸減に伴って上下方向の間隔が長くなるように配置されているので、グレンタンク7の横断面積が上下方向に不均一である場合でも穀粒の貯留量を検出する分解能をグレンタンク7の上下に亘って略一定にすることができ、所望の分解能に合わせてタッチスイッチ42を無駄なく配置することができる。
【0037】
掻き出し板22によって飛散する穀粒がタッチスイッチ42のダイヤフラム42aに接触して誤検知する虞やタッチスイッチ42が破損する虞がない。また、放出口19の近傍に検出ベース41及びダイヤフラム42aを設けたので、グレンタンク7の内部に山状に堆積する穀粒の頂点または最下点の何れでもなく、平均高さに近い部位の高さを検出できる。また、グレンタンク7の最深部の近傍にダイヤフラム42aを設けたので、穀粒の貯留量が少ない場合でも検出できる。また、タッチスイッチ42は、グレンタンク7の下端を通過する水平面と、最も下方に配置されたタッチスイッチ42のダイヤフラム42aの中心を通過する水平面と、の間のグレンタンク7の内部の容積が、上下に隣接する任意のダイヤフラム42aの中心を通過する水平面間の容積と略同一となるように配置されているので、略一定量毎の穀粒の貯留量の変化を検出することができ、オペレータが貯留量の変化を容易に認識することができる。
【0038】
ガイド部材49を、支持板47bの上部であって、締結板41b及び被締結板45bと、第1底板31と、が鋭角を成す部分に、スイッチ取付板41aとカバー板45aとを外側から挟むように固定して設けたので、第1底板31を滑落する穀粒が穀粒検出ユニット39に引掛り留まる虞が少なく、コンバイン1を複数の穀物の刈取りに使用する場合でも他の穀粒が混入する虞を減少することができる。
【0039】
なお、検出ベース41は、L字プレート47を介してプレートボルト47dにより第1底板31に固定されることとしたが、第1底板31にL字プレート47が引掛けられて保持されるようにしても良いし、第1底板31には固定されず天板30から吊り下げられることとしても良いし、検出ベース41が第1底板31に上方から差し込まれることによりその前後左右が規制されるようにしても良い。これにより、穀粒検出ユニット39を着脱する際にプレートボルト47dを着脱する必要がないので、着脱作業の手間を省くことができる。また、タッチスイッチ42は第1の列と第2の列を構成するようにスイッチ取付板41aに配置したが、第2の列は第1の列とは反対向きにカバー板45aに配置しても良いし、タッチスイッチ42が上下に直線的に並べられる新たな第3、第4の列を構成するように配置しても良い。
【0040】
また、グレンタンク7の内部における穀粒の検出には接点スイッチを使用したが、赤外線センサ等の光学センサでダイヤフラム42aの変位を検知しても良いし、タッチスイッチ42の代わりに光学センサ、超音波センサまたは感圧センサ等を配置して穀粒の有無を直接検出しても良い。また、穀粒の貯留量は体積または体積に基づいて制御部により算出された重量を数値等で表示しても良いし、各タッチセンサの検知と不検知を個別に表示することで貯留量を視覚的に表示しても良い。また、制御部43はディスクリート回路により形成されていても良いし、半導体集積回路素子として一体に形成されていても良い。