(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
油またはガスを輸送するためのパイプまたはパイプラインの少なくとも一部を含む金属物品を準備すること、ここで、当該物品は、30〜45分間、165℃〜185℃の温度に予熱される、
粉体コーティング組成物を予熱した物品の表面に塗布すること、
粉体コーティング組成物を塗布した物品を3分間以内で焼成して、乾燥フィルム厚が約200〜500μmである完全に硬化した防食性フィルムを形成すること、
を含む、金属物品の腐食を防止し、陰極剥離耐性を向上させる方法であって、
粉体コーティング組成物が、約40〜70重量%のエポキシ樹脂組成物および約1〜3重量%の硬化剤を含むものであり、ASTM G−95にしたがって決定される陰極剥離が、硬化後で11mm未満であり、前記硬化剤が、以下の式I:
NH2−NH−C=(O)−[R1−C=(O)]n−NH−NH2 (I)
[式中、R1は、カルボン酸に由来する多価有機ラジカルであり、nは1または0である]
の構造を有する、上記方法。
前記硬化剤が、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、エチルマロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジドおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
前記硬化剤が、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジドおよびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[004]
上述の点から、より低温で硬化させることができ、それによって、高級鋼パイプの腐食を防止し、従来のパイプコーティングに比べて起こりうる陰極剥離を低減する粉体コーティング組成物が当該技術分野において必要とされていることが理解されるであろう。このような粉体組成物を調製する方法を本明細書に開示し請求する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[005]
本発明は、低塗布温度で硬化する粉体コーティング組成物について記載し、また、このような組成物で物品をコーティングする方法についても記載する。
【0006】
[006]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体コーティング組成物は、エポキシ組成物及び硬化剤を含む。組み合わせたとき、エポキシ組成物及び硬化剤は、2分間以内に約175℃〜185℃の温度で硬化する粉体コーティング組成物を形成する。
【0007】
[007]
別の実施形態では、エポキシ組成物及び硬化剤を提供する工程と、前記エポキシ組成物及び前記硬化剤を組み合わせて粉体コーティング組成物を形成する工程と、を含む、物品をコーティングする方法を本明細書に記載する。前記方法は、粉体コーティング組成物を基材に塗布する工程と、2分間以内、約165℃〜185℃で粉体コーティング組成物を硬化させる工程と、を更に含む。
【0008】
[008]
本発明の上述の「発明の概要」は、本発明の開示される各々の実施形態又は全ての実施を記載することを目的としていない。以下の説明により、例示的な実施形態をより具体的
に例示する。本出願の幾つかの箇所で、実施例の一覧として説明を提供するが、実施例は様々な組み合わせにて使用することが可能である。いずれの場合にも、列挙した一覧は、代表的な群としてのみ役立つものであり、排他的な一覧として解釈されるべきではない。
【0009】
[009]
本発明による1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の明細書に記載する。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0010】
選択的定義
[010]
特に明記しない限り、本明細書で使用される以下の用語は、以下に提示する意味を有する。
【0011】
[011]
本明細書で使用するとき、用語「有機基」は、脂肪族基、環式基、又は脂肪族基と環式基との組み合わせ(例えば、アルカリル及びアラルキル基)として分類される炭化水素基(酸素、窒素、硫黄及びケイ素等の炭素及び水素以外の任意の元素を有する)を意味する。有機基は、本明細書に記載するとき、一価、二価、又は多価であってよい。用語「脂肪族基」は、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキル、アルケニル及びアルキニル基を包含するのに使用される。用語「アルキル基」は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシル等を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「アルケニル基」は、例えば、ビニル基等の1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「アルキニル基」は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。用語「環式基」は、脂環式基又は芳香族基として分類され、両方ともヘテロ原子を含んでよい閉環炭化水素基を意味する。用語「脂環式基」は、脂肪族基の特性と類似する特性を有する環状炭化水素基を意味する。用語「Ar」は、二価アリール基(即ち、アリーレン基)を指し、二価アリール基は、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、フルオレニレン、及びインデニル、並びにヘテロアリーレン基(即ち、環内の1つ以上の原子が、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素、硫黄等)である閉環炭化水素)等の閉鎖した芳香環又は環系を指す。好適なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル、ピラジニル、1−オキシドピリジル(oxidopyridyl)、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられる。このような基が二価であるとき、典型的には「ヘテロアリーレン」基(例えば、フリレン、ピリジレン等)と呼ばれる。
【0012】
[012]
本発明の化合物の有機基において、置換が予想される。用語「基」を化学置換基を説明するために本明細書で使用するとき、説明される化学物質は、非置換基、並びに例えば(アルコキシ基中のように)鎖中に、例えばO、N、Si又はS原子を有する基、及びカルボニル基又は他の従来の置換を含む。例えば、語句「アルキル基」は、純粋な鎖式飽和炭化水素アルキル置換基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル等)だけではなく、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルスルホニル、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシル等の当技術分野において公知の更なる置換基を有するアルキル置換基
も含むことを意図する。したがって、「アルキル基」は、エーテル基、ハロアルキル、ニトロアルキル、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、スルホアルキル等を含む。
【0013】
[013]
別途記載のない限り、「(メタ)アクリレート」化合物(「メタ」が括弧付きの場合)への言及は、アクリレート化合物及びメタアクリレート化合物の両方を含むことを意味する。
【0014】
[014]
用語「ポリカルボン酸」は、ポリカルボン酸及びその無水物の両方を含む。
[015]
用語「上に(on)」は、表面又は基材上に(on)塗布されたコーティングに関して用いられるとき、表面又は基材に直接又は間接的に塗布されたコーティングの両方を含む。したがって、例えば、基材を覆っているプライマー層に塗布されたコーティングは、基材上に塗布されたコーティングを構成する。
【0015】
[016]
別途記載のない限り、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマー(即ち、2種以上の異なるモノマーのポリマー)の両方を含む。
【0016】
[017]
「含む(comprises)」という用語及びその変形は、それらの用語が明細書及び請求項
に出現する箇所において、限定的な意味を有するものではない。
【0017】
[018]
用語「好ましい」及び「好ましくは」は、特定の状況下で特定の利益を提供し得る本発明の実施形態を指す。しかし、同じ又は他の状況下において、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを示すものではなく、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものでもない。
【0018】
[019]
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1以上の」は、互換的に使用される。したがって、例えば「an」添加剤を含むコーティング組成物は、コーティング組成物が、「1つ以上の」添加剤を含むことを意味すると解釈し得る。
【0019】
[020]
本明細書では更に、端点による数の範囲の記載には、その範囲内に含まれる全ての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。更に、範囲の開示は、より広い範囲内に含まれる全ての部分範囲の開示を含む(例えば、1〜5は、1〜4、1.5〜4.5、1〜2等を開示する)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[021]
本明細書に記載する本発明の実施形態は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む組成物及び方法であって、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤とを組み合わせて、2分間以内に約165℃〜185℃の温度で硬化する粉体コーティング組成物を形成する組成物及び方法を含む。本明細書に記載する方法は、エポキシ樹脂及び硬化剤を提供する工程と、前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を組み合わせて粉体コーティング組成物を形成する工程と、前記組み合
わせを基材に塗布する工程とを含む。前記方法は、更に、前記粉体コーティング組成物を約165℃〜185℃の温度で2分間以内硬化させる工程を含む。
【0021】
[022]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体組成物は、少なくとも1つの高分子結合剤を含む硬化性組成物である。好適な高分子結合剤は、一般的に、フィルム形成樹脂を含む。結合剤は、所望のフィルム特性をもたらす任意の樹脂又は樹脂の組み合わせから選択してよい。高分子結合剤の好適な例としては、熱硬化性及び/又は熱可塑性材料が挙げられ、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、フルオロポリマー、シリコーン、他の樹脂類、又はこれらの組み合わせから作製できる。粉体コーティング用途において高分子結合剤として使用するには、熱硬化性材料が好適であり、エポキシ、ポリエステル、及びアクリルが好ましい。
【0022】
[023]
好ましい実施形態では、高分子結合剤は、少なくとも1つのエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドを含む。好適なポリエポキシドは、好ましくは、1分子当たり少なくとも2つの1,2−エポキシド基を含む。1つの態様では、エポキシ当量は、ポリエポキシドの総固形分含量に基づいて、好ましくは、約100〜約4000、より好ましくは、約500〜約1000である。ポリエポキシドは、脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式であってよい。1つの態様では、ポリエポキシドは、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル基、エーテル基等の置換基を含んでよい。
【0023】
[024]
本明細書に記載する組成物及び方法で用いられる好適なエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドは、限定するものではないが、エピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンと、例えば、ポリフェノールとの、典型的には且つ好ましくはアルカリの存在下における反応によって形成されるエポキシエーテルが挙げられる。好適なポリフェノールとしては、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)−メタン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,5−ヒドロキシナフタレン等が挙げられる。ビスフェノールA及びビスフェノールAのジグリシジルエーテルが好ましい。
【0024】
[025]
また、好適なエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドは、多価アルコールのポリグリシジルエーテルを含んでよい。これら化合物は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに由来してよい。他の好適なエポキシド又はポリエポキシドとしては、エピハロヒドリン又は他のエポキシ組成物と、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族ポリカルボン酸との反応によって形成されるポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルが挙げられる。1つの態様では、二量体化不飽和脂肪酸と高分子ポリカルボン酸とが反応してもポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルを生成することができる。
【0025】
[026]
1つの実施形態では、本明細書に記載するエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドは、エチレン性不飽和脂環式化合物の酸化によって誘導される。エチレン性不飽和脂環式化合
物は、酸素、過安息香酸、酸−アルデヒドモノ過酢酸塩、過酢酸等との反応によってエポキシ化される。このような反応によって生成されるポリエポキシドは、当業者に公知であり、限定するものではないが、エポキシアクリルエーテル及びエステルが挙げられる。
【0026】
[027]
1つの実施形態では、本明細書に記載するエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドは、エピハロヒドリンとアルデヒド及び一価又は多価フェノールの縮合生成物との反応によって得られるエポキシノボラック樹脂を含む。例としては、限定するものではないが、エピクロロヒドリンと、ホルムアルデヒド及び様々なフェノール(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルメチルフェノール、フェニルフェノール、ビフェノール、ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等)の縮合生成物との反応生成物が挙げられる。
【0027】
[028]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体組成物は、1つ以上のエポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドを含む。1つの態様では、エポキシ樹脂組成物又はポリエポキシドは、粉体組成物の総重量に基づいて、約20〜90重量%、好ましくは約30〜80重量%、より好ましくは約40〜70重量%、最も好ましくは約50〜60重量%の範囲で存在する。
【0028】
[029]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体組成物は、少なくとも1つの硬化剤を含む硬化性組成物である。1つの実施形態では、本明細書に記載する硬化剤は、硬化時間が約3分間以下である固体、可撓性、エポキシ官能性粉体組成物を得るのに役立つ。
【0029】
[030]
1つの態様では、硬化剤は、エポキシ樹脂組成物と相溶性であり、且つ粉体組成物を硬化及び塗布するために用いられる温度で融解したときのみ粉体組成物を硬化させる機能を有するように選択される。したがって、本明細書に記載する低塗布温度について、硬化剤は、本明細書に記載する塗布温度の範囲内、即ち、約165℃〜185℃、好ましくは170℃〜180℃の融点又は軟化点を有するように選択される。
【0030】
[031]
1つの実施形態では、本明細書に記載する硬化剤は、式(I)に示す構造を有する1つ以上の組成を含む:
NH
2−NH−C=(O)−[R1−C=(O)]n−NH−NH2 (I)
1つの態様では、式(I)中、R1は、ポリカルボン酸に由来する1〜25個の炭素原子を有する多価有機ラジカルであり、nは、1又は0である。別の態様では、R1は、例えば、置換又は非置換C1〜C25アルキル、置換又は非置換C2〜C10アルケニル、置換又は非置換C3〜C10シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C10シクロアルケニル、置換又は非置換C3〜C10アリール又はアラルキル、置換又は非置換C3〜C10ヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C10アルカン酸又はそのエステル、置換又は非置換C2〜C10二酸又はそのエステル、あるいは置換C2〜C10アルケン酸又はそのエステル等の二価有機ラジカルであり、nは、1又は0である。
【0031】
[032]
式(I)の化合物の好適な硬化剤は、カルボン酸エステルとヒドラジン水和物との反応により調製されるジヒドラジドを含む。このような反応は、当業者に公知であり、例えば、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、エチルマロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジド、及びこれらの混合物が生成される。これらの中でも、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジドが好ましく、セバシン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
【0032】
[033]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体組成物は、1つ以上の硬化剤、好ましくは、例えば、セバシン酸ジヒドラジド等の酸ジヒドラジドを含む。1つの態様では、硬化剤は、粉体組成物の総重量に基づいて、約1〜3重量%、好ましくは約1.5〜2.5重量%の範囲で存在する。
【0033】
[034]
1つの実施形態では、本明細書に記載する方法は、1つ以上のエポキシ樹脂組成物と硬化剤とを組み合わせて粉体コーティング組成物を形成することを含む。粉体組成物は、熱の印加によって融解してコーティングフィルムを形成する可融性組成物である。例えば、静電塗装法等の当業者に既知の方法を用いて粉体を塗布し、約200〜約500マイクロメートル、好ましくは300〜400マイクロメートルの乾燥フィルム厚さに硬化させる。
【0034】
[035]
1つの実施形態では、本発明は、基材の構造的又は物理的特性に対して負の影響を与えることなく、低温、即ち、粉体組成物の硬化を完了させるのに十分低い温度で基材をコーティングする方法を提供する。なお、本明細書に記載する種類の粉体コーティングは、油及び天然ガスのパイプライン、即ち、高級鋼で作製される大きな直径のパイプにおいて用いられる。しかし、パイプにおける粉体コーティングの典型的な塗布温度は、パイプにおいてひずみ時効を引き起こすのに十分高いので、鋼の応力が増大し、強靱性が低下する。高級鋼に対して有害な影響を与えることのないパイプの防食のための低塗布温度における粉体コーティングの塗布及び硬化。
【0035】
[036]
1つの実施形態では、粉体組成物は、好ましくは、基材、好ましくは金属基材、より好ましくは高性能鋼基材の表面に塗布される。粉体組成物は、例えば、静電塗装法等の当業者に既知の方法を用いて塗布される。粉体組成物を塗布する前に、基材は、典型的に且つ好ましくは、脱脂され、好ましくは約50〜70マイクロメートルの深さにショットブラストされる。
【0036】
[037]
1つの実施形態では、本明細書に記載する方法は、本明細書に記載する粉体組成物を基材に塗布し、前記基材上の前記組成物を硬化させることを含む。1つの態様では、粉体組成物は、例えば、静電塗装等の従来の方法によって基材に塗布される。次いで、コーティングされた基材を約165℃〜185℃、好ましくは170℃の塗布温度に加熱して、粉体粒子を融解及び融合させ、次いで、約3分間同じ温度でコーティングを硬化させる。
【0037】
[038]
別の態様では、基材を約30〜45分間、約165℃〜185℃、好ましくは170℃の塗布温度に予熱する。次いで、粉体組成物を、典型的に静電塗装によって、加熱された基材に塗布する。次いで、基材を約3分間、約165℃〜185℃、好ましくは170℃の温度に焼成して、コーティングを硬化させる。
【0038】
[039]
パイプ等の高級鋼基材を含む金属基材は、腐食しやすい。腐食の速度及び程度は、基材の性質及び基材が曝露される環境の性質によって決定される。粉体コーティングを含む保護コーティングは、例えば、耐食性表面を提供するために塗布される。このような保護コーティングの1つの破壊モードは、陰極剥離である。理論に束縛されるものではないが、陰極剥離は、基材金属の電位が腐食電位を下回るときに、例えば、表面全体に水素イオンが蓄積することによって生じる。これにより、コーティングに欠陥(又は塗り落ち)が生じ、極端な場合、基材表面からコーティングが分離する。理論に束縛されるものではないが、陰極剥離は、例えば、高級鋼パイプを通して熱い流体を輸送している間、温度の上昇によって加速されると考えられる。
【0039】
[040]
陰極剥離は、保護コーティングと基材との相互作用に依存するので、陰極剥離の測定によって、保護コーティングの長期性能についての試験が提供される。陰極剥離は、例えば、CSA Z245.20−10、12.8節(Plant−applied External Coatings for Steel Pipe;12.8節−24 hour cathodic disbondment)、ASTM G80(Standard Test Method for Specific Cathodic Disbondment of Pipeline Coatings)及びASTM G95(Standard Test Method for Cathodic Disbondment of Pipeline Coatings(Attached Cell Method))を含む、当業者に公知の標準的な試験によって決定される。これら標準的な試験は、ガルバニ電池の一部としてマグネシウムアノードと直列なカソードとしてコーティング金属の試験サンプルを用いることを含む。電解質は、NaCl、KCl、NaHCO3等の様々な塩溶液の混合物である。電解質に曝露する前に、試験サンプルに塗り落ちを生じさせて、縁部腐食用の部位を提供する。65℃の電解質に24時間又は48時間曝露した後と65℃の電解質に30日間曝露した後にサンプルを試験する。
【0040】
[041]
1つの実施形態では、例えば、高級鋼等の金属基材に塗布される保護コーティングは、コーティング組成物を確実に完全硬化させるために、典型的に、約200〜230℃の温度で塗布される。しかし、200℃もの高温に曝露すると、高級鋼の応力が増大し、延性及び強靱性が低下する傾向がある。
【0041】
[042]
したがって、従来の実施及び業界における先入観とは異なるが、本明細書に記載する方法は、3分間以下、好ましくは2分間以下、165℃〜185℃、好ましくは170℃〜180℃の低塗布温度で粉体組成物を塗布及び硬化させる工程を含む。驚くべきことに、本明細書に記載する方法からは、特にパイプライン鋼に塗布したときに、耐食性及び可撓性等の優れた性能特性を有する完全に硬化したコーティングが得られる。本明細書に記載する低塗布温度方法からは、30日間陰極剥離が約5〜11mm、好ましくは9mm未満、より好ましくは7mm未満の硬化コーティングが得られる。
【0042】
[043]
1つの実施形態では、本明細書に記載する粉体コーティング組成物は、融着エポキシ(FBE)コーティングである。1つの態様では、FBEコーティングは、低塗布温度(LAT)単層コーティングとして用いてよい。別の態様では、FBEコーティングは、二層FBEコーティング用又は三層ポリエチレンコーティング(3LPE)用のプライマー層として用いてよい。更に別の態様では、本明細書に記載する粉体組成物は、二層パイプコーティング用のLAT磨耗耐性重層(ARO)として用いてよい。FBE、3LPE、及
びAROコーティングの特性は、業界で確立されており、当業者に公知である。
【0043】
[044]
粉体組成物は、任意で他の添加剤を含んでよい。これら他の添加剤は、粉体コーティングの塗布性、コーティングの融解性及び/若しくは硬化性、又は最終コーティングの性能若しくは外観を改善できる。粉体において有用であり得る任意の添加剤の例としては、顔料、不透明剤、硬化触媒、酸化防止剤、着色安定剤、スリップ及び擦傷添加剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、光開始剤、導電性添加剤、摩擦帯電添加剤、防食添加剤、充填剤、質感剤、脱気添加剤、流動制御剤、チキソトロープ剤、並びに縁部被覆添加剤が挙げられる。
【0044】
[045]
粉体組成物の調製技術は、当業者に既知である。混合は、任意の入手可能な機械的ミキサーによって、又は手による混合によって実施できる。考えられるミキサーの幾つかの例としては、Henschelミキサー(例えば、Henschel Mixing Technology(Green Bay,WI)から入手可能)、Mixacoミキサー(例えば、Triad Sales(Greer,SC)又はDr.Herfeld GmbH(Neuenrade,Germany)から入手可能)、Marionミキサー(例えば、Marion Mixers,Inc.(3575 3rd Avenue,Marion,IA)から入手可能)、反転ミキサー、Littlefordミキサー(Littleford Day,Inc.)、横軸ミキサー、及びボールミルが挙げられる。好ましいミキサーとしては、最も容易に洗浄されるものが挙げられるだろう。
【0045】
[046]
粉体コーティングは、通常、多工程プロセスで製造される。樹脂、硬化剤、顔料、添加剤、及び充填剤を含み得る様々な成分を乾式ブレンドして、プレミックスを形成する。次いで、このプレミックスを押出成形機内に送り込み、熱、圧力、及び剪断力の組み合わせを用いて可融性成分を融解し、全ての成分を十分に混合する。押出物を脆い固体になるまで冷却し、次いで、粉体に粉砕する。粉砕条件は、典型的に、粉体組成物の特定のエンドユーザによって決定される粉体の中央粒径が得られるように調整する。
【0046】
[047]
本明細書に記載するエポキシ樹脂組成物及び硬化剤は、任意の任意添加剤と乾燥混合し、次いで、典型的に、押出成形機に通すことによって融解ブレンドする。押出成形機は、典型的に、1つ以上の領域を有し、領域内の温度を制御することによって、粉体コーティングの特性を制御することが可能である。例えば、第1の領域の温度は、約40℃〜80℃、好ましくは50℃〜70℃であり、第2の領域の温度は、約50℃〜90℃、好ましくは60℃〜80℃である。次いで、得られる押出物を冷却することによって固化し、次いで、粉砕して粉体を形成する。他の方法を使用してもよい。例えば、1つの代替法では、液体二酸化炭素に可溶性の結合剤を用いる。この方法では、乾燥成分を液体二酸化炭素中で混合し、次いで、噴霧して粉体粒子を形成する。必要に応じて、粉体を選別、つまりふるい分けして、所望の粒径及び/又は粒径分布を得てもよい。
【0047】
[048]
得られる粉体は、塗布プロセスによって効率的に使用できる大きさである。実際に、10マイクロメートル未満の大きさの粒子は、従来の静電塗装法を用いて効率的に塗布するのが困難である。したがって、約25マイクロメートル未満の中央粒径を有する粉体は、典型的に小粒子を大部分有するため、静電的に塗装するのが困難である。好ましくは、粉砕を調節し(又はふるい分け、つまり選別を実施し)、約25〜150マイクロメートル、より好ましくは30〜70マイクロメートル、最も好ましくは30〜50マイクロメー
トルの中央粒径を有する粉体を得る。
【0048】
[049]
任意で、本発明において他の添加剤を使用してよい。上記のように、これら任意の添加剤は、押出前に添加してベース粉体の一部としてもよく、又は押出後に添加してもよい。押出後に添加するのに好適な添加剤としては、押出前に添加した場合に良好に機能しないであろう材料、押出装置又は他の添加剤に対する、更なる摩耗の原因となるであろう材料が挙げられる。
【0049】
[050]
他の好ましい添加剤としては、ゴム引き剤、摩擦力低減剤、及びマイクロカプセル等の性能向上添加剤が挙げられる。更に、添加剤は、研磨剤、感熱性触媒、多孔質最終コーティングの形成を促進する、又はベース粉体の濡れ性を改善する剤であってよい。
【0050】
[051]
本明細書に記載する粉体組成物は、流体床及び噴霧アプリケーターを用いることを含む様々な手段によって物品に塗布してよい。最も一般的には、静電塗装プロセスが用いられ、この場合、粉体粒子が物品に引き寄せられてくっつくように、粒子を静電気的に帯電させて、下地塗り済み物品上に噴霧する。コーティング後、物品を加熱する。この加熱工程により、粉体粒子が融解して互いに流動し、物品をコーティングする。任意で、連続的な又は追加の加熱を用いて、コーティングを硬化させてよい。コーティングのUV硬化等の別の代替法を使用してよい。
【0051】
[052]
本明細書に記載する粉体コーティングは、次いで、硬化され、このような硬化は、連続加熱、次いで加熱、又は基材における余熱を介して行ってよい。本発明の別の実施形態では、放射線硬化性粉体コーティングベースが選択される場合、比較的短い、又は低温の加熱サイクルによって粉体を融解でき、次いで、放射線に曝露して硬化プロセスを開始してよい。この実施形態の一例は、UV硬化性粉体である。放射線硬化の別の例としては、UV可視、可視光線、近IR、IR及びeビームの使用が挙げられる。
【0052】
[053]
好ましくは、コーティングされた基材は、例えば、耐食性、可撓性等の最適な性能特性を含む所望の物理的及び機械的特性を有する。典型的には、最終フィルムコーティングは、約100〜600マイクロメートル、好ましくは約200〜500マイクロメートル、より好ましくは約300〜400マイクロメートルの厚さを有するであろう。
【0053】
[054]
以下の実施例は、本発明の理解を助ける上での補助を提供するものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。別途記載のない限り、全ての部及びパーセンテージは重量基準である。
【実施例】
【0054】
[055]
本発明を以下の実施例によって例示する。特定の実施例、材料、量、及び手順は、本明細書で記載の本発明の範囲及び趣旨に従って広く解釈されるべきであることが理解される。別段の指示がない限り、全ての部及びパーセントは重量基準であり、全ての分子量は重量平均分子量である。
【0055】
試験方法
[056]
別途記載のない限り、以下の試験方法を以下の実施例で用いた。
【0056】
陰極剥離
[057]
粉体コーティングの耐食性は、ASTM G80又はASTM G95試験(Standard Test Method for Specific Cathodic Disbondment of Pipe Coating)に従って実施される、陰極剥離試験によって決定される。
【0057】
熱水接着性試験
[058]
コーティングがコーティングされた基材に接着するかどうかを評価するために、熱水接着性試験を実施する。粉体組成物でコーティングされた試験サンプルを、熱水浴に浸漬し、95℃で30日間維持する。次いで、試験サンプルを取り出し、まだ温かい間に、コーティングを通して基材に30×15mmの矩形を罫書く。熱水浴から取り出した1時間以内に、罫書いた矩形の角部においてコーティングの下に万能ナイフの先端を装入してコーティングを除去するか又はコーティングの除去耐性を評価する。コーティングの接着性を1〜5の目盛で採点する。評点1は、コーティングをきれいに除去できないことを示し、評点5は、1片においてコーティングを完全に除去できることを示す。
【0058】
可撓性/屈曲試験
[059]
この試験は、コーティングの可撓性レベル及び硬化の程度の指標を提供する。本明細書に記載する試験では、コーティングした試験ストリップ(25×200×6.4mm)を調製し、評価する。試験ストリップをー30±3℃に冷却し、最低1時間その温度で保持する。試験ストリップの厚さは、平面上にストリップを積層することによって決定し、屈曲試験に必要なマンドレル半径を計算するために用いる。3°/PD(パイプ直径)の屈曲を作製し、10秒間以下続け、試験ストリップを冷凍庫から取り出した30秒間以内に完了する。次いで、屈曲した試験ストリップを20±5℃に加温し、最低2時間その温度で保持する。次の1時間以内に、試験ストリップを破壊について目視検査し、コーティング表面における亀裂又は破断によって破壊を示す。
【0059】
(実施例1)
[060]
60重量部のエポキシ樹脂組成物と2〜3重量部のセバシン酸ジヒドラジド硬化剤とを含有する原材料混合物を調製する。硬化促進剤、流動制御剤、及び顔料を原材料混合物に添加し、組み合わせを粉体コーティングプレミキサー内に送り込む。3分間混合した後、2つの領域を有する粉体押出成形機でプレミックスを押出成形する。第1の領域の温度は、50〜70℃で維持し、第2の領域の温度は、60〜80℃で維持する。押出成形後、押出物を粉体粉砕機内でチップとともに粉砕して、粒径を調整する。次いで、コーティング組成物を試験パネルに塗布し、2分間170℃の温度で硬化させる。比較目的のために、市販の粉体組成物を試験パネルに塗布し、5分間190℃の温度で硬化させる。試験結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
[061]
本明細書に引用する全ての特許、特許出願及び公開公報、並びに電子的に入手可能な資料の完全な開示内容を参照により援用する。上記の詳細な説明及び実施例は、あくまで理解を助けるために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明は、示され記載された厳密な詳細事項に限定されるべきではないが、当業者に対して明らかな変形が特許請求の範囲において規定される本発明の範囲に包含される。幾つかの実施形態では、本明細書に例示的に開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素の不在下で好適に実行されてもよい。
以下、出願時の特許請求の範囲の内容を記載する。
[1]
エポキシ樹脂組成物と、
硬化剤とを含む粉体コーティング組成物であって、
前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を組み合わせて、3分間以内に約165℃〜185℃で硬化する粉体コーティング組成物を形成してなる、前記粉体コーティング組成物。
[2]
物品をコーティングする方法であって、
エポキシ樹脂組成物を提供することと、
硬化剤を提供することと、
前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を組み合わせて、粉体コーティング組成物を形成することと、
前記粉体コーティング組成物を基材に塗布することと、および
前記粉体コーティング組成物を3分間以内で、約165℃〜185℃で硬化させることとを含む、前記物品をコーティングする方法。
[3]
前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を組み合わせて、融着エポキシを形成する、前記1又は2に記載の方法又は組成物。
[4]
前記エポキシ樹脂及び前記硬化剤を組み合わせて、磨耗耐性重層を形成する、前記1〜3のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[5]
硬化した前記コーティング組成物が、単層パイプコーティングである、前記1〜4のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[6]
硬化した前記コーティングが、二層パイプコーティング用の融着エポキシプライマーである、前記1〜5のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[7]
硬化した前記コーティングが、三層ポリエチレンコーティング用の融着エポキシプライマーである、前記1〜6のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[8]
前記硬化剤が、式I:
NH
2−NH−C=(O)−[R1−C=(O)]n−NH−NH
2 (I)
(式中、R1は、カルボン酸に由来する多価有機ラジカルであり、nは、1又は0である)の構造を有する、前記1〜7のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[9]
前記硬化剤が、式I:
NH
2−NH−C=(O)−[R1−C=(O)]n−NH−NH
2 (I)
(式中、R1は、置換又は非置換C1〜C20アルキル、置換又は非置換C2〜C10アルケニル、置換又は非置換C3〜C10シクロアルキル、置換又は非置換C3〜C10シクロアルケニル、置換又は非置換C3〜C10アリール又はアラルキル、置換又は非置換C3〜C10ヘテロアリール、置換又は非置換C2〜C10アルカン酸又はそのエステル、置換又は非置換C2〜C10二酸又はそのエステル、あるいは置換C2〜C10アルケン酸又はそのエステルを更に含む二価有機ラジカルであり、nは、1又は0である)の構造を有する、前記1〜8のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[10]
前記硬化剤が、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、エチルマロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジド、及びこれらの混合物からなる群より選択される、前記1〜9のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[11]
前記硬化剤が、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、イコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジド、及びこれらの混合物からなる群より選択される、前記1〜10のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[12]
前記硬化剤が、セバシン酸ジヒドラジドである、前記1〜11のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[13]
硬化した前記組成物が、約15mm未満の30日間陰極剥離を示す、前記1〜12のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[14]
硬化した前記組成物が、約8〜11mmの30日間陰極剥離を示す、前記1〜13のいずれか一項に記載の方法又は組成物。
[15]
硬化した前記組成物が、約7mm未満の30日間陰極剥離を示す、前記1〜14のいずれか一項に記載の方法又は組成物。