(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676081
(24)【登録日】2020年3月13日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】高度なナノメートルフラッシュメモリデバイスのための高速検知
(51)【国際特許分類】
G11C 16/24 20060101AFI20200330BHJP
G11C 16/28 20060101ALI20200330BHJP
G11C 7/12 20060101ALI20200330BHJP
G11C 7/14 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
G11C16/24 110
G11C16/28
G11C7/12
G11C7/14
【請求項の数】27
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-4736(P2018-4736)
(22)【出願日】2018年1月16日
(62)【分割の表示】特願2015-560182(P2015-560182)の分割
【原出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2018-101457(P2018-101457A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2018年2月5日
(31)【優先権主張番号】13/958,415
(32)【優先日】2013年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/799,970
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】トラン ヒュー ヴァン
(72)【発明者】
【氏名】リー アィン
(72)【発明者】
【氏名】ヴー トゥアン
(72)【発明者】
【氏名】グエン フン クオック
(72)【発明者】
【氏名】ティワリ ヴィピン
【審査官】
堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−128938(JP,A)
【文献】
特開2008−210503(JP,A)
【文献】
特開2008−299891(JP,A)
【文献】
特開2007−80424(JP,A)
【文献】
特開2005−190582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/24
G11C 16/28
G11C 7/12
G11C 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュメモリ用の検知回路であって、
選択されたフラッシュメモリセルに連結され、かつビット線と、第1の隣接したビット線からの第1の寄生キャパシタと、第2の隣接したビット線からの第2の寄生キャパシタと、メモリデータ読み取りブロック出力ノードとを備える、メモリデータ読み取りブロックと、
参照メモリセルに連結され、メモリ参照読み取りブロック出力ノードを備えるメモリ参照読み取りブロックと、
前記第1の寄生キャパシタ及び前記第2の寄生キャパシタを補償するために、前記メモリデータ読み取りブロック出力ノード及びメモリ参照読み取りブロック出力ノードをバイアス電圧にまでプリチャージするプリチャージ回路であって、前記バイアス電圧の大きさは、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記バイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化する、前記プリチャージ回路と、
前記選択されたフラッシュメモリセルに記憶される値を決定するための、前記メモリデータ読み取りブロックの出力ノード及び前記メモリ参照読み取りブロックの出力ノードに連結される差動増幅器ブロックと、を備える、検知回路。
【請求項2】
ワード線のバイアス電圧の大きさが、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記ワード線のバイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化する、請求項1に記載の検知回路。
【請求項3】
前記メモリデータ読み取りブロックが、電流源と、カスコード検知NMOSトランジスタと、ビット線クランプNMOSトランジスタと、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタと、キャパシタと、を備える、請求項1に記載の検知回路。
【請求項4】
前記メモリ参照読み取りブロックが、電流源と、参照ビット線クランプNMOSトランジスタと、カスコード検知NMOSトランジスタと、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタと、キャパシタと、を備える、請求項3に記載の検知回路。
【請求項5】
前記差動増幅器ブロックが、入力差動対のNMOSトランジスタと、電流ミラー負荷PMOSトランジスタと、出力PMOSトランジスタと、電流バイアスNMOSトランジスタと、出力電流バイアスNMOSトランジスタと、を備える、請求項1に記載の検知回路。
【請求項6】
フラッシュメモリ用の検知回路であって、
選択されたフラッシュメモリセルに連結されるビット線と、
前記ビット線及び第1の隣接したビット線に連結される第1の寄生キャパシタと、
前記ビット線及び第2の隣接したビット線に連結される第2の寄生キャパシタと、前記ビット線をバイアス電圧にプリチャージするための、前記ビット線に連結されるプリチャージ回路と、
PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを備えるシングルエンド増幅器と、を備え、
前記バイアス電圧の大きさは、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記バイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化し、
前記PMOSトランジスタのゲートが、前記ビット線に連結され、前記増幅器の出力が、前記選択されたフラッシュメモリセルに記憶された値を示す、
検知回路。
【請求項7】
ワード線のバイアス電圧の大きさが、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルの前記ワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記ワード線のバイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化する、請求項6に記載の検知回路。
【請求項8】
前記出力が、参照メモリセルを使用することなく生成される、請求項6に記載の検知回路。
【請求項9】
前記バイアス電圧の大きさが、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルの位置に基づいて変化する、請求項6に記載の検知回路。
【請求項10】
前記バイアス電圧の大きさが、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置に基づいて変化する、請求項9に記載の検知回路。
【請求項11】
前記PMOSトランジスタのバルクが、順方向にバイアスされる、請求項6に記載の検知回路。
【請求項12】
前記プリチャージ回路が、プリチャージ電圧を記憶するための、前記ビット線に連結されるビット線キャパシタを備える、請求項6に記載の検知回路。
【請求項13】
前記プリチャージ回路が、電圧源及び前記ビット線に連結され、かつプリチャージ制御信号によって制御されるPMOSトランジスタを備える、請求項6に記載の検知回路。
【請求項14】
前記プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルの位置に基づいて変化する、請求項13に記載の検知回路。
【請求項15】
前記プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのビット線の位置に基づいて変化する、請求項14に記載の検知回路。
【請求項16】
前記プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置に基づいて変化する、請求項14に記載の検知回路。
【請求項17】
フラッシュメモリ用の検知回路であって、
フラッシュメモリセルに連結される選択されたビット線と、
前記選択されたビット線、第1の隣接したビット線に連結される第1の寄生キャパシタと、
前記ビット線及び第2の隣接したビット線に連結される第2の寄生キャパシタと、
参照メモリセルに連結される参照線と、
前記参照線及び第3の隣接したビット線に連結される第3の寄生キャパシタと、
前記参照線及び第4の隣接したビット線に連結される第4の寄生キャパシタと、
前記選択されたフラッシュメモリセルに記憶される値を決定するための、前記選択されたビット線及び前記参照線に連結される差動増幅器と、を備え、
前記選択されたビット線及び前記参照線が、前記第1の寄生キャパシタ、前記第2の寄生キャパシタ、前記第3の寄生キャパシタ、及び前記第4の寄生キャパシタを補正するために、前記ビット線をバイアス電圧にまでプリチャージするためのプリチャージ回路に連結され、前記バイアス電圧の大きさは、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記バイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化する、検知回路。
【請求項18】
ワード線のバイアス電圧の大きさが、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルの前記ワード線の位置が前記検知回路からより離れている程、前記ワード線のバイアス電圧の大きさがより大きいようにして、変化する、請求項17に記載の検知回路。
【請求項19】
前記プリチャージ回路が、プリチャージ電圧を記憶するための、前記選択されたビット線に連結されるビット線キャパシタと、プリチャージ電圧を記憶するための、前記参照線に連結される参照線キャパシタと、を備える、請求項17に記載の検知回路。
【請求項20】
前記プリチャージ回路が、電圧源及び前記選択されたビット線に連結され、かつプリチャージ制御信号によって制御されるPMOSトランジスタを備える、請求項19に記載の検知回路。
【請求項21】
前記プリチャージ制御信号が、前記選択されたフラッシュメモリセルの位置に基づいて変化する、請求項20に記載の検知回路。
【請求項22】
前記プリチャージ制御信号が、前記選択されたフラッシュメモリセルのビット線の位置に基づいて変化する、請求項21に記載の検知回路。
【請求項23】
前記プリチャージ制御信号が、前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置に基づいて変化する、請求項21に記載の検知回路。
【請求項24】
前記PMOSトランジスタのバルクが、順方向にバイアスされる、請求項21に記載の検知回路。
【請求項25】
プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルの位置に基づいて、変化する請求項1に記載の検知回路。
【請求項26】
プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのビット線の位置に基づいて、変化する請求項1に記載の検知回路。
【請求項27】
プリチャージ制御信号が、メモリアレイ内の前記選択されたフラッシュメモリセルのワード線の位置に基づいて、変化する請求項1に記載の検知回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条及び第120条の下で、2013年3月15日出願の米国仮特許出願第61/799,970号の優先権を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
高度なナノメートルフラッシュメモリデバイスのための改善された検知回路及び改善されたビット線レイアウトが開示される。
【背景技術】
【0003】
浮遊ゲートを使用して電荷をその上に蓄積するフラッシュメモリセル、及び半導体基板内に形成されるそのような不揮発性メモリセルのメモリアレイは、当該技術分野において周知である。典型的に、そのような浮遊ゲートメモリセルは、スプリットゲート型又は積層ゲート型のものとなっている。
【0004】
フラッシュメモリデバイスは、典型的には、適切なメモリセルを選択するために、読み取り及び書き込み動作中に使用される、半導体内の同一の金属層内に通常含有される平行ビット線を含む。
【0005】
図1は、典型的な従来技術の構成を示す。ビット線10、20、及び30は、ほぼ平行であり、互いに比較的近接している。ビット線10、20、及び30は、典型的には、半導体ダイ内の同一の金属層の一部として製作される。ビット線10、20、及び30は、コネクタ40を通って他の回路コンポーネントに接続する。
【0006】
図2は、上面図からの同一の従来技術の構成を示す。この場合も同様に、ビット線10、20、及び30は、互いにほぼ平行である。それらの近接及び長さは、キャパシタ15及びキャパシタ25としてモデル化され得る寄生キャパシタンスをもたらす。
【0007】
フラッシュメモリの設計がより小さくかつ高密度になるにつれて、隣接したビット線間の寄生キャパシタンスの問題が難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ビット線間の寄生キャパシタンスを補正する改善された回路設計が必要とされる。
【0009】
高度なナノメートルフラッシュメモリデバイス中の寄生キャパシタンスの量を低減するための改善されたレイアウト設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題及び必要性は、隣接したビット線間の寄生キャパシタンスを補正するための改善された回路設計を通して対処される。加えて、改善されたレイアウト技術は、寄生キャパシタンスを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来技術のビット線レイアウトの立体側面図を示す。
【
図2】
図1の従来技術のビット線レイアウトの上面図を示す。
【
図7】ビット線レイアウトの一実施形態の立体側面図を示す。
【
図9】ビット線レイアウトの一実施形態の立体側面図を示す。
【
図12】検知信号制御を追跡するためのタイミング図を示す。
【
図13】ビット線に沿った位置に基づくワード線バイアス及びビット線バイアスの変化を示すグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3は、従来技術の検知回路100を示す。
図3で見られるように、従来技術の設計は、寄生キャパシタンスをモデルにすることも、またはあるいはそれを考慮に入れることもない。検知回路100は、メモリデータ読み取りブロック110と、メモリ参照読み取りブロック120と、差動増幅器ブロック130とを備える。データ読み取りブロック110は、電流源111と、カスコード検知NMOSトランジスタ113と、ビット線クランプNMOSトランジスタ114と、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタ112と、キャパシタ115とを備える。
【0013】
メモリ参照読み取りブロック120は、電流源121と、参照ビット線クランプNMOSトランジスタ124と、カスコード検知NMOSトランジスタ123と、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタ122と、キャパシタ125とを備える。
【0014】
差動増幅器ブロック130は、入力差動対のNMOSトランジスタ131及び134と、電流ミラー負荷PMOSトランジスタ132及び133と、出力PMOSトランジスタ135と、電流バイアスNMOSトランジスタ136と、出力電流バイアスNMOSトランジスタと、出力140とを備える。
【0015】
ノード116は、読み取られる選択されたメモリセル(図示せず)に連結され、ノード117は、選択されたメモリセルの値を決定するために使用される参照メモリセル(図示せず)に連結される。
【0016】
差動増幅器ブロック130は、選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す出力140を生成するために、データ読み取りブロック110及び参照読み取りブロック120から受信された信号を比較するために使用される。これらのコンポーネントは、
図3に示されるように互いに接続される。
【0017】
図4は、改善された検知回路200を示す。検知回路200は、メモリデータ読み取りブロック210と、メモリ参照読み取りブロック220と、差動増幅器ブロック230とを備える。データ読み取りブロック210は、電流源211と、カスコード検知NMOSトランジスタ213と、ビット線クランプNMOSトランジスタ214と、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタ212と、キャパシタ215とを備える。
【0018】
メモリ参照読み取りブロック220は、電流源221と、参照ビット線クランプNMOSトランジスタ224と、カスコード検知NMOSトランジスタ223と、ダイオード接続検知負荷PMOSトランジスタ222と、キャパシタ225とを備える。
【0019】
差動増幅器ブロック230は、入力差動対のNMOSトランジスタ231及び234と、電流ミラー負荷PMOSトランジスタ232及び233と、出力PMOSトランジスタ235と、電流バイアスNMOSトランジスタ236と、出力電流バイアスNMOSトランジスタ237と、出力240とを備える。
【0020】
ノード216は、読み取られる選択されたメモリセル(図示せず)に連結され、ノード217は、選択されたメモリセルの値を決定するために使用される参照メモリセル(図示せず)に連結される。
【0021】
ノード216は、選択されたビット線であり、キャパシタ215を補正するために駆動される、それぞれ隣接したビット線からの寄生キャパシタンスを表す、キャパシタ217及びキャパシタ218に連結され、プリチャージスイッチ250及び均等化スイッチ260は、選択的にオンにされる。隣接したビット線は、電圧VBに駆動され得、それは、選択されたビット線が駆動される電圧25よりも小さいか、又はそれに等しい。そうすることによって、キャパシタ217及びキャパシタ218によって表される寄生キャパシタンスの影響を低減する。
【0022】
差動増幅器ブロック230は、選択されたメモリセルに記憶されたデータの値を示す出力240を生成するために、データ読み取りブロック210及び参照読み取りブロック220から受信された信号を比較するために使用される。これらのコンポーネントは、
図4に示されるように互いに接続される。
【0023】
図5は、別の改善された検知回路300を示す。検知回路300は、PMOSトランジスタ301と、カスコードNMOSトランジスタ302と、出力PMOSトランジスタ308と、電流バイアスNMOSトランジスタ307と、出力310とを備える。ノード304は、読み取られる選択されたメモリセル(図示せず)に連結される。トランジスタ301のゲートは、本実施例において、1.2V又は接地であり得る、プリチャージノード電圧309を受信する。トランジスタ307、308は、出力のためのシングルエンド増幅器を構成する。これらのコンポーネントは、
図5に示されるように互いに接続される。
【0024】
検知されたノード(トランジスタ308のゲート)は、接地であるプリチャージノード電圧309によって、トランジスタ301を通してバイアスレベルまでプリチャージされる。次いで、プリチャージノード電圧309は、トランジスタ301を開放する(弱くバイアスする、又はオフにする)ための電圧レベルになる。ノード304に連結されるメモリセルの状態に応じて、電流がある場合(例えば、参照により本明細書に組み込まれ、付属書類Aとして本明細書に添付される、米国特許第8,072,815号に記載されるスプリットゲートセルの消去状態)、検知されたノードは減少し、それはトランジスタ308をオンにし、出力310を上昇させる。電流がない場合(例えば、米国特許第8,072,815号に記載されるスプリットゲートセルのプログラムされた状態)、検知されたノードは高い状態のままであり、それはトランジスタ308をオフにし、出力310を低下させる。このスキームは、参照なし検知と呼ばれる。
【0025】
PMOSトランジスタ301の311バルク(nwell)基板端子及びPMOSトランジスタ308の312バルク(nwell)端子は、より低い電圧ヘッドルーム及びより高い速度に対する閾値電圧(低下された)及び高いIdsatを強化するために、更に順方向にバイアスされる(Vsource電圧−バルク電圧=小さい正数、例えば、約0.6vのVp/n順方向接合よりも小さい0.4v)。このバルク技術は、他の形態に適用され得る。
【0026】
ノード304は、キャパシタ305及びキャパシタ306に連結され、それぞれ、ノード304に接続されるキャパシタ303を補正するために駆動される隣接したビット線からの寄生キャパシタンスを表す。
【0027】
図6は、別の改善された検知回路400を示す。検知回路400は、PMOSトランジスタ401と、カスコードNMOSトランジスタ403と、出力PMOSトランジスタ409と、電流バイアスNMOSトランジスタ410と、出力420とを備える。ノード405は、読み取られる選択されたメモリセル(図示せず)に連結され、ノード412は、参照メモリセル(図示せず)に連結される。
【0028】
トランジスタ401のゲートは、本実施例において1.2V又は接地であり得るプリチャージノード電圧421を受信する。トランジスタ409、410は、出力のためのシングルエンド増幅器を構成する。これらのコンポーネントは、
図6に示されるように互いに接続される。
【0029】
PMOSトランジスタ401の422バルク(nwell)基板端子及びPMOSトランジスタ409の423バルク(nwell)端子は、より低い電圧ヘッドルーム及びより高い速度に対する閾値電圧(低下された)及び高いIdsatを強化するために、更に順方向にバイアスされる(Vsource電圧−バルク電圧=小さい正数、例えば、約0.6vのVp/n順方向接合よりも小さい0.4v)。このバルク技術は、他の形態に対して適用され得る。
【0030】
ノード405は、それぞれが隣接したビット線からの寄生キャパシタンスを表す、キャパシタ406及びキャパシタ407に連結される。ノード412は、キャパシタ413及びキャパシタ414に連結され、それぞれ、キャパシタ404及びキャパシタ411を補正するために駆動される隣接したビット線からの寄生キャパシタンスを表し、スイッチ402及び408は、選択的にオンにされる。
【0031】
図7は、ビット線間の寄生キャパシタンスを低減するためのビット線の改善されたレイアウト500を示す。ビット線510及び530は、1つの金属層内に形成される。しかしながら、ビット線520は、異なる金属層内に形成される。したがって、ビット線510と520との間、かつビット線520と530との間の距離は、従来技術にあるように、ビット線520がビット線510及び530と同じ金属層内に形成された場合よりも長い。ビット線520は、ビア560、金属550、及びコネクタ540を通って他の回路コンポーネントに接続する。ビット線510及び530は、コネクタ40を通って他の回路コンポーネントに接続する。
【0032】
図8は、上から見た
図7のレイアウトを示す。この視点から、ビット線510及び520及び530は、互いに隣接しているように見える。しかしながら、異なる陰影によって示されるように、ビット線520並びにビット線510及び530は、異なる金属層内に形成される。
【0033】
図9は、ビット線間の寄生キャパシタンスが増加させることなく、ビット線の抵抗を低減するための改善されたレイアウト700を示す。ここで、ビット線510、520、及び530は、従来技術の構成にあるように、隣接し、平行し、かつ同じ金属層内に形成される。追加の構造550は、異なる金属層においてビット線510の一部の上に配置され、コネクタ540を通ってビット線510に接続する。同様に、追加の構造560は、異なる金属層においてビット線520の一部の上に配置され、コネクタ540を通ってビット線520に接続し、追加の構造570は、異なる金属層においてビット線530の一部の上に配置され、コネクタ540を通ってコネクタ530に接続する。各追加の構造550、560、及び570は、各追加の構造の長さ及び配置によって、寄生キャパシタンスを増加させることなく、それが接続するビット線の抵抗を低減する効果を有する。具体的には、追加の構造550、560、及び570は、それらとビット線510、520、及び530との中又は間に有意な寄生キャパシタンスが生成されないように、互い違いの形で配置される。
【0034】
図10は、上から見た
図9のレイアウトを示す。ビット線510及び520及び530は、互いに隣接及び平行している。追加の構造550、560、及び570の互い違いの形は、この視点から明らかである。
【0035】
図11は、フラッシュメモリデバイス900を示す。フラッシュメモリデバイス900は、セルがワード線及びビット線によってアクセスされるメモリセルのアレイ910と、水平デコーダ905と、垂直デコーダ920と、読み取りパルス制御ブロック915と、読み取り制御ブロック930と、検知増幅器回路ブロック925と、IOブロック935とを備える。
【0036】
読み取り制御ブロック930は、WL位置、BL位置、及びIO幅を追跡する読み取りタイミングパルスを生成し、かつPVTを補正するために使用される。
【0037】
図12は、経時的に種々の制御信号の動作を示すタイミング
図950を示す。信号951は、T_SEN−CYC信号であり、信号952は、T−ATD信号であり、信号953は、T−PRECHa信号であり、信号954は、T−EQ信号であり、信号955は、T−SENSEa信号であり、信号956は、T−DOLATCH信号であり、信号957は、T−BL0、BL1信号であり、信号958は、T−SO0、SO1信号であり、信号959は、T−SOUT信号である。
【0038】
信号953(T−PRECHa)は、適応プリチャージパルスを実施する。パルスは、WL0(ワード線に沿った位置0)でより短く、WL−N(ワード線に沿った位置N)でより長く、IO0(IO線に沿った位置0)でより短く、IO−N(IO線に沿った位置N)でより長い。信号953(T−PRECHa)は、WL遅延及びBL遅延を追跡し、例えば、そのパルスは、WL0/BL0に対して最も短い。
【0039】
信号955(T−SENSAa)は、適応検知パルスを実施する。パルスは、IO0でより短く、IO−Nでより長い。パルスは、WL0でより短く、WL端でより長い。それは、WL遅延及びBL遅延を追跡し、例えば、そのパルスは、WL−N/BL−Nに対して最も長い。
【0040】
信号951(T−SEN−CYC)は、検知サイクルが完了した後、自動的に電源を切る。
【0041】
図13は、2つのグラフを示す。第1のグラフは、WLバイアスがビット線の一方の末端よりも他方の末端でより高いことを示し、第2のグラフは、BLバイアスがビット線の一方の末端よりも他方の末端でより高いことを示す。これは、
図9及び10を参照してすでに論じられているように、ビット線間の寄生キャパシタンスを増加させることなく、ビット線の抵抗を低減する重要性を示す。
【0042】
本明細書における本発明に対する言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって包含され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、例示的なものにすぎず、特許請求の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本明細書で使用されるとき、用語「上に(over)」及び「上に(on)」の両方は、「直接上に」(間に配設される中間の材料、要素、又は間隙がない)及び「間接的に上に」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設される)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、用語「隣接する」は、「直接隣接する」(間に配設される中間の材料、要素、又は間隙がない)及び「間接的に隣接する」(中間の材料、要素、又は間隙が間に配設される)を含む。例えば、「基板上に」要素を形成することは、その間に中間の材料/要素を有せず基板上に直接その要素を形成すること、並びに1つ以上の中間の材料/要素をその間に有して基板上に間接的にその要素を形成することを含む。