特許第6676083号(P6676083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676083
(24)【登録日】2020年3月13日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】検索装置、検索方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20200330BHJP
   G06F 16/2457 20190101ALI20200330BHJP
【FI】
   G06F16/90 100
   G06F16/2457
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-15172(P2018-15172)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-133418(P2019-133418A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2018年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153203
【氏名又は名称】株式会社日本経済新聞社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 孝宣
【審査官】 早川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−050885(JP,A)
【文献】 特開2013−029909(JP,A)
【文献】 特開2012−174240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06F 16/2457
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索装置であって、
ユーザからの質問データの入力を受け付けるインターフェース手段と、
所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースと、
前記質問データの内容に基づいて、前記データベースから、該当する回答データを検索する検索手段とを備え、
前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、
前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、
前記検索手段は、
前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する第1の機能と、
前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する第2の機能と、
前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する第3の機能と、
前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第4の機能と、
前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第5の機能と
前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第6の機能とを有する、検索装置。
【請求項2】
前記インターフェース手段は、前記質問データを、文書データまたは音声データとして受け付ける、請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記インターフェース手段は、前記回答データを出力する、請求項1または2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記インターフェース手段は、前記回答データを、文書データまたは音声データとして出力する、請求項に記載の検索装置。
【請求項5】
前記回答データの内容は、前記所定のサービスおよび前記行動のうち少なくとも何れかに関するFAQである、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置。
【請求項6】
前記ユーザへの問い合わせがなされる場合、前記インターフェース手段は、前記ユーザへ前記問合データを出力する、請求項1に記載の検索装置。
【請求項7】
前記インターフェース手段は、前記問合データを、文書データまたは音声データとして出力する、請求項に記載の検索装置。
【請求項8】
前記2次元マトリクス上における同一の座標に、複数の回答データが紐付けられた、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置。
【請求項9】
前記所定のサービスは、所定の商品を含む、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置。
【請求項10】
ユーザからの質問データをインターフェース手段を介して受け付け、所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースから、前記質問データの内容に基づいて、該当する回答データを検索する検索装置によって実施される検索方法であって、
前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、
前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、
前記検索装置が、
前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する工程と、
前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する工程と、
前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する工程と、
前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程と、
前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程と
前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程とを含む、検索方法。
【請求項11】
所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースから、ユーザからの質問データの内容に応じた回答データを、コンピュータによって検索するためのプログラムであって、
前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、
前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、
前記コンピュータに、
前記ユーザによって入力された前記質問データを受け取る機能、
前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する機能、
前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する機能、
前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する機能、
前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する機能、
前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合せデータを作成する機能、
前記取得された回答データを、前記ユーザへ出力する機能、
前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する機能、を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ユーザからの質問に応じて、FAQのような回答データを検索する検索装置、検索方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、人間の代わりに自動で会話対応するプログラムであるチャットボットの普及が著しい。特に、近年のスマートフォンの普及に伴うSNSによるコミュニケーションサービスの一般化により、チャットボットの応用範囲も広がっている。
【0003】
チャットボットの応用例の1つに、FAQ型チャットボットがある。FAQ型チャットボットでは、ユーザからの質問文の内容が理解され、データベースの中から適切なFAQが検索され、検索されたFAQがユーザへ返信される。これによって、ユーザは、用意されているチャットへ質問文を書き込むだけで、より適切なFAQを回答として受け取ることが可能となる。また、受け取ったFAQで解決しない場合は、更に別の質問文を書き込むことによって、別のFAQを受け取ることもできるため、問題解決率も高められる。
【0004】
このように、FAQ型チャットボットによれば、ユーザ自身の自己問題解決率が高まるので、電話による問い合わせが低減され、それに伴い、顧客満足度の向上のみならず、コンタクトセンターやカスタマサポート等の運営コストも削減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−36945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のFAQ型チャットボットでは、以下のような問題がある。
【0007】
すなわち、従来のFAQ型チャットボットでは、自然言語処理が使用され、質問文の内容が把握され、データベースの中から適切なFAQが検索されている。自然言語処理もまた、最近の技術的な進歩が著しい。さらには、自然言語処理にAI技術を組み合わせることによって、さらなる能力の向上が図られている。
【0008】
しかしながら、質問文は、多様な言語形態(例えば、平仮名、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、類義語等)で、かつ不完全(例えば、省略語の使用や、主語の不在)な形式で作成される場合が多い。このような質問文の内容を、高い精度で把握することは、進化した自然言語処理にAI技術を組み合わせても、容易なことではない。
【0009】
例えば、質問文と回答とを一対一に紐付けたFAQを準備しておき、対話を通じてなされる複数の質問文の会話シナリオに基づきFAQを取得する、シナリオ型と呼ばれる手法では、適切なFAQを取得するために、膨大なシナリオを用意する必要があり、手間とコストがかかり現実的ではないという問題がある。
【0010】
また、会話パターンをビックデータ化し、近似した対話パターンによる問い返しによって適切なFAQの取得を試みる、ビッグデータ型と呼ばれる手法では、実際のスクリプトが完全にデジタル化されていることが前提となるために、やはり、手間とコストがかかり現実的ではないという問題がある。
【0011】
さらに、ディープラーニングを適用し、質問文を、人間の思考と同様に認識、判断の上、適切なFAQを取得するために必要な問い返しを適宜行うことができれば理想的であるが、現状の技術では難しく、実現までには少なくとも10年かかると言われており、現状ではやはり現実的ではないという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、チャットボット機能を使って入力されたユーザからの質問文の内容を、正しく把握し、質問文に対する適切なFAQを、高い精度で検索することが可能な検索装置、検索方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0015】
すなわち、請求項1の検索装置は、ユーザからの質問データの入力を受け付けるインターフェース手段と、所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースと、前記質問データの内容に基づいて、前記データベースから、該当する回答データを検索する検索手段とを備え、前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、前記検索手段は、前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する第1の機能と、前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する第2の機能と、前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する第3の機能と、前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第4の機能と、前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第5の機能と、前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する第6の機能とを有する。
【0017】
請求項の検索装置は、請求項1に記載の検索装置において、前記インターフェース手段は、前記質問データを、文書データまたは音声データとして受け付ける。
【0018】
請求項の検索装置は、請求項1または2に記載の検索装置において、前記インターフェース手段は、前記回答データを出力する。
【0019】
請求項の検索装置は、請求項に記載の検索装置において、前記インターフェース手段は、前記回答データを、文書データまたは音声データとして出力する。
【0020】
請求項の検索装置は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置において、前記回答データの内容は、前記所定のサービスおよび前記行動のうち少なくとも何れかに関するFAQである。
【0021】
請求項の検索装置は、請求項1に記載の検索装置において、前記ユーザへの問い合わせがなされる場合、前記インターフェース手段は、前記ユーザへ前記問合データを出力する。
【0022】
請求項の検索装置は、請求項に記載の検索装置において、前記インターフェース手段は、前記問合データを、文書データまたは音声データとして出力する。
【0023】
請求項の検索装置は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置において、前記2次元マトリクス上における同一の座標に、複数の回答データが紐付けられる。
【0024】
請求項の検索装置は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の検索装置において、前記所定のサービスは、所定の商品を含む。
【0025】
請求項10の検索方法は、ユーザからの質問データをインターフェース手段を介して受け付け、所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースから、前記質問データの内容に基づいて、該当する回答データを検索する検索装置によって実施される検索方法であって、前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、前記検索装置が、前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する工程と、前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する工程と、前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する工程と、前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程と、前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程と、前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する工程とを含む。
【0026】
請求項11のプログラムは、所定のサービスに対する行動に関する回答データが紐付けられたデータベースから、ユーザからの質問データの内容に応じた回答データを、コンピュータによって検索するためのプログラムであって、前記データベースは、前記所定のサービスが割り当てられた第1の軸と、前記行動が割り当てられた第2の軸とによって構成される2次元マトリクスによって構成され、前記回答データは、前記所定のサービスと、前記行動とによって決定され、前記2次元マトリクス上の対応する座標に紐付けられ、前記コンピュータに、前記ユーザによって入力された前記質問データを受け取る機能、前記質問データの内容に基づいて、前記所定のサービスを特定する機能、前記質問データの内容に基づいて、前記行動を特定する機能、前記特定されたサービスと、前記特定された行動とによって決定される前記2次元マトリクス上の座標に紐付けられた前記回答データを取得する機能、前記所定のサービスを特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記所定のサービスを前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する機能、前記行動を特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記行動を前記ユーザへ問い合わせるための問合せデータを作成する機能、前記取得された回答データを、前記ユーザへ出力する機能、前記所定のサービスと、前記行動との両方とも特定できない場合、前記質問データを補足するために、前記第1の軸に割り当てられた前記所定のサービスと、前記第2の軸に割り当てられた前記行動とのうち何れか少ない方を、前記ユーザへ問い合わせるための問合データを作成する機能を実現させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、チャットボット機能を使って入力されたユーザからの質問文の内容を、正しく把握し、質問文に対する適切なFAQを、高い精度で検索することが可能な検索装置、検索方法、およびプログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置を含むネットワーク構成例を示す概念図である。
図2】検索装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3】2次元マトリクスデータベースの一例を示す模式図である。
図4】サービス(X)/行動(Y)と対応するFAQとの関係の例を示す図である。
図5A】業務知識データベース(サービスの同義語)の一例を示す模式図である。
図5B】業務知識データベース(行動の同義語・関連語)の一例を示す模式図である。
図6】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図7】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図8】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図9】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図10】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図11】ユーザ端末のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例を示す図である。
図12】質問データに基づいてユーザへ提供するFAQを決定する9つのパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置を、図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20を含むネットワーク構成10の一例を示す概念図である。
【0033】
検索装置20は、例えばインターネットのような通信ネットワーク80に接続しており、該通信ネットワーク80を通じて、有線または無線によって複数のユーザ端末60と通信可能なサーバとして機能する。
【0034】
ユーザ端末60は、通信ネットワーク80を介して検索装置20と情報を送受信することが可能な通信機能と、この通信機能を使って検索装置20へ送信するための情報(例えば、後述する質問データ)を文字や音声として入力したり、検索装置20から受信した情報(例えば、後述する回答データ、問合データ)を文字や音声として出力することが可能なチャットボット機能とを備えた電子機器であれば良い。従って、ユーザ端末60は、例えば、限定される訳ではないが、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タッチパネル式PDA(personal digital assistants)、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成することができる。
【0035】
また、図1に示すネットワーク構成10は、イーサネット(登録商標)等のLAN、あるいは公衆回線や専用回線を介して複数のLANが接続されるWAN等を含み得る。LANの場合には、必要に応じてルータを介した多数のサブネットから構成される。また、WANの場合には、公衆回線に接続するためのファイアウォール等を適宜備え得る。しかしながら、ここでは、それらの図示および詳細説明を省略する。
【0036】
図2は、検索装置20の構成例を示す機能ブロック図である。
【0037】
検索装置20は、ユーザ端末60へ情報を送信したり、ユーザ端末60からの情報を受信し、それに応じて必要な情報をユーザ端末60へ返信するサーバとして機能し、CPU21、メモリ22、外部記録媒体23、記録媒体読取部24、インターフェース部25、およびデータベース記憶部27を備えている。
【0038】
CPU21は、メモリ22に記憶されている検索プログラム22aに従い検索装置20の各部の動作を制御する。検索プログラム22aは、メモリ22に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体23から記録媒体読取部24を介してメモリ22に読み込まれて記憶されたものであってもよい。検索プログラム22aは、書き換え不可能な情報である。
【0039】
メモリ22には、このような書き換え不可能な情報のためのエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するための書込可能データエリア22bも確保されている。
【0040】
インターフェース部25は、無線または有線によって通信ネットワーク80と接続しており、ユーザ端末60から送信された質問データ等の情報を受信し、CPU21へ出力する一方、質問データに応じて検索プログラム22aによって提供される回答データや問合データ等といった情報を、通信ネットワーク80を介してユーザ端末60へ出力する。
【0041】
データベース記憶部27は、例えばSSD(Solid State Drive)や、ハードディスクドライブ内に構築されており、サービスに対する行動に関するFAQを紐付けたテーブルである2次元マトリクスデータベースAと、業務知識データベースBと、一般的知識データベースCと、FAQデータベースDとを記憶している。
【0042】
図3は、2次元マトリクスデータベースAの一例を示す模式図である。
【0043】
2次元マトリクスデータベースAは、図3に例示するように、X軸とY軸とによって構成される。
【0044】
X軸には、サービスが割り当てられている。サービスは、検索装置20を利用する事業主によって提供されるものであり、本明細書でいうサービスとは、所謂無形物であるサービスのみならず、有形物である商品を含んでも良い。例えば、事業主が新聞社であれば、サービスは、新聞配送、ネット新聞、書籍等に相当し、事業主が通信会社であれば、サービスは、プロバイダ接続契約、有料コンテンツ配信契約等に相当し、事業主が、通信販売業者であれば、サービスは、A商品、B商品、C商品、・・といった商品に相当するという具合である。
【0045】
Y軸には、このようなサービスに対する行動が割り当てられている。行動としては、具体的には、契約申込、解約、料金問合せ等が相当するが、検索装置20を利用する事業主によって、その内容は異なる。
【0046】
一般に、企業が保有するFAQは、該企業が提供するサービス(商品を含む)と、その行動(例えば、申込方法、手続等)に関連するものがほとんどである。2次元マトリクスデータベースAは、このような現状にもマッチしている。したがって、2次元マトリクスデータベースAは、多くの企業によって現在保有されているFAQとの高い親和性を有しているので、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20は、新規に利用を計画している事業主にとっても利用しやすい。
【0047】
図3に示す2次元マトリクスデータベースAは、事業主が新聞社である場合における一例である。従って、X軸には、該新聞社が提供する新聞名や、ネット新聞名等が記載されており、Y軸には、申込、解約、料金等が記載されている。なお、事業主が異なれば、これらサービス(商品を含む)の内容も異なるし、また、当然ながら、それに伴って、行動の内容も異なることに留意されたい。
【0048】
このように、2次元マトリクスデータベースAでは、X軸で指定されたサービスと、Y軸で指定された行動とから決定される座標に、該当するFAQが紐付けられている。図3では、簡略のため、X軸で指定されたサービスと、Y軸で指定された行動とから決定されるFAQの内容そのものではなく、数が示されている。例えば、X軸(01)(電子版)に対するY軸(01)(解約)に該当するFAQは、12個存在することが示されている。
【0049】
なお、FAQが、どのような場合に対して用意されているのかは、事業主に依存する。したがって、各座標に必ずFAQが紐付けられているとは限らないし、逆に、同一の座標に、複数のFAQが紐付けられている場合もある。事業主は、各座標に対するFAQを紐付けるために、例えば、図4に示すように、サービス(X)と行動(Y)とのタグ付け作業を予め行っておき、対応するFAQ質問(Q)およびFAQ回答(A)を紐付けておく。これらFAQ質問(Q)およびFAQ回答(A)の内容は、対応するXY座標に紐付けられて、FAQデータベースDに格納されている。例えば、FAQ質問(Q1)およびFAQ回答(A1)は、XY座標(03)(04)に紐付けられて、FAQデータベースDに格納されるという具合である。
【0050】
このように構成された検索装置20は、CPU21が、検索プログラム22aに記述された命令に従い検索装置20の各部の動作を制御し、ソフトウェアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下に説明するように機能する。
【0051】
まず、検索プログラム22aが、ユーザ端末60から送信された質問データEに対して、テキストマイニングや、自然言語処理を施して単語や文節に分解し、分解された単語や文節を、さらに業務知識データベースBや一般的知識データベースCと比較する言語処理によって、サービスと行動とを特定し、2次元マトリクスデータベースAにおける該当する座標を決定する。
【0052】
なお、質問データEを、単語や文節に分解する場合、必ずしも、テキストマイニングと自然言語処理との両方を実施する必要はなく、何れか一方だけ実施するようにしても良い。また、単語や文節を比較する場合、必ずしも業務知識データベースBと一般的知識データベースCとの両方と比較する必要はなく、例えば、業務知識データベースBとの比較だけで、サービスと行動とを特定することできるのであれば、一般的知識データベースCとの比較を省略しても良い。また、その逆に、一般的知識データベースCとの比較だけで、サービスと行動とを特定することできるのであれば、業務知識データベースBとの比較を省略しても良い。
【0053】
図5Aおよび図5Bは、業務知識データベースBの一例を示す模式図である。
【0054】
業務知識データベースBには、図5Aに示すように、サービスの同義語と、図5Bに示すように、行動との同義語・関連語とが登録されている。サービスの名称は、事業主毎に異なるので、業務知識データベースBは、事業主毎に準備される。
【0055】
一方、一般的知識データベースCは、一般用語の同義語が登録されているデータベースであるので、事業主に依存せず、共通して使用される。
【0056】
検索プログラム22aは、2次元マトリクスデータベースAにおける該当する座標を決定するために、以下に示すような6つの機能を有している。
【0057】
第1の機能は、質問データEの内容に対して言語処理を実施し、該当するサービス、すなわちX軸の座標を特定する機能である。この機能の例を、図6のチャット画面を用いて説明する。
【0058】
図6は、ユーザ端末60が、検索装置20にアクセスすることによって、ユーザ端末60のディスプレイ上に表示されるチャット画面の例である。
【0059】
ユーザ端末60が、検索装置20にアクセスすると、ユーザ端末60のディスプレイ上に、チャット画面が表示され、検索装置20から送信された「こんにちは。御質問は何ですか?」というメッセージが表示される。これに対してユーザが「ダブルプランを申込したい」との質問データEを入力する。すると、検索プログラム22aは、「ダブルプランを申込したい」との質問データEに対して、テキストマイニングや、自然言語処理を施すことによって、単語や文節に分解し、分解された単語や文節を、業務知識データベースBと比較し、また、必要であればさらに一般的知識データベースCと比較するという言語処理によって、X軸に該当するサービスは「Wプラン」であると特定する。これは、図3における2次元マトリクスデータベースAのX軸における座標(03)に相当する。
【0060】
第2の機能は、前述したような言語処理によって、質問データEの内容から、該当する行動、すなわちY軸の座標を特定する機能である。この機能の例を、引き続き図6のチャット画面を用いて説明する。すなわち、検索プログラム22aは、「ダブルプランを申込したい」との質問データEに基づいて、前述したような言語処理を実施し、Y軸に該当する行動は「申込」であると特定する。これは、図3における2次元マトリクスデータベースAのY軸における座標(03)に相当する。
【0061】
第3の機能は、2次元マトリクスデータベースA上において、特定されたX軸の座標と、特定されたY軸の座標によって決定されるXY座標に紐付けられたFAQを、FAQデータベースDから取得する。この機能の例を、図3と、引き続き図6のチャット画面を用いて説明する。X軸が「Wプラン」に対応する座標(03)であり、Y軸が「申込」に対応する座標(03)である場合、図3には、4つのFAQが存在することが示されている。検索プログラム22aは、このXY座標(03)(03)に紐付けられた4つのFAQ(FAQ質問(Q)およびFAQ回答(A))を、FAQデータベースDから取得し、インターフェース部25へ出力する。インターフェース部25は、取得された4つのFAQ質問(Q)を、ユーザ端末60へ送信する。これによって、ユーザ端末60のディスプレイからは、図6に示すように、4つのFAQ質問(Q1〜Q4)が表示されるようになる。これに応じて、ユーザが、これら4つのFAQ質問(Q1〜Q4)のうち、どれが所望するFAQ質問(Q)であるかを、タップ等により指定すると、検索プログラム22aは、指定されたFAQ質問(Q)に対応するFAQ回答(A)を回答データFとして、ユーザ端末60へ返信し、ディスプレイから表示させる。これによって、ユーザは、所望する回答を得ることができる。
【0062】
第4の機能は、サービスを特定できず、X軸の座標を特定できない場合、質問データEを補足するために、サービスをユーザへ問い合わせるための問合データGを作成する。この機能の例を、図7のチャット画面を用いて説明する。
【0063】
ユーザ端末60が、検索装置20へアクセスすると、ユーザ端末60のディスプレイ上に、チャット画面が表示され、検索装置20から送信された「こんにちは。御質問は何ですか?」というメッセージが表示される。これに対してユーザが「解約したいのですが」という質問データEを入力する。すると、検索プログラム22aは、「解約したいのですが」という質問データEに対して、前述したような言語処理を行うことによって、Y軸に該当する行動が、Y座標(04)である「解約」であると特定する。次に、2次元マトリクスデータベースAを参照し、Y座標(04)の「解約」という行動に紐付けられているすべてのX座標を確認することによって、「解約」に関連する関連するすべてのサービスを抽出する。
【0064】
そして、抽出したサービスのうち、どのサービスを解約したいのかを、ユーザに対して問い合わせるために、問合データGを作成し、インターフェース部25へ出力する。インターフェース部25は、問合データGを、ユーザ端末60を送信する。これによって、ユーザ端末60のディスプレイからは、図8に示すように、サービスを問い合わせる問合データGが表示されるようになる。これに応じて、ユーザが、該当するサービスを、タップ等により指定すると、検索プログラム22aは、指定された内容から、X軸の座標を決定する。これによってX軸の座標と、Y軸の座標とが特定されるので、第3の機能で説明したように、特定されたX軸の座標と、特定されたY軸の座標とによって決定される2次元マトリクスデータベースA上のXY座標に紐付けられたFAQを、FAQデータベースDから取得し、最終的に、ユーザは、所望する回答を得ることができる。
【0065】
第5の機能は、行動を特定できず、Y軸の座標を特定できない場合、質問データEを補足するために、行動をユーザへ問い合わせるための問合データGを作成する。この機能の例を、図9のチャット画面を用いて説明する。
【0066】
ユーザ端末60が、検索装置20へアクセスすると、ユーザ端末60のディスプレイ上に、チャット画面が表示され、検索装置20から送信された「こんにちは。御質問は何ですか?」というメッセージが表示される。これに対してユーザが「Wプランについて質問したいのですが」という質問データEを入力する。すると、検索プログラム22aは、前述したような言語処理を実施し、該当するサービスが、X座標(03)である「Wプラン」であると特定する。次に、2次元マトリクスデータベースAを参照し、X座標(03)の「Wプラン」というサービスに関連付けられているすべてのY座標を抽出する。
【0067】
そして、抽出したY座標に対応する行動のうち、どの行動に該当するのかを、ユーザに対して問い合わせるために、問合データGを作成し、インターフェース部25へ出力する。インターフェース部25は、問合データGを、ユーザ端末60へ送信する。これによって、ユーザ端末60のディスプレイからは、図9に示すように、行動を問い合わせる問合データGが表示されるようになる。これに応じて、ユーザが、該当する行動を、タップ等により指定すると、検索プログラム22aは、Y軸の座標を決定する。図9では、一例として、「解約」がタップされた状態を示している。これによってX軸の座標と、Y軸の座標とが特定されるので、第3の機能で説明したように、特定されたX軸の座標と、特定されたY軸の座標によって決定されるXY座標に紐付けられたFAQを、FAQデータベースDから取得し、最終的に、ユーザは、所望する回答を得ることができる。
【0068】
第6の機能は、サービス、すなわちX軸の座標と、行動、すなわちY軸の座標との両方とも特定できない場合、質問データEを補足するために、X軸に割り当てられたサービスと、Y軸に割り当てられた行動とのうち何れか少ない方を、最初に、ユーザへ問い合わせるための問合データGを作成する。この機能の例を、図10のチャット画面を用いて説明する。
【0069】
ユーザ端末60が、検索装置20へアクセスすると、ユーザ端末60のディスプレイ上に、チャット画面が表示され、検索装置20から送信された「こんにちは。御質問は何ですか?」というメッセージが表示される。これに対してユーザが、例えば、「大阪の天気は?」という質問データEを入力する。すると、検索プログラム22aは、この質問データEに基づいて、前述したような言語処理を実施し、この質問は、サービスにも、行動にも該当しないと判定する。この場合、検索プログラム22aは、2次元マトリクスデータベースAにおいて分類されているサービスと、行動とのうち何れか少ない方を、ユーザへ問い合わせる。ここでは、サービスの数の方が、行動の数よりも少ないと仮定する。この場合、検索プログラム22aは、2次元マトリクスデータベースAにおいて分類されているすべてのサービスを表示するための問合データGを作成し、インターフェース部25へ出力する。インターフェース部25は、問合データGを、ユーザ端末60を送信する。これによって、ユーザ端末60のディスプレイからは、図10に示すように、すべてのサービスが表示されるようになる。このように、サービスと行動のうち、少ない方を最初にユーザへ問い合わせることによって、問合データGとしてユーザ端末60から表示される情報量を少なくすることができる。
【0070】
表示されたサービスの中から、ユーザが、所望するサービス(例えば、産業新聞ビューアー)を、タップ等により指定すると、検索プログラム22aは、前述したような言語処理を実施し、該当するサービス、すなわちX軸の座標を特定する。
【0071】
次に、第5の機能で説明したように、特定されたサービスに関連するすべての行動を抽出する。そして、抽出した行動のうち、どの行動に該当するのかを、ユーザに対して問い合わせるために、問合データGを作成し、インターフェース部25へ出力する。インターフェース部25は、問合データGを、ユーザ端末60を送信する。これによって、ユーザ端末60のディスプレイからは、図11のように、行動を問い合わせる問合データGが表示されるようになる。これに応じて、ユーザが、該当する行動(例えば、クレジットカード)をタップ等により指定すると、検索プログラム22aは、第2の機能で説明したように、言語処理を実施し、該当する行動、すなわちY軸の座標を特定する。これによってX軸の座標とY軸の座標とが特定されるので、第3の機能で説明したように、特定されたX軸の座標と、特定されたY軸の座標によって決定される2次元マトリクスデータベースA上のXY座標に紐付けられたFAQを、FAQデータベースDから取得し、最終的に、ユーザは、所望する回答を得ることができる。
【0072】
質問データEに基づいてユーザへ提供するFAQを決定する処理は、図12に示すような9つのパターン1〜9に分類される。しかしながら、検索装置20によれば、上述した第1乃至第6の機能を適宜組み合わせることよって、これら9つのパターン1〜9の何れに対しても、対応することが可能である。
【0073】
上述したように、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20においては、上記のような作用により、ユーザからの質問データEの内容が、2次元マトリクスデータベースA上のどの座標に該当するのかを特定することができる。また、質問データEに不足がある場合には、問合データGを作成し、ユーザに対して問い合わせることによって、対話を通じて、ユーザを適切にナビゲーションしながら、不足している情報を、ユーザから引き出すことができる。これによって、ユーザの質問が、2次元マトリクスデータベースAにおけるどの座標に該当するのかを絞り込んで行くので、質問データに対する適切なFAQを、高い精度で検索することが可能となる。
【0074】
このように、質問データEに対する言語処理を行い、質問が、2次元マトリクスデータベースA上のどの座標に該当するのかを特定し、特定された座標に応じて適切な情報を提示するという技術的構成は、従来技術とは全く異なるものである。
【0075】
従来技術では、質問文とFAQとが予め一対一に紐付けられており、質問文に対して自然言語処理を行うことによって、該質問文がどのFAQに紐付けられているのかを特定していた。しかしながら、この手法では、高価なAI技術を使っても、高い精度で適切なFAQを特定することは困難であった。
【0076】
本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20は、このような手法を使用しないので、質問文とFAQとを予め一対一に紐付ける作業も不要であるので、低価格で実現することも可能である。
【0077】
さらに本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20によって、ユーザは、質問データEを、使い慣れたチャットボットの環境を使って、定められたフォーマットに従うことなく、自由な形式で入力することによって、所望した回答を得ることができる。したがって、ユーザの利便性を高めることも可能となる。
【0078】
また、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20において、2次元マトリクスデータベースAは、質問内容の絞り込みのために使用されるのみならず、ユーザに対して不足情報を問い合わせるための問合データGを作成する際にも活用される。例えば、図6を用いて説明したように、X軸に該当するサービス(例えば、「Wプラン」)のみが特定されている場合、2次元マトリクスデータベースAが参照され、「Wプラン」というサービスに関連するすべての行動が抽出され、それに基づいて、関連する行動が含まれたFAQ質問(Q1〜Q4)が表示される。このように2次元マトリクスデータベースAを利用することによって、無関係な情報は排除され、関連する行動のみが含まれた適切なFAQ質問(Q)を提供することが可能となる。
【0079】
このようなことを、2次元マトリクスデータベースAを活用せず、つまり、従来技術で作成しようとすれば、例えば、「これは○○ですか?それとも△△ですか?」のように、具体的なシナリオを構築したうえで、膨大なif文をプログラミングしないと実現できない。
【0080】
しかしながら、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20によれば、2次元マッピングデータベースAを活用することによって、従来技術で必要であった膨大なシナリオの構築を必要としない。
【0081】
このように、本発明の実施形態に係る検索方法を適用した検索装置20は、従来技術では実現されない多くの利点を有している。
【0082】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0083】
例えば、上記実施形態では、ユーザ端末60から検索装置20へ送られる質問データEや、検索装置20からユーザ端末60へ送られる問合データGや回答データFは、チャット画面を使った文字情報によってなされることを説明したが、これは一例であって、文字情報に代えて、音声情報によって実現したり、あるいは、ほとんど文字情報で実現しているところ、一部のみを音声情報で実現したり、あるいは、文字情報と音声情報との両方によって行うようにしても良い。
【符号の説明】
【0084】
10・・ネットワーク構成、
20・・検索装置、
22・・メモリ、
22a・・検索プログラム、
22b・・書込可能データエリア、
23・・外部記録媒体、
24・・記録媒体読取部、
25・・インターフェース部、
60・・ユーザ端末、
80・・通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12