(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記判定手段は、前記第1のセンサーが入浴を検出し、かつ前記第2のセンサーが人の存在を検出した時点から一定時間、前記第1のセンサーおよび前記第2のセンサーの各検出状態に変化がないとき、前記メッセージ報知手段に時間経過を表すメッセージを出力させることを特徴とする請求項1に記載の浴室異常検知システム。
さらに、前記判定手段は、前記応答入力手段の応答入力時点から一定時間が経過したとき、または前記第3のセンサーが人の動きなしを検出した時点から一定時間が経過したとき、前記異常報知手段または前記メッセージ報知手段に異常報知を出力させることを特徴とする請求項4に記載の浴室異常検知システム。
前記判定手段は、前記第1のセンサーが入浴を検出した時点から前記第2のセンサーまたは前記第3のセンサーのモニタリングを開始させることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の浴室異常検知システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る浴室異常検知システムを示している。
図1に示す構成は一例であり、本発明が
図1に示す構成に限定されるものではない。
この浴室異常検知システム(以下、単に「検知システム」と称する)2では、浴室4内の人(入浴者)Mをモニタリングし(見守り)、入浴中、人Mの異常を検知する。
この検知システム2には、第1のセンサー6−1、第2のセンサー6−2、異常判定部8、メッセージ報知部10、応答入力部12、および異常報知部14が備えられる。この検知システム2を備えた浴室4はたとえば、浴室4に隣接して脱衣室16が備えられ、この脱衣室16から人Mは入口18を経て浴室4に入る。浴室4には入口18側より洗い場20および浴槽22が配置されている。
【0013】
センサー6−1は、人Mが入浴しているか否かを検出し、その検出出力を異常判定部8に入力する。このセンサー6−1にはたとえば、水位センサーを用いればよい。
図2のAに示すように、浴槽水BWの水位Lは人Mの入浴で、入浴前の水位L1が水位L2に上昇する。水位センサーが水位L2以上を検出すれば、センサー6−1から人Mの入浴を示す検出出力が得られる。
センサー6−2は
図2のAに示すように、人Mの在、不在のセンサー領域24により、人Mがセンサー領域24に入っているか否かを検出し、その検出出力を異常判定部8に入力する。このセンサー6−2にはセンサー領域24内を以て人Mの在、不在を検出可能なたとえば、光学センサーを用いればよい。このセンサー6−2の検知範囲は浴室4の洗い場20の面積より広く設定してよい。
【0014】
異常判定部8はたとえば、コンピュータにより構成し、センサー6−1、6−2の検出信号、応答入力部12の応答入力を用いた情報処理により人Mに異常が生じたかの判定処理を行う。
メッセージ報知部10は異常判定部8の判定出力により、入浴中の人Mに対して問い掛けや警告などのメッセージ報知や、異常時には異常報知を出力する。このメッセージ報知はメロディや、電子音でたとえば、「ダイジョウブデスカ」、「オボレノオソレガアリマス」、「オウトウガアリマセン」、「オキテクダサイ」、「ニュウヨクジカンガオーバーデス」などの音声出力を行う。このメッセージ報知部10はたとえば、浴槽22の近傍に設置される浴室リモコンなどに設置すればよい。また、台所リモコンにおいても同様のメッセージを出力させて、入浴中の人Mに呼びかけメッセージがあったことを台所で確認可能にしてもよい。
【0015】
応答入力部12はメッセージ報知部10からのメッセージ報知の後、入浴者Mからのタッチ操作などの入力を受け付ける操作入力手段であり、たとえば、ボタン操作部やタッチ入力部でよい。
異常報知部14はメッセージ報知部10からのメッセージ報知の後、入浴者Mの動きがなく、異常な状態が継続していると判定された場合、メッセージ報知より緊急性を表す異常報知を出力する。この異常報知部14はメッセージ報知部10と別個に構成し、または台所リモコンに設置してもよいし、メッセージ報知部10が異常報知部14を兼用することにより、メッセージ報知と異なる異常報知を行ってもよい。
【0016】
<異常検知の判定テーブル>
図3は、検出状態と時間計測を含む異常判定部8の判定テーブル26−1を示す。
この判定テーブル26−1において、
センサー6−1の検出出力=「1」:入浴、
センサー6−1の検出出力=「0」:浴槽外、
センサー6−2の検出出力=「1」:人Mの存在、
センサー6−2の検出出力=「0」:不在
を表す。
【0017】
No.1は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」の場合であり、人Mが浴槽外(または浴室外)に居ると判定する。
No.2は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」の場合であり、人Mが浴槽外(または洗い場)に居ると判定する。
No.3は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」の場合であり、人Mが浴槽内で異常と判定する。この場合、一定時間T12内に反応がなければ、異常=「溺没」と判定する。
No.4は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「1」の場合であり、人Mは浴槽内で正常と判定する。この場合、一定時間T15内に反応がなければ、居眠りなどが想定されるので、長湯注意などの注意喚起が必要と判定する。
【0018】
<異常判定部8による判定処理>
a)人Mの入浴中、センサー6−1、6−2の検出出力の取込み、そのモニタリング(見守りおよび状態監視)を行う。
b)No.3の検出出力において、一定時間、センサー6−1、6−2の検出出力が別の検出出力に変化しない場合には異常か否かの判定を開始する。
c)No.4の検出出力において、一定時間、センサー6−1、6−2の検出出力が別の検出出力に変化しない場合には問い掛けを行う。
d)メッセージ報知部10からメロディやメッセージ報知を行う。
e)メッセージ報知に人Mが反応し、応答入力部12の応答入力またはセンサー6−1の検出出力が別の検出出力に変化した場合、上記a)からの処理を再開し、それ以外の場合には一定時間たとえば、30〔秒〕のカウントアップを開始する。
【0019】
f)一定時間内に人Mから応答入力部12の応答入力がない場合、メッセージ報知部10からたとえば、大音量のメッセージ報知を行い、異常報知部14から警告報知を行う。応答入力部12に代え、浴室リモコンにあるマイクロフォンへの音声入力や、浴室リモコンに応答入力部12の変形例としてジェスチャー入力を認識可能なカメラを備え、このカメラに向かってジェスチャーなどの画像や光の入力を行ってもよい。
g)異常報知部14などからの異常報知は、浴室リモコンに設置した異常報知部14からの異常報知の他、メッセージ報知部10によるメッセージ告知よりレベルの高い異常報知、台所リモコンに設置した異常報知部14による異常報知でよい。さらに、異常判定部8に通信部を備えて携帯電話やスマートフォンなどの通信機器に通知し、この通信機器から異常情報として警告メールや警告音を出力させてもよい。
h)検知システム2について、センサー6−1、6−2が浴室4に洗濯物などの障害物を検知(誤検知)することを回避する誤検知の回避シーケンスとして、たとえば、浴室暖房乾燥機の換気ファンの運転時、検知システム2のモニタリング動作を停止させる処理を付加してもよい。
【0020】
<モニタリングの処理手順>
図4は、第1の実施の形態に係る異常判定部8のモニタリングの処理手順を示している。この処理手順において、i=1〜4は判定テーブル26−1のNo.1〜4に対応している。
異常判定部8はセンサー6−1、6−2の検出出力のモニタリングを継続して実行する。このモニタリングでは「i=1、2」、「i=3」、「i=4」を判定する(S101)。この判定の順序は番号順またはランダムの何れでもよい。
<i=1、2>
i=1はセンサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」を検出したときであり、i=2はセンサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」を検出したときである(S102)。これら何れかのとき、人Mは浴槽外と判定し、異常はないからS101に戻る。
【0021】
<i=3>
i=3はセンサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」を検出したときである(S103)。この検出状態が別の状態より変化した時点からの時間計測を行う(S104)。この時間計測は、クロック信号をカウントし、時間tを取得する。
この時間tが一定時間T11(たとえば、T11=120〔秒〕)に対し、t<T11であるか、t≧T11であるかを判定する(S105)。
一定時間T11の経過前(t<T11)、または人Mに反応があれば(S106)、正常と判定し、S101に戻る。
一定時間T11が経過しても(t≧T11)、i=3の検出状態に変化がなければ(S107)、呼びかけ必要と判定し、メッセージ報知部10から呼びかけなどのメッセージ報知を行う(S108)。このメッセージ報知は浴室4のたとえば、浴室リモコンなどから人Mに呼びかけを行う。
【0022】
このメッセージ報知の後もi=3の状態が継続し、メッセージ報知後、一定時間(たとえば、T12=30〔秒〕)内に応答入力部12からの応答入力またはセンサー6−2の検出出力に変化があるかの判定を行う(S109)。一定時間T12内に応答入力部12からの応答入力またはセンサー6−2の検出出力に変化があれば(S109の反応:有り)、正常と判定し、S101に戻る。
一定時間T12内に人Mの反応がない場合(S109の反応:無し)、メッセージ報知時点からの時間計測を継続し時間t’を取得する(S110)。この時間t’がt’<T12であるか、t’≧T12であるかを判定する(S111)。
メッセージ報知の時点から一定時間T12の経過前、または人Mに反応があれば(S109、S111の反応:有り)、S101に戻る。
メッセージ報知の時点から一定時間T12内に人Mに反応が無ければ(S111の反応:無し)、異常報知を行う(S112)。
【0023】
<i=4>
i=4はセンサー6−1の検出出力=「1」、かつセンサー6−2の検出出力=「1」になった時点である(S113)。この検出状態が別の状態より変化した時点から時間計測を行い、時間tを取得する(S114)。
この時間tが一定時間T14(たとえば、T14=1800〔秒〕)に対し、t<T14であるか、t≧T14であるかを判定する(S115)。
一定時間T14の経過前(t<T14)、または人Mに反応があれば(S116)、正常と判定し、S101に戻る。
一定時間T14が経過しても(t≧T14)、i=4の検出状態に変化がなければ(S117)、時間通知を行う(S118)。この時間通知は浴室4のたとえば、浴室リモコンなどから人Mに入浴時間を通知する。
【0024】
時間計測を継続し、i=4の検出時点から一定時間T15(たとえば、T15=2700〔秒〕)に対し、t<T15であるか、t≧T15であるかを判定する(S119)。一定時間T15の経過前(t<T15))、または応答入力部12からの応答入力またはセンサー6−2の検出出力に変化があれば(S120)、正常と判定し、S101に戻る。
一定時間T15が経過しても(t≧T15)、応答入力部12からの応答入力またはセンサー6−2の検出出力に変化がなければ(S121)、人Mに対して警告メッセージを発する(S122)。
警告メッセージの報知時点から時間計測を行い時間t’を取得する(S123)。この計測時点から一定時間T16(たとえば、T16=30〔秒〕)内であるか(t’がt’<T16であるか、t’≧T16であるか)を判定する(S124)。一定時間T16の経過前、または応答入力部12からの応答入力またはセンサー6−2の検出出力に変化があれば(S124の反応:有り)、つまり、人Mに反応が有れば、正常と判定し、S101に戻る。
一定時間T16内に人Mの反応がなければ(S124の反応:無し)、異常報知を行う(S125)。
【0025】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」で判定モードに移行し、この判定モード移行から一定時間T11の経過を待って入浴中の人Mに対して呼びかけを行い、その呼びかけ時点から一定時間T12の経過を待って入浴中の人Mが反応するかを判断する。このため、身体を意図的に溺没させ、センサー6−2のセンサー領域24から人Mが外れるなど、不規則な異常判定を回避でき、判定精度を高めることができる。
【0026】
(2) 呼びかけメッセージから入浴中の人Mに反応があるかを判断し、そのメッセージから一定時間T12の経過を待って、人Mに反応がない場合、異常と判断し、異常報知を行うので、正常な入浴を妨げることなく、入浴中の人Mの異常を迅速に判断でき、異常告知により不測の事態を回避できる。
(3) センサー6−1の検出出力=「1」かつセンサー6−2の検出出力=「1」の場合、異常ではないが、この状態で長時間が経過すると、安全性が損なわれるので、時間経過を通知した後、入浴中の人Mの反応がないとき、判定モードに移行し、この移行時点から一定時間が経過したとき、異常と判定でき、長湯状態か異常状態かを正確に判断でき、安全性を高めることができる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
図5は、第2の実施の形態に係る検知システム2を示している。
図5において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態に係る検知システム2では、既述の検知システム2(
図1)に加えて第3のセンサー6−3が備えられる。センサー6−3は浴室4内の人Mの動きを検出する。このセンサー6−3にはたとえば、人感センサーを用いればよい。その他の構成は第1の実施の形態と同一であるので、同一符号を付し、その説明を割愛する。
【0028】
<異常検知の判定テーブル>
図6は、異常検知の判定テーブル26−2を示す。
この判定テーブル26−2において、
センサー6−1の検出出力=「1」:入浴、
センサー6−1の検出出力=「0」:浴槽外、
センサー6−2の検出出力=「1」:人Mの存在、
センサー6−2の検出出力=「0」:不在、
センサー6−3の検出出力=「1」:動き有り、
センサー6−3の検出出力=「0」:動き無し
を表す。
【0029】
No.1は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「0」の場合であり、人Mが「不在」と判定する。
No.2は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「1」の場合であり、「誤作動」と判定する。
No.3は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「0」の場合であり、人Mが「浴槽で異常」と判定する。
No.4は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「0」の場合であり、人Mが「洗い場で異常」と判定する。
【0030】
No.5は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「1」の場合であり、人Mが「浴槽で正常」と判定する。
No.6は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「1」の場合であり、人Mが「洗い場で正常」と判定する。
No.7は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「0」の場合であり、人Mが「浴槽で異常」と判定する。
No.8は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「1」の場合であり、人Mが「浴槽で正常」と判定する。
【0031】
<異常判定部8による判定処理>
a)センサー6−1、6−2、6−3の検出出力の取込み、そのモニタリング(見守りおよび状態監視)を行う。
b)センサー6−1、6−2、6−3の検出出力が変化することなく、No.3、4、7の検出出力状態で一定時間以上継続した場合、異常か否かの判定を開始する。
c)No.3、4、7の検出出力において、他の検出出力に変化することなく一定時間が継続した場合、メッセージ報知部10からメロディやメッセージ報知を行う。
【0032】
d)メッセージ報知に人Mが反応し、応答入力部12の応答入浴またはセンサー6−3の検出出力が別の検出出力に変化した場合、上記a)からの処理を再開し、それ以外の場合には一定時間たとえば、30〔秒〕のカウントアップを開始する。
e)一定時間内に人Mから応答入力部12の応答入力がない場合、メッセージ報知部10からたとえば、大音量のメッセージ報知を行い、異常報知部14から警告報知を行う。この実施の形態においても、応答入力部12に代え、浴室リモコンにあるマイクロフォンへの音声入力や、浴室リモコンに応答入力部12の変形例としてジェスチャー入力を認識可能なカメラを備え、このカメラに向かってジェスチャー入力を行ってもよい。
【0033】
f)異常報知部14などからの異常報知はこの実施の形態においても、浴室リモコンに設置した異常報知部14からの異常報知の他、メッセージ報知部10によるメッセージ告知よりレベルの高い異常報知、台所リモコンに設置した異常報知部14による異常報知でよい。さらに、異常判定部8に通信部を備えて携帯電話やスマートフォンなどの通信機器に通知し、この通信機器から異常情報として警告メールや警告音を出力させてよい。
g)検知状況No.5、8は、
図6に示す判定テーブル26−2では異常ではないが、長時間入浴による溺没やのぼせなどの異常の発生を無視できない。そこで、検知状況No.5、8については、一定時間以上の長湯、つまり、No.3、4、7の場合より長い時間が経過した場合には、異常か否かの判定を開始すればよい。さらに、No.2では通常の入浴では成立しない検出状況であるから、一定時間以上を検出した場合にはその状況を台所リモコンなどにより報知してもよい。
【0034】
<モニタリングの処理手順>
図7は、第2の実施の形態に係る異常判定部8のモニタリングの処理手順を示している。この処理手順において、i=1〜8は判定テーブル26−2のNo.1〜8に対応している。
この処理手順では、センサー6−1、6−2、6−3の検出出力のモニタリングを継続して実行する。このモニタリングでは「i=1」、「i=3、4、7」、「i=5、8」、「i=6」、「i=2」を判定し(S201)、この判定順序は番号順にまたはランダムの何れでもよい。
<i=1>
i=1は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」、センサー6−3の検出出力=「0」を検出している(S202)。このとき、異常ではないからS201に戻る。
【0035】
<i=2>
i=2は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「0」、センサー6−3の検出出力=「1」を検出している(S203)。この検出時点からの時間計測を行う(S204)。
この時間計測は、クロック信号をカウントし、時間tを取得する。
この時間tが一定時間T21(たとえば、T21=180〔秒〕)に対し、t<T21であるか、t≧T21であるかを判定する(S205)。一定時間T21の経過前(t<T21)、または人Mに反応があれば(S206)、正常と判定し、S201に戻る。
t≧T21が経過すれば(S207)、異常と判定し、台所リモコンから報知し(S208)、この状態を告知する。
【0036】
<i=3、4、7>
i=3は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「0」を検出したときである。
i=4は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「0」を検出したときである。
i=7は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「0」を検出したときである。
この何れかであれば(S209)、各時点からの時間計測を行う(S210)。この時間計測は既述のようにクロック信号をカウントし、時間tを取得する。
【0037】
この時間tが一定時間T22(たとえば、T22=30〔秒〕)の経過前(t<T22)か、またはi=3、4、7の検出状態が別の状態に変化したかを判定する(S211)。
一定時間T22の経過前(t<T22)、またはi=3、4、7の検出状態が別の状態に変化すれば(S212)、正常と判定し、S201に戻る。
一定時間T22が経過しても(t≧T22)、人Mに反応がなければ(S213)、呼びかけ必要と判定し、呼びかけなどのメッセージ報知を行う(S214)。このメッセージ報知は浴室4のたとえば、浴室リモコンなどから人Mに呼びかけを行う。
このメッセージ報知の後もi=3、4、7の検出状態が継続し、メッセージ報知後、一定時間T23(たとえば、T23=30〔秒〕)内に応答入力部12からの応答入力またはi=3、4、7の検出状態に変化があるかの判定を行う(S215)。一定時間T23内に応答入力部12からの応答入力またはi=3、4、7の検出状態に変化があれば(S215の反応:有り)、正常と判定し、S201に戻る。
【0038】
一定時間T23内に応答入力または検出出力に変化がない場合、つまり人Mの反応がない場合(S215の反応:無し)、メッセージ報知時点からの時間計測を継続し時間t’を取得する(S216)。この時間t’がt’<T23であるか、t’≧T23であるかを判定する(S217)。
メッセージ報知の時点から一定時間T23の経過前、または人Mに反応があれば(S215の反応:有り、またはS217の反応:有り)、S201に戻る。
メッセージ報知の時点から一定時間T23内に人Mに反応が無ければ(S217の反応:無し)、異常報知を行う(S218)。
【0039】
<i=5、8>
i=5は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「0」およびセンサー6−3の検出出力=「1」を検出したときである。
i=8は、センサー6−1の検出出力=「1」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「1」を検出したときである。
この何れかであれば(S219)、各時点からの時間計測を行う(S220)。この時間計測は既述のようにクロック信号をカウントし、時間tを取得する。
この時間tが一定時間T25(たとえば、T25=1800〔秒〕)の経過前(t<T25)か、またはi=5、8の検出状態が別の状態に変化したかを判定する(S221)。
一定時間T25の経過前(t<T25)、またはi=5、8の検出状態が別の状態に変化すれば(S222)、S201に戻る。
一定時間T25が経過しても(t≧T25)、検出状態に変化が無い、つまり人Mに反応がなければ(S223)、呼びかけ必要と判定し、呼びかけなどのメッセージ報知を行う(S214)。このメッセージ報知は浴室4のたとえば、浴室リモコンなどから人Mに呼びかけを行う。
【0040】
このメッセージ報知の後もi=5、8の検出状態が継続し、メッセージ報知後、一定時間T23(たとえば、T23=30〔秒〕)内に応答入力部12からの応答入力またはi=5、8の検出状態に変化があるかの判定を行う(S215)。一定時間T23内に応答入力部12からの応答入力またはi=5、8の検出状態に変化があれば(S215の反応:有り)、正常と判定し、S201に戻る。
一定時間T23内に人Mの反応がない場合、メッセージ報知時点からの時間計測を継続し時間t’を取得する(S216)。この時間t’がt’<T23であるか、t’≧T23であるかを判定する(S217)。
メッセージ報知の時点から一定時間T23の経過前、または人Mに反応があれば(S215の反応:有り、またはS217の反応:有り)、S201に戻る。
メッセージ報知の時点から一定時間T23内に人Mに反応が無ければ(S217の反応:無し)、異常報知を行う(S218)。
【0041】
<i=6>
i=6は、センサー6−1の検出出力=「0」、センサー6−2の検出出力=「1」およびセンサー6−3の検出出力=「1」を検出したときには(S224)、この時点からの時間計測を行う(S225)。この時間計測は既述のようにクロック信号をカウントし、時間tを取得する。
この時間tが一定時間T26(たとえば、T26=2400〔秒〕)の経過前(t<T26)か、またはi=6の検出状態が別の状態に変化したかを判定する(S226)。
一定時間T26の経過前(t<T26)、またはi=6の検出状態が別の状態に変化していれば(S227)、S201に戻る。
一定時間T26が経過しても(t≧T26)、検出状態に変化が無く、つまり人Mに反応がなければ(S228)、呼びかけ必要と判定し、呼びかけなどのメッセージ報知を行う(S214)。このメッセージ報知は浴室4のたとえば、浴室リモコンなどから人Mに呼びかけを行う。
このメッセージ報知の後もi=6の検出状態が継続し、メッセージ報知後、一定時間T23(たとえば、T23=30〔秒〕)内に応答入力部12からの応答入力またはi=6の検出状態に変化があるかの判定を行う(S215)。一定時間T23内に応答入力部12からの応答入力またはi=6の検出状態に変化があれば(S215の反応:有り)、正常と判定し、S201に戻る。
【0042】
一定時間T23内に人Mの反応がない場合、メッセージ報知時点からの時間計測を継続し時間t’を取得する(S216)。この時間t’がt’<T23であるか、t’≧T23であるかを判定する(S217)。
メッセージ報知の時点から一定時間T23の経過前、または人Mに反応があれば(S215の反応:有り、S217の反応:有り)、S201に戻る。
メッセージ報知の時点から一定時間T23内に人Mに反応が無ければ(S217の反応:無し)、異常報知を行う(S218)。
なお、i=3、4、5、6、7、8の場合、S216、S217の処理Fは繰り返し実行してもよい。
【0043】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、センサー6−3を追加したので、センサー6−3による人Mの動きの有無を監視でき、入浴中の異常判定の精度を高めることができる。
【実施例1】
【0044】
<給湯システム>
図8は、検知システム2を搭載した給湯システムを示している。
図8に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この給湯システム30には、給湯器32、浴室リモコン34および台所リモコン36が備えられる。
給湯器32には、給湯制御部38、水位センサー40などが備えられる。給湯制御部38には水位センサー40が接続されるとともに、通信回線42により浴室リモコン34および台所リモコン36が接続されている。通信回線42は有線でもよいし、無線でもよい。この通信回線42には人Mの検知情報や音声信号が伝送される。
浴室リモコン34には浴室リモコン制御部44、人体センサー46、表示部50、スピーカ52、マイクロフォン54などが備えられる。人体センサー46はセンサー6−2(
図1)の一例であり、人体の有無を検出する。
台所リモコン36には、台所リモコン制御部56、表示部58、スピーカ60、マイクロフォン62などが備えられる。
【0045】
<検知システム2の屋内配置>
図9は、給湯システムの屋内配置の一例を示している。
図9に示す構成に本発明は限定されるものではない。
図9において、
図1と同一部分には同一符号を付してある。
この屋内配置は一例として浴室4に隣接して脱衣室16が配置され、これら浴室4および脱衣室16に対して台所64が配置されている。
浴室4には浴槽22が設置されているとともに、浴槽22と入口18の間に洗い場20が形成されている。浴室4には浴槽22側の壁面に浴室リモコン34が配置され、浴槽22に隣接する外壁面には給湯器32が取り付けられている。洗い場20側の壁面には蛇口・シャワー66が配置されている。入口18はドアにより開閉可能である。台所64には台所リモコン36が配置されている。
【0046】
<給湯器32>
図10は、給湯器32の一例を示している。この給湯器32は一例であり、斯かる構成に本発明は限定されない。
図10において、
図8または
図9と同一部分には同一符号を付してある。
給水Wは給水管68を通して熱交換器70に流れるとともに、給水管68から分岐したバイパス管72を通して混合弁74に至る。温度センサー76は給水温度を検出する。熱交換器70はバーナー78で燃焼する燃料ガスの燃焼熱を給水Wに熱交換する。この熱交換で得られた温水HWは、出湯管80に設置された混合弁74に至る。混合弁74は温水HWとバイパス管72からの給水Wを混合する。給水Wを混合した温水HWは、温度センサー82で検出される。この検出温度によって混合弁74のポートa、bの開度が調整され、出湯管80から設定温度の温水HWが得られる。
【0047】
浴槽22への注湯時、温水HWが出湯管80から分岐した注湯管84および追焚管86を通して浴槽22に供給される。注湯管84に供給する温水HWは、開閉弁88により調整される。
追焚管86には浴槽水BWを熱交換器90に流す戻り管86−1、熱交換器90から浴槽水BWを浴槽22に戻す往き管86−2が備えられる。熱交換器90はバーナー92で燃焼する燃料ガスの燃焼熱を給水Wまたは浴槽水BWに熱交換する。
戻り管86−1に設置された循環ポンプ94は、追焚時または注湯時に駆動し、浴槽水BWまたは温水HWを、追焚管86を通して浴槽22に循環させる。
温度センサー96は循環する浴槽水BWの温度を検出する。また、水位センサー40は浴槽水位を検出する。検知システム2が搭載された給湯システム30にあっては、この水位センサー40が第1のセンサー6−1を構成し、この検出出力が人Mの入浴か否かの判定に用いられる。
【0048】
<検知システム2の制御部97>
図11のAは、検知システム2の制御部を示している。この検知システム2の制御部97は、給湯制御部38、浴室リモコン制御部44および台所リモコン制御部56を含み、給湯システム30の水位検出機能や音声出力機能などを活用し、入浴中のモニタリングとともに入浴中に人Mに生じる異常を判定する。
給湯制御部38にはコンピュータが搭載され、プロセッサ98、メモリ部100、入出力部(I/O)102、システム通信部104が備えられる。プロセッサ98はメモリ部100にあるOS(Operating System)や異常検知プログラムを実行する。メモリ部100にはROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が備えられ、OSや異常検知プログラムが格納される。
【0049】
I/O102にはプロセッサ98の制御により、水位センサー40、温度センサー76、82、96などの検出素子の検出出力が取り込まれ、混合弁74、開閉弁88、循環ポンプ94などの機能部に対する制御出力が得られる。この実施例では、水位センサー40が第1のセンサー6−1に兼用され、人Mが入浴か否かを検出する。
システム通信部104にはプロセッサ98の制御により、浴室リモコン制御部44、台所リモコン制御部56、音声入出力部114、124が無線または有線により接続される。水位センサー40の検出出力はシステム通信部104から浴室リモコン制御部44に伝送される。
【0050】
浴室リモコン制御部44にはコンピュータが搭載され、プロセッサ106、メモリ部108、I/O110、システム通信部112、音声入出力部114が備えられる。プロセッサ106はメモリ部108にあるOSをベースに給湯制御部38と連係して異常検知プログラムを実行する。つまり、プロセッサ106は既述の異常判定部8として機能する。メモリ部108にはROM、EEPROM、RAMなどの記憶素子が備えられ、OSや異常検知プログラムが格納される。メモリ部108は、プロセッサ106との協調によりタイマー134(
図11のB)を実現する。
I/O110にはプロセッサ106の制御により、人体センサー46の検出出力、スイッチ(SW)126のON、OFF入力、音声入出力部114、124からの音声入力、音声入出力部114、124への音声出力、表示部50に対する表示出力、LED(Light Emitting Diode)128の制御出力の入出力が行われる。
【0051】
システム通信部112は、プロセッサ106の制御により、給湯制御部38、台所リモコン制御部56、音声入出力部114、124が無線または有線により接続可能であるとともに、インターネット回線などとの通信接続、公衆回線を通じて携帯電話やスマートフォンなどの通信端末とのデータ通信が可能である。
音声入出力部114にはI/O110が接続され、マイクロフォン54からの音声入力が取り込まれ、スピーカ52に対する音声出力が得られる。この音声入出力部114に接続されるスピーカ52は、既述のメッセージ報知部10および異常報知部14の一例であり、メッセージ報知や異常報知に用いられる。
【0052】
台所リモコン制御部56にはコンピュータが搭載され、プロセッサ116、メモリ部118、システム通信部120、I/O122、音声入出力部124が備えられる。プロセッサ116はメモリ部118にあるOSをベースに給湯制御部38と連係して異常検知プログラムを実行する。メモリ部118にはROM、EEPROM、RAMなどの記憶素子が備えられ、OSや異常検知プログラムが格納される。
I/O122にはプロセッサ116の制御により、SW130のON、OFF入力、音声入出力部124からの入力などが取り込まれ、音声入出力部124への音声出力、表示部58に対する表示出力、LED132の制御出力が得られる。
【0053】
システム通信部120にはプロセッサ116の制御により、給湯制御部38、浴室リモコン制御部44、音声入出力部114、124が無線または有線により接続されている。
音声入出力部124にはI/O122が接続され、マイクロフォン62からの音声入力が取り込まれ、スピーカ60に対する音声出力が得られる。この音声入出力部124に接続されるスピーカ60は、既述のメッセージ報知部10および異常報知部14の一例であり、メッセージ報知や異常報知に用いられる。
【0054】
図11のBは、タイマー134の構成を示している。このタイマー134は既述の通り、プロセッサ106のカウンタ機能とメモリ部108の記憶機能を用いて実現される。このタイマー134には入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138が含まれる。入浴時間タイマー136は、人Mの入浴検出を契機に入浴中の人Mが浴槽22から出た時点までの時間計測をする。人体未検出タイマー138は、水位センサー40の入浴検出を契機に初期化を行い、人Mの検出から未検出に移行した時点から時間計測を行う。
【0055】
<入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138の時間計測>
入浴時間タイマー136は、センサー6―1の検出出力が「1」に到達した時点から「0」に移行するまで時間を計測する。検出出力「0」に移行した時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
人体未検出タイマー138は、センサー6―1の検出出力が「1」およびセンサー6−2の検出出力が「0」に到達した時点から、これら検出出力に変化が生じるまでの時間を計測する。これら検出出力に変化が生じた時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
【0056】
<モニタリングの処理手順>
図12は、実施例1に係るモニタリングの処理手順を示す。この処理手順は、人Mの入浴の見守りとして、水位センサー40および人体センサー46の検出出力、入浴時間タイマー136および人体未検出タイマー138の時間計測を用いたモニタリングを行う。
この処理手順ではモニタリングに当たり、入浴時間タイマー136および人体未検出タイマー138を初期化して計測時間を「0」にクリアし(S301)、時間計測を開始する(S302)。なお、時間計測の開始以降は、常にタイマーは計測状態となる。
【0057】
水位センサー40の検出出力により、人Mが入浴かを判定し(S303)、入浴であれば(S303のYES)、人体センサー46の検出出力により、人体の検出かを判定する(S304)。人体を検出すれば、人体未検出タイマー138を初期化し、検出時間を「0」にクリアする(S305)。
S304で人体が未検出であれば、人体未検出タイマー138の計測時間が一定時間たとえば、150〔秒〕以上であるかを判定する(S306)。人体未検出タイマー138の計測時間≧150〔秒〕であれば(S306のYES)、浴室リモコン34、台所リモコン36からメッセージ報知としてたとえば、「オボレノオソレガアリマス」を報知し(S307)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。この報知の後、S303に戻る。
【0058】
人体未検出タイマー138の計測時間<150〔秒〕であれば(S306のNO)、人体未検出タイマー138の計測時間が一定時間たとえば、120〔秒〕以上であるかを判定する(S308)。人体未検出タイマー138の計測時間≧120〔秒〕であれば(S308のYES)、S307のメッセージ報知に先立って、浴室リモコン34からメッセージ報知としてたとえば、「ダイジョウブデスカ」の連呼などの報知をする(S309)。この報知の後、S303に戻る。
人体未検出タイマー138の計測時間<120〔秒〕であれば(S308のNO)、S310に移行し、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、2430〔秒〕(40〔分〕30〔秒〕)以上であるかを判定する(S310)。
【0059】
入浴時間タイマー136の計測時間≧2430〔秒〕であれば(S310のYES)、浴室リモコン34、台所リモコン36から長湯注意のメッセージ報知としてたとえば、「ニュウヨクジカンガオーバーデス」を報知し(S311)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。この報知の後、S303に戻る。
入浴時間タイマー136の計測時間<2430〔秒〕であれば(S310のNO)、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、2400〔秒〕(40〔分〕)以上であるかを判定する(S312)。
入浴時間タイマー136の計測時間≧2400〔秒〕であれば(S312のYES)、S311のメッセージ報知に先立って、一定時間としてたとえば、1〔秒〕間隔で、浴室リモコン34からメッセージ報知としてカウントダウンを報知する(S313)。この報知の後、S303に戻る。
【0060】
入浴時間タイマー136の計測時間<2400〔秒〕であれば(S312のNO)、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、1800〔秒〕(30〔分〕)以上かを判定する(S314)。入浴時間タイマー136の計測時間≧1800〔秒〕であれば(S314のYES)、S313のメッセージ報知に先立って、一定時間としてたとえば、1〔分〕間隔で、浴室リモコン34から経過時間を表すメッセージ報知としてたとえば、「ニュウヨクジカンガ00フンデス」を報知する(S315)。この報知の後、S303に戻る。
入浴時間タイマー136の計測時間<1800〔秒〕であれば(S314のNO)、S303に戻る。
【0061】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) 浴室内の入浴中の人Mの状態監視を高精度に行うことができる。
(2) 人Mの入浴に浴槽水位を検出する水位センサー40を兼用するので、構成の簡略化とともに、浴槽水位を検出する精度の高いセンサーを用いることができる。
(3) 人体センサー46では浴槽22にある人Mの頭部を検出でき、人Mの在、不在の検出精度を高めることができる。
(4) 人Mの在、不在に関係なく、人Mの入浴時間の計測ができる。
【実施例2】
【0062】
<制御部97>
図13のAは実施例2に係る浴室リモコン34を示している。
図13のAにおいて、
図8と同一部分には同一符号を付し、その部分の説明を割愛する。この実施例2の浴室リモコン34には、その前面パネルに人感センサー140が備えられる。この人感センサー140はセンサー6−3(
図5)の一例である。この人感センサー140は浴室4に人Mの動きの有無を検出する。
図13のBは制御部97の浴室リモコン制御部44を示している。
図13のBにおいて、
図11と同一部分には同一符号を付し、その部分の説明を割愛する。この実施例2の浴室リモコン制御部44のI/O110には、人感センサー140が接続され、人Mの動きの有無を表す人感センサー140の検出出力が取り込まれる。
【0063】
図13のCは、実施例2に係るタイマー142の構成を示している。このタイマー142は既述の通り、プロセッサ106のカウンタ機能とメモリ部108の記憶機能を用いて実現される。このタイマー142には既述の入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138に加え、洗い場静止タイマー144、居眠り検出タイマー146、退室検出タイマー148が含まれる。入浴時間タイマー136および人体未検出タイマー138は実施例1で説明したので、その説明を割愛する。
洗い場静止タイマー144は、洗い場20で人Mが静止している時間を計測する。居眠り検出タイマー146は、浴槽22内で人Mの居眠り時間を計測する。退室検出タイマー148は、人Mが退室したか否かを判定するためのタイマーである。
【0064】
<入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138、洗い場静止タイマー144、居眠り検出タイマー146および退出検出タイマー148の時間計測>
入浴時間タイマー136は既述したように、センサー6―1の検出出力が「1」に到達した時点から「0」に移行するまで時間を計測する。検出出力「0」に移行した時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
人体未検出タイマー138は既述したように、センサー6―1の検出出力が「1」およびセンサー6−2の検出出力が「0」に到達した時点から、これら検出出力に変化が生じるまでの時間を計測する。これら検出出力に変化が生じた時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
洗い場静止タイマー144は、センサー6―1の検出出力が「0」、センサー6−2の検出出力が「1」およびセンサー6−3の検出出力が「0」に到達した時点からこれら検出出力に変化が生じるまでの時間を計測する。これら検出出力のいずれかに変化が生じた時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
居眠り検出タイマー146は、センサー6―1の検出出力が「1」、センサー6−2の検出出力が「1」およびセンサー6−3の検出出力が「0」に到達した時点からこれら検出出力に変化が生じるまでの時間を計測する。これら検出出力のいずれかに変化が生じた時点で、その時点までの計測時間をクリアする。
退出検出タイマー148は、センサー6―1の検出出力が「0」、センサー6−2の検出出力が「0」およびセンサー6−3の検出出力が「0」に到達した時点からこれら検出出力に変化が生じるまでの時間を計測する。これら検出出力のいずれかに変化が生じた時点で、その時点までの計測時間をクリアするとともに、この検出出力の「0」、「0」および「0」の状態が一定時間たとえば、10分間が継続した場合には、この異常検出を解除する。
【0065】
<モニタリングの処理手順>
図14、
図15および
図16は、実施例2に係るモニタリングの処理手順を示している。各図に共通するX1、X2、X3、X4はフローチャート間の結合箇所を示している。この処理手順は、人Mの入浴の見守りとして、水位センサー40、人体センサー46、人感センサー140の検出出力、入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138、洗い場静止タイマー144、居眠り検出タイマー146、退室検出タイマー148の時間計測を用いたモニタリングを行う。
【0066】
この処理手順ではモニタリングに当たり、水位センサー40により入浴かを検出する(S401)。入浴でなければ(S401のNO)、待機状態が維持される。つまり、最初の入浴がモニタリングの開始となっている。
入浴であれば(S401のYES)、入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138、洗い場静止タイマー144、居眠り検出タイマー146、退室検出タイマー148を初期化して計測時間を「0」にクリアし(S402)、時間計測を開始する(S403)。尚、時間計測の開始以降は、常にタイマーは計測状態となる。
水位センサー40の検出出力により入浴かを判定し(S404)、入浴であれば(S404のYES)、洗い場静止タイマー144、退室検出タイマー148を初期化し(S405)、計測時間を「0」にクリアする。
【0067】
人体センサー46の検出出力により、人Mが検出されたかを検出する(S406)。人Mが検出されれば、人体未検出タイマー138を初期化し(S407)、計測時間を「0」にクリアする。
S406で人体が未検出であれば、人体未検出タイマー138の計測時間が一定時間たとえば、150〔秒〕以上であるかを判定する(S408)。人体未検出タイマー138の計測時間≧150〔秒〕であれば(S408のYES)、浴室リモコン34、台所リモコン36からメッセージ報知としてたとえば、「オボレノオソレガアリマス」を報知し(S409)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。この報知の後、S404に戻る。
【0068】
人体未検出タイマー138の計測時間<150〔秒〕であれば(S408のNO)、人体未検出タイマー138の計測時間が一定時間たとえば、120〔秒〕以上であるかを判定する(S410)。人体未検出タイマー138の計測時間≧120〔秒〕であれば(S410のYES)、S409のメッセージ報知に先立って、浴室リモコン34からメッセージ報知としてたとえば、「ダイジョウブデスカ」の連呼などの報知をする(S411)。この報知の後、S404に戻る。
S407の後、人感センサー140により人Mの動きがあるかを判定する(S412)。人Mの動きがあれば、居眠り検出タイマー146を初期化し(S413)、その計測時間を「0」にクリアする。
【0069】
人Mの動きがなければ、居眠り検出タイマー146の計測時間が一定時間たとえば、1230〔秒〕(20〔分〕30〔秒〕)以上であるかを判定する(S414)。居眠り検出タイマー146の計測時間≧1230〔秒〕であれば(S414のYES)、浴室リモコン34、台所リモコン36から異常報知としてたとえば、「オウトウガアリマセン」を報知し(S415)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。
居眠り検出タイマー146の計測時間<1230〔秒〕であれば(S414のNO)、居眠り検出タイマー146の計測時間が一定時間たとえば、1200〔秒〕(20〔分〕)以上であるかを判定する(S416)。居眠り検出タイマー146の計測時間≧1200〔秒〕であれば(S416のYES)、S415の異常報知に先立って、浴室リモコン34からメッセージ報知としてたとえば、「オキテクダサイ」の報知を行う(S417)。
【0070】
居眠り検出タイマー146の計測時間<1200〔秒〕の場合(S416のNO)、S410のNOまたはS413の何れかの後、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、2430〔秒〕(40〔分〕30〔秒〕)以上であるかを判定する(S418)。
入浴時間タイマー136の計測時間がたとえば、≧2430〔秒〕であれば(S418のYES)、浴室リモコン34、台所リモコン36から長湯注意のメッセージ報知としてたとえば、「ニュウヨクジカンガオーバーデス」を報知し(S419)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。この報知の後、S404に戻る。
入浴時間タイマー136の計測時間<2430〔秒〕であれば(S418のNO)、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、2400〔秒〕(40〔分〕)以上であるかを判定する(S420)。
【0071】
入浴時間タイマー136の計測時間≧2400〔秒〕であれば(S420のYES)、S419のメッセージ報知に先立って、一定時間としてたとえば、1〔秒〕間隔で、浴室リモコン34からメッセージ報知としてカウントダウンを報知する(S421)。この報知の後、S404に戻る。
入浴時間タイマー136の計測時間<2400〔秒〕であれば(S420のNO)、入浴時間タイマー136の計測時間が一定時間たとえば、1800〔秒〕(30〔分〕)以上かを判定する(S422)。入浴時間タイマー136の計測時間≧1800〔秒〕であれば(S422のYES)、S421のメッセージ報知に先立って、一定時間としてたとえば、1〔分〕間隔で、浴室リモコン34から経過時間を表すメッセージ報知としてたとえば、「ニュウヨクジカンガ00フンデス」を報知する(S423)。この報知の後、S404に戻る。
入浴時間タイマー136の計測時間<1800〔秒〕であれば(S422のNO)、S404に戻る。
【0072】
S404において、入浴でなければ(S404のNO)、入浴時間タイマー136、人体未検出タイマー138、居眠り検出タイマー146を初期化して計測時間を「0」にクリアする(S424)。
人体センサー46の検出出力により、人Mが検出されたかを検出する(S425)。人Mが検出されなければ(S425の未検出)、洗い場静止タイマー144を初期化し(S426)、計測時間を「0」にクリアする。
次に人感センサー140の検出出力により人Mに動きがあるかを判定する(S427)。人Mの動きがあれば(S427の動作)、退室検出タイマー148を初期化し(S428)、計測時間を「0」にクリアし、S404に戻る。
【0073】
人Mの動きがなければ(S427の静止)、退室検出タイマー148の計測時間が一定時間たとえば、180〔秒〕以上かを判定する(S429)。退室検出タイマー148の計測時間≧180〔秒〕であれば(S429のYES)、退室したと判断しS401に戻る。退室検出タイマー148の計測時間<180〔秒〕であれば(S429のNO)、S404に戻る。
人Mが検出されれば(S425の検出)、退室検出タイマー148を初期化し(S430)、計測時間を「0」にクリアする。
人Mに動きがあるかを判定し(S431)、動きがあれば(S431の動作)、洗い場静止タイマー144を初期化し(S432)、計測時間を「0」にクリアし、S404に戻る。
【0074】
人Mが静止していれば(S431の静止)、洗い場静止タイマー144の計測時間が一定時間たとえば、150〔秒〕以上かを判定し(S433)、洗い場静止タイマー144の計測時間≧150〔秒〕であれば(S433のYES)、浴室リモコン34および台所リモコン36から異常報知としてたとえば、「オウトウガアリマセン」を報知し(S434)、スマートフォンなどに通信連絡を実行し、同様のメッセージ報知を行う。この報知の後、S404に戻る。
洗い場静止タイマー144の計測時間<150〔秒〕であれば(S433のNO)、洗い場静止タイマー144の計測時間が一定時間たとえば、120〔秒〕以上かを判定し(S435)、洗い場静止タイマー144の計測時間≧120〔秒〕であれば(S435のYES)、S434の異常報知に先立って、浴室リモコン34からメッセージ報知としてたとえば、「ダイジョウブデスカ」を連呼して報知し(S436)、S404に戻る。洗い場静止タイマー144の計測時間<120〔秒〕であれば(S435のNO))、S404に戻る。
【0075】
<実施例2の効果>
この実施例2によれば、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0076】
<浴室リモコン34>
図17のAは、実施例3に係る浴室リモコン34を示している。この浴室リモコン34には、その前面パネルに応答ボタン150が備えられる。この応答ボタン150は応答入力部12(
図1)の一例である。この応答ボタン150はたとえば、メッセージ報知の後に操作を有効とし、入浴中の人Mがメッセージ報知に応答し、その応答としてタッチまたは押下が検出される。
【0077】
<浴室リモコン制御部44>
図17のBは、実施例3に係る浴室リモコン制御部44を示している。
図17のBにおいて、
図11と同一部分には同一符号を付し、その部分の説明を割愛する。この実施例3の浴室リモコン制御部44のI/O110には、応答ボタン150が接続され、人Mがタッチまたは押下する応答ボタン150の検出出力が取り込まれる。
【0078】
<実施例3の効果>
この実施例3によれば、次の効果が得られる。
(1) メッセージ報知を受け、人Mが応答ボタン150をタッチまたは押下することにより、人Mの動きなどの応答を迅速に検出できる。
(2) このように人Mから具体的に応答を受けるので、その安全性を正確に把握することができる。
【0079】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では各センサー6−1、6−2、6−3を単一センサーで示しているが、これらは複数のセンサーを備えてもよく、それぞれのセンサーが複数のセンサーからなるセンサー群であってもよい。
(2) この検知システムについて、実施例1、実施例2の構成に実施例3の構成を付加してもよい。
(3) 応答入力部12には、実施例の応答ボタン150だけでなく、マイクロフォン54や図示しないカメラを併用してもよい。
(4) 人Mの動きを検出するセンサー6−3には、人Mの心拍などの生体情報を計測可能なセンサーを用いてもよい。
(5) センサー6−2の検知範囲は洗い場20または浴槽22のみでもよく、洗い場20および浴槽22を含む浴室4の全体としても良い。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。