【実施例】
【0028】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものである。
【0029】
(水性樹脂ワニス)
<水性樹脂ワニスA>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスAを得た。
【0030】
<水性樹脂ワニスB>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート/スチレン共重合体=25/20/55の25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスBを得た。
【0031】
<水性樹脂ワニスC>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート/スチレン共重合体=25/40/35の25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスCを得た。
【0032】
<水性樹脂ワニスD>
重量平均分子量23,000、酸価150KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート/スチレン=20/30/50の共重合体25質量部を水酸化カリウム3.9質量部と水71.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスDを得た。
【0033】
<水性樹脂ワニスE>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ステアリルアクリレート(SA)/スチレン=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスEを得た。
【0034】
<水性樹脂ワニスF>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート/スチレン=25/45/30の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスFを得た。
【0035】
<水性樹脂ワニスG>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート/スチレン=25/15/60の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスGを得た。
【0036】
<水性樹脂ワニスH>
重量平均分子量23,000、酸価30KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=4/30/66の共重合体25質量部を水酸化カリウム0.8質量部と水74.2質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスHを得た。
【0037】
<水性樹脂ワニスI>
重量平均分子量23,000、酸価330KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=44.6/30/25.4の共重合体25質量部を水酸化カリウム8.7質量部と水66.3質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスIを得た。
<水性樹脂ワニスJ>
重量平均分子量20,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスJを得た。
<水性樹脂ワニスK>
重量平均分子量30,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスKを得た。
<水性樹脂ワニスL>
重量平均分子量40,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/スチレン=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスLを得た。
<水性樹脂ワニスM>
重量平均分子量23,000、酸価185KOHmg/gの、アクリル酸/ラウリルアクリレート(LA)/ベンジルメチルアクリレート=25/30/45の共重合体25質量部を水酸化カリウム4.9質量部と水70.1質量部との混合溶液に溶解させて、固形分25%の水性樹脂ワニスMを得た。
【0038】
(水性顔料ベースインク)
<水性ブラックベースインク1の調製>Mw23,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスA(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク1を調製した。
【0039】
<水性ブラックベースインク2の調製>Mw23,000,酸価185,LA20%
上記水性樹脂ワニスB(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク2を調製した。
【0040】
<水性ブラックベースインク3の調製>Mw23,000,酸価185,LA40%
上記水性樹脂ワニスC(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク3を調製した。
【0041】
<水性ブラックベースインク4の調製>Mw23,000,酸価150,LA30%
上記水性樹脂ワニスD(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク4を調製した。
【0042】
<水性ブラックベースインク5の調製>Mw23,000,酸価185,SA30%
上記水性樹脂ワニスE(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク5を調製した。
【0043】
<水性ブラックベースインク6の調製>Mw23,000,酸価185,LA45%
上記水性樹脂ワニスF(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク6を調製した。
【0044】
<水性ブラックベースインク7の調製>Mw23,000,酸価185,LA15%
上記水性樹脂ワニスG(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク7を調製した。
【0045】
<水性ブラックベースインク8の調製>Mw23,000,酸価30,LA30%
上記水性樹脂ワニスH(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク8を調製した。
【0046】
<水性ブラックベースインク9の調製>酸価330,LA30%
上記水性樹脂ワニスI(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク9を調製した。
<水性ブラックベースインク10の調製>Mw20,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスJ(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク10を調製した。
<水性ブラックベースインク11の調製>Mw30,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスK(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク11を調製した。
<水性ブラックベースインク12の調製>Mw40,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスL(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク12を調製した。
<水性ブラックベースインク13の調製>Mw23,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスM(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにカーボンブラック(商品名プリンテックス90、デグサ社(現オリオンエンジニアードカーボンズ社、以下同じ)製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性ブラックベースインク13を調製した。
【0047】
<水性イエローベースインクの調製>Mw23,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスA(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにイエロー顔料(商品名ノバパームイエロー4G01、クラリアント社製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性イエローベースインクを調製した。
【0048】
<水性マゼンタベースインクの調製>Mw23,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスA(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにマゼンタ顔料(商品名インクジェットマゼンタE5B02、クラリアント社製)20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性マゼンタベースインクを調製した。
【0049】
<水性シアンベースインクの調製>Mw23,000,酸価185,LA30%
上記水性樹脂ワニスA(固形分25%)32質量部に水48質量部を加え混合し、顔料分散用樹脂ワニスを調製した。このワニスに、さらにシアン顔料(商品名ヘリオゲンブルーL7101F、BASF社製)の20質量部を加え、撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性シアンベースインクを調製した。
【0050】
(アルカリ可溶性樹脂で被覆された顔料の製造)
上記各水性インクジェット用の各色のベースインクを顔料濃度が5%となるように水で希釈した後、希釈液に対して陽イオン交換樹脂(DOWEX MONOSPHERE (H)650C、ダウケミカル社製)を5%添加し撹拌して、pHが4未満となるまでイオン交換し、各樹脂被覆顔料を得た。その後、イオン交換樹脂をメッシュで濾過した後、吸引濾過し、各樹脂被覆顔料を含有する含水ケーキ(固形分25%)を得た。
【0051】
(水性顔料分散液) (樹脂:顔料=8:20)
上記各樹脂被覆顔料を含有する含水ケーキに、各樹脂被覆顔料中のアルカリ可溶性樹脂酸基の45%、55%、65%、75%、95%を中和する水酸化ナトリウムと顔料濃度が12%となるような水を加えた後、高圧乳化分散装置:ゴーリンホモジナイザー(A.P.V. GAULIN INK. 製)で撹拌し、水性顔料分散液1〜22を得た。
【0052】
水性顔料分散液1(水性ブラックベースインク1、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度45%)
水性顔料分散液2(水性ブラックベースインク1、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度55%)
水性顔料分散液3(水性ブラックベースインク1、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液4(水性ブラックベースインク1、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度75%)
水性顔料分散液5(水性ブラックベースインク1、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度95%)
水性顔料分散液6(水性ブラックベースインク2、Mw23,000、酸価185、LA20%、中和度65%)
水性顔料分散液7(水性ブラックベースインク3、Mw23,000、酸価185、LA40%、中和度65%)
水性顔料分散液8(水性ブラックベースインク4、Mw23,000、酸価150、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液9(水性ブラックベースインク5、Mw23,000、酸価185、SA30%、中和度65%)
水性顔料分散液10(水性ブラックベースインク6、Mw23,000、酸価185、LA45%、中和度65%)
水性顔料分散液11(水性ブラックベースインク7、Mw23,000、酸価185、LA15%、中和度65%)
水性顔料分散液12(水性ブラックベースインク8、Mw23,000、酸価30、LA15%、中和度65%)
水性顔料分散液13(水性ブラックベースインク9、Mw23,000、酸価330、LA15%、中和度65%)
水性顔料分散液14(水性イエローインク、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液15(水性マゼンタベースインク、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液16(水性シアンベースインク、Mw23,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液17(水性ブラックベースインク10、Mw20,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液18(水性ブラックベースインク11、Mw30,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液19(水性ブラックベースインク12、Mw40,000、酸価185、LA30%、中和度65%)
水性顔料分散液20(水性ブラックベースインク13、Mw23,000、酸価185、LA30%、BMA45%、中和度55%)
水性顔料分散液21(水性ブラックベースインク13、Mw23,000、酸価185、LA30%、BMA45%、中和度65%)
水性顔料分散液22(水性ブラックベースインク13、Mw23,000、酸価185、LA30%、BMA45%、中和度75%)
LA:ラウリルアクリレート
SA:ステアリルアクリレート
BMA:ベンジルアクリレート
【0053】
(架橋粒子水性分散液)
表1となるように、水性顔料分散液1〜22、2官能以上の架橋剤(エポライト1600、ケミタイトDZ−22E、デナコールEX−614)と水を加え、60℃で24時間加熱し、架橋粒子水性分散液1〜2
1を得た。
【0054】
【表1】
(AV)は酸価を示す。
restは残部を示す。
【0055】
(普通紙用水性顔料型インクジェット用インク組成物)
次いで、メディアが未コート紙である普通紙の場合は、表2の質量%割合となるように、上記各水性顔料分散液、樹脂エマルジョン、水溶性有機溶剤、界面活性剤、水を撹拌混合して、表2に記載の実施例1〜19、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物を得た。
【0056】
【表2】
【0057】
(コート紙用水性顔料型インクジェット用インク組成物)
次いで、表3の質量%割合となるように、上記各水性顔料分散液、樹脂エマルジョン、水溶性有機溶剤、界面活性剤、水を撹拌混合して、表3に記載の実施例20〜38、比較例10〜18の普通紙用水性顔料型インクジェット用インク組成物を得た。
【0058】
【表3】
【0059】
<水性インクジェット用インク組成物の印刷評価>
以下の評価方法により評価し、それらの結果を表2及び3に示す。
【0060】
(保存安定性)
実施例1〜38、比較例1〜18の水性顔料型インクジェット用インク組成物をガラス瓶に充填し、60℃で7日間静置した後、水性顔料型インクジェット用インク組成物の粘度を測定して、保存安定性を評価した。
評価基準
○:初期粘度からの変化率が10%未満のもの
△:初期粘度からの変化率が10%以上、20%未満のもの
×:初期粘度からの変化率が20%以上のもの
【0061】
(固化性)
実施例1〜38、比較例1〜18の水性顔料型インクジェット用インク組成物を、直径40mmのシャーレに2g秤量し、23℃/50%/24h静置した際の流動性を評価した。
評価基準
○:十分流動性を維持しており、液表面をピンセットで引っ掻いても跡が残らないもの
△:流動性は悪くなっているが、液表面をピンセットで引っ掻いた際に10秒以内に跡が消えるもの
×:流動性が無くなっており、液表面をピンセットで引っ掻いた際に跡が消えないもの
【0062】
(光学濃度)
実施例1〜19、比較例1〜9の水性顔料型インクジェット用インク組成物を、0.1mmワイヤーバーを用いてシーツー紙(富士ゼロックス社製)に展色し、展色面の光学濃度をスペクトロアイ(エックスライト社製)を用いて測定した。
評価基準
○:光学濃度が次の範囲のもの(Yellow>0.9、Magenta>1.0、Cyan>1.0、Black>1.1)
×:光学濃度が次の範囲のもの(Yellow≦0.9、Magenta≦1.0、Cyan≦1.0、Black≦1.1)
【0063】
(塗膜乾燥性)
実施例20〜38、比較例10〜18の水性顔料型インクジェット用インク組成物を、0.1mmワイヤーバーを用いてOKトップコート紙(王子製紙社製)に展色して、触指によりインクが指に付着しなくなるまでの時間を評価した。
評価基準
○:30秒未満の間に乾き、指に付着しないもの
×:30秒以上経っても乾かずに、指に付着するもの
【0064】
本発明の水性顔料型インクジェット用インク組成物は保存安定性に優れ、さらに普通紙及びコート紙のいずれに使用しても固化性に優れ、普通紙に使用しても高い光学濃度を示し、コート紙に使用すると塗膜乾燥性に優れるものであった。
これに対して、中和度が本発明の範囲外である比較例1、2、11及び12、ステアリルアクリレートを含有する比較例3及び13、全単量体中のラウリルアクリレートの含有量が本発明の範囲外である比較例4、5、14及び15、酸価が本発明の範囲外である比較例6、7、16及び17によれば保存安定性と固化性に劣るものとなった。さらに架橋率が0%である比較例8及び17によれば保存安定性及び固化性に劣り、比較例9及び18によれば、架橋粒子水性分散液の使用量が少ないので、印刷後の光学濃度が小さかった。