特許第6676427号(P6676427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676427
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】インクジェット印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/17 20060101AFI20200330BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   B41J2/17 103
   B41J2/01 301
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-56798(P2016-56798)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-170677(P2017-170677A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 崇
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−220499(JP,A)
【文献】 特開2013−226699(JP,A)
【文献】 特開2015−051524(JP,A)
【文献】 特開2014−205263(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102218931(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される印刷媒体の上方に配置され、印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドの下流側の所定範囲内において、印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向における印刷媒体の中央部の上方に配置され、下方へ送風する吹き出し部と、
印刷媒体と前記吹き出し部との間に配置され、前記吹き出し部からの気流および印刷媒体の搬送による気流を主走査方向における印刷媒体の外側へ導く整流部材と、
前記整流部材により主走査方向における印刷媒体の外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引する吸引部とを備え
前記整流部材は、主走査方向における中央より外側が低くなるように形成され、前記吹き出し部からの気流の進行方向を、下方向から主走査方向の一方へ向かう方向および主走査方向の他方へ向かう方向へ変化させる吹き出し気流整流部を備えることを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項2】
前記整流部材は、印刷媒体の搬送方向における前記吹き出し気流整流部の上流側に接続され、印刷媒体の搬送による気流の進行方向を、印刷媒体の搬送方向に平行な方向から主走査方向の一方へ向かう方向および主走査方向の他方へ向かう方向へ変化させる搬送気流整流部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項3】
前記整流部材には、インクミストが通過する隙間がないことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項4】
前記整流部材は、前記吹き出し気流整流部の下流端に立設された壁部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項5】
印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドと前記整流部材との間におけるインクミスト量を検出するインクミスト検出部と、
前記インクミスト検出部の検出インクミスト量に基づき、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方を調整する制御部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項6】
印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドと前記整流部材との間におけるインクミスト量を検出する第1インクミスト検出部と、
印刷媒体の搬送方向における前記整流部材の下流側におけるインクミスト量を検出する第2インクミスト検出部と、
前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量を調整する制御部とをさらに備え、
前記制御部は、
前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量をそれぞれの設定風量とし、
前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第1閾値以上、および前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方をそれぞれの設定風量より増加させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
【請求項7】
搬送される印刷媒体の上方に配置され、印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドの下流側の所定範囲内において印刷媒体の上方に配置され、下方へ送風する吹き出し部と、
印刷媒体と前記吹き出し部との間に配置され、前記吹き出し部からの気流および印刷媒体の搬送による気流を印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向における印刷媒体の外側へ導く整流部材と、
前記整流部材により主走査方向における印刷媒体の外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引する吸引部と、
印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドと前記整流部材との間におけるインクミスト量を検出する第1インクミスト検出部と、
印刷媒体の搬送方向における前記整流部材の下流側におけるインクミスト量を検出する第2インクミスト検出部と、
前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量を調整する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量をそれぞれの設定風量とし、
前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第1閾値以上、および前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方をそれぞれの設定風量より増加させることを特徴とするインクジェット印刷装置。
【請求項8】
前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方の設定風量が、印刷媒体の搬送速度に応じて調整されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクジェット印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷するインクジェット印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷装置では、インクジェットヘッドからのインク吐出により、インクが霧状になったインクミストが発生する。インクミストは、印刷媒体に付着して印刷物を汚すことがある。また、インクミストは、装置内部の汚れの原因ともなる。このため、インクジェット印刷装置では、インクミストを回収することが求められる。
【0003】
これに対し、例えば、特許文献1には、印刷媒体の搬送方向におけるインクジェットヘッドの上流側および下流側に吸引ファンを配置したインクジェット印刷装置が開示されている。このインクジェット印刷装置では、吸引ファンでインクミストを吸引して回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−51524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように吸引ファンによりインクミストを吸引しても、発生したインクミストの量によっては、インクミストを十分に回収できないことがあった。そこで、より効率的にインクミストを回収できる技術が要望されていた。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、インクミストを効率的に回収できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、搬送される印刷媒体の上方に配置され、印刷媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドの下流側の所定範囲内において印刷媒体の上方に配置され、下方へ送風する吹き出し部と、印刷媒体と前記吹き出し部との間に配置され、前記吹き出し部からの気流および印刷媒体の搬送による気流を印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向における印刷媒体の外側へ導く整流部材と、前記整流部材により主走査方向における印刷媒体の外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引する吸引部とを備えることにある。
【0008】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドと前記整流部材との間におけるインクミスト量を検出するインクミスト検出部と、前記インクミスト検出部の検出インクミスト量に基づき、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方を調整する制御部とをさらに備えることにある。
【0009】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴は、印刷媒体の搬送方向における前記インクジェットヘッドと前記整流部材との間におけるインクミスト量を検出する第1インクミスト検出部と、印刷媒体の搬送方向における前記整流部材の下流側におけるインクミスト量を検出する第2インクミスト検出部と、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量を調整する制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量をそれぞれの設定風量とし、前記第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第1閾値以上、および前記第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が前記第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方をそれぞれの設定風量より増加させることにある。
【0010】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴は、前記吹き出し部の吹き出し風量および前記吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方の設定風量が、印刷媒体の搬送速度に応じて調整されることにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、吹き出し部が、印刷媒体の上方から下方へ送風する。整流部材は、吹き出し部からの気流および印刷媒体の搬送による気流を印刷媒体の搬送方向に直交する主走査方向における印刷媒体の外側へ導く。そして、吸引部が、整流部材により主走査方向における印刷媒体の外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引して回収する。これにより、整流部材で吹き出し部からの気流および搬送気流の進行方向を変化させた気流によりインクミストを吸引部へ導いて回収するので、インクミストを効率的に回収できる。
【0012】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、インクミスト検出部の検出インクミスト量に基づき、吹き出し部の吹き出し風量および吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方を調整する。これにより、インクミストの量が変化しても、インクミストを効率的に回収できる。また、必要以上に吹き出し風量および吸引風量が大きくなることが抑えられるので、電力消費の無駄や騒音を抑えることができる。
【0013】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第3の特徴によれば、制御部は、第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、吹き出し部の吹き出し風量および吸引部の吸引風量をそれぞれの設定風量とする。第1インクミスト検出部の検出インクミスト量が第1閾値以上、および第2インクミスト検出部の検出インクミスト量が第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、制御部は、吹き出し部の吹き出し風量および吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方をそれぞれの設定風量より増加させる。このように、第1インクミスト検出部および第2インクミスト検出部の検出インクミスト量に応じて吹き出し部の吹き出し風量および吸引部の吸引風量を調整することで、インクミストの量が変化しても、インクミストを効率的に回収できる。また、必要以上に吹き出し風量および吸引風量が大きくなることが抑えられるので、電力消費の無駄や騒音を軽減できる。
【0014】
本発明に係るインクジェット印刷装置の第4の特徴によれば、吹き出し部の吹き出し風量および吸引部の吸引風量の少なくともいずれか一方の設定風量が、印刷媒体の搬送速度に応じて調整される。これにより、印刷媒体の搬送速度によってインクミストの発生度合いが変化しても、インクミストを効率的に回収できる。また、必要以上に吹き出し風量が大きくなることが抑えられるので、電力消費の無駄や騒音を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。
図2図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットおよびインクミスト回収部の平面図である。
図3図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットおよびインクミスト回収部の斜視図である。
図4図1に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。
図5】インクミスト回収部における気流の説明図である。
図6】吹き出しファンの制御を説明するためのフローチャートである。
図7】吹き出しファンの制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0017】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットおよびインクミスト回収部の平面図である。図3は、図1に示すインクジェット印刷装置のヘッドユニットおよびインクミスト回収部の斜視図である。図4は、図1に示すインクジェット印刷装置の制御ブロック図である。なお、以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
【0019】
図1図4に示すように、本実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、送り出し部2と、搬送部3と、ヘッドユニット4と、インクミスト回収部5と、巻き取り部6と、制御部7とを備える。
【0020】
送り出し部2は、紙、フィルム等からなる長尺状の印刷媒体であるウェブWを搬送部3へ送り出す。送り出し部2は、ウェブロール支持軸11と、送り出しモータ12と、ガイドローラ13,14と、上流側バッファ部15とを備える。
【0021】
ウェブロール支持軸11は、ウェブロール16を回転可能に支持する。ウェブロール支持軸11は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。ウェブロール16は、ウェブWがロールされたものである。
【0022】
送り出しモータ12は、ウェブロール支持軸11を図1における時計回りに回転させる。ウェブロール支持軸11の回転によりウェブロール16が同方向に回転し、ウェブWが搬送方向における下流側(右側)へ送り出される。
【0023】
ガイドローラ13,14は、ウェブロール16と上流側バッファ部15との間においてウェブWをガイドする。
【0024】
上流側バッファ部15は、ガイドローラ14と後述する搬送部3のガイドローラ26との間でウェブWのたるみを吸収する。上流側バッファ部15は、支持ローラ17〜20と、ダンサーローラ21,22とを備える。
【0025】
支持ローラ17〜20は、ガイドローラ14,26間でウェブWを支持する。支持ローラ17〜20は、左右方向に間隔を空けて、同じ高さに配置されている。
【0026】
ダンサーローラ21,22は、それぞれ支持ローラ17,18間、支持ローラ18,19間において、自重によりウェブWを押し下げ、ウェブWのたるみを吸収する。ダンサーローラ21,22は、ウェブWのたるみ量に応じて上下動する。
【0027】
搬送部3は、送り出し部2により送り出されたウェブWを搬送する。搬送部3は、ガイドローラ26〜30と、一対の張力付与ローラ31と、ブレーキ32と、複数のヘッド下支持部材33と、一対の搬送ローラ34と、搬送モータ35とを備える。
【0028】
ガイドローラ26は、送り出し部2の上流側バッファ部15と張力付与ローラ31との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ27〜29は、張力付与ローラ31と最上流(最も左側)のヘッド下支持部材33との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ30は、最下流(最も右側)のヘッド下支持部材33と搬送ローラ34との間でウェブWをガイドする。
【0029】
一対の張力付与ローラ31は、ウェブWに張力を付与する。一対の張力付与ローラ31は、ウェブWをニップしつつ、一対の搬送ローラ34により搬送されるウェブWに従動回転する。一方の張力付与ローラ31にブレーキ32によりブレーキがかけられることで、搬送ローラ34と張力付与ローラ31との間のウェブWに張力が付与される。
【0030】
ブレーキ32は、一方の張力付与ローラ31にブレーキをかける。ブレーキ32は、例えば、パウダーブレーキからなる。
【0031】
ヘッド下支持部材33は、ヘッドユニット4の直下においてウェブWを支持する。複数のヘッド下支持部材33は、ガイドローラ29,30間において、左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。
【0032】
一対の搬送ローラ34は、ウェブWをニップしつつ、巻き取り部6へウェブWを搬送する。
【0033】
搬送モータ35は、搬送ローラ34を回転駆動させる。
【0034】
ヘッドユニット4は、搬送部3により搬送されるウェブWに画像を印刷する。ヘッドユニット4は、インクジェットヘッド41A〜41Dを備える。なお、インクジェットヘッド41A〜41Dの符号におけるアルファベットの添え字(A〜D)を省略して総括的に表記することがある。
【0035】
インクジェットヘッド41A〜41Dは、搬送されるウェブWにインクを吐出する。インクジェットヘッド41A〜41Dは、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを吐出する。インクジェットヘッド41A〜41Dは、ガイドローラ29,30間におけるウェブWの上方において、ウェブWの搬送方向である副走査方向(左右方向)に沿って並列配置されている。インクジェットヘッド41A〜41Dは、それぞれ6つのヘッドモジュール42を有する。
【0036】
ヘッドモジュール42は、ウェブWに対向するインク吐出面に開口し、ウェブWの搬送方向に直交する主走査方向(前後方向)に沿って配置された複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを吐出する。ヘッドモジュール42は、インクジェットヘッド41において、千鳥状に配置されている。すなわち、インクジェットヘッド41において、それぞれ前後方向に沿って等ピッチで配置された3つのヘッドモジュール42からなる2列のヘッド列が、前後方向に半ピッチ分だけずれるように配置されている。
【0037】
インクミスト回収部5は、インクジェットヘッド41におけるインク吐出により発生したインクミストを回収する。インクミスト回収部5は、ヘッドユニット4の下流側近傍に配置されている。インクミスト回収部5は、吹き出しファン(請求項の吹き出し部に相当)51と、整流部材52と、吸引ファン(請求項の吸引部に相当)53A,53Bと、上流側インクミスト検出部(請求項の第1インクミスト検出部に相当)54と、下流側インクミスト検出部(請求項の第2インクミスト検出部に相当)55とを備える。
【0038】
吹き出しファン51は、ウェブWの上方から下方へ送風する。吹き出しファン51は、ウェブWの搬送方向(左右方向)におけるインクジェットヘッド41Dの下流側の所定範囲内において、前後方向におけるウェブWの中央部の上方に配置されている。ここで、インクジェットヘッド41Dの下流側の所定範囲とは、インクジェットヘッド41Dの下流側におけるインクミストが多く存在する範囲として予め設定された範囲である。この範囲は、例えば、実験に基づき設定される。
【0039】
整流部材52は、吹き出しファン51からの気流である吹き出し気流およびウェブWの搬送により発生する気流である搬送気流を、前後方向(主走査方向)におけるウェブWの外側(前側および後側)へ導く部材である。整流部材52は、ウェブWと吹き出しファン51との間に配置されている。より具体的には、整流部材52は、左右方向においては、吹き出しファン51と同様の、インクジェットヘッド41Dの下流側の所定範囲内の位置に配置されている。上下方向においては、整流部材52は、ウェブWとの間隔が所定間隔となる、ウェブWに近接しつつ接触しない位置に配置されている。
【0040】
整流部材52は、吹き出し気流整流部56と、搬送気流整流部57と、壁部58とを備える。
【0041】
吹き出し気流整流部56は、吹き出しファン51からの吹き出し気流の進行方向を、下方向から前方向および後方向へ変化させるものである。吹き出し気流整流部56は、ウェブWの全幅にわたって広がる平面視長方形状に形成されている。
【0042】
吹き出し気流整流部56は、前側の第1面56aと後側の第2面56bとを有する。第1面56aは、前側から後側へ進むにつれて、ウェブWに平行な平面から、上方へ湾曲する湾曲面へ移行する形状に形成されている。第2面56bは、第1面56aを前後反転させた形状に形成されている。第1面56aと第2面56bとは、前後方向におけるウェブWの中央で交差し、左右方向に平行な稜線部56cを形成している。
【0043】
搬送気流整流部57は、ウェブWの搬送による搬送気流の進行方向を、右方向から前方向および後方向へ変化させるものである。搬送気流整流部57は、図2に示すように、平面視にて、吹き出し気流整流部56の前後方向における中央部において、吹き出し気流整流部56の左辺から左側(上流側)へ突出するように形成されている。
【0044】
搬送気流整流部57は、前側の第1面57aと後側の第2面57bとを有する。第1面57aは、右側(下流側)および後側に向かうにつれて上方へ湾曲する湾曲面になっている。第2面57bは、第1面57aを前後反転させた形状に形成されている。第1面57aと第2面57bとは、前後方向におけるウェブWの中央で交差し、左右方向に平行な稜線部57cを形成している。稜線部57cの右端(下流端)は、吹き出し気流整流部56の稜線部56cの左端(上流端)に接続されている。
【0045】
壁部58は、整流部材52より下流側への気流を遮るものである。壁部58は、吹き出し気流整流部56の右端(下流端)に立設されている。
【0046】
吸引ファン53A,53Bは、整流部材52により前後方向におけるウェブWの外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引する。吸引ファン53A,53Bは、それぞれ整流部材52の前側、後側に隣接し、ウェブWより下方に配置されている。吸引ファン53A,53Bは、空気を吸引する吸引口53aを有し、この吸引口53aを上向きにして設置されている。
【0047】
上流側インクミスト検出部54は、インクジェットヘッド41Dと整流部材52との間におけるインクミスト量を検出する。上流側インクミスト検出部54は、インクミストセンサ59A,59Bを有する。インクミストセンサ59A,59Bはそれぞれ、左右方向におけるインクジェットヘッド41Dと整流部材52との間において、ウェブWの前側、後側に隣接して配置されている。インクミストセンサ59A,59Bとしては、例えば、発光素子および受光素子を有し、受光素子の受光量から空気中の粒子濃度を測定する粒子センサを用いることができる。
【0048】
下流側インクミスト検出部55は、整流部材52の下流側におけるインクミスト量を検出する。下流側インクミスト検出部55は、インクミストセンサ60A,60Bを有する。インクミストセンサ60A,60Bはそれぞれ、整流部材52の下流側において、ウェブWの前側、後側に隣接して配置されている。インクミストセンサ60A,60Bとしては、上流側インクミスト検出部54のインクミストセンサ59A,59Bと同様に、例えば、上述した粒子センサを用いることができる。
【0049】
巻き取り部6は、ヘッドユニット4により印刷されたウェブWを巻き取る。巻き取り部6は、ガイドローラ61〜63と、下流側バッファ部64と、巻き取り軸65と、巻き取りモータ66とを備える。
【0050】
ガイドローラ61,62は、搬送部3の搬送ローラ34と下流側バッファ部64との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ63は、下流側バッファ部64と巻き取り軸65との間でウェブWをガイドする。
【0051】
下流側バッファ部64は、ガイドローラ62,63間でウェブWのたるみを吸収する。下流側バッファ部64は、支持ローラ71〜73と、ダンサーローラ74,75とを備える。
【0052】
支持ローラ71〜73は、ガイドローラ62,63間でウェブWを支持する。支持ローラ71〜73は、左右方向に間隔を空けて、同じ高さに配置されている。
【0053】
ダンサーローラ74,75は、それぞれ支持ローラ71,72間、支持ローラ72,73間において、自重によりウェブWを押し下げ、ウェブWのたるみを吸収する。ダンサーローラ74,75は、ウェブWのたるみ量に応じて上下動する。
【0054】
巻き取り軸65は、ウェブWを巻き取って保持する。巻き取り軸65は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
【0055】
巻き取りモータ66は、巻き取り軸65を図1における時計回りに回転させる。巻き取り軸65の回転により、ウェブWが巻き取り軸65に巻き取られる。
【0056】
制御部7は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部7は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
【0057】
制御部7は、印刷を行う際、送り出し部2、搬送部3、および巻き取り部6を駆動させてウェブWを搬送させつつ、インクジェットヘッド41からインクを吐出させてウェブWに印刷させる。また、制御部7は、インクミスト回収部5の吹き出しファン51および吸引ファン53A,53Bを駆動させてインクミストを回収させる。
【0058】
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
【0059】
印刷ジョブが入力されると、制御部7は、ウェブWの搬送を開始させる。具体的には、制御部7は、送り出しモータ12、ブレーキ32、搬送モータ35、および巻き取りモータ66の駆動を開始させる。これにより、送り出し部2から巻き取り部6へ向かってウェブWが搬送される。搬送部3では、張力付与ローラ31にブレーキ32によりブレーキがかけられることで、ウェブWに張力が付与されつつ、ウェブWが搬送される。
【0060】
ここで、インクジェット印刷装置1では、制御部7は、印刷モードとして、標準モード、高速印刷モード、低速印刷モードのいずれかを選択できるようになっている。標準モードは、標準搬送速度でウェブWを搬送しつつ印刷を行うモードである。高速印刷モードは、標準搬送速度より速い高速搬送速度でウェブWを搬送しつつ印刷を行うモードである。低速印刷モードは、標準搬送速度より遅い低速搬送速度でウェブWを搬送しつつ印刷を行うモードである。
【0061】
制御部7は、ウェブWの種類に応じた1画素あたりの最大ドロップ数、および印刷解像度に応じて、印刷モードを選択する。そして、制御部7は、選択した印刷モードに応じた搬送速度でウェブWを搬送するよう送り出しモータ12、搬送モータ35、および巻き取りモータ66を制御する。
【0062】
また、制御部7は、インクミスト回収部5の吹き出しファン51および吸引ファン53A,53Bの駆動を開始させる。
【0063】
ウェブWの搬送を開始し、吹き出しファン51および吸引ファン53A,53Bの駆動を開始した後、制御部7は、印刷ジョブに基づき、インクジェットヘッド41A〜41Dを制御してインクを吐出させることにより画像を印刷させる。
【0064】
インクジェットヘッド41A〜41Dからインクが吐出されると、インクミストが発生する。発生したインクミストの多くが、搬送気流によりインクジェットヘッド41A〜41Dから下流側へ流れる。このインクミストの回収が、インクミスト回収部5で行われる。
【0065】
インクミスト回収部5では、図5に示すように、吹き出しファン51からの吹き出し気流Fdが下方向に流れている。吹き出し気流Fdは、吹き出し気流整流部56の稜線部56cにより前側の気流Fdfと後側の気流Fdrとに分けられる。前側の気流Fdfは、吹き出し気流整流部56の第1面56aにより進行方向を下方向から前方向へ曲げられる。後側の気流Fdrは、吹き出し気流整流部56の第2面56bにより進行方向を下方向から後方向へ曲げられる。すなわち、吹き出し気流Fdの進行方向が、吹き出し気流整流部56により下方向から前方向および後方向へ変化する。
【0066】
また、前後方向における中央部において、搬送気流Ftが搬送気流整流部57の稜線部57cにより前側の気流Ftfと後側の気流Ftrとに分けられる。前側の気流Ftfは、搬送気流整流部57の第1面57aにより進行方向を右方向から前方向へ曲げられる。後側の気流Ftrは、搬送気流整流部57の第2面57bにより進行方向を右方向から後方向へ曲げられる。すなわち、搬送気流Ftの進行方向が、搬送気流整流部57により右方向から前方向および後方向へ変化する。
【0067】
前側の気流Fdf,Ftfは、壁部58により整流部材52より下流側への流出を抑えられつつ、前方向に流れる。これにより、気流Fdf,FtfがインクミストをウェブWの前側へ導く。そして、気流Fdf,Ftfは、吸引ファン53Aによる吸引気流Fbfとともに吸引口53aへ流入する。これにより、気流Fdf,FtfによりウェブWの前側へ導かれたインクミストが、吸引ファン53Aにより吸引されて回収される。
【0068】
後側の気流Fdr,Ftrは、壁部58により整流部材52より下流側への流出を抑えられつつ、後方向に流れる。これにより、気流Fdr,FtrがインクミストをウェブWの後側へ導く。そして、気流Fdr,Ftrは、吸引ファン53Bによる吸引気流Fbrとともに吸引口53aへ流入する。これにより、気流Fdf,FtrによりウェブWの後側へ導かれたインクミストが、吸引ファン53Bにより吸引されて回収される。
【0069】
印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、制御部7は、インクミスト回収部5の吹き出しファン51および吸引ファン53A,53Bを停止させる。また、制御部7は、ウェブWの搬送を終了させる。具体的には、制御部7は、送り出しモータ12、ブレーキ32、搬送モータ35、および巻き取りモータ66を停止させる。これにより、一連の動作が終了となる。
【0070】
上述したインクジェット印刷装置1の動作中において、制御部7は、インクミスト回収部5の吸引ファン53A,53Bを、その吸引風量が予め設定された設定風量となるよう駆動させる。
【0071】
また、制御部7は、吹き出しファン51の吹き出し風量を、印刷モード、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量、および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量に基づき制御する。
【0072】
この吹き出し風量の調整を含む吹き出しファン51の制御について、図6図7のフローチャートを参照して説明する。図6図7のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1に印刷ジョブが入力されることにより開始となる。
【0073】
図6のステップS1において、制御部7は、今回の印刷ジョブに応じた印刷モードが標準モードであるか否かを判断する。
【0074】
印刷モードが標準モードであると判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、制御部7は、吹き出し風量を標準風量に設定する。この後、制御部7は、ステップS6へ進む。
【0075】
印刷モードが標準モードではないと判断した場合(ステップS1:NO)、ステップS3において、制御部7は、印刷モードが高速印刷モードであるか否かを判断する。
【0076】
印刷モードが高速印刷モードであると判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4において、制御部7は、吹き出し風量を標準風量より大きい高速印刷用の風量に設定する。この後、制御部7は、ステップS6へ進む。
【0077】
ここで、ウェブWの搬送速度が速いほど、搬送気流が強く、インクミストが発生しやすい。搬送気流が強いほど、ヘッドモジュール42のノズルから吐出されて飛翔するインクの尾が切れやすく、インクがミスト化しやすいからである。そこで、高速印刷モードでは、インクミスト回収部5によるインクミストの回収能力を上げるため、吹き出し風量を標準風量より大きい高速印刷用の風量に設定する。
【0078】
印刷モードが高速印刷モードではない、すなわち低速印刷モードであると判断した場合(ステップS3:NO)、ステップS5において、制御部7は、吹き出し風量を標準風量より小さい低速印刷用の風量に設定する。この後、制御部7は、ステップS6へ進む。
【0079】
ステップS6では、制御部7は、吹き出しファン51の駆動を開始させる。そして、制御部7は、ステップS2,S4,S6のいずれかで設定した設定風量で吹き出しファン51を駆動させる。
【0080】
次いで、ステップS7において、制御部7は、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上であるか否かを判断する。第1閾値は、ヘッドユニット4によるインクミストの発生量が増大しているか否かを判断するための閾値であり、予め実験に基づき決定されたものである。ここで、印刷画像における印字率が高いほど、インクミストの発生量は大きくなる。
【0081】
制御部7は、インクミストセンサ59A,59Bのうちの少なくともいずれか一方の検出インクミスト量が第1閾値以上である場合、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上であると判断する。インクミストセンサ59A,59Bの両方の検出インクミスト量が第1閾値未満である場合、制御部7は、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満であると判断する。
【0082】
上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上であると判断した場合(ステップS7:YES)、制御部7は、図7のステップS9へ進む。
【0083】
上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満であると判断した場合(ステップS7:NO)、ステップS8において、制御部7は、下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上であるか否かを判断する。第2閾値は、インクミスト回収部5でインクミストを十分に回収できているか否かを判断するための閾値であり、予め実験に基づき決定されたものである。
【0084】
制御部7は、インクミストセンサ60A,60Bのうちの少なくともいずれか一方の検出インクミスト量が第2閾値以上である場合、下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上であると判断する。インクミストセンサ60A,60Bの両方の検出インクミスト量が第1閾値未満である場合、制御部7は、下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満であると判断する。
【0085】
下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上であると判断した場合(ステップS8:YES)、制御部7は、図7のステップS9へ進む。下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満であると判断した場合(ステップS8:NO)、制御部7は、図7のステップS13へ進む。
【0086】
図7のステップS9では、制御部7は、吹き出しファン51の吹き出し風量を、ステップS2,S4,S6のいずれかで設定した設定風量から所定量増加させる。これにより、インクミスト回収部5によるインクミストの回収能力が向上する。
【0087】
次いで、ステップS10において、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満であるか否かを判断する。上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上であると判断した場合(ステップS10:NO)、制御部7は、ステップS10を繰り返す。
【0088】
上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満であると判断した場合(ステップS10:YES)、ステップS11において、制御部7は、下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満であるか否かを判断する。下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上であると判断した場合(ステップS11:NO)、制御部7は、ステップS10へ戻る。
【0089】
下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満であると判断した場合(ステップS11:YES)、制御部7は、吹き出しファン51の吹き出し風量を設定風量に戻す。この後、制御部7は、ステップS13へ進む。
【0090】
ステップS13では、制御部7は、印刷ジョブに基づく印刷が終了したか否かを判断する。印刷が終了していないと判断した場合(ステップS13:NO)、制御部7は、図6のステップS7へ戻る。
【0091】
印刷が終了したと判断した場合(ステップS13:YES)、ステップS14において、制御部7は、吹き出しファン51を停止させる。これにより、吹き出しファン51の制御が終了となる。
【0092】
上述した吹き出しファン51の制御により、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、吹き出し風量は設定風量とされる。上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上、および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、吹き出し風量は設定風量から増加された風量となる。
【0093】
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、吹き出しファン51が、ウェブWの上方から下方へ送風する。整流部材52は、吹き出しファン51からの吹き出し気流およびウェブWの搬送による搬送気流を、前後方向におけるウェブWの外側へ導く。そして、吸引ファン53A,53Bが、整流部材52により前後方向におけるウェブWの外側へ導かれた気流に含まれるインクミストを吸引して回収する。これにより、整流部材52で吹き出し気流および搬送気流の進行方向を変化させた気流によりインクミストを吸引ファン53A,53Bへ導いて回収するので、インクミストを効率的に回収できる。
【0094】
また、制御部7は、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満である場合、吹き出し風量を設定風量とする。上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上、および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合、制御部7は、吹き出し風量を設定風量から増加させる。このように、上流側インクミスト検出部54および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量に応じて吹き出しファン51の吹き出し風量を調整することで、インクミストの量が変化しても、インクミストを効率的に回収できる。また、必要以上に吹き出し風量が大きくなることが抑えられるので、電力消費の無駄や騒音を軽減できる。
【0095】
また、制御部7は、吹き出しファン51の設定風量をウェブWの搬送速度に応じて調整する。これにより、ウェブWの搬送速度によってインクミストの発生度合いが変化しても、インクミストを効率的に回収できる。また、必要以上に吹き出し風量が大きくなることが抑えられるので、電力消費の無駄や騒音を軽減できる。
【0096】
なお、上述した実施の形態では、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上、および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合において、吹き出し風量を設定風量から所定量増加させた。しかし、この場合において、吹き出し風量を設定風量から徐々に増加させ、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値未満、かつ下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値未満になると設定風量に戻すようにしてもよい。
【0097】
上述した実施の形態では、上流側インクミスト検出部54および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量に応じて吹き出しファン51の吹き出し風量を調整したが、吸引ファン53A,53Bの吸引風量を調整してもよい。また、吹き出しファン51の吹き出し風量および吸引ファン53A,53Bの吸引風量の両方を調整してもよい。具体的には、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が第1閾値以上、および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量が第2閾値以上、の少なくともいずれか一方が満たされる場合に、吸引ファン53A,53Bの吸引風量を設定風量から増加させるようにしてもよい。また、この場合において、吹き出しファン51の吹き出し風量および吸引ファン53A,53Bの吸引風量の両方をそれぞれの設定風量から増加させるようにしてもよい。
【0098】
上述した実施の形態では、上流側インクミスト検出部54および下流側インクミスト検出部55の検出インクミスト量に応じて吹き出しファン51の吹き出し風量を調整したが、下流側インクミスト検出部55を省略し、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量に応じて吹き出し風量を調整するようにしてもよい。この場合、上流側インクミスト検出部54(請求項のインクミスト検出部に相当)の検出インクミスト量が閾値以上の場合に、吹き出し風量を設定風量から増加させるようにすればよい。
【0099】
また、下流側インクミスト検出部55を省略した構成において、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量に応じて、吸引ファン53A,53Bの吸引風量を調整してもよい。また、吹き出しファン51の吹き出し風量および吸引ファン53A,53Bの吸引風量の両方を調整してもよい。具体的には、上流側インクミスト検出部54の検出インクミスト量が閾値以上の場合に、吸引ファン53A,53Bの吸引風量を設定風量から増加させるようにしてもよい。また、この場合において、吹き出しファン51の吹き出し風量および吸引ファン53A,53Bの吸引風量の両方をそれぞれの設定風量から増加させるようにしてもよい。
【0100】
上述した実施の形態では、吹き出しファン51の設定風量をウェブWの搬送速度に応じて調整したが、吸引ファン53A,53Bの設定風量をウェブWの搬送速度に応じて調整してもよい。また、吹き出しファン51および吸引ファン53A,53Bの両方の設定風量をウェブWの搬送速度に応じて調整してもよい。
【0101】
上述した実施の形態では、上流側インクミスト検出部54は、ウェブWの前側、後側にそれぞれ隣接して配置されたインクミストセンサ59A,59Bを有するものとした。しかし、上流側インクミスト検出部54を構成するインクミストセンサの数およびその主走査方向における配置はこれに限らない。例えば、上流側インクミスト検出部54として、左右方向におけるインクジェットヘッド41Dと整流部材52との間において、主走査方向におけるウェブWの中央部に配置した1つのインクミストセンサを用いてもよい。下流側インクミスト検出部55についても同様である。
【0102】
上述した実施の形態では、インクジェット印刷装置1に送り出し部2および巻き取り部6が組み込まれた構成を示したが、インクジェット印刷装置に別装置として送り出し装置および巻き取り装置が接続された構成でもよい。また、インクジェット印刷装置にウェブを断裁する断裁装置等が外部装置として接続されていてもよい。
【0103】
上述した実施の形態では、印刷媒体としてウェブを用いるインクジェット印刷装置について説明したが、印刷媒体としてカット紙等を用いるインクジェット印刷装置にも本発明は適用可能である。
【0104】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 インクジェット印刷装置
2 送り出し部
3 搬送部
4 ヘッドユニット
5 インクミスト回収部
6 巻き取り部
7 制御部
41,41A〜41D インクジェットヘッド
42 ヘッドモジュール
51 吹き出しファン
52 整流部材
53A,53B 吸引ファン
54 上流側インクミスト検出部
55 下流側インクミスト検出部
56 吹き出し気流整流部
57 搬送気流整流部
58 壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7