(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676474
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】ネットワーク構成図出力装置、ネットワーク構成図出力方法及びネットワーク構成図出力プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/42 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
H04L12/42 Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-109458(P2016-109458)
(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公開番号】特開2017-216600(P2017-216600A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399117110
【氏名又は名称】日本ヒューレット・パッカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門井 信樹
(72)【発明者】
【氏名】深野 雪成
(72)【発明者】
【氏名】梅沢 健人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英男
(72)【発明者】
【氏名】平松 尚利
(72)【発明者】
【氏名】繁尾 明彦
(72)【発明者】
【氏名】大谷 知子
(72)【発明者】
【氏名】小畑 陽一
(72)【発明者】
【氏名】松永 靖子
【審査官】
羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−223567(JP,A)
【文献】
特開2012−186570(JP,A)
【文献】
特開平08−298517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/42−12/437
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードがリングに接続されたリング型ネットワークの接続情報と、各ノードに付与されたレイヤを示すレイヤ情報と、を読み込む接続情報入力部と、
ノードの集合であるブランケットに接続するリングが複数存在する構成であるクロージャにおいて、レイヤが低いノードが接続されているリングを、クロージャの縦方向の内側になるように配置する縦方向配置部と、
前記縦方向配置部による前記リング及び前記ノードの配置の結果を示す情報を出力する構成図出力部と、を備え、
各ノードの前記レイヤは、当該ノードをクロージャの頂点とした場合、前記クロージャを構成するリングに接続される配下のノード数が多いほど高いレイヤが設定されるというネットワーク特性に従って付与される
ネットワーク構成図出力装置。
【請求項2】
前記縦方向配置部は、
前記クロージャにおいて、1つのリング内に、クロージャを束ねるブランケットを構成するノードのレイヤより下位のレイヤのノードが複数ある場合、前記下位のレイヤの中で最上位のレイヤのノードを代表ノードと決定し、
前記クロージャにおいて、前記代表ノードのレイヤが同一の複数のリングが存在する場合、接続されるノード数が少ないリングが、接続されるノード数が多いリングより縦方向の内側になるように配置する請求項1に記載のネットワーク構成図出力装置。
【請求項3】
前記縦方向配置部は、
前記クロージャにおいて、1つのリング内に、クロージャを束ねるブランケットを構成するノードのレイヤより下位のレイヤのノードが複数ある場合、前記下位のレイヤの中で最上位のレイヤのノードを代表ノードと決定し、
前記クロージャにおいて、前記代表ノードのレイヤが同一で、かつノード数が同数の複数のリングが存在する場合、リングを識別するリングID の番号が小さい方のリングが、リンクIDの番号が大きい方のリングの縦方向の内側になるように配置する請求項1に記載のネットワーク構成図出力装置。
【請求項4】
前記縦方向配置部は、
前記クロージャの中にさらにクロージャが存在するかを判定し、存在すれば、配置処理を再帰的に行う請求項1から3のいずれか一項に記載のネットワーク構成図出力装置。
【請求項5】
前記縦方向配置部によって配置された前記ノードが重ならないように、横方向の配置を決定する横方向配置部をさらに備えた請求項1から4のいずれか一項に記載のネットワーク構成図出力装置。
【請求項6】
複数のノードがリングに接続されたリング型ネットワークの接続情報と、各ノードに付与されたレイヤを示すレイヤ情報と、を読み込む接続情報入力ステップと、
ノードの集合であるブランケットに接続するリングが複数存在する構成であるクロージャにおいて、レイヤが低いノードが接続されているリングを、クロージャの縦方向の内側になるように配置する縦方向配置ステップと、
前記縦方向配置ステップによる前記リング及び前記ノードの配置の結果を示す情報を出力する構成図出力ステップと、を有し、
各ノードの前記レイヤは、当該ノードをクロージャの頂点とした場合、前記クロージャを構成するリングに接続される配下のノード数が多いほど高いレイヤが設定されるというネットワーク特性に従って付与される
ネットワーク構成図出力方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク構成図出力装置として機能させるためのネットワーク構成図出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク構成図出力装置、ネットワーク構成図出力方法及びネットワーク構成図出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、広範囲の構成情報を一度に把握できる構成図を表示するとともに、表示情報の中から特定の条件を満たす管理対象のみを部分的に抽出して表示できるネットワ−ク構成図表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このネットワ−ク構成図表示装置は管理対象情報収集部が、管理対象からの情報を収集し、それらのデ−タを管理対象情報格納部に格納する。そして、収集した構成情報や管理対象の動作状態は、構成図編集部から表示指示が送られ、表示部上にグラフィカルな構成図として一画面で表示し、利用者が広範囲の情報を確認することを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−36419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ネットワークの1つの形態としてリング型ネットワークというものがある。リング型ネットワークは、信号の流れを時計回り、反時計回りにして使用することができる。このため、故障が発生した場合に反対回りを使用することができ、故障の影響を大きくしない特徴を有している。また、リング同士を接続することにより大規模なネットワーク構成も可能である。
【0005】
従来は、1つのリング型ネットワーク構成の構成図の管理は行われていたが、リング同士を接続した大規模なリング型ネットワークの構成図を作成して表示することができなかった。特に、ネットワーク機器(以下「ノード」という)の増設などに伴い、ネットワーク構成が変化していくと、見づらいネットワーク構成図となっていた。これは、リング型ネットワークの特徴である信号の流れを時計回り、反時計回りとすることができるため、ツリー型のネットワークと比べて、複雑となるためである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、リング型ネットワークのネットワーク構成図を表示する際に、コンパクトで見やすいネットワーク構成図を作成して表示することができるネットワーク構成図出力装置、ネットワーク構成図出力方法及びネットワーク構成図出力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、配下のノード数が多いというネットワーク的な特性を有しているほど高いレイヤが設定されている複数のノード間をリング型ネットワークによって構成したネットワークの接続情報とレイヤ情報とを読み込む接続情報入力部と、リング同士の接続部分を構成するノードの集合、最上位リングに接続されている他のノードより上位のレイヤのノードの集合、最下位リングに接続されている他のノードより下位のレイヤのノードのそれぞれ、のいずれかであるブランケットに接続するリングが複数存在する構成であるクロージャにおいて、リングに接続されているノードのうち、レイヤが低いノードが接続されているリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する縦方向配置部と、前記縦方向配置部による前記リング及び前記ノードの配置の結果を示す情報を出力する構成図出力部とを備えたネットワーク構成図出力装置である。
【0008】
本発明の一態様は、前記ネットワーク構成図出力装置であって、前記縦方向配置部は、前記クロージャにおいて、クロージャを束ねるブランケットを構成するノードのレイヤより下位のレイヤのノードが一つのリング内に複数あり、該レイヤの中で一番上位のレイヤのノードを基準となるノードである代表ノードと決定する。
【0009】
本発明の一態様は、前記ネットワーク構成図出力装置であって、前記縦方向配置部は、前記クロージャにおいて、リングに接続される代表ノードのレイヤが同一で、かつ異なるリングが複数存在する場合、リングに接続されるノードの数が少ないリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する。
【0010】
本発明の一態様は、前記ネットワーク構成図出力装置であって、前記縦方向配置部は、前記クロージャにおいて、リングに接続される代表ノードのレイヤが同一で、かつノード数が同数の場合、リングに付与されているリングを識別するためのリングIDの番号の小さいリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する。
【0011】
本発明の一態様は、前記ネットワーク構成図出力装置であって、前記縦方向配置部は、前記クロージャの中にさらにクロージャが存在するかを判定し、存在すれば、配置処理を再帰的に行う。
【0012】
本発明の一態様は、前記ネットワーク構成図出力装置であって、前記縦方向配置部によって配置された前記ノードが重ならないように、横方向の配置を決定する横方向配置部をさらに備えた。
【0013】
本発明の一態様は、配下のノード数が多いというネットワーク的な特性を有しているほど高いレイヤが設定されている複数のノード間をリング型ネットワークによって構成したネットワークの接続情報とレイヤ情報とを読み込む接続情報入力ステップと、リング同士の接続部分を構成するノードの集合、最上位リングに接続されている他のノードより上位のレイヤのノードの集合、最下位リングに接続されている他のノードより下位のレイヤのノードのそれぞれ、のいずれかであるブランケットに接続するリングが複数存在する構成であるクロージャにおいて、リングに接続されているノードのうち、レイヤが低いノードが接続されているリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する縦方向配置ステップと、前記縦方向配置ステップによる前記リング及び前記ノードの配置の結果を示す情報を出力する構成図出力ステップとを有するネットワーク構成図出力方法である。
【0014】
本発明の一態様は、コンピュータを、前記ネットワーク構成図出力装置として機能させるためのネットワーク構成図出力プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リング型ネットワークのネットワーク構成図を表示する際に、コンパクトで見やすいネットワーク構成図を作成して表示することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態によるネットワーク構成図出力装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すブランケット構成部13の動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示すクロージャ構成部15の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図1に示すクロージャ縦方向配置部17の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示すクロージャ横方向配置部19の動作を示すフローチャートである。
【
図8】クロージャを構成するノードの横方向の配置位置の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1に示す構成図出力部20の動作を示すフローチャートである。
【
図11】表示部21に描画したネットワーク構成図の一部の例を示す図である。
【
図12】
図1に示すネットワーク構成図出力装置1の全体の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるネットワーク構成図出力装置を説明する。はじめに、用語の定義を行う。「ネットワーク構成管理情報」とは、全体のネットワーク構成に関する管理情報であり、ネットワーク機器(以下「ノード」という。)の接続状況の情報が含まれる。「接続情報」とは、ノードのどのポートと他のノードのどのポートが接続されているかを示す情報である。ノードには、ノードを識別する識別情報が付与されているとともに、ノードのポートについてもポートを識別する識別情報が付与されている。
【0018】
「ブランケット」とは、以下の3つのいずれかである。(1)リング同士の接続部分を構成するノード集合。(2)最上位リングにおける他のノードより上位のレイヤのノードの集合。(3)最下位リングにおける他のノードより下位のレイヤのノードのそれぞれ。「クロージャ」とは、各ブランケットから接続するリングが複数存在する構成のことである。「レイヤ」とは、各ノードに付与された階層である。レイヤが上位(数値が小さい)であるほど配下のノード数が多くなるというネットワーク的な特性があり、レイヤが下位(数値が大きい)であるほど配下のノード数が少なくなるというネットワーク的な特性がある。例えば、配下のノードの実際の数に応じてレイヤの階層が決定されてもよい。例えば、“中枢ネットワークに近いノードであるほど配下のノードの数が多い可能性が高い”ということに基づいて、中枢ネットワークに近いノードであるほど高いレイヤとして決定されてもよい。後者のような構成が採用されることにより、配下のノードの実際の数を計数することなく高速に処理を行う事が可能となる。レイヤは、例えば、1から8まで存在し、ネットワーク構成管理情報において予め定義されている。
【0019】
図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。ネットワーク構成図出力装置1は、コンピュータ装置によって構成する。ネットワーク構成図出力装置1は、接続情報入力部11と、ブランケット構成部13と、クロージャ構成部15と、クロージャ縦配置部17と、クロージャ横配置部19と、構成図出力部20の6つの処理部を備える。また、ネットワーク構成図出力装置1は、接続情報記憶部12、ブランケット情報記憶部14、クロージャ情報記憶部16、配置情報記憶部18の4つの記憶部を備える。なお、4つの記憶部はネットワーク構成図出力装置1の外部に接続されていてもよい。
【0020】
また、ネットワーク構成図出力装置1は、構成図出力部20の出力に基づいてネットワーク構成図を表示する表示装置等で構成する表示部21が接続されている。なお、ネットワーク構成図の出力は、表示部21に表示するだけでなく、印刷装置によって印刷するようにしてもよい。
【0021】
ネットワーク構成管理情報が記憶されたネットワーク構成管理情報記憶部30は、オンラインでネットワーク構成図出力装置1に接続されていてもよいし、オフラインで接続情報を接続情報入力部11に入力するようにしてもよい。
【0022】
接続情報入力部11は、ネットワーク構成管理情報記憶部30からオンラインまたはオフラインで、接続情報を入力する。接続情報入力部11は、入力した接続情報を、接続情報記憶部12に記憶する。接続情報記憶部12に記憶される接続情報には、ノードのどのポートと他のノードのどのポートが接続されているかを示す情報と、ノードのレイヤを示す情報が含まれている。
【0023】
ブランケット構成部13は、接続情報記憶部12に記憶されている接続情報からブランケットとなるノードの構成を抽出する。ブランケット構成部13は、抽出したブランケットをブランケット情報として、ブランケット情報記憶部14に記憶する。
【0024】
クロージャ構成部15は、ブランケット情報記憶部14に記憶されているブランケット情報と、接続情報記憶部12に記憶されている接続情報とを参照して、クロージャとなるノードの構成を抽出する。クロージャ構成部15は、抽出した抽出したクロージャをクロージャ情報として、クロージャ情報記憶部16に記憶する。
【0025】
クロージャ縦方向配置部17は、クロージャ情報記憶部16に記憶されているクロージャ情報と接続情報記憶部12に記憶されている接続情報とを参照して、クロージャを構成するノードの縦方向の配置位置を決定する。クロージャ縦方向配置部17は、配置したノードの配置情報を配置情報記憶部18に記憶する。クロージャ縦方向配置部17において、決定されるのは、縦方向の座標値だけで、横方向は未定のままである。
【0026】
クロージャ横方向配置部19は、配置情報記憶部18に記憶されている配置情報と接続情報記憶部12に記憶されている接続情報とを参照して、未定だったクロージャを構成するノードの横方向の配置位置を決定する。クロージャ横方向配置部19は、配置したノードの配置情報を配置情報記憶部18に記憶する。
【0027】
構成図出力部20は、配置情報記憶部18に記憶されている配置情報に基づいて、ネットワーク構成図を作図し、表示部21に表示する。
【0028】
次に、
図2を参照して、
図1に示すブランケット構成部13の動作を説明する。
図2は、
図1に示すブランケット構成部13の動作を示すフローチャートである。まず、ブランケット構成部13は、接続情報記憶部12に記憶されている接続情報を読み込む(ステップS1)。そして、ブランケット構成部13は、接続情報を参照して、リング同士の接続部分を構成するノードをブランケットとして抽出する(ステップS2)。
【0029】
次に、ブランケット構成部13は、最上位リングに接続されたノードのうち、上位レイヤのノードをブランケットとして抽出する(ステップS3)。続いて、ブランケット構成部13は、最下位リングに接続されたノードのうち、下位レイヤのノードをブランケットとして抽出する(ステップS4)。
【0030】
次に、ブランケット構成部13は、抽出したブランケットをブランケット情報記憶部14に記憶する(ステップS5)。ブランケットには、識別可能なブランケット識別情報が付与されて記憶される。このような動作によって、ブランケット情報記憶部14には、
図3に示すブランケットとなるノードの識別情報がブランケット情報として記憶される。
図3は、ブランケットの例を示す説明図である。この図において、破線で囲った部分がブランケットとなるノード、またはノードの集合である。
【0031】
次に、
図4を参照して、
図1に示すクロージャ構成部15の動作を説明する。
図4は、
図1に示すクロージャ構成部15の動作を示すフローチャートである。まず、クロージャ構成部15は、ブランケット情報記憶部14に記憶されているブランケット情報と接続情報記憶部12に記憶されている接続情報とを読み込む(ステップS11)。そして、クロージャ構成部15は、ブランケットそれぞれについて、クロージャが構成されているか否かを判定しながら、クロージャを構成するブランケットを抽出する(ステップS12)。
【0032】
次に、クロージャ構成部15は、抽出したクロージャをクロージャ情報記憶部16に記憶する(ステップS13)。クロージャには、識別可能なクロージャ識別情報が付与されて記憶される。このような動作によって、クロージャ情報記憶部16には、
図5に示すブクロージャを構成するノードの識別情報が関係付けられたクロージャ識別情報がクロージャ情報として記憶される。
図5は、クロージャの一例を示す説明図である。
図5に示すノードの集合が1つのクロージャである。
【0033】
次に、
図6を参照して、
図1に示すクロージャ縦方向配置部17の動作を説明する。
図6は、
図1に示すクロージャ縦方向配置部17の動作を示すフローチャートである。まず、クロージャ縦方向配置部17は、クロージャ情報記憶部16に記憶されているクロージャ情報と、接続情報記憶部12に記憶されている接続情報を読み込む(ステップS21)。
【0034】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、下位レイヤのノードが1つのリング内に複数あり、そのレイヤが異なる場合、そのレイヤの中で一番上位のレイヤのノードを代表ノードと決める(ステップS22)。
【0035】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、リングに接続されているノードのうち、下位レイヤの代表ノードが接続されているリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する(ステップS23)。
【0036】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、レイヤが同一で異なるリングが複数存在する場合、リング内のノードの数が少ないリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する(ステップS24)。
【0037】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、レイヤが同一で、かつノード数が同数の場合、リングに付与されているリングID(4桁の番号)の小さいリングをクロージャの縦方向の内側になるように配置する(ステップS25)。
【0038】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、上記の処理によって決定した縦方向の配置位置情報(座標情報)を配置情報記憶部18に記憶する(ステップ26)。
【0039】
次に、クロージャ縦方向配置部17は、クロージャの中にさらにクロージャが存在するかを判定し、存在すれば、配置処理を再帰的に(ステップS22〜S26の処理)行う(ステップS27)。このような動作によって、配置情報記憶部18には、各ノードの縦方向の配置位置が決定する。ただし、横方向の配置位置は未定のままである。
【0040】
次に、
図7を参照して、
図1に示すクロージャ横方向配置部19の動作を説明する。
図7は、
図1に示すクロージャ横方向配置部19の動作を示すフローチャートである。まず、クロージャ横方向配置部19は、配置位置情報記憶部18から配置情報を読み込む(ステップS31)。
【0041】
次に、クロージャ横方向配置部19は、
図8に示すように、クロージャの頂点となるブランケットを構成するノードを、配下のノードの幅の中央に配置するように、ノード間の間隔を計算する(ステップS32)。すなわち、クロージャ縦方向配置部17において未定だった横方向配置位置を、ノードが重ならないように配置するための間隔を計算する。
図8は、クロージャを構成するノードの横方向の配置位置の一例を示す説明図である。そして、この計算結果に基づいて、未定だった横方向の配置位置を決定する。クロージャ横方向配置部19は、クロージャの中にクロージャが存在する場合、横幅の計算を再帰的に行う。
【0042】
次に、クロージャ横方向配置部19は、上記の処理によって決定した横方向の配置位置情報(座標情報)を配置情報記憶部18に記憶する(ステップ33)。このような動作によって、配置情報記憶部18には、
図9に示すように各ノードの縦横方向の配置位置が決定する。
図9は、ノードの配置例を示す説明図である。
【0043】
次に、
図10を参照して、
図1に示す構成部出力部20の動作を説明する。
図10は、、
図1に示す構成図出力部20の動作を示すフローチャートである。まず、構成図出力部20は、配置情報記憶部18に記憶されているノードの配置位置情報を読み込む(ステップS41)。そして、構成図出力部20は、読み込んだノードの配置位置情報に基づいてネットワーク構成図の描画を表示部21に対して行う(ステップS42)。この動作によって、表示部21には、ネットワーク構成図が表示される。
図11は、前述した動作によって、表示部21に描画したネットワーク構成図の一部を描画した例を示す図である。
【0044】
次に、
図12を参照して、
図1に示すネットワーク構成図出力装置1の全体の動作を説明する。
図12は、
図1に示すネットワーク構成図出力装置1の全体の動作を示すフローチャートである。
【0045】
まず、接続情報入力部11は、接続情報を入力する(ステップS51)。続いて、ブランケット構成部13は、接続情報からブランケットを抽出する(ステップS52)。
【0046】
次に、クロージャ構成部15は、ブランケット情報からクロージャを抽出する(ステップS53)。続いて、クロージャ縦方向配置部17は、クロージャ情報からクロージャの縦方向配置を決定する(ステップS54)。
【0047】
次に、クロージャ横方向配置部19は、縦方向の配置位置か決定した配置情報からクロージャの横方向配置を決定する(ステップS55)。そして、構成図出力部20は、配置情報からネットワーク構成図を表示部21に描画する(ステップS56)。
【0048】
以上説明したように、リングに接続されるノードの縦方向配置と横方向配置を最適化したため、隙間が少なく、リングの線が重ならずコンパクトなネットワーク構成図を描画することが可能となる。
【0049】
なお、前述した説明においては、ネットワーク構成図を表示する度に接続情報入力する説明を行ったが、定期的に接続入力部11が、ネットワーク構成管理情報から接続情報を読み込み、接続情報記憶部12を更新するようにしてもよい。
【0050】
また、
図1に示す装置構成は、スタンドアロン型の装置構成であるが、構成図出力部20を除く他の構成をサーバ内に設け、構成図出力部20をクライアントである端末装置に設けたサーバ・クライアント方式を採用してもよい。この場合、サーバからクライアントに対して、配置情報を受け渡すようにすればよい。
【0051】
また、描画しようとするネットワーク構成図が一画面に入り切らない場合は、縦横にスクロール可能なスクロールバーを設けるようにしてもよい。さらに、ネットワーク構成図を画面上で拡大・縮小する機能を備えていてもよい。
【0052】
前述した実施形態におけるネットワーク構成図出力装置の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
【0053】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態を説明してきたが、上記実施の形態は本発明の例示に過ぎず、本発明が上記実施の形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本発明の技術思想及び範囲を逸脱しない範囲で構成要素の追加、省略、置換、その他の変更を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
リング型ネットワークにおいて、コンパクトで見やすいネットワーク構成図を作成して表示することが不可欠な用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0055】
1・・・ネットワーク構成図出力装置、11・・・接続情報入力部、12・・・接続情報記憶部、13・・・ブランケット構成部、14・・・ブランケット情報記憶部、15・・・クロージャ構成部、16・・・クロージャ情報記憶部、17・・・クロージャ縦方向配置部、18・・・配置情報記憶部、19・・・クロージャ横方向配置部、20・・・構成図出力部、21・・・表示部、30・・・ネットワーク構成管理情報記憶部