【課題を解決するための手段】
【0023】
第1の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと;
e)中枢神経系病変を位置特定するステップと
によって、対象における中枢神経系病変を位置特定するための方法を提供する。
【0024】
病変は、頭蓋内圧の増大を特徴として備える場合があり、かつ病変は、例えば、外傷、脳血管発作(CVA)、動脈瘤または他の血管病変、悪性または良性にかかわらず腫瘍、感染過程、炎症疾患、静脈排出路の混乱、偽腫瘍、神経変性疾患、水頭症または特発性に続くものであり得る。中枢神経系病変の位置特定は、例えば、頭蓋内圧の増大を経験している脳の側を判定することによって実施することができる。頭蓋内圧の増大を経験している脳の側は、例えば、反対側と比較して変化している、またはその対象のベースライン眼球運動と、もしくは対照対象の眼球運動と比較して変化している脳のその側の眼球運動を判定することによって判定することができる。
【0025】
第2の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、対象における中枢神経系病変を診断するための方法を提供する。
【0026】
病変は、頭蓋内圧の増大を特徴として備える場合があり、かつ病変は、例えば、外傷、脳血管発作(CVA)、動脈瘤または他の血管病変、悪性または良性にかかわらず腫瘍、感染過程、炎症疾患、静脈排出路の混乱、偽腫瘍、水頭症または特発性に続くものであり得る。
【0027】
第3の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、対象における中枢神経系の完全性を評価および定量化するための方法を提供する。
【0028】
第4の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、対象における脳神経機能または伝導の低減または障害を検出し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0029】
脳神経は、例えば、第II、第III、第IVまたは第VIのうち1つまたは複数であり得る。低減されたまたは機能損傷された脳神経の機能または伝導は、一側性または両側性であり得、増加した頭蓋内圧によって全てまたは一部が引き起こされ得、限局性またはびまん性の病変または疾患プロセスによって全てまたは一部が引き起こされ得る。脳神経の低減された機能は、神経自体、その関連する核または核上性インプットに影響を与える病理(例えば、大脳皮質に影響を与える病変を含む)に起因し得る。
【0030】
第5の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、対象における頭蓋内圧の増大を検出し、診断し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0031】
増加した頭蓋内圧は、例えば、正常よりも10%、20%、30%、50%、100%、200%、300%またはそれ以上高い可能性がある。
【0032】
第6の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、頭蓋内圧の増大を特徴として備える疾患または状態を検出し、診断し、その進行を監視し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0033】
増加した頭蓋内圧を特徴とする疾患または状態は、例えば、外傷、脳血管発作(CVA)、動脈瘤もしくは他の血管病変、悪性であれ良性であれ腫瘍、感染プロセス(infectious process)、炎症性疾患、静脈ドレナージ(venous drainage)の破壊、偽腫瘍、水頭症または特発性であり得る。
【0034】
第7の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、脳振盪を検出し、診断し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0035】
第8の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、テント切痕内ヘルニアを検出し、診断し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0036】
第9の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、正常圧水頭症の重症度を定量化し、シャント機能不全を検出し、もしくはそれについてスクリーニングし、または正常圧水頭症を処置するために弁圧を最適化するための方法を提供する。
【0037】
第10の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、後頭蓋窩腫瘤効果を検出または評価するための方法を提供する。
【0038】
第11の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、視神経乳頭または視神経を通じた伝導性を妨害する障害を検出し、それについてスクリーニングし、またはそれを診断するための方法を提供する。
【0039】
第12の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、中枢神経系全体の機能障害の程度を定量化するための方法を提供する。
【0040】
中枢神経系の完全性は、例えば、外傷、脳卒中、神経変性疾患、炎症、感染過程、新生物過程、血管疾患、自己免疫疾患、遺伝子障害、または他の原因によって損なわれる場合がある。本発明のこの態様は、全汎性CNS機能障害(global CNS impairment)の程度を定量化するための方法を提供する。本発明のこの態様は、脳の55%超が視覚および視力に寄与するという事実を活用する。
【0041】
第13の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
によって、認知整合性を定量化または評価するための方法を提供する。
【0042】
第14の態様では、本発明は、低減されたまたは機能損傷された脳神経の機能または伝導を検出し、またはそれについてスクリーニングするために有用なキット、増加した頭蓋内圧を検出し、診断し、またはそれについてスクリーニングするために有用なキット、あるいは増加した頭蓋内圧を特徴とする疾患または状態を検出し、診断し、その進行をモニタリングし、またはそれについてスクリーニングするために有用なキットであって、眼球運動を追跡するためのデバイス、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段、例えばアルゴリズムまたはコンピュータプログラムなど、および指示書を含む、キットを提供する。眼球運動観察を処理すること、眼球運動観察の測定を行うこと、測定された値の分布を決定すること、および統計的試験を実施することは、全て、かかるキット中に含まれ得る適切なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。
【0043】
第15の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
によって、対象における眼球運動の共同性または非共同性を評価するための方法を提供する。
【0044】
第16の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
によって、対象における非共同性注視または斜視によって特徴付けられ、またはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法を提供する。
【0045】
一部の事例では、疾患は、外傷、水頭症、脱髄、炎症、感染、変性疾患、新生物/腫瘍随伴症候群、糖尿病を含めた代謝疾患、または血管破裂、例えば、脳卒中、出血、もしくは動脈瘤形成などの1つであり得る。疾患は、眼科学的疾患、例えば、結膜炎、眼筋麻痺、眼傷害、または他の疾患などでもあり得る。一部の事例では、疾患を患っている対象は、健康な対照における、あるいは1つもしくは複数の健康な対照に基づいた、または疾患の前のある時間における対象に基づいた参照値における、試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和より、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、または2、3、4、5、6、8、10倍、もしくはそれ超大きい、試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を有し得る。
【0046】
第17の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
によって、対象における中枢神経系の完全性を評価および定量化するための方法を提供する。
【0047】
第18の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
によって、非共同性注視または斜視によって特徴付けられる疾患または状態を検出し、その進行を監視し、またはそれについてスクリーニングするための方法を提供する。
【0048】
一部の事例では、疾患は、外傷、水頭症、脱髄、炎症、感染、変性疾患、新生物/腫瘍随伴症候群、糖尿病を含めた代謝疾患、または血管破裂、例えば、脳卒中、出血、もしくは動脈瘤形成などの1つであり得る。疾患は、眼科学的疾患、例えば、結膜炎、眼筋麻痺、眼傷害、または他の疾患などでもあり得る。一部の事例では、疾患を患っている対象は、健康な対照における、あるいは1つもしくは複数の健康な対照に基づいた、または疾患の前のある時間における対象に基づいた参照値における、試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和より、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、または2、3、4、5、6、8、10倍、もしくはそれ超大きい、試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を有し得る。
【0049】
第19の態様では、本発明は、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
によって、非共同性注視または斜視の程度を定量化するための方法を提供する。
【0050】
第20の態様では、本発明は、非共同性注視もしくは斜視を検出し、それについてスクリーニングし、もしくはそれを定量化するのに有用であり、対象における非共同性注視もしくは斜視によって特徴付けられる疾患を診断するのに有用であり、対象における非共同性注視もしくは斜視によって特徴付けられる疾患もしくは状態を検出し、その進行を監視し、もしくはそれについてスクリーニングするのに有用であり、または非共同性注視もしくは斜視の程度を定量化するのに有用であるキットであって、眼球運動を追跡するためのデバイス、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段、例えば、アルゴリズムまたはコンピュータプログラムなど、および指示書を含有する、キットを提供する。眼球運動観察を処理するステップ、眼球運動観察を測定するステップ、測定した値の分布を判定するステップ、および統計的検定を実施するステップは、このようなキット中に含めることができる適当なコンピュータソフトウェアを使用してすべて達成することができる。
【0051】
第21の態様では、本発明は、
a)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップと;任意選択で
d)正常なまたは平均の眼球運動と比較した対象の少なくとも一方の眼の眼球運動についての標準偏差またはp値を計算するステップと
によって、構造的または非構造的外傷性脳傷害を評価または定量化するための方法を提供する。
【0052】
一部の事例では、対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される。一部の事例では、対象の一方または両方の眼についての眼の位置のxおよびy座標の両方が、少なくとも約100、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、200,000、またはそれ超の眼の位置について収集される。一部の事例では、眼の位置は、有効には、瞳孔位置である。一部の事例では、眼球運動は、約30、60、90、100、120、150、180、200、220、240、270、300、360秒、またはそれ超にわたって追跡される。
【0053】
対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップは、対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を対象の他方の眼の眼球運動と比較することを特徴として備えることができ、または対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を1つもしくは複数の他の対象もしくは対照の眼の眼球運動と比較することを特徴として備えることができる。一部の事例では、対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップは、対象の両方の眼の眼球運動を1つまたは複数の他の対象または対照の一方または両方の眼の眼球運動と比較することを特徴として備え得る。
【0054】
一部の事例では、本方法は、瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集するステップ、未処理のxおよびyデカルト座標を正規化するステップ、ならびに眼によってデータを分類するステップを特徴として備え得る。
【0055】
本方法は、個々の測定基準、例えば、セグメントの平均、セグメントの中央値、およびセグメントの分散を計算するステップも特徴として備え得る。本方法は、特定の測定基準、例えば、
【数1】
など、またはセグメントの標準偏差、およびセグメントの歪度、例えば、
【数2】
など、またはセグメントの正規化された歪度、例えば、
【数3】
などを計算するステップも特徴として備え得る。
【0056】
本方法は、ボックス高さ、ボックス幅、ボックスの面積、またはボックスのアスペクト比を計算するステップも特徴として備え得る。
【数4-1】
【数4-2】
【0057】
本方法は、眼球運動の共同性、または眼球運動の完全な共同性からの分散、例えば、
【数5】
など、または分散x比上/下(共同性)、分散y比上/下(共同性)、分散x比左/右(共同性)、もしくは分散y比左/右(共同性)を計算するステップも特徴として備え得る。
【0058】
一部の事例では、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj varYlefの1つまたは複数が、構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを実証または検出または評価するのに特に有用であり得る。一部の事例では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ超の測定基準を観察または判定することができる。
【0059】
0.25、0.3、0.4、0.5、0.75、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、またはそれ超の標準偏差またはp値は、対象が構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを有することを反映し得る。したがって、本明細書に記載の方法は、脳振盪、軽症脳振盪、および爆風傷害を検出し、それらの重症度を評価または判定するのに使用することができる。
【0060】
第22の態様では、本発明は、
a)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップと;任意選択で
d)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動について標準偏差またはp値を計算するステップと
によって、対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、またはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法を提供する。
【0061】
一部の事例では、対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される。一部の事例では、対象の一方または両方の眼についての眼の位置のxおよびy座標の両方が、少なくとも約100、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、200,000、またはそれ超の眼の位置について収集される。一部の事例では、眼の位置は、有効には、瞳孔位置である。一部の事例では、眼球運動は、約30、60、90、100、120、150、180、200、220、240、270、300、360秒、またはそれ超にわたって追跡される。
【0062】
対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップは、対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を対象の他方の眼の眼球運動と比較することを特徴として備えることができ、または対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を1つもしくは複数の他の対象もしくは対照の眼の眼球運動と比較することを特徴として備えることができる。一部の事例では、対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップは、対象の両方の眼の眼球運動を1つまたは複数の他の対象または対照の一方または両方の眼の眼球運動と比較することを特徴として備え得る。
【0063】
一部の事例では、本方法は、瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集するステップ、未処理のxおよびyデカルト座標を正規化するステップ、ならびに眼によってデータを分類するステップを特徴として備え得る。
【0064】
本方法は、個々の測定基準、例えば、セグメントの平均、セグメントの中央値、およびセグメントの分散などを計算するステップも特徴として備え得る。本方法は、特定の測定基準、例えば、
【数6】
など、またはセグメントの標準偏差、およびセグメントの歪度、例えば、
【数7】
など、またはセグメントの正規化された歪度、例えば、
【数8-1】
【数8-2】
などを計算するステップも特徴として備え得る。
【0065】
本方法は、ボックス高さ、ボックス幅、ボックスの面積、またはボックスのアスペクト比を計算するステップも特徴として備え得る。
【数9】
【0066】
本方法は、眼球運動の共同性、または眼球運動の完全な共同性からの分散、例えば、
【数10】
など、または分散x比上/下(共同性)、分散y比上/下(共同性)、分散x比左/右(共同性)、もしくは分散y比左/右(共同性)を計算するステップも特徴として備え得る。
【0067】
一部の事例では、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj varYlefの1つまたは複数が、構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを実証または検出または評価するのに特に有用であり得る。一部の事例では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ超の測定基準を観察または判定することができる。
【0068】
0.25、0.3、0.4、0.5、0.75、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、またはそれ超の標準偏差またはp値は、対象が構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを有することを反映し得る。したがって、本明細書に記載の方法は、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害を検出し、その重症度を評価または判定するのに使用することができる。一部の事例では、眼球運動は、約30、60、90、100、120、150、180、200、220、240、270、300、360秒、またはそれ超にわたって追跡される。
【0069】
第23の態様では、本発明は、
a)対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集するステップと;
c)未処理のxおよびyデカルト座標を正規化するステップと;
d)1つまたは複数の個々の測定基準を計算するステップと
によって、対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を評価もしくは定量化し、または構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、もしくはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法を提供する。
【0070】
一部の事例では、対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される。一部の事例では、対象の一方または両方の眼についての眼の位置のxおよびy座標の両方が、少なくとも約100、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、200,000、またはそれ超の眼の位置について収集される。両方の眼の眼球運動が追跡される事例では、本方法は、眼によってデータを分類するステップをさらに特徴として備え得る。
【0071】
1つまたは複数の個々の測定基準は、
【数11】
またはセグメントの標準偏差、およびセグメントの歪度、例えば、
【数12】
など、またはセグメントの正規化された歪度、例えば、
【数13】
のいずれか1つであり得る。
【0072】
本方法は、ボックス高さ、ボックス幅、ボックスの面積、またはボックスのアスペクト比を計算するステップも特徴として備え得る。
【数14-1】
【数14-2】
【0073】
本方法は、眼球運動の共同性、または眼球運動の完全な共同性からの分散、例えば、
【数15】
など、または分散x比上/下(共同性)、分散y比上/下(共同性)、分散x比左/右(共同性)、もしくは分散y比左/右(共同性)を計算するステップも特徴として備え得る。
【0074】
一部の事例では、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj varYlefの1つまたは複数が、構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを実証または検出または評価するのに特に有用であり得る。一部の事例では、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ超の測定基準を観察または判定することができる。
【0075】
0.25、0.3、0.4、0.5、0.75、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、またはそれ超の標準偏差またはp値は、対象が構造的または非構造的外傷性脳傷害、例えば、脳振盪、軽症脳振盪、または爆風傷害などを有することを反映し得る。したがって、本明細書に記載の方法は、脳振盪を検出し、その重症度を評価または判定するのに使用することができる。
【0076】
第24の態様では、本発明は、対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を検出し、それについてスクリーニングし、またはそれを定量化するのに有用であるキットであって、眼球運動を追跡するためのデバイス、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段、例えば、アルゴリズムまたはコンピュータプログラムなど、および指示書を含有する、キットを提供する。眼球運動観察を処理するステップ、眼球運動観察を測定するステップ、測定した値の分布を判定するステップ、および統計的検定を実施するステップは、このようなキット中に含めることができる適当なコンピュータソフトウェアを使用してすべて達成することができる。
【0077】
第25の態様では、本発明は、コンピュータシステムを提供する。このコンピュータシステムまたはコンピューティングデバイス1000は、プロセッサ106およびディスプレイ108、眼球運動/視線追跡器コンポーネント104などを含むデバイスを実装するために使用され得る。コンピューティングシステム1000は、情報を伝えるためのバス1005または他のコミュニケーションコンポーネントと、情報を処理するためにバス1005に連結されたプロセッサ1010または処理回路とを含む。コンピューティングシステム1000は、情報を処理するためにバスに連結された1つまたは複数のプロセッサ1010または処理回路を含んでいてもよい。コンピューティングシステム1000は、情報およびプロセッサ1010によって実行される指示を記憶するためにバス1005に連結されたメインメモリ1015、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスもまた含む。メインメモリ1015は、プロセッサ1010による指示の実行の間に、位置情報、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピューティングシステム1000は、静的情報およびプロセッサ1010のための指示を記憶するためにバス1005に連結された読み出し専用メモリ(ROM)1010または他の静的記憶デバイスをさらに含み得る。記憶デバイス1025、例えばソリッドステートデバイス、磁気ディスクまたは光ディスクは、情報および指示を持続的に記憶するためにバス1005に連結される。
【0078】
コンピューティングシステム1000は、使用者に情報を表示するために、バス1005を介して、ディスプレイ1035、例えば液晶ディスプレイまたはアクティブマトリックスディスプレイに連結され得る。インプットデバイス1030、例えば、英数字および他のキーを含むキーボードは、プロセッサ1010に情報および命令選択を伝えるためにバス1005に連結され得る。別の実装では、インプットデバイス1030は、タッチスクリーンディスプレイ1035を有する。インプットデバイス1030は、プロセッサ1010に方向情報および命令選択を伝えるためならびにディスプレイ1035のカーソルの動きを制御するための、カーソル制御、例えばマウス、トラックボールまたはカーソル指向キー(cursor direction key)を含み得る。
【0079】
種々の実装によれば、本明細書に記載されるプロセスは、メインメモリ1015中に含まれる指示の配列を実行するプロセッサ1010に応答して、コンピューティングシステム1000によって実装され得る。かかる指示は、別のコンピュータ可読媒体、例えば記憶デバイス1025から、メインメモリ1015中に読み込まれ得る。メインメモリ1015中に含まれる指示の配列の実行は、コンピューティングシステム1000に、本明細書に記載される例示的プロセスを実施させる。多重処理配列中の1つまたは複数のプロセッサもまた、メインメモリ1015中に含まれる指示を実行するために使用され得る。代替的実装では、ハードワイヤード回路が、例示的実装をもたらすために、ソフトウェア指示の代わりに、またはソフトウェア指示と組み合わせて、使用され得る。従って、実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
眼球運動追跡デバイス
【0080】
記載される方法によれば、眼球運動を追跡する工程は、任意の適切なデバイス、例えばEyelink(登録商標)1000両眼眼球追跡器(500Hzでのサンプリング、SR Research)などを使用して実施され得る。眼球追跡運動サンプルは、任意の適切な頻度で、例えば10Hz〜10,000Hzまたはそれ以上などで取得され得る。対象は、デバイスから適当な距離に、例えば、デバイススクリーンから10、20、30、40、50、55、60、70、80、90cmもしくはそれ以上、またはさらには1メートルもしくはそれ以上の距離に、位置付けられ得る。ある例では、対象の頭部が、例えば、チンレスト(chinrest)または類似の安定化機構を使用することなどによって、安定化され得る。対象は、腰かけていてもよく、リクライニングしていてもよい。好ましくは、デバイスの提示モニタは、対象の視線の方向を実質的に一致させるために調整される。眼球運動を追跡する工程は、合計で例えば30、60、90、120、150、180、200、220、240、270、300、330、360、400、450、500秒間またはそれ以上、あるいは5、10、15、20、25、30、45、60または90分もしくはそれ以上にわたって実施され得る。このように、提供される方法によれば、1,000、5,000、10,000、20,000、25,000、50,000、75,000、100,000、150,000、200,000、250,000、300,000またはそれ以上のサンプルの眼位が取得され得る。同様に、眼球運動の追跡は、ビデオ眼球運動記録デバイス(例えば、ゴーグルのような)を用いて、またはウェブカメラベースの追跡システムを用いて、行われ得る。
【0081】
記載される方法によれば、眼球運動を分析する工程は、任意の適切な手段によって実施され得る。ある例では、生眼位データの解釈を可能にする刺激および分析ストリームが提供される。ある例では、瞳孔位置を調査するためのアルゴリズムが提供され得、それにより、眼筋運動についての情報を直接得ることができる。好ましくは、デバイスは、時間的に近接して、または眼球運動自体と実質的に同時発生的に眼球運動を分析し得る新規モバイルシステムに適合される
運動または視覚刺激に応答した眼球運動の追跡
【0082】
記載される方法によれば、視覚刺激に応答した眼球運動が追跡され得る。ある例では、視覚刺激は、例えば、コンピュータモニタの外縁に沿って例えば時計回りに動き得る、ミュージックビデオなどのビデオであり得る。ある例では、スクリーンの上部または下部の、左側または右側の角で開始するかかるビデオが、提供され得る。視覚刺激、例えばビデオ、例えばミュージックビデオは、およそ10、12、14、16、18、20、25の面積、または例えば、スクリーンのサイズのおよそ1/10、1/8、1/6、1/5、1/4、1/3、1/2ほどの角度で、実質的に正方形の開口部中に提供され得る。この視覚刺激、例えばミュージックビデオなどは、眼球運動追跡の間に実質的に継続的に再生され得、ある場合には、相対的にまたは実質的に一定の速度で、スクリーンを横断して動き得る。例えば、かかる視覚刺激、例えばミュージックビデオは、約2、5、10、15、20、30、45または60秒間ほどで、モニタの各縁をカバーし得る。従って、ある例では、フルサイクルは、例えば、10、20、30、40、50、60、75、100、120、150、180秒間ほどかかり得る。複数サイクルのかかる視覚刺激、例えばミュージックビデオは、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、12回、15回、20回またはそれ以上のフルサイクルで再生され得る。このように、視覚刺激が提供され得、眼球運動が追跡され得、事実上、ある場合には、ビデオが、合計で例えば30、60、90、120、150、180、200、220、240、270、300、330、360、400、450、500秒間またはそれ以上にわたって再生され得る。視覚刺激がビデオの形態である場合、カウントダウンビデオは、視覚刺激の方に向くのに十分な時間を対象に提供するために、視覚刺激、例えばビデオを開始する前に、例えば、5、10、15、20、25または30秒間またはそれ以上にわたって、開始位置において再生され得る。同様に、視覚刺激、例えばビデオは、境界効果を低減するためまたは実質的に回避するために、眼球運動追跡が実施された後に、追加の2、5、10、15、20、30、45または60秒間ほどにわたって継続され得る。任意の量の時間tに対して任意の距離xにわたって移動する視覚刺激を有することによって、同じ結果を得ることができる。しかし理想的な刺激は、本方法の評価能力を最適化するために、xおよびyの両方のデカルト平面内で移動する。
【0083】
記載した方法によれば、対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップは、データを分析することによって実施することができる。眼球運動の追跡からのデータは、個々の対象の注視が非共同性に対して共同性(眼が一緒に移動する)であるか否かの目安を提供し得る。対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップは、散布図を作成することを特徴として備え得る。対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップは、1つの軸に沿った水平の眼の位置および直交軸に沿った垂直の眼の位置をプロットすることを特徴として備え得る。このような、対象の眼球運動を対照と比較するステップ、または対象の第1の眼の眼球運動を対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップは、(x,y)値の対、例えば、値(x,y)の50,000、100,000、またはそれ超の対を生成し、プロットすることを特徴として備え得る。値(x,y)のこのような対は、例えば、ある時間、例えば、100もしくは200秒またはそれ超にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表してプロットすることができる。
【0084】
このように、対象の第1の眼球の眼球運動を対象の第2の眼球の眼球運動と比較する工程は、例えば、視覚刺激がスクリーンを横断して動く場合、視覚刺激が移動する軌跡を反映するボックスと実質的に類似した図形を生成することを特徴とし得る。健康な対照では、ボックスと実質的に類似したこれらの図形は、例えば、スクリーンを横断する視覚刺激が移動する軌跡を反映する、実質的に等辺の矩形または正方形のように見え得る。神経学的損傷または増加した頭蓋内圧の場合、かかる図形は、ボックス、矩形または正方形と実質的に類似していない可能性がある。実際、ある例では、低減されたまたは機能損傷された機能または伝導を有する脳神経が同定され得る。ある例では、視覚刺激が移動する軌跡を反映する生成された図形は、特定の領域における正常なプロッティング対の異常な分布または非存在を示し得る。y軸に沿った増加した変動性は、例えば第II脳神経の機能不全を反映し得る。y軸に沿った減少した変動性、または減少した高さ対幅の比率は、CN IIIの機能不全を反映し得る。増加した高さ対幅の比率は、CN IVまたはVIの機能不全を反映し得る。ボックスの高さは、提示された視覚刺激の上部および底部をビデオが行き来する際の瞳孔の位置を評価することによって、数学的に決定され得る。この「実際の」高さは、数学的に把握された高さとは異なり得るが、この理由は、この把握された高さが、患者の眼筋運動の機能不全に起因する異常な瞳孔挙動を示し得るからである。ボックス壁の完全性もまた、他の型の機能不全の指標であり得る。脳神経麻痺および腫瘤効果の両方が、ボックス軌跡における欠損を引き起こし得る。テント上腫瘤病変およびCN III欠損は、ボックスの上部および/または底部に影響を与え得る。テント下腫瘤病変またはCN VI麻痺は、ボックスの辺に影響を与え得る。例えば、左眼の場合、図形の左上象限は、第IIIおよび第VI脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得、図形の左下象限は、第IIIおよび第IV脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得るが、右上象限および右下象限は、第III脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得る。右眼の場合、図形の左上および左下象限は、第III脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得、図形の右下象限は、第III脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得るが、右上象限および右下象限は、第IVおよび第VI脳神経の活動性、機能または伝導を反映し得る。
【0085】
対象の第1の眼球の眼球運動を対象の第2の眼球の眼球運動と比較する工程は、対照集団におけるある特定の測定値の分布を決定し、対象をこれらの対照分布と比較することを特徴とし得る。かかる場合には、視覚刺激軌跡は、4つの時間成分、例えば、各回転サイクルの最初の数秒間、例えば、2、5、10、15、20秒間ほどの、2、3、4、5、6またはそれ以上の反復に分割され得る。かかる場合には、対象の眼球運動を対照と比較する工程は、各アームにおける相対的分散および各アームの相対的完全性として、かかる変数を評価することを特徴とし得る。
【0086】
対象の眼球運動を対照と比較する工程、または対象の第1の眼球の眼球運動を対象の第2の眼球の眼球運動と比較する工程は、各対象の値の完全性を測定することも特徴とし得る。視覚刺激が移動する軌跡を反映するボックスと実質的に類似した図形を生成することを特徴とする場合、例えば、視覚刺激がスクリーンを横断して動く場合、図形の辺またはアーム(例えば、ボックスの上部およびボックスの底部)は、対照集団から計算された平均および標準偏差を使用してzスコア付けされ得る。得られたスコアは、対象の値が、例えば標準偏差の単位などで対照値と比較してどれほど異なるかを示し得る。
【0087】
記載した方法によれば、対象を、対照と有意に異なる眼球運動を有すると同定するステップ、または対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップは、zスコアを使用して実施することができる。正規分布中のすべての値の95%が平均の2標準偏差以内にあるので、2のzスコアを有意性閾値として使用することができる。図のいずれかもしくは両方、または1、2、3、もしくは4つのサイドまたはアームにおいて、例えば、2を超えるzスコアを有する対象は、眼球運動性の有意な障害を有すると判断することができる。同様に、対象を、対照と有意に異なる眼球運動を有すると同定するステップ、または対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップは、所定の閾値を超える差異を対象が有し、またはその差異が存在するか否かを評価することによって実施することができる。
【0088】
対照とは有意に異なる眼球運動を有する対象を同定する工程、または第2の眼球の眼球運動とは有意に異なる第1の眼球の眼球運動を有する対象を同定する工程は、相対的分散を決定することを特徴とし得る。ある例では、多数の、例えば1,000、2,000、3,000、5,000、10,000、20,000またはそれ以上の点の分布は、例えば、複数の対照値から交換でランダムに選択された複数の数の値から複数のサンプルを採取することによって、生成され得る。各対象について、図形のいずれかもしくは両方の辺もしくはアームにおいて、または1、2、3もしくは4の辺もしくはアームにおける相対的分散が、対応する対照分布とそれぞれ比較され得、試験値の分散を下回る分散を有する対照分布のパーセントが決定され得る。統計的有意性の広く受容された尺度である0.05のp値は、試験値を下回る対照値の95%に対応する。かかる場合には、対照分布中の値の95%より高い分散を有する対象が、眼筋運動の有意な障害を有すると決定され得る。ビデオは、矩形と類似していない他の軌跡、例えば三角形、円または直線状もしくは非直線状の軌跡でも動き得る。軌跡が、デカルト座標(水平垂直またはx、y)に沿ったベクトルへと分解できる限り、同じ原則が当てはまる。簡潔に述べると、経時的に研究される任意の軌跡(例えば、任意の形状、または線、または曲線など)は、中枢神経系の機能または機能不全についての情報を提供し得る。
【0089】
対象の一方の眼の運動を対象の他方の眼と比較するステップは、例えば、右眼のx座標から左眼のx座標を減じ、もしくは逆の場合も同様にすることによって、または右眼のy座標から左眼のy座標を減じ、もしくは逆の場合も同様にすることによって、任意の時点tにおけるx、yデカルト座標を比較することによって実施することができる。試験した時間にわたるx座標のすべての間の差異の和は、瞳孔の水平運動に関して情報を与える。経時的なy座標の差異の和は、瞳孔の垂直運動に関して情報を与える。試験した時間にわたるxおよびy座標の両方の間の差異の総和を合計して、中枢神経系の完全性のサロゲートマーカーである注視の総非共同性の尺度を得ることができる。そのような方法で、非共同性注視の程度を定量化することによって、中枢神経系(CNS)の完全性の程度を定量化することが可能である。
【0090】
移動刺激または視覚刺激を伴わない眼球運動追跡
眼球運動は、移動刺激を使用しないで追跡することもできる。刺激移動をまったく有さないが、自然な目視の間の経時的なx、y座標を評価することによって共同性を評価することが可能である。例えば、眼球運動は、テレビウォッチングまたはモニタもしくはスクリーンなどの特定の目視装置を用いない環境のライブ目視中に追跡することができる。
【0091】
記載した方法によれば、対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についての任意の時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、データを分析することによって実施することができる。眼球運動の追跡からのデータは、個々の対象の注視が非共同性に対して共同性(眼が一緒に移動する)であるか否かの目安を提供し得る。対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についての任意の時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、散布図を作成することを特徴として備え得る。対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についての任意の時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、1つの軸に沿った水平の眼の位置と直交軸に沿った時間との間の差異、および1つの軸に沿った垂直の眼の位置と直交軸に沿った時間との間の差異をプロットすることを特徴として備え得る。このような、対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についての任意の時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、(x,y)値の対、例えば、値(x,y)の25,000、50,000、75,000、100,000、150,000、またはそれ超の対を生成し、プロットすることを特徴として備え得る。値(x,y)のこのような対は、例えば、ある時間、例えば、100もしくは200もしくは250もしくは300秒またはそれ超にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表してプロットすることができる。
【0092】
したがって、対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、経時的に眼球運動の共同性を評価するプロットを作成することを可能にし得る。
【0093】
対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、対照集団におけるある特定の測定値の分布を判定すること、および対象をこれらの対照の分布と比較することを特徴として備え得る。このような事例では、視覚刺激の軌跡は、4つの時間成分、例えば、各ローテションサイクルの最初の数秒、例えば、2、5、10、15、20秒辺りの2、3、4、5、6、またはそれ超の繰り返しに分割することができる。このような事例では、対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についての任意の時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、各アーム内の相対的な分散および各アームの相対的な完全性などの変数を評価することを特徴として備え得る。
【0094】
対象の第1の眼の眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、対象の第2の眼の眼球運動についてのその時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップは、例えば、右眼のx座標から左眼のx座標を減じ、もしくは逆の場合も同様にすることによって、または右眼のy座標から左眼のy座標を減じ、もしくは逆の場合も同様にすることによって、任意の時点tにおけるx、yデカルト座標を比較することによって実施することができる。試験した時間にわたるx座標のすべての間の差異の和は、瞳孔の水平運動に関して情報を与える。経時的なy座標の差異の和は、瞳孔の垂直運動に関して情報を与える。試験した時間にわたるxおよびy座標の両方の間の差異の総和を合計して、中枢神経系の完全性のサロゲートマーカーであり得る注視の総非共同性の尺度を得ることができる。そのような方法で、非共同性注視の程度を定量化することによって、中枢神経系(CNS)の完全性の程度を定量化することが可能である。
【0095】
試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のx座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方は、時点tにおけるx、yデカルト座標を比較するステップに続いて実施することができる。例えば、右眼のx座標から左眼のx座標を減じ、または逆の場合も同様にすることによって。また、右眼のy座標から左眼のy座標を減じ、または逆の場合も同様にすることによって。試験した時間にわたるx座標のすべての間の差異の和は、瞳孔の水平運動に関して情報を与える。経時的なy座標の差異の和は、瞳孔の垂直運動に関して情報を与える。試験した時間にわたるxおよびy座標の両方の間の差異の総和を注視の総非共同性の尺度を得るために、または以下のような式で表される5つのアイボックス軌跡サイクルの平均として、合計することができる:
【数16】
式中、X
ijkは、瞳孔のx座標を指し、kは、対象の左眼または右眼を指す。対象のデータが5つのサイクル中の任意の所与の時点で欠損していた場合では、式の分母は、データが存在したサイクルの数であった。次いで、左眼および右眼について、xおよびyの位置の差異を算出することができる。次いで差異のこのベクトルを、評価および解釈の目的のためにグラフでプロットすることができる。瞳孔の非共同(disconjugation)のレベルを表す単一の測定基準を有するために、データの分散を、ゼロの予期される平均に関して算出することができる。コードは、健康な対象がそれぞれの眼の間で、ゼロの垂直または水平の瞳孔位置の差異を有すると仮定するので、これは有意である。水平(x)または垂直(xの代わりにyを用いる)運動の分散は、以下のように算出することができる:
【数17】
【0096】
試験した時間にわたる第2の眼と比較した第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップは、第1と第2の眼の間の水平および垂直面の両方における全分散を計算することによって実施することができる。全分散は、以下のように算出することができる:
【数18】
【0097】
一部の事例では、本明細書に記載するように計算されるVar
xもしくはVar
yまたは両方は、0.05、0.07、0.1、0.15、0.20、0.25、0.30、0.40、0.50、0.60、0.75、0.90、1.0、1.10、1.25、1.50、1.75、もしくは2.0、またはそれ超であり得る。同様に、一部の事例では、本明細書に記載するように計算されるVar
Totは、注視の非共同性または斜視によって特徴付けられ、またはそれを特徴として備える神経疾患または状態を有する対象において、0.1、0.15、0.20、0.25、0.30、0.40、0.50、0.60、0.75、0.90、1.0、1.10、1.25、1.50、1.75、2.0、2.50、3.0、もしくは4.0、またはそれ超であり得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
対象における中枢神経系病変を位置特定するための方法であって、
(a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
(b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
(c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
(d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと;
(e)前記中枢神経系病変を位置特定するステップと
を含む、方法。
(項目2)
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られる、項目1に記載の方法。
(項目3)
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡される、項目1に記載の方法。
(項目4)
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成およびプロットすることによって実施される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、正常者の釣鐘曲線から離れた非共同性尺度を有する対象を同定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
対象における中枢神経系病変を診断するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
を含む、方法。
(項目9)
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られる、項目8に記載の方法。
(項目10)
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡される、項目8に記載の方法。
(項目11)
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡される、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成およびプロットすることによって実施される、項目8に記載の方法。
(項目13)
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施される、項目8に記載の方法。
(項目14)
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、2超のzスコアを有する対象を同定することを含む、項目8に記載の方法。
(項目15)
頭蓋内圧の増大を特徴として備える疾患または状態を検出し、診断し、その進行を監視し、またはそれについてスクリーニングするための方法であって、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと;
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
を含む、方法。
(項目16)
頭蓋内圧の増大を特徴として備える前記疾患または状態が、外傷、脳血管発作(CVA)、動脈瘤、血管病変、腫瘍、感染過程、炎症疾患、静脈排出路の混乱、偽腫瘍、水頭症または特発性からなる群から選択される、項目15に記載の方法。
(項目17)
対象における中枢神経系病変を診断し、もしくは位置特定し、脳神経機能もしくは伝導の低減もしくは障害を検出し、もしくはそれについてスクリーニングし、頭蓋内圧の増大を検出し、診断し、もしくはそれについてスクリーニングし、または頭蓋内圧の増大を特徴として備える疾患もしくは状態を検出し、診断し、その進行を監視し、もしくはそれについてスクリーニングするのに有用であるキットであって、眼球運動を追跡するためのデバイス、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段、および指示書を含む、キット。
(項目18)
対象を評価するために自己に記憶された指示を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、ハードウェアプロセッサによって実行されるとき、
a)前記対象の眼球運動に関係するデータを受け取るステップと;
b)前記対象の前記眼球運動データを分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の眼球運動データを前記対象の第2の眼の眼球運動データと比較するステップと;
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
を実施する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
(項目19)
対象における眼球運動の共同性または非共同性、および輻輳障害を評価するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
を含む、方法。
(項目20)
前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の前記差異の前記総和が、健康な対照における、あるいは1つもしくは複数の健康な対照に基づいた、または前記試験した時間の前のある時間における前記対象に基づいた参照値における、前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の前記差異の前記総和より少なくとも50%大きい、項目19に記載の方法。
(項目21)
眼球運動を追跡する前記ステップが、合計120秒またはそれ超にわたって実施される、項目19に記載の方法。
(項目22)
眼の位置の100,000またはそれ超のサンプルが得られる、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップが、(x,y)値の対をプロットすることを含む、項目19に記載の方法。
(項目24)
前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方が、以下のように全分散を計算することを含む、項目19に記載の方法。
【数39】
(項目25)
対象における非共同性注視または斜視によって特徴付けられ、またはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
を含む、方法。
(項目26)
前記疾患が、外傷、水頭症、脱髄、炎症、感染、変性疾患、新生物/腫瘍随伴症候群、糖尿病を含めた代謝疾患、または血管破裂、例えば、脳卒中、出血、もしくは動脈瘤形成など、および眼科学的疾患からなる群から選択される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記眼科学的疾患が、斜視、結膜炎、眼筋麻痺、および眼傷害からなる群から選択される、項目26に記載の方法。
(項目28)
対象における中枢神経系の完全性を評価および定量化するための方法であって:
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
を含む、方法。
(項目29)
非共同性注視または斜視によって特徴付けられる疾患または状態を検出し、その進行を監視し、またはそれについてスクリーニングするための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
を含む、方法。
(項目30)
前記疾患が、外傷、水頭症、脱髄、炎症、感染、変性疾患、新生物/腫瘍随伴症候群、糖尿病を含めた代謝疾患、または血管破裂、例えば、脳卒中、出血、もしくは動脈瘤形成など、および眼科学的疾患からなる群から選択される、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記眼科学的疾患が、斜視、結膜炎、眼筋麻痺、および眼傷害からなる群から選択される、項目29に記載の方法。
(項目32)
非共同性注視または斜視の程度を定量化するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
d)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
e)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
を含む、方法。
(項目33)
非共同性注視もしくは斜視を検出し、それについてスクリーニングし、もしくはそれを定量化するのに有用であり、対象における非共同性注視もしくは斜視によって特徴付けられる疾患を診断するのに有用であり、対象における非共同性注視もしくは斜視によって特徴付けられる疾患もしくは状態を検出し、その進行を監視し、もしくはそれについてスクリーニングするのに有用であり、または非共同性注視もしくは斜視の程度を定量化するのに有用であるキットであって、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段を備える眼球運動を追跡するためのデバイスを含有する、キット。
(項目34)
対象の注視の共同性を評価するために自己に記憶された指示を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、ハードウェアプロセッサによって実行されるとき、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動に関係するデータを受け取るステップと;
b)前記対象の両方の眼の前記眼球運動データを分析するステップと;
c)前記対象の第1の眼の眼球運動データを前記対象の第2の眼の眼球運動データと比較するステップと;
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと
を実施する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
(項目35)
対象の注視の共同性を評価するために自己に記憶された指示を有する項目16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、ハードウェアプロセッサによって実行されるとき、
a)前記対象の第1の眼の前記眼球運動についての任意の時点におけるxまたはyデカルト座標を、前記対象の第2の眼の前記眼球運動についての前記時点におけるそれぞれのxまたはyデカルト座標と比較するステップと;
b)試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼の前記x座標のすべての間の差異の和を提供するステップ、もしくは前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のy座標の差異の和を提供するステップ、または両方と;任意選択で
c)前記試験した時間にわたる前記第2の眼と比較した前記第1の眼のxおよびy座標の両方の間の差異の総和を提供するステップと
をさらに実施する、項目16に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
(項目36)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を評価または定量化するための方法であって、
a)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップと;任意選択で
d)前記正常なまたは平均の眼球運動と比較した前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動についての標準偏差またはp値を計算するステップと
を含む、方法。
(項目37)
前記対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される、項目36に記載の方法。
(項目38)
対象の一方または両方の眼についての眼の位置のxおよびy座標の両方が収集される、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記眼球運動が、少なくとも約100秒またはそれ超にわたって追跡される、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較する前記ステップが、前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を前記対象の他方の眼の眼球運動と比較すること、または前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を1つもしくは複数の他の対象もしくは対照の眼の眼球運動と比較することを含む、項目36に記載の方法。
(項目41)
前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較する前記ステップが、前記対象の両方の眼の眼球運動を1つまたは複数の他の対象または対照の一方または両方の眼の眼球運動と比較することを含む、項目36に記載の方法。
(項目42)
前記追跡するステップ、分析するステップ、および比較するステップが、瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集すること、前記未処理のxおよびyデカルト座標を正規化すること、ならびに眼によってデータを分類することを含む、項目36に記載の方法。
(項目43)
前記分析するステップおよび比較するステップが、
【数40-1】
【数40-2】
からなる群から選択される1つまたは複数の個々の測定基準を計算することを含む、項目36に記載の方法。
(項目44)
前記分析するステップおよび比較するステップが、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj
varYlefからなる群から選択される1つまたは複数の個々の測定基準を計算することを含む、項目36に記載の方法。
(項目45)
前記構造的または非構造的外傷性脳傷害が、脳振盪または軽症脳振盪である、項目36に記載の方法。
(項目46)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、またはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法であって、
a)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を分析するステップと;
c)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップと;任意選択で
d)前記正常なまたは平均の眼球運動と比較した前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動についての標準偏差またはp値を計算するステップと
を含む、方法。
(項目47)
前記対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される、項目46に記載の方法。
(項目48)
対象の一方または両方の眼についての眼の位置のxおよびy座標の両方が収集される、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記眼球運動が、少なくとも約100秒またはそれ超にわたって追跡される、項目46に記載の方法。
(項目50)
前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較する前記ステップが、前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を前記対象の他方の眼の眼球運動と比較すること、または前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を1つもしくは複数の他の対象もしくは対照の眼の眼球運動と比較することを含む、項目46に記載の方法。
(項目51)
前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を正常なまたは平均の眼球運動と比較する前記ステップが、前記対象の両方の眼の眼球運動を1つまたは複数の他の対象または対照の一方または両方の眼の眼球運動と比較することを含む、項目46に記載の方法。
(項目52)
前記追跡するステップ、分析するステップ、および比較するステップが、瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集すること、前記未処理のxおよびyデカルト座標を正規化すること、ならびに眼によってデータを分類することを含む、項目46に記載の方法。
(項目53)
前記分析するステップおよび比較するステップが、
【数41-1】
【数41-2】
からなる群から選択される1つまたは複数の個々の測定基準を計算することを含む、項目46に記載の方法。
(項目54)
前記分析するステップおよび比較するステップが、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj varYlefからなる群から選択される1つまたは複数の個々の測定基準を計算することを含む、項目46に記載の方法。
(項目55)
前記構造的または非構造的外傷性脳傷害が、脳振盪または軽症脳振盪である、項目46に記載の方法。
(項目56)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を評価もしくは定量化し、または構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、もしくはそれを特徴として備える疾患を診断するための方法であって、
a)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集するステップと;
c)前記未処理のxおよびyデカルト座標を正規化するステップと;
d)1つまたは複数の個々の測定基準を計算するステップと
を含む、方法。
(項目57)
前記対象の両方の眼の眼球運動が追跡および分析される、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記対象の両方の眼の瞳孔位置のxおよびy座標の両方が収集される、項目56に記載の方法。
(項目59)
前記眼球運動が、少なくとも約100秒またはそれ超にわたって追跡される、項目56に記載の方法。
(項目60)
前記個々の測定基準が、
【数42-1】
【数42-2】
からなる群から選択される、項目56に記載の方法。
(項目61)
前記個々の測定基準が、L height、L width、L area、L varXrit、L varXlef、L varTotal、R height、R width、R area、R varYtop、R varXrit、R varXlef、R varTotal、Conj varX、Conj varXrit、Conj varXbot、Conj varXlef、およびConj varYlefからなる群から選択される、項目21に記載の方法。
(項目62)
前記構造的または非構造的外傷性脳傷害が、脳振盪または軽症脳振盪である、項目56に記載の方法。
(項目63)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を検出し、それについてスクリーニングし、またはそれを定量化するのに有用であるキットであって、眼球運動を追跡するためのデバイス、眼球運動追跡データを分析するための1つまたは複数の手段、例えば、アルゴリズムまたはコンピュータプログラムなど、および指示書を含有する、キット。
(項目64)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を評価もしくは定量化し、または構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、もしくはそれを特徴として備える疾患を診断するために自己に記憶された指示を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、ハードウェアプロセッサによって実行されるとき、
a)前記対象の一方または両方の眼の眼球運動に関係するデータを受け取るステップと;
b)前記対象の一方または両方の眼の前記眼球運動データを分析するステップと;
c)前記対象の一方または両方の眼の眼球運動データを正常なまたは平均の眼球運動と比較するステップと;任意選択で
d)前記正常なまたは平均の眼球運動と比較した前記対象の一方または両方の眼の眼球運動についての標準偏差またはp値を計算するステップと
を実施する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
(項目65)
対象における構造的および非構造的外傷性脳傷害を定量化し、または構造的および非構造的外傷性脳傷害によって特徴付けられ、もしくはそれを特徴として備える疾患を診断するために自己に記憶された指示を有する項目64に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記指示は、ハードウェアプロセッサによって実行されるとき、
a)前記対象の少なくとも一方の眼の眼球運動を追跡するステップと;
b)瞳孔位置の未処理のxおよびyデカルト座標を収集するステップと;
c)前記未処理xおよびyデカルト座標を正規化するステップと;
d)1つまたは複数の個々の測定基準を計算するステップと
をさらに実施する、項目64に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。