(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676540
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】オストミーパウチフィルターシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 5/441 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
A61F5/441
【請求項の数】27
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-563963(P2016-563963)
(86)(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公表番号】特表2017-513617(P2017-513617A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】US2015027661
(87)【国際公開番号】WO2015164832
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年4月17日
(31)【優先権主張番号】61/983,998
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509146126
【氏名又は名称】コンバテック・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONVATEC TECHNOLOGIES INC
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・オーバーホルツァー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・レスコ
【審査官】
須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−019154(JP,A)
【文献】
特開昭58−165844(JP,A)
【文献】
特開2011−136574(JP,A)
【文献】
特開2001−031115(JP,A)
【文献】
特表2013−538654(JP,A)
【文献】
米国特許第05690623(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F5/44−5/449
B65D30/00−33/38
B31B50/00−70/99
B31C1/00−99/00
B31D1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミー器具において、
a:前パネル及び後パネルと、
b:身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターと、
c:前記前パネルと前記後パネルとの間の中央パネルと、
を備えており、
前記前パネル及び前記後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、
前記前パネル及び前記後パネルは、パウチを形成しており、
前記後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物が前記パウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、
前記フィルターは、前記前パネルに位置しており、
前記フィルターは、脱臭された前記ガスを大気へ放出するための開口を、備えており、
前記中央パネルは、少なくとも部分的に前記フィルターを覆っており、
前記中央パネルは、底縁を有しており、
前記底縁は、前記前パネル及び前記後パネルの底縁の上方に位置付けされており、前記パウチの周縁に沿って前記前パネル及び前記後パネルに取り付けられており、
前記中央パネルは、1つ以上の突起を備えた領域と実質的に突起無しの領域とを、備えており、前記中央パネルの一部は、前記瘻孔開口部を通して露出しており、前記瘻孔開口部を通して露出している前記中央パネルの前記一部は、実質的に突起無しの前記領域内にある、
ことを特徴とするオストミー器具。
【請求項2】
前記中央パネル及び前記前パネルが、部分的に互いに取り付けられている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項3】
前記中央パネル及び前記前パネルが、前記中央パネルの前記底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている、
請求項2記載のオストミー器具。
【請求項4】
実質的に突起無しの前記領域は、前記フィルターと前記片面溶着部との間に位置付けされている、
請求項3記載のオストミー器具。
【請求項5】
1つ以上の前記突起は、前記前パネルに向かって突出している、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項6】
前記中央パネルが、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えており、前記前パネルが、前記中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項7】
オストミー器具において、
a:前パネル及び後パネルと、
b:身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターと、
c:前記前パネルと前記後パネルとの間の中央パネルと、
を備えており、
前記前パネル及び前記後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、
前記前パネル及び前記後パネルは、パウチを形成しており、
前記後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物が前記パウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、
前記フィルターは、前記前パネルに位置しており、
前記フィルターは、脱臭された前記ガスを大気へ放出するための開口を、備えており、
前記中央パネルは、少なくとも部分的に前記フィルターを覆っており、
前記中央パネルは、底縁を有しており、
前記底縁は、前記前パネル及び前記後パネルの底縁の上方に位置付けされており、前記パウチの周縁に沿って前記前パネル及び前記後パネルに取り付けられており、
前記中央パネル及び前記前パネルは、前記中央パネルの前記底縁の中央に位置している片面溶着部によって取り付けられており、
前記中央パネルは、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を備えた領域と、実質的に突起無しの領域とを、備えており、実質的に突起無しの前記領域は、前記フィルターと前記片面溶着部との間に位置付けされている、
ことを特徴とするオストミー器具。
【請求項8】
前記中央パネルが、前記中央パネルの表面領域の少なくとも50%を覆う1つ以上の突起を、備えている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項9】
前記中央パネルが、前記中央パネルの表面領域の少なくとも66%を覆う1つ以上の突起を、備えている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項10】
前記前パネルが、前記中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項11】
前記1つ以上の突起が、半球形状である、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項12】
前記1つ以上の突起が、半卵形状である、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項13】
前記1つ以上の突起が、多面体形状である、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項14】
前記1つ以上の突起が、迷路パターンを形成している、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項15】
前記1つ以上の突起が、四面体形状、五面体形状、又は六面体形状である、
請求項13記載のオストミー器具。
【請求項16】
前記1つ以上の突起が、三角形、菱形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、又は八角形の、頂面を、有している、
請求項15記載のオストミー器具。
【請求項17】
前記1つ以上の突起が、2つ以上の突起であり、前記2つ以上の突起は、少なくとも2つの異なる形状である、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項18】
前記1つ以上の突起が、2つ以上の突起であり、前記2つ以上の突起は、少なくとも2つの異なる大きさである、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項19】
前記1つ以上の突起が、2つ以上の突起であり、前記2つ以上の突起は、縦列に配置されている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項20】
前記1つ以上の突起が、2つ以上の突起であり、前記2つ以上の突起は、横列に配置されている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項21】
前記フィルターが、丸型フィルター又はストリップフィルターである、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項22】
前記フィルターが、径流フィルター又は軸流フィルターである、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項23】
前記1つ以上の突起が、前記中央パネルと同じ材料でできている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項24】
前記1つ以上の突起が、前記中央パネルと一体に形成されている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項25】
前記パウチが、排水可能である、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項26】
前記パウチが、閉鎖されている、
請求項1記載のオストミー器具。
【請求項27】
前記中央パネル及び前記前パネルが、前記片面溶着部に加えて、前記中央パネルの前記底縁に位置している1つ以上の追加の溶着部によって、取り付けられている、
請求項3記載のオストミー器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる2014年4月24日に出願した米国仮特許出願番号61/983,998の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
オストミーパウチシステム又はオストミーバッグは、外科的に流用された生物学的システムから作られたストーマからの老廃物を集めるのに使用されるオストミー器具である。そのようなオストミーバッグは、一般に、結腸瘻造設術、回腸造瘻術、及び人工膀胱造設術に、関連している。消化中に生成されるガスは、気密性オストミーバッグを膨脹させて傷付ける。ガス管理及び臭い除去は、オストミーバッグ内に、ガスを換気するフィルターシステムを組み込むことによって、対処されて来た。パウチ内に堆積した老廃物による詰まりに耐性を示し、それによって、オストミーバッグの着用時間を改善する、フィルターシステムを、構成することが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
一態様としてここに開示されたオストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前記前パネル及び前記後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前記前パネル及び前記後パネルは、パウチを形成しており、前記後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物が前記パウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、前記フィルターは、前記前パネルに位置しており、前記フィルターは、脱臭された前記ガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前記前パネルと前記後パネルとの間の中央パネルを備えており、前記中央パネルは、少なくとも部分的に前記フィルターを覆っており、前記中央パネルは、底縁を有しており、前記底縁は、前記前パネル及び前記後パネルの底縁の上方に位置付けされており、前記パウチの周縁に沿って前記前パネル及び前記後パネルに取り付けられており、そして、オストミー器具では、前記中央パネル及び前記前パネルの少なくとも一方が、1つ以上の突起を備えている。幾つかの実施形態では、前記中央パネル及び前記前パネルが、部分的に互いに取り付けられている。別の実施形態では、前記中央パネル及び前記前パネルが、前記中央パネルの前記底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。更に別の実施形態では、前記中央パネル及び前記前パネルが、前記フィルターと前記片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を、有している。
【0004】
幾つかの実施形態では、前記中央パネルが、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前記中央パネルが、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えており、前記前パネルが、前記中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前記前パネルが、前記中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。
【0005】
別の態様としてここに開示されたオストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前記前パネル及び前記後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前記前パネル及び前記後パネルは、パウチを形成しており、前記後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物が前記パウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、前記フィルターは、前記前パネルに位置しており、前記フィルターは、脱臭された前記ガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前記前パネルと前記後パネルとの間の中央パネルを備えており、前記中央パネルは、少なくとも部分的に前記フィルターを覆っており、前記中央パネルは、底縁を有しており、前記底縁は、前記前パネル及び前記後パネルの底縁の上方に位置付けされており、前記パウチの周縁に沿って前記前パネル及び前記後パネルに取り付けられており、前記中央パネル及び前記前パネルは、前記中央パネルの前記底縁の中央に位置している片面溶着部によって取り付けられており、そして、オストミー器具では、前記中央パネルが、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。
【0006】
別の態様としてここに開示されたオストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前記前パネル及び前記後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前記前パネル及び前記後パネルは、パウチを形成しており、前記後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物が前記パウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、前記フィルターは、前記前パネルに位置しており、前記フィルターは、脱臭された前記ガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前記前パネルと前記後パネルとの間の中央パネルを備えており、前記中央パネルは、少なくとも部分的に前記フィルターを覆っており、前記中央パネルは、底縁を有しており、前記底縁は、前記前パネル及び前記後パネルの底縁の上方に位置付けされており、前記パウチの周縁に沿って前記前パネル及び前記後パネルに取り付けられており、前記中央パネル及び前記前パネルは、前記中央パネルの前記底縁の中央に位置している片面溶着部によって取り付けられており、そして、オストミー器具では、前記中央パネルが、前記前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えており、前記中央パネル及び前記前パネルが、前記フィルターと前記片面溶着部との間に位置付けされた実質的な突起無し部分を、有している。
【0007】
幾つかの実施形態では、前記中央パネルが、前記中央パネルの表面領域の少なくとも50%を覆う1つ以上の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前記中央パネルが、前記中央パネルの表面領域の少なくとも66%を覆う1つ以上の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前記中央パネルが、前記中央パネルの表面領域の全てを覆う1つ以上の突起を、備えている。
【0008】
幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、半球形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、半卵形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、多面体形状である。別の実施形態では、前記1つ以上の突起が、四面体形状、五面体形状、又は六面体形状である。更に別の実施形態では、前記1つ以上の突起が、三角形、菱形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、又は八角形の、頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、迷路パターンを形成している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起の各々が、少なくとも2つの異なる形状の内の一つである。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起の各々が、少なくとも2つの異なる大きさの内の一つである。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、縦列に配置されている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、横列に配置されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、前記中央パネルと同じ材料でできている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起が、前記中央パネルと一体に形成されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記フィルターが、丸型フィルター(round filter)又はストリップフィルター(strip filter)である。幾つかの実施形態では、前記フィルターが、径流フィルター(radial flow filter)又は軸流フィルター(axial flow filter)である。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記パウチが、排水可能である。幾つかの実施形態では、前記パウチが、閉鎖されている。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記中央パネル及び前記前パネルが、前記中央パネルの前記底縁に位置している1つ以上の溶着部によって、取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態のオストミー器具の背面図である。
【
図2】
図1のオストミー器具の正面図であり、明確性のためにストーマフランジを省いている。
【
図3】
図2のオストミー器具の第1の別の実施形態の正面図であり、明確性のためにストーマフランジを省いている。この第1の別の実施形態は、2つの追加の短い溶着部が特徴であり、各溶着部は、中央に位置している長い溶着部とオストミー器具の周縁との間に、位置している。
【
図4】
図1のオストミー器具の第2の別の実施形態のA−A断面図である。この第2の別の実施形態は、
図1のオストミー器具に示された突起よりも、より少なく且つ大きな半球状の突起を、特徴としている。第2の別の実施形態の突起は、崩壊性ではなく、前パネルに向かって完全に突出している。
【
図5】
図1のオストミー器具の第2の別の実施形態のC−C断面図である。この第2の別の実施形態は、
図3にも示されている。
【
図6】本発明の第2実施形態のオストミー器具の正面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態のオストミー器具の正面図である。
【
図8】本発明の第4実施形態のオストミー器具の正面図である。
【
図9】本発明の第5実施形態のオストミー器具の正面図である。
【
図10】本発明の第6実施形態のオストミー器具の正面図である。
【
図11】詰まるまでの時間で定義された、また、傾斜台でテストされた、種々のテストオストミー器具のフィルター寿命を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
オストミーパウチフィルターは、短い時間、通常は、2、3時間から2日間まで、機能する。これらのフィルターは、膨脹、不十分な脱臭、又は漏れに至る、及び、パウチ自体の全体として低減された着用時間をもたらす、詰まり(clogging)によって、機能しなくなる。詰まりは、フィルターシステムが排泄物で詰まったり塞がれたりするので、起こる。結果として、パウチは、もはや適切に放出せず、パウチの膨脹、又は、脱臭されないで漏れるガスの継続的流れを、引き起こす。更に、フィルター放出口からパウチ外へ排泄物の漏れも起こり得る。
【0015】
ここでは、オストミー器具において使用されるオストミーパウチフィルターシステムを、提供する。ここで述べられるオストミーパウチフィルターシステムは、オストミーパウチ内の老廃物によるフィルターの詰まりに耐えるための方法を、提供する。ここで述べられるオストミーパウチフィルターシステムの構成は、ガスが自由にフィルターへ移動するのを許容しながら、システムに入る老廃物の蛇行路(tortuous path)を提供する。
【0016】
(フィルターシステム付オストミー器具)
ある実施形態では、糞便や尿廃液を管理するオストミー器具が、開示されている。幾つかの実施形態では、オストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前パネル及び後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前パネル及び後パネルは、パウチを形成しており、後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物がパウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、フィルターは、前パネルに位置しており、フィルターは、脱臭されたガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前パネルと後パネルとの間の中央パネルを備えており、中央パネルは、少なくとも部分的にフィルターを覆っており、中央パネルは、底縁を有しており、該底縁は、前パネル及び後パネルの底縁の上方に位置付けされており、パウチの周縁に沿って前パネル及び後パネルに取り付けられており、そして、オストミー器具では、中央パネル及び前パネルの少なくとも一方が、1つ以上の突起を備えている。別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、部分的に互いに取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、中央パネルの底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を、有している。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた実質的な突起無し部分を、有している。
【0017】
幾つかの実施形態では、オストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前パネル及び後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前パネル及び後パネルは、パウチを形成しており、後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物がパウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、フィルターは、前パネルに位置しており、フィルターは、脱臭されたガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前パネルと後パネルとの間の中央パネルを備えており、中央パネルは、少なくとも部分的にフィルターを覆っており、中央パネルは、底縁を有しており、該底縁は、前パネル及び後パネルの底縁の上方に位置付けされており、パウチの周縁に沿って前パネル及び後パネルに取り付けられており、そして、オストミー器具では、中央パネルが、前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、部分的に互いに取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、中央パネルの底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を、有している。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた実質的な突起無し部分を、有している。
【0018】
幾つかの実施形態では、オストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前パネル及び後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前パネル及び後パネルは、パウチを形成しており、後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物がパウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、フィルターは、前パネルに位置しており、フィルターは、脱臭されたガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前パネルと後パネルとの間の中央パネルを備えており、中央パネルは、少なくとも部分的にフィルターを覆っており、中央パネルは、底縁を有しており、該底縁は、前パネル及び後パネルの底縁の上方に位置付けされており、パウチの周縁に沿って前パネル及び後パネルに取り付けられており、そして、オストミー器具では、前パネルが、中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を、備えている。別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、部分的に互いに取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、中央パネルの底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を、有している。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた実質的な突起無し部分を、有している。
【0019】
幾つかの実施形態では、オストミー器具は、前パネル及び後パネルを備えており、前パネル及び後パネルは、少なくとも部分的に、それらの周縁に沿って、互いにシールされており、前パネル及び後パネルは、パウチを形成しており、後パネルは、ストーマを通って排出された身体老廃物がパウチで捕捉されるように、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部を、有しており、また、オストミー器具は、身体老廃物からの悪臭ガスを脱臭するフィルターを備えており、フィルターは、前パネルに位置しており、フィルターは、脱臭されたガスを大気へ放出するための開口を、備えており、更に、オストミー器具は、前パネルと後パネルとの間の中央パネルを備えており、中央パネルは、少なくとも部分的にフィルターを覆っており、中央パネルは、底縁を有しており、該底縁は、前パネル及び後パネルの底縁の上方に位置付けされており、パウチの周縁に沿って前パネル及び後パネルに取り付けられており、そして、オストミー器具では、中央パネルが、前パネルに向かって突出する1つ以上の突起を備えており、前パネルが、中央パネルに向かって突出する1つ以上の突起を備えている。別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、部分的に互いに取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、中央パネルの底縁の中央に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を、有している。更に別の実施形態では、中央パネル及び前パネルが、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた実質的な突起無し部分を、有している。
【0020】
幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の20〜50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の30〜60%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の40〜70%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の50〜80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の75〜90%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の少なくとも50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の少なくとも66%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の少なくとも80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネルは、中央パネルの表面領域の全体を覆う多数の突起を、備えている。
【0021】
幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の20〜50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の30〜60%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の40〜70%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の50〜80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の75〜90%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の少なくとも50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の少なくとも66%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の少なくとも80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、前パネルは、前パネルの表面領域の全体を覆う多数の突起を、備えている。
【0022】
幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の20〜50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の30〜60%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の40〜70%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の50〜80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の75〜90%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の少なくとも50%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の少なくとも66%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の少なくとも80%を覆う多数の突起を、備えている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルの各々は、中央パネル及び前パネルの各々の表面領域の全体を覆う多数の突起を、備えている。
【0023】
上述及び後述の幾つかの実施形態では、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされている実質的な突起無し部分は、突起で覆われた部分の20%以下である。上述及び後述の幾つかの実施形態では、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされている実質的な突起無し部分は、突起で覆われた部分の15%以下である。上述及び後述の幾つかの実施形態では、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされている実質的な突起無し部分は、突起で覆われた部分の10%以下である。上述及び後述の幾つかの実施形態では、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされている実質的な突起無し部分は、突起で覆われた部分の5%以下である。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、半球形状、半卵形状、又は多面体形状、又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、半球形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、半卵形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、多面体形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、四面体形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、五面体形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、六面体形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネル又は前パネルのいずれかに向かって突出した多角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、菱形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、三角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、正方形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、長方形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、五角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、六角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、七角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、八角形の頂面を、有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、少なくとも2つの形状を、混じり合って有している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、迷路パターンを形成している。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネル及び前パネルの突起無し部分の境界に沿って、切頂半球形状、切頂半卵形状、又は切頂多面体形状である。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、均一な大きさである。別の実施形態では、前記1つ以上の突起は、大きさがまちまちである。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、大きさ及び形状がまちまちである。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネルと同じ材料でできている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネルと同じ材料で作ることができ、例えば熱成形によって形作ることができる。幾つかの実施形態では、中央パネルは、熱可塑性フィルムでできている。熱可塑性フィルムは、単分子層タイプ又は共押出タイプでよい。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネルと一体に形成されている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、中央パネルとは異なる材料でできており、単一品形成のために中央パネルの残部と結合している。幾つかの実施形態では、突起の材料は、中央パネルの残部の材料と同じ濃さ(thickness)を有している。別の実施形態では、突起の材料は、中央パネルの残部の材料より大きな濃さを有している。更に別の実施形態では、中央パネルの残部の材料は、突起の材料より大きな濃さを有している。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、前パネルと同じ材料でできている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、前パネルと同じ材料で作ることができ、例えば熱成形によって形作ることができる。幾つかの実施形態では、前パネルは、熱可塑性フィルムでできている。熱可塑性フィルムは、単分子層タイプ又は共押出タイプでよい。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、前パネルと一体に形成されている。幾つかの実施形態では、前記1つ以上の突起は、前パネルとは異なる材料でできており、単一品形成のために前パネルの残部と結合している。幾つかの実施形態では、突起の材料は、前パネルの残部の材料と同じ濃さ(thickness)を有している。別の実施形態では、突起の材料は、前パネルの残部の材料より大きな濃さを有している。更に別の実施形態では、前パネルの残部の材料は、突起の材料より大きな濃さを有している。
【0027】
幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも5%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも10%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも20%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも30%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも40%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも50%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも60%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも70%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも80%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の少なくとも90%が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の20%以下が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、中央パネルの突起の10%以下が、前パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。
【0028】
幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも5%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも10%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも20%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも30%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも40%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも50%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも60%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも70%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも80%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の少なくとも90%が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の20%以下が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。幾つかの実施形態では、前パネルの突起の10%以下が、中央パネルに向かって完全には突出しないように、崩壊性である。
【0029】
幾つかの実施形態では、突起の高さは、0.5mm〜5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.0mm〜5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、0.5mm〜4.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、2.0mm〜4.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、0.5mm〜3.5mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.0mm〜3.5mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.5mm〜3.5mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、0.5mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.0mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.6mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.7mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.8mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、1.9mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の高さは、2.0mm〜3.0mmである。
【0030】
幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、0.5mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、0.5mm〜8.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、0.5mm〜5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、0.5mm〜4.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、0.5mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mm〜8.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mm〜5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mm〜4.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mm〜3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、2.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、2.0mm〜9.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、2.0mm〜8.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、3.0mm〜9mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、3.0mm〜8mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、4.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、4.0mm〜9.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、4.0mm〜8.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、1.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、2.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、3.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、4.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、6.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、7.0mmである。幾つかの実施形態では、突起の平均幅は、8.0mmである。
【0031】
幾つかの実施形態では、突起は、縦列に配置されている。別の実施形態では、隣接する縦列は、互いに対してずれている。幾つかの実施形態では、突起は、横列に配置されている。別の実施形態では、隣接する横列は、互いに対してずれている。
【0032】
種々の実施形態では、突起間の間隔は、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0、12.0、13.0、14.0、15.0、16.0、17.0、18.0、19.0、20.0mm、又はそれ以上であり、その中にはインクリメント(increments)を含み、また、それらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、2.0mm〜5.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、2.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、3.0mm〜6.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、3.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、4.0mm〜8.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、4.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、5.0mm〜10.0mmである。幾つかの実施形態では、突起間の間隔は、3.0mm〜4.0mmである。
【0033】
中央パネルは、ストーマから放出された老廃物にフィルターが直接に晒されるのを防ぐことができる。幾つかの実施形態では、中央パネルの底縁は、水平なパウチ中心線の下方に位置している。幾つかの実施形態では、中央パネルの底縁は、水平なパウチ中心線の上方に位置している。更に別の実施形態では、中央パネルの底縁は、水平なパウチ中心線に沿って位置している。別の実施形態では、中央パネルの底縁は、中央パネルが瘻孔開口部を完全に覆うように、瘻孔開口部の下方にある。別の実施形態では、中央パネルは、瘻孔開口部を部分的にのみ覆う。幾つかの実施形態では、中央パネルの底縁は、中央パネルが瘻孔開口部を完全に覆うように瘻孔開口部の下方にあり、水平なパウチ中心線の上方に位置している。
【0034】
幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、中央パネルの底縁に位置している片面溶着部によって、取り付けられている。幾つかの実施形態では、片面溶着部は、瘻孔開口部の直径より長さが短い。別の実施形態では、片面溶着部は、瘻孔開口部の直径より長さが長い。更に別の実施形態では、片面溶着部は、瘻孔開口部と同じ長さである。幾つかの実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径より長さが短い。別の実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径より長さが長い。更に別の実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径と同じ長さである。幾つかの実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径より長いが、瘻孔開口部の直径より短い。別の実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径より長さが短く、瘻孔開口部の直径より長さが短い。更に別の実施形態では、片面溶着部は、フィルター長さ又はフィルターの直径より長く、瘻孔開口部の直径より長い。
【0035】
幾つかの実施形態では、垂直な片面溶着部中心線は、垂直なパウチ中心線に沿って位置している。別の実施形態では、垂直な片面溶着部中心線は、垂直なパウチ中心線からずれている。
【0036】
幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、中央パネルの底縁に位置している2つ以上の溶着部によって取り付けられている。幾つかの実施形態では、2つ以上の溶着部は、垂直なパウチ中心線の30mm以内に位置付けされている。幾つかの実施形態では、2つ以上の溶着部は、垂直なパウチ中心線の40mm以内に位置付けされている。幾つかの実施形態では、2つ以上の溶着部は、垂直なパウチ中心線の50mm以内に位置付けされている。幾つかの実施形態では、第1溶着部は、中央パネルの底縁の中央に位置しており、1つ以上の追加の溶着部は、第1溶着部とパウチの周縁との間の中央パネルの底縁に位置している。別の実施形態では、1つ以上の追加の溶着部は、第1溶着部より長さが短い。幾つかの実施形態では、第1溶着部は、長さが約10〜50mmであり、1つ以上の追加の溶着部の各々は、長さが約2〜10mmである。幾つかの実施形態では、第1溶着部は、長さが50mmであり、1つ以上の追加の溶着部の各々は、長さが約2〜6mmである。
【0037】
幾つかの実施形態では、フィルターは、丸型フィルター又はストリップフィルターである。幾つかの実施形態では、フィルターは、丸型フィルターである。幾つかの実施形態では、フィルターは、ストリップフィルターである。幾つかの実施形態では、フィルターは、径流フィルター又は軸流フィルターである。幾つかの実施形態では、フィルターは、径流フィルターである。幾つかの実施形態では、フィルターは、軸流フィルターである。
【0038】
幾つかの実施形態では、フィルターは、瘻孔開口部に重なることなく、瘻孔開口部の上方に位置している。別の実施形態では、フィルターは、瘻孔開口部に部分的に重なって、瘻孔開口部の上方に位置している。更に別の実施形態では、フィルター及び瘻孔開口部は、両者が完全に重なるように位置付けされている。
【0039】
幾つかの実施形態では、垂直なフィルター中心線は、垂直なパウチ中心線に沿って位置している。幾つかの実施形態では、垂直なフィルター中心線及び垂直な瘻孔開口部中心線は、垂直なパウチ中心線に沿って位置している。別の実施形態では、垂直なフィルター中心線は、垂直なパウチ中心線に対してずれている。幾つかの実施形態では、フィルター及び瘻孔開口部の垂直な中心線は、互いに沿って位置しているが、垂直なパウチ中心線に対してずれている。幾つかの実施形態では、フィルター、瘻孔開口部、及び片面溶着部の、垂直な中心線は、垂直なパウチ中心線に沿って位置している。
【0040】
幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している中央パネルの突起無し部分は、突起を欠いている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の50%以下は、突起によって覆われている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の40%以下は、突起によって覆われている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の30%以下は、突起によって覆われている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の20%以下は、突起によって覆われている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の10%以下は、突起によって覆われている。幾つかの実施形態では、中央パネル及び前パネルは、フィルターと片面溶着部との間に位置付けされた突起無し部分を有しており、その結果、瘻孔開口部を通して露出している部分の表面領域の5%以下は、突起によって覆われている。
【0041】
幾つかの実施形態では、パウチが、排水可能である。幾つかの実施形態では、パウチが、閉鎖されている。
【0042】
図1、
図2は、第1実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具10を、示している。オストミー器具は、前パネル11、後パネル12、及び中央パネル13を、備えている。前パネル11及び後パネル12は、それらの各底縁17、18を除いて、それらの周縁14、15に沿って溶着されて、オストミーパウチ16を形成している。溶着されていない底縁17、18は、パウチに集められた廃液の排出のための排出口19を含んでもよい。別の実施形態(図示せず)は、周縁に沿って全て溶着されて閉鎖パウチを作っている、前パネル及び後パネルを、有している。
図2に示されるように、中央パネル13は、前パネル11を通して見られる。中央パネル13は、その底縁21を除いて、各周縁14、15、20に沿って前パネル11及び後パネル12に溶着されている。中央パネルの底縁21は、水平なパウチ中心線B−Bの上方に位置付けされている。中央パネル13及び前パネル11は、中央パネル13の底縁21の中央に位置している片面溶着部(single weld)22によって互いに取り付けられている。片面溶着部の長さは、フィルターの長さより短い。別の実施形態では、片面溶着部は、フィルターの長さより長い。
【0043】
後パネル12は、ストーマ周り位置決め用の瘻孔開口部23を有しており、瘻孔開口部23は、水平なパウチ中心線B−Bの上方に位置している。前パネル11は、水平なパウチ中心線B−Bの上方に位置しているフィルター24を有しており、フィルター24は、瘻孔開口部23より高く位置付けされているが瘻孔開口部23に一部重なっている。フィルター、瘻孔開口部、及び片面溶着部の、垂直な中心線は、垂直なパウチ中心線A−Aに沿って位置している。
【0044】
前パネル11、後パネル12、及び中央パネル13は、液体及びガスに対して概ね不透過性である可撓性のプラスチックフィルムで作製できる。適切なフィルムとしては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)の一層以上と、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)のようなガス遮断材の一層以上との、積層体を、挙げることができる。前パネル及び後パネルの少なくとも一方は、更に、外面を覆う一層以上の快適層を備えて、柔らかくて心地よい外面を提供してもよい。フィルムは、不透明でもよい。フィルムは、透明(clear)又は少し透明でもよく、その結果、使用者は、前パネル11、後パネル12、及び中央パネル13の、少なくとも1つを、見通すことができる。
【0045】
中央パネル13は、均一な大きさの半球状の多数の突起25を有している。突起25は、縦列に配置されており、隣接した各縦列は、互いに対して、ずれている。各突起25は、突起25が崩壊性である場合以外は、突起無し前パネル11に向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネル11に向けて完全に突出させることができない。崩壊性突起の割合は、突起用材料の選択及び濃淡、及び/又は、突起の製作方法によって、調節される。中央パネル13の突起無し部分26は、片面溶着部22とフィルター24との間に位置付けされており、その結果、この部分26は、前パネル11に密接しており、フィルターシステムのこの部分を通る廃液流れを最小限にする。瘻孔開口部23を通して露出している、中央パネル13の突起無し部分26は、ストーマに対して滑らかな面を示し、ストーマに接触した時のストーマ炎症(stomal irritation)の可能性を低減する。
【0046】
図3は、第1の別の実施形態のオストミー器具10を示しており、それにおいては、2個の追加の溶着部22aが、溶着部22に加えて、中央パネル13の底縁21に沿って位置している。溶着部22は、中央に位置しており、いずれの溶着部22aより長さが長い。各溶着部22aは、溶着部22と周縁14との間の中央に位置している。別の実施形態(図示せず)では、オストミー器具は、溶着部22に加えて、中央パネル13の底縁21に沿った範囲に、1つ以上の溶着部22aを有している。更に別の実施形態(図示せず)では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22と周縁14との間の底縁21に沿った範囲に、位置している。幾つかの実施形態(図示せず)では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より短い。幾つかの実施形態(図示せず)では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22と同じ長さである。幾つかの実施形態(図示せず)では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より長い。
【0047】
図4及び
図5は、第2の別の実施形態のオストミー器具10を示しており、それにおいては、均一な半球状の突起25の大きさが、より大きい。
図4及び
図5に示されるように、突起25は、崩壊性ではなく、前パネル11に向かって完全に突出している。
【0048】
図6は、第2実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具を、示している。そのシステムは、均一な大きさの多数の突起を備えており、その突起は、多面体形状を有しており、中央パネルにのみ位置している。各突起の菱形頂面は、突起が崩壊性である場合以外は、前パネルに向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネル11に向けて完全に突出させることができない。突起は、ずれた横列で配置されている。片面溶着部とフィルターとの間の、中央パネルの突起無し部分の境界で、突起は、切頂立方形を有してもよい。
【0049】
図7は、第3実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具を、示している。そのシステムは、均一な大きさの多数の突起を備えており、その突起は、多面体形状を有しており、中央パネルにのみ位置している。各突起の三角形頂面は、突起が崩壊性である場合以外は、前パネルに向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネルに向けて完全に突出させることができない。突起は、ずれた横列で配置されている。片面溶着部とフィルターとの間の、中央パネルの突起無し部分の境界で、突起は、切頂形を有してもよい。
【0050】
図8は、第4実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具を、示している。そのシステムは、多数の突起を備えており、その突起は、2つの異なる大きさの多面体形状を有しており、中央パネルにのみ位置している。各突起の菱形頂面は、突起が崩壊性である場合以外は、前パネルに向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネルに向けて完全に突出させることができない。突起は、ずれた横列で配置されており、大きな菱形頂面を有する突起の横列と、小さな菱形頂面を有する突起の横列とが、交互になっている。片面溶着部とフィルターとの間の、中央パネルの突起無し部分の境界で、突起は、切頂形を有してもよい。
【0051】
図9は、第5実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具を、示している。そのシステムは、多数の突起を備えており、その突起は、迷路パターンを作っており、中央パネルにのみ位置している。各突起の頂面は、突起が崩壊性である場合以外は、前パネルに向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネルに向けて完全に突出させることができない。片面溶着部とフィルターとの間の、中央パネルの突起無し部分の境界で、突起は、切頂形を有してもよい。
【0052】
図4〜
図9に示されたオストミー器具の、別の実施形態(図示せず)は、1つ以上の追加の溶着部22aを有している。1つ以上の追加の溶着部は、溶着部22と周縁14との間の底縁21に沿った範囲に、位置している。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より短い。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22と同じ長さである。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より長い。
【0053】
図10は、第6実施形態のオストミーパウチフィルターシステムを備えたオストミー器具を、示している。そのシステムは、均一な大きさの多数の突起を備えており、その突起は、半球状を有しており、中央パネルにのみ位置している。各突起の頂面は、突起が崩壊性である場合以外は、前パネルに向かって突出している。崩壊性突起は、頂面を前パネルに向けて完全に突出させることができない。突起は、ずれた縦列で配置されている。突起は、中央パネルの表面領域の全体に位置しており、片面溶着部とフィルターとの間に突起無し部分はない。前パネルと中央パネルとを取り付ける溶着部は、無い。第6実施形態のシステムの別の実施形態(図示せず)では、オストミー器具は、前パネルと中央パネルとを取り付ける片面溶着部22を有している。第6実施形態のシステムの別の実施形態(図示せず)では、オストミー器具は、前パネルと中央パネルとを取り付ける片面溶着部22と、溶着部22と周縁14との間の底縁21に沿った範囲に位置する1つ以上の溶着部22aと、を有している。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より短い。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22と同じ長さである。幾つかの実施形態では、1つ以上の溶着部22aが、溶着部22より長い。
【0054】
フィルター付オストミーパウチの利用実態を再現して、詰まり耐性を評価するために、特別に設計された「傾斜台」テスト装置でテストが実行された。テスト装置は、テストパウチを、垂直状態に保持し、指定時間間隔で水平状態に向けて傾けるように、構成されている。また、テスト装置は、身体で生成されたガスを模倣するために空気をテストパウチ内に注入する手段を、組み込んでいる。テストパウチは、フェクロン(Feclone)と呼ばれる模擬排泄物で満たされており、それは、詰まり見込みからフィルターシステムにチャレンジ(challenge)するために、望ましい粘度に混ぜられている。テスト中、各テストパウチは、垂直状態と水平状態とを継続して周期的に繰り返され、各テストパウチのフィルターシステムは、各状態で10分の指定時間間隔で模擬排泄物及び模擬ガスに、晒された。各繰り返しの間、テストパウチには、各パウチを満たすのに十分な空気が注入された。テストパウチは、フィルターシステムが壊れない限りは、通常は、フィルターシステムを通して空気を放出することによって、収縮した。パウチ膨脹によって観察されるように、全てのパウチが壊れるまで、テストは続けられた。膨脹が生じた時、模擬排泄物はフィルターに詰まっており、フィルターを通した空気の放出は妨げられていた。フィルターシステム破壊の基準は、傾斜台の3回連続した繰り返しの間に完全に膨脹したパウチをもたらすように収縮する、テストパウチの不能である。
【0055】
多くの市販のフィルターシステムが評価された。異なるフィルターシステムを備えた種々のパウチ製品のテスト結果を、
図11にまとめる。フィルターシステムA(テスト製品A)は、本発明の一実施形態であり、
図10に示されている。フィルターシステムB(テスト製品B)は、本発明の別の実施形態であり、
図1及び
図2に示されている。テスト結果は、フィルターシステムAが市販のオストミーパウチ(Convatec Esteem Plus)に組み込まれているプリーツのある中央パネル付のフィルターシステムよりも33%長いフィルター寿命を有している、ことを示している。フィルターシステムBは、市販のオストミーパウチ(「市販製品D」、Convatec Esteem Plus)に組み込まれているプリーツのある中央パネル付のフィルターシステムよりも150%長いフィルター寿命を有している。
【0056】
本発明の好ましい実施形態が、示され、ここに記載されているが、そのような実施形態が実施例のみによって提供されていることは、当業者にとって明らかである。多くの変形、変更、及び置換は、本発明から逸脱することなく、当業者が想起できる。ここに記載された本発明の実施形態に対する種々の代替案は、本発明を実施するのに採用できる。請求項は本発明の範囲を画定するためのものであり、これらの請求項の範囲内の方法及び構成、及び、それらの均等物は、請求項によってカバーされる。