【実施例】
【0026】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
<凹部の形成>
経糸1としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度5980dtex、扁平断面、短辺0.57mm、長辺0.88mm)を、緯糸2としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度2235dtex、円形断面、直径0.45mm)を、緯糸3としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度6950dtex、円形断面、直径0.80mm)を用い、
図1に示すように、2/1綾組織のヨコ二重織りのカンバス10(厚み1.88mm)を作製した。接紙面側に緯糸2が配置されるようにした。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は31.0本/2.54cmとし、緯糸は、33.0本/2.54cmとした。得られた織物(カンバス)の接紙面側の表面において、経糸が突出していた。次に、カンバス10の接紙面側の表面を
図5に示されているアムスラー試験機で研磨加工した。具体的には、支持台21の上にカンバス10を配置し、カンバス10の一方の端部をプーリー22aを介して固定具23で固定し、カンバス10の他の一方の端にはプーリー22bを介して重り24を掛けた後、回転ロール27により、サンドペーパー25を貼合した摩擦子26を、経糸と平行な方向に沿って水平移動させ、カンバスの接紙面側の表面を研磨することで、接紙面側の経糸の表面に凹部を形成した。サンドペーパーとして120番を用い、研磨回数(摩擦子の水平移動の往復回数)を15回とした。研磨加工により、カンバスの接紙面側の経糸の表面に凹部が形成された。
<汚染防止剤の付与>
上記で得られた接紙面側の経糸の表面に凹部が形成されたカンバスを抄紙機用汚染防止剤(メンテック社製、品名「クリーンキーパー」、以下において、「汚染防止剤1」とも記す。)を導入した槽に漬けて凹部の表面に汚染防止剤を付着させた後、治具で挟んで吊るして、カンバスの緯糸が床面と水平になるようにし、液が落ちなくなるまで5分間放置した。その後、乾燥機(TABAI社製、「GEER OVEN GPHH−200」)に入れて100℃で5分間乾燥した。汚染防止剤1の付着量は7.02g/m
2であった。汚染防止剤1は、植物油、鉱物油、シリコーン油及びワックスを含み、前記槽には汚染防止剤1を100質量%導入した。
【0028】
(実施例2)
アムスラー試験機での研磨加工時に、180番のサンドペーパーを用い、研磨回数を10回とした以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は7.01g/m
2であった。
【0029】
(実施例3)
アムスラー試験機での研磨加工時に、80番のサンドペーパーを用い、研磨回数を10回とした以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は7.09g/m
2であった。
【0030】
(比較例1)
研磨加工を行わない以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は6.67g/m
2であった。
【0031】
(比較例2)
アムスラー試験機での研磨加工時に、240番のサンドペーパーを用い、研磨回数を10回とした以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は
6.85g/m
2であった。
【0032】
(比較例3)
汚染防止剤を付与していない以外は、比較例1と同様にしてカンバスを作製した。
【0033】
(比較例4)
汚染防止剤を付与していない以外は、比較例2と同様にしてカンバスを作製した。
【0034】
(比較例5)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。
【0035】
(実施例4)
汚染防止剤として、ダイキン工業社製のフッ素系撥水性材料「TG−470B」(以下において、「汚染防止剤2」とも記す。)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は3.21g/m
2であった。なお、汚染防止剤2は、フッ素系ポリマー、トリプロピレングリコール及び乳化剤を含み、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0036】
(実施例5)
汚染防止剤として、信越シリコン製の「シリコンエマルジョン」(以下において、「汚染防止剤3」とも記す。)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は8.74g/m
2であった。なお、汚染防止剤3は、シリコーンオイル、シリカ及び乳化剤を含み、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0037】
(比較例6)
研磨加工を行わない以外は、実施例4と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は3.09g/m
2であった。
【0038】
(比較例7)
研磨加工を行わない以外は、実施例5と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は8.33g/m
2であった。
【0039】
(実施例6)
経糸111としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度3385dtex、円形断面、直径0.55mm)を、緯糸112としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度3934dtex、円形断面、直径0.60mm)を用い、
図2に示すように、2/1綾組織のヨコ二重織りのカンバス110(厚み
2.08mm)を作製した。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は55.0本/2.54cmとし、緯糸は、31.8本/2.54cmとした。その後、研磨加工及び汚染防止剤1の付与を実施例1と同様に行った。汚染防止剤1の付着量は9.95g/m
2であった。
【0040】
(実施例7)
汚染防止剤として、汚染防止剤2を用いた以外は、実施例6と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は3.90g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0041】
(実施例8)
汚染防止剤として、汚染防止剤3を用いた以外は、実施例6と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は10.99g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0042】
(比較例8)
研磨加工を行わず、汚染防止剤を付与していない以外は、実施例6と同様にしてカンバスを作製した。
【0043】
(比較例9)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例6と同様にしてカンバスを作製した。
【0044】
(比較例10)
研磨加工を行わない以外は、実施例6と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は9.13g/m
2であった。
【0045】
(比較例11)
研磨加工を行わない以外は、実施例7と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は3.75g/m
2であった。
【0046】
(比較例12)
研磨加工を行わない以外は、実施例8と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は10.16g/m
2であった。
【0047】
(実施例9)
経糸111としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度2830dtex、扁平断面、短辺0.38mm、長辺0.57mm)を、緯糸112としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度8804dtex、円形断面、直径0.90mm)を用い、
図2に示すように、2/1綾組織のヨコ二重織りのカンバス110(厚み2.28mm)を作製した。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は48.6本/2.54cmとし、緯糸は、28.2本/2.54cmとした。その後、研磨加工及び汚染防止剤1の付与を実施例1と同様に行った。汚染防止剤1の付着量は10.99g/m
2であった。
【0048】
(実施例10)
汚染防止剤として、汚染防止剤2を用いた以外は、実施例9と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は4.05g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0049】
(実施例11)
汚染防止剤として、汚染防止剤3を用いた以外は、実施例9と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は12.18g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0050】
(比較例13)
研磨加工を行わず、汚染防止剤を付与していない以外は、実施例9と同様にしてカンバスを作製した。
【0051】
(比較例14)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例9と同様にしてカンバスを作製した。
【0052】
(比較例15)
研磨加工を行わない以外は、実施例9と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は10.80g/m
2であった。
【0053】
(比較例16)
研磨加工を行わない以外は、実施例10と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は3.84g/m
2であった。
【0054】
(比較例17)
研磨加工を行わない以外は、実施例11と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は10.25g/m
2であった。
【0055】
(実施例12)
経糸111としてポリフェニレンアルファイド(PPS)モノフィラメント(繊度2799dtex、扁平断面、短辺0.38mm、長辺0.57mm)を、緯糸112としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度8426dtex、円形断面、直径0.90mm)を用い、
図2に示すように、2/1綾組織のヨコ二重織りのカンバス110(厚み2.38mm)を作製した。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は48.9本/2.54cmとし、緯糸は、28.1本/2.54cmとした。その後、研磨加工及び汚染防止剤1の付与を実施例1と同様に行った。汚染防止剤1の付着量は11.86g/m
2であった。
【0056】
(実施例13)
汚染防止剤として、汚染防止剤2を用いた以外は、実施例12と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は4.43g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0057】
(実施例14)
汚染防止剤として、汚染防止剤3を用いた以外は、実施例12と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は11.92g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0058】
(比較例18)
研磨加工を行わず、汚染防止剤を付与していない以外は、実施例12と同様にしてカンバスを作製した。
【0059】
(比較例19)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例12と同様にしてカンバスを作製した。
【0060】
(比較例20)
研磨加工を行わない以外は、実施例12と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は10.99g/m
2であった。
【0061】
(比較例21)
研磨加工を行わない以外は、実施例13と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は4.24g/m
2であった。
【0062】
(比較例22)
研磨加工を行わない以外は、実施例14と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は11.54g/m
2であった。
【0063】
(実施例15)
経糸211としてナイロン610モノフィラメント(繊度3206dtex、円形断面、直径0.60mm)を、緯糸212としてナイロン610モノフィラメント(繊度3206dtex、円形断面、直径0.60mm)を用い、
図3に示すように、ヨコ二重織りのカンバス210(厚み2.35mm)を作製した。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は50.6本/2.54cmとし、緯糸は、30.2本/2.54cmとした。その後、研磨加工及び汚染防止剤1の付与を実施例1と同様に行った。汚染防止剤1の付着量は6.66g/m
2であった。
【0064】
(実施例16)
汚染防止剤として、汚染防止剤2を用いた以外は、実施例15と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は1.50g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0065】
(実施例17)
汚染防止剤として、汚染防止剤3を用いた以外は、実施例15と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は5.20g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0066】
(比較例23)
研磨加工を行わず、汚染防止剤を付与していない以外は、実施例15と同様にしてカンバスを作製した。
【0067】
(比較例24)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例15と同様にしてカンバスを作製した。
【0068】
(比較例25)
研磨加工を行わない以外は、実施例15と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は2.77g/m
2であった。
【0069】
(比較例26)
研磨加工を行わない以外は、実施例16と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は1.31g/m
2であった。
【0070】
(比較例27)
研磨加工を行わない以外は、実施例17と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は4.15g/m
2であった。
【0071】
(実施例18)
スパイラルコイル311としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度5323dtex、円形断面、直径0.70mm)を、緯糸312としてポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度8804dtex、円形断面、直径0.90mm)を用い、
図4に示すように、スパイラル(織物組織)のカンバス310(厚み2.78mm)を作製した。織物の単位長さあたりの糸の本数(密度)は、経糸は16.5本/2.54cmとし、緯糸は、5.6本/2.54cmとした。その後、研磨加工及び汚染防止剤1の付与を実施例1と同様に行った。汚染防止剤1の付着量は13.55g/m
2であった。
【0072】
(実施例19)
汚染防止剤として、汚染防止剤2を用いた以外は、実施例18と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は2.57g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤2及び水(汚染防止剤2:水=10質量部:90質量部)を導入した。
【0073】
(実施例20)
汚染防止剤として、汚染防止剤3を用いた以外は、実施例18と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は7.02g/m
2であった。なお、前記槽には汚染防止剤3及び水(汚染防止剤3:水=20質量部:80質量部)を導入した。
【0074】
(比較例28)
研磨加工を行わず、汚染防止剤を付与していない以外は、実施例18と同様にしてカンバスを作製した。
【0075】
(比較例29)
汚染防止剤を付与していない以外は、実施例18と同様にしてカンバスを作製した。
【0076】
(比較例30)
研磨加工を行わない以外は、実施例18と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤1の付着量は12.21g/m
2であった。
【0077】
(比較例31)
研磨加工を行わない以外は、実施例19と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤2の付着量は2.27g/m
2であった。
【0078】
(比較例32)
研磨加工を行わない以外は、実施例20と同様にしてカンバスを作製した。汚染防止剤3の付着量は6.00g/m
2であった。
【0079】
実施例1〜20における汚染防止剤を付与する前のカンバスのサンプルを用い、接紙面側の経糸又はスパイラルコイルの表面に形成された凹部の平均深さを下記のように測定算出した。その結果を下記表1〜表3に示した。
図8及び
図9に、それぞれ、実施例1及び比較例1の抄紙用ドライヤーカンバスにおける汚染防止剤を付与する前の経糸の断面写真を示した。
【0080】
(凹部の平均深さ)
カンバスの接紙面側の経糸において、任意に選択した5か所の断面をマイクロスコープ(ハイロックス社製、型番「KH−3000」)で300倍拡大して観察し、各断面において、任意に選択した5つの凹部の深さを測定し、これらを平均した。
【0081】
実施例1〜20及び比較例1〜32のカンバスのテープ剥離強力を下記のように180度テープ剥離試験にて測定した。その結果を下記表2〜表3に示した。
【0082】
(180度テープ剥離試験)
JIS K 6854に準じて180度テープ剥離試験を行った。カンバスを、
図6Aに示すように、巾(W1)が70mm、長さ(L1)が125mmになるように裁断し、剥離試験用サンプル30を得た。剥離試験用サンプル30の接紙面側に、
図6Bに示されている透明テープ40を貼り付けた。具体的には、
図6Cに示しているように、マークテスト用ローラー機(ダイワボウプログレス社製)の上下二段のローラー100aと100bの間に剥離試験用サンプル30と透明粘着テープ40(ニチバン株式会社製、ポリエステルテープ、長さ(L2):180mm、巾(W2):50mm)を配置して一定荷重200(線圧7.8kg/cm)にて挟み込みながらローラー間を3回通過させて剥離試験用サンプル30と透明粘着テープ40を貼り付けた。次に、
図7A及び
図7Bに示すように、透明粘着テープ40の剥離試験用サンプル30と貼り付けた端部とは反対側の端部はチャックの挟みしろとして長さ45mmを残し、つかみ部として巾(W3)60mm、長さ(L3)90mm程度の紙50を張り付け、180°折り返して置いた。透明粘着テープ40を張り付けた剥離試験用サンプル30はテンシロン引張試験機(オリエンテック社製、型番「RTC1310A」)にて、上下が長手方向となるようチャックでつかみ、つかみ間距離は100mm、引張速度200mm/min、テープ引きはがし距離を50mmとしてテープの引きはがし強力を計測した。テープの引きはがし強力を積分平均し、テープ剥離強力とした。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
表1〜表3の結果から、接紙面側の経糸の表面における凹部の平均深さが0.022mm以上であり、該凹部の表面に汚染防止剤が付着された実施例1〜20のカンバスは、接紙面側の表面への汚れの堆積を軽減することが分かった。また、実施例と比較例の対比から、本発明のカンバスは、接紙面側の経糸の表面に所定の平均深さの凹部が形成されているとともに、該凹部の表面に汚染防止剤が付着されていることで、接紙面側の表面への汚れの堆積を軽減する特異の効果を奏することが分かる。
【0087】
汚染防止剤を付与する前の実施例1及び比較例1のカンバスを抄紙機のドライヤーカンバスとして使用し、抄紙機に対して汚染防止剤の溶液(メンテック社製、品名「クリーンキーパー」)を供給しながら製紙したところ、比較例1のカンバスの場合、ピッチ除去作業を一箇所につきカンバス3周程度走行させたが、実施例1のカンバスの場合、一箇所につきカンバス1周程度走行させることでピッチ除去が可能であった。また、比較例1のカンバスの場合、汚染防止剤の供給量が10mL/分であったが、実施例1のカンバスの場合、汚染防止剤の供給量を8mL/分に低減することができた。なお、抄紙機に対して汚染防止剤の溶液を供給することで、カンバスの接紙面側に汚染防止剤の溶液が散布され、接紙面側の凹部の表面に汚染防止剤が付着される。