特許第6676711号(P6676711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6676711エスカレータ外装部品の設計支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676711
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】エスカレータ外装部品の設計支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20200330BHJP
   B66B 23/00 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   G06F17/50 680Z
   G06F17/50 624K
   G06F17/50 608A
   G06F17/50 606D
   B66B23/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-147240(P2018-147240)
(22)【出願日】2018年8月3日
(65)【公開番号】特開2020-21436(P2020-21436A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2019年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】597028944
【氏名又は名称】株式会社村松工業
(74)【代理人】
【識別番号】100118728
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 圭二
(74)【代理人】
【識別番号】100114638
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 寛也
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 三博
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−188295(JP,A)
【文献】 特開2005−284830(JP,A)
【文献】 特開2006−065742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F30/00−30/398
B66B23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータの外装パネルを含む外装部品の設計を支援するエスカレータ外装部品の設計支援システムであって、
前記外装パネルの基本的な意匠データ又は/及び前記外装パネルの設計データを含む前記外装パネルの形状データを記憶する形状データ記憶手段と、
前記外装パネルの折り曲げ部の曲げパターンを記憶する曲げパターン記憶手段と、
前記外装パネルの材質別に曲げ加工による板材の伸び寸法を記憶する材質情報記憶手段と、
前記各記憶手段の中から選択して、前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を含む前記外装パネルの形態を決定する形態決定手段と、
前記形態決定手段で選択された前記形状データ及び前記曲げパターンの各パラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記外装パネルの形態及び前記各パラメータに基づいて前記外装パネルの製作図を作成する製作図作成手段と、
前記形態決定手段で選択された前記曲げパターン及び前記材質に基づいて前記外装パネルの展開図を作成する展開図作成手段と、を有するエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【請求項2】
前記エスカレータの設置図の図面データを取得し、前記図面データを前記各記憶手段に記憶する図面データ取得手段を備え、
前記形態決定手段が、前記図面データに基づいて前記外装パネルの形態を決定し、
前記パラメータ取得手段が、前記図面データから前記パラメータを取得する請求項1に記載のエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【請求項3】
前記エスカレータのトラスタイプ及び前記トラスの寸法・設置位置を含むトラス情報を入力するトラス情報入力手段を備え、
前記形態決定手段が、前記トラス情報に基づいて前記各記憶手段の中から選択して前記外装パネルの形態を決定し、
前記パラメータ取得手段が、該トラス情報から前記パラメータを取得する請求項1に記載のエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【請求項4】
前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を入力する形態入力手段を備えた請求項3に記載のエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【請求項5】
前記外装パネルの分割位置を指定して複数の前記外装パネルを一括して分割するパネル分割手段を備えた請求項3又は4に記載のエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【請求項6】
前記外装パネル以外の外装部品の形状又は/及び仕様を記憶する部品情報記憶手段を備え、前記部品情報記憶手段の中から選択して外装部品を前記エスカレータの設置図に配置する手段を備えた請求項1乃至5の何れか一項に記載のエスカレータ外装部品の設計支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスカレータの外装意匠図(承認図)及び外装パネルなど外装部品の設計を自動化することができるエスカレータ外装部品の設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータは、ステップ(踏み板)及びライザー(蹴り上げ板)を有し、ステップとライザーが無限軌道上を循環移動するように形成され、斜面移動装置と平面移動装置が含まれる。建築物に設置されるエスカレータは、無限軌道部をトラスに収納し、そのトラスの周囲を外装パネルで被覆している。
【0003】
エスカレータの設置にあたっては、建築物にトラス及びその付属物を設置した状態を示す外装意匠図(以下、「設置図」という)の他に、外装パネルなど外装部品を製作するための各部品の製作図や展開図など様々な図面が作成される。これらの図面は、先ず、設置図を作成して客先や建築側の承認を得た後に、外装部品の製作図や展開図を作成する必要がある。
【0004】
特許文献1には、設置図の作成を支援するシステムとして、入力手段又は端末装置からの仕様情報、予め定まるトラス幅及び規定トラス深さからエスカレータの一次的な外形寸法を算出する外形寸法算出手段と、一次的な外形寸法と支持参照データとから中間支持の必要性を判断する判断手段と、この判断手段で中間支持が必要と判断された時、入力手段又は端末装置からの中間支持設置概略寸法に予め定める複数のトラス縦梁位置寸法の中から最も近いトラス縦梁位置寸法を選択し、中間支持設置位置と決定する支持位置決定手段とを設け、エスカレータの最終的な外形寸法を出力するエスカレータの設計システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−188295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のエスカレータの設計システムは、客先や建築側からの要求仕様に基づいてエスカレータの最終的な外形寸法を短時間で出力することができ、設置図の作成時間を短縮することができる。しかし、外装部品の製作図や展開図は、承認を受けた設置図を元にして新たに作成しているため、外装パネルなど外装部品の製作に時間を要するという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、エスカレータの設置図の図面データやトラスの設置情報に基づいて外装パネルなど外装部品の設計を自動的に作成することができるエスカレータ外装部品の設計支援システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、エスカレータの外装パネルを含む外装部品の設計を支援するエスカレータ外装部品の設計支援システムであって、前記外装パネルの基本的な意匠データ又は/及び前記外装パネルの設計データを含む前記外装パネルの形状データを記憶する形状データ記憶手段と、前記外装パネルの折り曲げ部の曲げパターンを記憶する曲げパターン記憶手段と、前記外装パネルの材質別に曲げ加工による板材の伸び寸法を記憶する材質情報記憶手段と、前記各記憶手段の中から選択して、前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を含む前記外装パネルの形態を決定する形態決定手段と、前記形態決定手段で選択された前記形状データ及び前記曲げパターンの各パラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記外装パネルの形態及び前記各パラメータに基づいて前記外装パネルの製作図を作成する製作図作成手段と、前記形態決定手段で選択された前記曲げパターン及び前記材質に基づいて前記外装パネルの展開図を作成する展開図作成手段と、を有するエスカレータ外装部品の設計支援システムを提供するものである。
【0009】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記エスカレータの設置図の図面データを取得し、前記図面データを前記各記憶手段に記憶する図面データ取得手段を備え、前記形態決定手段が、前記図面データに基づいて前記外装パネルの形態を決定し、前記パラメータ取得手段が、前記図面データから前記パラメータを取得するものである。
【0010】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記エスカレータのトラスタイプ及び前記トラスの寸法・設置位置を含むトラス情報を入力するトラス情報入力手段を備え、前記形態決定手段が、前記トラス情報に基づいて前記各記憶手段の中から選択して前記外装パネルの形態を決定し、前記パラメータ取得手段が、該トラス情報から前記パラメータを取得するものである。
【0011】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を入力する形態入力手段を備えたものである。
【0012】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの分割位置を指定して複数の前記外装パネルを一括して分割するパネル分割手段を備えたものである。
【0013】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの形態及び前記パラメータを修正する修正手段を備えたものである。
【0014】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネル以外の外装部品の形状又は/及び仕様を記憶する部品情報記憶手段を備え、前記部品情報記憶手段の中から選択して外装部品を前記エスカレータの設置図に配置する手段を備えたものである。
【0015】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記設置図の図面データから前記外装部品の個数をカウントする手段と、前記展開図の図面データから前記外装パネルの総面積を算出する手段と、前記外装部品の個数及び前記外装パネルの総面積を帳票として出力する帳票出力手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、エスカレータの外装パネルを含む外装部品の設計を支援するシステムであって、前記外装パネルの基本的な意匠データ又は/及び前記外装パネルの設計データを含む前記外装パネルの形状データを記憶する形状データ記憶手段と、前記外装パネルの折り曲げ部の曲げパターンを記憶する曲げパターン記憶手段と、前記外装パネルの材質別に曲げ加工による板材の伸び寸法を記憶する材質情報記憶手段と、前記各記憶手段の中から選択して、前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を含む前記外装パネルの形態を決定する形態決定手段と、前記形態決定手段で選択された前記形状データ及び前記曲げパターンの各パラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記外装パネルの形態及び前記各パラメータに基づいて前記外装パネルの製作図を作成する製作図作成手段と、前記形態決定手段で選択された前記曲げパターン及び前記材質に基づいて前記外装パネルの展開図を作成する展開図作成手段と、を有することにより、設置図などの設計データ又は記憶手段に記憶された意匠データや曲げパターンなどに基づいて外装パネルの製作図及び展開図を自動的に作成することができ、これらの図面の作成工数を大幅に削減することができる効果がある。
【0017】
また、本発明は、エスカレータの設置図の図面データやトラスの設置情報に基づいて、外装パネルなど外装部品の設計を自動的に作成することができるから、外装部品の製作図とエスカレータの設置図やトラスの設置情報との間に錯誤が生じるのを防止することができる。
【0018】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記エスカレータの設置図の図面データを取得し、前記図面データを前記各記憶手段に記憶する図面データ取得手段を備え、前記形態決定手段が、前記図面データに基づいて前記外装パネルの形態を決定し、前記パラメータ取得手段が、前記図面データから前記パラメータを取得することにより、設置図について客先や建築側の承認を受けると、その設置図の図面データに基づいて直ちに外装パネルの製作図及び展開図を自動的に作成することができる効果がある。
【0019】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記エスカレータのトラスタイプ及び前記トラスの寸法・設置位置を含むトラス情報を入力するトラス情報入力手段を備え、前記形態決定手段が、前記トラス情報に基づいて前記各記憶手段の中から選択して前記外装パネルの形態を決定し、前記パラメータ取得手段が、該トラス情報から前記パラメータを取得することにより、客先や建築側からの要求を含むトラス情報に基づいて外装パネルの製作図及び展開図を自動的に作成することができ、設置図を作成することもできる効果がある。
【0020】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を入力する形態入力手段を備えたことにより、各記憶手段に記憶されていない外装パネルの形状データ、折り曲げ部の曲げパターン及び材質を作成して登録することができる効果がある。
【0021】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの分割位置を指定して複数の前記外装パネルを一括して分割するパネル分割手段を備えたことにより、各階に設置される側板や底板など複数の外装パネルを一括して分割することができ、製作図及び展開図の作成工程を大幅に削減することができる効果がある。
【0022】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネルの形態及び前記パラメータを修正する修正手段を備えたことにより、記憶手段に蓄積された図面データの中から類似の図面データを用いて、外装パネルの製作図及び展開図を迅速に作成することができる効果がある。
【0023】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記外装パネル以外の外装部品の形状又は/及び仕様を記憶する部品情報記憶手段を備え、前記部品情報記憶手段の中から選択して外装部品を前記エスカレータの設置図に配置する手段を備えたことにより、外装部品を自動的に設置図に配置することができる効果がある。
【0024】
また、本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システムは、前記設置図の図面データから前記外装部品の個数をカウントする手段と、前記展開図の図面データから前記外装パネルの総面積を算出する手段と、前記外装部品の個数及び前記外装パネルの総面積を帳票として出力する帳票出力手段を備えたことにより、出力される帳票に基づいて板材や部品の発注や在庫管理を行うことができ、外装パネルなど外装部品の製作に要する時間を大幅に短縮することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る設計支援システムの一実施例を示す構成図。
図2】本実施例の設計支援システムの構成を示すブロック図。
図3】本実施例の設計支援システムの製作図作成の流れを示すフローチャート。
図4】本実施例の設計支援システムの展開図作成の流れを示すフローチャート。
図5】本実施例の設計支援システムの帳票出力の流れを示すフローチャート。
図6】本実施例における外装パネルのパネル設定画面の一例を示す画面図。
図7】本実施例における外装パネルの形態の一例を示す側面図。
図8】本実施例における外装パネルの曲げ形状設定画面の一例を示す画面図。
図9】本実施例における外装パネルの材質情報入力画面の一例を示す画面図。
図10】本実施例における外装部品の作図画面の一例を示す画面図。
図11】本実施例におけるトラス設定画面の一例を示す画面図。
図12】本実施例により作成される製作図の一例を示す図。
図13】本実施例により作成される帳票の一例を示す説明図。
図14】エスカレータの構成を示す一部切欠き側面図。
図15】エスカレータの構成を示す斜視図。
図16】外装パネルの詳細な構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。図1は、本発明に係る設計支援システムの一実施例を示す構成図である。図2は、本実施例の設計支援システムの構成を示すブロック図である。
【0027】
本発明は、エスカレータ100の外装パネル102を含む外装部品の設計を支援するエスカレータ外装部品の設計支援システム1であって、前記外装パネル102の基本的な意匠データ又は/及び前記外装パネル102の設計データを含む前記外装パネル102の形状データを記憶する形状データ記憶手段21と、前記外装パネル102の折り曲げ部103の曲げパターンを記憶する曲げパターン記憶手段22と、前記外装パネル102の材質別に曲げ加工による板材の伸び寸法を記憶する材質情報記憶手段23と、前記各記憶手段21,22,23の中から選択して、前記外装パネル102の形状データ、折り曲げ部103の曲げパターン及び材質を含む前記外装パネル102の形態を決定する形態決定手段11と、前記形態決定手段11で選択された前記形状データ及び前記曲げパターンの各パラメータを取得するパラメータ取得手段12と、前記外装パネル102の形態及び前記各パラメータに基づいて前記外装パネル102の製作図を作成する製作図作成手段13と、前記形態決定手段11で選択された前記曲げパターン及び前記材質に基づいて前記外装パネル102の展開図を作成する展開図作成手段14と、を有する。
【0028】
エスカレータ100は、ステップ(踏み板)及びライザー(蹴り上げ板)が無限軌道上を循環移動するように形成され、これで人又は物を搬送する。この循環移動するステップ及びライザーは、トラス101によって支えられている。トラス101は、搬送部の上部両側に配置された2本の上部ビーム101aと、該搬送部の下部両側に配置された2本の下部ビーム101bとからなる。図14及び図15に示すように、トラス101の側面には、上下2本のビーム101a,101bの外側に複数の側面板102aが連続して取り付けられている。また、トラス101の底面には、2本の下部ビーム101bの下側に、複数の底面板102bが連続して取り付けられている。これらの側面板102aと底面板102bが、トラス101と搬送部を覆う外装パネル102を構成している。
【0029】
外装パネル102は、一般的に側面板102aと底面板102bが同じ分割位置103で分割され、複数枚の板材で構成されている。図16に示すように、外装パネル102の分割位置104では、板材の端部に所定の曲げパターンで折り曲げ部103を形成し、隣り合う板材を連結している。また、エスカレータ100には、図示しないが、外装パネル102の他に、落下防止フェンスやダウンライトなどの部品が設けられる場合もある。
【実施例1】
【0030】
設計支援システム1は、例えば図2に示すように、サーバコンピュータ2と、該サーバコンピュータ2にLANなどのネットワーク4を介して接続されるクライアント端末3によって構成される。サーバコンピュータ2は、エスカレータ100の外装パネル102を含む外装部品の設計を支援する処理手段10と、処理手段10を機能させるための設計支援プログラム及び図面や部品などのデータを記憶する記憶手段20と、を有する。クライアント端末3は、サーバコンピュータ2による外装部品の設計支援を受けながら外装パネル102を含む外装部品の設計を行う機能を備えている。
【0031】
処理手段10は、サーバコンピュータ2内に設けられた中央演算処理装置(CPU)、及びこのCPUの動作手順を規定する一又は二以上のプログラムによって機能する。記憶手段20は、例えばROMやRAMなどのメモリ及びハードディスクを備えている。記憶手段20は、処理手段10の各種処理を実行するための設計支援プログラムなどが格納されるプログラム領域20aと、図面や部品などのデータを記憶するデータ領域20bと、を有している。
【0032】
クライアント端末3は、サーバコンピュータ2から支援を受けて外装部品の設計を行う処理部31と、処理部31を機能させるための設計プログラムなどを記憶する記憶部32と、設計のための情報を入力する入力部33と、設計図などを表示する表示部34と、を備えている。なお、処理手段10を機能させるための設計支援プログラムは、各クライアント端末3が有していてもよい。その場合でも、図面や部品などのデータは、サーバコンピュータ2又は各クライアント端末3にネットワーク4を介して接続されたデータ保管用端末に記憶してあることが好ましい。また、クライアント端末3は、外装部品の設計に限らず、トラス101やエスカレータ100の設置図を作成する機能を備えていてもよい。
【0033】
図1に示す実施例において、設計支援システム1は、記憶手段20のデータ領域20bに、形状データ記憶手段21と、曲げパターン記憶手段22と、材質情報記憶手段23と、部品情報記憶手段24を有している。形状データ記憶手段21は、外装パネル102の基本的な意匠データ及び外装パネル102の設計データを、外装パネル102の形状データとして記憶している。図6及び図7に示すように、形状データ記憶手段21は、トラス101のタイプ(製造メーカ及び型式)別に最下階用の意匠データと中間階用の意匠データを記憶している。例えば、図7(a)に示す意匠は最下階用の外装パネル102の意匠であり、図7(b)に示す意匠は中間階用の外装パネル102の意匠である。形状データ記憶手段21は、これら意匠データの各寸法の初期値を変数名と関連付けて記憶している。これらの意匠データは、クライアント端末3で作成して登録する他、外装パネル102の設計データをトラス101のタイプと関連付け、設計データの寸法を変数の初期値として登録してもよい。
【0034】
曲げパターン記憶手段22は、外装パネル102の折り曲げ部103の曲げパターンを記憶している。曲げパターンとしては、例えば「オス曲げ」、「メス曲げ」、「下曲げ」などがある。曲げパターン記憶手段22は、各曲げパターンの形状と、その寸法の初期値を変数名と関連付けて記憶している。図16に示すように、隣り合う板材が連結する部位においては、曲げパターン記憶手段22は、例えば図8に示す「オス曲げ」と「下曲げ」の組み合わせのように、曲げパターンの組み合わせとして記憶している。
【0035】
材質情報記憶手段23は、外装パネル102の材質別に曲げ加工による板材の伸び寸法を記憶している。図9に示すように、材質情報記憶手段23は、材質と板厚の組み合わせ毎に、曲げ角度に対する板材の伸び寸法を記憶している。
【0036】
部品情報記憶手段24は、外装パネル102以外の外装部品の形状及び仕様を記憶している。実施例において、部品情報記憶手段24は、延長デッキ、落下防止フェンス、落下防止棚、ダウンライト、誘導棚、光電管などの部品情報を記憶している。図10に示すように、落下防止フェンスでは、配置方向、フェンス材質、支柱タイプ及びフェンス高さなどの情報(形状及び仕様)が部品情報記憶手段24に記憶されている。
【0037】
実施例において、設計支援システム1は、クライアント端末3に、外装パネル102の形状データ、折り曲げ部103の曲げパターン及び材質を入力する形態入力手段を備え、入力された形状データ、曲げパターン及び材質を各記憶手段21,22,23に登録することができる。形態入力手段は、クライアント端末3で外装パネル102の形状を作成する機能と、曲げパターンの曲げ形状を作成する機能と、板材の材質及びその板材の曲げ加工による板材の伸び寸法を登録する機能を備えている。
【0038】
図1に示す実施例において、設計支援システム1は、処理手段10に形態決定手段11と、パラメータ取得手段12と、製作図作成手段13と、展開図作成手段14と、帳票出力手段15と、を有している。形態決定手段11は、上述の各記憶手段21,22,23の中から選択して、外装パネル102の形状データ、折り曲げ部103の曲げパターン及び材質を含む外装パネル102の形態を決定する。
【0039】
実施例において、設計支援システム1は、エスカレータ100のトラスタイプ及びトラス101の寸法・設置位置を含むトラス情報を入力するトラス情報入力手段を備え、形態決定手段11が、トラス情報に基づいて各記憶手段21,22,23の中から選択して外装パネル102の形態を決定する。実施例において、トラス情報入力手段はクライアント端末3に備えられている。図11に示すように、トラス情報入力手段は、トラス101のタイプ(製造メーカ及び型式)と、トラス101の傾斜角度・高さなどの寸法を入力させる。また、トラス情報入力手段は、客先や建築側からトラス101の設置情報をデータで取得し、これらの情報を自動的に入力するようにしてもよい。
【0040】
形態決定手段11は、トラス情報入力手段で入力されたトラス101のタイプ及び寸法に基づいて、類似する又は適応する形態の外装パネル102の意匠データや設計データを検索し、検索結果をクライアント端末3に表示させる。形態決定手段11は、複数の類似する又は適応する形態を検出したときは、複数の形態をクライアント端末3上に表示し、クライアント端末3においてユーザに外装パネル102の形態を選択させる。一方、形態決定手段11は、類似する又は適応する形態を検出しないときは、その旨をクライアント端末3に表示し、形態入力手段によって外装パネル102の新規形態を作成させ、各記憶手段21,22,23に新規の形態を登録する。
【0041】
また、設計支援システム1は、エスカレータ100の設置図の図面データを取得し、この図面データを各記憶手段21,22,23に記憶する図面データ取得手段を備えていてもよい。形態決定手段11は、取得した設置図の図面データから外装パネル102の形状データ、曲げパターン及び材質を抽出し、外装パネル102の形態を決定する。なお、設置図の図面データに折り曲げ部103の曲げ形状が含まれていない場合に、形態決定手段11は、曲げパターン記憶手段22に記憶されている曲げパターンをクライアント端末3に表示してユーザに曲げパターンを選択させる。
【0042】
パラメータ取得手段12は、形態決定手段11で選択された形状データ及び曲げパターンの各パラメータを取得する。パラメータ取得手段12は、トラス情報入力手段などで得たトラス101の傾斜角度・高さなどの寸法を取得し、外装パネル102のパラメータを設定する。また、パラメータ取得手段12は、図6に示すパネル設定画面をクライアント端末3に表示させ、トラス101と底面板102bとの間隙や立ち上がり部の長さなどの変数について、初期値を修正するパラメータ修正手段を備えている。実施例では、トラス101の設置情報によって決まる外装パネル102の傾斜角度及び高さは、変数としていない。
【0043】
設計支援システム1がエスカレータ100の設置図の図面データを取得している場合、パラメータ取得手段12は、この図面データから形状データ及び曲げパターンの各パラメータを取得する。このときも、パラメータ取得手段12は、図6に示すパネル設定画面をクライアント端末3に表示させ、ユーザに各パラメータの確認をさせることが好ましい。なお、設置図の図面データに折り曲げ部103の曲げ形状が含まれていない場合に、パラメータ取得手段12は、図8に示す曲げ形状設定画面をクライアント端末3に表示させ、形態決定手段11で決定した曲げパターンの各寸法などの変数について、初期値を修正するパラメータ修正手段を備えている。
【0044】
製作図作成手段13は、形態決定手段11で決定した外装パネル102の形態(形状・曲げパターン)及びパラメータ取得手段12で取得した外装パネル102の形状・曲げパターンの各パラメータに基づいて、外装パネル102の製作図を自動的に作成する。
【0045】
製作図作成手段13は、外装パネル102の分割位置104を指定して複数の外装パネル102を一括して分割するパネル分割手段を備えている。実施例において、パネル分割手段は、クライアント端末3でユーザに分割の基点となる位置と分割の間隔を指定させ、側面板102aと底面板102bを同じ位置で自動的に分割する。分割の基点は、例えば底面板102bの屈曲位置(図7の矢印の箇所)を指定する。図面データ取得手段が取得した設置図の図面データに分割位置が含まれている場合に、パネル分割手段は該分割位置を抽出して外装パネル102を分割する。また、パネル分割手段は、分割された隣り合うパネルを結合するパネル結合手段を備えていてもよい。
【0046】
製作図作成手段13は、外装パネル102が構造物などと干渉する部分などを領域指定し、該領域を削除する削除領域設定手段を備えていてもよい。設計支援システム1は、削除領域設定手段で削除された領域を、展開図作成手段14で作成されるパネル形状から削除する。
【0047】
製作図作成手段13は、作図した外装パネル102の図形に対して寸法線を自動的に付加する寸法線作成手段を備えている。また、製作図作成手段13は、断面図や詳細図を作成する手段を備えていてもよい。製作図作成手段13は、クライアント端末3で製作図図形の配置基点を指定する手段を備え、自動で作成された製作図が指定位置に配置されて、図12に示す製作図面を作成し、記憶手段20に記憶する。また、製作図作成手段13は、陰線機能や反転機能など一般的な作図プログラムが有する機能を備えている。
【0048】
展開図作成手段14は、形態決定手段11で選択された外装パネル102の曲げパターン及び材質に基づいて、外装パネル102の展開図を自動的に作成する。また、展開図作成手段14は、折り曲げ部13において、切欠き形状と該切欠き形状のパラメータを設定する手段を備えている。展開図作成手段14は、クライアント端末3で展開図図形の配置基点を指定する手段を備え、自動で作成された展開図が指定位置に配置されて展開図面を作成し、記憶手段20に記憶する。また、展開図作成手段14は、展開された各パネルの面積と枚数を集計する手段を備え、製作図作成手段13で作成される製作図に、パネルの面積と分割パネルの枚数を表示する手段を備えている。
【0049】
実施例において、設計支援システム1は、部品情報記憶手段24の中から選択して外装部品をエスカレータの設置図に配置する手段を備えている。また、設計支援システム1は、設置図の図面データから外装部品の個数をカウントする手段と、展開図の図面データから外装パネル102の個別パネルの面積及び総面積を算出する手段と、外装部品の個数及び外装パネル102の面積を帳票として出力する帳票出力手段を備えている。また、設計支援システム1は、製作図作成手13で作成した製作図の図面データと、展開図作成手段14で作成した展開図の図面データを設置図に反映させる機能を備えている。
【0050】
帳票出力手段は、カウントした外装部品の個数と、算出した外装パネル102の面積を帳票として、例えば表計算ソフトのデータとして自動的に出力し、記憶手段20に記憶する。
【0051】
以下、図3乃至図5を参照しながら、本実施例に係るエスカレータ外装部品の設計支援システム1の動作について説明する。図3は、本実施例の設計支援システムの製作図作成の流れを示すフローチャートである。先ず、製作図作成の流れについて説明する。
【0052】
(1)設計支援システム1は、トラス情報入力手段によって、エスカレータ100のトラス101の情報設定を行う(ステップS11)。トラス情報入力手段は、図11に示すトラス設定画面をクライアント端末3に表示させ、トラス101のタイプ(製造メーカ及び型式)と、トラス101の傾斜角度や高さなどの寸法を入力させる。なお、トラス情報入力手段は、客先や建築側からトラス101の設置情報をデータで取得し、これらの情報を自動的に入力するようにしてもよい。
【0053】
(2)設計支援システム1は、形態決定手段11によって、外装パネル102の形態を決定する(ステップS12)。形態決定手段11は、ステップS11で入力されたトラス情報に基づき、各記憶手段21,22,23の中から選択して外装パネル102の形状データ、折り曲げ部103の曲げパターン及び材質を含む外装パネル102の形態を決定する。
【0054】
具体的には、形態決定手段11は、トラス情報入力に基づいて類似する又は適応する形態の外装パネル102の意匠データや設計データを検索し、検索結果をクライアント端末3に表示させる。形態決定手段11は、複数の形態を検出したときに複数の形態をクライアント端末3上に表示し、クライアント端末3においてユーザに外装パネル102の形態を選択させる。類似する又は適応する形態を検出しないときに、設計支援システム1は、形態入力手段によって外装パネル102の新規形態を作成させてもよい。
【0055】
(3)設計支援システム1は、パラメータ取得手段12によって、外装パネル102のパラメータを設定する(ステップS13)。パラメータ取得手段12は、図6に示すパネル設定画面をクライアント端末3に表示し、ステップS12で決定した外装パネル102の形態を示す。パラメータ取得手段12は、ステップS11で得たトラス101の傾斜角度・高さなどの寸法を取得し、外装パネル102の対応するパラメータを設定している。パネル設定画面には、トラス101と底面板102bとの間隙や立ち上がり部の長さなどの変数について初期値が示され、ユーザは必要に応じてクライアント端末3で初期値を修正する。
【0056】
(4)設計支援システム1は、側面板102a及び底面板102bなど全ての外装パネル102の設定が完了するまでステップS12からステップS13の処理を繰り返す(ステップS14)。
【0057】
(5)全ての外装パネル102の設定が完了すると、設計支援システム1は、パネル分割手段によって外装パネル102の分割処理を行う(ステップS15)。パネル分割手段は、クライアント端末3でユーザに分割の基点となる位置と分割の間隔を指定させ、側面板102aと底面板102bを同じ位置で一括して自動的に分割する。また、パネル分割手段は、クライアント端末3で作図した線分を分割線として手動で外装パネル102を分割したり、分割された隣り合うパネルを結合したりしてもよい。
【0058】
(6)設計支援システム1は、削除領域設定手段によって、外装パネル102が構造物などと干渉する部分などを領域指定し、外装パネル102の削除領域を設定する(ステップS16)。
【0059】
(7)次に、設計支援システム1は、展開図作成手段14において、外装パネル102の折り曲げ部103の曲げパターンを設定する(ステップS17)。本実施例において、設計支援システム1は、製作図作成手段13によって外装パネル102の製作図を作成する前に、展開図作成手段14によって外装パネル102の展開図を作成する。展開図作成手段14における曲げパターンの設定については、後述する。
曲げパターンは、後述の展開図の作成工程で設定されたデータを取得する。
【0060】
(8)設計支援システム1は、ステップS12からステップS17で設定等された外装パネル102の形態、分割処理、削除領域、曲げ設定に基づき、製作図作成手段13によって外装パネル102の製作図を作成する(ステップS18)。製作図作成手段13は、外装パネル102の形状を自動的に作図し、寸法を付加する。また、製作図作成手段13は、必要に応じて断面図や詳細図を製作図内に配置する。また、製作図作成手段13は、製作図に外装パネル102のパネル毎の面積及び総面積を表示してもよい。
【0061】
次に、展開図作成の流れについて説明する。図4は、本実施例の設計支援システムの展開図作成の流れを示すフローチャートである。
【0062】
(1)展開図作成手段14は、製作図作成工程におけるステップS12からステップS16で設定等された外装パネル102の形態、分割処理、削除領域を含む製作図作成データを取得する(ステップS21)。
【0063】
(2)展開図作成手段14は、外装パネル102を構成する複数のパネルに対して、一括でパネルの曲げ設定を行う(ステップS22)。展開図作成手段14は、製作図作成工程において、形態決定手段11及びパラメータ取得手段12でパネルの曲げ設定を行っている場合に、この曲げ設定を取得する。また、展開図作成手段14は、製作図作成工程においてパネルの曲げ設定を行っていない場合、又は、既に設定されているパネルの曲げ設定を変更する場合は、曲げパターン記憶手段22に記憶されている曲げパターンの組み合わせをクライアント端末3に表示させて、ユーザに曲げパターンの組み合わせを選択させる。
【0064】
展開図作成手段14は、例えば図8に示す曲げ形状設定画面をクライアント端末3に表示させて、曲げ寸法や曲げ角度などのパラメータを設定させる。具体的には、展開図作成手段14は、各パラメータの初期値を曲げ形状設定画面に表示し、初期値の確認又は修正を求める。また、展開図作成手段14は、例えば図9に示す材質情報入力画面をクライアント端末3に表示させて、板材の材質及び板厚を設定させる。
【0065】
(3)展開図作成手段14は、ステップS22で一括設定されたパネルの曲げ設定に対し、修正が必要なパネル領域をクライアント端末3で指定させ、該領域の曲げ形状を個別に修正させて、個別のパネル曲げ設定を行う(ステップS23)。
【0066】
(4)展開図作成手段14は、ステップS21で取得した製作図作成データに加えて、ステップS22及びステップS23で設定したパネルの曲げ情報に基づいて、外装パネル102の展開図を自動的に作成する(ステップS24)。具体的には、展開図作成手段14は、ステップS22において設定された板材の材質及び板厚に対応する材質情報(曲げ角度に対する板材の伸び寸法)を材質情報記憶手段23から取得し、板材の曲げ回数及び曲げ角度から板材の伸び寸法を算出して展開形状を作成する。
【0067】
展開図作成手段14は、作成された各パネルの展開形状から面積を算出し、側面板102a及び底面板102bの面積、外装パネル102全体の総面積を求める。また、展開図作成手段14は、必要に応じて切欠き形状の設定を行う。
【0068】
次に、帳票出力の流れについて説明する。図5は、本実施例の設計支援システムの帳票出力の流れを示すフローチャートである。
【0069】
(1)帳票出力手段は、承認を受けた設置図の図面データから外装部品の種類・個数などの部品データを取得する(ステップS31)。本実施例では、製作図作成手段13及び展開図作成手段14で定まった外装パネル102の面積、枚数、総面積、材質などの情報が設置図に反映されている。なお、これらの情報が設置図に反映されていない場合、帳票出力手段は、これらの情報を製作図及び展開図の図面データから取得する。
【0070】
(2)帳票出力手段は、ダウンライトや光電管などの規格部品の個数、落下防止フェンスや誘導棚などの製作部品の素材及びその数量をカウントする(ステップS32)。実施例において、設計支援システム1は、部品情報記憶手段24の中から選択して外装部品をエスカレータ100の設置図に配置する手段を備えており、設置図に外装部品が配置される度に外装部品の個数や数量をカウントしてもよい。
【0071】
(3)帳票出力手段は、ステップS32においてカウントした外装部品の個数や数量を帳票として出力する(ステップS33)。実施例において、帳票出力手段は、外装部品の個数や数量を表計算ソフトのデータとして自動的に出力し、記憶手段20に記憶する。
【実施例2】
【0072】
本発明のエスカレータ外装部品の設計支援システム1は、建築物にトラス101及びその付属物を設置した状態を示す設置図を作成する設置図作成手段を備えていてもよい。
【0073】
設置図作成手段は、通り芯及びFL(フロアライン)を設定して基準線を作図する基準線作図手段と、建築物の躯体などの図形を取得する躯体図形取得手段と、トラス101の設置基準となるWP(ワーキングポイント)を設定するWP設定手段と、トラス101を作図するトラス作図手段と、外装部品を作図ずる外装部品作図手段と、を備えている。設置図作成手段は、陰線機能や反転機能など一般的な作図プログラムが有する機能を備えている。
【0074】
外装部品作図手段は、トラス作図手段で作図されたトラス101のタイプ及び寸法・設置位置を含むトラス情報を取得し、該トラス情報に基づいて外装パネル102を含む外装部品の形態を設定して作図する。外装部品作図手段は、実施例1の製作図作成手段13で作成された製作図の図面データを取得して、外装パネル102の形態を設定してもよい。また、外装部品作図手段は、設置図に配置又は作図する外装部品の個数や数量をカウントするカウント手段を備えていることが好ましい。
【0075】
本発明に係るエスカレータ外装部品の設計支援システム1は、エスカレータ100の設置図の図面データやトラス101の設置情報に基づいて、外装パネル102の製作図及び展開図を自動的に作成することができ、これらの図面の作成工数を大幅に削減することができる。また、本設計支援システム1は、外装部品の個数や数量を帳票として自動的に出力することができ、外装部品の製作期間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 設計支援システム
2 サーバコンピュータ
3 クライアント端末
4 ネットワーク
10 処理手段
11 形態決定手段
12 パラメータ取得手段
13 製作図作成手段
14 展開図作成手段
15 帳票出力手段
20 記憶手段
21 形状データ記憶手段
22 曲げパターン記憶手段
23 材質情報記憶手段
24 部品情報記憶手段
100 エスカレータ
101 トラス
102 外装パネル
103 折り曲げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16