特許第6676733号(P6676733)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676733
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】マンモグラフィー装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/10 20060101AFI20200330BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20200330BHJP
   F16D 55/02 20060101ALI20200330BHJP
   F16D 65/18 20060101ALI20200330BHJP
   F16D 121/22 20120101ALN20200330BHJP
【FI】
   A61B6/10 353
   A61B6/00 330Z
   F16D55/02
   F16D65/18
   F16D121:22
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-215584(P2018-215584)
(22)【出願日】2018年11月16日
(65)【公開番号】特開2019-93136(P2019-93136A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2018年11月16日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0154293
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513303186
【氏名又は名称】ビューワークス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スン ギル
【審査官】 芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−500293(JP,A)
【文献】 特開2002−165788(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/035506(WO,A1)
【文献】 特開2010−179030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00− 6/14
F16D 49/00−71/04
F16D 121/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫部を昇降移動するための移送部に動力を伝達する駆動シャフト部;
駆動部から動力の伝達を受けて駆動するローダ部;
前記駆動シャフト部の一端部と結合し、外力によって選択的に前記ローダ部に接触する動力伝達部;
前記駆動シャフト部の前記一端部とは反対側の他端部と連結されて共に駆動され、電力の供給が遮断されると駆動が停止する非常制動部;および
前記駆動シャフト部の駆動方向が一方向に制限されるように前記駆動シャフト部と前記非常制動部との間に設置される駆動制御部;を含むことを特徴とする、マンモグラフィー装置。
【請求項2】
前記非常制動部は、
本体部に設置されるハウジング部;
前記ハウジング部の内側で回転可能であり、前記駆動シャフト部と連結される制動シャフト部;および
前記制動シャフト部と結合し、前記制動シャフト部と共に回転する制動本体部;を含み、
前記制動本体部は電力の供給が遮断されると前記ハウジング部側に移動して前記ハウジング部に接触することを特徴とする、請求項1に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項3】
前記制動シャフト部には挿入部が形成され、
前記駆動シャフト部は前記挿入部の内側に配置され、
前記駆動制御部は前記制動シャフト部と前記駆動シャフト部間に設置されることを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、
前記制動シャフト部の内側面に結合する固定部;および
前記駆動シャフト部と結合し、前記固定部の内側で一方向にのみ回転する回転部;を含むことを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項5】
前記回転部には内周面に沿って突出する結合突出部が形成され、
前記駆動シャフト部には外周面に沿って前記結合突出部の形状に対応するように結合溝部が形成されることを特徴とする、請求項4に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項6】
前記駆動制御部と離隔して配置され、前記挿入部と前記駆動シャフト部間に設置される第1支持部をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のマンモグラフィー装置。
【請求項7】
前記本体部に設置された第2支持部をさらに含み、前記駆動シャフト部は前記制動シャフト部の一端部に結合されており、前記第2支持部は前記制動シャフト部の前記一端部とは反対側の他端部に結合していることを特徴とする、請求項2に記載のマンモグラフィー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマンモグラフィー装置に関し、より詳細には非常時に圧迫部を対象体から解除して対象体に発生する事故を防止できるマンモグラフィー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にマンモグラフィーは放射線、具体的には、X線(X−RAY)映像技術の多様な長所と共に映像の拡大、撮影数の減少、解像度の上昇、明るさおよびコントラスト比の調節を通じての被爆の極小化という固有の特徴により速やかに普及している。
【0003】
マンモグラフィー装置は、底部に垂直の柱状のコラム(COLUMN)と、中間部分がコラムに沿って昇降および回転可能に連結された状態で、両端部が対向するアーチ形状に湾曲されて全体としてC字状またはこれと類似する形状を表すCアーム(C−ARM)と、Cアームの一端部に装着されて対向する他端部に向かってX線を照射するジェネレーター(GENERATOR)と、ジェネレーターと対面するディテクター(DETECTOR)と、Cアームの内面に沿ってジェネレーターとディテクターの間を直線往復運動する圧迫パッドと、を含む。
【0004】
圧迫パッドは駆動部によって昇降移動し、電気信号により設定された荷重で測定対象体、具体的には乳房に直接的な圧力を加えることになる。
【0005】
従来のマンモグラフィー装置に駆動のために供給される電源が予期しない停電により遮断した場合、圧迫パッドが検査プレート上に置かれた乳房に向かって自由落下し、持続的に加圧することによって、苦痛を感じるという問題があった。
【0006】
本発明の背景技術は、大韓民国公開特許公報第10−2014−0118443号(2014.10.08公開、発明の名称:マンモグラフィー装置およびその位置整列制御方法)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記のような問題点を改善するために案出されたもので、駆動制御部によって電力の供給が遮断されるなど、非常時に圧迫部を対象体から解除して対象体に発生する事故を防止できるマンモグラフィー装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマンモグラフィー装置は:移送部に動力を伝達する駆動シャフト部;駆動部から動力の伝達を受けて駆動するローダ部;前記駆動シャフト部の一端部と結合し、外力によって選択的に前記ローダ部に接触する動力伝達部;前記駆動シャフト部の前記一端部とは反対側の他端部と連結されて共に駆動され、電力の供給が遮断されると駆動が停止する非常制動部;および前記駆動シャフト部の駆動方向が一方向に制限されるように前記駆動シャフト部と前記非常制動部の間に設置される駆動制御部;を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記非常制動部は、本体部に設置されるハウジング部;前記ハウジング部の内側で回転可能であり、前記駆動シャフト部と連結される制動シャフト部;および前記制動シャフト部と結合し、前記制動シャフト部と共に回転する制動本体部;を含み、前記制動本体部は電力の供給が遮断されると前記ハウジング部側に移動して前記ハウジング部に接触することを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記制動シャフト部には挿入部が形成され、前記駆動シャフト部は前記挿入部の内側に配置され、前記駆動制御部は前記制動シャフト部と前記駆動シャフト部間に設置されることを特徴とする。
【0011】
本発明において、駆動制御部は、前記制動シャフト部の内側面に結合する固定部;及び、前記駆動シャフト部と結合し、前記固定部の内側で一方向にのみ回転する回転部;を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記回転部には内周面に沿って突出する結合突出部が形成され、前記駆動シャフト部には外周面に沿って前記結合突出部の形状に対応するように結合溝部が形成されることを特徴とする。
【0013】
本発明において、マンモグラフィー装置は、前記駆動制御部と離隔して配置され、前記挿入部と前記駆動シャフト部間に設置される第1支持部;をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明において、マンモグラフィー装置は、前記本体部に設置される第2支持部をさらに含み、前記駆動シャフト部は前記制動シャフト部の一端部に結合されており、前記第2支持部は前記制動シャフト部の前記一端部とは反対側の他端部に結合していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るマンモグラフィー装置は、電力の供給が遮断されるなど、非常時に非常制動部の駆動が停止することによって圧迫部が対象体側に向かって移動することを阻止する効果がある。
【0016】
また、駆動制御部により駆動シャフト部の駆動方向が一方向に制限され、駆動シャフト部と連結されて昇降移動する圧迫部が対象体を加圧し続けることを阻止して対象体を保護する効果がある。
【0017】
また、駆動制御部によって作業者が対象体から圧迫部を離隔させた後にも圧迫部が対象体側に落下することを防止する効果がある。
【0018】
また、結合突出部が結合溝部に挿入されることによって駆動シャフト部と駆動制御部の締結力が向上する効果がある。
【0019】
また、第1支持部によって駆動シャフト部の荷重を支持し、駆動シャフト部と制動シャフト部との間に発生する摩擦を低減させる効果がある。
【0020】
また、第2支持部によって制動シャフト部の荷重を支持し、本体部と制動シャフト部間に発生する摩擦を低減させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す側面図である。
図2】本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す斜視図である。
図3図2のA部分を示す拡大図である。
図4】本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置の正常稼動状態を示す側断面図である。
図5】本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置の制動状態を示す側断面図である。
図6】本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す分解図である。
図7図4のB−Bを示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明に係るマンモグラフィー装置の一実施例を説明する。この過程で図面に表れる線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜のために誇張して示される場合がある。
【0023】
また、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは使用者やオペレータの意図または慣例により変わり得る。したがって、このような用語の意義は、本明細書の全般にわたった内容に基づいて解釈されるべきである。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す側面図である。図2は、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す斜視図である。図3は、図2のA部分を示す拡大図である。図4は、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置の正常稼動状態を示す側断面図である。図5は、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置の制動状態を示す側断面図である。図6は、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置を示す分解図である。図7は、 図4のB−Bを示した斜視断面図である。
【0025】
図1図7を参照すると、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置1は、駆動シャフト部100、ローダ部200、動力伝達部300、非常制動部400、駆動制御部500、第1支持部600、第2支持部700を含む。
【0026】
本発明の一実施例に係る駆動シャフト部100は移送部50に動力を伝達するものであって、本発明では動力は回転動力であるが、これに限定されず、直線移動動力などの多様な変形実施が可能である。
【0027】
駆動シャフト部100が回転することによって移送部50が時計回り方向または反時計回り方向に回転し、移送部50に結合される昇降部60が移送部50が回転することによって上下方向(図2基準)に移動する。
【0028】
図1を参照すると、昇降部60には対象体5の乳房を圧迫するように圧迫部70が結合されて昇降部60の移動に連動して昇降移動し、撮影部20に配置される対象体5を圧迫したり対象体5から離隔する。
【0029】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る駆動シャフト部100には外周面に沿って結合溝部101が形成される。結合溝部101は後述する回転部520の内周面に沿って突出して形成される結合突出部521の形状に対応する形状に形成される。
【0030】
このため、駆動シャフト部100は駆動制御部500、具体的には、回転部520にスプライン(SPLINE)結合され、駆動シャフト部100と駆動制御部500間の締結力が向上し、駆動シャフト部100の回転動力が回転部520に伝達されるようにする。
【0031】
本発明の一実施例では駆動シャフト部100に結合溝部101が形成され、回転部520に結合突出部521が形成される。
【0032】
しかし、これに限定されず、駆動シャフト部100と駆動制御部500がスプライン結合するように駆動シャフト部100に結合突出部が形成され、回転部520に結合溝部が形成されるなど、多様な変形実施が可能である。
【0033】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係るローダ部200は駆動部40に結合するものであって、駆動部40から動力、具体的には回転動力の伝達を受けて回転する。
【0034】
ローダ部200は外力、具体的には、電磁力によって後述する動力伝達部300がローダ部200に接触する場合、動力伝達部300と、動力伝達部300と結合する駆動シャフト部100とに回転動力を伝達する。
【0035】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係る動力伝達部300は駆動シャフト部100と結合するものであって、外力、具体的には電磁力によって選択的にローダ部200に接触する。
【0036】
電力が供給され、電磁力が発生して動力伝達部300がローダ部200に接触すると、駆動部40からローダ部200に伝達された回転動力が動力伝達部300に伝達され、動力伝達部300と結合する駆動シャフト部100が共に回転する。
【0037】
図2図3図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る非常制動部400は、動力伝達部300と結合する駆動シャフト部100の一端(図4基準左側端部)とは反対側の他端(図4基準右側端部)と連結されて共に回転するものであって、ハウジング部410、制動シャフト部420、制動本体部430を含む。
【0038】
図5を参照すると、本発明の一実施例に係る非常制動部400は電力の供給が遮断されると回転が遮断される。
【0039】
図3図5を参照すると、本発明の一実施例に係るハウジング部410は本体部10に設置されるものであって、本体部10に位置固定される。
【0040】
図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る制動シャフト部420は、ハウジング部410の内側で回転可能なものであって、駆動シャフト部100と連結される。
【0041】
制動シャフト部420の内側には挿入部421が形成され、駆動シャフト部100が挿入部421の内側に挿入される。
【0042】
図4を参照すると、制動シャフト部420が駆動シャフト部100と連結されることによって、電力が供給されてマンモグラフィー装置1が正常に作動する時、駆動シャフト部100が駆動部40から動力の伝達を受けて回転すると、駆動シャフト部100と共に制動シャフト部420も回転する。
【0043】
図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る制動本体部430は、制動シャフト部420と結合するものであって、制動シャフト部420と共に回転する。
【0044】
これにより、電力が供給されてマンモグラフィー装置1が正常に作動する時、制動本体部430は、駆動シャフト部100から回転動力の伝達を受けた制動シャフト部420が回転することによって共に回転する。
【0045】
制動本体部430は、マンモグラフィー装置1に電力の供給が遮断されると、ハウジング部410側(図5基準左側)に移動してハウジング部410に接触する。
【0046】
これにより、制動本体部430とハウジング部410の間に摩擦が発生し、摩擦によって制動本体部430、制動本体部430と結合する制動シャフト部420の回転が遮断される。
【0047】
図5図6を参照すると、制動シャフト部420は制動本体部430に貫通挿入され、制動本体部430の内側面は矩形平面状に形成され得る。
【0048】
制動シャフト部420の制動本体部430の一端(図5基準右側端部)も制動本体部430の内側面の形状に対応するように矩形平面状に形成され得る。
【0049】
これにより、固定のためのキー(KEY)等の別途の固定部材が要求されず、制動シャフト部420と制動本体部430の間でスリップ(SLIP)が発生することを防止することができ、制動性能を向上させることができる効果がある。
【0050】
図4図7を参照すると、本発明の一実施例に係る駆動制御部500は、駆動シャフト部100の駆動方向が一方向に制限されるようにする。
【0051】
具体的には、駆動制御部500は駆動シャフト部100の回転方向が時計回りまたは反時計回り方向のうち一方向に制限されるように、駆動シャフト部100と非常制動部400の間に設置される。
【0052】
駆動制御部500は、駆動シャフト部100の外側面と制動シャフト部420に形成される挿入部421の内側面との間に設置される。駆動制御部500は固定部510と回転部520とを含む。
【0053】
本発明における一方向とは、移送部50に結合する昇降部60を上側(図2基準)に移動させる駆動シャフト部100の回転方向を意味し、図4を基準として左側から駆動シャフト部100を見た時に反時計回り方向を意味する。
【0054】
これにより、予期しない停電などによってマンモグラフィー装置1に電力の供給が遮断されると、圧迫部70が対象体5を加圧する方向、すなわち圧迫部70が結合された昇降部60が下側(図2基準)に移動するようにする駆動シャフト部100の時計回り方向への回転が遮断される。
【0055】
駆動制御部500が反時計回り方向に回転が可能であることによって、作業者は圧迫部70が結合された昇降部60を上側(図2基準)に移動させて対象体5から圧迫部70を離隔させることができるようにする。
【0056】
本発明では、駆動制御部500が駆動シャフト部100の回転方向を反時計回り方向にのみ制限するが、これに限定されず、マンモグラフィー装置1の設計構造により昇降部60が上側(図2基準)に移動するようにする駆動シャフト部100の回転方向が時計回り方向に制限するなど、多様な変形実施が可能である。
【0057】
本発明の一実施例に係る固定部510は、制動シャフト部420の内側面に結合するものであって、制動シャフト部420の内側面に固定結合し、制動シャフト部420が回転することによって共に回転する。
【0058】
図7を参照すると、固定部510は内部が中空に形成され、回転部520は固定部510の内側に設置されて一方向にのみ回転する。
【0059】
回転部520は駆動シャフト部100と結合するものであって、固定部510の内側で一方向にのみ回転する。本発明の一実施例では、回転部520は反時計回り方向にのみ回転し、時計回り方向への回転は阻止される。
【0060】
これにより、マンモグラフィー装置1に電力の供給が遮断された場合、圧迫部70が対象体5を加圧する方向、すなわち昇降部60の下側(図2基準)への移動が阻止され、作業者が昇降部60を上側(図2基準)に移動させることが可能である。
【0061】
図7を参照すると、本発明の一実施例に係る回転部520には内周面に沿って結合突出部521が突出して形成される。結合突出部521は回転部520の内周面に沿って長さ方向に延びるように形成される。
【0062】
結合突出部521は複数個設けられ、回転部520の中心軸周りに等角配置される。結合突出部521は駆動シャフト部100の外周面に沿って形成される結合溝部101の形状に対応する。
【0063】
これにより、駆動シャフト部100が回転部520に挿入され、駆動シャフト部100と回転部520の係合力が向上する効果がある。
【0064】
図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る第1支持部600は、駆動制御部500と離隔して配置されるものであって、挿入部421と駆動シャフト部100の間に設置される。
【0065】
具体的には、挿入部421の内側面と駆動シャフト部100の外側面間に設置され、これにより、挿入部421の内側面と駆動シャフト部100の外側面間の摩擦を低減させ、摩擦によって駆動シャフト部100と制動シャフト部420が損傷することを防止することができる。
【0066】
本発明では第1支持部600は、内部が中空のブッシュ(BUSH)で形成されるが、これに限定されず、駆動シャフト部100の回転荷重を支持し、摩擦を低減させ得るようにベアリング(BEARING)で形成されるなど、多様な変形実施が可能である。
【0067】
図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る第2支持部700は本体部10に設置されるものであって、駆動シャフト部100と連結される制動シャフト部420の一端の反対側の他端(図4基準右側端部)と結合される。
【0068】
第2支持部700によって、制動シャフト部420の右側端部(図5基準)にかかる回転荷重を支持し、摩擦を低減させることができる効果がある。
【0069】
図6を参照すると、本発明の一実施例に係る第2支持部700は、支持プレート部710と、支持本体部720と、締結部材730と、を含む。
【0070】
図6を参照すると、支持プレート部710は本体部10に設置されるものであって、支持ホール部711が形成される。支持本体部720は制動シャフト部420を囲み、支持ホール部711の内側面に結合される。
【0071】
本発明では支持本体部720がベアリングで形成されるが、これに限定されず、支持ホール部711の内側で回転可能に設置され、内部が中空で形成されて制動シャフト部420と支持プレート部710の間の摩擦が低減されるようにブッシュで形成されるなど、多様な変形実施が可能である。
【0072】
図6を参照すると、本発明の一実施例に係る締結部材730は本体部10と支持プレート部710を貫通締結するものであって、支持プレート部710が本体部10から離脱するのを防止する効果がある。
【0073】
以下、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置1の作動原理および効果を説明する。
【0074】
図1図7を参照すると、本発明の一実施例に係るマンモグラフィー装置1は、駆動シャフト部100と、ローダ部200と、動力伝達部300と、非常制動部400と、駆動制御部500と、第1支持部600と、第2支持部700と、を含む。
【0075】
図1を参照すると、撮影部20に対象体5の乳房が配置され、昇降部60が下側(図1基準)に移動することによって、昇降部60に結合される圧迫部70が対象体5を加圧する。
【0076】
図1を参照すると、照射部30から撮影部20に配置された対象体5側に向かって放射線Rを照射する。放射線RはX線(X−RAY)が使われるが、これに限定されず、医療に使われ得る範囲内でガンマ線など、多様な変形実施が可能である。
【0077】
図2図4を参照すると、駆動シャフト部100は移送部50と結合して移送部50に動力、具体的には回転動力を伝達する。
【0078】
図4を参照すると、駆動部40から回転動力の伝達を受けた駆動シャフト部100が回転することによって移送部50が回転し、移送部50が時計回り方向または反時計回り方向に回転することによって移送部50と結合する昇降部60が上下方向(図2基準)に移動する。
【0079】
図3図4を参照すると、ローダ部200は駆動シャフト部100の外側に配置されるものであって、駆動部40から動力、具体的には回転動力の伝達を受けて回転する。
【0080】
動力伝達部300は駆動伝達部と結合されて共に回転するものであって、外部から電気的信号の伝達を受けて発生する電磁力によってローダ部200に接触する。
【0081】
これにより、動力伝達部300と駆動シャフト部100とが駆動部40から動力の伝達を受けて回転する。
【0082】
駆動シャフト部100が時計回り方向または反時計回り方向に回転することによって移送部50が回転し、移送部50に結合された昇降部60が昇降移動し、昇降部60に結合された圧迫部70が撮影部20に配置された対象体5を圧迫するか、対象体5から離隔する。
【0083】
図2図5を参照すると、非常制動部400は電力の供給が遮断されると回転が停止する。具体的には、非常制動部400は、ハウジング部410と、制動シャフト部420と、制動本体部430とを含む。
【0084】
図4を参照すると、マンモグラフィー装置1が正常に作動している時、制動本体部430はハウジング部410から離隔し、駆動シャフト部100から回転動力の伝達を受けて回転する制動シャフト部420と連動して回転する。
【0085】
図5を参照すると、マンモグラフィー装置1の作動中に停電などの事故によって電力の供給が遮断される時には、ハウジング部410に磁力が発生し、磁力によって制動本体部430が左側(図5基準)に移動してハウジング部410に接触する。
【0086】
制動本体部430がハウジング部410と接触して摩擦が発生し、制動本体部430、及び、制動本体部430と結合する制動シャフト部420の回転が阻止される。
【0087】
図5を参照すると、マンモグラフィー装置1に電力の供給が遮断されると、ローダ部200の電磁力が消滅することによって動力伝達部300はローダ部200から離隔し、圧迫部70と昇降部60が重力によって下側(図1基準)に移動する。
【0088】
圧迫部70が下側方向に移動する場合、撮影部20に配置される対象体5は継続する圧迫によって苦痛を受ける可能性が問題となる。
【0089】
図4図6を参照すると、本発明の一実施例に係る駆動制御部500は駆動シャフト部100と連結されるものであって、駆動シャフト部100の回転方向が一方向にのみ制限されるようにする。
【0090】
具体的には、駆動制御部500は、昇降部60と圧迫部70が下側に移動する方向、すなわち、左側(図4基準)から移送部50を見た時に時計回り方向に回転することを阻止し、これとは反対の方向、すなわち、昇降部60と圧迫部70が上側に移動するように反時計回り方向にのみ回転が可能に構成されている。
【0091】
これにより、電力の供給が遮断されることによって、圧迫部70がそれ以上に撮影部20に配置される対象体5を加圧することを防止し、作業者が圧迫部70を手動で上側に移動させることが可能になるという効果が発揮される。
【0092】
これに加え、作業者が撮影部20に配置される対象体5から圧迫部70を離隔させるために上側(図2基準)に移動させても、駆動制御部500により圧迫部70が下側(図2基準)に落下することを防止することができる。
【0093】
図4を参照すると、マンモグラフィー装置1に電力が供給される場合には、動力伝達部300がローダ部200に接触することによって駆動部40から動力の伝達を受けて駆動シャフト部100が回転し、制動本体部430がハウジング部410から離隔して制動シャフト部420が駆動シャフト部100の回転に連動してハウジング部410の内側で回転する。
【0094】
図5を参照すると、マンモグラフィー装置1の電力が遮断された場合には、ハウジング部410に発生する磁力によって制動本体部430が左側(図5基準)に移動して接触し、制動本体部430の回転が停止する。
【0095】
制動本体部430の回転が阻止されることによって、制動本体部430の内側に結合する制動シャフト部420の回転も阻止される。
【0096】
図4図6を参照すると、駆動シャフト部100の一端部は制動シャフト部420に形成される挿入部421に挿入され、駆動シャフト部100の外側面と制動シャフト部420に形成される挿入部421の内側面との間には駆動制御部500が設置される。
【0097】
図7を参照すると、駆動制御部500は固定部510と回転部520とを含み、固定部510は制動シャフト部420、具体的には挿入部421の内側面に結合し、回転部520は固定部510の内側面上で回転可能に設置される。
【0098】
マンモグラフィー装置1に電力の供給が遮断されると、制動本体部430がハウジング部410に接触することによって制動本体部430、及び、制動本体部430と結合する制動シャフト部420の回転が遮断される。
【0099】
制動シャフト部420の回転が阻止されることによって、駆動シャフト部100は制動シャフト部420、具体的には挿入部421の内側で相対回転運動し、駆動制御部500によって駆動シャフト部100の回転方向が一方向に制限される。
【0100】
具体的には昇降部60が上側に移動するように、移送部50、及び、移送部50と結合する駆動シャフト部100が回転する方向(図4の左側から見た時に反時計回り方向)には回転が可能であり、これと反対の方向には回転が阻止される。
【0101】
換言すると、昇降部60が下側に移動するように、移送部50、及び、移送部50と結合する駆動シャフト部100が回転する方向(図4の左側から見た時に時計回り方向)への回転のみが許容される。
【0102】
これにより、電力の供給の遮断時、圧迫部70が下側に移動することを阻止し、圧迫部70が対象体5をつづけて加圧することによって発生する人身事故を防止できる効果がある。
【0103】
図4図5を参照すると、第1支持部600が挿入部421と駆動シャフト部100との間に設置されることによって、駆動シャフト部100の一端部(図4基準右側端部)にかかる回転荷重を支持し、駆動シャフト部100と制動シャフト部420の間で発生する摩擦による摩耗および損傷を防止できる効果がある。
【0104】
図4図5を参照すると、本発明の一実施例に係る第2支持部700が本体部10に設置され、駆動シャフト部100と連結される一端部(図4基準左側端部)の反対側の他端部(図4基準右側端部)と結合される。
【0105】
これにより、制動シャフト部420の他端部(図4基準右側端部)にかかる回転荷重を支持し、制動シャフト部420と本体部10の間で発生する摩擦による摩耗を防止できる効果がある。
【0106】
本発明は図面に図示された実施例を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術が属する分野で通常の知識を有する者であればこれから多様な変形および均等な他の実施例が可能であることが理解できるはずである。したがって、本発明の技術的保護範囲は下記の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0107】
1:マンモグラフィー装置
R:放射線
5:対象体
10:本体部
20:撮影部
30:照射部
40:駆動部
50:移送部
60:昇降部
70:圧迫部
100:駆動シャフト部
101:結合溝部
200:ローダ部
300:動力伝達部
400:非常制動部
410:ハウジング部
420:制動シャフト部
421:挿入部
430:制動本体部
500:駆動制御部
510:固定部
520:回転部
521:結合突出部
600:第1支持部
700:第2支持部
710:支持プレート部
711:支持ホール部
713:締結ホール部
720:支持本体部
730:締結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7