【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、冒頭に述べた種類のMAS・NMR試料ヘッド構造によって、驚くほど簡単かつ効果的に解決される。このMAS・NMR試料ヘッド構造は:
ステータ保持部が、ステータを軸方向へ挿入可能かつ取出可能であるステータ軸受を有して形成されており、
ステータは挿入された状態のときRFコイル構造を貫いて突出し、挿入と取出のためにRFコイル構造を通して挿通可能であり、
試料ヘッド構造は、ステータが挿入された状態のときステータがステータ軸受で軸方向に固定可能にする手段を含んでいることを特徴とする。
【0012】
本発明の枠内では、ステータとステータ保持部又はMAS・NMR試料ヘッド構造は、ステータをステータ軸受の中へ軸方向に(通常動作の場合におけるロータの回転軸に沿って)差し込むことができ、あるいはステータ軸受から引き出せるように構成される。それによりステータを容易に組み付けて、例えば整備目的などのために取り外すことができる。軸方向の挿入と取出は、特に、高いコストのかかるMAS・NMR試料ヘッド構造の分解をすることなく、半径方向よりもはるかに容易である。しかも、必要があれば、ステータの交換を、ステータそのものだけに限定することができ、MAS・NMR試料ヘッドのその他の構成要素(特にRFコイル構造)は、原則として一緒に交換する必要がない。ただし場合によっては、(駆動及び/又は支承及び/又は温度調節のための)ガス配管の取外しと再装着が必要になる場合があるが、これはわずかなコストにしかならない。
【0013】
ステータは、ステータ保持部又はステータ軸受で軸方向へ可動に装着され、挿入された状態のとき、典型的にはクランプ又は応力固定によって、機械的に可逆的に又は一時的に軸方向で固定可能である。ステータの軸方向の固定は、特に、積極的係合(軸方向で後方で係合する固定部品による)及び/又は摩擦接合(半径方向に押圧をする固定部品による)によって行うことができる。軸方向の固定が、通常動作(測定動作)で通常発生する力には良好に耐えることができれば十分であるが、さらに高い力によって克服することもできる。ステータの簡単な軸方向の固定は、たとえば、半径方向でステータに対して押圧する、特に、ステータを取り囲む弾性部材、特にシールリングを通じて行うことができる。
【0014】
ステータ軸受は、挿入された状態にあるステータを半径方向で位置決めし、及び好ましくは回転軸を中心とする回転位置に関しても位置決めする。ステータは、通常の状態において、挿入された状態で配置され、すなわちステータ軸受に配置される。この状態にあるとき、各測定物質を計測するために、ロータをステータへ挿入(及び取出)することができる。
【0015】
ステータは、試料ヘッド構造での組立時や整備目的のために、RFコイル構造が設置されたままで、ひとまとめで挿入及び取出をすることができ、特に、試料ヘッド構造から取り外すことができる。そして、たとえば、ステータの洗浄作業(たとえばロータの破損の結果として測定物質が放出された場合)をいっそう容易に実施することができ、特にRFコイル構造の取外しをすることなく、損傷したステータをいっそう容易に取り替えることができる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態
本発明による試料ヘッド構造の1つの好ましい実施形態では、
ステータが、第1の軸受ベースと、外装部材と、第2の軸受ベースとを含んでおり、外装部材は第1の軸受ベースと第2の軸受ベースとを軸方向で互いに連結し、第1の軸受ベースは第1の空気圧式の軸受として構成され、第2の軸受ベースは第2の空気圧式の軸受として構成され、
第2の軸受ベースは最大の外径AD2を有し、
外装部材は、第2の軸受ベースに軸方向で隣接して最大の外径ADVを有する前側区域を有しており、
RFコイル構造は最小の内径IDSを有し、
AD2<IDSかつADV<IDSであることを意図する。
【0017】
この設計形態によって、簡単な方法で、確実に、ステータの前側部分をRFコイル構造に内部でこれを通過させることができる。挿入された状態のとき、ステータの外装部材の前側区域と第2の軸受ベースは、RFコイル構造を貫いて突出する。この設計形態は実際に、特に有用性が実証されている。第2の軸受ベースと外装部材の前側区域(すなわちステータの前側の部分全体)の外径をRFコイル構造の内径に比べて小さくしたため、ステータをRFコイル構造に容易に挿通させることが可能である。前側区域は典型的にはLV≧0.5
*LSあるいはLV≧1.0
*LSの長さLVを有する。ここでLSはRFコイル構造の長さである(つながれた複数のサブコイルがあるケースでは、もっとも内側のサブコイルを基準とする)。典型的には、ステータは第1の空気圧式の軸受のすぐ手前までRFコイル構造に突入する。外装部材により、一方ではロータとステータの間にガス流を構成し、他方では、ステータ及び/又は外装部材の内部及び/又は外部で空間を構成し得ることで、特別な条件のもとにおける、たとえば、特別な温度や圧力状況におけるMAS・NMR測定に合わせた、特に最適化された状況を作り出すことができる。さらには、連結をする外装部材によって、ひとまとめで取扱可能なステータ構成要素を構成することができる。
【0018】
この実施形態の1つの好ましい発展例では、第1の軸受ベース及び/又は外装部材は第1の軸受ベースの領域において最大の外径AD1を有しており、AD1>IDSである。第1の軸受ベースは、この実施形態では、RFコイル構造の内部又はRFコイル構造を越えて(第2の軸受ベースが)可能であるよりも広い、半径方向の空間を利用することができる。このようにして、特に堅牢で剛性が高い第1の空気圧式の軸受を達成することができる。
【0019】
ステータ保持部が第1のシール材を有し、これによって第1の軸受ベース及び/又は外装部材が、第1の軸受ベースの領域において、ステータ保持部に対して気密に封止される発展例も好ましい。ステータ保持部が第2のシール材を有し、これによって第2の軸受ベース及び/又は外装部材が、第2の軸受ベースの領域において、ステータ保持部に対して気密に封止される発展例も同様に好ましい。特に、第1及び第2のシール材を一緒に使用することもできる。これらのシール材は、たとえば駆動、支承、温度調節などのためのガス流を作り出して案内することができ、たとえば試料ヘッド構造の1つ又は複数の領域を的確に温度調節するために、互いに分離されたガス流を生成することができる。シール材は典型的にはゴムなどのエラストマーからなる。さらに、シール材はステータを軸方向で固定する役目を果たすことができ、もしくはこれに寄与することができる。
【0020】
外装部材が気密に構成される発展例が特別に好ましい。それにより外装部材は、MAS・NMR測定のために最適化された条件を作り出すために、ガス流をロータ及び/又はステータに沿って案内し、互いに離れたガス空間を作り出すのに特別に良好に寄与することができる。特に、RFコイル構造に関わりなくロータを温度調節することができる。たとえば、ロータ又は測定物質を冷却することができる。
【0021】
さらに試料ヘッド構造が、ステータが挿入された状態のとき、外装部材によって一緒に区切られた、RFコイル構造が中に配置される気密の空間を形成する発展例が好ましい。そして外装部材は、ステータをひとまとめで取扱可能にするために軸受ベースを相互に連結する構造的構成要素としての役目だけでなく、(挿入された状態のとき)RFコイル構造の気密な空間のための分離壁としての役目も果たす。それにより、半径方向で特にコンパクトな設計を実現することができる。さらに、MAS・NMR測定を最適化するために、RFコイル構造を的確に特別な条件に、特に、ロータや試料ヘッド(試料ヘッド構造とも呼ぶ)の周囲とは異なる条件に置くことが可能である。
【0022】
このとき、気密の空間が排気されていると特別に好ましい。それにより、RFコイル構造を非常に良好に熱的に絶縁することができる。
【0023】
RFコイル構造が気密の空間内で、好ましくはT≦100Kの、さらに好ましくはT≦40K、又はT≦20Kの極低温の温度Tまで冷却されるのも好ましい。RFコイル構造の極低温の温度により、MAS・NMR測定の信号対雑音比を改善することができる。留意すべきは、この空間がロータの周囲(特にステータの中)で典型的には室温になっていることである(別案として、ロータ又は測定物質をガス流によって的確に温度調節することもできる)。
【0024】
ロータを取り囲む空間であって特にステータの内部が、好ましくはT
R≦300Kの、特別に好ましくはT
R≦100K、又はT
R≦20Kの温度T
Rまで冷却されるのも好ましい。冷却での温度調節により、MAS・NMR測定について所望の条件を確立するために、スピン緩和、特に、減速などの測定試料内のプロセスに影響を及ぼすことができる。冷却は、典型的には駆動ガス及び/又は軸受ガスによって行われる。それに対して、RFコイル構造が中に配置される気密の空間は、典型的には室温である(別案として、気密の空間又はRFコイル構造でこれ以外の温度を的確に調整することもできる)。
【0025】
制御装置が存在するのが好ましく、これによってロータを取り囲む空間を特にステータの内部で温度T
Rに関して、好ましくは0℃≦T
R≦80℃の、特に好ましくは−40℃≦T
R≦150℃の温度範囲内で調整することができる。このような温度範囲は生物学的な測定試料について特に適しており、特に、ロータ温度を作動時に変性温度以下に保つことができれば、タンパク質の変性を回避することができる。
【0026】
さらに、挿入された状態のときにステータをステータ軸受で軸方向に固定可能である手段が、固定をする位置のときステータに軸方向で後方で係合する、可動又は取外し可能な固定部品を含んでおり、特に、可動又は取外し可能な固定部品は、第1の軸受ベースの領域でステータに作用する実施形態が好ましい。軸方向での後方からの係合により、特に信頼度の高い軸方向の固定を実現することができる。典型的にはステータは、軸方向の遊びを回避するために、固定部品によって(固定をする位置にあるときに)軸方向でも(他の)ステータ保持部に弾性的に応力固定される。固定部品は(固定をする位置にあるときに)多くの場合、(他の)ステータ保持部にねじ止めされる。固定をする位置にないとき(たとえば引き戻し、離反旋回、又は持ち上げ位置などにあるとき)、ステータの軸方向の移動距離は、たとえばステータの取外しなどのために、制限されていない。後方から軸方向に係合する固定部品には、ステータに対して軸方向に押圧をする弾性部材が配置されていてよい。別案として、可動の固定部品は、固定をする位置にあるときは、弾性部材などによって(たとえばエラストマー体やばねを有するものによって)半径方向でステータに対して押圧をして、これを摩擦接合で固定することができる。可動の固定部品は、たとえば植込ボルトとして構成されていてよく、その前側端部に弾性部材が配置される。
【0027】
挿入された状態のときにステータをステータ軸受で軸方向に固定可能である手段が少なくとも1つの定置の固定部品を含んでおり、定置の固定部品は、ステータが挿入された状態のときにステータに対して半径方向に押圧をする弾性部材を有して構成され、特に、シールリングとして構成された2つの定置の固定部品が設けられている実施形態が好ましい。(ステータ保持部に対して)定置の固定部品は、特に簡単に配置することができる。少なくとも1つの定置の固定部品は、ステータが挿入された状態であるときに、ステータを摩擦接合によって固定する。この保持力は、ステータを通常動作(測定動作)のとき軸方向で固定されたまま保つのに十分である。しかし、組立や整備のために、保持力に抗して、軸方向に、ステータをステータ軸受へ挿入してステータ軸受から取り出すことができる。弾性部材は、典型的にはエラストマー材料からなっており、特に150℃を上回る温度での用途についてはフルオロエラストマーからなり、−40℃を下回る用途についてはシリコンゴム又はフルオロシリコンゴムからなる。
【0028】
別案として弾性部材は、たとえばPTFEなどの弾性の低い材料や、弾性の低い材料と、たとえばばねの形態のプレテンション部材との組み合わせで具体化されていてもよい。シールリング(ガスケット)によって、軸方向の固定に追加して、たとえばRFコイル構造のための排気された空間を確立するために、ガス封止を行うことができる。
【0029】
さらにステータ保持部が、ステータ保持部においてステータが軸方向へ最大限繰り込まれた位置を定める軸方向のストッパを形成しており、特に、軸方向のストッパは、第1の軸受ベース又は第1の軸受ベースを包囲する領域の外装部材によって形成されるステータの肩部と協働する実施形態が好ましい。ストッパによって、ステータの軸方向の位置と、したがって、ステータ内に配置されたロータの軸方向の位置も(一緒に)簡単な仕方で定めることができる。典型的には、ステータは軸方向の固定によってストッパに対して押圧される。第1の軸受ベースを包囲する領域において第1の軸受ベース又は外装部材に肩部が構成されることで、RFコイル構造へ挿入可能な試料容量が悪影響を受けることがなく、それにより特に大きな試料容量を利用することができる。
【0030】
さらに、以下のような実施形態が好ましい:
第1の空気圧式の軸受と第2の空気圧式の軸受がロータをステータにおいて半径方向に支持するために構成されており、
第1の空気圧式の軸受の領域でロータの円筒状の区域に第1の軸受面を半径R1で構成するとともに、第2の空気圧式の軸受の領域で第2の軸受面を半径R2で構成するロータがステータに挿入されることを意図する実施形態。この2つの空気圧式の軸受はステータを半径方向において適切な位置に保持する(「ラジアル軸受」)。留意すべきは、第2の軸受面がロータの(特に端部区域の)円筒状の面に、又は(特に端部区域の)テーパ状の面に位置できることである。軸受面の半径Riは、ステータの付属のノズル出口開口部に関して中央の位置を基準とする。異なる軸方向位置に複数のノズル出口開口部があるケースでは、軸受面の半径はこれらのノズル出口開口部の平均の軸方向位置の中央を基準とする。同様のことが、ステータのノズル出口開口部の半径riについても該当する。
【0031】
前側端部が狭くなったロータを有する発展例
これに加えて、R2<R1、さらには特にAD2=ADVである発展例が特に好ましい。半径R1を有する後側の第1の軸受面又はロータの円筒状の区域に比べて、半径R2を有する前側の第2の軸受面を狭く構成することで、第2の軸受(ラジアル軸受)又はそのステータ側の部分を構成するための半径方向の空間が提供される。それによって第2の軸受を、第1の軸受よりもステータ側で狭く構成することができる。
【0032】
留意すべきは、このとき第2の軸受は、円筒状の区域に比べて小さい半径を有する、又は、円筒状の区域から離れるにつれて減少していく半径を有するロータの端部区域に構成されることである。
【0033】
この発展例に対応する、ロータとステータとを含むMAS・NMRロータシステムは、一方の端部(前側、第2の空気圧式の軸受の周辺)で、他方の端部(後側、第1の空気圧式の軸受の周辺)よりも半径方向に狭く構成することができる。それにより、ロータシステムの前側端部(端部区域と、円筒状の区域の少なくとも1つの部分とを含む)を、(第1の空気圧式の軸受を有する)後側端部を嵌め込むことはできない半径方向に区切られた空間へと容易に挿入することができる。
【0034】
本発明に基づく形状により、ステータとロータが軸方向に挿入されるRFコイル構造(RFコイルシステム)を、ロータ又は測定物質の非常に近傍まで近づけることができる。RFコイル構造の内部で測定物質のために利用可能な容積が、円筒状の区域で作用する第1の空気圧式の軸受の半径方向の幅によって規定されず、半径方向で小さいほうの端部区域に配置された第2の空気圧式の軸受の半径方向の幅(又は、円筒状の区域のほうが大きい半径方向の幅を有している場合には円筒状の区域そのもの)によってのみ規定される。全体として、ロータシステムの非常にコンパクトな構成が可能である。
【0035】
ロータシステムが軸方向でRFコイル構造へ挿入されれば、このRFコイル構造でのロータシステムの交換が一般に非常に容易に可能である。特に、RFコイル構造を試料ヘッド構造から取り外さずに、ステータを取り扱うことができる(たとえば差し込んだり、引き出したりすることができる)。真空絶縁などの、RFコイル構造のための絶縁を、特に、内側半径が一定であって、実質的に軸方向に延びる内壁によって、非常に簡単に構成することができる。本発明によるロータシステムによって、特に、このような絶縁が良好に利用可能である。特に、ステータの一部(たとえば外装部材)を、半径方向内側に位置する部分として、又はRFコイル構造の絶縁の内壁として利用することができる(上記参照)。
【0036】
軸方向における円筒状の区域の半径R1に比べたとき、端部区域の半径R2は、連続的に、又は区域的に連続的に、あるいは1つもしくは複数の段部をもって減少し得る。さらに、円筒状の区域から端部区域への移行も連続的に、あるいは段部をもって行うことができる。留意すべきは、第2の軸受面が回転軸と平行に延び得る、あるいは回転軸に対して円錐角をもって延び得ることである。第2の軸受は(及び第1の軸受も)、ロータを半径方向において適切な位置に保持する。
【0037】
ADV=AD2である場合に、RFコイル構造の内部において、最大の試料容量のための最適な空間利用を最も多く実現することができる。
【0038】
等しい直径のラジアル軸受を有するロータを有する発展例
別案の発展例ではR2=R1であり、このとき第2の軸受面もロータの円筒状の区域に構成される。このようなロータ/ステータシステムは特に容易に製造することができるが、RFコイル構造とロータの中の測定物質との間でさほど小さな間隔を可能にするものではない。
【0039】
その他の発展例
軸受ベースのうちの一方に、特に第2の軸受ベースに、さらに第3の空気圧式の軸受が構成されており、これによってステータに配置されるロータを軸方向で保持することができ、特に、ロータが、回転軸に対して垂直に向けられた第3の軸受面を有している発展例も好ましい。第3の空気圧式の軸受により、ステータの中でのロータの軸方向への変位を防ぐために、ロータに対して軸方向の保持力を及ぼすことができる。
【0040】
このとき、軸受ベースのうちの他方には、特に第1の軸受ベースには、さらにカウンタ軸受が構成されてよく、これによってステータに配置されるロータを追加的に軸方向で保持できる。カウンタ軸受により、たとえばカウンタ軸受に圧力が及ぼされることで、第3の空気圧式の軸受をサポートすることができる。カウンタ軸受は、特に、
−特に、ステータ内に少なくとも1つのノズル出口開口部と、回転軸に対して直交するロータの軸方向端部の第4の軸受面とを有する、空気圧式のアキシャル軸受として、
−空気圧式の円錐軸受として、
−特に栓又は絞りを有する、受動的な背圧生成に基づく軸受として、
−特に、可動の栓、可変の絞り、又は空気吹込部を有する、軸受面のない、能動的な背圧生成に基づく軸受として
構成されていてよい。
【0041】
本発明に基づく利用法
本願の発明の範囲は、ロータに充填された測定物質をMAS・NMR実験で測定するための、上に説明した本発明による試料ヘッド構造の利用法も含み、ここで、ロータはステータの中に配置されており、ステータはステータ軸受に挿入されて固定されており、ロータは、好ましくは少なくとも1kHzの周波数で、特別に好ましくは少なくとも10kHzの周波数で、回転軸を中心として回転する。特に、それぞれのMAS・NMRの実験と実験との間に必要に応じて(たとえば整備のためや、損傷時の交換のために)、RFコイル構造を取り外すことなく、ステータをステータ軸受から軸方向に引き出して、ステータを再びステータ軸受に差し込むことができる。
【0042】
本発明のその他の利点は、発明の詳細な説明と図面から明らかとなる。同様に、上に挙げた構成要件及び以下に記載する構成要件は、本発明に基づき、それぞれ個々に単独で又は任意の複数の組み合わせとして実現することができる。図示及び記載されている実施形態は完全な列挙として理解されるものではなく、むしろ、本発明を記述するための例示としての性格を有するものである。
【0043】
発明と図面の詳細な説明
本発明が図面に示されており、実施例を参照しながら詳しく説明する。図面は次のものを示す。