(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0011】
[リニアコンベアの全体構成]
図1は、本発明にかかるリニアコンベアの斜視図であり、
図2は、
図1の矢印II方向から見たリニアコンベアの側面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すリニアコンベア1は、搬送経路である走行部1Aと、この走行部1Aに沿って走行するスライダ3とを備える。このリニアコンベア1は、モジュール構造を有しており、上記走行部1Aは、一列に連結された複数のモジュール2と、各モジュール2を基台Ba上で支持する複数の橋脚部材4と、スライダ3の走行を制御する統括コントローラ5と、電源装置6とを含む。
【0013】
当例では、走行部1Aは直線かつ有端であり、スライダ3が当該走行部1Aに沿って往復移動する。以下の説明では、この走行部1A(搬送経路)と平行な方向をX方向、水平面(基台Ba)上でこれと直交する方向をY方向と称し、X方向における一方側(
図1の右側)をX(+)側、その反対側をX(−)側と称し、Y方向における一方側(
図1の手前側)をY(+)側、その反対側をY(−)側と称する。X方向及びY方向の双方に直交する方向は上下方向であるため、そのまま上下方向と称する。
【0014】
各モジュール2は、同一の構成である。モジュール2は、X方向に細長い平面視長方形の金属製構造体からなるベースフレーム10と、X方向に互いに平行に延びる一対のレール11と、これらレール11に沿って各々配置された複数の電磁石12及び複数のスケール検出器13と、カバーフレーム15と、モジュールコントローラ16とを備えている。
【0015】
電磁石12は、リニアモータ固定子を構成するものであり、スケール検出器13は後述する磁気スケール23と共にリニアスケール(リニアエンコーダとも称す)を構成するものである。
【0016】
ベースフレーム10の上面のうち、Y方向両端近傍の位置に上記一対のレール11が配置され、これらレール11の間の位置に、上記複数の電磁石12と上記複数のスケール検出器13とが横並び(Y方向に間隔を隔てて)配置されている。具体的には、電磁石12がY(−)側に、スケール検出器13がY(+)側に位置するようにこれらが横並び配置されている。
【0017】
レール11、電磁石12及びスケール検出器13は、ベースフレーム10の上面に固定された上記カバーフレーム15によって覆われている。詳しくは、カバーフレーム15は、電磁石12とスケール検出器13の間の位置から上方に延びる脚部15aと、その上端からY方向に延びてレール11、電磁石12及びスケール検出器13を上から覆うカバー部15bとを備えた断面略T字形を成している。カバー部15bは、モジュール全体に亘ってX方向に延びており、これにより、レール11、電磁石12及びスケール検出器13の全体がこのカバーフレーム15によって覆われている。
【0018】
ベースフレーム10の下面には、上記モジュールコントローラ16が固定されている。モジュールコントローラ16は、電磁石12の通電を制御するものであり、統括コントローラ5から送信される情報と、スケール検出器13が検出する情報とに基づき電磁石12の通電を制御する。
【0019】
モジュールコントローラ16は、後述する中継ユニット31を介して隣接するモジュール2のモジュールコントローラ16に電気的に接続されるとともに、統括コントローラ5又は電源装置6に電気的に接続されている。この点については、後に詳しく説明する。
【0020】
上記複数のモジュール2は、X方向の端面同士を突き合わせた状態で上記橋脚部材4に固定され、当該橋脚部材4を介して一列に連結されている。このように連結された各モジュール2が協働して上記走行部1Aを構成している。
【0021】
一方、スライダ3は、フレーム20と、一対のガイドブロック21と、磁石ユニット22と、磁気スケール23とを備えている。
【0022】
フレーム20は、
図2に示すように、カバーフレーム15の上方に位置する平面視長方形又は正方形のテーブル部20aと、このテーブル部20aのY方向両端から各々下方に延びてカバーフレーム15(カバー部15b)の内側に回り込む一対の脚部20bとを備えており、上記ガイドブロック21がこれら脚部20bの下面に固定されている。各ガイドブロック21は、上記レール11にスライド自在に装着されている。これにより、スライダ3が当該レール11に沿って、すなわち走行部1Aに沿って移動自在となっている。
【0023】
フレーム20の2つの脚部20bのうちY(−)側の脚部20bには、さらに上記磁石ユニット22が固定され、Y(+)側には、さらに上記磁気スケール23が固定されている。
【0024】
磁石ユニット22は、リニアモータ可動子を構成するものである。この磁石ユニット22は、X方向に並ぶ複数の永久磁石を各々有しかつ電磁石12の両側(Y方向両側)に配置された一対の磁石列(図示省略)を備えている。一方、磁気スケール23は、上記スケール検出器13と共にリニアスケールを構成するもので、脚部20bのうち、スケール検出器13に対向する位置に固定されている。
【0025】
この構成により、各モジュール2の電磁石12の通電が制御されると、電磁石12に生じる磁束と永久磁石の磁束との相互作用によりスライダ3に推進力が生成され、この推進力によりスライダ3がレール11に沿って走行する、すなわち走行部1Aに沿って走行するようになっている。なお、
図1では、スライダ3は一つであるが、複数のスライダ3が備えられていてもよい。
【0026】
走行部1Aを構成する上記複数のモジュール2は、橋脚部材4を介して基台Baに支持されている。詳しくは、走行部1AのX(+)側の末端に位置するモジュール2のX(+)側の端部と、互いに隣接するモジュール2の連結部分と、走行部1AのX(−)側の末端に位置するモジュール2のX(−)側の端部とに、各々、橋脚部材4が配置され、これら橋脚部材4を介して各モジュール2が基台Baに支持されている。
【0027】
各モジュール2は、橋脚部材4にボルトで固定されている。具体的には、各モジュール2のベースフレーム10のY方向両端であって各々X方向の両端には、ボルト孔10aが形成されている。これらボルト孔10aにボルトが挿入され、当該ボルトが橋脚部材4に設けられたねじ孔に螺合挿入されることでモジュール2が橋脚部材4に固定されている。当例では、
図1に示すように、ベースフレーム10のY方向両端であって各々X方向の両端には、同一間隔でX方向に並ぶ一対のボルト孔10aが形成されている一方、橋脚部材4の上面におけるY方向両端の各々の位置には、X方向に並ぶ4つのねじ孔(図示省略)が形成されている。これらのねじ孔は、隣接する一組のモジュール2が、橋脚部材4のX方向中央で突き合わされたときに、各モジュール2のボルト孔10aに対応する位置に形成されている。
【0028】
なお、橋脚部材4のねじ孔は、モジュール2の端面と橋脚部材4の端面とがX方向に揃うように橋脚部材4に対してモジュール2をずらしたときに、上記ボルト孔10
aと合致するように設けられている。そのため、走行部1Aの末端では、
図1に示すように、モジュール2の末端と橋脚部材4の末端とが揃うように橋脚部材4が配置され、この状態でモジュール2が橋脚部材4に固定されている。
【0029】
各橋脚部材4は、同一の構成である。橋脚部材4は、上記ねじ孔などが設けられた脚本体30と、この脚本体30に組み付けられた中継ユニット31とを備えている。
【0030】
脚本体30は、金属製の構造体であり、平面視長方形の平板状のベース部30aと、その上面から各々上向きに突出し、X方向に互いに平行に延びる一対のモジュール取付部30bとを備えた断面視略U字型の形状を有している。
【0031】
モジュール取付部30bは、上記ねじ孔が形成された平坦な上面を有しており、モジュール2は、当該上面に支持されてボルトで当該モジュール取付部30bに固定されている。
【0032】
中継ユニット31は、隣接するモジュール2のモジュールコントローラ16同士を電気的に接続(中継)するとともに、統括コントローラ5又は電源装置6とモジュールコントローラ16とを電気的に接続(中継)するものである。
【0033】
ここで、モジュールコントローラ16及び中継ユニット31の構成について詳しく説明する。
【0034】
モジュールコントローラ16は、
図3に示すように、X方向に細長いプリント配線板等の回路基板からなる。このモジュールコントローラ16には、モジュール2のX(−)側の末端近傍の位置でY方向に並ぶ第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aが設けられるとともに、モジュール2のX(+)側の末端近傍の位置で、前記コネクタ42a、43aと等間隔でY方向に並ぶ第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bが設けられている。第1、第2通信コネクタ42a、42bはY(+)側に位置し、第1電源コネクタ43a、43bはY(−)側に位置している。
【0035】
これらのコネクタ42a、42b、43a、43bは、例えば基板実装型の雄型コネクタであり、詳しく図示していないが、雄型のコネクタハウジングとこれに保持された雌型のコネクタ端子とを備え、コネクタ端子が回路基板の回路に電気的に接続された構成を有している。上記コネクタ42a、42b、43a、43bは、中継ユニット31側に設けられる相手側コネクタ(後記第1〜第4相手側通信コネクタ32a〜
32d及び第1〜第4相手側電源コネクタ33a〜33d)に対して上下方向に抜き差しできるように、モジュールコントローラ16(回路基板)の下面に下向きに設けられている。
【0036】
中継ユニット31もモジュールコントローラ16と同様にプリント配線板等の回路基板からなる。中継ユニット31は、
図2に示すように、橋脚部材4(脚本体30)の上記一対のモジュール取付部30bの間に配置され、上記ベース部30aにスペーサー等を介して固定されている。
【0037】
図4は、中継ユニット31の平面模式図である。この
図4は、中継ユニット31の平面模式図であり、よって、Y方向の(+)と(−)とが
図3とは逆転している。
【0038】
同図に示すように、中継ユニット31には、モジュールコントローラ16(モジュール2)の上記第1、第2通信コネクタ42a、42b及び第1、第2電源コネクタ43a、43bが選択的に接続される相手側コネクタが設けられている。具体的には、X方向に所定間隔で一列に並ぶ第1〜第4の4つの相手側通信コネクタ32a〜32dと、そのY
(−)側の位置で、当該相手側通信コネクタ32a〜32dと同じ配列でX方向に一列に並ぶ、第1〜第4の4つの相手側電源コネクタ33a〜33dとが設けられている。すなわち、第1相手側通信コネクタ32aと第1相手側電源コネクタ33aとはY方向に横並びに配置され、第2相手側通信コネクタ32bと第2相手側電源コネクタ33bとはY方向に横並びに配置され、第3相手側通信コネクタ32cと第3相手側電源コネクタ33cとはY方向に横並びに配置され、第4相手側通信コネクタ32dと第4相手側電源コネクタ33dとはY方向に横並びに配置されている。なお、第1〜第4相手側通信コネクタ32a〜32dと第1〜第4相手側電源コネクタ33a〜33dとのY方向の間隔は、モジュールコントローラ16の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43a(第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43b)のY方向の間隔に対応した間隔である。
【0039】
第1、第3相手側通信コネクタ32a、32cは、モジュールコントローラ16の第1通信コネクタ42aが接続されるものであり、第2、第4相手側通信コネクタ32b、32dは、モジュールコントローラ16の第2通信コネクタ42bが接続されるものである。また、第1、第3相手側電源コネクタ33a、33cは、モジュールコントローラ16の第1電源コネクタ43aが接続されるものであり、第2、第4相手側電源コネクタ33b、
33dは、モジュールコントローラ16の第2電源コネクタ43bが接続されるものである。
【0040】
相手側通信コネクタ32a〜32dは、モジュールコントローラ16の通信コネクタ42a、42bのうち、対応するものが嵌合可能な雌型コネクタである。同様に、相手側電源コネクタ33a〜33dも、モジュールコントローラ16の電源コネクタ43a、43bのうち、対応するものが嵌合可能な雌型コネクタである。これらのコネクタ32a〜32d、33a〜33dは、基板実装型のコネクタであり、詳しく図示していないが、雌型のコネクタハウジングとこれに保持された雄型のコネクタ端子とを備え、コネクタ端子が回路基板の回路に電気的に接続されている。
【0041】
第1〜第4相手側通信コネクタ32a〜32d及び第1〜第4相手側電源コネクタ33a〜33dは、何れも第1
、第2通信コネクタ42a
、42b及び第1
、第2電源コネクタ43a
、43bが上下方向に抜き差しできるように、上向きの姿勢で中継ユニット31(回路基板)に設けられている。
【0042】
中継ユニット31には、さらに通信ポートコネクタ34及び電源ポートコネクタ35がさらに設けられている。これらのコネクタ34、35は、中継ユニット31のY(+)側の端縁に沿ってX方向に配列されている。具体的には、通信ポートコネクタ34と電源ポートコネクタ35とがX(−)側からこの順番で配置されている。これらのコネクタ34、35も中継ユニット31の他のコネクタ32a〜32d、33a〜33dと同様の基板実装型の雌型コネクタである。
【0043】
通信ポートコネクタ34及び電源ポートコネクタ35は、何れも相手側コネクタ(統括コントローラ5及び電源装置6の接続配線のコネクタ)を横方向(Y方向)に抜き差しできるように、Y(+)側に向く姿勢で回路基板に実装されている。なお、
図1に示すように、脚本体30のモジュール取付部30bには、横方向に貫通する開口部30cが形成されており、コネクタ34、35は、この開口部30cを通じてY(+)側に露出している。これにより、各コネクタ34、35に対して、橋脚部材4(脚本体30)の外側(Y(+)側)から相手側コネクタの抜き差しが可能となっている。
【0044】
中継ユニット31には、第1相手側通信コネクタ32a及び第4相手側通信コネクタ32dと通信ポートコネクタ34とを繋ぐ第1通信回路36と、第2相手側通信コネクタ32bと第3相手側通信コネクタ32cとを繋ぐ第2通信回路37と、第2相手側電源コネクタ33b及び第4相手側電源コネクタ33dと電源ポートコネクタ35とを繋ぐ第1電源回路38と、第1相手側電源コネクタ33a及び第3相手側電源コネクタ33cと電源ポートコネクタ35とを繋ぐ第2電源回路39とが設けられている。これらの回路36〜39は電気的に互いに独立している。
【0045】
なお、第1電源回路38と第2電源回路39とは、電源ポートコネクタ35の互いに異なるコネクタ端子35a、35b(
図6B参照)に繋がっており、後述する短絡コネクタ40が電源ポートコネクタ35に接続されると導通状態となり、第1、第3相手側電源コネクタ33a、33cと第2、第4相手側電源コネクタ33b、33dとを電気的に接続するようになっている。
【0046】
ここで、橋脚部材4の配置のうち、走行部1AのX(−)側の末端に配置される橋脚部材4の当該位置を第1末端位置P1とし、互いに隣接するモジュール2の連結位置に配置される橋脚部材4の当該位置を連結位置P2とし、走行部1AのX(+)側の末端に配置される橋脚部材4の当該位置を第2末端位置P3とすると、これらの位置P1〜P3との関係において、中継ユニット31側のコネクタ32a〜32d、33a〜33dは、モジュールコントローラ16(モジュール2)側のコネクタ42a、42b、43a、43bに対して以下のように設けられている。
【0047】
図5に模式的に示すように、橋脚部材4が連結位置P2に配置された状態では、X
(−)側に位置するモジュール2の第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bと、中継ユニット31の第2相手側通信コネクタ32b及び第2相手側電源コネクタ33bとが対向し、X
(+)側に位置するモジュール2の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aと、中継ユニット31の第3相手側通信コネクタ32c及び第3相手側電源コネクタ33cとが対向するように、中継ユニット31の第2相手側通信コネクタ32b及び第2相手側電源コネクタ33bの位置と、第3相手側通信コネクタ32c及び第3相手側電源コネクタ33cの位置とが設定されている。
【0048】
また、橋脚部材4が第1末端位置P1に配置された状態では、モジュール2の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aと、中継ユニット31の第1相手側
通信コネクタ32a及び第1相手側電源コネクタ33aとが対向するように、中継ユニット31の当該第1相手側通信コネクタ32a及び第1相手側電源コネクタ33aの位置が設定されている。
【0049】
さらに、橋脚部材4が第2末端位置P3に配置された状態では、モジュール2の第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bと、中継ユニット31の第4相手側通信コネクタ32d及び第4相手側電源コネクタ33dとが対向するように、中継ユニット31の当該第4相手側通信コネクタ32d及び第4相手側電源コネクタ33dの位置が設定されている。
【0050】
この構成により、上記リニアコンベア1においては、互いに隣接するモジュール2のうち、X(−)側に位置するモジュール2(モジュールコントローラ16)の第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bが、連結位置P2の中継ユニット31(橋脚部材4)の
第2相手側通信コネクタ32b及び
第2相手側電源コネクタ33bに接続され、X(+)側に位置するモジュール2の
第1通信コネクタ42a及び
第1電源コネクタ43aが、上記中継ユニット31の第3相手側通信コネクタ32c及び第3相手側電源コネクタ33cに接続されている。
【0051】
また、X(−)側の末端に位置するモジュール2の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aが、第1末端位置P1の中継ユニット31の第1相手側通信コネクタ32a及び第1相手側電源コネクタ33aに接続されている。
【0052】
さらに、X(+)側の末端に位置するモジュール2の第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bが、第2末端位置P3の中継ユニット31の第4相手側通信コネクタ32d及び第4相手側電源コネクタ33dに接続されている。
【0053】
なお、第1末端位置P1に配置された橋脚部材4の中継ユニット31には、
図1に示すように、統括コントローラ5及び電源装置6が接続されている。すなわち、統括コントローラ5の接続配線に設けられた図外のコネクタが通信ポートコネクタ34に接続されている。また、電源装置6の接続配線に設けられた図外のコネクタが電源ポートコネクタ35に接続されている。これにより、X(−)側の末端に位置するモジュール2は、
図6A及び
図7に示すように、第1通信コネクタ42a、第1相手側通信コネクタ32a、第1通信回路36および通信ポートコネクタ34を介して統括コントローラ5に電気的に接続されるとともに、
図6A及び
図8に示すように、第1電源コネクタ43a、第1相手側電源コネクタ33a、第2電源回路39及び電源ポートコネクタ35を介して電源装置6に接続されている。
【0054】
また、連結位置P2に配置された橋脚部材4の中継ユニット31には、
図1に示すように、短絡コネクタ40が接続されている。短絡コネクタ40は、第1電源回路38と第2電源回路39とを導通状態に短絡させるものである。すなわち、電源ポートコネクタ35には、第1電源回路38に繋がるコネクタ端子35aと第2電源回路39に繋がるコネクタ端子35bとが保持されており、他方、短絡コネクタ40には、上記両コネクタ端子35a、35bに接触してこれらを接続するコネクタ端子及び回路が含まれている。これにより、短絡コネクタ40が電源ポートコネクタ35に接続された状態では、第1電源回路38と第2電源回路39とが接続状態となり、短絡コネクタ40が電源ポートコネクタ35から外された状態では、第1電源回路38と第2電源回路39とが遮断状態となる。
【0055】
連結位置P2に配置された橋脚部材4の中継ユニット31には、上記の通り短絡コネクタ40が接続されている。そのため、互いに隣接するモジュール2は、
図6A及び
図7に示すように、第2通信コネクタ42b、第2相手側通信コネクタ32b、第2通信回路37、第3相手側通信コネクタ32c、第1通信コネクタ42aを介して互いに通信可能に接続されるとともに、
図6A及び
図8に示すように、第2電源コネクタ43b、第2相手側電源コネクタ33b、第1電源回路38、電源ポートコネクタ35、短絡コネクタ40、電源ポートコネクタ35、第2電源回路39、第3相手側電源コネクタ33c及び第1電源コネクタ43aを介して電源供給可能に接続されている。
【0056】
なお、図示を省略するが、モジュールコントローラ16には、その回路の一部として、第1通信コネクタ42aと第2通信コネクタ42bとを繋ぐ通信中継回路と、第1電源コネクタ43aと第2電源コネクタ43bとを繋ぐ電源中継回路とが設けられている。
【0057】
これにより、走行部1Aを構成する複数のモジュール2と統括コントローラ5とが通信可能に連結されるとともに、電源装置6と上記複数のモジュール2とが電力供給可能に連結されている。すなわち、
図7及び
図8に示すように、統括コントローラ5から送信される制御信号などは、第1末端位置P1に配置された橋脚部材4の中継ユニット31を介してX(−)側の末端のモジュール2に送信され、当該モジュール2から順次橋脚部材4の中継ユニット31を介して隣接するモジュール2に送信される。また、電源装置6からの電力も同様に、第1末端位置P1に配置された橋脚部材4の中継ユニット31を介してX(−)側の末端のモジュール2に供給され、当該モジュール2から順次橋脚部材4の中継ユニット31を介して隣接するモジュール2に供給されることとなる。
【0058】
なお、
図8の例では、X(−)側末端のモジュール2に供給される電力を順次橋脚部材4(中継ユニット31)を介して隣接するモジュール2に供給しているが、これ以外に、走行部1Aの途中部分でモジュール2に電力を供給することもできる。
【0059】
図10はその具体例を示している。すなわち、同図のリニアコンベア1では、連結位置P2のうち、X(−)側から2つ目の連結位置P2に配置された橋脚部材4の中継ユニット31に、電源装置6がさらに接続されている。詳しくは、当該中継ユニット31の電源ポートコネクタ35には、短絡コネクタ40の代わりに、電源装置6の接続配線の図外のコネクタが接続され、電源装置6が上記コネクタ端子35bを介して第2電源回路39に接続されている。これにより、
図9及び
図10に示すように、当該電源装置6からの電力が電源ポートコネクタ35、第2電源回路39、第3相手側電源コネクタ33c及び第1電源コネクタ43aを介してモジュール2(
図10のX(+)側から2つめのモジュール2)に供給されている。つまり、この構成では、X(−)側に位置する2つのモジュール2と、それよりX(+)側に位置する2つのモジュール2とに別々の電源装置6から電力が供給される。このような構成は、走行部1Aを構成する複数のモジュール2の電力を一つの電源装置6で賄えない場合に有効な構成となる。
【0060】
ここで、上述した実施形態のリニアコンベア1の構成と、本発明との対応関係について説明すると次の通りとなる。
【0061】
このリニアコンベア1では、走行部1AのX(+)側の末端及びX(−)側の末端の各々に位置するモジュール2が本発明の末端モジュールに相当する。
【0062】
また、このリニアコンベア1では、モジュールコントローラ16の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aの各々が本発明の第1モジュール側接続部に相当し、第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bの各々が本発明の第2モジュール側接続部に相当する。
【0063】
また、中継ユニット31の第2相手側通信コネクタ32b及び第2相手側電源コネクタ33bの各々が本発明の第1ユニット側接続部に相当し、第3相手側通信コネクタ32c及び第3相手側電源コネクタ33cが本発明の第2ユニット側接続部に相当し、第2通信回路37が本発明の第1回路部に相当し、第1、第2電源回路38、39、電源ポートコネクタ35及び短絡コネクタ40が同様に本発明の第1回路部に相当する。
【0064】
また、中継ユニット31の第1相手側通信コネクタ32a及び
第1相手側電源コネクタ33aの各々が本発明の第3ユニット側接続部に相当し、通信ポートコネクタ34
及び電源ポートコネクタ35が本発明の第4ユニット側接続部に相当し、第1通信回路36
及び第2電源回路39が本発明の第2回路部に相当する。
【0065】
また、電源ポートコネクタ35および短絡コネクタ40が本発明の切替部材に相当し、電源ポートコネクタ35のコネクタ端子35b等が本発明の電源接続部に相当する。
【0066】
[リニアコンベアの作用効果]
上記のリニアコンベア1によれば、互いに隣接する一組のモジュール2に跨るように中継ユニット31が配置され、当該一組のモジュール2(モジュールコントローラ16)と中継ユニット31とがコネクタで直接接続されることにより、当該一組のモジュール2が中継ユニット31を介して互いに電気的に接続されている。具体的には、X(−)側のモジュール2の第2通信コネクタ42b及び第2電源コネクタ43bと中継ユニット31の第2相手側通信コネクタ32b及び第2相手側電源コネクタ33bとが接続されるとともに、X(+)側のモジュール2の第1通信コネクタ42a及び第1電源コネクタ43aと中継ユニット31の第3相手側通信コネクタ32c及び第3相手側電源コネクタ33cとが接続されることにより、当該一組のモジュール2が中継ユニット31を介して互いに電気的に接続されている。
【0067】
そのため、走行部1Aが複数のモジュール2により構成されるモジュール構造を採用しながらも、電線(ワイヤーハーネス)を用いることなくモジュール2同士を電気的に接続することができる。従って、従来のこの種のリニアコンベア(背景技術の特許文献1)に比べると、通信線や電力供給線についてその省配線化を図ることができ、ひいてはリニアコンベア1の省スペース化や組立性の向上を図ることができる。
【0068】
特に、上記リニアコンベア1によれば、モジュール2を支持する橋脚部材4に中継ユニット31が設けられているため、走行部1Aの組立時に、隣接するモジュール2同士の電気的な接続作業を併せて行うことができる。すなわち、走行部1Aの組立時には、例えば橋脚部材4を一定の間隔で並べ、隣接する橋脚部材4に亘ってモジュール2を載置したうえで、当該モジュール2をボルトで橋脚部材4に固定することになるが、橋脚部材4に亘ってモジュール2を載置する際に、モジュール2の各通信コネクタ42a、42b及び電源コネクタ43a、43bを中継ユニット31の相手側通信コネクタ32a〜32d及び
相手側電源コネクタ33a〜33dに接続することで、橋脚部材4に対するモジュール2の機械的な組み付け作業と、中継ユニット31に対するモジュール2の電気的な接続作業とを併せて行うことができる。そのため、電線(ワイヤーハーネス)の配策および接続作業を、リニアコンベア1の機械的な組立作業とは別に行う必要がある従来のこの種のリニアコンベアに比べると、組立工数を低減することができる。従って、この点もリニアコンベア1の組立効性が向上する。
【0069】
また、上記リニアコンベア1によれば、第1末端位置P1、連結位置P2及び第2末端位置P3に配置される橋脚部材4は全て同一構造であり、上述のように、各位置P1〜P3に配置された橋脚部材4に対してモジュール2を載置すれば、モジュール2(モジュールコントローラ16)側の各コネクタ42a、42b、43a、43bが、中継ユニット31側の所望のコネクタ32a〜32d、33a〜33dに対向するように、当該中継ユニット31側のコネクタ32a〜32d、33a〜33dの位置が設定されている。そのため、上記リニアコンベア1によれば、組立時に橋脚部材4の仕様間違いといったトラブルをもたらすおそれがない。よって、この点でもリニアコンベア1の組立性が向上する。
【0070】
また、上記リニアコンベア1によれば、電線(ワイヤーハーネス)を用いることなくモジュール2同士を電気的に接続することができるので、走行部1Aの全長を変更したい事情が生じた場合でも、走行部1Aの途中部分にモジュール2及び橋脚部材4を追加する、又は走行部1Aの途中からモジュール2及び橋脚部材4を取り外してその両側に位置するモジュール2と橋脚部材4とを固定するだけで速やかに対応でき、電線(ワイヤーハーネス)の追加や変更を伴うことがない。従って、より簡単に走行部1Aの全長を変更することができるという利点がある。
【0071】
また、走行部1Aを構成する何れかのモジュール2が故障した場合でも、そのモジュール2を交換するだけで速やかに対応することができる。そのため、メンテナンス性にも優れたものとなる。
【0072】
また、上記リニアコンベア1によれば、第1末端位置P1の橋脚部材4の中継ユニット31に電源装置6を接続して、X(−)側の末端のモジュール2から順次隣接するモジュール2に電力を供給する電力供給形態以外に、
図10に示したように、電源装置6を増設し、走行部1Aの途中部分でモジュール2に電力を供給することもできる。そのため、走行部1Aの具体的な構成に応じて、各モジュール2に適切に電力を供給することができる。特に、後発的に走行部1Aを延長するような場合には、モジュール2の増加に伴い、一部のモジュール2に電力不足が生じることが考えられるが、上記リニアコンベア1によれば、後発的に電源装置6を増設することで、電力不足を解消することができる。しかも、電源装置6を増設する際には、短絡コネクタ40の代わり、中継ユニット31の電源ポートコネクタ35に電源装置6のコネクタを接続することで電源装置6を増設することができるので、非常に簡単に、電源装置6を増設することができるという利点がある。
【0073】
[変形例等]
上記実施形態のリニアコンベア1は、本発明にかかるリニアコンベアの好ましい実施形態の例示であって、リニアコンベアの具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、次のような構成を採用することもできる。
【0074】
(1)実施形態では、リニアコンベア1は、一つの走行部1Aのみを有する構成であるが、例えば2つの走行部1Aを並列に並べ、トランスファ装置により一方側の走行部1Aの末端から他方側の走行部1Aの末端にスライダ3を移載することにより、2つの走行部1Aに亘ってスライダ3を走行させるような構成を採用してもよい。この場合には、一方側の走行部1Aにおける第2末端位置P3の中継ユニット31(橋脚部材)の通信ポートコネクタ34と、他方側の走行部1Aにおける第1末端位置P1の中継ユニット31の通信ポートコネクタ34とを電線(ワイヤハーネス)で接続することにより、一方側の走行部1Aのモジュール2と他方側の走行部1Aのモジュール2とを通信可能に接続するようにすればよい。つまり、一方側の中継ユニット31の第4相手側通信コネクタ32d、第1通信回路36、通信ポートコネクタ34、電線(ワイヤーハーネス)、他方側の中継ユニット31の通信ポートコネクタ34、第1相手側通信コネクタ32aを介して、一方側の走行部1Aのモジュール2と他方側の走行部1Aのモジュール2とを通信可能に接続すればよい。
【0075】
この場合には、一方側の走行部1Aにおける第2末端位置P3の中継ユニット31(橋脚部材)の電源ポートコネクタ35と、他方側の走行部1Aにおける第1末端位置P1の中継ユニット31の電源ポートコネクタ35とを同様に電線(ワイヤハーネス)で接続することにより、一方側の走行部1Aのモジュール2と他方側の走行部1Aのモジュール2とを電力供給可能に接続するようにすればよい。勿論、他方側の走行部1Aにおける第1末端位置P1の中継ユニット31に電源装置6を直接接続することにより、当該他方側の走行部1Aに電力を供給するようにしてもよい。
【0076】
(2)実施形態では、リニアコンベア1の走行部1Aは直線であるが、走行部1Aは、
図11Aに示すような平面視円弧状のものであってもよい。この場合には、同図に示すように、モジュール2や橋脚部材4(中継ユニット31)は平面視円弧状に構成され、中継ユニット31の各コネクタ32a〜32d、33a〜33d、34、35は、
図11Bに示すように、中継ユニット31の形状に準じた円弧に沿って配列される。
【0077】
なお、モジュール2及び中継ユニット31の形状やコネクタの配列等は、走行部1Aの具体的な形状に応じて、隣接するモジュール2の間で通信や電力供給が可能となるように適宜選定すればよい。
【0078】
(3)実施形態では、リニアコンベア1は、一つの走行部1Aを有するものであるが、
図12に示すように、背中合わせに2つの走行部1A、1B(第1走行部1A、第2走行部1Bという)を備え、走行部1A、1Bの各々に沿ってスライダ3が走行するように構成されていてもよい。図示の例は、平面図であり、このリニアコンベア1では、走行部1A、1Bは起立姿勢、すなわちレール11が上下に並ぶ姿勢で基台Baに支持され、スライダ3は走行部1A、1Bの側面に沿って走行する。
【0079】
第1走行部1Aにおけるモジュール2の連結位置と第2走行部1Bにおけるモジュールの連結位置とは同じ位置に設定され、両走行部1A、1Bの間に、それらに共通の橋脚部材4が配置され、これにより、第1走行部1Aのモジュール2と第2走行部1Bのモジュール2とが共通の橋脚部材4を介して基台Baに支持されている。
【0080】
同図に示すように、各橋脚部材4の中継ユニット31のうち、第1走行部1Aのモジュール2に対向する面には、第1走行部1Aのモジュール2(モジュールコントローラ16)に対応するコネクタ32a〜32d、33a〜33d、34、35が備えられ、第2走行部1Bのモジュール2に対向する面には、第2走行部1Bのモジュール2に対応するコネクタ32a〜32d、33a〜33d、34、35とが設けられている。すなわち、中継ユニット31には、第1走行部1Aのモジュール2に対応するコネクタと第2走行部1Bのモジュール2に対応するコネクタとが背中合わせに備えられている。
【0081】
このような構成によれば、第1走行部1Aと第2走行部1Bの2つの走行部(搬送経路)に対して中継ユニット31が共通化されるため、背中合わせに2つの走行部1A、1Bを備えたリニアコンベア1について、通信線や電力給線などの省配線化を図るとともに、その組立工数を軽減することが可能となる。
【0082】
(4)実施形態では、中継ユニット31の電源ポートコネクタ35に対して短絡コネクタ40が着脱されることで、第1電源回路38と第2電源回路39とが接続状態と遮断状態とに切り替えられる構成であるが(すなわち、第2相手側電源コネクタ33bと第3相手側電源コネクタ33aとが接続状態と遮断状態とに切り替えられる構成であるが)、短絡コネクタ40の代わりに、例えば中継ユニット31の回路基板上に切替スイッチ(発明の切替部材に相当する)を設け、この切替スイッチの操作により第1電源回路38と第2電源回路39とを接続状態と遮断状態とに切り替えるように構成してもよい。
【0083】
(5)実施形態では、リニアコンベア1は、走行部1A(モジュール2)を支持する橋脚部材4を備えており、当該橋脚部材4に中継ユニット31が設けられているが、橋脚部材4が省略され、走行部1Aが直接基台Baに固定される構成であってもよい。
以上説明した本発明をまとめると以下の通りである。
【0084】
本発明は、レール及びリニアモータ固定子を各々含みかつ一列に連結されて搬送経路を構成する複数のモジュールと、リニアモータ可動子を含み、前記搬送経路に沿って走行するスライダとを備えたリニアコンベアであって、互いに隣接する一組のモジュールの連結位置で当該一組のモジュールに跨って配置される少なくとも一つの中継ユニットを備え、前記複数のモジュールは、前記搬送経路に沿った方向の両端の同じ面に設けられた第1、第2モジュール側接続部を各々備え、かつ、前記第1モジュール側接続部が前記搬送経路に沿った方向の一方側に揃う状態で一列に連結され、前記中継ユニットは、前記一組のモジュールのうち、一方側のモジュールの前記第2モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第2モジュール側接続部に電気的に直接接続される第1ユニット側接続部と、他方側のモジュールの前記第1モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第1モジュール側接続部に電気的に直接接続される第2ユニット側接続部と、第1、第2ユニット側接続部を電気的に互いに接続する第1回路部と、を備えているものである。
【0085】
この構成によれば、互いに隣接する一組のモジュールに跨って配置された中継ユニットを介して当該一組のモジュールを電気的に接続することが可能となる。すなわち、第2モジュール側接続部、第1ユニット接続部、第1回路部、第2ユニット側接続部及び第1モジュール側接続部を介して前記一組のモジュールの間で各種通信や電力供給を中継することが可能となる。そのため、電線(ワイヤーハーネス)を用いてモジュール同士を接続することを抑制でき、通信線や電力給線などの省配線化を図ることが可能となる。
【0086】
上記の構成においては、前記モジュールを支持する橋脚部材をさらに備え、前記中継ユニットは、前記橋脚部材に設けられているのが好適である。
【0087】
この構成によれば、橋脚部材を設置した後、各モジュールを橋脚部材上に設置するのと併せて各モジュール側接続部と各ユニット側接続部とを接続することが可能となる。そのため、組立工数を低減してリニアコンベアを効率良く組み立てることが可能となる。
【0088】
上記のリニアコンベアにおいて、前記搬送経路は有端経路であって、当該搬送経路の末端に位置するモジュールである末端モジュールの反連結側の端部に前記中継ユニットがさらに配置されており、前記中継ユニットは、前記末端モジュールの反連結側の端部に配置された状態において、当該末端モジュールの反連結部側の端部に位置する第1モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第1モジュール側接続に電気的に直接接続される第3ユニット側接続部と、外部接続用の第4ユニット側接続部と、第3、第4ユニット側接続部を電気的に互いに接続する第2回路部とをさらに備えているのが好適である。
【0089】
この構成によれば、末端モジュールに対し、中継ユニットを介して外部から電気的な入力を行うことが可能となる。
【0090】
この場合、例えば、前記末端モジュールの反連結側の端部に配置された中継ユニットの前記第4ユニット側接続部に接続された電源装置をさらに備え構成とすることができる。
【0091】
この構成によれば、末端モジュールに対し、中継ユニットを介して外部から電力供給を行うことが可能となる。
【0092】
なお、上記のリニアコンベアにおいて、前記第1回路部は、第1ユニット側接続部と第2ユニット側接続部とを接続状態と遮断状態とに切り替え可能な切替部材を備え、前記切替部材は、前記遮断状態において、前記第1、第2ユニット側接続部のうちの何れか一方に電源装置を接続可能な電源接続部を備え、前記連結位置に配置される複数の中継ユニットのうち、少なくとも一つの中継ユニットは前記切替部材が遮断状態とされ、かつ、前記電源接続部に電源装置が接続されているものであってもよい。
【0093】
この構成によれば、隣接する一組のモジュールの連結位置に配置された中継ユニットを介して、搬送経路の途中部分でモジュールに対して電力供給を行うことが可能となる。
【0094】
上記のリニアコンベアにおいて、前記搬送経路は、複数のモジュールにより構成された第1搬送経路と、複数のモジュールにより構成され、前記第1搬送経路と平行かつ背中合わせに設けられた第2搬送経路とを含み、かつ、前記第1搬送経路におけるモジュールの連結位置と前記第2搬送経路におけるモジュールの連結位置とが前記搬送経路に沿った方向の同じ位置に設定され、前記中継ユニットは、第1搬送経路側のモジュールに対応する前記第1、第2ユニット側接続部及び第1回路部と、第2搬送経路側のモジュールに対応する前記第1、第2
ユニット側接続部及び第1回路部とを背中合わせに備えているものであってもよい。
【0095】
この場合、前記末端モジュールの反連結側の端部に前記中継ユニットが配置されるものについては、前記中継ユニットは、第1搬送経路側のモジュールに対応する前記第3、第4ユニット側接続部及び第2回路部と、第2搬送経路側のモジュールに対応する前記第3、第4ユニット側接続部及び第2回路部とをさらに背中合わせに備えているものであってもよい。
【0096】
これらの構成によれば、第1搬送経路と第2搬送経路の2つの搬送経路に対して中継ユニットが共通化される。そのため、背中合わせに2つの搬送経路を備えたリニアコンベアについて、通信線や電力給線などの省配線化を図るとともに、その組立工数を軽減することが可能となる。
【0097】
一方、本発明の中継ユニットは、レール及びリニアモータ固定子を各々含みかつ一列に連結されて搬送経路を構成する複数のモジュールを備えたリニアコンベアの互いに隣接する一組のモジュールの連結位置で当該一組のモジュールに跨って配置される中継ユニットであって、前記複数のモジュールは、前記搬送経路に沿った方向の両端の同じ面に設けられた第1、第2モジュール側接続部を各々備え、かつ、前記第1モジュール側接続部が前記搬送経路に沿った方向の一方側に揃う状態で一列に連結されるものであり、当該中継ユニットは、前記一組のモジュールのうち、一方側のモジュールの前記第2モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第2モジュール側接続部に電気的に直接接続される第1ユニット側接続部と、他方側のモジュールの前記第1モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第1モジュール側接続部に電気的に直接接続される第2ユニット側接続部と、第1、第2ユニット側接続部を電気的に互いに接続する第1回路部と、を備えているものである。
【0098】
なお、前記搬送経路が有端経路である場合には、当該中継ユニットは、前記搬送経路の末端に位置するモジュールである末端モジュールの反連結側の端部にさらに配置されるものであり、当該反連結側の端部に配置された状態において、前記末端モジュールの反連結部側の端部に位置する第1モジュール側接続部に対向する位置に設けられて当該第1モジュール側接続に電気的に直接接続される第3ユニット側接続部と、外部接続用の第4ユニット側接続部と、第3、第4ユニット側接続部を電気的に互いに接続する第2回路部とをさらに備えているのが好適である。
【0099】
これらの中継ユニットによれば、上述したようなリニアモータの中継ユニットとして好適に用いることが可能となる。
【0100】
上記の中継ユニットにおいては、前記第1、第2ユニット側接続は、前記搬送経路に沿った方向に並んでおり、この並び方向における前記第1、第2ユニット側接続の外側の位置に、前記第3ユニット側接続部が設けられているのが好適である。
【0101】
この構成によれば、モジュールに対して中継ユニットを前記搬送経路に沿った方向にずらすだけで、当該中継ユニットを、隣接する一組のモジュールに跨って配置することも、末端モジュールの反連結部側の端部に配置することも可能となる。