特許第6676775号(P6676775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676775
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】アルコール性の泡
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/04 20190101AFI20200330BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20200330BHJP
【FI】
   C12G3/04
   A23L29/231
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-545705(P2018-545705)
(86)(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公表番号】特表2018-533983(P2018-533983A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】IB2015059005
(87)【国際公開番号】WO2017085533
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】518175566
【氏名又は名称】イベックス・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(73)【特許権者】
【識別番号】518175577
【氏名又は名称】ドゥルデン・コンセプト・ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ペリエ・セドリック
(72)【発明者】
【氏名】マルメ・オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ラシ−ラヴィ・ギヨーム
【審査官】 千葉 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/010652(WO,A1)
【文献】 特開2010−213645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
CAplus/WPIDS/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含むアルコール性の泡:
−エタノール水溶液;
から構成される水溶液;
0.5g.L.−110g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤;
0.5g.L.−1〜10g.L.−1のペクチン
−0.1g.L.−1〜1.0g.L.−1の塩
【請求項2】
上記のエタノール水溶液が、0.5体積%のエタノール〜99.5体積%のエタノール含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項3】
上記泡が体積%〜95体積%のエタノール水溶液含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項4】
上記泡が0.8g.L.−15.0g.L.−1のペクチン含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項5】
上記泡が0.1g.L.−10.3g.L.−1の塩を含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項6】
上記泡が0.1g.L.−11.0g.L.−1の炭水化物含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項7】
上記界面活性剤が、16未満HLBを有する界面活性剤の間で選択される、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項8】
上記のエタノール水溶液が、ウォッカ、ラム酒、ジン、ウィスキー、アブサン、テキーラ、中性スピリッツまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項9】
上記泡がプロペラントガスをさらに含む、請求項1に記載のアルコール性の泡。
【請求項10】
以下のステップ
i.上記界面活性剤を、沸騰させた上記水溶液の全体積の少なくとも10体積%中に混合することによって初期溶液を調製し、この際、この初期溶液は、これが均一になるまで80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
ii.上記初期溶液にペクチンを添加することによって原液を調製し、この際、この原液は、これが均一になるまで80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
iii.上記エタノール水溶液の少なくとも10体積%を上記原液に徐々に添加することによって使用液を調製し、この際、上記原液は65℃と75℃との間の温度で維持されるステップ
を含む、請求項1に記載のアルコール性の泡を製造する方法であって、ステップiiが上記塩を添加することをさらに含む方法
【請求項11】
ステップiii)が、エタノール水溶液を複数回に分けておよび水溶液の残りを複数回に分けて上記原液に添加することをさらに含み、ここで使用液は各々の分けられた部分の添加前に均一である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
−ステップi)が、炭水化物の全量の少なくとも50重量%を上記初期溶液に添加することをさらに含み;かつ
−ステップii)が、炭水化物の残りを添加することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
上記方法がステップiii)後に以下をさらに含む、請求項10に記載の方法:
iv.上記使用液を容器に入れること;
v.上記容器を密閉し、当該容器をプロペラントガスで加圧すること。
【請求項14】
食物または飲料にトッピングするための、請求項1〜9のいずれか1つに記載のアルコール性の泡の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール性の泡、それの使用およびそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコール飲料は、長い間、液体形態で提供されてきた。ワインおよびワイン生産は、ワイン造りにおける決定的な進歩と関連するローマ帝国の画期的出来事であった。北欧において、ウィスキーの最初の証拠は、特にスコットランドまたはアイルランドにおいて蒸留の技術の発達のおかげで15世紀に遡ることができる。
【0003】
近年、ゲル、エマルションまたは泡のような代替形態にあるアルコール飲料に対する需要が高まっており、これらは従来の液体形態と比較してアルコール飲料を消費するための最新の形態と考えられる。
【0004】
しかしながら、アルコール、特にエタノールが非液体飲料においてかく乱物質(disturbing agent)であることが急速にわかってきた。泡またはエマルションにおけるアルコールの存在は、当該泡またはエマルションを不安定化し、その結果、アルコールのかく乱効果を相殺するために当該泡またはエマルションに添加剤を添加することが必要である。この点に関して、飲料産業は幾つかの代替を開発してきた。
【0005】
1つの解決策は、泡を安定化するためにタンパク質を添加することである。例えば、文献WO2012/010652(特許文献1)は、卵白タンパク質を含むアルコール性組成物を開示している。
【0006】
別の解決策は、US4943443(特許文献4)に開示されるように、泡またはエマルションを安定化するために添加剤、例えばポリホスフェートおよびラクテートを添加することである。
【0007】
1つの代替解決策は、脂肪物質、例えば乳製品派生物を添加することにより、液体飲料をエマルションに変換することである。文献WO2008/008393(特許文献2)は、クリーム、全乳またはスキムミルクを含むアルコール性エマルションを記載している。
【0008】
非液体形態のアルコール飲料を得るための別の解決策は、ゲルを調製することである。文献WO2012/123742(特許文献3)は、風味剤、果汁および水を含むアルコール性組成物にゼラチンを溶解させることによって製造されたゲルベースのショットを記載している。液体または泡とは対照的に、ゲルは、定常状態にある場合に流動性を示さない実質的に希釈された架橋系として定義される。
【0009】
タンパク質または脂肪物質の添加は、エマルションまたは泡の形態に影響を及ぼすだけでなく、飲料の風味およびそのテクスチャーにも影響を与える。ユーザーは、アルコール性の泡は、軽く、フレッシュでかつ力強いことを期待している。反対に、タンパク質または脂肪物質は、粘性の、密なまたはペースト状の傾向があるエマルションまたは泡を与える。タンパク質および脂肪物質はまた、望ましくないカロリーを飲料に追加し、それらを健康的でないものにする傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2012/010652
【特許文献2】WO2008/008393
【特許文献3】WO2012/123742
【特許文献4】US4943443
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、泡の特徴、例えば軽さおよびフレッシュさを保つための最小量の添加剤を含むアルコール性の泡に対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的の1つは、公知の泡に関する制限がない泡を提供することである。
【0013】
本発明の目的の1つは、出来る限り軽くおよび/またはフレッシュな泡を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、泡が無ガスの場合に粘度が低い、泡の状態および/または液体状態で泡を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、最小量の添加剤、例えば界面活性剤、糖、脂肪材料、タンパク質または他の乳製品派生物を有する泡を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、持続可能な泡を提供することであり、これは、ユーザーが飲料を楽しむことができるように泡が十分に長く泡の状態にあることを意味する。
【0017】
本発明において、これらの目的は以下を含むアルコール性の泡により達成される:
−エタノール水溶液;
−実質的に水から構成される水溶液;
−約0.5g.L.−1〜約10g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤;
−約0.5g.L.−1〜10g.L.−1のペクチン;
【0018】
本発明等は、少なくとも1つの界面活性剤とペクチンとの組み合わせをさらに含むエタノール水溶液をベースとするアルコール性の泡を製造することが可能であることを見出した。特に、ペクチンの存在は、泡のフレッシュさおよび軽さを改善できる界面活性剤の必要量を最小限にすることができる。ペクチンは、アミド化ペクチンおよび/または非アミド化ペクチンを含むことができる。本発明の泡のために特に適しているペクチンはE440を含む。1つの実施態様において、上記泡は、約0.8g.L.−1〜約5.0g.L.−1のペクチン、好ましくは約0.8g.L.−1〜約1.3g.L.−1のペクチンを含む。
【0019】
エタノールは、古くから泡のかく乱物質として記載されている。特に、控えめなエタノール濃度、典型的には約10体積%およびそれ未満のエタノール、または25体積%超およびそれを超える高いエタノール濃度を用いて泡を提供する場合に困難に直面し得ることが報告されてきた。有利には、本発明により、従来技術とは対照的に広い範囲のアルコール濃度を有する泡、特に0.5体積%エタノール〜60体積%エタノールを含むアルコール性の泡を製造することができる。
【0020】
本発明によりまた、水、約0.5g.L.−1〜約10g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤、約0.5g.L.−1〜10g.L.−1のペクチンから実質的に構成される水溶液を含む、アルコールなしの泡を製造することができる。アルコール性の泡に関してここで記載される実施態様は、変更すべきところは変更して、アルコールなしの泡にも適用される。
【0021】
1つの実施態様において、上記エタノール水溶液は、0.5体積%のエタノール〜99.5体積%のエタノール、好ましくは約10体積%のエタノール〜60体積%のエタノール、より好ましくは約35体積%のエタノール〜55体積%のエタノールを含む。
【0022】
1つの実施態様において、上記エタノール水溶液は約10体積%のエタノール〜25体積%のエタノールを含む。典型的には、上記エタノール水溶液は、特に控えめなエタノール濃度を有するアルコール性の泡を得るために、ワイン、リンゴ酒または任意の他の果物ベースのアルコールを含むことができる。
【0023】
別の実施態様において、上記エタノール水溶液は約35体積%のエタノール〜55体積%のエタノールを含む。例えば、上記のエタノール水溶液は、特に高エタノール濃度を有するアルコール性の泡を得るために、飲料またはカクテルの作製に古くから使用される市販のアルコール、例えばウォッカ、ラム酒、ジン、ウィスキー、アブサン、テキーラ、中性スピリッツまたはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0024】
別の実施態様において、上記エタノール水溶液は約85体積%のエタノール〜99.5体積%のエタノールを含む。例えば、エタノール水溶液は中性スピリッツを含むことができる。
【0025】
1つの実施態様において、上記泡は、約5体積%〜95体積%のエタノール水溶液、好ましくは約50体積%〜90体積%のエタノール水溶液、より好ましくは約80体積%〜85体積%のエタノール水溶液を含む。
【0026】
1つの実施態様において、上記アルコールの泡は、約1.0g.L.−1〜約5.0g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤、好ましくは約1.0g.L.−1〜約1.5g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤を含む。
【0027】
1つの実施態様において、上記界面活性剤は、16未満、好ましくは12未満、より好ましくは9未満のHLB(親水性−親油性バランス)を有する界面活性剤の中から選択される。本発明の泡は、広範囲の界面活性剤を用いて製造することができる。
【0028】
従来技術の多くの泡では、軽くて持続性のアルコール性の泡を得るために、12より大きい、特に9より大きいHLBを有する界面活性剤を使用することが勧められる。従って、従来技術に従うと、現存の界面活性剤の重要な種類は、アルコール性の泡を製造するために適切でない。驚くべきことに、本発明に従う泡において、12未満のHLBを有する界面活性剤、または全体で12未満のHLB、特に9未満のHLBを有する界面活性剤の混合物、または全体で9未満のHLBを有する界面活性剤の混合物を、軽く、粘性が低く、フレッシュな泡を製造するために使用できることが、本発明者らにより発見される。
【0029】
1つの実施態様において、上記界面活性剤は、脂肪酸のモノグリセリド類、脂肪酸のジグリセリド類、脂肪酸のモノグリセリドのクエン酸エステル類、脂肪酸のジグリセリドのクエン酸エステル類またはそれらの組み合わせの中から選択される。本発明の泡のために特に適している界面活性剤は、E471、E472cを単独で、または組み合わせて含む。
【0030】
1つの実施態様において、上記泡は、約0.1g.L.−1〜約1.0g.L.−1の塩、好ましくは約0.1g.L.−1〜約0.3g.L.−1の塩を含む。上記塩は、海塩または他の食用塩から選択することができる。上記塩は、微量のイオン、例えばヨウ化物イオン、フッ化物イオンとともにNaClにより実質的に構成されることができる。
【0031】
上記泡における塩の存在により、泡の構造を強めることができる。特に、上記塩は泡におけるペクチンの粘り(bodying)を増強する。
【0032】
塩はまた、泡におけるペクチンの構造化効果も高める。約0.1g.L.−1〜約0.3g.L.−1のような最小限の量の塩が泡の構造を改善するために十分であることに留意することが重要である。
【0033】
1つの実施態様において、上記泡は、約0.1g.L.−1〜約1.0g.L.−1の炭水化物、好ましくは約0.5g.L.−1〜約0.7g.L.−1の炭水化物を含む。例えば、炭水化物類は、スクロース、例えばビートの根またはサトウキビスクロースを含むことができる。
【0034】
炭水化物の存在は、泡の製造の間の溶液の均質化を助ける。特に、炭水化物は、泡の製造の間の、特に初期溶液(initial solution)および/または原液(stock solution)の製造の間の、塊の形成を最小化する。風味を消すことや粘性のテクスチャーを有する泡を提供することなく、泡の製造を促進するためには、0.5g.L.−1および約0.7g.L.−1のような最小限の量の炭水化物で十分であることに留意することが重要である。
【0035】
1つの実施態様において、上記泡は、プロペラントガス、典型的には二酸化炭素COまたは亜酸化窒素NOあるいはそれらの混合物を含む。
【0036】
1つの実施態様において、本発明の泡は、以下を含むかまたは以下からなる:
−82.5体積%のエタノール水溶液(当該エタノール水溶液は40体積%のエタノールを含む);
−17.5体積%の実質的に水(上記体積の水溶液となるような)から構成される水溶液;
−1.1g.L.−1〜1.6g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤、
−約0.9g.L.−1〜1.3g.L.−1ペクチン;
−0.2g.L.−1の塩;
−0.6g.L.−1の炭水化物。
【0037】
本発明はまた、以下のステップを含む、本発明のアルコール性の泡を製造するための方法に関する:
i)上記界面活性剤を、沸騰させた上記水溶液の全体積の少なくとも10体積%中に混合することによって初期溶液を調製し、この際、この初期溶液は、これが均一になるまで約80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
ii)上記初期溶液にペクチンを添加することによって原液を調製し、この際、この原液は、これが均一になるまで約80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
iii)上記エタノール水溶液の少なくとも10体積%を上記原液に徐々に添加することによって使用液(working solution)を調製し、この際、上記原液は約65℃と約75℃との間の温度で維持されるステップ。
【0038】
本発明者らは、上記界面活性剤、上記ペクチンおよび任意選択的に上記炭水化物および上記塩を、上記水溶液と組み合わせて上記エタノール水溶液に全て一緒に添加すると、得られる混合物は均質化するのが難しいことを見出した。さらに、その泡は粘性であり、泡に関してユーザーに期待されるフレッシュさがなかった。一旦泡が崩壊すると、液体は粘性であったが、さらにそれは例えばグラスにおいて不快な視覚効果をもたらす。
【0039】
対照的に、本発明の方法では、ペクチン(および任意選択的に炭水化物)の添加前の初期溶液の均質化により、泡の特徴、例えばフレッシュさまたは軽さを改善できる。同様に、上記エタノール水溶液の残りおよび上記水溶液の残りを添加する前の原液の均質化は、さらに泡の特性を改善する。
【0040】
ペクチンは、アルコール溶液において難溶性であるかまたはほぼ不溶性であることが知られている。本発明者らは、ペクチンの溶解度を高めるための解決策が、第1ステップにおいて水溶液および界面活性剤の混合物にペクチンを溶解することであることを見出した。第2ステップにおいて、予め製造した界面活性剤およびペクチンの水溶液にアルコール溶液を徐々に添加することができる。この2つのステップ工程により、アルコール溶液におけるペクチンの溶解度を高めることができる。
【0041】
本発明者らはさらに、アルコール水溶液および水溶液の残りを一度に原液に添加した場合に、ペクチンは当該溶液において難溶性であり、泡は非常に密であり、急速に液体状態に戻ることを見出した。
【0042】
また、ペクチンおよび界面活性剤の水溶液をエタノール水溶液に一度に添加すると得られる混合物が難溶性であることも留意するに値する。エタノール水溶液を徐々にエタノール水溶液に添加することによって均一な溶液を得ることが重要である。
【0043】
本発明の方法では、少なくとも10体積%のエタノール水溶液を原液に徐々に添加する。徐々に添加することにより、使用液のより良好な均質化が可能となり、軽さまたはフレッシュさのような泡の特徴の改善がもたらされる。エタノール水溶液の漸進的な添加はまた、使用液におけるペクチンの溶解度を改善する。
【0044】
1つの実施態様において、原液に添加される上記エタノール溶液および上記水溶液は室温、例えば25℃である。
【0045】
1つの実施態様において、ステップiii)はさらに、原液に上記水溶液の残りを少なくとも10%徐々に添加することを含む。
【0046】
1つの実施態様において、ステップiii)はさらに、エタノール水溶液を複数回に分けておよび水溶液の残りを複数回に分けて上記原液に添加することをさらに含み、ここで使用液は各々の分けられた部分の添加前に均一である、
1つの実施態様において、原液に一部のエタノール水溶液を徐々に添加することおよび一部の水溶液を徐々に添加することを交互に繰り返すことも可能である。
【0047】
1つの実施態様において、使用液は10%のエタノール水溶液を含む。使用液をストックすること、および要求に応じて、例えばクライアントからの注文を受けて使用液をエタノール水溶液および水溶液の残りで仕上げることが可能である。従って、本発明の方法は、泡を製造するための工業的プロセスを促進する。
【0048】
1つの実施態様において、最初に20%のエタノール水溶液を原液に徐々に添加し、第2に、エタノール水溶液および水溶液の残りを徐々に添加する。
【0049】
本発明の方法の1つの実施態様において:
−ステップi)はさらに、炭水化物の全量の少なくとも50重量%を初期溶液に添加することを含み;および
−ステップii)はさらに、炭水化物の残りを添加することを含む。
【0050】
1つの実施態様において、ステップii)はさらに、塩を添加することを含む。
【0051】
1つの実施態様において、使用液は容器に入れられ、密閉される。引き続き、使用液と組み合わされることによって泡を提供するプロペラントガス、典型的には二酸化炭素COまたは亜酸化窒素NOまたはそれらの混合物で容器を加圧する。上記容器は伝統的に、制御された様式で泡を分注するためのデバイスを備える。
【0052】
本発明のアルコール性の泡は、食物または飲料に上乗せするために使用することができる。本発明のアルコール性の泡は食用であり、単独でまたは他の食物もしくは飲料と組み合わせて、飲むことまたは摂取することができる。上記のアルコール性の泡を、ソフトドリンク上に分注するか、または任意の形態の他のアルコール飲料と組み合わせることによってカクテルを製造することができる。
【0053】
1つの実施態様において、上記のアルコール性の泡は、フレーバー剤、例えばバニラ、コーヒー、およびフルーツフレーバーまたは泡に香りをつけるのに適した他の任意のフレーバーをさらに含む。
【0054】
本発明の泡に関する上記実施態様は、変更すべきところは変更して、本発明の泡を製造するための方法に、および泡の使用に適用され、逆もまた同様である。
【0055】
本発明の方法、使用または泡は、単独の実施態様を含むことができる。
【0056】
本発明の方法、使用または泡は、複数の実施態様の組み合わせを含むことができる。
【0057】
本発明との関連において、「アルコール性溶液」および「エタノール性溶液」は置き換え可能である。
【0058】
本発明との関連において、「アルコール溶液」および「エタノール溶液」は置き換え可能である。本発明との関連において、「アルコール」は、食物および飲料アルコール、特にエタノールを表す。
【0059】
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.以下を含むアルコール性の泡:
−エタノール水溶液;
−実質的に水から構成される水溶液;
−約0.5g.L.−1〜約10g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤;
−約0.5g.L.−1〜10g.L.−1のペクチン。
2.上記のエタノール水溶液が、0.5体積%のエタノール〜99.5体積%のエタノール、好ましくは約10体積%のエタノール〜60体積%のエタノール、より好ましくは約35体積%のエタノール〜55体積%のエタノールを含む、上記1に記載のアルコール性の泡。
3.約5体積%〜95体積%のエタノール水溶液、好ましくは約50体積%〜90体積%のエタノール水溶液、より好ましくは約80体積%〜85体積%のエタノール水溶液を含む、上記1または2に記載のアルコール性の泡。
4.約1.0g.L.−1〜約5.0g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤、好ましくは約1.0g.L.−1〜約1.5g.L.−1の少なくとも1つの界面活性剤を含む、上記1〜3のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
5.約0.8g.L.−1〜約5.0g.L.−1のペクチン、好ましくは約0.8g.L.−1〜約1.3g.L.−1のペクチンを含む、上記1〜4のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
6.約0.1g.L.−1〜約1.0g.L.−1の塩、好ましくは約0.1g.L.−1〜約0.3g.L.−1の塩を含む、上記1〜5のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
7.約0.1g.L.−1〜約1.0g.L.−1の炭水化物、好ましくは約0.5g.L.−1〜約0.7g.L.−1の炭水化物を含む、上記1〜6のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
8.上記界面活性剤が、16未満、好ましくは12未満、より好ましくは9未満のHLBを有する界面活性剤の間で選択される、上記1〜7のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
9.上記界面活性剤が、脂肪酸のモノグリセリド、脂肪酸のジグリセリド、脂肪酸のモノグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のジグリセリドのクエン酸エステルまたはそれらの組み合わせの間で選択される、上記1〜8のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
10.炭水化物がスクロースである、上記1〜9のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
11.塩が実質的に塩化ナトリウムを含む、上記1〜10のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
12.上記ペクチンがアミド化ペクチンおよび/または非アミド化ペクチンを含む、上記1〜11のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
13.上記のエタノール水溶液が、ウォッカ、ラム酒、ジン、ウィスキー、アブサン、テキーラ、中性スピリッツまたはそれらの組み合わせを含む、上記1〜12のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
14.フレーバー剤をさらに含む、上記1〜13のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
15.プロペラントガスをさらに含む、上記1〜14のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
16.上記プロペラントガスが、二酸化炭素COおよび亜酸化窒素NOまたはそれらの組み合わせの間で選択される、上記1〜15のいずれか1つに記載のアルコール性の泡。
17.以下のステップを含む、上記1〜16のいずれか1つに記載のアルコール性の泡を製造する方法:
i.上記界面活性剤を、沸騰させた上記水溶液の全体積の少なくとも10体積%中に混合することによって初期溶液を調製し、この際、この初期溶液は、これが均一になるまで約80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
ii.上記初期溶液にペクチンを添加することによって原液を調製し、この際、この原液は、これが均一になるまで約80℃と100℃との間の温度で混合されるステップ;
iii.上記エタノール水溶液の少なくとも10体積%を上記原液に徐々に添加することによって使用液を調製し、この際、上記原液は約65℃と約75℃との間の温度で維持されるステップ。
18.ステップiii)が、少なくとも10体積%の上記水溶液の残りを上記原液に徐々に添加することをさらに含む、上記17に記載の方法。
19.ステップiii)が、エタノール水溶液を複数回に分けておよび水溶液の残りを複数回に分けて上記原液に添加することをさらに含み、ここで使用液は各々の分けられた部分の添加前に均一である、上記17または18に記載の方法。
20.−ステップi)が、炭水化物の全量の少なくとも50重量%を上記初期溶液に添加することをさらに含み;かつ
−ステップii)が、炭水化物の残りを添加することをさらに含む、上記17〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.ステップii)が上記塩を添加することをさらに含む、上記17〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.ステップiii)後に以下をさらに含む、上記17〜21のいずれか1つに記載の方法:
iv.上記使用液を容器に入れること;
v.上記容器を密閉し、当該容器をプロペラントガスで加圧すること。
23.食物または飲料にトッピングするための、上記1〜16のいずれか1つに記載のアルコール性の泡の使用。
【0060】
本発明の考えられる実施態様の詳細な説明
例として記載される3つの実施態様の説明により、本発明はより良く理解されるであろう。
【実施例】
【0061】
例1:
ウォッカをベースとするアルコール性の泡を以下に基づいて製造した:
−82.5体積%のウォッカ(40体積%)
−17.5体積%の水
−1.2g.L−1の界面活性剤としてのE471/E472の混合物
−1.0g.L−1のペクチンE440
−0.2g.L−1のNaCl
−0.6g.L−1のビートの根のスクロース。
【0062】
例1は、33体積%アルコールでのウォッカの泡の製造を記載している。
【0063】
第1ステップは、1Lの使用液の製造を目的とする。界面活性剤と0.3gのスクロースを115.5mLの沸騰水で希釈して、初期溶液を製造する。初期溶液を、当該溶液が均一になるまで85℃で撹拌する。その後、ペクチン、塩およびスクロースの残部を初期溶液に添加し、原液を製造する。原液を、当該溶液が均一になるまで85℃で撹拌する。その後、原液の温度を70℃まで低下させ、165mlのウォッカを徐々に添加する。使用液がウォッカの添加の間に均一なままとなるように、ウォッカの添加は数分かけて完了させる。その後、ウォッカの残部(660mL)および水の残部(59.5mL)を混合し、得られた混合物を70mLずつ70℃に維持された使用液に添加する。
【0064】
その後、使用液を容器に入れ、密閉し、二酸化炭素COで加圧する。
【0065】
例2:
ウォッカをベースとするアルコール性の泡を、例1に記載のプロセスに従うことにより、以下の成分に基づいて製造した:
−82.5体積%のウォッカ(40体積%)
−17.5体積%の水
−1.5g.L−1の界面活性剤としてのE471/E472の混合物
−1.25g.L−1のペクチンE440
−0.2g.L−1のNaCl
−0.6g.L−1のビートの根のスクロース。
【0066】
例3:
中性スピリッツをベースとするアルコール性の泡を以下に基づいて製造した:
−82.5体積%の中性スピリッツ(40体積%)
−7.5体積%の水
−1.2g.L−1の界面活性剤としてのE471/E472cの混合物
−1.0g.L−1のペクチンE440
−0.2g.L−1のNaCl
−0.6g.L−1のビートの根のスクロース。
【0067】
例3は、33体積%アルコールでの泡の製造を記載している。これに関して、中性スピリッツ−96体積%エタノール−を希釈して、40体積%エタノールの中性スピリッツを用意した。その後、希釈したスピリッツ(40体積%)をベースとする泡を、必要な変更を加えて例1のプロセスに従うことにより製造した。