(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676786
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】スプレーヘッドアセンブリおよびスプレーヘッド装置
(51)【国際特許分類】
B05B 1/02 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
B05B1/02
【請求項の数】34
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-562228(P2018-562228)
(86)(22)【出願日】2016年5月30日
(65)【公表番号】特表2019-517915(P2019-517915A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】CN2016083978
(87)【国際公開番号】WO2017206033
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2018年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 峙良
(72)【発明者】
【氏名】呉 旭民
(72)【発明者】
【氏名】呉 暁龍
(72)【発明者】
【氏名】盧 綽瑩
(72)【発明者】
【氏名】周 楽
【審査官】
高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−014351(JP,A)
【文献】
実開昭57−028762(JP,U)
【文献】
中国実用新案第203623605(CN,U)
【文献】
特開昭50−027112(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0018041(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00−3/18;7/00−9/08
F16L51/00−55/48
A01M1/00−99/00
A01G25/00−29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入液口、流路、および前記流路内に位置し前記流路に連通したバルブ口を含む配管構造と、
前記流路内に装着され、前記バルブ口の開閉を制御するためのバルブコアと、を含むスプレーヘッドアセンブリであって、
前記流路は、前記入液口の中軸線に対して傾斜して設けられたガス抜き流路を含み、前記バルブ口は、前記ガス抜き流路の頂端に位置し、前記ガス抜き流路の底端は前記入液口に連通しているスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記流路は、前記ガス抜き流路に連通した第1の主流路をさらに含み、前記入液口は、前記第1の主流路の頂端に位置していることを特徴とする請求項1に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項3】
前記流路は、前記第1の主流路と前記ガス抜き流路との間に連通した接続流路をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項4】
前記流路は、前記ガス抜き流路の頂端に連通した還流流路をさらに含み、前記バルブコアによって前記バルブ口の開閉を制御し、前記還流流路と前記ガス抜き流路に対する連通および遮断を実現することを特徴とする請求項3に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項5】
前記還流流路は、前記ガス抜き流路に平行に設けられ、かつ前記ガス抜き流路よりも前記第1の主流路に近いことを特徴とする請求項4に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項6】
前記流路は、前記還流流路と互いに連通した第2の主流路をさらに含むことを特徴とする請求項4または5に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項7】
前記第2の主流路と前記第1の主流路は、平行に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項8】
前記ガス抜き流路の断面積が前記第1の主流路、接続流路、還流流路および第2の主流路の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の主流路、前記接続流路、前記還流流路および前記第2の主流路の断面積が同じであることを特徴とする請求項6に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項10】
前記配管構造は、前記第2の主流路の底端に位置する出液口をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項11】
弁体を含み、前記配管構造は前記弁体内部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項12】
前記弁体は、主幹と分岐とを含み、前記主幹と分岐は、y型構造を形成していることを特徴とする請求項11に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の主流路および第2の主流路は、前記主幹内部に設けられ、前記入液口および出液口は、前記主幹の両端に位置し、前記ガス抜き流路および前記還流流路は、前記分岐内部に設けられ、前記接続流路は、前記主幹と前記分岐の接続箇所の内部に設けられていることを特徴とする請求項12に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項14】
前記主幹の頂端に、前記第1の主流路と同軸に設けられたスリーブバンドが設けられていることを特徴とする請求項13に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の主流路の頂端に、内ネジ山が設けられていることを特徴とする請求項14に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項16】
前記主幹と前記分岐の接続箇所に固定されたサイドカバーを含み、前記サイドカバーが前記接続流路を閉じることを特徴とする請求項13に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項17】
前記サイドカバーと前記弁体との間の隙間を封止する第1のシールをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項18】
一端が前記バルブ口に固定され、他端が前記ガス抜き流路内に延伸しているフィルタを含むことを特徴とする請求項13に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項19】
前記分岐の頂端に収容溝が設けられ、前記ガス抜き流路および前記還流流路はいずれも前記収容溝に連通していることを特徴とする請求項13に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項20】
前記分岐の頂端に固定されたトップカバーを含み、前記トップカバーが前記収容溝を閉じることを特徴とする請求項19に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項21】
前記収容溝内に収容された、前記バルブコアの一端を前記トップカバー上に押圧するためのリングを含み、前記リングに、前記ガス抜き流路の軸方向に対応して連通した第1の通し穴と、前記第1の通し穴に連通し、前記還流流路に対応して連通した切欠が設けられていることを特徴とする請求項20に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項22】
前記バルブコアは、接続部と、前記接続部に背中合わせの封止部と、を含み、前記リングは、前記接続部を前記トップカバー上に押圧し、前記封止部は、前記第1の通し穴を貫通して前記バルブ口に弾性当接することを特徴とする請求項21に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項23】
前記接続部は、前記バルブコアの軸方向に沿った垂直方向に外向きに延伸する円盤状構造であり、前記接続部の外縁は、前記トップカバーと前記分岐の頂端との間に挟設されていることを特徴とする請求項22に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項24】
前記バルブコアは、前記接続部と前記封止部との間に接続された弾性部をさらに含み、前記弾性部は、前記封止部を前記バルブ口に弾性拘持することができることを特徴とする請求項22に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項25】
前記バルブコアは、前記封止部から前記ガス抜き流路内に伸びて入る導流部をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項26】
前記導流部の直径は、前記封止部との間の距離が大きくなるのに伴い徐々に小さくなることを特徴とする請求項25に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項27】
前記導流部は、錐形または錐台形であることを特徴とする請求項25に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項28】
前記封止部は、弾性部と共同で囲んで中空キャビティをなすことを特徴とする請求項24に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項29】
前記弾性部は、前記バルブコアの軸方向に沿った垂直方向に凹ませ、突出させ、または多段湾曲させて設けられていることを特徴とする請求項24に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項30】
前記リングと前記収容溝底端との間に設けられた第2のシールをさらに含み、前記第2のシールに、前記ガス抜き流路と互いに連通した第2の通し穴と、前記還流流路と互いに連通した第3の通し穴とが設けられていることを特徴とする請求項23に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項31】
前記第2の通し穴と前記第3の通し穴は、互いに間隔があけられていることを特徴とする請求項30に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項32】
前記主幹の底端に、ノズルアセンブリと着脱可能に接続するためのクイックリリース接続部材が設けられていることを特徴とする請求項12〜31のいずれか一項に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項33】
前記入液口および前記出液口が前記流路の対向する両端に位置していることを特徴とする、請求項10〜32のいずれか一項に記載のスプレーヘッドアセンブリ。
【請求項34】
スプレーヘッド装置において、
請求項1〜33のいずれか一項に記載のスプレーヘッドアセンブリと、
前記スプレーヘッドアセンブリと着脱可能に接続されるノズルアセンブリと、を含むことを特徴とするスプレーヘッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーヘッドアセンブリおよび前記スプレーヘッドアセンブリを有するスプレーヘッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
散布システムは、農業生産、植物保護などの分野の農薬、化学肥料、水などの液体の散布に用いられる。散布システムの配管の端に装着されるスプレーヘッド装置は、作物の表面に液体を散布するために用いられる。従来のスプレーヘッド装置は、その内部流路に滞留ガスが存在し、散布開始および散布停止の速度が比較的遅くなり、散布範囲の制御の難しさを大きくしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑み、上記問題を解決するスプレーヘッドアセンブリおよび前記スプレーヘッドアセンブリを含むスプレーヘッド装置を提供する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
スプレーヘッドアセンブリは、入液口、流路、および前記流路内に位置し前記流路に連通したバルブ口を含む配管構造と、前記流路内に装着され、前記バルブ口の開閉を制御するためのバルブコアと、を含み、前記流路は、第1の主流路と、前記第1の主流路に連通したガス抜き流路と、を含み、前記ガス抜き流路は前記第1の主流路に対して傾斜して設けられ、前記バルブ口は前記ガス抜き流路の頂端に位置し、前記ガス抜き流路の底端は前記入液口に連通している。
【0005】
スプレーヘッド装置は、入液口、流路、前記流路内に位置し前記流路に連通したバルブ口、および出液口を含む配管構造と、前記流路内に装着され、前記バルブ口の開閉を制御するためのバルブコアとを含み、前記入液口および前記出液口が前記流路の対向する両端に位置しているスプレーヘッドアセンブリであって、前記流路は、第1の主流路と、前記第1の主流路に連通したガス抜き流路と、を含み、前記ガス抜き流路は、前記第1の主流路に対して傾斜して設けられ、前記バルブ口は前記ガス抜き流路の頂端に位置し、前記ガス抜き流路の底端は前記入液口に連通しているスプレーヘッドアセンブリと、前記スプレーヘッドアセンブリと着脱可能に接続され、内部が前記出液口に連通したノズルアセンブリと、を含む。
【0006】
先行技術に対して、本発明で提供するスプレーヘッドアセンブリおよびスプレーヘッド装置は、その配管構造の流路が、第1の主流路と、前記第1の主流路に連通したガス抜き流路と、を含み、かつ前記ガス抜き流路は前記第1の主流路に対して傾斜して設けられ、前記バルブ口は前記ガス抜き流路の頂端に位置し、前記ガス抜き流路の底端は前記入液口に連通しているため、前記流路中の滞留ガスがガス抜き流路の頂端に集まり、前記バルブ口を開いたときに、滞留ガスが前記バルブ口から溢れ出ることにより、前記スプレーヘッド装置の散布開始および散布停止の速度が比較的遅い問題を滞留ガスがもたらすことを回避し、散布範囲の制御の難しさを低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態で提供されるスプレーヘッド装置の立体図である。
【
図2】
図1で示されるスプレーヘッド装置の分解図である。
【
図3】
図1で示されるスプレーヘッド装置の切断位置の断面図である。
【
図4】
図1で示されるスプレーヘッド装置の封止状態での別の切断位置の断面図である。
【
図5】
図4で示されるスプレーヘッド装置の導通状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次の具体的な実施形態を上記した図面と合わせて、本発明についてさらに説明する。
【0009】
以下、本発明の実施例における図面と合わせ、本発明の実施例における技術手法について、明確かつ完全に記述するが、記述する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的作業を行わない前提の下で得たその他すべての実施例は、いずれも本発明の保護する範囲に属する。
【0010】
なお、アセンブリが別のアセンブリに「固定」されているという場合、別のアセンブリ上に直接あっても、そのうちのアセンブリに存在してもよい。アセンブリが別のアセンブリに「接続」されているという場合、別のアセンブリに直接接続されていても、そのうちのアセンブリに同時に存在してもよい。アセンブリが別のアセンブリに「設けられている」という場合、別のアセンブリに直接設けられていても、そのうちのアセンブリに同時に存在してもよい。流路が別の流路に「連通」しているという場合、別の流路に直接連通しても、そのうちの流路に同時に存在してもよい。
【0011】
別段の定義がある場合を除き、本文で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明の技術分野の技術要員が通常理解する意味と同じである。本文中の本発明の明細書において使用される用語は、具体的な実施例を記述する目的のためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。本文で使用する用語「少なくともひとつ」は、一つまたは複数個の列記された関連する項目のあらゆる組み合わせを含む。
【0012】
また、本文で使用する用語、「頂端」、「底端」、「頂部」、「底部」は、前記スプレーヘッド装置の正常な使用状態で、地面の位置からの遠近により定義し、地面から遠い方が「頂」であり、地面から近い方が「底」である。
【0013】
以下、図面と合わせ、本発明の実施形態について詳細に説明する。抵触しない場合、下記の実施例および実施例における特徴は、互いに組み合わせてもよい。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施形態で提供されるスプレーヘッド装置100は、スプレーヘッドアセンブリ10と、ノズルアセンブリ20と、を含む。前記ノズルアセンブリ20は、着脱可能に前記スプレーヘッドアセンブリ10に接続されている。
【0015】
図2、
図3および
図4に示すように、前記スプレーヘッドアセンブリ10内に配管構造101が設けられている。前記配管構造101は、入液口102、流路103、バルブ口104、および出液口105を含む。前記入液口102および前記出液口105は、前記流路103の対向する両端に位置している。前記バルブ口104は、前記流路103内に位置し、前記流路103に連通している。
【0016】
前記流路103は、ガス抜き流路1033を含む。前記ガス抜き流路1033は、前記入液口102の中軸線に対して傾斜して設けられている。前記流路103は、前記ガス抜き流路1033に連通した第1の主流路1031をさらに含む。図示された実施形態において、前記ガス抜き流路1033は、前記第1の主流路1031に対して傾斜して設けられている。前記入液口102は、前記第1の主流路1031の頂端に位置している。前記バルブ口104は、前記ガス抜き流路1033の頂端に位置している。前記ガス抜き流路1033の底端は、前記入液口102に連通している。
【0017】
前記流路103は、前記第1の主流路1031と前記ガス抜き流路1033との間に連通した接続流路1032をさらに含む。
【0018】
前記流路103は、前記ガス抜き流路1033の頂端に選択的に連通した還流流路1034をさらに含む。前記還流流路1034は、前記第1の主流路1031に対して傾斜して設けられている。図示された実施形態において、前記還流流路1034と前記ガス抜き流路1033とは略平行に設けられている。前記還流流路1034は、前記ガス抜き流路1033よりも前記第1の主流路1031に近い。
【0019】
前記流路103は、前記還流流路1034と互いに連通した第2の主流路1035をさらに含む。前記第2の主流路1035と前記第1の主流路1031とは略平行に設けられている。前記出液口105は、前記第2の主流路1035の底端に位置している。本実施形態では、前記第1の主流路1031は前記第2の主流路1035の延伸方向と平行しており、前記第1の主流路1031と前記第2の主流路1035における液体の流れる方向が同じになるようにする。
【0020】
本実施形態では、前記第1の主流路1031、前記接続流路1032、前記ガス抜き流路1033、前記還流流路1034および前記第2の主流路1035は、いずれも直線型流路である。他の実施形態では、前記第1の主流路1031、前記接続流路1032、前記ガス抜き流路1033、前記還流流路1034および前記第2の主流路1035のうちの少なくとも1つが曲線型流路であると理解することができる。
【0021】
図示された実施形態において、前記ガス抜き流路1033の断面積は、前記第1の主流路1031、前記接続流路1032、前記還流流路1034および前記第2の主流路1035の断面積よりも大きい。前記第1の主流路1031、前記接続流路1032、前記還流流路1034および前記第2の主流路1035の断面積は同じである。
【0022】
他の実施形態では、前記ガス抜き流路1033の断面積は、前記第1の主流路1031、前記接続流路1032、前記還流流路1034および前記第2の主流路1035の断面積と等しくてもよいと理解することができる。
【0023】
前記スプレーヘッドアセンブリ10は、弁体11と、サイドカバー12と、フィルタ14と、リング16と、バルブコア17と、トップカバー18と、固定部材19と、を含む。
【0024】
前記配管構造101は、前記弁体11の内部に設けられている。前記弁体11は、主幹111と分岐116とを含む。具体的には、図示された実施形態において、前記主幹111と前記分岐116は略y形の構造を呈する。
【0025】
前記入液口102および前記出液口105は、それぞれ前記主幹111の対向する両端に位置している。具体的には、前記入液口102は、前記主幹111の頂端に位置している。前記出液口105は、前記主幹111の底端に位置している。前記第1の主流路1031および前記第2の主流路1035は、いずれも前記主幹111の内部に設けられている。前記第1の主流路1031は、前記主幹111の頂端に近い。前記第2の主流路1035は、前記主幹111の底端に近い。前記ガス抜き流路1033および前記還流流路1034は、前記分岐116の内部に設けられている。前記接続流路1032は、前記主幹111と前記分岐116との接続箇所の内部に設けられている。具体的には、図示された実施形態において、前記接続流路1032は、前記弁体11の側から露出している。前記弁体11は、前記接続流路1032の周りに封止溝112が設けられている。前記弁体11には、さらに複数の第1の固定穴113が設けられている。前記複数の第1の固定穴113は、前記封止溝112の周りに設けられている。
【0026】
前記主幹111の頂端に前記第1の主流路1031と同軸に設けられたスリーブバンド114が設けられている。前記スリーブバンド114は、支持棒などの外付け支持構造(図示せず)を固定するために用いられる。具体的には、図示された実施形態において、前記第1の主流路1031の頂端の前記入液口102に近い内側に、内ネジ山1111が設けられている。前記内ネジ山1111は、給液アダプタ(図示せず)を装着し固定するために用いられる。前記主幹111の底端にクイックリリース接続部材115が設けられている。
【0027】
前記分岐116の頂端内部に収容溝117が設けられている。前記ガス抜き流路1033および前記還流流路1034は、いずれも前記収容溝117に連通している。本実施形態では、前記ガス抜き流路1033および前記還流流路1034の頂端は、いずれも前記収容溝117の底部から露出している。前記収容溝117は、前記ガス抜き流路1033と同軸に設けられている。前記収容溝117内の一方の側に第1の位置合わせ構造1171が形成されている。本実施形態では、前記第1の位置合わせ構造1171および前記還流流路1034の前記収容溝117の底部から露出した開口は、前記ガス抜き流路1033の前記収容溝117の底部から露出した開口の対向する両側に位置している。前記収容溝117の中央は、内向きに凹み、環形の段部118を形成する。前記段部118は、前記ガス抜き流路1033と同軸に設けられている。前記分岐116の頂端の外部に、外ネジ山119が設けられている。
【0028】
前記サイドカバー12は、前記主幹111と前記分岐116との接続箇所に固定されている。前記サイドカバー12は、前記接続流路1032を閉じる。前記サイドカバー12には、複数の第2の固定穴121が設けられている。前記第2の固定穴121は、前記第1の固定穴113に1つ1つ対応している。前記サイドカバー12は、前記第2の固定穴121、前記第1の固定穴113と、前記固定部材19との係合によって、前記弁体11上に固定されている。
【0029】
本実施形態では、前記スプレーヘッドアセンブリ10は、第1のシール13をさらに含む。前記第1のシール13は、前記サイドカバー12と前記弁体11との間に設けられている。本実施形態では、前記第1のシール13は前記封止溝112の中に設けられており、前記サイドカバー12と前記弁体11との間の隙間を封止するために用いられる。前記第1のシール13は、ゴムまたはシリカゲルなどで作製されたリングとしてもよい。
【0030】
他の実施形態では、前記第1のシール13は、前記サイドカバー12と一体成形してもよいと理解することができる。前記第1のシール13は、前記サイドカバー12の前記弁体11に対向する面から突設した環状弾性突起構造である。前記第1のシール13は、前記封止溝112に対応し、前記サイドカバーを前記弁体11上に固定する場合、前記第1のシール13が前記サイドカバー12と前記弁体11との間の隙間を封止する。
【0031】
他の実施形態では、前記第1のシール13および前記封止溝112はいずれも省略してもよいと理解することができる。
【0032】
他の実施形態では、前記サイドカバー12は、前記弁体11と一体成形してもよいと理解することができる。このとき、前記第1のシール13、前記封止溝112、前記第1の固定穴113および前記固定部材19は、いずれも省略してもよい。
【0033】
他の実施形態では、前記サイドカバー12は、接着剤で前記弁体11に固定接着してもよいと理解することができる。このとき、前記第1の固定穴113および前記固定部材19は、いずれも省略してもよい。
【0034】
他の実施形態では、封止効果をさらに強化するために、前記封止溝112の周りに他の封止溝構造を設けてもよく、前記スプレーヘッドアセンブリ10は、前記他の封止溝構造に係合するシールをさらに含むと理解することができる。
【0035】
前記フィルタ14、前記リング16、前記バルブコア17および前記トップカバー18は、前記分岐116の頂端に設けられている。本実施形態では、前記フィルタ14、前記リング16、前記バルブコア17は、いずれも前記収容溝117の中に収容されており、前記トップカバー18は、前記分岐116の頂端に固定され、前記収容溝117を閉じている。前記リング16は、前記バルブコア17の一端を前記トップカバー18上にプレテンション押圧する。前記バルブコア17の他端は、前記バルブ口104に弾性当接し、前記バルブ口104の開閉を制御するために用いられる。
【0036】
前記フィルタ14の一端は、前記バルブ口104に固定され、他端は、前記ガス抜き流路1033内に延伸する。前記フィルタ14は、略帽子状を呈し、辺縁部141と延伸部143とを含む。前記辺縁部141は、前記延伸部143と同軸に設けられている。前記辺縁部141は、前記延伸部143の一端に位置し、前記フィルタ14の軸方向の垂直方向に沿って外向きに延伸して設けられている。本実施形態では、前記延伸部143は、前記ガス抜き流路1033内に延伸している。前記辺縁部141は、前記段部118に設けられている。
【0037】
前記リング16は、前記収容溝117内に収容されている。前記リング16には、第1の通し穴161が設けられている。前記第1の通し穴161は、前記リング16の軸方向に沿って設けられ、前記ガス抜き流路1033と位置が揃っている。前記リング16は、前記第1の通し穴161の辺縁に沿って、前記第1の通し穴161に連通する切欠163が設けられている。前記切欠163は、前記還流流路1034と位置が揃っている。前記バルブ口104が開いているときには、前記第1の通し穴161は前記ガス抜き流路1033に連通し、前記切欠163は前記還流流路1034に連通しているため、前記ガス抜き流路1033と前記還流流路1034を互いに連通させる。前記リング16の外縁に第2の位置合わせ構造165が設けられている。本実施形態では、前記第2の位置合わせ構造165と前記切欠163は、前記第1の通し穴161の対向する両側に位置している。前記第2の位置合わせ構造165と前記第1の位置合わせ構造1171は、ともに位置合わせされ、前記リング16を前記収容溝117に組み込んだ後、前記第1の通し穴161と前記ガス抜き流路1033の位置が揃い、かつ前記切欠163と前記還流流路1034の位置が揃うようにする。
【0038】
前記バルブコア17は、前記配管構造101の内部に設けられている。本実施形態では、前記バルブコア17は、前記流路103内に装着され、前記バルブ口104の開閉を制御するために用いられる。
【0039】
本実施形態では、前記バルブコア17は一体成形構造であり、かつ弾性変形を生じることができる。前記バルブコア17の一端は、前記バルブ口104に弾性当接する。前記バルブコア17は、前記バルブ口104を封止し、かつ前記ガス抜き流路1033内の液圧が所定の値に達したときに、前記バルブコア17に弾性変形が生じ、前記入液口の封止が解除される。本実施形態では、前記バルブコア17は、ゴムまたはシリカゲルなどの弾性樹脂材料製である。
【0040】
本実施形態では、前記バルブコア17は、封止部171と、弾性部173と、接続部175と、導流部177と、を含む。前記封止部171と前記接続部175とは、背中合わせに設けられている。前記封止部171と前記接続部175は、前記弾性部173の背中合わせの両端に接続されている。前記リング16は、前記接続部175を前記トップカバー18上にプレテンション押圧する。前記封止部171は、前記第1の通し穴161を貫通し、前記バルブ口104に弾性当接する。
【0041】
前記封止部171は、前記バルブ口104に弾性当接し、前記バルブ口104の封止および導通を実現することにより、前記還流流路1034と前記ガス抜き流路1033の遮断および連通を実現する。
【0042】
前記弾性部173は、前記封止部171に接続されている。前記弾性部173は、前記封止部171に前記バルブ口104を封止させるために、前記封止部171を前記バルブ口104にプレテンション拘持することにより、前記還流流路1034と前記ガス抜き流路1033を遮断することができる。前記ガス抜き流路1033内の液圧が所定の値に達したとき、前記封止部171が前記弾性部173を押圧して前記弾性部173に弾性変形を生じさせ、前記バルブ口104に対する封止を解除することにより、前記還流流路1034と前記ガス抜き流路1033を連通する。
【0043】
前記弾性部173は、前記バルブコア17の軸方向に沿った垂直方向に凹ませ、突出させ、または多段湾曲させて設けてもよい。本実施形態では、前記弾性部173は、前記バルブコア17の軸方向に沿った垂直方向に前記バルブコア17内部に向けて凹ませて設けられている。前記弾性部173は、前記弾性部173の弾性変形に有利なように、前記封止部171と共同で囲んで1つの中空キャビティをなす。
【0044】
前記接続部175は、前記弾性部173の前記封止部171から遠い方の端部に接続されている。前記本実施形態では、前記接続部175は、前記バルブコア17の軸方向に沿った垂直方向に外向きに延伸して設けられた円盤状構造である。前記接続部175の外縁は、前記トップカバー18と前記分岐116の頂端との間に挟設されている。
【0045】
前記導流部177は、前記封止部171から、前記弾性部173から離間する方向に突設されている。前記導流部177は、前記ガス抜き流路1033に伸びて入っている。図示された実施形態において、前記導流部177は、前記封止部171の中央から突設されている。前記導流部177は、略錐形または錐台形を呈する。前記導流部177の直径は、前記封止部171との間の距離が大きくなるのに伴い徐々に小さくなる。
【0046】
前記流路103に連通するポンプ(図示せず)が動作を停止したときに、前記ガス抜き流路1033内の液圧が徐々に低下し、前記弾性部173が弾性復元し、前記封止部171に前記バルブ口104を再度封止させ、ポンプ停止後に前記スプレーヘッド装置100に水滴漏れが生じないようにする。
【0047】
前記トップカバー18は、前記分岐116の頂端に固定され、前記収容溝117を閉じている。前記トップカバー18の内側には、前記外ネジ山119に対応した内ネジ山181が形成されている。前記トップカバー18は、前記外ネジ山119と前記内ネジ山181の係合によって前記分岐116の頂端に固定されている。
【0048】
本実施形態では、前記スプレーヘッドアセンブリ10は、第2のシール15をさらに含む。前記第2のシール15は、前記リング16と前記収容溝117の底端との間に設けられている。前記第2のシール15には、前記ガス抜き流路1033と位置が揃った第2の通し穴151、および前記還流流路1034と位置が揃った第3の通し穴153が設けられている。前記第2の通し穴151と前記第1の通し穴161は、位置が揃い、連通している。前記第3の通し穴153と前記切欠163は、位置が揃い、連通している。図式された実施形態において、前記第2の通し穴151と前記第3の通し穴153は、互いに間隔をあけて設けられている。前記第2のシール15の外縁には、第3の位置合わせ構造155がさらに設けられている。前記第3の位置合わせ構造155と前記第3の通し穴153は、前記第2の通し穴151の対向する両側に位置している。前記第3の位置合わせ構造155は、前記第2の位置合わせ構造165に対応し、前記第2のシール15を前記収容溝117に組み込んだ後、前記第2の通し穴151と前記ガス抜き流路1033の位置が揃い、かつ前記第3の通し穴153と前記還流流路1034の位置が揃うよう、前記第1の位置合わせ構造1171に合わせて位置合わせするために用いられる。本実施形態では、前記第2のシール15は封止リングである。
【0049】
他の実施形態では、前記第2のシール15は省略可能であると理解することができる。
【0050】
他の実施形態では、前記第1の位置合わせ構造1171、前記第2の位置合わせ構造165および前記第3の位置合わせ構造155はいずれも省略可能であると理解することができる。
【0051】
前記ノズルアセンブリ20は、前記主幹111の底端に着脱可能に接続されている。前記ノズルアセンブリ20は、ロックキャッチをきつく締めることにより前記主幹111の底端に固定される。前記ノズルアセンブリ20は、前記クイックリリース接続部材115と互いに係合する締結構造21を含む。前記ノズルアセンブリ20は、前記クイックリリース接続部材115と前記締結構造21の係合によって前記弁体11の主幹111の底端に固定される。前記ノズルアセンブリ20の内部は、前記出液口105と互いに連通している。
【0052】
図4および
図5に示すように、動作時に、液体は、前記入液口102から前記第1の主流路1031に入り、前記接続流路1032を流れ、前記ガス抜き流路1033に流れ込む。前記流路103内の滞留ガスは、前記ガス抜き流路1033内で液体が多くなるのに伴い、徐々に前記ガス抜き流路1033の頂端に集まり、これと同時に、前記ガス抜き流路1033内の液圧が徐々に大きくなり、前記ガス抜き流路1033内の液圧が所定の値よりも小さいときには、前記バルブ口104を封止するため、前記バルブコア17の弾性部173が前記封止部171を前記バルブ口104にプレテンション拘持する。前記ガス抜き流路1033内の液圧が前記所定の値に達したとき、前記バルブコア17の弾性部173に弾性変形が生じ、前記バルブコア17の封止部171と前記バルブ口104が分離することにより、前記封止部171の前記バルブ口104に対する封止を解除して、前記ガス抜き流路1033に、前記第2の通し穴151、前記第1の通し穴161、前記切欠163および前記第3の通し穴153を前記還流流路1034と互いに連通させる。前記流路103内の滞留ガスは、前記バルブ口104が開いているときに、液体に伴い前記還流流路1034に入り、前記第2の主流路1035を経て排出される。本実施形態では、前記所定の値は、前記封止部171と前記バルブ口104を分離させる最小の液圧である。
【0053】
他の実施形態では、前記バルブコア17は、バルブステムと、バネと、封止リングとの組み合わせであってもよいと理解することができる。前記封止リングは、前記バルブステムの一端に固定され、前記バルブ口104を封止するために用いられる。前記バネは、前記バルブステムの他端に接続されるか、または前記バルブステム上に被せられる。前記バネは、散布停止時に前記封止リングに前記バルブ口104を封止させるために、前記バルブステムにプレテンション力を提供するために用いられる。
【0054】
先行技術に対して、本発明で提供するスプレーヘッドアセンブリおよびスプレーヘッド装置は、その配管構造の流路が、第1の主流路と、前記第1の主流路に連通したガス抜き流路と、を含み、かつ前記ガス抜き流路は前記第1の主流路に対して傾斜して設けられ、前記バルブ口は前記ガス抜き流路の頂端に位置し、前記ガス抜き流路の底端は前記入液口に連通しているため、前記流路中の滞留ガスがガス抜き流路の頂端に集まり、前記バルブ口を開いたときに、滞留ガスが前記バルブ口から溢れ出ることにより、前記スプレーヘッド装置の散布開始および散布停止の速度が比較的遅い問題を滞留ガスがもたらすことを回避し、散布範囲の制御の難しさを低下させる。
【0055】
当業者にとって、本発明の技術的考え方によりその他各種の対応する変更および修正を行うことができ、これらのすべての変更および修正は、いずれも本発明の特許請求の範囲の保護範囲に属す。
【符号の説明】
【0056】
10 スプレーヘッドアセンブリ
11 弁体
12 サイドカバー
13 第1のシール
14 フィルタ
15 第2のシール
16 リング
17 バルブコア
18 トップカバー
19 固定部材
20 ノズルアセンブリ
21 締結構造
100 スプレーヘッド装置
101 配管構造
102 入液口
103 流路
104 バルブ口
105 出液口
111 主幹
112 封止溝
113 第1の固定穴
114 スリーブバンド
115 クイックリリース接続部材
116 分岐
117 収容溝
118 段部
119 外ネジ山
121 第2の固定穴
141 辺縁部
143 延伸部
151 第2の通し穴
153 第3の通し穴
155 第3の位置合わせ構造
161 第1の通し穴
163 切欠
165 第2の位置合わせ構造
171 封止部
173 弾性部
175 接続部
177 導流部
181 内ネジ山
1031 第1の主流路
1033 ガス抜き流路
1032 接続流路
1034 還流流路
1035 第2の主流路
1111 内ネジ山
1171 第1の位置合わせ構造