特許第6676788号(P6676788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676788
(24)【登録日】2020年3月16日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】ロータリーテンショナ
(51)【国際特許分類】
   F16H 7/12 20060101AFI20200330BHJP
   F02B 67/06 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   F16H7/12 A
   F02B67/06 A
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-564363(P2018-564363)
(86)(22)【出願日】2017年6月19日
(65)【公表番号】特表2019-518915(P2019-518915A)
(43)【公表日】2019年7月4日
(86)【国際出願番号】US2017038080
(87)【国際公開番号】WO2018009331
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2018年12月7日
(31)【優先権主張番号】15/203,389
(32)【優先日】2016年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504005091
【氏名又は名称】ゲイツ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】ロイヒト,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】マーチネス,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】ディルタイ,ヨッヘン
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/196268(WO,A1)
【文献】 特開2007−64347(JP,A)
【文献】 米国特許第4698049(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/12
F02B 67/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動要素を受容するために配設されたベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐形状を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトまたは揺動アームに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力が前記第1の減衰リングに付与され
前記第1の減衰リングが前記ロータリーアームに対して固定的に保持される
テンショナ。
【請求項2】
被駆動要素を受容するために配設されたベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐形状を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトまたは揺動アームに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力が前記第1の減衰リングに付与され、
前記第1の減衰リングが前記ベースに対して固定的に保持される
テンショナ。
【請求項3】
前記シャフトの接頭円錐部分が、捻りスプリングの軸方向スプリング力Fsprのベクトルとは反対方向を向く頂角Δを有する請求項1または2に記載のテンショナ。
【請求項4】
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第2の減衰リングをさらに備え、前記第2の減衰リングがベースの摩擦面に対して前記第1の減衰リングの反対側に配設される請求項1または2に記載のテンショナ。
【請求項5】
前記ロータリーアームが前記ベース開口に整列したロータリーアーム開口を有する請求項1または2に記載のテンショナ。
【請求項6】
前記ブッシュが前記シャフトに対して固定的に保持される請求項1または2に記載のテンショナ。
【請求項7】
前記ブッシュが前記揺動アームに対して固定的に保持される請求項1または2に記載のテンショナ。
【請求項8】
前記第2の減衰リングが前記ロータリーアームに対して固定的に保持される請求項に記載のテンショナ。
【請求項9】
前記第2の減衰リングが前記ベースに対して固定的に保持される請求項に記載のテンショナ。
【請求項10】
被駆動要素を囲繞するために配設されたベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、前記ロータリーアームが前記ベース開口に整列したロータリーアーム開口を有し、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐部分を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、前記シャフトの接頭円錐部分が捻りスプリングの軸方向力Fsprのベクトルとは反対方向を向く頂角Δを有し、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力が前記第1の減衰リングに付与され
前記第1の減衰リングが前記ロータリーアームに対して固定的に保持される
テンショナ。
【請求項11】
被駆動要素を囲繞するために配設されたベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、前記ロータリーアームが前記ベース開口に整列したロータリーアーム開口を有し、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐部分を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、前記シャフトの接頭円錐部分が捻りスプリングの軸方向力Fsprのベクトルとは反対方向を向く頂角Δを有し、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力が前記第1の減衰リングに付与され、
前記第1の減衰リングが前記ベースに対して固定的に保持される
テンショナ。
【請求項12】
ベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、前記ロータリーアームが前記ベース開口に整列したロータリーアーム開口を有し、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐部分を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、前記シャフトの接頭円錐部分が捻りスプリングの軸方向力Fsprのベクトルとは反対方向を向く頂角Δを有し、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力を前記第1の減衰リングに付与し
前記第1の減衰リングが前記ロータリーアームに対して固定的に保持される
テンショナ。
【請求項13】
ベース開口を有するベースと、
前記ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、前記ロータリーアームの回転軸はベース開口の中心に整列し、第1のプーリが前記ロータリーアームに軸支され、前記ロータリーアームが前記ベース開口に整列したロータリーアーム開口を有し、
前記ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、前記シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐部分を有し、捻りスプリングが前記揺動アームを付勢し、第2のプーリが前記揺動アームに軸支され、前記シャフトの接頭円錐部分が捻りスプリングの軸方向力Fsprのベクトルとは反対方向を向く頂角Δを有し、
前記揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備え、前記ブッシュが前記シャフトに対して固定関係にあり、
前記ロータリーアームと前記ベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力を前記第1の減衰リングに付与し、
前記第1の減衰リングが前記ベースに対して固定的に保持される
テンショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテンショナに関し、特に、ベースに揺動自在に係合するロータリーアームを備え、ロータリーアームの中心軸がベース開口の中心に整列し、ロータリーアームに対してシャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、シャフトと揺動アームがそれぞれ協働する接頭円錐部分を有し、揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備えた、ロータリーテンショナに関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの内燃機関は、2,3の例をあげるとパワーステアリング、オルタネータ、エアコンディショナ等のアクセサリを備える。これらのアクセサリは通常、ベルトによって駆動される。テンショナは通常、スリップを防止するためにベルトに負荷をかけるべく用いられる。テンショナはエンジンの取付け面に取付けられる。
【0003】
エンジンはさらにスタート/ストップ・システムを備え、これによりエンジンは車両が運転中ではないときに停止し、運転を継続するための駆動コマンドが受信されたときエンジンは再スタートする。
【0004】
スタート/ストップ機能はベルトに逆方向の負荷をかけやすい。したがってテンショナはベルト負荷の反転を吸収するために使用可能である。テンショナは、必要なベルト予負荷をベルトの両方の駆動方向に適切に付与するために、独立に揺動する1以上の要素を備えるかもしれない。またテンショナは、エンジンルーム内のスペースを節約するためにオルタネータ等のアクセサリに直接取付けられるかもしれない。
【0005】
この技術の代表はWO2014/100894であり、これは駆動装置のシャフト上の回転駆動部材に係合する無端状駆動部材に張力を付与するためのテンショナを開示する。テンショナは、駆動装置に取付け可能なベースと、駆動装置のシャフトを囲繞する位置関係にあるベースにより回転自在に支持されるとともに、リング軸の周りに回転自在なリングと、アーム揺動軸の周りに揺動運動するためにリングに揺動自在に取付けられたテンショナアームと、第1および第2のプーリとを有する。第1のテンショナプーリはテンショナアームに回転自在に取付けられる。テンショナアームは、回転駆動部材の一方の側部に、無端状駆動部材の第1のスパンに向かって付勢される。第2のテンショナプーリは、少なくとも間接的にリングに、回転自在に取付けられ、回転駆動部材の他方の側部に、無端状駆動部材の第2のスパンに向かって付勢される。リングは、無端状駆動部材の第1および第2のスパンに係合することによる、第1および第2のテンショナプーリにおけるハブ負荷に応答して回転可能である。
【0006】
必要なものは、ベースに揺動自在に係合するロータリーアームを備え、ロータリーアームの中心軸がベース開口の中心に整列し、ロータリーアームに対してシャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームを備え、シャフトと揺動アームがそれぞれ協働する接頭円錐部分を有し、揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備えた、テンショナである。本発明はこの必要性に合致する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の主な特徴は、ベースに揺動自在に係合するロータリーアームと、ベース開口の中心に整列したロータリーアームの回転中心と、ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームとを備え、シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐形状を有し、揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュを備えるテンショナを提供することである。
【0008】
本発明の他の特徴は、本発明の次の記載と添付した図面により示され、明らかになる。
【0009】
本発明は、被駆動要素を受容するために配設されたベース開口を有するベースと、ベースに揺動自在に係合するロータリーアームとを備え、ベース開口の中心に整列したロータリーアームの回転軸と、ロータリーアームに軸支された第1のプーリと、ロータリーアームに対し、シャフトの周りに揺動自在に係合する揺動アームとを備え、シャフトと揺動アームがそれぞれ、協働的な接頭円錐形状を有し、ピボットアームを付勢する捻りスプリングと、揺動アームに軸支された第2のプーリと、揺動アームの接頭円錐部分に摩擦係合する接頭円錐部分を有するブッシュとを備え、ブッシュがシャフトまたはピボットアームに対して固定関係にあり、ロータリーアームとベースの間に摩擦係合する第1の減衰リングを備え、皿バネが押圧係合して垂直力が第1の減衰リングに付与される、テンショナである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
この明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本発明の好ましい実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】上方斜視図である。
図2】下方斜視図である。
図3】分解図である。
図4】断面図である。
図5図1の詳細図である。
図6】被駆動要素に取付けられた本装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は上方斜視である。ロータリーテンショナ1000はベース100とロータリーアーム202とスイングアームテンショナ300とを備える。
【0012】
ベース100は、テンショナを、エンジンのオルタネータ(図示せず)のような取付け面に取付けるための孔101を備える。各孔101はボルト(図示せず)のような固定具を受容する。ベース100は開口102を備える。開口102は、オルタネータプーリ(図示せず)のような被駆動要素を収容し、かつ囲繞するのに十分に大きな直径を有する。駆動軸(図示せず)は被駆動要素に係合する。図6参照。
【0013】
ロータリーアーム202は第1径方向突出部210と第2径方向突出部211を備える。ロータリーアーム202はさらに、開口209を備える。開口209は、オルタネータプーリ(図示せず)のような被駆動要素を収容するのに十分に大きな直径である。開口102と開口209は同軸的である。ロータリーアーム202はベース100の周りに回動自在であり、開口102すなわちロータリーアーム202は、ベース開口102の中心(B)に整列した回転軸A−Aを有する。ロータリーアームの回転軸もまた、オルタネータプーリ(図示せず)のような被駆動プーリの回転軸に整列する。
【0014】
プーリ201は軸受207により、突出部210においてロータリーアーム202に軸支される。プーリ201は、例えばオルタネータプーリのような被駆動エンジンアクセサリを駆動する駆動軸(図示せず)に係合する。ボルト208は軸受207を突出部210に固定する。ダストカバー212は異物が軸受207に入り込むのを防止する。
【0015】
テンショナ300は揺動アーム301を備える。揺動アーム301はシャフトの周りに揺動する。シャフト304は、揺動アーム301において突出部211に対して圧入されるか螺合される。シャフト304はベース開口から径方向外側に配置される。プーリ302は軸受310において揺動アーム301に軸支される。プーリ302は駆動ベルト(図示せず)に係合する。捻りスプリング303は揺動アーム301を付勢して駆動ベルト(図示せず)に接触させ、ベルト負荷をかける。ベルト負荷は動作中に、ベルトの滑りと摩耗と騒音を防止するために有利である。揺動アーム301の揺動動作はロータリーアーム202の回転運動に連動する。
【0016】
動作中、揺動アーム301は駆動ベルトを押圧してベルト負荷をかける。揺動アームの負荷は応答を生じ、プーリ201がロータリーアーム202の揺動運動により駆動ベルトを押圧する。揺動アーム301とロータリーアーム202の動きにより、本発明装置は種々のシステムおよびベルトの動作の特性に適応する。プーリ201とプーリ302は被駆動プーリ(図示せず)に対して同一平面にある。
【0017】
図2は下方斜視図である。動作において、駆動ベルト(図示せず)は、開口209から突出するオルタネータプーリのような被駆動プーリに係合する。駆動ベルトもまたプーリ201、302に係合する。
【0018】
図3は分解図である。シャフト304は接頭円錐部分304aを有する。ブッシュ305はシャフト304と揺動アーム301の間に配設される。ブッシュ305は接頭円錐部分305aを有する。
【0019】
ブッシュ305は、シャフト304のスロット304bに係合する、ブッシュ305上のタブ305bにより、シャフト304に対して固定的に保持される。揺動アーム301はブッシュ305上のシャフト304の周りに揺動する。ブッシュ305と揺動アーム301の間の摩擦関係は、揺動アーム301の揺動動作を減衰させるように作用する。代替的な実施形態では、ブッシュ305はピボットアームに対して固定的に保持される。さらに他の実施形態では、ブッシュ305はピボットアームまたはシャフトに対して、固定的に保持されない。
【0020】
減衰リング203はベース100とロータリーアーム202の間に配置される。減衰リング204は減衰リング203とは反対側に配置される。部材205は減衰リング204をベース100に保持する。皿バネ206は圧縮垂直力を部材205に対して付与し、部材205は垂直力を各減衰リング203、204に付与する。垂直力と、減衰リングとベースの間の摩擦係数との乗算は摩擦力であり、これはロータリーアーム202の減衰運動となる。皿バネ206は、ベース100に適用される材料の撓みに基づく組立て工程により、圧縮状態に保持され、これは延いてはテンショナを保持する。
【0021】
各タブ203aはロータリーアーム202の受容部213に係合する。各タブ204aもロータリーアーム202の受容部213に係合する。したがって各減衰リング203はロータリーアーム202に対して固定的に動く。面203cはベース100の面104に摩擦係合する。面205aは面204cに摩擦係合する。
【0022】
ピン308はロータリーアーム部214とピボットアーム301に係合する。ピン308は、駆動ベルト(図示せず)の取付けを容易にするために、所定の位置にピボットアーム301を保持する。ピン308は、テンショナとベルトの取付けが完了し、システムが作動状態におかれると、取外される。
【0023】
図4は断面図である。シャフト304は接頭円錐部分304aを有する。円錐角θは0度よりも大きく90度よりも小さい範囲である。一例として、本実施形態は約30度の円錐角θを有する。
【0024】
ブッシュ部分305aは接頭円錐形を有し、部分304aの形状に協働的に合致する。ブッシュ305はピボットアーム301とシャフト304の間に配設される。ピボットアーム301はブッシュ305に対して揺動する。キャップ309はピボットアーム301に貼り付けられ、ブッシュ305とピボットアーム301の間に破片が入り込むためのシールとして作用する。
【0025】
動作中、捻りスプリング303は軸方向に圧縮され、軸方向スプリング力Fsprを生じる。軸方向スプリング力はブッシュ305の面305cをピボットアーム301の面301bに押圧する。結果として生じる面310bと面305cの間の摩擦力はピボットアーム301の揺動運動を減衰させる。軸方向スプリング力と摩擦部分の形状に依って、減衰トルクは例えば±1〜+20Nmの広い範囲を有する。好ましい範囲は約1Nmから約8Nmである。一例として、部分305aが最大で36mm、最小で16mmの直径を有し、摩擦係数が0.16であるときの、850Nmの軸方向スプリング力および30度の円錐角は、約±3.7Nmの減衰トルクを与える。ここに提供された数値は一例に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0026】
接頭円錐部分305aの角Δの頂点は軸方向スプリング力Fsprのベクトルとは反対方向を向く。この方向付けにより、ピボットアームの接頭円錐部分301bはシャフトの円錐部分304aに強固に係合する。これは反力Fcrの基となり、この反力の面305cに対する垂直力は、ブッシュ305と面301bの間に摩擦力を生じる。例えば、この実施形態において、頂角Δは60°である。頂角Δ=2×θ
【0027】
接頭円錐形状は、ブッシュ部分305aの拡大された表面積により、純粋な円筒形のブッシュと比較して、減衰に対する耐久性を高める。それはまた、F=Fspr(sinθ)の楔効果により軸方向力の利用を最適化する。Fnは面305cにおける垂直力であり、Fsprはスプリング力である。それはまた、シャフト304におけるピボットアーム301の軸合わせの精度を向上させ、延いては駆動ベルトに対するプーリ302の軸合わせの精度を向上させることとなる。
【0028】
図5図1の詳細図である。ボルト306は軸受310を揺動アーム301に固定する。ダストシールド307は軸受310を破片から保護する。各タブ305bはスロット304bに係合し、ブッシュ305の動きを防止する。
【0029】
図6は被駆動要素に取付けられた本装置の斜視図である。テンショナ1000は被駆動要素DCに取付けられる。被駆動要素DCはプーリPを備える。被駆動要素DCはオルタネータ、スタータ・ジェネレータ、あるいは他の自動車エンジンの要素であってもよい。固定具Fはテンショナ1000を被駆動要素に固定する。ベルト(図示せず)はプーリ201、プーリ302、プーリPに係合する。ベルトはプーリPを介して要素DCを駆動する。
【0030】
本発明の形態が説明されたが、当業者がここに記載された発明の精神と範囲から逸脱することなく、構成と部分の関係と方法において変形を施すことは自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6