特許 6676857 異なる種類の喫煙品を製造するための方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6676857

(24)【登録日】2020年3月17日

(45)【発行日】2020年4月8日

(54)【発明の名称】異なる種類の喫煙品を製造するための方法

(51)【国際特許分類】

   A24C 5/47 20060101AFI20200330BHJP

   A24D 1/02 20060101ALI20200330BHJP

   A24D 3/02 20060101ALI20200330BHJP

【ＦＩ】

   A24C5/47

   A24D1/02

   A24D3/02

【請求項の数】7

【全頁数】18

(21)【出願番号】特願2018-510509(P2018-510509)

(86)(22)【出願日】2015年9月29日

(65)【公表番号】特表2018-527927(P2018-527927A)

(43)【公表日】2018年9月27日

(86)【国際出願番号】GB2015052825

(87)【国際公開番号】WO2017055785

(87)【国際公開日】20170406

【審査請求日】2018年4月23日

(73)【特許権者】

【識別番号】518059370

【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ メキシコ， エス．エー． ディーイー シー．ヴィー．

【氏名又は名称原語表記】ＢＲＩＴＩＳＨ ＡＭＥＲＩＣＡＮ ＴＯＢＡＣＣＯ ＭＥＸＩＣＯ， Ｓ．Ａ． ＤＥ Ｃ．Ｖ．

(74)【代理人】

【識別番号】100107456

【弁理士】

【氏名又は名称】池田 成人

(74)【代理人】

【識別番号】100162352

【弁理士】

【氏名又は名称】酒巻 順一郎

(74)【代理人】

【識別番号】100123995

【弁理士】

【氏名又は名称】野田 雅一

(72)【発明者】

【氏名】アレドンド， ルチオ

【審査官】 根本 徳子

(56)【参考文献】

【文献】 国際公開第２０１４／１３６２２５（ＷＯ，Ａ１）

【文献】 特開平０６−０７０７３９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２００９−５０８５２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２０１２−５２０６８０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００３−２０５９０９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２０１５−５２５７１８（ＪＰ，Ａ）

【文献】 欧州特許出願公開第００５７４２０５（ＥＰ，Ａ１）

【文献】 特開２０１２−２３１７９０（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ２４Ｃ ５／４７

Ａ２４Ｄ １／０２

Ａ２４Ｄ ３／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

フィルターロッド供給装置と、前記フィルターロッド供給装置から受け取った、２つのフィルターロッドセグメントから形成される２倍長フィルターロッドの長手方向端部のそれぞれに喫煙材ロッドを接続するためのロッド接続ユニットと、前記２倍長フィルターロッドを切断して、前記フィルターロッドセグメントの各々が、前記フィルターロッドセグメントの各々に接続された前記喫煙材ロッドと協働して喫煙品を形成するようにする、カッターとを備える喫煙品製造機を用いて、異なる２種類の喫煙品を同時に製造する方法であって、
前記フィルターロッド供給装置に、カプセル挿入機付きフィルターロッド製造機にて製造され、第１の種類のカプセルが挿入され当該第１の種類のカプセルに対応する第１の特徴を有するトウから形成される第１のフィルターロッドセグメント、および、異なるカプセル挿入機付きフィルターロッド製造機にて製造され、第２の種類のカプセルが挿入され当該第２の種類のカプセルに対応する第２の特徴を有するトウから形成される第２のフィルターロッドセグメントを交互に供給することによって前記２倍長フィルターロッドを形成するステップであり、前記トウの第１の特徴および前記第２の特徴が互いに視覚的に認識でき、前記第１のフィルターロッドセグメントおよび前記第２のフィルターロッドセグメントをプラグ巻取紙で巻くことによって前記第１のフィルターロッドセグメントおよび前記第２のフィルターロッドセグメントを結合して前記２倍長フィルターロッドを形成するステップと、
前記喫煙材ロッドを前記２倍長フィルターロッドの各々の各長手方向端部に接続するステップと、
前記２倍長フィルターロッドを切断して前記第１のフィルターロッドセグメントおよび前記第２のフィルターロッドセグメントを分離し、２つの異なる種類の喫煙品を形成するステップとを含む、方法。

【請求項2】

前記フィルターロッドが、物体の種類に基づく所定のロッド向きを示すための指標を有するプラグ巻取紙を備えている場合において、
当該方法は、全てのフィルターロッドが前記フィルターロッド供給装置に対して所定の向きとなるようにフィルターロッドを前記フィルターロッド供給装置に配置するステップを含む、請求項１に記載の方法。

【請求項3】

前記喫煙品製造機が、チップペーパーウェブを個々独立のチップペーパー片に切断し、前記チップペーパー片の各々を対応の２倍長フィルターロッドに巻き付けて、喫煙材ロッドを前記２倍長フィルターロッドの各々の端部に接続するように、前記チップペーパーウェブを受けるためのチップユニットを備え、
前記チップペーパーウェブの第１の横方向部分は、第１の指標の第１の長手方向配列を含み、前記チップペーパーウェブの第２の横方向部分は、第２の指標の第２の長手方向配列を含み、前記第１の指標が第１の種類の喫煙品を示し、前記第２の指標が前記第１の種類の喫煙品とは異なる第２の種類の喫煙品を示すように、前記第１の指標と前記第２の指標とは互いに異なっており、
当該方法は、
前記チップペーパーウェブを所定の向きで前記喫煙品製造機に装填し、チップペーパーの供給の向きに対応する向きで前記フィルターロッド供給装置にフィルターロッドを配置するステップであって、
前記喫煙品製造機が、前記第１の種類の喫煙品の形成時に、前記チップペーパーウェブの前記第１の横方向部分から形成されたチップペーパー片の第１の部分を、前記２倍長フィルターロッドの第１の部分に巻き付けて、前記２倍長フィルターロッドの前記第１の部分が前記第１の種類の喫煙品の一部であることを、前記チップペーパー片の前記第１の部分の前記第１の指標が示すようになっていると共に、前記喫煙品製造機が、前記第２の種類の喫煙品の形成時に、前記チップペーパーウェブの前記第２の横方向部分で形成された前記チップペーパー片の第２の部分を、前記２倍長フィルターロッドの第２の部分に巻き付けて、前記２倍長フィルターロッドの前記第２の部分が前記第２の種類の喫煙品の一部であることを、前記チップペーパー片の前記第２の部分の前記第２の指標が示すようになっており、
その後、前記２倍長フィルターロッドおよび前記チップペーパー片を切断して、第１のフィルターロッドセグメントと、第２のフィルターロッドセグメントとにし、前記チップペーパー片の前記第１の部分で巻かれた前記第１のフィルターロッドセグメントが、前記第１のフィルターロッドセグメントに接続された前記喫煙材ロッドと協働して前記第１の種類の喫煙品を形成し、前記チップペーパー片の前記第２の部分で巻かれた前記第２のフィルターロッドセグメントが、前記第２のフィルターロッドセグメントに接続された前記喫煙材ロッドと協働して前記第２の種類の喫煙品を形成するようになっている、ステップを含む、
請求項１または２に記載の方法。

【請求項4】

２倍長フィルターロッドが二つのフィルターロッドセグメントへと切断された場合に、前記フィルターロッドセグメントの各々が、フィルタートウセクションの他にチューブフィルター部分を含むように、チューブフィルターを含むフィルターロッドを前記フィルターロッド供給装置に供給するステップを含み、
前記２倍長フィルターロッドの前記フィルタートウセクションの各々が異なる特徴を有する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】

カプセルを含むフィルタートウから形成されたフィルターロッドをそれぞれが含む複数の喫煙品産業製品からなるパックであって、
当該パックのうちの少なくとも一つの喫煙品産業製品における前記フィルターロッドの前記フィルタートウに含まれる前記カプセルが、当該パックのうちの少なくとも一つの他の喫煙品産業製品における前記フィルターロッドの前記フィルタートウに含まれる前記カプセルの種類とは異なった種類であり、
一の種類の前記カプセルを含む前記フィルターロッドの前記フィルタートウが、他の種類の前記カプセルを含む前記フィルターロッドの前記フィルタートウとは異なる特徴を有する、パック。

【請求項6】

一の種類の前記カプセルを含む前記フィルターロッドの前記フィルタートウが、異なる種類の前記カプセルを含む前記フィルターロッドの前記フィルタートウとは異なる色を有する、請求項５に記載のパック。

【請求項7】

前記フィルターロッドの各々がチューブフィルターを備え、当該パックが開封された場合に、異なる色が着けられた前記フィルタートウが前記チューブフィルターを通して視認可能となっている、請求項６に記載のパック。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、喫煙品製造機を用いて異なる複数種類の喫煙品を製造する方法に関する。特に、この方法は、異なる２種類の喫煙品を同時に製造することに関する。タバコ産業製品は、喫煙品、より詳細にはフィルター付き紙巻タバコ（フィルター付きシガレット）であり、各シガレットのフィルターロッドは、フィルターロッド製造機を用いてフィルターロッドに挿入されたカプセル等の物体を含む場合があるが、本発明は物体を含まないフィルターロッドにも適用可能である。本発明はまた、本発明の方法により得られる喫煙品、本発明の方法の実行中に作られる中間製品、および、複数のタバコ産業製品からなるパックに関する。

【背景技術】

【0002】

フィルター付きシガレットの製造に用いられるフィルターロッドは、Ｈａｕｎｉ Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｂａｕ ＡＧ社のＫＤＦ−２フィルター製造機等のフィルターロッド製造機で製造される。フィルターロッド製造機において、トウ（フィルタートウ）と呼ばれるセルロースアセテートのフィルター用プラグ素材が、供給源から経路に沿って引き出され、その後、ガーニチャー（ｇａｒｎｉｔｕｒｅ）で圧縮され「プラグ巻取紙」で巻かれて、細長い紙巻ロッドが形成される。紙巻ロッドは、その後切断されて、いくつかのフィルターロッドセグメントからなる個々独立のロッドを形成し、各フィルターロッドセグメントは、最終的に個々独立のシガレットのフィルターを形成する。セルロースアセテートのフィルター用プラグ素材をフィルターチューブと組み合わせ、フィルター用プラグ素材とチューブの両方がプラグ巻取紙で巻かれて、チューブが組み合わされたフィルター用プラグ素材の細長い紙巻ロッドを形成するようになっているフィルターロッド製造機も知られている。例えば、Ｈａｕｎｉ Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｂａｕ ＡＧ社のＫＤＦ−５がフィルターロッドとチューブとを組み合わせることができる。ＫＤＦ−５のような機械は、紙巻ロッドの長さに沿うあらゆる位置にチューブを配置するように構成されている。例えば、チューブは、フィルター用プラグ素材に隣接するフィルター用プラグ素材の口側の端部に配置されたり、三つのセグメントフィルターを形成するためにフィルター用プラグ素材の二つのセクション間に挟まれたりすることができる。チューブは中空を残し、フィルタープラグセクション間に空洞を設けたり、喫煙品の口側の端部に空間を設けたりすることができる。

【0003】

フィルター付きシガレットは、フィルター内に、香料を含んだ易壊性カプセル等の物体を有することができる。フィルターを押し潰して、カプセルを壊して香味料を放出させることにより、シガレットから出る煙に選択的に加香することができる。易壊性カプセルは、従来、トウがフィルターロッド製造機を通過する際に、送出ホイールからトウの流れの中に個々のカプセルを一つずつ送り込むことによって、喫煙品のフィルターロッドに組み込まれる。カプセル等の物体を供給するため、ならびに物体をフィルターロッドに挿入するための典型的な供給機構は、例えば、国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットや国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットで知られている。

【0004】

カプセルを有するフィルターロッドが製造されると、これらはシガレット製造機に供給され、シガレット製造機はまた、従来のタバコロッド製造装置から、タバコロッドを受ける。上述したように、シガレット製造機には、カプセルを含むフィルタートウの他に中空のチューブを含むフィルターロッドが供給され得る。典型的なシガレット製造機は、フィルターロッドとタバコロッドとを一体に接続してフィルター付きシガレットを形成するためのロッド接続ユニットを含む。公知のフィルター接続ユニットにおいて、二つのフィルターロッドセグメントで形成されたフィルターロッドのことをいう２倍長フィルターロッド（「２連」ロッドとも呼ばれる）は、両端でタバコロッドと整列され、これらを一体に結合するために、これらの３本のロッドが「チップペーパー」として知られている巻紙で巻かれる。この後、中央に配置された２連フィルターロッドは半分に切断されて、２本のフィルター付きシガレットが形成される。シガレット製造機に最初に供給されるフィルターロッドは、四つのフィルターロッドセグメントで形成されたフィルターロッドのことをいう「４連」フィルターロッドであってもよい。この場合、４連フィルターロッドは、切断されて一対の２倍長フィルターロッドとされ、その後、各２倍長フィルターロッドの両端にタバコロッドを接続する。適切なフィルターロッド接続ユニットは、Ｈａｕｎｉ Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｂａｕ社の「Ｍａｘ Ｓ」ユニット、Ｈａｕｎｉ Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｂａｕ社の「Ｍａｘ ９０」ユニット、またはＧＤ ＡＦ１２ユニット等の装置である。他の適切なロッド接続ユニットには、Ｈａｕｎｉ Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｂａｕ社のＭ５またはＭ８フィルターチップ接続ユニット、またはＧＤ１２１フィルター接続ユニットがある。

【発明の概要】

【0005】

本書で説明するいくつかの実施形態によれば、喫煙品製造機を用いて異なる２種類の喫煙品を同時に製造する方法が提供される。喫煙品製造機は、フィルターロッド供給装置と、フィルターロッド供給装置から受け取った２倍長フィルターロッドの長手方向端部のそれぞれに喫煙材ロッドを接続するためのロッド接続ユニットと、２倍長フィルターロッドを二つのフィルターロッドセグメントへと切断して、フィルターロッドセグメントの各々が、フィルターロッドセグメントの各々に接続された喫煙材ロッドと協働して喫煙品を形成するようにする、カッターとを備える。この方法は、フィルターロッド供給装置にフィルターロッドを供給するステップを含み、前記フィルターロッドは、フィルタートウを備えると共に、カッターにより２倍長フィルターロッドから切断されて形成された二つのフィルターロッドセグメントがそれぞれ異なる特徴を有するように構成されたものである。また、いくつかの実施形態においては、本方法は、フィルターロッドを供給するステップであって、２倍長フィルターロッドの一方のフィルターロッドセグメントのトウが、同じ２倍長フィルターロッドの他方のフィルターロッドセグメントのトウとは異なる特徴を有する、ステップを含む。また、本方法は、フィルターロッドを供給するステップであって、２倍長フィルターロッドにおけるフィルターロッドセグメントの異なる特徴が視認可能である、ステップを含むことが好ましい。

【0006】

これに代えて、あるいは追加的に、本方法は、フィルターロッドを供給するステップであって、２倍長フィルターロッドがカッターにより二つのフィルターロッドセグメントへと切断された場合に、フィルターロッドセグメントの各々が異なる物体の種類又は異なる組合せの物体の種類を有するように、トウが異なる各種類の、長手方向に互いに離間された物体を含む、ステップを含むとよい。

【0007】

フィルターロッド供給装置は、喫煙材ロッドを２倍長フィルターロッドの各々の各長手方向端部に接続する前に、フィルターロッドを２倍長フィルターロッドへと切断するための第１カッターを備えるものとすることができる。その場合、本方法は、二つの２倍長フィルターロッドへと第１カッターにより切断された場合に、２倍長フィルターロッドが各種類の物体を含むように、種類が交互となった四つの長手方向に互いに離間された物体をそれぞれが含むフィルターロッドをフィルターロッド供給装置に供給するステップを含むとよい。

【0008】

フィルターロッド供給装置は、喫煙材ロッドを２倍長フィルターロッドの各々の各長手方向端部に接続する前に、フィルターロッドを２倍長フィルターロッドへと切断するための第１カッターを備えるものとすることができる。その場合、本方法は、フィルターロッドが三つの２倍長フィルターロッドへと第１カッターにより切断された場合に、２倍長フィルターロッドが各種類の物体を含むように、種類が交互となった六つの長手方向に互いに離間された物体をそれぞれが含むフィルターロッドを、フィルターロッド供給装置に供給するステップを含むとよい。

【0009】

フィルターロッド供給装置にフィルターロッドを供給するステップは、カプセルが挿入されたフィルターロッドを供給することを含むものとすることができ、カプセルのいくつかは第１の種類の香味料を含み、カプセルのいくつかは第１の種類とは異なる第２の種類の香味料を含む。フィルターセグメントが異なる特徴のトウを有する場合、トウの特徴は、該特徴を有するトウに挿入されたカプセルに含まれる香味料に関連するものとすることができる。

【0010】

フィルターロッドは、物体の種類に基づく所定のロッド向きを示すための指標を有するプラグ巻取紙を備えてもよい。その場合、本方法は、全てのフィルターロッドがフィルターロッド供給装置に対して所定の向きとなるようにフィルターロッドをフィルターロッド供給装置に配置するステップを含むものとすることができる。

【0011】

喫煙品製造機は、チップペーパーウェブを個々独立のチップペーパー片に切断し、チップペーパー片の各々を対応の２倍長フィルターロッドに巻き付けて、喫煙材ロッドを前記２倍長フィルターロッドの各々の端部に接続するように、前記チップペーパーウェブを受けるためのチップユニット（ｔｉｐｐｉｎｇ ｕｎｉｔ）を備えるとよい。チップペーパーウェブの第１の横方向部分は、第１の指標の第１の長手方向配列を含み、チップペーパーウェブの第２の横方向部分は、第２の指標の第２の長手方向配列を含み、第１の指標が第１の種類の喫煙品を示し、第２の指標が第１の種類の喫煙品とは異なる第２の種類の喫煙品を示すように、第１の指標と第２の指標とは互いに異なっているとよい。本方法は、チップペーパーウェブを所定の向きで喫煙品製造機に装填し、チップペーパーの供給の向きに対応する向きでフィルターロッド供給装置にフィルターロッドを配置するステップであって、喫煙品製造機が、第１の種類の喫煙品の形成時に、チップペーパーウェブの第１の横方向部分から形成されたチップペーパー片の第１の部分を、２倍長フィルターロッドの第１の部分に巻き付けて、２倍長フィルターロッドの第１の部分が第１の種類の喫煙品の一部であることを、チップペーパー片の第１の部分の第１の指標が示すようになっていると共に、喫煙品製造機が、第２の種類の喫煙品の形成時に、チップペーパーウェブの第２の横方向部分で形成されたチップペーパー片の第２の部分を、２倍長フィルターロッドの第２の部分に巻き付けて、２倍長フィルターロッドの第２の部分が第２の種類の喫煙品の一部であることを、チップペーパー片の第２の部分の第２の指標が示すようになっており、その後、２倍長フィルターロッドおよびチップペーパー片を切断して、第１のフィルターロッドセグメントと、第２のフィルターロッドセグメントとにし、チップペーパー片の第１の部分で巻かれた第１のフィルターロッドセグメントが、第１のフィルターロッドセグメントに接続された喫煙材ロッドと協働して第１の種類の喫煙品を形成し、チップペーパー片の第２の部分で巻かれた第２のフィルターロッドセグメントが、第２のフィルターロッドセグメントに接続された喫煙材ロッドと協働して第２の種類の喫煙品を形成するようになっている、ステップを含むとよい。

【0012】

フィルターロッドがチューブフィルターを有するものとすることができ、その場合、本方法は、２倍長フィルターロッドが二つのフィルターロッドセグメントへと切断された場合に、フィルターロッドセグメントの各々が、フィルタートウセクションの他にチューブフィルター部分を含むように、チューブフィルターを含むフィルターロッドをフィルターロッド供給装置に供給するステップを含むとよい。ここで、２倍長フィルターロッドのフィルタートウセクションの各々は異なる特徴を有する。

【0013】

本発明の他の態様によれば、カプセルを含むフィルタートウから形成されたフィルターロッドをそれぞれが含む複数の喫煙品産業製品からなるパックが提供される。当該パックのうちの少なくとも一つの喫煙品産業製品におけるフィルターロッドのトウに含まれるカプセルは、当該パックのうちの少なくとも一つの他の喫煙品産業製品におけるフィルターロッドのトウに含まれるカプセルの種類とは異なった種類であり、一の種類のカプセルを含むフィルターロッドのトウは、他の種類のカプセルを含むフィルターロッドのフィルタートウとは異なる特徴を有するものである。

【0014】

一の種類のカプセルを含むフィルターロッドのトウは、異なる種類のカプセルを含むフィルターロッドのトウとは異なる色を有することができる。

【0015】

フィルターロッドの各々はチューブフィルターを備え、当該パックが開封された場合に、異なる色が着けられたトウがチューブフィルターを通して視認可能となっているとよい。

【0016】

本発明によれば、本発明による方法により得られる喫煙品も提供される。

【0017】

本発明の他の態様によれば、本発明の方法に従って異なる２種類の喫煙品を同時に製造する過程で作られる中間製品が提供される。この中間製品は、喫煙材ロッドを有する２倍長フィルターロッドを備え、この２倍長フィルターロッドは、該２倍長フィルターロッドが切断されて二つのフィルターロッドセグメントにされる前に、該２倍長フィルターロッドの各長手方向端部に前記喫煙材ロッドが接続される。また、２倍長フィルターロッドは、フィルタートウを備えると共に、該２倍長フィルターロッドが切断されて二つのフィルターロッドセグメントを形成した場合に、フィルターロッドセグメントの各々が異なる特徴を有するように構成される。

【0018】

２倍長フィルターロッドの一方のフィルターロッドセグメントを形成するトウは、同じ２倍長フィルターロッドの他方のフィルターロッドセグメントを形成するトウとは異なる特徴を有するのがよい。

【0019】

２倍長フィルターロッドの一方のフィルターロッドセグメントを形成するトウは、第１の種類の物体を含み、同じ２倍長フィルターロッドの他方のフィルターロッドセグメントを形成するトウは、第１の種類とは異なる第２の種類の物体を含むのがよい。

【0020】

本発明の他の態様によれば、フィルタートウから形成されたフィルターロッドをそれぞれが含む複数の喫煙品産業製品からなるパックが提供される。当該パックのうちの少なくとも一つの喫煙品産業製品におけるフィルターロッドのトウは、当該パックのうちの少なくとも一つの他の喫煙品産業製品におけるフィルターロッドのトウとは異なる特徴を有する。

【0021】

少なくとも一つの喫煙品産業製品のトウは、パックにおける少なくとも一つの他の喫煙品産業製品のフィルターロッドのトウとは異なる色とすることができる。

【0022】

フィルターロッドのいくつかまたは全ては、トウの中にカプセルのような物体を含むことができる。また、同じトウの特徴を有するフィルターロッドの全てが、同じ種類のカプセルを有してもよい。特別な特徴を有するトウに含まれるカプセルの種類は、その特徴を有するトウに関連したものであってもよい。

【0023】

本発明がより完全に理解されるように、単なる例として添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態をここで説明する。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】本発明の方法の一実施形態によりシガレット製造機に供給される、カプセルを含む４連フィルターロッドの側面図である。

【図1A】本発明の方法の一実施形態によりシガレット製造機に供給される、カプセルを含む４連フィルターロッドの側面図である。

【図2】一対の２倍長フィルターロッドを形成するために中央で切断された後の、図１に示すフィルターロッドの側面図である。

【図3】チップペーパーを用いて、各２倍長フィルターロッドの端部にタバコロッドが接続された後の、図２に示す各２倍長フィルターロッドの側面図である。

【図4】図３に示す各２倍長フィルターロッドおよびタバコロッドの同一の図であるが、各２倍長フィルターロッドが中央で切断されて、一対のフィルターロッドセグメントを形成した後の図であり、各セグメントがそれ自身のタバコロッドに関連付けられて個別のシガレットを形成している。

【図5】従来のフィルターロッド製造機、およびカプセル挿入ユニットの断面図である。

【図6A】従来のカプセル供給機構を示す。

【図6B】図６Ａの供給機構の回転供給ディスクの上面図を示す。

【図7】図６Ａおよび図６Ｂの供給機構を用いて製造可能な４連フィルターロッドを示す。

【図8】向きを示すためのマークを有し、本発明の方法の実施形態で使用可能なプラグ巻紙を示す。

【図9】チップペーパーが巻き付けられ、本発明の方法の一実施形態で用いられるフィルター内に含まれているカプセルの種類を示すための２組の側部マークを有するチップペーパーを示す。

【図10】従来のフィルター接続機能付きシガレット製造機の概略側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0025】

本発明の一実施形態による、フィルター接続機能付きシガレット製造機１７（図１０を参照）において異なる２種類の喫煙品を同時に製造する方法において、シガレット製造機１７のフィルターロッド供給装置２２に、予め配向された棒状物品、すなわち４連フィルターロッド１（図１を参照）が供給される。４連フィルターロッド１は、一定の間隔で離間された四つのカプセル２を含み、これらのカプセルには、第１の種類「Ａ」のカプセルが二つと、第２の種類「Ｂ」のカプセルが二つとが含まれている。カプセル２は、従来のカプセル挿入機付きフィルターロッド製造機５（図５を参照）によってフィルターロッド１に挿入され、複数のカプセル２が互いに比較的離間して配置されるように、すなわち、隣合うカプセルの中心同士の間隔「Ｓ」が約２７ｍｍであるようにされている。

【0026】

カプセル２は、同一の種類のカプセル２が互いに隣合うことはないように、すなわちＡ−Ｂ−Ａ−Ｂの並びになるように、フィルターロッド１の長さに沿って交互に供給される。フィルター接続機能付きシガレット製造機１７の切断ドラム２３ａとナイフドラム２９ａとは、互いに協働して、最初に４連フィルターロッドを半分に切断して、図２に示すような２連すなわち２倍長のフィルターロッド１’の同一の対を形成し、次いで、図３に示すように、タバコロッド４等の喫煙材のロッドを各２倍長フィルターロッド１’の両端に接続して（図３には、各タバコロッド４の一部のみが示されている）互いに隣接するシガレットを形成する（そのうちの１本は、「内側」シガレットと呼ばれ、もう１本は「外側」シガレットと呼ばれる）。

【0027】

最初の４連フィルターロッド１は、交互に並んだ状態カプセル２を含んでいるので、図２に示すように、各２倍長フィルターロッド１’は、種類Ａのカプセル２を１つ、および種類Ｂを１つ、Ａ−Ｂの順で含んでいる。タバコロッド４を各２倍長フィルターロッド１’の端部に接続するために、２倍長フィルターロッド１’とタバコロッド４とが、シガレット製造機１７のフィルター接続ユニットを通して供給され、そこで、タバコロッド４はチップペーパーを用いて各２倍長フィルターロッド１’の端部に接続される。

【0028】

最終的に、図４に示すように、２倍長フィルターロッド１’はそれぞれ、半分に切断されて二つのフィルターロッドセグメント１’’を形成し、各セグメントは、その関連するタバコロッド４に接続されて、個々独立のシガレットを形成する。同一の２倍長フィルターロッド１’から形成されたシガレットは、その各フィルターロッドセグメント１’’内に異なる種類のカプセル２を有するため、異なる２種類のシガレットが製造され、１本は種類「Ａ」のカプセル２を含むフィルターを有し、１本は種類「Ｂ」のカプセル２を含むフィルターを有する。

【0029】

元の４連フィルターロッド１から製造された４本のフィルター付きシガレットは、フィルターセグメント１’’が種類Ａのカプセルを含む一の種類の２本のシガレットと、フィルターセグメント１’’が種類Ｂのカプセルを含む別の種類の２本のシガレットとを含む。図１の実施形態において、全てのシガレットは、フィルターロッドセグメント１’’内に異なる種類のカプセル２を含むという点を除き、同一の種類のタバコロッド４と、同一の種類のフィルターとを有する。しかしながら、図１Ａを参照して以下で詳細に述べる他の実施形態においては、各シガレットは、中に入れられたカプセルの種類に関連するまたは係わる特徴を有する一つのフィルターまたは一つの異なる種類のフィルターを更に備えてもよい。

【0030】

フィルター接続機能付きシガレット製造機１７に供給される棒状物品は、最初に切断ドラム２３ａによって切断されて一対の２連の、すなわち２倍長のフィルターロッド１’を形成する、図１に示すような４連フィルターロッド１であることが好ましいが、フィルター接続機能付きシガレット製造機１７に供給される棒状物品は、２連の、すなわち２倍長のフィルターロッド１’であってもよく、つまり既に切断されて、２倍長フィルターロッド１’の対にされた４連フィルターロッドであってもよい。この場合、各２倍長フィルターロッド１’は、それぞれの種類の一つのカプセル２、すなわち「Ａ」−「Ｂ」を含んでおり、タバコロッド４を各２倍長フィルターロッド１’の端部に接続する前に、シガレット製造機１７によって最初の切断を行う必要はない。フィルター接続機能付きシガレット製造機１７に供給される棒状物品は、６連フィルターロッドであってもよい。この場合、６連フィルターロッドは、切断ドラム２３ａによって、最初に三つの２連２倍長フィルターロッド１’に切断され、各２倍長フィルターロッド１’は、三つの２倍長フィルターロッド１’のそれぞれの端部に接続が行われる前は、種類「Ａ」および「Ｂ」のそれぞれ一つのカプセル２を含む。

【0031】

カプセル２を含むフィルターロッド１を製造する技術は、当業者に知られており、また国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットおよび国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットの両方が参照することによって本書に組み込まれる。

【0032】

図５は、国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットで知られるフィルターロッド製造機およびカプセル挿入ユニット５の断面図である。稼働中、セルロースアセテートのフィルタートウの形態のフィルタープラグ素材（図示せず）が、供給源から引き出され、一組の延伸ローラ（図示せず）で延伸されて、スタッファジェット（ｓｔｕｆｆｅｒ ｊｅｔ）６を通って圧縮され、ガーニチャー８の舌部７を通って引き出される。図示されるように、カプセル挿入ユニット５は、周方向の凹部９ａから舌部７に直接カプセル２を挿入するように配置された回転可能なカプセル挿入ホイール９を有し、カプセル２は、舌部７を通るフィルタートウに接触するようになっている。国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットで説明されているように、カプセル挿入ユニット５は、隣合うカプセル２の中心同士の間の距離を制御するように調節することができる。トウは、ガーニチャー８において、プラグ巻紙１０で巻かれて（図７を参照）、細長いロッドを形成し、細長いロッドはその後、製造済みのフィルターロッド１をフィルター接続機能付きシガレット製造機１７のフィルターロッド供給装置２２の中に配置するために、所望の長さ（例えば、図１に示すような、四つのフィルターロッドセグメント１’’に相当するフィルターロッド１の長さ）に切断される。

【0033】

国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットでは、同一の細長いフィルターロッド１に、異なる種類のカプセル２が挿入された配置については説明されていない。装置のカプセルホッパ１１に、異なる種類のカプセル２を共に配置できることが、国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットから分かるが、これにより、カプセル２は、完全にランダムな順序で、トウに送り込まれる結果となる。

【0034】

図６Ａおよび図６Ｂは、国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットからのカプセル供給機構１２を示す。カプセル供給機構１２は、回転可能なカプセル挿入ホイール９のポケット９ａにカプセル２を供給するための回転可能なディスクアセンブリ１３を有し、これは国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットに関連して前述した回転可能なカプセル挿入ホイール９と同様のものである。ディスクアセンブリディスクアセンブリ１３は、第１のカプセル投入部１４ａと第２のカプセル投入部１４ｂとにそれぞれ受け入れられたカプセル２を誘導するための２組のチャネル１３ａ、１３ｂ（図６Ｂを参照）を有する。チャネル１３ａ、１３ｂは、ディスクアセンブリ１３の周に沿って交互に配置されている。その結果、第１の投入部１４ａおよび第２の投入部１４ｂからのカプセル２は、対応のチャネルの組１３ａ、１３ｂを通って、回転可能なカプセル挿入ホイール９のポケット９ａに交互に送り込まれて、交互にトウに挿入される。第１の種類「Ａ」のカプセル２を第１の投入部１４ａに、第２の種類「Ｂ」のカプセル２を第２の投入部１４ｂに配置することによって、対になったカプセル２（各対における個々のカプセル２は、異なる種類「Ａ」−「Ｂ」になっている）をトウに挿入することができる。チャネル１３ａとチャネル１３ｂとの間の分離角度を変更することによって、かつこれに対応するようにして回転可能なカプセル挿入ホイール９のポケット９ａを離間させることによって、連続的な挿入の間隔を変更して、カプセル２を回転可能なカプセル配送ホイール９からトウに挿入することができ、最終的なフィルターロッド１において、カプセル２をいかなる所望の長手方向の配置とすることが可能となっている。

【0035】

国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットで知られる装置に関し、同パンフレットには、最終的なフィルターロッド１５が、一の種類（種類「Ａ」）の四つのカプセル１６と、別の種類（種類「Ｂ」）の四つのカプセル１６とを含み、これらのカプセルがフィルターロッド１５の長さに沿って「Ａ」−「Ｂ」−「Ｂ」−「Ａ」−「Ａ」−「Ｂ」−「Ｂ」−「Ａ」の順に配置されるという実施形態が開示されている。八つのカプセル１６が四つの対にして配置されてもよく、その場合、例えば図７の例示的なフィルターロッド１５で示されるように、複数の隣合う対としてのカプセル１６同士の間隔は一つの対の中で隣合うカプセル１６同士の間隔よりも大きくされる。隣合うカプセル１６同士の間隔は、それぞれの対において１１ｍｍである。シガレット製造において、フィルターロッド１５は、最初に「Ｂ」−「Ｂ」の線に沿って切断されて２倍長フィルターロッド１’になり、タバコロッド４が各２倍長フィルターロッドの端部に接続され、その後、２倍長フィルターロッド１’が「Ｃ」−「Ｃ」の線に沿って切断されて、フィルターロッドセグメント１’’になり、各フィルターロッドセグメント１’’は、それのタバコロッド４に組み合わされてシガレットを形成する。各フィルターロッドセグメント１’’は二つのカプセル１６を含み、それぞれのカプセル１６は種類が異なっている。この態様で製造されたシガレットは全て同一である、すなわち、各フィルターロッドセグメント１’’は、タバコの吸い口に最も近いところに種類「Ａ」のカプセルを有し、吸い口から最も遠いところに種類「Ｂ」のカプセルを有することは理解されよう。図６Ａおよび図６Ｂのディスクアセンブリ１３は、対のカプセル２ではなく、個別に離間されたカプセル２をトウに挿入するために使用できることは理解されよう。

【0036】

国際公開第２０１１／０２４１０５号パンフレットおよび国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットの両方には、フィルターロッドに物体を挿入する技術が開示されており、国際公開第２０１２／０７２６７６号パンフレットには、異なる二つの種類「Ａ」および「Ｂ」の一続きのカプセル１６を、同一のフィルターロッド１５に挿入することができるという実施形態がさらに開示されているが、この装置５で製造されるフィルターロッド１は、フィルター接続機能付きシガレット製造機１７によって切断されて同一のフィルターロッドセグメント１’’が形成され、それぞれが同一のカプセル２、または同一対のカプセル１６を含むことは理解されよう。カプセル１６が対になっている場合は、各対における一続きのカプセル種類「Ａ」および「Ｂ」の順序もまた同じである。したがって、フィルターロッドセグメント１’’を用いて製造されたシガレットは、全て同一になる。

【0037】

同じトウに対してカプセルをその種類が交互となるよう送り込むために、国際公開第２０１２/０７２６７６号パンフレットに記載の回転可能なディスク装置に異なるカプセル種類を供給することに代えて、異なる種類のカプセルを有する各フィルターを個別に製造すること、すなわち異なるカプセル挿入機付きフィルターロッド製造機にて製造することができ、かかる場合、各フィルターロッド製造機はトウに一種類のカプセルを挿入することだけが必要となる。続いて、フィルターロッド製造機から送られてくる個々独立のフィルターロッドセグメントは、フィルターロッド接続機内で端部と端部が突き合わされてプラグ巻取紙で巻かれ、次いでフィルター接続機能付き喫煙品製造機のフィルターロッド供給装置内に供給され得る２連、４連又は６連のフィルターロッドを形成する。

【0038】

各フィルターロッドセグメントが異なるカプセル挿入機付きフィルターロッド製造機で製造される場合、異なるトウが各カプセル挿入機付きフィルターロッド製造機に供給さ得ることは理解されよう。例えば、トウは、そこに挿入されているカプセルの種類と一致する特徴を有することができる。そのような特徴は、視覚的に認識できるものや、様々な触覚的な性質のものとすることができる。特に、各カプセル挿入機付きフィルターロッド製造機に供給されるトウは、様々に色が着けられたものであることがよい。各カプセル挿入機付きフィルターロッド製造機に供給されるトウの色は、消費者がそのフィルターロッド製造機により挿入されるカプセルの特定の種類に関連付けるであろう色とすることができる。トウはプラグ巻取紙で巻かれ、続いてチップペーパーにより巻かれるが、トウの口側の端部は視認することができ、したがって、消費者は異なるトウの特徴を認識することができる。チップペーパーにマークや印を付けることに加え、あるいはその代わりとして、これは、そのフィルターにより含まれるカプセルの種類に関する視覚的な指標として機能することとなる。

【0039】

チューブフィルターがプラグ巻取紙内でカプセル挿入機付きフィルターロッド製造機によりフィルターロッド内に配置され得ることも考えられ得る。各チューブフィルターは、２倍長であり、フィルターロッド接続機によりフィルターロッドセグメント間に配置され、２連、４連または６連のフィルターロッドが切断され個々独立のフィルターロッドセグメントを形成すると、各フィルターロッドセグメントが、トウセクションと、各フィルターロッドセグメントの口側の端部にてチューブフィルターセクションとを有するようになっている。図１Ａは、図１に対して４連のカプセルを含むフィルターロッドの片側の側面図を示しており、それは、本発明の方法の一実施形態に従ってシガレット製造機に供給される。図１Ａに示すように、４連のフィルターロッドは、第１及び第２の対のフィルターロッド部分３０ａ、３０ｂとを備える。各対のフィルターロッド部分３０ａ、３０ｂは、チューブフィルター３１によって分離されている。異なる種類のカプセル２ａ、２ｂを含むことに加えて、各対のフィルターロッド部分３０ａ、３０ｂは、異なる特徴（各フィルターロッドに異なるハッチングを付して図示している）を有するトウから形成されている。喫煙品の製造時に実行されるステップは、図１の実施形態と関連したもののみ示されている。しかしながら、図１の４連フィルターロッドがフィルターロッド供給装置に供給されるのと同様にして、図１Ａに示される４連フィルターロッドもフィルターロッド供給装置に供給され得ることは理解されよう。フィルター接続機能付きシガレット製造機において、図１Ａの実施形態でフィルターロッドを一緒に保持するプラグ巻取紙は最初にＢ−Ｂ線に沿って切断されて１対の２連フィルターロッドを形成する。次いで、タバコロッドが各対の２連フィルターロッドの端部に接続される。続いて、各２連フィルターロッドは、Ｃ−Ｃ線に沿って切断され、すなわち２倍長チューブフィルターで切断されて、特別な特徴を有すると共にカプセルを含むトウから形成されたフィルターロッドと、喫煙品の口側の端部に配置されたチューブフィルターとを有する個々の喫煙品が形成される。

【0040】

チューブフィルターは異なるトウ特徴を有するフィルターロッドと接続され、喫煙品の口側の端部でチューブフィルターを通してトウが視認され得るようになっているが、チューブフィルターは従来のトウと共に使用されてもよい。

【0041】

２倍長フィルターロッドの二つのフィルターロッドセグメントがその中に異なる物体を有し、または異なる物体に加えて異なるトウ特徴を有するという実施形態について説明したが、他の実施形態においては、そのような物体がなく、フィルターロッドセグメントがそれらのトウ特徴だけが異なる場合もあることにも留意すべきである。

【0042】

上述したように、本発明の一実施形態は、シガレット製造機１７で二つの種類の異なるシガレットを同時に製造する方法である。これは、シガレット製造機１７に、異なる種類のカプセル２を含むフィルターロッド１を供給することによって実現され、その場合、カプセル２は距離「Ｓ」で互いに長手方向に離間され（図１を参照）、フィルターロッド１が最初に切断されて２倍長フィルターロッド１’になると、２倍長フィルターロッド１’は、それぞれの種類のカプセル２を１つ含む、すなわち、種類「Ａ」のカプセル２を一つ、および種類「Ｂ」のカプセル２を一つ含み、２倍長フィルターロッド１’が切断されて二つのフィルターロッドセグメント１’’を形成すると、各セグメント１’’は、これらのカプセル２のうちの１つを含むようになる。各セグメント１’’がタバコロッド４に組み合わされて、セグメント１’’とタバコロッド４とが共にシガレットを形成するので、各２倍長フィルターロッド１’は異なる２種類のシガレットを形成すること、すなわち、各シガレットのフィルターロッドセグメント１’’は異なる種類のカプセル２を含むことは理解されよう。

【0043】

フィルターロッド製造機５によって各フィルターロッド１に巻き付けられるプラグ巻紙１８は、フィルターロッド１の向き、すなわち、フィルターロッド１のどちらの端部に種類「Ａ」のカプセル２があるのに対し、フィルターロッド１の他方の端部に種類「Ｂ」のカプセル２があるかに関する表示を提供するためのマークその他の視覚的または触覚的な印１９を有してもよい。プラグ巻紙１８の一部がどのように見え得るかについて視覚的に表現したものが、図８に示されている。この実施形態では、プラグ巻紙１８にシェブロン１９が印刷されており、その全てが、フィルターロッド製造機５によって巻かれるフィルターロッド１の特定の端部を示すように、同一の向きになっている。例えば、シェブロン１９は、その中に種類「Ａ」のカプセル２が挿入されたフィルターロッド１の端部を示す矢印の頭の役割を果たす。任意の種類のマークまたは印１９が、プラグ巻紙１８に適用されてもよいこと、およびマークまたは印１９は視覚的、または触覚的な性質のものであって、その結果、他の端部に対する、プラグ巻紙の一端を示すことは理解されよう。しかしながら、前述したように、カプセルを含むトウが特別の特徴またはカプセルのその種類を示すための色を有している場合、チップペーパー上のマークまたは印は必要ない。

【0044】

作業者は、切断してフィルターロッド１にしたときに、プラグ巻紙１８のマーク１９がフィルターロッド１の両端を区別する、すなわち、フィルターロッド１のどちらの端部が種類「Ｂ」の反対側にある種類「Ａ」のカプセル２を含むかを正しく示すように、プラグ巻紙１８の給紙が巻かれたボビンをフィルターロッド製造機５に装填する。その場合、この表示により、その後の製造ステップにおいて、作業者は、シガレット製造機１７のフィルターロッド供給装置２２に、フィルターロッド１を正しい向きで、手動で確実に配置することができる。

【0045】

フィルターロッド１のどちらの端部が種類「Ａ」のカプセルを含み、またどちらの端部が種類「Ｂ」のカプセル２を含むかが分かった結果として、シガレット製造機１７のフィルターロッド供給装置２２に、フィルターロッド１を正しい向きで配置することによって、かつ、チップペーパーに特定のフィルター内に含まれているカプセル２の種類を消費者に示す指標を提供することによって、種類「Ａ」のカプセル２を含む２倍長フィルターロッド１’の端部が、チップペーパーの、カプセルの種類「Ａ」に対応する指標がある部分で巻かれることを確実に行うことが可能となり、また、種類「Ｂ」のカプセル２を含む２倍長フィルターロッド１’の他方の端部が、チップペーパーの、カプセルの種類「Ｂ」に対応する指標がある残りの部分で巻かれることを、確実に行うことが可能になる。チップペーパー上の、それぞれのカプセルの種類を示す指標は、これが巻かれる２倍長フィルターロッド１’の、その部分に含まれているカプセル２の種類に一致または対応するので、消費者は、タバコが特定の種類のものであること、すなわち、種類「Ａ」または種類「Ｂ」のカプセルを含むフィルターを有する喫煙品であることを正しく識別することができる。

【0046】

より詳しく後述するように、本発明によるチップペーパー上の指標は、マーク、印刷された印、その他任意の視覚的な種類の指標であってもよい。また、マークは、視覚的でない、例えば、触覚的な性質のものであってもよいことも理解されよう。

【0047】

概して図１０に示すようなシガレット製造機１７は、チップユニット（図示せず）を備える。このチップユニットは、連続的なチップペーパーウェブを個々独立のチップペーパー片へと切断し、これらのチップペーパー片は、２倍長フィルターロッド１’とタバコロッド４とを巻いてこれらを接続し、その後、２倍長フィルターロッド１’はフィルターロッドセグメント１’’と個々独立のシガレットへと切断される。チップペーパー２０の長手方向部分は、図９に示されており、四つのチップペーパーセクション２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄに分けられ、各チップペーパーセクションは、チップユニットによってＹ−Ｙ線に沿って切断されて個々独立のチップペーパー片になると、２倍長フィルターロッド１’に巻き付けるのに適当なものとなる。

【0048】

チップペーパー２０は、第１の横方向部分２５ａに付けられた長手方向に延びるマーク２６の第１の配列と、第２の横方向部分２５ｂに付けられた長手方向に延びるマーク２７の第２の配列とを有する。これらのマーク２６、２７は、各セクション２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄに一つのマークが現れるように、長手方向に互いに離間されている。第１および第２のマーク２６、２７は、それぞれがフィルターロッドセグメント１’’に受け入れられたカプセル２の第１および第２のカプセルの種類Ａ、Ｂとに対応し、またはこれを示す。第１の横方向部分２５ａと、第２の横方向部分２５ｂとは、チップペーパー２０の長手方向部分で延びる仮想中心線Ｘ−Ｘで分割される。

【0049】

本発明の一実施形態によれば、本方法は、ある向きでフィルターロッド供給装置２２にフィルターロッド１を配置することを含み、この向きは、チップペーパーの供給の向きに対応した向きであり、その結果、２倍長フィルターロッド１’とタバコロッド４とが互いに接続されるときに、カプセルの種類「Ａ」に対応する第１のマーク２６を有するチップペーパーの第１の横方向部分２５ａは、第１の種類「Ａ」のカプセル２を含む２倍長フィルターロッド１’の一部に巻き付けられ、また、カプセルの種類「Ｂ」に対応する第２のマーク２７を有するチップペーパーの第２の横方向部分２５ｂは、第２の種類「Ｂ」のカプセル２を含むフィルターロッド１’の一部に巻き付けられる。チップペーパーのマークは、特定のカプセルの種類「Ａ」または「Ｂ」を表すものとして消費者が認識することができ、色、言葉、記号、隆起、窪み、またはエンボス等の任意の組み合わせが、この目的で使用されてもよい。単に図示および説明を容易にするために、図９のマークは、「×」と「〇」とで表されているが、「×」のマークは、種類「Ａ」のカプセル２を表すものとして消費者に知られるマークの一種であり、「〇」のマークは、種類「Ｂ」のカプセル２を表すものとして消費者に知られる、外観、種類、または型が異なるマークである。第１の横方向部分２５ａは、種類「Ａ」のカプセルを含む２倍長フィルターロッド１’の一部に巻き付けられ、第２の横方向部分２５ｂは、種類「Ｂ」のカプセルを含む２倍長フィルターロッド１’の一部に巻き付けられて、その結果、消費者は、巻き付けられているチップペーパー２０のマーク２６、２７から、フィルターロッドセグメント１’’に含まれているカプセル２の種類を識別することができる。

【0050】

チップペーパー２０の幅は、各２倍長フィルターロッド１’の長さよりも長く、チップペーパー２０の各横方向部分の縁部領域は、タバコロッド４を２倍長フィルターロッド１’に接続するために、対応する２倍長フィルターロッド１’の端部を超え、タバコロッド４の一部を覆って延びるようになっている。点線Ｚ−Ｚは、２倍長フィルターロッド１’を超えて延びるチップペーパー２０の延長部を表し、各点線Ｚ−Ｚを超えた部分は、対応するタバコロッド４を覆って延びる縁部領域になる。

【0051】

細長いフィルターロッド１が供給されるフィルター接続機能付きシガレット製造機１７は、当業者に知られている種類のものであり、本書では詳細に説明しない。しかしながら、フィルター接続機能付きシガレット製造機１７は、フィルターロッド供給装置２２からフィルターロッド１を受け（フィルターロッド供給装置２２には、フィルターロッドがフィルターロッド製造部門からの自動空気輸送によって配置されている）、さらにタバコロッド製造機（図示せず）からタバコロッド４を受けて、これらを複数の円筒ドラム２７によって複数のフィルター接続ユニットを通して搬送することは理解されよう。棒状物品は、ユニットを通して搬送される際に、ドラムからドラムに渡される。ドラムは、移送中に棒状物品を保持するための複数の溝を有し、溝は、ドラムの湾曲した外周に沿って離間されており、各溝はドラム軸線の方向に延びている。

【0052】

いくつかのドラムは、ドラム２７によって棒状物品が搬送されると、特定の動作が行われるように構成されている。例えば、公知のフィルター接続機は、チップペーパーが取り付けられる前に、二つのタバコロッドと２連フィルターロッドとを長手方向に圧縮するためのスワッシュプレートドラムと、チップペーパーセグメントを三つのロッドに巻き付けるためのロールハンドと協働する回転ドラムとを備える。他の公知のドラムには、棒状物品を切断するための、切断ドラム２３ａ、およびナイフドラム２９ａのような切断ドラム、棒状物品を分離する分離ドラム、フィルターの有無を検査したり漏れ試験を行ったりする検査ドラム、フィルターロッドの小孔を焼き取るためのレーザードラム、およびタバコの向きを変えるための回転ドラムがある。他の公知のドラムには、移送ドラム（「中間ドラム」とも呼ばれる）、中継ドラム、および供給ドラムがある。前述したように、公知のフィルター接続ユニットは、チップペーパーを供給するためのチップユニットと、チップペーパーに接着剤を塗布するための接着ユニットとを備える。

【0053】

シガレット製造機１７にフィルターロッド１を供給する適切なフィルターロッド供給装置２２は、「Ｍａｘ Ｓ」、「Ｍａｘ ９０」またはＧＤ１２１である。図１０に示すように、フィルターロッド供給装置２２は、４連フィルターロッド１を受け入れて、ドラム２７に供給する。フィルターロッド供給装置２２は、作業者がフィルターロッド供給装置２２に配置した各４連フィルターロッド１を切断して２つの２連ロッドにするナイフドラム２９ａと協働する切断ドラム２３ａを備え、その後、各２連ロッドは供給ドラム２７に供給される。

【0054】

フィルターロッド製造機３によってフィルターロッド１に挿入される物体は、カプセル２であることが好ましい。各カプセル２は、ゼラチンで形成され、内部容積部に香料が入れられた球体であることが好ましい。本書で用いられる「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において所望の味または香りをつけるために（現地の規制によって許可される場合に）使用することができる材料のことをいう。これらの材料は、抽出物（例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、またはハッカ属の任意の種からのハッカ油など）、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤もしくは感覚受容体部位刺激剤、糖および／または代替糖（例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、またはマンニトール）、ならびに他の添加物（例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、または息清涼剤）を含んでいてもよい。これらはは、模造品、合成材料または天然材料、あるいはこれらの混合物であってもよい。これらは、油、液体または粉末等、任意の適切な形態をとることができる。カプセルの種類「Ａ」および「Ｂ」は、その内容によって互いに区別される。特に、カプセルの種類「Ａ」が、上に挙げた香味料の一つを含むのに対して、カプセルの種類「Ｂ」は、上に挙げた香味料の異なる一つを含む。

【0055】

カプセルは、直径が３．５ｍｍであるものとすることができる。これに代えて、またはこれに加えて、チャコールペレットまたはチャコール片等の、フィルターロッド１に挿入するのに適した他の物体が、カプセル挿入フィルターロッド製造機５によって供給されてもよいことは理解されよう。特に、種類「Ａ」または「Ｂ」のカプセルの一つは、チャコールペレットまたはチャコール片に置き換えることができ、その結果、２倍長フィルターロッド１’から形成されたフィルターロッドセグメント１’’のうちの一つはカプセル２を含み、他方はチャコールペレットまたはチャコール片を含むものとなる。

【0056】

２倍長フィルターロッドから切断されたセグメントのうちの一つは、種類「Ａ」のカプセルを含み、他方のセグメントは種類「Ｂ」のカプセルを含むものとして説明したが、一つのセグメントまたは各セグメントに、一つ以上のカプセルまたは物体があってもよく、一つのセグメントの各カプセルまたは物体は、同一の種類または異なる種類にしてもよいことは理解されよう。同一の２倍長フィルターロッドから形成されたセグメントが、それぞれがその中に受け入れられた物体の種類、または物体の量に関して互いに異なっているという事実は重要なことである。

【0057】

本書で説明される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解および教示を助けるためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表例としてのみ提供されており、網羅的および／または限定的なものではない。本書で説明される利点、実施形態、例、機能、特徴、構造および／または他の側面は、請求項で定義された本発明の範囲を制限するもの、あるいは請求項の均等物に対する制限と考えられるべきではないこと、ならびに特許請求する発明の範囲を逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、変更が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で具体的に説明したもの以外の、開示されている要素、構成、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組み合わせを適切に含んでも、これらのみからなっていても、あるいは実質的にこれらのみからなっていてもよい。また、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載され得る他の発明を含み得る。

【図1】

【図1A】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6A】

【図6B】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】