【文献】
日本曹達株式会社,NISSO−PB,p.1-5,特にp.1,2,5,URL,https://www.nippon-soda.co.jp/pb-j/list.html#b
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、特にことわりのない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を表す。
【0022】
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、着色剤、重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含む活性エネルギー線硬化型インキ組成物であって、前記耐摩擦剤が、25℃での動粘度が10,000〜200,000mm
2/Sの液状ポリオレフィンワックスを含むことを特徴とする。
【0023】
以下、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インキ組成物(以下、単に「インキ」とも称する)に含まれるか、又は含まれ得る成分を説明する。
【0024】
[着色剤]
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、着色剤を含有する。着色剤としては、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。耐光性の観点から、顔料が好ましい。
本発明に用いることができる顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。
【0025】
上記無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる
【0026】
上記有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料; β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化又は臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料及び複素環式顔料などが挙げられる。
【0027】
更に詳しくは、C.I.カラーインデックスで示すと、黒顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31などが挙げられる。
【0028】
白顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28などが挙げられる。
【0029】
黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213などが挙げられる。
【0030】
青又はシアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62などが挙げられる。
【0031】
赤又は紅顔料としては、C.I.Pigment RED 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269、C.I.Pigment Violet 19などが挙げられる。
【0032】
緑顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50などが挙げられる。
【0033】
紫顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42などが挙げられる。
オレンジ顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74などが挙げられる。
【0034】
本発明において、上記顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0035】
本発明において、上記顔料は、印刷紙面上に目的の濃度が再現可能であれば任意の含有量で使用することが可能であり、インキの全質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜25質量%である。
【0036】
[重合性化合物]
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキシ及び/又はメタクリロイルオキシ」を意味する。また、「PO」は「プロピレンオキサイド」を、「EO」は「エチレンオキサイド」を表す。
【0037】
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、重合性化合物を含む。本発明に用いることができる重合性化合物としては、重合性基として分子内にエチレン性不飽和結合を1つ以上有する化合物であれば、特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれの形態も包含する。
本発明において、重合性化合物は、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0038】
本発明において、重合性化合物の含有量は、インキの全質量に対して、40〜80質量%であることが好ましく、45〜70質量%であることがより好ましい。
【0039】
(モノマー)
本発明は、重合性化合物として、モノマーを含むことが好ましい。本発明において、「モノマー」とは、オリゴマーやポリマーを構成するための最小構成単位の化合物を意味する。モノマーは、分子内に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテル基から選ばれる重合性基を有する化合物が好ましい。中でも、硬化性の観点から、重合性基として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。
具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェノールアクリレート、2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能(メタ)アクリレートモノマーや、
N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミドなどの分子内にビニル基を1つ有する単官能ビニルモノマー、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(6)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ有する3官能(メタ)アクリレートモノマー、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの分子内にアクリロイル基を4つ有する4官能(メタ)アクリレートモノマー、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を5つ有する5官能(メタ)アクリレートモノマー、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を6つ有する6官能(メタ)アクリレートモノマー、などが挙げられる。
【0040】
さらに、光沢の観点から、インキに含まれる重合性化合物の平均LogP値が3.4以上を満たすように重合性化合物を配合することが好ましい。平均LogP値が上記の下限値以上であると、硬化塗膜の光沢が優れたものになる。
【0041】
ここで、本明細書における「LogP値」は、1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、一般に有機化合物の親水性/疎水性の相対的評価に用いられる数値である。LogP値は、J.Chem.Inf.Comput.Sci.1987,27,21−35に記載の方法によって求められる。また、市販のソフトであるChemDrawで計算することができる。
【0042】
なお、本発明における平均LogP値は、下記式(1)ようにして求めることができる。
平均LogP値=(重合性化合物AのLogP値×重合性化合物Aの重合性化合物全量中の含有率+重合性化合物BのLogP値×重合性化合物Bの重合性化合物全量中の含有率+・・・+重合性化合物nのLogP値×重合性化合物nの重合性化合物全量中の含有率) ・・・(1)
式(1)は、インキがn種類の重合性化合物を含むと仮定したときの式であり、nは1以上の整数である。「含有率」は重合性化合物の全質量に対する質量%を表す。
【0043】
さらに、硬化性の観点から、インキの平均重合性不飽和結合当量が、60〜80を満たすように重合性化合物を配合することが好ましい。平均重合性不飽和結合当量が、上記の下限値以上であると、硬化塗膜の光沢が優れたものになる。また、平均重合性不飽和結合当量が、上記の上限値以下であると、硬化性が優れたものになる。
【0044】
なお、発明におけるインキの平均重合性不飽和二重結合当量は、以下のようにして求めることができる。まず、インキに含まれる重合性化合物ごとに、重合性化合物の分子中に含まれる重合性不飽和二重結合当量を、下記式(2)により求める。
重合性化合物の重合性不飽和二重結合当量=重合性化合物の分子量/重合性化合物の分子中に含まれる重合性不飽和結合数 ・・・(2)
【0045】
次に、インキの平均重合性不飽和二重結合当量を、下記式(3)により求める。
インキの平均重合性不飽和二重結合当量=(重合性化合物Aの重合性不飽和二重結合当量×重合性化合物Aのインキ中の含有率+重合性化合物Bの重合性不飽和二重結合当量×重合性化合物Bのインキ中の含有率+・・・+重合性化合物nの重合性不飽和二重結合当量×重合性化合物nのインキ中の含有率) ・・・(3)
式(3)は、インキがn種類の重合性化合物を含むと仮定したときの式であり、nは1以上の整数である。「含有率」はインキ組成物の全質量に対する質量%を表す。
【0046】
中でも、重合性化合物として、硬化性の観点から、3官能〜6官能の(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
【0047】
3〜6官能の(メタ)アクリレートモノマーの含有量の合計は、重合性化合物の全質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
【0048】
単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む場合は、硬化性の観点から、活性エネルギー線硬化型インキの全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0049】
具体的には、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(LogP値:4.22、重合性不飽和二重結合当量:116.5)を、3官能〜6官能の(メタ)アクリレートモノマーの全質量に対して、15〜80質量%を含むことが硬化塗膜の光沢が優れたものとなることから好ましく、20〜70質量%を含むことがより好ましい。
【0050】
さらに、EO変性(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(LogP値:3.20、重合性不飽和二重結合当量:142.7)、及び、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(LogP値:3.06、重合性不飽和二重結合当量:96.3)からなる群より選ばれる1つ以上を、平均LogP値が3.4以上となる範囲で含むことが好ましい。EO変性(3)トリメチロールプロパントリアクリレートを用いることでインキ粘度の調整が容易になり、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることで硬化性が優れたものとなる。
【0051】
(オリゴマー)
本発明は、重合性化合物として、オリゴマーを含んでもよい。本発明において、「オリゴマー」とは、2個〜100個のモノマーに基づく構成単位を有する重合体である。
【0052】
オリゴマーは、分子内に重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが好ましく、その場合の(メタ)アクリロイル基の数は、柔軟性の観点から、1分子あたり1〜6であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
【0053】
オリゴマーの重量平均分子量は、400〜10,000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。ここで、「重量平均分子量」は、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
【0054】
オリゴマーとしては、例えば、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーなどのウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルエステルオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。オリゴマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0055】
[光重合開始剤]
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、光重合開始剤を含む。本発明に用いることができる光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用いることができる。具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α−アミノアルキルフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
また、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
上記ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノンなどが挙げられる。
【0057】
上記ジアルコキシアセトフェノン系化合物としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどが挙げられる。
【0058】
上記α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシメトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンなどが挙げられる。
【0059】
上記α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
【0060】
上記のアシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ジフェニルアシルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0061】
上記チオキサントン系化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
【0062】
前記光重合開始剤の含有量は、インキの全質量に対して、1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
【0063】
[耐摩擦剤]
(液状のポリオレフィン化合物)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、耐摩擦剤として、25℃での動粘度が10,000〜200,000mm
2/Sの液状のポリオレフィン化合物を含む。この範囲であると、ブランケットの膨潤を抑制でき、高い光沢を得ることができる。前記液状ポリオレフィン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0064】
前記液状のポリオレフィン化合物の含有量は、耐摩擦性、光沢の観点から、インキの全質量に対して、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜2.5質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
【0065】
前記液状のポリオレフィン化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、液状のポリエチレン化合物、液状のポリブテン化合物、液状の水素化ポリブタジエン化合物などが挙げられる。中でも、液状のポリブテン化合物、液状の水素化ポリブタジエン化合物が好ましく、液状のポリブテン化合物がより好ましい。
【0066】
前記液状のポリブテン化合物は、JXTGエネルギー株式会社製の日石ポリブテンHV−50、HV−100、HV−300、日油株式会社製の日油ポリブテン10N、30N、200Nなどが挙げられ、水素化ポリブタジエン化合物は、日本曹達株式会社製のNISSO−PB BI−2000などが挙げられる。
【0067】
(固形ワックス)
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、耐摩擦性の観点から、耐摩擦剤として、25℃で固体のワックスを含むことが好ましい。
前記25℃で固体のワックスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0068】
前記固体のワックスは、耐摩擦性の観点から、融点が80℃以上であることが好ましい。
融点の測定方法は、以下の通りである。セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC−200を用いて、昇温温度10℃/min、温度範囲25〜150℃、サンプル容器はカシメ密閉にて測定した。
【0069】
前記固体のワックスは、耐摩擦性と光沢の観点から、平均粒子径が1〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが特に好ましい。
平均粒子径の測定方法は、以下の通りである。島津製作所(株)製のレーザー回折粒度分布測定装置SALD−2200を用いて、粒度分布曲線において積算値が50%にあたる粒径を測定した。
【0070】
前記固体のワックスの含有量は、耐摩擦性、光沢、パイリングのバランスの観点から、インキの全質量に対して、0.5〜5質量%であることが好ましく、0.5〜4質量%であることがより好ましい。
【0071】
前記固体のワックスは、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、天然ワックスとして、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋などが挙げられる。また、合成ワックスとして、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッシャー・トロプッシュワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、アマイドワックスなどが挙げられる。
【0072】
[脂肪酸エステル化合物]
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、光沢の観点から、脂肪酸エステル化合物を含むことが好ましい。
前記脂肪酸エステル化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0073】
前記脂肪酸エステル化合物の含有量は、光沢、硬化性の観点から、インキの全質量に対して0.5〜5質量%であることが好ましい。含有量が、上記の下限値以上であると、硬化塗膜の光沢が優れたものとなる。また、含有量が、上記の上限値以下であると、硬化性が優れたものになる。より好ましい脂肪酸エステル化合物の含有量は、インキの全質量に対して1〜5質量%であり、1〜4質量%であることが特に好ましい。
【0074】
前記脂肪酸エステル化合物は、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物であり、多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられ、脂肪酸としては、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヌカ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。中でも、水酸基を3個有し、かつ水酸基価が25mgKOH/g以下の多価アルコールと、炭素数が8〜20の1価のカルボン酸とからなる脂肪酸エステル化合物が好ましい。
【0075】
[その他成分]
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、必要に応じて上記成分以外に、不活性樹脂、増感剤、重合禁止剤、表面張力調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含有することができる。
【0076】
(不活性樹脂)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、不活性樹脂を含んでもよい。不活性樹脂を含むことで、硬化時に生じる塗膜の硬化収縮を緩和し、基材のカールを抑制し、さらに、基材への密着性が向上する。本発明において、「不活性樹脂」とは、反応性基を有しない、重量平均分子量が10,000以上である化合物を意味する。
【0077】
前記不活性樹脂の重量平均分子量は、10,000〜100,000であることが好ましい。より好ましくは、10,000〜70,000である。
【0078】
前記不活性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、不活性樹脂の含有量は、インキ組成物の全質量に対して、5〜15質量%であることが好ましい。
【0079】
前記不活性樹脂として、具体的に、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴムなどが挙げられる。中でも、分散性の観点から、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0080】
(増感剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、増感剤を含んでもよい。増感剤を含むことで、硬化性を一層向上することができる。増感剤としては、具体的に、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族アミン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。
【0081】
(重合禁止剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などが挙げられる。
【0082】
重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ、インキ組成物の安定性を高める観点から、インキ組成物の全質量に対して、0.01〜2質量%であることが好ましい。
【0083】
なお、本発明において、活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、水を実質的に含有しないことが好ましい。実質的に含有しないとは、インキ組成物の全質量に対して、3質量%以下である。
【0084】
(体質顔料)
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、体質顔料を含んでもよい。体質顔料としては、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、ベントナイト等が挙げられる。
【0085】
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材に活性エネルギー線硬化型インキ組成物を印刷し、活性エネルギー線で硬化させることによって得られる。
【0086】
本発明の基材は、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的には、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非塗工紙、ユポ紙などの合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)のようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0087】
本発明において、活性エネルギー線硬化型インキ組成物を印刷する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、ロールコーター、ロッドコーター、ブレード、ワイヤーバー、ドクターナイフ、スピンコーター、スクリーンコーター、グラビアコーター、オフセットグラビアコーター、フレキソコーターなどが挙げられる。
また、印刷時に必要に応じて、加熱をおこなってもよい。
【0088】
本発明において、活性エネルギー線硬化型インキ組成物を硬化する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などを照射することで硬化することができる。中でも、紫外線、電子線が好ましく、より好ましくは紫外線である。紫外線のピーク波長は、200〜600nmであることが好ましく、より好ましくは350〜420nmである。
【0089】
活性エネルギー線源としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等のLED(発光ダイオード)やガス・固体レーザーなどが挙げられる。
【実施例】
【0090】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
【0091】
<不活性樹脂ワニスの作製>
重量平均分子量50,000のジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会社製 ダイソーダップA)30部を、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート70部に溶解させて昇温加熱混合(80℃)し、樹脂ワニスAを作成した。
【0092】
重量平均分子量50,000のジアリルフタレート樹脂(ダイソー株式会社製 ダイソーダップA)30部を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70部に溶解させて昇温加熱混合(80℃)し、樹脂ワニスBを作成した。
【0093】
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物の作成方法>
実施例1
カーボンブラックを15部、EO(3)変性トリメトロールプロパントリアクリレートを9.7部、ジメチロールプロパンテトラアクリレートを1.7部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを30部、Omnirad369を2部、Omnirad907を2部、OmniradDETXを2部、OmniradEMKを2部、日石ポリブテンHV−100を1部、タルクを1部、重合禁止剤を0.3部、及び、樹脂ワニスAを33.3部混合し、バタフライミキサーを用いて攪拌混合した後、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散してインキを作成した。
【0094】
実施例2〜22比較例1〜5
表1に記載した原料と量を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2〜22、比較例1〜5を得た。なお、空欄は配合していないことを表す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表1】
【0097】
表1中、表記の説明は以下の通りである。
[着色剤]
・カーボンブラック:三菱化学株式会社製、カーボンブラックMA11
[重合開始剤]
・Omnirad369:iGM RESINS社製、
・Omnirad907:iGM RESINS社製、
・OmniradDETX:iGM RESINS社製、2,4−ジメチルチオキサントン
・OmniradEMK:iGM RESINS社製、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[耐摩擦剤]
(液状のポリオレフィン化合物)
・日石ポリブテンHV−35:JXTGエネルギー株式会社製、液状のポリブテン化合物 25℃での動粘度が9,000mm
2/S
・日石ポリブテンHV−50:JXTGエネルギー株式会社製、液状のポリブテン化合物 25℃での動粘度が16,000mm
2/S
・日石ポリブテンHV−100:JXTGエネルギー株式会社製、液状のポリブテン化合物 25℃での動粘度が40,000mm
2/S
・日石ポリブテンHV−300:JXTGエネルギー株式会社製、液状のポリブテン化合物 25℃での動粘度が150,000mm
2/S
・日石ポリブテンHV−1900:JXTGエネルギー株式会社製、液状のポリブテン化合物 25℃での動粘度が500,000mm
2/S
・NISSO−PB BI−2000:日本曹達株式会社製、液状の水素化ポリブタジエン化合物 25℃での動粘度が50,000mm
2/S
(固形のワックス)
・テフロン(登録商標)変性ポリエチレンワックス ポリテトラフルオロエチレンワックス、シャムロック社製「フルオロスリップ511」、融点:126℃)
(シリコン系化合物)
・KP101:信越化学社製 ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、有効成分100質量%
[その他成分]
(体質顔料)
・タルク:ハイフィラー5000PJ(松村産業株式会社製)
(重合禁止剤)
・N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
【0098】
得られたインキ組成物を、以下の方法により性能評価を行った。結果を表2に示す。
[試験サンプルの作成方法]
得られたインキ組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、基材である特菱アート紙に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、コンベア速度60m/分、LEDランプ(エアーモーションシステム株式会社製「XP−9」、照射距離10mm、出力70%の条件)でインキ組成物を硬化させ、試験サンプルを作成した。なお、RIテスターとは、紙やフィルムにインキを印刷する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することができる。
【0099】
[耐摩擦性]
上記方法で作成した試験片を用い、テスター産業(株)製の学振型摩擦堅牢度試験機(荷重500g200回、対紙:上質紙)にて耐摩擦性試験を行い、インキ組成物を展色した面に生じた傷について評価した。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:全く傷付きがない
4:傷の面積が10%未満である
3:傷の面積が10%以上30%未満である
2:傷の面積が30%以上50%未満である
1:傷の面積が50%以上である
【0100】
[光沢]
上記方法で作成した試験片を用いて、村上色彩研究所製の光沢計GM62Dにて、インキ組成物を展色した面の60°反射角での光沢値(JIS Z 8741に準拠)を測定。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:光沢値が70°以上である
4:光沢値が65°以上70°未満である
3:光沢値が60°以上65°未満である
2:光沢値が55°以上60°未満である
1:光沢値が55°未満である
【0101】
[後加工適性]
上記方法で作成した試験片に、中井工業(株)製の熱転写箔AM−106の接着面を重ね合せ、テスター産業(株)製のヒートシールテスターTP−701Sにて120℃で熱転写し、転写した面積の評価を行った。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:転写面積が100%である
4:転写面積が90%以上100%未満である
3:転写面積が80%以上90%未満である
2:転写面積が50%以上80%未満である
1:転写面積が50%未満である
【0102】
[ブランケットの膨潤]
印刷用ブランケットを5cm四方に裁断し、その中央部分の厚みをデジタルノギスで測定した。次に、表1及び表2の各インキ約2.5gをできるだけ中央に乗せて、25℃で72時間放置した。その後、洗浄溶剤を用いずにインキを拭き取り、再び上記のデジタルノギスで中央部分の厚みを測定した。インキを乗せる前後の差を厚み変化量とした。ここで、印刷用ブランケットは株式会社金陽社製「MC1300W」を、デジタルノギスは株式会社ミツトヨ製「デジマチック標準外側マイクロメーターMDC−25MJ」を用いた。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:厚み変化量が5μm未満である
4:厚み変化量が5μm以上10μm未満である
3:厚み変化量が10μm以上15μm未満である
2:厚み変化量が15μm以上20μm未満である
1:厚み変化量が20μm以上である
【0103】
[ブランケットのパイリング]
着肉性評価試験は、UV枚葉オフセット印刷機にて、一般的な絵柄、濃度にて以下の印刷条件にて実施し、2万部印刷後の印刷機のブランケット上のインキ付着量について、目視にて4段階評価の相対評価を実施した。2以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
4:ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が確認されない
3:ブランケット非画線部に印刷インキ組成物がわずかに確認される
2:ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が確認され、やや色がついて見える
1:ブランケット非画線部に印刷インキ組成物が堆積している
(印刷条件)
印刷機 :LITHRONE26 (小森コーポレーション社製)
用紙 :ミラーコート・プラチナ(127.9g/m2) (王子製紙社製)
湿し水 :水道水/PRESSMAX W−P1(FFGS社製)を、98/2の質量比率で混合したもの
ランプ :メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製、出力120W/cm、3灯使用)
印刷温度:25±1℃
印刷速度:10000枚/時
版 :XP−F(FFGS社製)
【0104】
以上より、本願発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物が、優れた耐摩擦性、光沢を有し、印刷機のブランケットの膨潤を抑制することで優れた印刷適性を有し、かつ後加工適性にも優れたことがわかった。
【課題】本発明の課題は、化塗膜が優れた耐摩擦性、光沢を有する活性エネルギー線硬化型インキ組成物であって、印刷機のブランケットの膨潤を抑制することで優れた印刷適性を有し、かつ、後加工適性にも優れた活性エネルギー線硬化型インキ組成物、並びに、これを用いた印刷物を提供することである。