(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6676891
(24)【登録日】2020年3月17日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】LED照明ユニット及びこれを使用したLED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20200330BHJP
A61C 19/00 20060101ALI20200330BHJP
A61B 90/30 20160101ALI20200330BHJP
A61B 90/35 20160101ALI20200330BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20200330BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20200330BHJP
F21W 131/202 20060101ALN20200330BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200330BHJP
【FI】
F21S2/00 611
A61C19/00 H
A61B90/30
A61B90/35
F21V19/02 200
F21V14/02 100
F21W131:202
F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-132768(P2015-132768)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2017-16900(P2017-16900A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135965
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 要泰
(74)【代理人】
【識別番号】100100169
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敬
(72)【発明者】
【氏名】森田 彩花
(72)【発明者】
【氏名】小宮 敬哲
【審査官】
河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−120703(JP,U)
【文献】
特開2008−192313(JP,A)
【文献】
特開2010−033743(JP,A)
【文献】
特開2006−288457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
A61B 90/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々に対応して設けられたLED光源ユニットと、前記LED光源ユニットを可動に支持する支持部材と、を有し、
前記LED光源ユニットの各々は、第1の波長の光を発光する第1のLED光源と前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2のLED光源とを含み、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置され、
前記LED光源ユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置されるように構成され、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のLED光源ユニットと前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のLED光源ユニットとを有し、
前記反射鏡は、前記第1のLED光源ユニットに対応して設けられた第1の反射鏡と前記第2のLED光源ユニットに対応して設けられた第2の反射鏡とを有し、前記第1の反射鏡の焦点位置と前記第2の反射鏡の焦点位置は整合して配置されていることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項2】
請求項1記載のLED照明ユニットにおいて、
前記第1のLED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記第2のLED光源ユニットは前記第1の位置又は前記第2の位置に配置されることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項3】
少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々に対応して設けられたLED光源ユニットと、前記LED光源ユニットを可動に支持する支持部材と、を有し、
前記LED光源ユニットの各々は、第1の波長の光を発光する第1のLED光源と前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2のLED光源とを含み、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置され、
前記LED光源ユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置されるように構成され、
前記支持部材は湾曲線に沿って可動なように湾曲した形状を有し、
前記少なくとも1つの凹面型の反射鏡は前記湾曲線に沿って配置され、
前記LED光源ユニットは前記湾曲線に沿って配置されていることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項4】
少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々に対応して設けられたLED光源ユニットと、前記LED光源ユニットを可動に支持する支持部材(14,24)と、を有し、
前記LED光源ユニットの各々は、第1の波長の光を発光する第1のLED光源と前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2のLED光源とを含み、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置され、
前記LED光源ユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置されるように構成され、
前記LED光源ユニットの各々は、前記第1の波長及び前記第2の波長とは異なる第3の波長の光を発光する第3のLED光源を含み、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置と前記第2の位置とは異なる第3の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第3のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置されることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項5】
少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々の焦点位置に設けられたLED光源と、前記LED光源の各々に対応して設けられたフィルタユニットと、前記フィルタユニットを可動に支持する支持部材と、を有し、
前記フィルタユニットの各々は、第1の波長の光を変換させる第1のフィルタと前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を変換させる第2のフィルタとを含み、
前記フィルタユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記フィルタユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記フィルタユニットの各々の第1のフィルタは前記LED光源に対応して配置され、
前記フィルタユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記フィルタユニットの各々の第2のフィルタは前記LED光源に対応して配置されるように構成され、
前記LED光源は、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のLED光源と前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のLED光源とを有し、
前記フィルタユニットは、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のフィルタユニットと前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のフィルタユニットとを有し、
前記反射鏡は、前記第1のLED光源に対応して設けられた第1の反射鏡と前記第2のLED光源に対応して設けられた第2の反射鏡とを有し、
前記第1のLED光源と前記第2のLED光源は整合して配置されていることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項6】
請求項5記載のLED照明ユニットにおいて、
前記第1のフィルタユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記第2のフィルタユニットは前記第1の位置又は前記第2の位置に配置されることを特徴とするLED照明ユニット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載のLED照明ユニットと、該LED照明ユニットに電源を供給する電源装置と、前記LED照明ユニットを支持する支持機構と、を有するLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED照明ユニット、及び、これを使用するLED照明装置に関し、特に、歯科治療用に好適なLED照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科治療用のランプとして、患者の口内を照明するための照明用ランプと歯科充填剤を硬化させるための樹脂硬化用ランプが用いられる。更に、照明用ランプとして、患者の口内の処置部位の色に応じて異なる光色の照明光を用いられることが好ましい。処置部位の色に応じて最適な光色の照明光を用いることによって、処置部位の病状が的確に判定できるからである。従って、歯科治療用のランプには、用途に応じて異なる光色を照明させるために複数の光色の光源を備える要望がある。
【0003】
特許文献1には、口腔内を照明する歯科用照明装置の例が記載されている。この歯科用照明装置は、光硬化性樹脂材料の意図しない硬化を抑制するために、切り替え手段を設けることが記載されている。特許文献2には、複数のLED光源と、これらのLED光源を駆動するためのエネルギー供給手段を備えた処置照明器具が開示されている。この処置照明器具では、エネルギー供給手段は可逆的に取り外し可能にLED光源に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-33743
【特許文献2】特開2012-130710
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、歯科治療では、用途に応じて異なる光色を用いるため、治療毎に、光源を交換する必要がある。しかしながら、この作業は煩雑である。光源を交換する代わりに、光色調節(波長調節)用の制御装置を設けてもよいが、制御装置を設ける費用分だけコストアップとなる。
【0006】
本発明の目的は、用途に応じて、光色(色温度又は波長)の異なる光源を使い分けることができる、簡単な構造のLED照明ユニット、及び、LED照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によると、LED照明ユニットは、
少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々に対応して設けられたLED光源ユニットと、前記LED光源ユニットを可動に支持する支持部材と、
を有し、
前記LED光源ユニットの各々は、第1の波長の光を発光する第1のLED光源と前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を発光する第2のLED光源とを含み、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置され、
前記LED光源ユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置されるように構成されている。
【0008】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は点灯し、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は消灯し、
前記LED光源ユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第1のLED光源は消灯し、前記LED光源ユニットの各々の第2のLED光源は点灯するように構成されている、としてよい。
【0009】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記LED光源ユニットは、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のLED光源ユニットと前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のLED光源ユニットとを有し、前記反射鏡は、前記第1のLED光源ユニットに対応して設けられた第1の反射鏡と前記第2のLED光源ユニットに対応して設けられた第2の反射鏡とを有し、前記第1の反射鏡の焦点位置と前記第2の反射鏡の焦点位置は整合して配置されている、としてよい。
【0010】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記第1のLED光源ユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記第2のLED光源ユニットは前記第1の位置又は前記第2の位置に配置される、としてよい。
【0011】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記支持部材は湾曲線に沿って可動なように湾曲した形状を有し、前記少なくとも1つの凹面型の反射鏡は前記湾曲線に沿って配置され、前記LED光源ユニットは前記湾曲線に沿って配置されている、としてよい。
【0012】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記LED光源ユニットの各々は、前記第1の波長及び前記第2の波長とは異なる第3の波長の光を発光する第3のLED光源を含み、
前記LED光源ユニットが前記第1の位置と前記第2の位置とは異なる第3の位置に配置されたとき、前記LED光源ユニットの各々の第3のLED光源は前記反射鏡の各々の焦点位置に配置される、としてよい。
【0013】
本発明の実施形態によると、LED照明ユニットは、少なくとも1つの凹面型の反射鏡と、前記反射鏡の各々の焦点位置に設けられたLED光源と、前記LED光源の各々に対応して設けられたフィルタユニットと、前記フィルタユニットを可動に支持する支持部材と、
を有し、
前記フィルタユニットの各々は、第1の波長の光を透過させる第1のフィルタと前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を透過させる第2のフィルタとを含み、
前記フィルタユニットは、前記支持部材によって第1の位置と第2の位置の間を移動可能であり、
前記フィルタユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記フィルタユニットの各々の第1のフィルタは前記LED光源に対応して配置され、
前記フィルタユニットが前記第2の位置に配置されたとき、前記フィルタユニットの各々の第2のフィルタは前記LED光源に対応して配置されるように構成されている。
【0014】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記LED光源は、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のLED光源と前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のLED光源とを有し、前記フィルタユニットは、前記支持部材の第1の側に沿って配置された第1のフィルタユニットと前記支持部材の第2の側に沿って配置された第2のフィルタユニットとを有し、前記反射鏡は、前記第1のLED光源に対応して設けられた第1の反射鏡と前記第2のLED光源に対応して設けられた第2の反射鏡とを有し、前記第1のLED光源と前記第2のLED光源は整合して配置されている、としてよい。
【0015】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記第1のフィルタユニットが前記第1の位置に配置されたとき、前記第2のフィルタユニットは前記第1の位置又は前記第2の位置に配置される、としてよい。
【0016】
本発明の実施形態によると、前記LED照明ユニットにおいて、
前記フィルタユニットの各々は、前記第1の波長及び前記第2の波長とは異なる第3の波長の光を透過させる第3のフィルタを含み、
前記フィルタユニットが前記第1の位置と前記第2の位置とは異なる第3の位置に配置されたとき、前記フィルタユニットの各々の第3のフィルタは前記LED光源に対応して配置されるように構成されている、としてよい。
【0017】
本発明の本実施形態によるとLED照明装置は、前記LED照明ユニットと、該LED照明ユニットに電源を供給する電源装置と、前記LED照明ユニットを支持する支持機構と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、用途に応じて、光色(色温度又は波長)の異なる光源を使い分けることができる、簡単な構造のLED照明ユニット、及び、LED照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】
図1Aは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第1の例を説明する説明図である。
【
図1B】
図1Bは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第1の例を説明する説明図である。
【
図1C】
図1Cは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第2の例を説明する説明図である。
【
図1D】
図1Dは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第2の例を説明する説明図である。
【
図1E】
図1Eは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第2の例の光路を説明する図である。
【
図2A】
図2Aは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の外観斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の主要部を説明する図である。
【
図2C】
図2Cは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の主要部を説明する図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の主要部の変形例を説明する説明図である。
【
図4A】
図4Aは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の動作を説明する説明図である。
【
図4B】
図4Bは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の動作を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るLED照明ユニットの第4の例の外観斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第4の例の動作を説明する説明図である。
【
図6B】
図6Bは、本実施形態に係るLED照明ユニットの第4の例の動作を説明する説明図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るLED照明装置の例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るLED照明ユニット及びこれを使用したLED照明装置の実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施形態は、例示であって、本発明を何等限定するものではないことを承知されたい。
【0021】
図1A及び
図1Bを参照して、本発明に係るLED照明ユニットの第1の例の基本構造を説明する。LED照明ユニット10は、凹面型の反射鏡11と、LED光源ユニット12と、可動な支持部材14を有する。LED光源ユニット12は、第1の色温度又は波長の光を発光する第1のLED光源121と第2の色温度又は波長の光を発光する第2のLED光源122とを有する。第1の色温度は例えば3000Kであり、第2の色温度は例えば5000Kであってよい。支持部材14が矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動することによって、LED光源ユニット12が第1の位置と第2の位置の間を移動するように構成されている。
図1AはLED光源ユニット12が第1の位置に配置された状態を示し、
図1BはLED光源ユニット12が第2の位置に配置された状態を示す。
【0022】
図1Aに示すように、LED光源ユニット12が第1の位置に配置されたとき、第1のLED光源121は、反射鏡11の焦点位置に配置され、第2のLED光源122は、反射鏡11の非焦点位置に配置される。このとき、第1のLED光源121は点灯し、第2のLED光源122は消灯する。従って、LED照明ユニット10は、第1の色温度の光を発光する。
図1Bに示すように、LED光源ユニット12が第2の位置に配置されたとき、第1のLED光源121は、反射鏡11の非焦点位置に配置され、第2のLED光源122は、反射鏡11の焦点位置に配置される。このとき、第2のLED光源122は点灯し、第1のLED光源121は消灯する。従って、LED照明ユニット10は、第2の色温度の光を発光する。
【0023】
本実施形態によると、LED光源ユニット12の2つの光源のうち、反射鏡11の焦点位置に配置されたLED光源が点灯し、反射鏡11の非焦点位置に配置されたLED光源が消灯する。点灯したLED光源からの光は、矢印Lに示すように反射鏡11を反射し、対象物を照射する。
【0024】
図1C及び
図1Dを参照して、本発明に係るLED照明ユニットの第2の例の基本構造を説明する。本実施形態に係るLED照明ユニットは
図1A及び
図1Bに示したLED照明ユニット10を2個組み合わせた構造を有する。本実施形態のLED照明ユニットは第1のLED照明ユニット10と第2のLED照明ユニット20を有する。第1のLED照明ユニット10と第2のLED照明ユニット20は同一構造を有してよい。以下に、第1のLED照明ユニット10に属する構成部品名に「第1の」なる形容を付し、第2のLED照明ユニット20に属する構成部品名に「第2の」なる形容を付す。図示のように、第1のLED光源ユニット12と第2のLED光源ユニット22は互いに近接し、且つ、整合して配置されている。従って、第1のLED照明ユニット10から発生した光と第2のLED照明ユニット20から発生した光は、最適な位置で混合し、対象物を照射する。
【0025】
本実施形態に係るLED照明ユニットでは、第1の支持部材14と第2の支持部材24は互いに独立に作動する。ここで、第1のLED光源ユニット12の第1のLED光源121の色温度を3000K、第2のLED光源122の色温度を5000Kとする。同様に、第2のLED光源ユニット22の第1のLED光源221の色温度を3000K、第2のLED光源222の色温度を5000Kとする。
【0026】
図1Cの例では、第1のLED光源ユニット12と第2のLED光源ユニット22が、共に第2の位置に配置されている。そのため、それぞれ第2のLED光源122、222が点灯し、色温度が5000Kの光を発生している。一方、
図1Dの例では、第1のLED光源ユニット12が第1の位置に配置され、第2のLED光源ユニット22が第2の位置に配置されている。従って、第1のLED照明ユニット10は色温度が3000Kの光を発生し、第2のLED照明ユニット20は色温度が5000Kの光を発生している。この場合には、3000Kの光と5000Kの光が混合し色温度が4000Kの光が生成される。2つのLED照明ユニット10、20から発生した光は、最適な位置で混合し、対象物を照射する。
【0028】
表1を参照して説明する。表1は
図1C及び
図1Dに示した本実施形態によるLED照明ユニットの作動例を列挙したものである。第1のLED光源ユニット12が発生する光の色温度は3000K又は5000Kである。一方、第2のLED光源ユニット22が発生する光の色温度は3000K又は5000Kである。従って、2つのLED光源ユニット12、22が発生する光の色温度の組み合わせの数は4通りである。しかしながら、2つのLED照明ユニット10、20が発生する光を混合した光の色温度は、3000K、4000K、及び、5000Kの3つである。
【0029】
図1C及び
図1Dに示した例では、2つのLED光源ユニット12、22が発生する光の色温度の種類は同一であり、共に、3000K又は5000Kである。しかしながら、2つのLED光源ユニット12、22が発生する光の色温度の種類を異なるように構成してもよい。例えば、第1のLED光源ユニット12が発生する光の色温度は、3000K又は5000Kであるが、第2のLED光源ユニット22が発生する光の色温度は、4000K又は6000Kであるとしてよい。この場合には、表1に示した例とは異なる種類の色温度の光を得ることができる。更に、上述の例では、LED光源ユニット12、22は、それぞれ2つのLED光源121、122又は221、222を有する。しかしながら、これは単なる例示であって、本発明のLED照明ユニットでは、LED光源ユニット12、22は3つ以上のLED光源を有してもよい。
【0030】
図1Eを参照して、本実施形態のLED照明ユニットからの光の経路を説明する。
図1Eは
図1Cに示すLED照明ユニットを矢印A−Aから見た断面構成を模式化して簡略化して描いた図面である。図示のように、第1の反射鏡11、LED光源ユニット12及び支持部材14と、第2の反射鏡21、LED光源ユニット22及び支持部材24の断面構造が模式化して簡略化して描かれている。
図1C及び
図1Dを参照して説明したように、LED光源ユニット12及び22は、2つのLED光源を有し、その一方が点灯するように構成されているが、ここでは、それを省略し、簡略化して描いている。LED照明ユニットの光軸に沿ってx軸をとり、紙面に垂直方向にy軸をとり、両者に直交するようにz軸をとる。
【0031】
第1のLED光源ユニット12は、支持部材14、24の第1の側に沿って配置され、第2のLED光源ユニット22は、支持部材14、24の第2の側に沿って配置されている。第1のLED光源ユニット12のLED光源は、第1の反射鏡11の焦点位置に配置されている。第2のLED光源ユニット22のLED光源は、第2の反射鏡21の焦点位置に配置されている。第1の反射鏡11と第2の反射鏡21の焦点位置は、z軸に沿って整合して配置され、且つ、互いに近接している。従って、第1の反射鏡11と第2の反射鏡21は、単一の凹面型の反射鏡を構成しており、その焦点位置に、LED光源ユニット12、22が配置されている。
【0032】
第1のLED光源ユニット12のLED光源からの光は、矢印Lに示すように、第1の反射鏡11を反射し、x軸方向に沿って、即ち、光軸方向に沿って照射される。第2のLED光源ユニット22のLED光源からの光は、矢印Lに示すように、第2の反射鏡21を反射し、x軸方向に沿って、即ち、光軸方向に沿って照射される。LED光源ユニット12とLED光源ユニット22はz軸方向に沿って整合して且つ互いに近接して配置されている。従って、2つのLED光源ユニット12、22からの光は、最適な位置で混合し、対象物を照射する。
【0033】
図2Aを参照して、本発明に係るLED照明ユニットの第3の例を説明する。本実施形態のLED照明ユニットは、第1グループの3つの反射鏡11A、11B、11Cと、それに対応して配置された第1グループの3つのLED光源ユニット12A、12B、12Cと、第2グループの3つの反射鏡21A、21B、21Cと、それに対応して配置された第2グループの3つのLED光源ユニット22A、22B、22Cを有する。第1グループの反射鏡11A、11B、11Cと第2グループの反射鏡21A、21B、21Cは、それぞれ1つの湾曲線に沿って配置されている。第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cと第2グループの3つのLED光源ユニット22A、22B、22Cは、それぞれ1つの湾曲線に沿って配置されている。
【0034】
図示のように座標軸を設定する。LED照明ユニットの光軸に沿ってx軸をとり、湾曲線の中心軸線方向に沿ってz軸をとり、両者に直交するようにy軸をとる。第1グループの3つの反射鏡11A、11B、11Cと第2グループの3つの反射鏡21A、21B、21Cは、それぞれ、z軸に沿って整合して配置され、支持部材14、24の両側に、且つ、支持部材14、24に対して対称的に配置されている。第1グループの3つのLED光源ユニット12A、12B、12Cと第2グループの3つのLED光源ユニット22A、22B、22Cは、それぞれ、z軸に沿って整合して配置され、支持部材14、24の両側に、且つ、支持部材14、24に対して対称的に配置されている。
【0035】
第1グループの3つの反射鏡11A、11B、11Cの各焦点位置と、第2グループの3つの反射鏡21A、21B、21Cの各焦点位置は、それぞれ、z軸に沿って整合して配置され、支持部材14、24の両側に、且つ、支持部材14、24に対して対称的に配置されている。第1グループの3つの反射鏡11A、11B、11Cの各焦点位置と、第2グループの3つの反射鏡21A、21B、21Cの各焦点位置は、それぞれ、近接して配置されている。
【0036】
本実施形態のLED照明ユニットは、更に、第1の枠体18と第2の枠体28を有する。第1の枠体18は、第1グループの反射鏡11A、11B、11Cを支持し、第2の枠体28は第2グループの反射鏡21A、21B、21Cを支持する。2つの枠体18、28は隣接して且つ整合して配置されている。
【0037】
本実施形態のLED照明ユニットは、更に、第1の支持部材14と第2の支持部材24を有する。2つの支持部材14、24は近接して且つ整合して配置されている。第1の支持部材14は、第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cを可動に支持し、第2の支持部材24は、第2グループのLED光源ユニット22A、22B、22Cを可動に支持する。2つの支持部材14、24は、それぞれ1つの湾曲線に沿って可動なように湾曲線形状を有する。第1の支持部材14と第2の支持部材24が、矢印Mに示すように、それぞれ湾曲線に沿って移動すると、第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cと第2グループのLED光源ユニット22A、22B、22Cは、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動する。本実施形態では、第1の支持部材14と第2の支持部材24は、互いに独立的に移動可能である。即ち、第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cと第2グループのLED光源ユニット22A、22B、22Cは、互いに独立的に移動することができる。
【0038】
尚、支持部材14、24を1個の支持部材によって構成してもよい。この場合には、第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cは支持部材の一方の側に装着され、第2グループのLED光源ユニット22A、22B、22Cは支持部材の他方の側に装着される。更に、この場合には、第1グループのLED光源ユニット12A、12B、12Cと第2グループのLED光源ユニット22A、22B、22Cは、互いに独立的に移動することはできない。支持部材14、24の動作は後に説明する。
【0039】
図2B及び
図2Cを参照して、本発明に係るLED照明ユニットの第3の例の第1の枠体18と第1の支持部材14の構造の例を説明する。
図2B及び
図2Cは、第1の枠体18と第1の支持部材14の外観斜視図であるが、観察方向が逆である。尚、ここでは、第1の枠体18と第1の支持部材14の構造を説明するが、第2の枠体28と第2の支持部材24の構造は、第1の枠体18と第1の支持部材14の構造と同様であってよい。
【0040】
第1の枠体18は反射鏡支持部181と固定プレート182を有する。反射鏡支持部181は湾曲面を有する。反射鏡支持部181によって、反射鏡11A、11B、11Cが支持されている。固定プレート182は反射鏡支持部181に対して直交するように設けられている。固定プレート182は、湾曲線形状を有し、3つの切り欠き部183A、183B、183Cを有する。
【0041】
第1の支持部材14は可動プレート141と3つの取付け部142A、142B、142Cと両端のストッパ143を有する。可動プレート141は湾曲線に沿って可動なように湾曲線形状を有する。取り付け部142A、142B、142Cに、第1グループの3つのLED光源ユニット12A、12B、12Cがそれぞれ装着される。こうして、第1の支持部材14の取付け部142A、142B、142Cに装着されたLED光源ユニット12A、12B、12Cは、固定プレート182の3つの切り欠き部183A、183B、183C内にそれぞれ配置され、且つ、露出される。切り欠き部183A、183B、183Cの長手方向の寸法、即ち、周方向の寸法は、LED光源ユニット12A、12B、12Cの長手方向の寸法より大きい。従って、可動プレート141が固定プレート182に対して湾曲線に沿って相対的に移動すると、LED光源ユニット12A、12B、12Cは湾曲線に沿って移動する。可動プレート141の移動は両端のストッパ143が固定プレート182の端部に当接することにより制限される。
【0042】
図3を参照して本実施形態のLED照明ユニットの第1の支持部材14の構造の他の例を説明する。本実施形態によると、第1の支持部材14は可動プレート141と3つの取付け部142A、142B、142Cと更に把手部145を有する。本実施形態では、把手部145を手で掴んで左右に移動させることにより、可動プレート141を周方向に移動させることができる。
【0043】
図4A及び
図4Bを参照して、
図2Aに示した本発明の実施形態に係るLED照明ユニットの第3の例の動作を説明する。
図4A及び
図4Bは、第1グループの中央のLED光源ユニット12Bと支持部材14の可動プレート141の一部分を取り出して描いた図である。図示のように、可動プレート141の取付け部142Bに、LED光源ユニット12Bが装着されている。LED光源ユニット12Bは第1のLED光源121と第2のLED光源122を有する。例えば、第1のLED光源121は、色温度が3000Kの光を発光し、第2のLED光源122は色温度が5000Kの光を発光すると仮定する。LED光源ユニット12Bは固定プレート182の切り欠き部183Bに配置されている。破線F−Fは反射鏡11Bの焦点位置を示す。即ち、破線F−FとLED光源ユニット12Bの交点が、反射鏡11Bの焦点位置である。
【0044】
図4Aは、可動プレート141を、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動させることによって、LED光源ユニット12Bが第2の位置から第1の位置に変化した状態を示す。第1の位置では、第1のLED光源121が焦点位置に配置され、且つ、点灯している。第2のLED光源122は非焦点位置に配置され、消灯している。このとき、LED照明ユニットは色温度が3000Kの光を発光する。
図4Bは、可動プレート141を、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動させることによって、LED光源ユニット12Bが第1の位置から第2の位置に変化した状態を示す。第2の位置では、第1のLED光源121が非焦点位置に配置され、且つ、消灯している。第2のLED光源122は焦点位置に配置され、点灯している。このとき、LED照明ユニットは色温度が5000Kの光を発光する。
【0045】
図5を参照して、本発明に係るLED照明ユニットの第4の例を説明する。以下に、本実施形態のLED照明ユニットが、
図2Aに示した第3の例と比較して、異なる点について説明する。第1の枠体18及び第1の支持部材14に支持された構造部分と第2の枠体28及び第2の支持部材24に支持された構造部分は同一であってよい。以下に、第1の枠体18及び第1の支持部材14に支持された構造部分について説明する。第1の枠体18の固定プレート182は、第1のLED光源ユニット12A、12B、12Cを固定的に支持する。LED光源ユニット12A、12B、12Cは、それぞれ、単一の色温度又は光色を生成する。支持部材14は、第1のフィルタユニット16A、16B、16Cを可動に支持する。第1の支持部材14が、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動すると、第1のフィルタユニット16A、16B、16Cは、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動する。
【0046】
本実施形態では、第1の支持部材14と第2の支持部材24は、互いに独立的に移動可能である。即ち、第1のフィルタユニット16A、16B、16Cと第2のフィルタユニット26A、26B、26Cは、互いに独立的に移動することができる。
【0047】
図6A及び
図6Bを参照して、
図5に示した本発明の実施形態に係るLED照明ユニットの第4の例の動作を説明する。
図6A及び
図6Bは、第1グループの中央のLED光源ユニット12Bとフィルタユニット16Bと支持部材14の可動プレート141の一部分を取り出して描いた図である。図示のように、可動プレート141の取付け部142Bに、フィルタユニット16Bが装着されている。フィルタユニット16Bは第1のフィルタ161と第2のフィルタ162を有する。例えば、LED光源ユニット12Bは青色LEDであり、フィルタ161、162は蛍光体フィルタであってよい。青色LEDからの光を蛍光体フィルタの蛍光体により変換して所望の色温度を出力することができる。例えば、第1のフィルタ161は、入射光を色温度が3000Kの光に変換し、第2のフィルタ162は入射光を色温度が5000Kの光に変換すると仮定する。LED光源ユニット12Bは固定プレート182に固定的に装着されている。破線F−Fは反射鏡11Bの焦点位置を示す。即ち、破線F−FとLED光源ユニット12Bの交点が、反射鏡11Bの焦点位置である。
【0048】
図6Aは、可動プレート141を、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動させることによって、フィルタユニット16Bが第2の位置から第1の位置に変化した状態を示す。第1の位置では、第1のフィルタ161はLED光源ユニット12Bに整合して配置されている。第2のフィルタ162はLED光源ユニット12Bからずれた位置に配置されている。LED光源ユニット12Bが発光した光は、第1のフィルタ161によって色温度が3000Kの光に変換される。従って、LED照明ユニットは色温度が3000Kの光を発光する。
図6Bは、可動プレート141を、矢印Mに示すように、湾曲線に沿って移動させることによって、フィルタユニット16Bが第1の位置から第2の位置に変化した状態を示す。第2の位置では、第1のフィルタ161はLED光源ユニット12Bからずれた位置に配置されている。第2のフィルタ162はLED光源ユニット12Bに整合して配置されている。LED光源ユニット12Bが発光した光は、第2のフィルタ162によって色温度が5000Kの光に変換される。従って、LED照明ユニットは色温度が5000Kの光を発光する。
【0049】
図7は、本願の発明者が試作した歯科治療用のLED照明装置の例を示す。本例のLED照明装置は、LED照明ユニット10と、LED照明ユニットに電源を供給する電源装置31と、LED照明ユニットを支持するアーム33と、アーム33を支持するスタンド35を有する。本例のLED照明ユニット10は、上述の例のいずれであってもよい。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲はこれらの実施の形態によって制限されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者であれば容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0051】
10…LED照明ユニット、11、11A、11B、11C…反射鏡、12、12A、12B、12C…LED光源ユニット、14…支持部材、16A、16B、16C…フィルタユニット、18…枠体、20…LED照明ユニット、21、21A、21B、21C…反射鏡、22、22A、22B、22C…LED光源ユニット、24…支持部材、26A、26B、26C…フィルタユニット、28…枠体、31…電源装置、33…アーム、35…スタンド、121、122…LED光源、141…可動プレート、142A、142B、142C…取り付け部、143…ストッパ、145…把手部、161、162…フィルタ、181…反射鏡支持部、182…固定プレート、183A、183B、183C…切り欠き部、221、222…LED光源