(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インストーラがダウンロードされて起動されることにより、前記インストーラが起動された端末に当該情報処理装置がネットワークを介して接続された際に、前記インストーラに組み込まれている前記ユーザ識別情報に基づきライセンス認証を行う認証手段を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記認証手段による認証に成功した場合に、前記データを前記端末に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<情報処理システムの構成>
先ず、情報処理システム100の概略構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム100は、クラウドサーバ1(情報処理装置)と、複数のローカルサーバ2(端末)と、複数の第1の端末装置3と、複数の第2の端末装置4とを備えている。クラウドサーバ1と各ローカルサーバ2とは、例えば、インターネット5を介して情報通信可能に接続されている。また、各ローカルサーバ2は、例えば、LAN(Local Area Network)6を介して第1の端末装置3と情報通信可能に接続されている。また、第2の端末装置4は、インターネット5を介してクラウドサーバ1と情報通信可能に接続されている。
【0010】
クラウドサーバ1は、情報処理システム100の一環としてのクラウドサービスをユーザに提供するサーバであり、業務情報に係る業務情報DB(データベース)をユーザ(クライアント)ごとに記憶し管理する。また、クラウドサーバ1は、種々のプログラムを実行することで、新規のユーザが所有するローカルサーバ2への販売管理システム(所定のシステム)の導入に係る機能を実現するための処理や、既存のユーザの業務情報DBに関する各種データ処理(例えば、取引先や商品の情報照会、伝票や請求書等の閲覧、経営分析などに係る機能を実現するための処理)を行う。
【0011】
ローカルサーバ2は、例えば、個人企業のオーナー、中小企業のオーナー、個人商店の店主等のユーザ(クライアント)の拠点に設置されるサーバである。ローカルサーバ2は、クラウドサーバ1から提供された販売管理システムをセットアップすることで、当該販売管理システムに含まれている販売管理DB(所定のデータベース)に関する各種データ処理(例えば、売上管理、仕入管理、在庫管理などに係る機能を実現するための処理)を行う。販売管理DBは業務情報DBに含まれ、ローカルサーバ2は、この業務情報DBを記憶し管理する。
【0012】
第1の端末装置3は、例えば、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、デスクトップPC等である。第1の端末装置3は、LAN6を介して、ローカルサーバ2に記憶されている業務情報DBを共有し、予めインストールされた種々のプログラムを実行することで、当該業務情報DBに関する各種データ処理を行う。
【0013】
第2の端末装置4は、例えば、ユーザが外出先において使用することのできるスマートフォン、タブレットPC、携帯電話機、PDA、ノートPC、デスクトップPC等である。第2の端末装置4は、ユーザの入力操作を受け付け、当該入力操作に基づく情報をクラウドサーバ1に送信し、クラウドサーバ1から送信されて受信した情報を表示する。なお、第2の端末装置4は上述の第1の端末装置3が兼ねるようにしても良い。
【0014】
図2は、クラウドサーバ1の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、クラウドサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11(受付手段、第1の生成手段(生成手段)、設定手段、第1の送信制御手段(送信制御手段)、第1の取得手段、第2の生成手段、第2の取得手段、記録手段、認証手段)と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16とを備えている。また、クラウドサーバ1の各部は、バス17を介して接続されている。
【0015】
CPU11は、クラウドサーバ1の各部を制御する。CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM12のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0016】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0017】
記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部13は、プログラム13a、会員情報DB13b(ユーザ情報データベース)、業務情報DB13cなどを記憶している。
【0018】
プログラム13aは、CPU11により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。
会員情報DB13bは、販売管理システムを利用するにあたって会員登録を行ったユーザのユーザ情報、認証情報等が登録されている。
業務情報DB13cは、情報処理システム100における管理対象(各ローカルサーバ2を所有しているユーザ)の業務情報が登録されたデータベースである。この業務情報DB13cは、各ローカルサーバ2の業務情報DB23bとの間で同期がとられるようになっている。
【0019】
操作部14は、例えば、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有している。また、操作部14は、キー入力及び位置入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0020】
表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等から構成されている。また、表示部15には、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0021】
通信部16は、例えば、ネットワークカード等により構成されている。また、通信部16は、インターネット5に通信接続されて、インターネット5上の機器(例えば、ローカルサーバ2、第2の端末装置4等)との通信を行う。
【0022】
図3は、ローカルサーバ2の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、ローカルサーバ2は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26とを備えている。また、ローカルサーバ2の各部は、バス27を介して接続されている。
【0023】
CPU21は、ローカルサーバ2の各部を制御する。CPU21は、記憶部23に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM22のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0024】
RAM22は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU21により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0025】
記憶部23は、例えば、HDD、SSD等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部23は、プログラム23a、業務情報DB23bなどを記憶している。
【0026】
プログラム23aは、CPU21により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。
業務情報DB23bは、情報管理システム100における管理対象(当該業務情報DB23bを記憶しているローカルサーバ2を所有しているユーザ)の業務情報が登録されたデータベースである。
操作部24、表示部25及び通信部26の構成は、クラウドサーバ1の操作部14、表示部15及び通信部16の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0027】
図4は、第1の端末装置3の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、第1の端末装置3は、CPU31と、RAM32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35と、通信部36とを備えている。また、第1の端末装置3の各部は、バス37を介して接続されている。
【0028】
CPU31は、第1の端末装置3の各部を制御する。CPU31は、記憶部33に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM32のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。その際に、CPU31は、RAM32内に各種処理結果を格納させ、必要に応じてその処理結果を表示部35に表示させる。
【0029】
RAM32は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU31により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0030】
記憶部33は、例えば、HDD、SSD等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部33は、プログラム33aを記憶している。プログラム33aは、CPU31により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。
【0031】
操作部34、表示部35及び通信部36の構成は、クラウドサーバ1の操作部14、表示部15及び通信部16の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0032】
図5は、第2の端末装置4の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、第2の端末装置4は、CPU41と、RAM42と、記憶部43と、操作部44と、表示部45と、通信部46とを備えている。また、第2の端末装置4の各部は、バス47を介して接続されている。なお、第2の端末装置4の構成は、第1の端末装置3の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0033】
<販売管理システムの導入方法>
本実施形態の情報管理システム100では、クラウドサーバ1より提供される販売管理システム(所定のソフトウエア)をローカルサーバ2において導入することができるようになっている。以下では、販売管理システムの導入方法について説明する。
【0034】
まず、販売管理システムの導入の前提となる会員登録の方法について、
図6〜
図8を用いて説明する。
図6は、クラウドサーバ1において実行される会員登録処理を示すフローチャートである。
図7は、アカウント登録画面を示す図である。
図8は、会員登録画面を示す図である。
【0035】
図6に示すように、クラウドサーバ1のWEBサイトにアクセスしたローカルサーバ2より販売管理システムに関する会員登録要求がなされた場合、クラウドサーバ1のCPU11は、まず、
図7のアカウント登録画面51を当該ローカルサーバ2の表示部25に表示させる(ステップS101)。
【0036】
図7のアカウント登録画面51では、会員登録を行うユーザのメールアドレスを入力するためのテキストボックスA1と、確認用のメールアドレスを入力するためのテキストボックスA2と、パスワードを入力するためのテキストボックスA3と、アカウント登録画面51において入力された内容にて登録を実行する登録ボタンB1と、当該内容をキャンセルする中止ボタンB2とが表示されている。
【0037】
次いで、クラウドサーバ1のCPU11は、アカウント登録画面51において必要事項が入力された状態で登録ボタンB1を選択する入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS102)。
【0038】
ステップS102において、登録ボタンB1を選択する入力操作がなされていない、すなわち中止ボタンB2を選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS102;NO)、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録処理を終了する。
一方、ステップS102において、登録ボタンB1を選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS102;YES)、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録画面(後述)を表示させるためのURLが付されたメールをステップS103で登録されたメールアドレス宛に送信する(ステップS103)。
【0039】
次いで、クラウドサーバ1のCPU11は、ステップS103で送信したメールに付されているURLを選択する入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS104)。
【0040】
ステップS104において、URLを選択する入力操作がなされていないと判定された場合(ステップS104;NO)、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録処理を終了する。
一方、ステップS104において、URLを選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS104;YES)、クラウドサーバ1のCPU11は、
図8に示すように、会員登録画面52をローカルサーバ2の表示部25に表示させる(ステップS105)。
【0041】
図8の会員登録画面52では、パスワード、契約者名、契約者名(カナ)、会社名、郵便番号、住所、電話番号、FAX番号、業種分類、従業員数、売上高、デモデータの希望の有無、システム利用範囲などを入力するためのテキストボックスA4〜A16、会員登録画面52において入力された内容にて登録を実行する登録ボタンB3、当該内容をキャンセルする中止ボタンB4などが表示されている。ここで、業種分類を入力するテキストボックスA12は、業種分類をプルダウン形式で選択入力することが可能となっており、具体的には、
図10に示す業種テーブルT1に設定されている17つの業種から該当する業種を選択入力するようになっている。また、デモデータの希望の有無を入力するテキストボックスA15は、デモデータの希望の有無をプルダウン形式で選択入力することが可能となっており、有又は無のいずれかを選択入力するようになっている。また、システム利用範囲を入力するテキストボックスA16は、システム利用範囲をプルダウン形式で選択入力することが可能となっており、具体的には、通常利用又は簡易利用のいずれかを選択入力するようになっている。
【0042】
次いで、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録画面52において必要事項が入力された状態で登録ボタンB3を選択する入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS106)。
【0043】
ステップS106おいて、登録ボタンB3を選択する入力操作がなされていない、すなわち中止ボタンB4を選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS106;NO)、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録処理を終了する。
一方、ステップS106において、登録ボタンB3を選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS106;YES)、クラウドサーバ1のCPU11は、会員登録画面52において入力された各情報(ユーザ情報)をアカウント登録画面51において入力された認証情報(メールアドレス及びパスワード)と対応付けて会員情報DB13bに登録する(ステップS107)。
【0044】
次いで、クラウドサーバ1のCPU11は、ステップS107で登録がなされたユーザを識別するユーザ識別情報(例えば、ユーザID等)を組み込んだ専用インストーラ(インストーラ)を生成する(ステップS108)。この専用インストーラは、後述する販売管理システムをセットアップするためのセットアップデータをインストールする作業を支援するソフトウエアである。
【0045】
次いで、クラウドサーバ1のCPU11は、ステップS108で生成された専用インストーラをダウンロード用に配置するとともに、当該専用インストーラの配置先を付したメールを、ステップS107で登録がなされたユーザのメールアドレス宛に送信して(ステップS109)、会員登録処理を終了する。
【0046】
次に、販売管理システムのセットアップ方法について、
図9を用いて説明する。
図9は、販売管理システムのセットアップ処理の流れを示すフローチャートである。なお、ローカルサーバ2の各処理は、上述の会員登録処理(
図6参照)でダウンロード用に配置された専用インストーラが当該ローカルサーバ2にてダウンロードされ起動された場合に実行される処理である。
【0047】
図9に示すように、ローカルサーバ2のCPU21は、まず、当該ローカルサーバ2のシステム情報(例えば、OS(Operating System)の種別やソフトウエアのインストール状況等を示すプロパティ情報)を取得する(ステップS201)。
【0048】
次いで、ローカルサーバ2のCPU21は、ステップS201で取得されたシステム情報に基づき、OS等のセットアップ要件や既にセットアップ済みであるか等の確認を行い、販売管理システムをセットアップ可能な環境にあるか否かを判定する(ステップS202)。
【0049】
ステップS202において、販売管理システムをセットアップ可能な環境にないと判定された場合(ステップS202;NO)、ローカルサーバ2のCPU21は、セットアップ処理を終了する。
一方、ステップS202において、販売管理システムをセットアップ可能な環境にあると判定された場合(ステップS202;YES)、ローカルサーバ2のCPU21は、セットアップ承認画面(図示省略)を表示部25に表示させる(ステップS203)。
【0050】
次いで、ローカルサーバ2のCPU21は、上記のセットアップ承認画面で承認ボタン(図示省略)を選択する入力操作がなされたか否かを判定する(ステップS204)。
【0051】
ステップS204において、承認ボタンを選択する入力操作がなされていないと判定された場合(ステップS204;NO)、ローカルサーバ2のCPU21は、セットアップ処理を終了する。
一方、ステップS204において、承認ボタンを選択する入力操作がなされたと判定された場合(ステップS204;YES)、ローカルサーバ2のCPU21は、インターネット5を介してクラウドサーバ1との通信接続を行い、クラウドサーバ1との間でライセンス認証を行う(ステップS205、S121)。ここで、ライセンス認証は、専用インストーラに組み込まれているユーザ識別情報(例えば、ユーザID等)を使用して行うようになっている。また、セキュリティ強化のため、認証に用いる情報の一部(例えば、パスワード等)をユーザ操作により入力するようにしてもよい。
【0052】
次いで、上記のライセンス認証に成功しなかった場合(ステップS206;NO)、ローカルサーバ2のCPU21は、セットアップ処理を終了する。
一方、上記のライセンス認証に成功した場合(ステップS206;YES)、ローカルサーバ2のCPU21は、ステップS201で取得したシステム情報をクラウドサーバ1へ送信する(ステップS207)。
【0053】
ステップS122でローカルサーバ2からシステム情報を受信したクラウドサーバ1のCPU11は、当該システム情報に基づき、ローカルサーバ2に搭載されているOSに適したセットアップデータを選択したり、既にインストール済みのソフトウエアのセットアップデータを除外する等の処理を行い、販売管理システムをセットアップするためのセットアップデータのリスト(データ)を作成してローカルサーバ2へ送信する(ステップS123)。ここで、販売管理システムには、当該販売管理システムを運用するためのアプリの他に、当該システムで使用可能なデータ入力フォーム(例えば、伝票入力フォーム等)や、販売管理DBが含まれており、クラウドサーバ1のCPU11は、会員情報DB13bから該当するユーザ情報(会員情報)を取得して、例えば、当該ユーザ情報が反映された状態の販売管理DBをセットアップするためのセットアップデータ、当該ユーザ情報の一つである業種情報に対応するサンプルデータ(後述)に基づき販売管理DBをセットアップ(更新)するためのセットアップデータ、当該業種情報に対応するデータ入力フォームのセットアップ態様に基づき当該データ入力フォームをセットアップ(更新)するためのセットアップデータ、当該会員情報の一つであるシステム利用範囲情報が反映された状態の販売管理システムをセットアップするためのセットアップデータ等を上記のリストにアップして、当該リストをローカルサーバ2へ送信する。
【0054】
ステップS208でクラウドサーバ1からリストを受信したローカルサーバ2のCPU21は、ユーザ操作に基づき必要なセットアップデータを選択する入力操作がなされたことを契機として、当該リストに基づき選択された必要なセットアップデータをクラウドサーバ1に対して要求する要求信号を送信する(ステップS209)。
【0055】
上記の要求信号を受信したクラウドサーバ1のCPU11は、要求されたセットアップデータを生成しダウンロード用に配置する(ステップS124)。具体的には、例えば、ユーザ情報が反映された状態の販売管理DB(所定のデータベース)をセットアップするためのセットアップデータ(データベースセットアップデータ)が要求された場合、クラウドサーバ1では、当該ユーザ情報(メールアドレス、契約者名、会社名、郵便番号、住所、電話番号、FAX番号等)を組み込んだセットアップデータを生成しダウンロード用に配置する。そして、ローカルサーバ2では、当該セットアップデータをダウンロードしてインストールすることにより、上記のユーザ情報が反映された状態の販売管理DBをセットアップすることができるようになっている。これにより、販売管理DBのセットアップ後に上記のユーザ情報をユーザが登録する手間を省くことができる。
【0056】
また、例えば、ユーザ情報の一つである業種情報に対応するサンプルデータに基づき販売管理DBをセットアップ(更新)するためのセットアップデータが要求された場合、クラウドサーバ1では、
図10の業種テーブルT1を参照し、該当する業種(例えば、「01 水産」)に対応する商品サンプルデータを、
図11に示す商品サンプルテーブルT2から抽出したり、単位サンプルデータを、
図12に示す単位サンプルテーブルT3から抽出して、当該サンプルデータを組み込んだセットアップデータを生成しダウンロード用に配置する。そして、ローカルサーバ2では、当該セットアップデータをダウンロードしてインストールすることにより、ユーザの業種向けの販売管理DBをセットアップすることができるようになっている。これにより、販売管理DBのセットアップ後に上記の業種向けのサンプルデータの設定をユーザが行う手間を省くことができる。
【0057】
また、例えば、ユーザ情報の一つである業種情報に対応するデータ入力フォームのセットアップ態様に基づき当該データ入力フォームをセットアップ(更新)するためのセットアップデータ(フォームセットアップデータ)が要求された場合、クラウドサーバ1では、
図13のフォームセットアップ態様テーブルT4を参照し、該当する業種(例えば、「01 水産」)に対応するフォーム番号のフォームデータを抽出して、当該フォームデータを組み込んだセットアップデータを生成しダウンロード用に配置する。そして、ローカルサーバ2では、当該セットアップデータをダウンロードしてインストールすることにより、ユーザの業種向けのデータ入力フォームをセットアップすることができるようになっている。
【0058】
また、例えば、ユーザ情報の一つであるシステム利用範囲情報が反映された状態の販売管理システムをセットアップするためのセットアップデータが要求された場合、クラウドサーバ1では、当該システム利用範囲情報(例えば、簡易利用、通常利用)を組み込んだセットアップデータを生成しダウンロード用に配置する。そして、ローカルサーバ2では、当該セットアップデータをダウンロードしてインストールすることにより、上記のシステム利用範囲情報が反映された状態の利用範囲制御DBをセットアップし、販売管理システムの利用範囲を制御する。具体的には、例えば、会員登録が行われた際に、システム利用範囲情報を通常利用とする登録がなされた場合、システム利用範囲情報が反映された状態の販売管理システムを当該ユーザがセットアップして起動させたとき、
図14(a)に示すように、当該販売管理システムのメイン画面61では、全ての業務メニュー(メニューA〜H)を利用可能な設定がなされる。一方、会員登録が行われた際に、システム利用範囲情報を簡易利用とする登録がなされた場合、システム利用範囲情報が反映された状態の販売管理システムを当該ユーザがセットアップして起動させたとき、
図14(b)に示すように、当該販売管理システムのメイン画面62では、メニューA〜Cのみを利用可能な設定がなされる。
【0059】
セットアップ処理の説明に戻り、ステップS210において、ローカルサーバ2のCPU21は、ダウンロード用に配置されたセットアップデータをダウンロードし、当該セットアップデータのインストールを行う(ステップS210)。続けて、ローカルサーバ2のCPU21は、要求したセットアップデータを全てインストールしてセットアップを行ったか否かを判定する(ステップS211)。
【0060】
ステップS211において、要求したセットアップデータを全てインストールしてセットアップを行っていないと判定された場合(ステップS211;NO)、ローカルサーバ2のCPU21は、処理をステップS210に戻す。
一方、ステップS211において、要求したセットアップデータを全てインストールしてセットアップを行ったと判定された場合(ステップS211;YES)、ローカルサーバ2のCPU21は、クラウドサーバ1に対して完了通知を行い(ステップS212)、当該完了通知を受けたクラウドサーバ1のCPU11は、完了通知を行ったローカルサーバ2の情報(例えば、システム情報等)を会員情報DB13bに登録(更新)して、セットアップ処理を終了する。
【0061】
以上、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、ユーザ情報の登録を受け付け、ユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報を組み込んだ専用インストーラを生成し、専用インストーラをダウンロード可能に設定したこととなる。そして、専用インストーラがダウンロードされて起動されることにより、専用インストーラが起動されたローカルサーバ2(端末)にクラウドサーバ1がインターネット5を介して接続された際に、ユーザ情報に対応する販売管理システム(所定のソフトウエア)をセットアップするためのデータをローカルサーバ2に送信したこととなる。
【0062】
このため、セットアップされた後の販売管理システムに対して、ユーザが自身のユーザ情報を設定登録する手間を省くことができるので、販売管理システムのセットアップに係る作業を簡単にすることができる。
【0063】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、販売管理システム(所定のソフトウエア)をセットアップするためのデータには、販売管理システムで使用可能な販売管理DBをセットアップするためのデータベースセットアップデータが含まれ、ユーザ情報が反映された状態の販売管理DBをセットアップするためのデータベースセットアップデータをローカルサーバ2に送信するので、セットアップされた後の販売管理DBに対して、ユーザが自身のユーザ情報を設定登録する手間を省くことができるので、販売管理DBのセットアップに係る作業を簡単にすることができる。
【0064】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、ユーザ情報には、ユーザの業種を示す業種情報が含まれ、業種情報ごとに対応するデータベースのセットアップ態様が設定されており、業種情報に対応するデータベースのセットアップ態様に基づくデータベースセットアップデータをローカルサーバ2に送信するので、販売管理DBのセットアップ後にユーザが自身の業種向けに当該販売管理DBを設定し直す手間を省くことができる。
【0065】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、販売管理システム(所定のソフトウエア)をセットアップするためのデータには、販売管理システムで使用可能な所定のデータ入力フォームをセットアップするためのフォームセットアップデータが含まれ、ユーザ情報には、ユーザの業種を示す業種情報が含まれ、業種情報ごとに対応するデータ入力フォームのセットアップ態様が設定されており、業種情報に対応するデータ入力フォームのセットアップ態様に基づくフォームセットアップデータをローカルサーバ2に送信するので、例えば、データ入力フォームのセットアップ後に、ユーザが属する業種において使用頻度が高いデータ入力フォームを設定し直す手間を省くことができる。
【0066】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、ユーザ情報には、販売管理システムの利用範囲を示す利用範囲情報が含まれ、利用範囲情報が反映された状態の販売管理システムをセットアップするためのデータをローカルサーバ2に送信するので、販売管理システムのセットアップ後に当該販売管理システムの利用範囲を設定し直す手間を省くことができる。
【0067】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、ローカルサーバ2のシステム情報(プロパティ情報)を取得し、システム情報に適したデータをローカルサーバ2に送信するので、コンピュータに関する専門知識を有していないユーザであっても販売管理システムのセットアップを簡単に行うことができる。
【0068】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、システム情報に適し、且つ、ローカルサーバ2によりダウンロード可能なセットアップデータのリストを生成し、生成されたリストをローカルサーバ2に送信し、リストのうちから要求のあったデータのみをローカルサーバ2に送信するので、コンピュータに関する専門知識を有していないユーザであっても販売管理システムのセットアップをより簡単に行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、ローカルサーバ2によるセットアップが完了したことを示すセットアップ完了情報を取得し、セットアップが完了したローカルサーバ2の情報とセットアップを行ったユーザのユーザ情報とを対応付けて、会員情報DB13bに記録するので、販売管理システムのセットアップを行ったローカルサーバ2の情報をクラウドサーバ1において管理することができるようになる。
【0070】
また、本実施の形態のクラウドサーバ1によれば、専用インストーラがダウンロードされて起動されることにより、専用インストーラが起動されたローカルサーバ2にクラウドサーバ1がインターネット5を介して接続された際に、専用インストーラに組み込まれているユーザ識別情報に基づきライセンス認証を行い、ライセンス認証に成功した場合に、販売管理システムをセットアップするためのデータをローカルサーバ2に送信するので、販売管理システムのセットアップが不正に行われることを好適に防止することができる。
【0071】
また、本実施形態の専用インストーラによれば、クラウドサーバ1により受け付けられたユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報が組み込まれ、専用インストーラがダウンロードされて起動されることにより、専用インストーラが起動されたローカルサーバ2にクラウドサーバ1がインターネット5を介して接続された際に、ユーザ情報に対応する販売管理システムをセットアップするためのデータの送信をクラウドサーバ1に要求するので、ローカルサーバ2では、当該データを受信してセットアップするだけで、ユーザ情報に対応する販売管理システムをセットアップすることができる。これにより、セットアップされた後の販売管理システムに対して、ユーザが自身のユーザ情報を設定登録する手間を省くことができるので、販売管理システムのセットアップに係る作業を簡単にすることができる。
【0072】
以上の説明では、本発明に係るクラウドサーバ1のプログラム13aのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSD等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るクラウドサーバ1のプログラム13aのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0073】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0074】
また、上記実施の形態における情報処理システム100の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0075】
例えば、上記実施の形態のクラウドサーバ1では、会員情報の一つである従業員数情報が反映された状態の販売管理システムをセットアップするためのセットアップデータを提供することができるようにしても良い。このようなセットアップデータを提供することによって、例えば、販売管理システムのセットアップ後に、ユーザが経営する企業等の規模に応じた販売管理システムに設定し直す手間を省くことができるようになる。
【0076】
また、上記実施の形態のクラウドサーバ1では、会員情報の一つであるデモデータ(例えば、経営分析ツール用の集計データ)の希望の有無に関する情報が反映された状態の販売管理DBをセットアップ(更新)するためのセットアップデータを提供することができるようにしても良い。このようなセットアップデータを提供することによって、例えば、経営分析ツール用の集計データを希望する旨の情報が反映された状態の販売管理DBがセットアップされることにより、当該経営分析ツールをすぐに試用することができるようになる。
【0077】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定のソフトウエアを端末にてセットアップするためのデータを送信する情報処理装置であって、
ユーザ情報の登録を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられたユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報を組み込んだ、前記データをインストールするためのインストーラを生成する第1の生成手段と、
前記第1の生成手段により生成されたインストーラをダウンロード可能に設定する設定手段と、
前記インストーラがダウンロードされて起動されることにより、前記インストーラが起動された端末に当該情報処理装置がネットワークを介して接続された際に、前記ユーザ情報に対応する前記データを前記端末に送信する第1の送信制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記データには、前記所定のソフトウエアで使用可能な所定のデータベースをセットアップするためのデータベースセットアップデータが含まれ、
前記第1の送信制御手段は、前記ユーザ情報が反映された状態の前記所定のデータベースをセットアップするためのデータベースセットアップデータを前記端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記ユーザ情報には、ユーザの業種を示す業種情報が含まれ、
前記業種情報ごとに対応するデータベースのセットアップ態様が設定されており、
前記第1の送信制御手段は、前記受付手段により受け付けられた前記業種情報に対応するデータベースのセットアップ態様に基づく前記データベースセットアップデータを前記端末に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記データには、前記所定のソフトウエアで使用可能な所定のデータ入力フォームをセットアップするためのフォームセットアップデータが含まれ、
前記ユーザ情報には、ユーザの業種を示す業種情報が含まれ、
前記業種情報ごとに対応するデータ入力フォームのセットアップ態様が設定されており、
前記第1の送信制御手段は、前記受付手段により受け付けられた前記業種情報に対応するデータ入力フォームのセットアップ態様に基づく前記フォームセットアップデータを前記端末に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記ユーザ情報には、前記所定のソフトウエアの利用範囲を示す利用範囲情報が含まれ、
前記第1の送信制御手段は、前記受付手段により受け付けられた前記利用範囲情報が反映された状態の前記所定のソフトウエアをセットアップするための前記データを前記端末に送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記端末のプロパティ情報を取得する第1の取得手段を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記第1の取得手段により取得されたプロパティ情報に適した前記データを前記端末に送信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記第1の取得手段により取得されたプロパティ情報に適し、且つ、前記端末によりダウンロード可能な前記データのリストを生成する第2の生成手段と、
前記第2の生成手段により生成されたリストを前記端末に送信する第2の送信制御手段と、
を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記リストのうちから要求のあった前記データのみを前記端末に送信することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記端末による前記セットアップが完了したことを示すセットアップ完了情報を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により前記セットアップ完了情報を取得した場合、前記セットアップが完了した端末の情報と前記セットアップを行ったユーザの前記ユーザ情報とを対応付けて、ユーザ情報データベースに記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項9>
前記インストーラがダウンロードされて起動されることにより、前記インストーラが起動された端末に当該情報処理装置がネットワークを介して接続された際に、前記インストーラに組み込まれている前記ユーザ識別情報に基づきライセンス認証を行う認証手段を備え、
前記第1の送信制御手段は、前記認証手段による認証に成功した場合に、前記データを前記端末に送信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
<請求項10>
所定のソフトウエアのセットアップ方法であって、
ユーザ情報の登録を受け付ける工程と、
前記ユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報を組み込んだ、前記所定のソフトウエアをセットアップするためのデータをインストールするためのインストーラを生成する工程と、
前記インストーラをダウンロード可能に設定する工程と、
前記インストーラがダウンロードされて起動された際に、前記インストーラが起動された端末と情報処理装置とをネットワークを介して接続する工程と、
前記ユーザ情報に対応する前記データを前記情報処理装置から前記端末に送信する工程と、
前記情報処理装置から前記端末に送信された前記データに基づき前記所定のソフトウエアをセットアップする工程と、
を含むセットアップ方法。
<請求項11>
所定のソフトウエアを端末にてセットアップするためのデータを送信する情報処理装置のコンピュータを、
ユーザ情報の登録を受け付ける受付手段、
前記受付手段により受け付けられたユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報を組み込んだ、前記データをインストールするためのインストーラを生成する生成手段、
前記生成手段により生成されたインストーラをダウンロード可能に設定する設定手段、
前記インストーラがダウンロードされて起動されることにより、前記インストーラが起動された端末に当該情報処理装置がネットワークを介して接続された際に、前記ユーザ情報に対応する前記データを前記端末に送信する送信制御手段、
として機能させるプログラム。
<請求項12>
所定のソフトウエアを端末にてセットアップするためのデータをインストールするためのインストーラであって、
情報処理装置により受け付けられたユーザ情報に関するユーザを識別するユーザ識別情報が組み込まれ、
前記インストーラがダウンロードされて起動されることにより、前記インストーラが起動された端末に前記情報処理装置がネットワークを介して接続された際に、前記ユーザ情報に対応する前記データの送信を前記情報処理装置に要求することを特徴とするインストーラ。