(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ライン状光源と前記ライン状検出器とは、前記顕微鏡に備えられている結像レンズと前記結像レンズの像面の間に配置された分岐光学系によって分岐され、それぞれ前記結像レンズの結像面に直接配置される、
請求項1に記載の共焦点スキャナ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の各実施形態の説明で用いる図面は、説明を分かりやすくするため、要部となる部分を主に記載し、他の記載を適宜省略している。また、便器上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などについては実際と同じであるとは限らない。また、各図において、共通する構成には同じ符号を付しており、その説明を省略する。
【0025】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
(顕微鏡システムの構成)
図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡システム1の構成の一例を示す図である。図示する顕微鏡システム1は、顕微鏡本体である顕微鏡10と、顕微鏡10に装着される共焦点スキャナ20と、共焦点スキャナ20を制御する処理装置30と、処理装置30に付属するモニタ40とを備えている。
【0026】
顕微鏡10は、透過照明11、試料ステージ12、対物レンズ13、折り曲げミラー14、及び結像レンズ15を備えている。透過照明11は、試料ステージ12に対して観察のための光を照射するものであるが、共焦点スキャナ20と組み合わせて使用する際には共焦点スキャナ20が有するライン状光源22から照射されるライン状の光を利用するため、無くてもよい。ここでは、顕微鏡10は汎用的な顕微鏡の一例として透過照明11も図示している。試料ステージ12には、この顕微鏡10で観察する観察対象となる試料が設置される。対物レンズ13は、試料ステージ12に設置された観察対象の像を拡大する。折り曲げミラー14は、対物レンズ13により拡大された観察対象の像の平行光を結像レンズ15へ導く。対物レンズ13から折り曲げミラー14を介して導かれる平行光は、結像レンズ15により結像される。以下の説明において、結像レンズ15により結像される観察対象の像を観察像ともいう。なお、本図では、人が顕微鏡10を観察するのではなく、共焦点スキャナ20が装着されるため、結像レンズ15の後段に接眼レンズは装着されていない。
【0027】
共焦点スキャナ20は、ライン状の光を出射するライン状光源22と、その光を顕微鏡10の結像レンズ15に導くダイクロイックミラー21と、顕微鏡10からの光をダイクロイックミラー21を介してライン毎に検出(撮像)するライン状検出器23とを備えている。ダイクロイックミラー21は、結像レンズ15と結像レンズ15の像面との間に配置される。共焦点スキャナ20は、観察対象に対してライン方向(ライン状の光の長手方向)に対して直交する方向へ走査することで、ライン毎に観察像の光を順に検出(撮像)していき、観察像全体の撮像画像を構築する。なお、本図において符号Kが示す一点鎖線は、光路(光軸)を示しており、他の図でも同様である。
【0028】
図2は、共焦点スキャナ20を
図1の矢印100の方向から見た詳細図である。共焦点スキャナ20は、ダイクロイックミラー21と、励起フィルタ24と、蛍光フィルタ25とを備え、それらが光路上に配置されている。励起フィルタ24は特定の波長の光のみを透過させる。ダイクロイックミラー21は、分岐光学系として配置されており、励起フィルタ24を透過してくる光(励起光)の波長を反射し、この励起光よりも波長の長い蛍光を透過する特性のものが選択されている。ダイクロイックミラー21は、顕微鏡10の結像レンズ15の方向へ励起光を反射する。蛍光フィルタ25は、ダイクロイックミラー21を透過してきた光のうち蛍光のみを透過させる。この蛍光フィルタ25を透過した蛍光がライン状検出器23に到達する。ここで、ライン状光源22とライン状検出器23とは、結像レンズ15の結像面の互いに対応する位置に配置されている。例えば、ライン状光源22とライン状検出器23とは、ダイクロイックミラー21によって分岐され、それぞれ結像レンズ15の結像面に直接配置される。また、共焦点スキャナ20は、ライン状光源22及びライン状検出器23を一体的に結像面内を並進移動させることが可能な駆動機構26(移動機構)を備えている。つまり、ライン状光源22とライン状検出器23とは、互いに対応する位置関係を維持したまま、顕微鏡10(結像レンズ15)の結像面上を並進移動可能である。
【0029】
図3は、駆動機構26の詳細例を示す図である。
図3(A)は、
図2の矢印101の方向から見た駆動機構26の一例を示す図である。また、
図3(B)は、
図3(A)の矢印102の方向から見た駆動機構26の一部を示す図である。
図2及び
図3に示すように、駆動機構26は、リニアガイド261、ステージ部262、連結部材263、固定ブロック264、ステッピングモータ265、ボールねじ266を備えている。ライン状光源22とライン状検出器23とは、ライン状光源22のライン方向(長手方向)とライン状光源22から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23のライン方向(長手方向)とライン状検出器23へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが同一平面となる位置関係、且つそれぞれの光軸が直交する位置関係となるように連結部材263に固定されている。なお、ライン状光源22とライン状検出器23とは、ライン状光源22のライン方向(長手方向)とライン状光源22から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23のライン方向(長手方向)とライン状検出器23へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、互いに平行な平面となる位置関係となるように連結部材263に固定されてもよい。また、連結部材263はリニアガイド261のステージ部262に固定されており、
図3(A)の矢印103の方向(走査方向)に並進可能に拘束されている。
【0030】
リニアガイド261には固定ブロック264が連結されており、固定ブロック264にはステッピングモータ265が固定されている。さらに固定ブロック264には不図示のベアリングにより、ボールねじ266が回転自在に支持されている。ボールねじ266はステッピングモータ265と不図示のカップリングにより連結されている。また、ステージ部262の内部には、不図示のボールナットが配置されており、ボールねじ266と螺合されている。これらの構成より、ステッピングモータ265を駆動させることによって、ライン状光源22及びライン状検出器23を、それぞれのライン方向(長手方向)に対して直交する方向(即ち、走査方向)へ一体的に並進可能な構成となっている。なお、ライン状光源22及びライン状検出器23それぞれのライン方向(長手方向)に対して直交する方向とは、上述したライン状光源22とライン状検出器23とから定まる平面に対して直交する方向に相当する。なお、ライン状光源22、ライン状検出器23、及びステッピングモータ265等は、処理装置30によって制御可能なように処理装置30に接続されている。
【0031】
図4は、ライン状光源22の詳細例を示す図である。
図4(A)はライン状光源22の側面図であり、
図4(B)は
図4(A)の矢印104の方向から見たライン状光源22の正面図である。ライン状光源22は、ライン状に並べられたLED(Light Emitting Diode)素子221と、LED素子221の前方に配置された導光板222と、導光板222の前方に配置されたスリット223とを含んで構成されている。LED素子221から出射された光は、導光板222によってスリット223に導かれ、スリット223に開口されているスリット形状の出射領域22Mからライン状の光となって出射される。
【0032】
図5は、ライン状検出器23の詳細例を示す図である。
図5(A)はライン状検出器23の側面図であり、
図5(B)は
図5(A)の矢印105の方向から見たライン状検出器23の正面図である。例えば、ライン状検出器23の検出領域23Mには、1列のCMOS(Complementary MOS)素子が縦方向に配置され、このライン状の領域に対する光を検出(撮像)可能に構成されている。
【0033】
このように構成された顕微鏡システム1において、共焦点スキャナ20のライン状光源22から出射された光は励起フィルタ24によって必要な波長のみが透過され、この透過光はダイクロイックミラー21によって反射され顕微鏡10へと向かう。この光は顕微鏡10の内部にある結像レンズ15によって平行光に変換され、折り曲げミラー14によって向きを直角に(対物レンズ13の方向に)変換され、対物レンズ13によって試料ステージ12上の図示しない観察対象の試料に焦点を結び投影される。ここで、共焦点スキャナ20からの照明光がライン状であるため、観察対象の試料に投影される光もライン状となる。試料から発せられる蛍光は、同じ光路を逆方向に戻り、対物レンズ13で回収され、折り曲げミラー14で向きを変換され、結像レンズ15によって結像される。この試料からの蛍光はダイクロイックミラー21を透過し、蛍光フィルタ25によって必要な波長のみが選択されてライン状検出器23の検出領域23Mに結像投影される。ライン状光源22とライン状検出器23とは、顕微鏡の焦点面に対して共役な位置関係にある結像面内の互いに対応する位置関係にそれぞれ配置されているため、試料に投影されたライン状の照明光の近傍以外の蛍光は、このライン状検出器23ではほとんど検出されない。
【0034】
図1に戻り、処理装置30は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等を適用できる。
【0035】
例えば、処理装置30は、共焦点スキャナ20のライン状光源22、ライン状検出器23、及びステッピングモータ265を制御することにより、ライン状光源22及びライン状検出器23を、走査方向へ一体的に並進移動させながら、観察対象の像をライン毎に検出(撮像)させる制御を行う。また、処理装置30は、ライン毎に検出(撮像)させた画像に基づいて観察像の撮像画像を構築する。
【0036】
(ライン走査処理の動作)
次に、処理装置30が、共焦点スキャナ20のライン状光源22及びライン状検出器23を走査方向へ並進移動させることにより、顕微鏡10による観察像の画像を撮像するライン走査処理の動作について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るライン走査処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS100:まず、処理装置30は、共焦点スキャナ20のライン状光源22及びライン状検出器23の位置を初期状態に設定し、ステップS102の処理に進む。初期状態とは、例えば、観察対象の試料をライン走査する際の開始位置(走査領域の一方の端)を検出対象としている状態である。このとき、上述したように、共焦点スキャナ20のライン状光源22から出射された光は励起フィルタ24を介してダイクロイックミラー21によって反射され顕微鏡10へと向かい、顕微鏡10の内部にある結像レンズ15、折り曲げミラー14、対物レンズ13を介して試料ステージ12上の図示しない観察対象の試料に焦点を結び投影される。また、試料から発せられる蛍光は、同じ光路を逆方向に戻り、対物レンズ13、折り曲げミラー14、及び結像レンズ15を介して共焦点スキャナ20へ向かい、ダイクロイックミラー21、及び蛍光フィルタ25を介してライン状検出器23の検出領域23Mに結像投影される。
【0038】
ステップS102:処理装置30は、共焦点スキャナ20のライン状検出器23に、ダイクロイックミラー21、及び蛍光フィルタ25を透過してきた透過画像(ライン状の観察像の画像。「ライン画像」ともいう)を撮像させる。そして、ステップS104の処理に進む。
【0039】
ステップS104:処理装置30は、ステッピングモータ265を駆動し、ライン状光源22及びライン状検出器23を、それぞれのライン方向(長手方向)に対して直交する方向(走査方向)へ1ライン分並進移動させる。1ライン分とは、ライン状光源22の出射領域22M及びライン状検出器23の検出領域23Mのライン幅(短手方向の幅)に基づいて予め設定された移動量である。これにより、観察対象の試料に投影されるライン状の光が走査方向に1ライン分移動し、ライン状検出器23によって検出されるライン画像も走査方向に1ライン分移動する。そして、ステップS106の処理に進む。
【0040】
ステップS106:処理装置30は、走査ラインが最終ラインであるか否かを判定する。処理装置30は、最終ラインでないと判定した場合(NO)、ステップS102の処理に戻り、共焦点スキャナ20のライン状検出器23にライン画像を撮像させ、さらにステップS104の処理により、ライン状光源22及びライン状検出器23を走査方向へさらに1ライン分移動させる。一方、処理装置30は、このステップS106において最終ラインであると判定した場合(YES)、ステップS108の処理に進む。
【0041】
ステップS108:処理装置30は、共焦点スキャナ20のライン状検出器23に、ダイクロイックミラー21、及び蛍光フィルタ25を透過してきたライン画像(最終ラインのライン画像)を撮像させる。そして、ステップS110の処理に進む。
【0042】
ステップS110:最終ラインまで走査が行われたライン状の光の軌跡は、光軸に直交する面となる。処理装置30は、駆動制御したステッピングモータ265のライン毎の位置情報と、ライン状検出器23が撮像したライン毎のライン画像とから、走査が行われた面に対応する観察像の画像を構築する。この画像は、焦点面の近傍以外からの蛍光をほとんど含まない共焦点顕微鏡画像となる。また、処理装置30は、構築した観察像の画像を、モニタ40に表示させるとともに、不図示の記憶装置に保存する。なお、記憶装置は、処理装置30に内蔵されていてもよいし、外部に接続されているものでもよい。
【0043】
なお、上記処理中には、適宜試料ステージ12を駆動して、観察対象の試料における所望する場所を選択したり、該試料へのフォーカシングや観察面の深さ方向の位置決めを行ってもよい。また、必要に応じて透過照明11を照明させて、ライン状検出器23を並進移動させてライン画像の撮像が行われてもよい。
【0044】
また、処理装置30は、各ラインのライン画像を、各ラインの走査を行う度に共焦点スキャナ20から取得してもよいし、最終ラインまで走査が終了した後にまとめて共焦点スキャナ20から取得してもよい。
【0045】
また、処理装置30は、ライン走査処理中に、ライン状光源22及びライン状検出器23をライン毎に停止させてから各ライン画像を撮像させてもよいし、ライン状光源22及びライン状検出器23をライン毎に停止させずに、移動させながら各ラインのライン画像を撮像させてもよい。
【0046】
また、ライン状光源22の光源としては、一色のLED素子221をライン状に並べてもよいし、複数色のLED素子221を規則的に並べてもよい。複数色のLED素子221を規則的に並べる場合、ダイクロイックミラー21、励起フィルタ24、蛍光フィルタ25が複数色に対応しているものが選択されてもよい。この場合、LED素子221の一色を点灯させてライン画像を順次撮像することが好ましい。
【0047】
また、本実施形態では、ライン状光源22が、LED素子221と、LED素子221の前方に配置された導光板222と、導光板222の前方に配置されたスリット223を含んで構成されている例を示したが、これに限るものではない。例えば、導光板222の代わりに他の光学系を用いてもよく、また導光板のような光学系を用いずに少なくともLED素子とスリットで構成されてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、ライン状検出器23として、検出領域23Mに1列のCMOS素子が配置されている例を示したが、これに限るものではない。例えば、検出領域23Mには、複数列のCMOS素子が配置されてもよいし、ライン状のCCD(Charge Coupled Device)が配置されてもよい。また、ライン状検出器23に2次元画像を撮像可能なCMOS素子やCCDが配置され、ライン状の照明光の走査位置に対応する列のCMOS素子やCCDの検出結果(撮像結果)を読み取るようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、ダイクロイックミラー21によって励起光を反射させ、蛍光を透過させる構成としたが、これに限られるものではない。例えば、励起光を透過させ、蛍光を反射させるダイクロイックミラーを用いて、ライン状光源22及び励起フィルタ24とライン状検出器23及び蛍光フィルタ25との配置を入れ替えた構成としてもよい。
【0050】
以上説明してきたように、本実施形態に係る顕微鏡10に装着される共焦点スキャナ20は、ライン状の光を出射するライン状光源22と、入射される光をライン毎に検出するライン状に配置されたCMOS素子(検出部)を有するライン状検出器23と、ライン状光源22とライン状検出器23とを顕微鏡10に対して並進移動可能な駆動機構26(移動機構)とを備えている。ライン状光源22とライン状検出器23とは、顕微鏡10の焦点面に対して共役な位置にある結像面の互いに対応する位置関係にそれぞれ配置されている。
【0051】
このように、共焦点スキャナ20は、ライン状光源22とライン状検出器23とを顕微鏡10の結像面内を、互いに対応する位置関係を保ったまま並進移動させる構成としたので、特殊な顕微鏡を用いる必要がなく、顕微鏡10のような汎用的な顕微鏡で共焦点顕微鏡画像を撮像できる。よって、本実施形態によれば、簡便な構成で共焦点顕微鏡画像が得られ、導入コストも抑えることができる。また、特許文献1に記載されているようなスキャンミラーを用いるよりも光学系を小型にすることが可能である。
【0052】
例えば、ライン状光源22とライン状検出器23とは、ライン状光源22のライン方向(長手方向)とライン状光源22から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23のライン方向(長手方向)とライン状検出器23へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、同一平面または互いに平行な平面となる位置関係に配置されている。そして、駆動機構26(移動機構)は、ライン状光源22及びライン状検出器23を、上記の同一平面または互いに平行な平面に対して直交する方向(走査方向)へ並進移動可能である。
【0053】
これにより、共焦点スキャナ20は、ライン状光源22とライン状検出器23とを一つの駆動機構26で連動させることができ、簡便な構成とすることができる。例えば、
図3に示す構成において、ライン状光源22及びライン状検出器23のライン方向を走査方向と平行な方向にする構成も可能であるが、その場合には、走査する際にライン状光源22の移動方向とライン状検出器23の移動方向とが異なるため、同一の駆動機構を用いることができない。
【0054】
また、駆動機構26(移動機構)は、ライン状光源22とライン状検出器23とを一体的に並進移動可能である。
これにより、共焦点スキャナ20は、同一の駆動機構でライン状光源22及びライン状検出器23を連動させることができるので、複数の駆動機構を用いた場合に必要となる同期を取ることが不要となり簡便である。また、一体化によってライン状光源22及びライン状検出器23の位置関係が固定されるため、別々に駆動するよりも容易に精度を確保できる。
【0055】
なお、本実施形態では、ライン状光源22とライン状検出器23とを一体的に並進移動可能な構成の例を説明したが、ライン状光源22とライン状検出器23とを別々に並進移動可能な構成とし、各々を同期させて移動させてもよい。
【0056】
また、例えば、ライン状光源22とライン状検出器23とは、ライン状光源22のライン方向(長手方向)とライン状光源22から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23のライン方向(長手方向)とライン状検出器23へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが同一平面となる位置関係、且つライン状光源22の中心光軸とライン状検出器23の中心光軸とがダイクロイックミラー21(分岐光学系)によって交わる位置関係となるように配置される。
【0057】
このようにライン状光源22とライン状検出器23とを配置することで、光軸方向の変更が最小限となるため、光学系を小型にすることが可能であり、小さいスペースで構成できる。
【0058】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態で説明したライン状光源22(
図4参照)の変形例である。第1の実施形態では、LED素子221がライン状に並べられているライン状光源22の例を示したが、面発光型の光源を用いてライン状光源を構成してもよい。
図7は、第2の実施形態に係るライン状光源22Aの詳細例を示す図である。
図7(A)はライン状光源22Aの側面図であり、
図7(B)は、
図7(A)の矢印106の方向から見たライン状光源22Aの正面図である。図示するライン状光源22Aは、光源として面発光LED221Aと、面発光LED221Aの発光面を覆うように配置されたスリット223Aとを含んで構成されている。面発光LED221Aから出射された光がスリット223Aに開口されているスリット(出射領域22M)からライン状に出射される。例えば、本実施形態では、ライン状光源22Aを矢印107の方向(走査方向)に並進移動させる場合、ライン状光源22Aの全体を移動させるのではなく、スリット223Aのみを矢印107の方向(走査方向)に並進移動させてもよい。
【0059】
このように、面発光型の光源を用いてライン状光源を構成した場合でも、第1の実施形態と同様に簡便な構成で共焦点顕微鏡画像が得られ、光学系の小型化や導入コストを抑えることができる。
【0060】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態で説明したライン状検出器23(
図5参照)の変形例である。
図8は、第3の実施形態に係るライン状検出器23Bの詳細例を示す図である。
図8(A)は、ライン状検出器23Bの側面図であり、
図8(B)は
図8(A)の矢印108の方向から見たライン状検出器23Bの正面図である。本実施形態では、ライン状検出器23Bで検出される光はスリット231Bを通り、リレーレンズ232Bを介してライン状検出器23Bに結像される。例えば、ライン状検出器23Bは、ライン状のCMOS素子、ライン状のCCD、または2次元画像を撮像可能なCMOS素子やCCDが配置されており、2次元画像を撮像可能なCMOS素子が配置され、スリット231Bとリレーレンズ232Bとを介して結像されるライン画像を検出(撮像)する。
【0061】
上記のようにライン状検出器23Bを構成した場合でも、第1の実施形態と同様に簡便な構成で共焦点顕微鏡画像が得られ、光学系の小型化や導入コストを抑えることができる。また、本実施形態では、さらにスリット231Bの幅を容易に変更することもできる。
【0062】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施形態で説明したライン状光源22及びライン状検出器23が複数設けられている構成例であり、
図3に示す駆動機構26の変形例に相当する。
図9は、第4の実施形態に係る駆動機構26Cの詳細例を示す図である。
図9(A)は、
図3(A)と同様の方向から見たときの駆動機構26Cの一例を示す図である。
図9(B)は、
図9(A)の矢印109の方向から見た駆動機構26Cの一部を示す図である。駆動機構26Cは、連結部材263Cに二つのライン状光源22a、22bと、二つのライン状検出器23a、23bとが設けられている点が第1の実施形態と相違する。ライン状光源22aとライン状検出器23aとが対となり、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係になるように配置されている。また、ライン状光源22bとライン状検出器23bとが対となり、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係になるように配置されている。
【0063】
また、連結部材263Cはリニアガイド261のステージ部262に固定されており、9(A)の矢印110の方向(走査方向)に並進可能に拘束されている。つまり、二つのライン状光源22a、22bと、二つのライン状検出器23a、23bとは、その並進方向にそれぞれ並ぶように配置されている。具体的には、二つのライン状光源22a、22bと二つのライン状検出器23a、23bとのうち、対となるライン状光源とライン状検出器とのそれぞれは、それぞれのライン状光源のライン方向(長手方向)とライン状光源から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、それぞれのライン状検出器のライン方向(長手方向)とライン状検出器へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、同一平面となる位置関係に配置されている。
【0064】
また、ここで二つのライン状光源22a、22bはそれぞれ異なる波長のLED素子が搭載されており、その全面にはそれぞれの波長に対応した不図示の励起フィルタが設けられている。また、対応するライン状検出器23a、23bにはそれぞれの蛍光波長に対応した不図示の蛍光フィルタが設けられている。
【0065】
上記構成において、処理装置30がステッピングモータ265を駆動することにより、二つのライン状光源22a、22bと二つのライン状検出器23a、23bとを走査方向に並進移動させ、二つの波長のライン画像を並行して順次撮像することが可能となる。これにより、本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果に加えて、2色のライン画像をより高速に撮像することが可能となる。
【0066】
なお、二つのライン状光源22a、22bと二つのライン状検出器23a、23bとのうち対となるライン状光源とライン状検出器とのそれぞれは、それぞれのライン状光源のライン方向(長手方向)とライン状光源から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、それぞれのライン状検出器のライン方向(長手方向)とライン状検出器へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、互いに平行な平面となる位置関係に配置されてもよい。
【0067】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
本実施形態は、第4の実施形態と同様にライン状光源22及びライン状検出器23が複数設けられているが、その配置が異なる。
図10は、第5の実施形態に係る共焦点スキャナ20Dの構成例を示す図である。この
図10は、
図2に示す共焦点スキャナ20の変形例であり、対応する部分には同一の符号を付しておりその説明を省略する。
【0068】
二つのライン状光源22a、22bにはそれぞれ異なる波長のLED素子が搭載され、その前方にはそれぞれの波長に合わせた励起フィルタ24a、24bが配置されている。さらに二つの光は励起用ダイクロイックミラー21bで一方は透過し一方は反射することによって、互いに重なるように構成されている。また二つのライン状検出器23a、23bの前方にはそれぞれの検出器が担当する波長に合わせた蛍光フィルタ25a、25bが配置されている。さらに二つの光は蛍光用ダイクロイックミラー21cで一方は透過し一方は反射することによって、互いに重なるように構成されている。ダイクロイックミラー21aは、励起用ダイクロイックミラー21bを透過してくる励起光及び反射してくる励起光の波長を反射し、顕微鏡10の結像レンズ15からの蛍光を透過する。
【0069】
ライン状光源22aとライン状検出器23aとはそれぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係になるように配置されている。また、ライン状光源22bとライン状検出器23bとはそれぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係になるように配置されている。ここで二つのライン状光源と二つの状検出器とのそれぞれは、それぞれのライン状光源のライン方向(長手方向)とライン状光源から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、それぞれのライン状検出器のライン方向(長手方向)とライン状検出器へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、同一平面となる位置関係になるように連結部材263Dに固定されている。
【0070】
なお、これに限らずライン状光源22aとライン状検出器23aと、ライン状光源22bとライン状検出器23bとは、上記同一平面に対して垂直方向(走査方向)にずれて配置されてもよい。この場合、互いの波長の光が混ざることが無いため、より感度の良い計測が可能である。要するにライン状光源22aとライン状検出器23aがそれぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係にあり、またライン状光源22bとライン状検出器23bがそれぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係であればどのような配置であってもよい。
【0071】
上記構成において、処理装置30がステッピングモータ265を駆動することにより、二つのライン状光源22a、22bと二つのライン状検出器23a、23bとを走査方向に並進移動させ、二つの波長のライン画像を並行して順次撮像することが可能となる。これにより、本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果に加えて、2色のライン画像をより高速に撮像することが可能となる。
【0072】
なお、ライン状光源22a、22bと二つのライン状検出器23a、23bとのうち、対となるライン状光源とライン状検出器とのそれぞれは、それぞれのライン状光源のライン方向(長手方向)とライン状光源から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、それぞれのライン状検出器のライン方向(長手方向)とライン状検出器へ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、互いに平行な平面となる位置関係に配置されてもよい。
【0073】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
本実施形態は、第4実施例の変形例である。第4の実施形態では、ライン状光源22及びライン状検出器23がそれぞれ複数設けられていたが、本実施形態では、ライン状光源22及びライン状検出器23のいずれか一方が複数設けられた構成について説明する。
【0074】
一般的にライン状検出器23は高価であるために複数設けることが困難な場合がある。また、ライン状光源22を複数の色で構成する場合、それら複数の光源を切り替える方が好適な場合がある。そこで、
図11を参照して、一つのライン状検出器23と複数のライン状光源22とが対応する構成例について説明する。
【0075】
図11は、第6の実施形態に係る駆動機構26Eの一例を示す図である。
図11(A)は、
図9(A)と同様の方向から見たときの駆動機構26Eの一例を示す図である。
図11(B)は、
図11(A)の矢印109の方向から見た駆動機構26Eの一部を示す図である。図示する例では、駆動機構26Eの連結部材263Eには一つのライン状検出器23aが配置されている。さらに連結部材263Eには、リニアガイド300を介してステージ部301が設けられており、そのステージ部301には4つのライン状光源22a、22b、22c、22dが配置されている。ここで、ステージ部301は図示しないアクチュエータによって矢印302の方向(ライン状検出器23a及びライン状光源22a、22b、22c、22dの長手方向と直交する方向)に移動可能に構成されている。ステージ部301を矢印302の方向に移動させることによって、4つのライン状光源22a、22b、22c、22dが一つのライン状検出器23aに対して移動する。即ち、4つのライン状光源22a、22b、22c、22dとライン状検出器23aとが相対的に移動することとなり、選択的に4つのライン状光源22a、22b、22c、22dのうちの一つとライン状検出器23aとが、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係となる。
【0076】
図示する例ではライン状光源22cが選択されており、ライン状光源22cとライン状検出器23aとが対応する位置関係にある。この状態で、処理装置30がステッピングモータ265を駆動することにより、連結部材263Eに取り付けられている光学系全体を走査方向に一体的に並進移動させながら、観察対象の像をライン毎に検出(撮像)可能となる。なお、他のライン状光源22a,22b,22dのいずれかによる励起が必要な場合には、随時ステージ部301を移動させることによって、所望のライン状光源を対応する位置に移動させる。
【0077】
なお、図示する例では、一つのライン状検出器23(例えば、23a)と複数のライン状光源22(例えば、22a、22b、22c、22d)とを設けた例を説明したが、複数のライン状検出器23と一つのライン状光源22とを設けた構成としてもよい。この場合、
図11に示したように複数のライン状光源22を移動可能に構成するのに代えて、複数のライン状検出器23を移動可能に構成することにより、選択的に複数のライン状検出器23のうちの一つのライン状検出器23と一つのライン状光源22とが、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係とすることができる。
【0078】
このように、本実施形態では、ライン状光源22とライン状検出器23とのいずれかを複数備え、ライン状光源22とライン状検出器23とを相対移動させることによって選択的にライン状光源22とライン状検出器23とが対応可能なように配置されている。例えば、一つのライン状検出器23と複数のライン状光源22とを設けた構成では、一つのライン状検出器23と複数のライン状光源22とを相対移動させることによって複数のライン状光源22の中から選択的に一つのライン状光源22と一つのライン状検出器23とが対応可能なように配置されている。これにより、複数のライン状検出器23を設けるよりもコストを抑えつつ、複数の波長のライン状光源22を選択的に利用することで複数の波長のライン画像を撮像することが可能である。
【0079】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
本実施形態は、第6の実施形態と同様に、一つのライン状検出器23が複数のライン状光源22と対応する構成例であるが、複数のライン状光源22を移動可能に構成するのではなく、一つのライン状検出器23を移動可能に構成した点が異なる。
【0080】
図12は、第7の実施形態に係る駆動機構26Fの一例を示す図である。
図12(A)は、
図11(A)と同様の方向から見たときの駆動機構26Fの一例を示す図である。
図12(B)は、
図12(A)の矢印109の方向から見た駆動機構26Fの一部を示す図である。図示する例では、駆動機構26Fの連結部材263Fには4つのライン状光源22a、22b、22c、22dが配置されている。さらに連結部材263Fにはリニアガイド303を介してステージ部304が設けられており、そのステージ部304には一つのライン状検出器23aが配置されている。ここで、ステージ部304は図示しないアクチュエータによって矢印305の方向(ライン状検出器23a及びライン状光源22a、22b、22c、22dの長手方向と直交する方向)に移動可能に構成されている。ステージ部304を矢印305の方向に移動させることによって、一つのライン状検出器23aが4つのライン状光源22a、22b、22c、22dに対して移動する。即ち、4つのライン状光源22a、22b、22c、22dとライン状検出器23aとが相対的に移動することとなり、選択的に4つのライン状光源22a、22b、22c、22dのうちの一つとライン状検出器23aとが、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係となる。
【0081】
図示する例ではライン状光源22cが選択されており、ライン状光源22cとライン状検出器23aとが対応する位置関係にある。この状態で、処理装置30がステッピングモータ265を駆動することにより、連結部材263Eに設けられている光学系全体を走査方向に一体的に並進移動させながら、観察対象の像をライン毎に検出(撮像)可能となる。なお、他のライン状光源22a,22b,22dのいずれかによる励起が必要な場合には、随時ステージ部301を移動させることによって、所望のライン状光源を対応する位置に移動させる。
【0082】
なお、図示する例では、一つのライン状検出器23(例えば、23a)と複数のライン状光源22(例えば、22a、22b、22c、22d)とを設けた例を説明したが、複数のライン状検出器23と一つのライン状光源22とを設けた構成としてもよい。この場合、一つのライン状検出器23(例えば、23a)を移動可能に構成するのに代えて、一つのライン状光源22を移動可能に構成することにより、選択的に複数のライン状検出器23のうちの一つのライン状検出器23と一つのライン状光源22とが、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係とすることができる。
【0083】
このように、本実施形態においても、第6の実施形態と同様に、ライン状光源22とライン状検出器23とのいずれかを複数備え、ライン状光源22とライン状検出器23とを相対移動させることによって選択的にライン状光源22とライン状検出器23とが対応可能なように配置されている。これにより、例えば、一つのライン状検出器23と複数のライン状光源22とを設けた構成では、複数のライン状検出器23を設けるよりもコストを抑えつつ、複数の波長のライン状光源22を選択的に利用することで複数の波長のライン画像を撮像することが可能である。
【0084】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。上記実施形態では、一体的に構成されたライン状光源22とライン状検出器23とを一つの駆動機構を用いて並進移動させたが、本実施形態では、ライン状光源22とライン状検出器23とを分離して構成し、二つの駆動機構を用いてそれぞれ並進移動させる例を説明する。
【0085】
図13は、第8の実施形態に係る二つの駆動機構の一例を示す図である。この図は、
図11(A)と同様の方向から見たときの二つの駆動機構26G,26Hの一例を示す図である。駆動機構26Gは、リニアガイド261、ステージ部310、固定ブロック264、ステッピングモータ265、ボールねじ266を備えている。
図11に示す連結部材263Eが無く、ステージ部310に4つのライン状光源22a、22b、22c、22dが配置されている。駆動機構26Hは、基本的には駆動機構26Gと同様に、リニアガイド306、ステージ部311、固定ブロック307、ステッピングモータ308、ボールねじ308を備えている。また、ステージ部311には、取り付けベース312を介してライン状検出器23aが、
図11に示す例と同様の方向を向くように配置されている。
【0086】
図示する例ではライン状光源22cが選択されており、ライン状光源22cとライン状検出器23aとが対応する位置関係にある。他のライン状光源22a,22b,22dのいずれかによる励起が必要な場合には、処理装置30がステッピングモータ265またはステッピングモータ308を駆動することにより、複数のライン状光源22とライン状検出器23aを相対移動させて、所望のライン状光源22とライン状検出器23aとを対応させることができる。また、撮影のための走査を行う際には、処理装置30が2つのステッピングモータ265及びステッピングモータ308を同期して駆動することにより、ライン状光源22とライン状検出器23aの位置関係を維持したまま走査方向に並進移動させる。
【0087】
これにより、複数のライン状検出器23を設けるよりもコストを抑えつつ、複数の波長のライン状光源22を選択的に利用することで複数の波長のライン画像を撮像することが可能である。また、ライン状光源22とライン状検出器23とを同様の駆動方式で移動させるため、複雑な構造を必要としない。
【0088】
なお、図示する例では、一つのライン状検出器23(例えば、23a)と複数のライン状光源22(例えば、22a、22b、22c、22d)とを設けた例を説明したが、複数のライン状検出器23と一つのライン状光源22とを設けた構成としてもよい。
【0089】
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
本実施形態は、第6の実施形態で説明したように光学系やスリットを含むライン状光源22を移動させるのではなく、光学系やスリットに対して光源を移動させることにより選択的に光源とライン状検出器23とを対応させる例である。
【0090】
図14は、第9の実施形態に係る駆動機構26Iの一例を示す図である。
図14(A)は、
図11(A)と同様の方向から見たときの駆動機構26Iの一例を示す図である。
図14(B)は、
図14(A)の矢印109の方向から見た駆動機構26Iの一部を示す図である。図示する例では、駆動機構26Iの連結部材263Iには、一つのライン状検出器23aが配置されている。さらに連結部材263Iには、リニアガイド315を介してステージ部316が設けられており、そのステージ部316には4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´が配置されている。光源にはLEDなどの光源素子を用いることができるが、
図4に示すような各光源毎にスリット等は設けなくてよい。ここでステージ部316は図示しないアクチュエータによって矢印317方向に移動可能に構成されている。
【0091】
また、4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´を挟んでステージ部316とは反対側には、照明光学系314と、照明光学系314の前面(光源側とは反対側の面)に設けられたスリット313とが固定されている。照明光学系314は、4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´のうちの選択された一つの光源から出射する光をスリット313へ導光する。図示する例では、光源22c´が選択されており、光源22c´から出射する光は、照明光学系314を介してスリット313のスリット形状の開口部からライン状の光となって出射される。
【0092】
ここで、スリット313のスリット方向(長手方向)とスリット313から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23aのライン方向(長手方向)とライン状検出器23aへ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが同一平面となる位置関係、且つそれぞれの光軸が直交する位置関係となるように連結部材263Iにスリット313が固定されている。なお、スリット313のスリット方向(長手方向)とスリット313から出射する光の光軸方向とから定まる平面と、ライン状検出器23aのライン方向(長手方向)とライン状検出器23aへ入射される光の光軸方向とから定まる平面とが、互いに平行な平面となる位置関係となるように連結部材263Iにスリット313が固定されてもよい。即ち、4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´のうちの選択された一つの光源と、ライン状検出器23aとが、それぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係となる。
【0093】
図示する例では、光源22c´が選択されており、光源22c´とライン状検出器23aとが対応する位置関係にあるが、光源22a´、22b´、22d´のいずれかによる励起が必要な場合には、随時ステージ部316を移動させることによって、所望の光源を対応する位置に移動させることになる。いずれかの光源が選択された状態で、処理装置30がステッピングモータ265を駆動することにより、連結部材263Iに設けられている光学系全体を走査方向に一体的に並進移動させながら、観察対象の像をライン毎に検出(撮像)可能となる。
【0094】
これにより、本実施形態では、複数の光源を用いる際に、光学系やスリットを移動せずに、光源素子のみを移動させることで選択的に光源を利用できるので、光学素子を共通化することができ、複数のライン状光源を移動させる場合よりも、廉価に構成できる。
【0095】
[第10の実施形態]
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
本実施形態は、第9実施形態の変形例であり、
図15を参照して説明する。
図15は、第10の実施形態に係る駆動機構26Jの一例を示す図である。この図は、
図14(B)に対応するものであり、駆動機構26Jの連結部材263Jの一部を示している。図示する連結部材263Jは、4枚の励起フィルタが連結された励起フィルタユニット319とステージ部316とがフィルタ連結部材318を介して接続されている点が、
図14(B)に示す例と異なる。
【0096】
4枚の励起フィルタのそれぞれは、4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´のそれぞれの光源に対応する励起フィルタであり、各光源から所望の励起波長のみを通過する励起フィルタである。4枚の励起フィルタのそれぞれと、4つの光源22a´、22b´、22c´、22d´のそれぞれとは、スリット313及び照明光学系314を挟んで対応(対向)する位置関係に配置されており、ステージ部316の移動に伴い、各光源と各励起フィルタとの位置関係を維持しながら一体的にスリット313に対して相対移動する。これにより、ステージ部316を移動させることによって選択された光源に対応して、所望の励起波長のみを通過する励起フィルタが選択されることになる。
【0097】
[第11の実施形態]
次に、本発明の第11の実施形態について説明する。
上述した各実施形態における共焦点スキャナ20(20D)は、顕微鏡10と一体となった共焦点顕微鏡として構成されてもよい。この共焦点顕微鏡は、例えば、観察対象が設置される試料ステージ12と、対物レンズ13と、対物レンズ13を介して入射される観察対象の像を結像する結像レンズ15と、結像レンズ15と対物レンズ13とを介して観察対象を照明するライン状の光を出射するライン状光源22と、ライン状光源22とがそれぞれ顕微鏡10の結像面内の互いに対応する位置関係に配置され、観察対象によって発せられた蛍光が対物レンズ13と結像レンズ15とを介して入射される光をライン毎に検出するライン状のCMOS素子(検出部)を有するライン状検出器23と、ライン状光源22とライン状検出器23とを顕微鏡に対して並進移動可能な駆動機構26とを少なくとも備えている。このように共焦点スキャナ20(20D)と、顕微鏡10とが一体となった構成でも、上述した各実施形態と同様の効果を奏する。
【0098】
なお、上述した実施形態における処理装置30が備える各部の一部または全部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、上述の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって上述の機能を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、処理装置30に内蔵されたコンピュータシステムであってOSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0099】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0100】
また、上述した実施形態における処理装置30の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。処理装置30の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0101】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。