(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続に関するパラメータの設定変更は、少なくとも、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、暗号化キーの各パラメータのうちいずれかの設定値の変更が実施された場合であり、
かつ、
前記無線LAN子機側端末が前記無線LANアクセスポイントと接続を行うタイミングの如何とは無関係に送受信される前記設定変更IDまたは前記子機側の設定変更IDを用いて、前記WPS動作の実行が必要であるか否かを判定して、必要であると判定した場合には、前記無線LANアクセスポイントと前記無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行して、前記無線LANアクセスポイントにおける前記接続に関するパラメータの設定変更を前記無線LAN子機側端末に反映する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線LANシステム。
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する無線LAN再接続方法であって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御ステップを有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御ステップにおいて、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御ステップにおいて、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信して、該無線LAN子機側端末に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させ、
かつ、前記無線LAN子機側端末から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている前記子機側の設定変更IDの値が、前記ID制御ステップにおいて保持している前記設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末に対して、WPS動作の実行要求を含むプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする無線LAN再接続方法。
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する無線LAN再接続方法であって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御ステップを有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御ステップにおいて、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御ステップにおいて、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信し、
かつ、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、前記ID制御ステップにおいて、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信し、
一方、前記無線LAN子機側端末は、
前記WPS動作の終了後に前記無線LANアクセスポイントから送信されてきた前記切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御ステップを有し、
前記無線LANアクセスポイントから定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、前記子機側ID制御ステップにおいて、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御ステップにおいて保持している前記子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、前記WPS動作を開始する旨を、前記無線LANアクセスポイントに対して通知して、該無線LANアクセスポイントとの間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする無線LAN再接続方法。
前記接続に関するパラメータの設定変更は、少なくとも、SSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、暗号化キーの各パラメータのうちいずれかの設定値の変更が実施された場合であり、
かつ、
前記無線LAN子機側端末が前記無線LANアクセスポイントと接続を行うタイミングの如何とは無関係に送受信される前記設定変更IDまたは前記子機側の設定変更IDを用いて、前記WPS動作の実行が必要であるか否かを判定して、必要であると判定した場合には、前記無線LANアクセスポイントと前記無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行して、前記無線LANアクセスポイントにおける前記接続に関するパラメータの設定変更を前記無線LAN子機側端末に反映する
ことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の無線LAN再接続方法。
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する処理をコンピュータにより実行する無線LAN再接続プログラムであって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御処理を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御処理において、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御処理において、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信して、該無線LAN子機側端末に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させ、
かつ、前記無線LAN子機側端末から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている前記子機側の設定変更IDの値が、前記ID制御処理において保持している前記設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末に対して、前記WPS動作の実行要求を含むプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする無線LAN再接続プログラム。
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する処理をコンピュータにより実行する無線LAN再接続プログラムであって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御処理を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御処理において、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御処理において、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信し、
かつ、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、前記ID制御処理において、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信し、
一方、前記無線LAN子機側端末は、
前記WPS動作の終了後に前記無線LANアクセスポイントから送信されてきた前記切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御処理を有し、
前記無線LANアクセスポイントから定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、前記子機側ID制御処理において、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御処理において保持している前記子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、前記WPS動作を開始する旨を、前記無線LANアクセスポイントに対して通知して、該無線LANアクセスポイントとの間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする無線LAN再接続プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、前記特許文献1に記載のような現状の無線LANアクセスポイントにおいては、接続に関するパラメータの設定変更後の無線LAN子機側端末に対する考慮までなされていない状況にある。このため、無線LANアクセスポイントにおいて接続に関するパラメータの設定変更が行われると、無線LAN子機側端末のユーザ側において、接続に必要とするパラメータに関する設定を手動によって再度実施するか、あるいは、WPS操作を行って新しい設定を反映させるかのいずれかの操作が必要になる。すなわち、現状の無線LANアクセスポイントの一般的な製品においては、無線LANアクセスポイントにおいて接続に関するパラメータの設定変更が行われると、その設定変更に伴い、パラメータに関する設定の再度の手動設定、またはWPSによる設定という操作が、無線LAN子機側端末側の手間が発生してしまっていた。
【0006】
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、無線LAN子機側端末と無線LANアクセスポイントとが接続中の状態において、無線LANアクセスポイントにおいて接続に関するパラメータの設定変更がなされた場合、自動的に、無線LAN子機側端末にも設定変更が反映されて、無線LAN子機側端末と無線LANアクセスポイントとの再接続を自動的に実施することが可能な無線LANシステム、無線LAN再接続方法および無線LAN再接続プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明による無線LANシステム、無線LAN再接続方法および無線LAN再接続プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0008】
(1)本発明による無線LANシステムは、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御手段を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御手段の動作により、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御手段の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信して、該無線LAN子機側端末に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させ、
かつ、前記無線LAN子機側端末から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている前記子機側の設定変更IDの値が、前記ID制御手段において保持している前記設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末に対して、WPS動作の実行要求を含むプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明による無線LANシステムは、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御手段を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御手段の動作により、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御手段の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信し、
かつ、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、前記ID制御手段の動作により、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信し、
一方、前記無線LAN子機側端末は、
前記WPS動作終了後に前記無線LANアクセスポイントから送信されてきた前記切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御手段を有し、
前記無線LANアクセスポイントから定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、前記子機側ID制御手段の動作により、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御手段が保持している前記子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、前記WPS動作を開始する旨を、前記無線LANアクセスポイントに対して通知して、該無線LANアクセスポイントとの間で自動的にWPS動作を実行する
ことも特徴とする。
【0010】
(3)本発明による無線LAN再接続方法は、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する無線LAN再接続方法であって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御ステップを有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御ステップにおいて、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御ステップにおいて、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信して、該無線LAN子機側端末に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させ、
かつ、前記無線LAN子機側端末から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている前記子機側の設定変更IDの値が、前記ID制御ステップにおいて保持している前記設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末に対して、WPS動作の実行要求を含むプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明による無線LAN再接続方法は、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する無線LAN再接続方法であって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御ステップを有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御ステップにおいて、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御ステップにおいて、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信し、
かつ、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、前記ID制御ステップにおいて、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信し、
一方、前記無線LAN子機側端末は、
前記WPS動作終了後に前記無線LANアクセスポイントから送信されてきた前記切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御ステップを有し、
前記無線LANアクセスポイントから定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、前記子機側ID制御ステップにおいて、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御ステップにおいて保持している前記子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、前記WPS動作を開始する旨を、前記無線LANアクセスポイントに対して通知して、該無線LANアクセスポイントとの間で自動的にWPS動作を実行する
ことも特徴とする。
【0012】
(5)本発明による無線LAN再接続プログラムは、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する処理をコンピュータにより実行する無線LAN再接続プログラムであって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御処理を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御処理において、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御処理において、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信して、該無線LAN子機側端末に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させ、
かつ、前記無線LAN子機側端末から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている前記子機側の設定変更IDの値が、前記ID制御処理において保持している前記設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末に対して、前記WPS動作の実行要求を含むプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末との間で自動的にWPS動作を実行する
ことを特徴とする。
【0013】
(6)また、本発明による無線LAN再接続プログラムは、
無線LANアクセスポイントと該無線LANアクセスポイントとの接続を無線で行う無線LAN子機側端末とにより構成される無線LANシステムにおいて前記無線LAN子機側端末を前記無線LANアクセスポイントに再接続する処理をコンピュータにより実行する無線LAN再接続プログラムであって、
前記無線LANアクセスポイントは、
前記接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更IDを保持して管理するID制御処理を有し、
前記接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、前記ID制御手段の処理において、前記設定変更IDの値を更新して保持し直し、
かつ、前記無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して該無線LAN子機側端末に対して当該無線LANアクセスポイントにおける接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、前記ID制御処理において、該切断通知(Deauthentication)フレームに、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持し直している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末に対して送信し、
かつ、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、前記ID制御処理において、前記接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報として保持している前記設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信し、
一方、前記無線LAN子機側端末は、
前記WPS動作終了後に前記無線LANアクセスポイントから送信されてきた前記切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御処理を有し、
前記無線LANアクセスポイントから定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、前記子機側ID制御処理において、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御処理において保持している前記子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、前記WPS動作を開始する旨を、前記無線LANアクセスポイントに対して通知して、該無線LANアクセスポイントとの間で自動的にWPS動作を実行する
ことも特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無線LANシステム、無線LAN再接続方法および無線LAN再接続プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0015】
すなわち、本発明においては、無線LANアクセスポイントが接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を実施したか否かを識別するための設定変更IDを用いることによって、無線LANシステムを構成する無線LANアクセスポイントと無線LAN子機側端末との間で、接続に関する設定に差異があるか否かを確実に検出することができ、該接続に関する設定に差異があることを検出した際に自動的にWPS(Wi−Fi Protected Setup)を実行させることによって、無線LANアクセスポイントが設定変更した新しい設定を無線LAN子機側端末に自動的に反映することが可能である。而して、接続先の無線LANアクセスポイントにおいて接続に関するパラメータの設定変更がなされていても、無線LAN子機側端末側のユーザがパラメータの設定変更作業を手動で行う手間をかけることもなく、該無線LAN子機側端末に該無線LANアクセスポイント側の設定変更後の接続に関するパラメータを自動的に反映させて、該無線LANアクセスポイントに再接続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による無線LANシステム、無線LAN再接続方法および無線LAN再接続プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による無線LANシステムおよび無線LAN再接続方法について説明するが、かかる無線LAN再接続方法をコンピュータにより実行可能な無線LAN再接続プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、無線LAN再接続プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0018】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、無線LANアクセスポイントにおいて、接続に関するパラメータの設定変更がなされた場合、すなわち、接続に必要な少なくともSSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、暗号化キーの各パラメータのうちいずれかの設定値の変更が実施された場合に、無線LAN子機側端末との間でWPS(Wi-Fi Protected Setup)動作を自動的に実行することにより、当該無線LAN子機側端末を設定変更した新たなパラメータを用いて自動的に再接続させることを可能にしていることを主要な特徴としている。而して、無線LANアクセスポイントにおいて接続に関するパラメータの設定変更がなされた場合であっても、無線LAN子機側端末のユーザが接続に関するパラメータの設定変更作業を行う手間をかけることが不要になり、利便性を向上させることを可能にしている。
【0019】
本発明の特徴をさらにより具体的に説明すると、次の通りである。無線LANアクセスポイントと無線LAN子機側端末とのそれぞれに、接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくとも、SSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)がなされたか否かを識別する(言い換えると、該接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す)ための識別子として設定変更ID(Identifier)と子機側の設定変更IDとを保有し、無線LANアクセスポイントは、接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を行った際には、当該無線LANアクセスポイント側の該設定変更IDを更新して(例えば‘1’加算して)保持し直す。
【0020】
また、無線LANアクセスポイントは、該無線LANアクセスポイント側の接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を反映する動作を自動的に実施すべき無線LAN子機側端末のMAC(Media Access Control)アドレスを登録して保持しており、反映する動作を実施した後、接続中の無線LAN子機側端末との接続を切断する際に、当該無線LAN子機側端末のMACアドレスを宛先とする切断通知(Deauthetication)フレームに無線LANアクセスポイント側の前記設定変更IDを含めて送信する。該切断通知(Deauthetication)フレームを受信した無線LAN子機側端末は、受け取った該切断通知フレーム(Deauthetication)に含まれている前記設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持し、以降、当該無線LAN子機側端末は、無線LANアクセスポイントの探索時に送信するプローブ要求(Probe Request)フレームに、保持している子機側の設定変更IDを含めて無線LANアクセスポイントに対して送信する。
【0021】
無線LANアクセスポイントは、無線LAN子機側端末からのプローブ要求(Probe Request)フレームを受信すると、受信した該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれているMACアドレスが、該無線LANアクセスポイント側で実施した接続に関するパラメータの設定変更を自動的に反映すべき無線LAN子機側端末として登録保持しているMACアドレスであった場合には、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDと無線LANアクセスポイントにおいて保持している設定変更IDとの比較を行う。子機側の設定変更IDが、無線LANアクセスポイントにおいて保持している設定変更IDと同じ値であれば、無線LAN子機側端末側においては、接続に必要なパラメータであるSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれの値も最新の状態になっていて、設定変更を実施する必要はなく、そのまま、利用可能な状態になっているので、無線LANアクセスポイントは、アクセスを許可する旨(すなわち、接続確立フェーズへの移行を促す旨)のプローブ応答(Probe Response)フレームを、プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末に対して返送する。
【0022】
一方、無線LANアクセスポイントは、プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDが、無線LANアクセスポイントにおいて保持している設定変更IDと異なる値であった場合には、無線LAN子機側端末側においては、接続に必要なパラメータであるSSID、暗号化方式、暗号化キーの値の少なくともいずれかが設定変更前の古い状態になっていて、接続に関するパラメータの設定変更が必要な状態であると判断して、無線LANアクセスポイントは、当該無線LAN子機側端末におけるWPSによる設定変更(すなわち接続に関するパラメータの最新の状態への設定変更)を要求する旨のプローブ応答(Probe Response)フレームを、プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末に対して返送し、しかる後、当該無線LAN子機側端末からのWPS動作開始の通知を待ち受ける状態に移行する。
【0023】
その結果、WPSによる設定変更を要求する旨のプローブ応答(Probe Response)フレームを受け取った無線LAN子機側端末は、WPS動作の実行を自動的に開始し、無線LANアクセスポイントにおいて変更設定された新しいSSID、暗号化方式、暗号化キーの値を用いた設定を行うとともに、子機側の設定変更IDを無線LANアクセスポイントにおける設定変更IDと同じ値に更新することにより、無線LANアクセスポイントに対する再接続を行うことを可能にする。而して、無線LANアクセスポイントにおいて、接続に関するパラメータの設定変更(少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の変更設定)がなされても、無線LAN子機側端末は、接続に関するパラメータ(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーの値)に対する手動による再設定、あるいは、ユーザのWPS操作による再設定を行う手間を解消することができる。
【0024】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係る無線LANシステムのシステム構成例について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る無線LANシステムのシステム構成の主要部の一例を示すシステム構成図であり、現状の無線LANシステムの場合と同様、無線LANの親機となる無線LANアクセスポイント1と無線LANの子機(クライアント端末)となる無線LAN子機側端末2と、から構成される。
【0025】
無線LANアクセスポイント1は、無線LAN信号の送受信を行う無線通信部10を始めとする現状の無線LANアクセスポイントと同様の回路ブロックを備えるとともに、さらに、ID制御部11と端末管理部12とを追加して備えている。一方、無線LAN子機側端末2は、無線LAN信号の送受信を行う無線通信部20を始めとする現状の無線LAN子機側端末と同様の回路ブロックを備えるとともに、さらに、子機側ID制御部21を追加して備えている。なお、無線LANアクセスポイント1および無線LAN子機側端末2の現状と同様の回路ブロックについては、広く知られたものであり、ここでの説明は省略する。
【0026】
無線LANアクセスポイント1のID制御部11は、接続に関するパラメータとして設定されている少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更の有無(言い換えると、該接続に関するパラメータの現在の設定状態)を識別するための設定変更IDを管理するブロックである。そして、接続用に必須の少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値を設定変更する都度、設定変更IDを更新して例えば‘1’ずつ加算して保持するように制御している。さらに、WPS(Wi-Fi Protected Setup)動作により無線LAN子機側端末2側への接続に関するパラメータの設定動作を終了した際に通知する切断通知(Deauthentication)フレーム、あるいは、自装置の存在を示すために定期的に送信するビーコン(beacon)フレームに、ID制御部11が保持している設定変更IDを含めて、無線LAN子機側端末2に対して送信するように制御する。なお、無線LAN子機側端末2に対して送信する設定変更IDの情報は、例えば、認証解除通知または切断通知(Deauthentication)フレームあるいはビーコン(beacon)フレームのベンダー情報部であるVendor IE(Information Element)上に含ませる形式で送信すれば良い。
【0027】
また、端末管理部12は、当該無線LANアクセスポイント1との間で、接続に関するパラメータである少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーの値に関する手動による設定、あるいは、ユーザのWPS操作による設定を実施して接続されたことがあり、かつ、無線LANアクセスポイント側の接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を反映する動作を自動的に実施すべき対象となる無線LAN子機側端末2を認識するためのMAC(Media Access Control)アドレスを登録して保持している。そして、無線LAN子機側端末2からWPS動作の実行要求あるいはWPS動作の開始通知を受け取った際に、当該無線LAN子機側端末2が接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき対象であるか否かを確認する動作を行う。
【0028】
また、無線LAN子機側端末2の子機側ID制御部21は、無線LANアクセスポイント1から送信されてきた設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持している。そして、当該無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント探索時に送信するプローブ要求(Probe Request)フレームに、子機側ID制御部21が保持している子機側の設定変更IDを含めて、無線LANアクセスポイント1に対して送信する動作を行ったり、あるいは、無線LANアクセスポイント1から設定変更ID付きのビーコン(beacon)フレームを受信した際に、受信したビーコン(beacon)フレームに含まれている該設定変更IDが、子機側ID制御部21が保持している子機側の設定変更IDと同じ値か否かを調べて、当該無線LAN子機側端末2の接続に関するパラメータが接続が可能な最新の状態にあるか否かを識別する動作を行ったりする。なお、無線LANアクセスポイント1に対して送信する場合には、該子機側の設定変更IDは、例えば、プローブ要求(Probe Request)フレームのベンダー情報部であるVendor IE(Information Element)上に付与する形式で送信すれば良い。
【0029】
(本発明の実施形態における第1の動作例の説明)
次に、
図1に示した無線LANシステムの動作について、その第1の動作例を、
図2に例示する動作シーケンス、
図3〜
図5に例示する各フローチャート、
図6に例示するテーブル、のそれぞれを用いて詳細に説明する。なお、以下の説明においては、無線LAN子機側端末2を初めて無線LANアクセスポイント1に接続するためのパラメータの設定動作を、WPS動作の実行により行っている場合について説明する。ここに、
図2は、
図1に一実施形態として示した無線LANシステムの動作シーケンスに関する第1の動作例を示すシーケンスチャートであり、また、
図3は、
図1に示した無線LAN子機側端末2との間の設定をWPS動作の実行により実施する場合の無線LANアクセスポイント1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0030】
また、
図4は、
図1に示した無線LAN子機側端末2からのプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際の無線LANアクセスポイント1の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、また、
図5は、
図1に示した無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更を実施した際の無線LANアクセスポイント1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。また、
図6は、
図1に示した無線LANアクセスポイント1の端末管理部12において保持する自動接続許可端末登録リストの一例を示すテーブルである。
【0031】
まず、
図2に例示したシーケンスチャートについて説明する。
図2のシーケンスチャートは、
図1に示した無線LAN子機側端末2の接続に関するパラメータの設定変更が必要であるか否かを、当該無線LAN子機側端末2が無線LANアクセスポイント探索用に送信してくるプローブ要求(Probe Request)フレームの分析結果に基づいて、無線LANアクセスポイント1において判定し、その結果、設定変更が必要と判定した場合に、該無線LAN子機側端末2との間でWPS動作を自動的に実行することにより、無線LAN子機側端末2に対して、接続に関するパラメータの設定を反映するまでの動作(すなわち、接続に必要なSSID、暗号化方式、暗号化キーの値の設定を反映するまでの動作)の流れの一例を示している。
【0032】
図2のシーケンスチャートにおいて、無線LAN子機側端末2を初めて無線LANアクセスポイント1に接続する際に、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間でWPS動作を実行し、無線LAN子機側端末2に当該無線LANアクセスポイント1との接続に必要な設定がなされると(シーケンスSeq1)、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2に対して、設定動作を終了した際に通知する切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq2)。この際、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、無線LANアクセスポイント1のID制御部11の動作により、無線LANアクセスポイント1におけるSSID、暗号化方式、暗号化キーの値の設定変更状態(言い換えると、現在の設定状態)を識別する識別子である設定変更IDが含まれている。
【0033】
無線LANアクセスポイント1からの前記切断通知(Deauthentication)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1との接続を切断するとともに、子機側ID制御部21の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDを取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。
【0034】
以上の無線LANシステムの無線LANアクセスポイント1におけるWPS動作の実行による設定動作の一例について、
図3に示すWPSフローチャートを用いてさらに説明する。
図3のフローチャートにおいて、無線LAN子機側端末2が初めて無線LANアクセスポイント1に接続される際に、該無線LAN子機側端末2のユーザがWPS操作を行うと、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2との間のWPS動作の実行により、当該無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータ(すなわち、接続に必要とするSSID、暗号化方式、暗号化キー)の現在の設定状態を無線LAN子機側端末2に反映する(ステップA1)。
【0035】
そして、無線LANアクセスポイント1は、以降において、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき対象の無線LAN子機側端末として、WPS動作を実行した該無線LAN子機側端末2のMACアドレスを端末管理部12が管理する自動接続許可端末登録リスト12aにリスト形式で順番に登録して、保持する(ステップA2)。而して、
図6に示すように、自動接続許可端末登録リスト12aには、WPS動作の実行により無線LANアクセスポイント1との間で接続に必要とするパラメータの設定を行った無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、No.1、No.2、…と順次登録されていく。
【0036】
WPS動作が終了すると、無線LANアクセスポイント1は、WPS動作を実行した無線LAN子機側端末2との間の接続を一旦切断するために、該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する。ここで、前述したように、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、無線LANアクセスポイント1のID制御部11の動作により、無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータ(SSID、暗号化方式、暗号化キーの値)の設定変更状態(言い換えると、現在の設定状態)を識別する設定変更IDが含まれている。以下の説明においては、該設定変更IDの初期値を‘1’として説明するが、設定変更IDの初期値としては、如何なる値や符号を利用しても構わない。
【0037】
該切断通知(Deauthentication)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1との間の接続を切断するが、子機側ID制御部21の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDを取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。無線LANアクセスポイント1から送信されてきた該設定変更IDの値としては、前述のように、初期値例えば‘1’である。そして、以降において、無線LANアクセスポイント1の探索を行うプローブ要求(Probe Request)フレーム送信時に、当該無線LAN子機側端末2側の接続に関するパラメータの現在の設定状態を無線LANアクセスポイント1に対して通知するために、保持している子機側の設定変更IDを該プローブ要求(Probe Request)フレームに含めて送信する動作を行う。なお、
図3に示したWPS動作の実行に関するフローチャートは、設定変更IDが初期値‘1’の初回だけでなく、以降のWPS動作の実行時においても、そのまま適用される。
【0038】
図2に示すシーケンスチャートの説明に戻って、切断された無線LAN子機側端末2は、以降、無線LANアクセスポイント探索時に、無線LANアクセスポイント1から自装置の存在を通知するために定期的にブロードキャスト送信されてくるビーコン(Beacon)フレームに含まれている情報を参照しつつ、WPS動作によって設定されている接続に関するパラメータを用いて生成したプローブ要求(Probe Request)フレームを送信する(シーケンスSeq3)。ここで、かかる無線LANアクセスポイント探索時に送信するプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、前述したように、子機側ID制御部21の動作により、保持している子機側の設定変更IDを含む形式で、生成される。
【0039】
プローブ要求(Probe Request)フレームを受信した無線LANアクセスポイント1は、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2を示すMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていて、かつ、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDが、ID制御部11が保持している設定変更IDと同一の値であるか否かを確認する。該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていて、かつ、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDが、ID制御部11が保持している設定変更IDと同一の値であった場合には、該プローブ要求(Probe Request)フレームに対する応答として、現状の無線LANシステムと同様の形式のプローブ応答(Probe Response)フレームを、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2に対して送信する(シーケンスSeq4)。
【0040】
しかる後、認証動作を行い、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の認証が得られると、無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1に対して接続要求(Association Request)フレームを送信し、該接続要求(Association Request)フレームを受け取った無線LANアクセスポイント1は、接続応答(Association Response)フレームを、無線LAN子機側端末2に対して返送する(シーケンスSeq5)。その結果、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の接続が確立される(シーケンスSeq6)。以降、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間で、MACフレームを用いてデータの送受信動作を行うことが可能になる。
【0041】
以上のように、無線LANアクセスポイント1において接続設定の変更が実施されていなく、無線LAN子機側端末2との接続が可能な状態にある場合に、無線LAN子機側端末2との間で無線LANアクセスポイント1がデータ送受信動作を開始するまでの手順の一例について、
図4に示すプローブ要求(Probe Request)フレーム受信時における動作フローチャートを用いてさらに説明する。
図4のフローチャートの開始時において、まず、無線LANアクセスポイント1との間の接続が切断された無線LAN子機側端末2は、WPS動作により反映された接続設定を用いたプローブ要求(Probe Request)フレームを生成して、該当する無線LANアクセスポイント1を探索するが、この際、プローブ要求(Probe Request)フレームには、さらに、子機側ID制御部21において保持・管理されている子機側の設定変更IDをプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含む形式で送信してくる。ここで、接続に関するパラメータが初期状態のままである場合には、子機側の該設定変更IDの値は、初期値例えば‘1’である。
【0042】
図4のフローチャートにおいて、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2からのプローブ要求(Probe Request)フレームを受信すると(ステップB1)、まず、当該無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、端末管理部12が管理している自動接続許可端末登録リスト12aに登録されているか否かを確認する(ステップB2)。無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていなかった場合には(ステップB2の‘無’の場合)、当該無線LAN子機側端末2は、接続設定の変更時に自動再接続を実施すべき対象にはなっていない通常の無線LAN子機側端末であると判定して、現状の無線LANシステムの場合と同様の形式のプローブ応答(Probe Response)フレームを、要求元の無線LAN子機側端末2に対して返送する(ステップB6)。
【0043】
一方、無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていた場合には(ステップB2の‘有’の場合)、当該無線LAN子機側端末2は、接続設定の変更時に自動再接続を実施すべき対象の無線LAN子機側端末であると判定して、受信したプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている子機側の設定変更IDを取り出して、ID制御部11において保持している設定変更IDの値と比較する(ステップB3)。ここで、無線LANアクセスポイント1において、当該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信した以降、接続に関するパラメータの設定変更が実施されていなかった場合には、保持している設定変更IDの値は、更新されることなく、先に無線LAN子機側端末2に送信した切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている設定変更IDと同じ値すなわち初期値例えば‘1’のままである。
【0044】
ID制御部11において保持している設定変更IDの値が、無線LAN子機側端末2から受信したプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている子機側の設定変更IDと同じ値であって、より大きい値に更新されていなかった場合には(ステップB3のNOの場合)、プローブ要求(Probe Request)フレームに対する応答として、現状の無線LANシステムの場合と同様の形式でプローブ応答(Probe Response)フレームを、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2に対して送信する(ステップB6)。その結果、
図2のシーケンスSeq5、Seq6に示したように、現状の無線LANシステムの場合と同様に、Associationシーケンスとして、接続要求(Association Request)フレーム、接続応答(Association Response)フレームの交換を行って、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の接続を確立して、データ送受信動作を開始することができる。
【0045】
次に、
図5の接続設定変更の動作例を示すフローチャートを用いて、無線LANアクセスポイント1において、接続に関するパラメータであるSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更を実施する場合の動作について説明する。無線LANアクセスポイント1において、何らかの設定変更を実施する事態が発生した場合(ステップC1)、該設定変更が、接続に関するパラメータの設定変更、すなわち、SSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更であるか否かを確認する(ステップC2)。該設定変更が、接続に関するパラメータの設定変更ではなく、その他のパラメータに関する設定変更であった場合には(ステップC2の‘NO’の場合)、無線LANアクセスポイント1における設定変更のみで十分であるので、そのまま、設定変更を実施して、変更処理を終了する。
【0046】
一方、該設定変更が、接続に関するパラメータの設定変更であり、SSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更であった場合には(ステップC2の‘YES’の場合)、無線LANアクセスポイント1のみならず、接続許可をしている無線LAN子機側端末2におけるパラメータの設定変更も実施しない限り、無線LAN子機側端末2の再接続を行うことができない。このため、無線LANアクセスポイント1のID制御部11は、保持している設定変更IDの値を例えば‘1’加算した値に更新して、保持し直す(ステップC3)。例えば、今まで接続に関するパラメータの設定変更を行ったことがなく、ID制御部11に現在保持されている値が、初期値の‘1’であった場合には、例えば‘1’だけ加算されて、‘2’に更新されて保持し直される。なお、設定変更IDの更新方法については、ここでは、‘1’ずつ加算していく例を示しているが、本発明は、かかる場合に限るものではなく、接続に関するパラメータの現在の設定状態をユニークに特定することができる更新方法であれば、如何なる更新方法を適用しても構わない。
【0047】
そして、端末管理部12が管理する自動接続許可端末登録リスト12aに登録済みの無線LAN子機側端末2であって、かつ、接続に関するパラメータの設定変更がなされた時点において当該無線LANアクセスポイント1に接続中の状態にあった無線LAN子機側端末2に関しては、接続状態を継続することはできないので、該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthetication)フレームを送信して切断する。なお、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、設定変更IDを含まない形式すなわち現状の無線LANシステムの場合と同様の通常の形式で送信して、現状の無線LANシステムと同様の切断処理を実施する。
【0048】
次に、
図2に示すシーケンスチャートの説明に戻って、無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更が実施された場合の無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の信号の流れについて説明する。
図5のフローチャートにおいて説明したように、無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更、すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更が実施されると、設定変更IDの値は加算されて‘1’から‘2’に変化する(シーケンスSeq7)。その結果、当該無線LANアクセスポイント1に接続中の状態にあった無線LAN子機側端末2に関しては、接続状態を継続することができないので、該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthetication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq8)。なお、無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更を行った場合の切断通知(Deauthetication)フレームに関しては、前述したように、該切断通知(Deauthetication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、設定変更IDを含まない形式すなわち現状の無線LANシステムの場合と同様の通常の形式で送信する。
【0049】
切断された無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1と再接続するために、プローブ要求(Probe Request)フレームを送信して、接続先の無線LANアクセスポイント1を探索する(シーケンスSeq9)。該プローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、当該無線LAN子機側端末2の子機側ID制御部21において保持している子機側の設定変更ID(前述したように初期値‘1’が保持されている)を取り出して、設定している。
【0050】
ここで、該プローブ要求(Probe Request)フレームを受信した無線LANアクセスポイント1は、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元を示すMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されているものの、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDが、ID制御部11が保持している設定変更IDとは異なる値であり、より小さい値になっているので、無線LAN子機側端末2と接続を行うためには該無線LAN子機側端末2の接続に関するパラメータの設定変更が必要であるものと判断する。
【0051】
したがって、無線LANアクセスポイント1は、現状の無線LANシステムの場合とは異なり、該プローブ要求(Probe Request)フレームに対する応答として、接続確立フェーズへの移行を許可する応答を行う代わりに、WPS動作の実行を要求するプローブ応答(Probe Response)フレームを、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2に対して送信する(シーケンスSeq10)。なお、WPS動作の実行を要求するプローブ応答(Probe Response)フレームは、WPS動作の実行要求を示す情報を、例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含む形式で送信する。そして、無線LAN子機側端末2からのWPS動作の開始通知を待ち受ける状態に移行する。
【0052】
しかる後、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2からWPS動作の開始通知を受け取ると、プローブ応答(Probe Response)フレームの送信先の無線LAN子機側端末2との間でWPS動作を実行し、該無線LAN子機側端末2に対して、接続に関するパラメータの設定変更を実施し、当該無線LANアクセスポイント1の現在の設定状態を反映する(シーケンスSeq11)。そして、シーケンスSeq2の場合と同様、無線LANアクセスポイント1は、該無線LAN子機側端末2に対して、WPS動作を終了した際に通知する切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq12)。ここで、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、無線LANアクセスポイント1のID制御部11の動作により、接続に関するパラメータの設定変更の実施結果として‘1’加算された現在の設定変更IDの値(初期値‘1’における設定変更時には‘2’の値)が含まれている。無線LANアクセスポイント1からの前記切断通知(Deauthentication)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1との接続を切断するとともに、子機側ID制御部21の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDの値(初期値‘1’における設定変更時には‘2’の値)を取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。
【0053】
以上のように、WPS動作の実行要求を示すプローブ応答(Probe Response)フレームを送信した無線LANアクセスポイント1は、該プローブ応答(Probe Response)フレームの送信先である無線LAN子機側端末2からのWPS動作の開始通知を待ち受け、一方、無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1からプローブ応答(Probe Response)フレームに含まれているWPS動作の実行要求を受信することによって、WPS動作の開始通知を自動的に送信して、WPS動作を自動的に開始し、無線LANアクセスポイント1の接続に関するパラメータの設定変更後の新しい設定を当該無線LAN子機側端末2に自動的に反映する。
【0054】
次に、無線LANアクセスポイント1において接続設定の変更が実施された場合における無線LAN子機側端末2との間のWPS動作の実行に至るまでの無線LANアクセスポイント1の手順の一例について、
図4のフローチャートのステップB3以降のステップを用いてさらに説明する。
【0055】
図4のフローチャートのステップB1〜ステップB2までの各ステップにおいては、前述したように、無線LANアクセスポイント1において、自動接続許可端末登録リスト12aにMACアドレスが登録されている無線LAN子機側端末2からプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した場合にステップB3の処理に移行している。そして、無線LANアクセスポイント1は、ステップB3において、前述したように、受信したプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている子機側の設定変更IDを取り出して、ID制御部11において保持している設定変更IDの値と比較する(ステップB3)。
【0056】
無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更が実施された結果として、ID制御部11において保持している設定変更IDの値が更新されていて、無線LAN子機側端末2から受信したプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている子機側の設定変更IDの値とは異なり、より大きい値になっていた場合には(ステップB3のYESの場合)、無線LAN子機側端末2には、まだ、該接続に関するパラメータの設定変更が反映されていなく、そのままでは、接続することができない状況である。その結果、無線LANアクセスポイント1は、WPS動作の実行要求を示す情報を例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含む形式のプローブ応答(Probe Response )フレームを作成して、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2に対して送信する(ステップB4)。しかる後、該無線LAN子機側端末2からのWPS動作の開始通知の待ち受け状態に遷移する。
【0057】
プローブ応答(Probe Response )フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、受信した該プローブ応答(Probe Response )フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)にWPS動作の実行要求を示す情報が含まれていることを認識すると、無線LANアクセスポイント1に対してWPS動作の開始通知を送信して、該無線LANアクセスポイント1との間でWPS動作を開始する(ステップB5)。その結果、無線LAN子機側端末2は、該無線LANアクセスポイント1に設定されている接続に関する新しい設定を反映することができ、再度、該無線LANアクセスポイント1に接続することが可能となる。
【0058】
そして、無線LANアクセスポイント1は、WPS動作の終了時に、切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する際に、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に、ID制御部11が管理している設定変更ID(例えば初期値の‘1’から‘2’に更新された状態の設定変更ID)を含む形式で送信することにより、無線LAN子機側端末2は、送信されてきた新しい設定変更IDの値を子機側ID制御部21に子機側の設定変更IDとして保持し直すことになる。その結果、無線LAN子機側端末2は、以降、無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に更新後の新しい子機側の設定変更ID(例えば初期値の‘1’から‘2’に更新された状態の設定変更ID)を含む形式でプローブ要求(Probe Request)フレームを送信するように動作することになる。
【0059】
以上に詳細に説明したように、本第1の動作例においては、次のように動作する。すなわち、無線LANアクセスポイント1は、接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更ID(言い換えると、接続に関するパラメータの現在の設定状態をユニークに特定することができる設定変更ID)を保持して管理するID制御部11を、少なくとも備えている。そして、該接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、ID制御部11の動作により、設定変更IDの値を更新して保持し直す。そして、無線LAN子機側端末2との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して、該無線LAN子機側端末2に対して無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、ID制御部11の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに、当該無線LANアクセスポイント1に保持している設定変更IDに関する情報を含む形式で作成し、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末2に対して送信する。そして、該無線LAN子機側端末2に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させる。
【0060】
さらに、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDの値がID制御部11において保持している設定変更IDの値と異なっている場合には、該無線LAN子機側端末2に対して、WPS動作の実行要求を含むプローブ応答((Probe Response)フレームを返送して、該無線LAN子機側端末2との間で自動的にWPS動作を実行する。WPS動作の実行後に該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断するが、該切断通知(Deauthentication)フレームには、前述したように、当該無線LANアクセスポイント1に保持されている設定変更IDに関する情報が含まれている。
【0061】
また、無線LANアクセスポイント1は、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき無線LAN子機側端末2を特定するMACアドレスを自動接続許可端末登録リスト12aにリスト形式で順番に登録して管理する端末管理部12をさらに備えている。そして、無線LAN子機側端末2からプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき対象の無線LAN子機側端末2からの要求であるか否かを確認するために、端末管理部12の動作により、送信先の該無線LAN子機側端末2のMACアドレスが、自動接続許可端末登録リスト12aに登録されているか否かを確認する。そして、送信先の該無線LAN子機側端末2のMACアドレスが自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていた場合には、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDの値がID制御部11において保持している設定変更IDの値と異なっているか否かを確認して、異なっていた場合に、WPS動作の実行要求をプローブ応答(Probe Request)フレームに含めて送信する動作を行うことにより、自動的にWPS動作を実行する。
【0062】
而して、本第1の動作例においては、接続に関するパラメータの設定変更を必要とする無線LAN子機側端末2のユーザが手動で設定変更に関する操作を行う手間をかける必要もなく、該接続に関するパラメータの設定変更が自動的に実施されて、無線LAN子機側端末2を無線LANアクセスポイント1と再接続することが可能になる。
【0063】
(本発明の実施形態における第2の動作例の説明)
次に、
図1に示した無線LANシステムの動作について、その第2の動作例を、
図7に例示する動作シーケンスを用いて詳細に説明する。
図7は、
図1に一実施形態として示した無線LANシステムの動作シーケンスに関する第2の動作例を示すシーケンスチャートである。
図7のシーケンスチャートは、
図1に示した無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間において、WPS動作を自動的に実行することにより、接続に必要なSSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、暗号化キーの値の設定を無線LAN子機側端末2に反映するまでの動作の流れに関して、
図2に示した第1の実施例とは異なる第2の動作例について示している。
【0064】
図2に示した第1の動作例においては、無線LANアクセスポイント1が、接続に関するパラメータの設定変更、すなわち、SSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更を実施した以降において、無線LAN子機側端末2から無線LANアクセスポイント探索用のプローブ要求(Probe Request)フレームを受信した際に、該プローブ要求(Probe Request)フレームに含まれている子機側の設定変更IDの判定結果に基づいて、無線LANアクセスポイント1が、当該無線LAN子機側端末2との間でWPS動作の実行が必要であると判定した場合に、当該無線LAN子機側端末2に対して、WPS動作の実行要求の旨の情報を付加した形式のプローブ応答(Probe Response)フレームを返送して、WPS動作を実行する場合について説明した。つまり、無線LANアクセスポイント1側においてWPS動作の実行が必要であるか否かを判定し、必要であると判定した場合に、無線LANアクセスポイント1から無線LAN子機側端末2に対してWPS動作の実行要求を送信する場合について説明した。
【0065】
これに対して、本第2の動作例においては、無線LAN子機側端末2が、無線LANアクセスポイント1と接続するためにWPS動作の実行が必要であることを検出した場合、無線LAN子機側端末2側からのWPS動作の実行要求を受け取ることなく、WPS動作の実行を開始して、無線LANアクセスポイント1に対してWPS動作の開始を通知する場合について説明する。
【0066】
より具体的には、本第2の動作例においては、次のように動作する。すなわち、無線LANアクセスポイント1が定期的に送信するビーコン(beacon)フレームに関して、例えばベンダー情報部(Vendor IE)に、接続に関するパラメータの設定変更の有無を判別するための設定変更IDを含む形式に作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームを送信することにより、該ビーコン(beacon)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、受け取った設定変更IDの値の変化を検出して、当該無線LAN子機側端末2における接続に関するパラメータの設定変更が必要であることを認識する。その結果、当該無線LAN子機側端末2は、WPS動作を開始する。そして、当該無線LAN子機側端末2は、接続先を探索して再接続を要求するプローブ要求(Probe Request)フレームに関して、例えばベンダー情報部(Vendor IE)にWPS動作の実行開始を意味する情報を含む形式のプローブ要求(Probe Request)フレームとして作成して、無線LANアクセスポイント1に対して送信することにより、WPS動作の実行開始を通知する。つまり、本第2の動作例においては、無線LAN子機側端末2側においてWPS動作の実行が必要であるか否かを検出し、必要であることを検出した場合に、直ちに、WPS動作を開始し、無線LANアクセスポイント1に対してWPS動作を開始した旨を通知する。
【0067】
なお、本第2の動作例においても、無線LANシステムを構成する無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との内部構成は、
図1に例示した場合と同様である。すなわち、
図1に示したように、無線LANアクセスポイント1には、接続に関するパラメータの設定変更の有無を判別するための設定変更IDを管理し、制御するID制御部11と、必要に応じて自動的にWPS動作を実行すべき無線LAN子機側端末のMACアドレスを登録する自動接続許可端末登録リスト12aを管理する端末管理部12と、を追加して備え、無線LAN子機側端末2には、無線LANアクセスポイント1から送信されてくる設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持する子機側ID制御部21を追加して備えている。
【0068】
以下、
図7のシーケンスチャートを用いて、第2の動作例について説明するが、基本的な動作の流れについては、第1の動作例として
図2に示した動作と同様であるので、第1の動作例と異なる部分を中心にして説明する。
図7のシーケンスチャートにおいて、まず、無線LANアクセスポイント1は、第1の動作例の場合とは異なり、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに関して、ID制御部11の制御により、例えばベンダー情報部(Vendor IE)に、接続に関するパラメータの設定変更の有無を判別するための設定変更ID(初期値は例えば‘1’)を含む形式のビーコン(beacon)フレームとして生成して、定期的にブロードキャスト送信する(シーケンスSeq21)。
【0069】
該ビーコン(beacon)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、子機側ID制御部21の動作により、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている設定変更IDを取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。無線LANアクセスポイント1が無線LANシステムに初めて接続された初期状態においては、無線LANアクセスポイント1から送信されてくる該設定変更IDの値は、初期値例えば‘1’である。そして、以降において、無線LANアクセスポイント1から定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームの受信時に、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている設定変更IDと保持している子機側の設定変更IDとを比較することにより、無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更が行われて、WPS動作を実行しない限り接続することができない状態になっているか否かを識別する。
【0070】
シーケンスSeq21において無線LANアクセスポイント1からのビーコン(beacon)フレームを受信した無線LAN子機側端末2が、該無線LANアクセスポイント1との接続が初めての場合には、接続しようとする無線LANアクセスポイント1との間でWPS動作を実行して、該無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの設定状態を当該無線LAN子機側端末2に反映する(シーケンスSeq22)。また、WPS動作を実行が終了すると、無線LANアクセスポイント1は、自動的に設定変更を行うべき対象の無線LAN子機側端末2として、WPS動作を実行した無線LAN子機側端末2のMACアドレスを端末管理部12が管理する自動接続許可端末登録リスト12aに登録して、保持する。さらに、WPS動作により無線LAN子機側端末2に無線LANアクセスポイント1との接続に必要な設定がなされると、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2に対して、設定動作を終了した際に通知する切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq23)。
【0071】
なお、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、無線LANアクセスポイント1のID制御部11の動作により、無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの設定変更(言い換えると、接続に関するパラメータの現在の設定状態)を識別する設定変更IDが含まれている。設定変更IDの値は、無線LANアクセスポイント1において、接続に関するパラメータの設定変更が実施されていない状態であれば、初期値の例えば‘1’のままである。無線LANアクセスポイント1からの切断通知(Deauthentication)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1との接続を切断するとともに、子機側ID制御部21の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDを取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。
【0072】
しかる後、切断された無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1から定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームの例えばベンダー部(Vendor IE)に含まれている設定変更IDが、子機側ID制御部21が保持している子機側の設定変更IDの値と同じであった場合には、無線LANアクセスポイント1は、接続に関するパラメータが、当該無線LAN子機側端末2と同じ設定状態にあって、設定変更が実施されていない状態であり、無線LANアクセスポイント1との再接続が可能な状態にあるものと判定する。その結果、再接続しようとする無線LAN子機側端末2は、受信したビーコン(beacon)フレームの情報を参照し、無線LANアクセスポイント探索のためのプローブ要求(Probe Request)フレームを生成して送信する(シーケンスSeq24)。
【0073】
プローブ要求(Probe Request)フレームを受信した無線LANアクセスポイント1は、該プローブ要求(Probe Request)フレームに対する応答として、現状の無線LANシステムの場合と同様の形式のプローブ応答(Probe Response)フレームを、該プローブ要求(Probe Request)フレームの送信元の無線LAN子機側端末2に対して送信する(シーケンスSeq25)。しかる後、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の認証が得られると、
図2のシーケンスSeq5と同様、無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1に対して接続要求(Association Request)フレームを送信し、該接続要求(Association Request)フレームを受け取った無線LANアクセスポイント1は、接続応答(Association Response)フレームを、無線LAN子機側端末2に対して返送する(シーケンスSeq26)。その結果、
図2のシーケンスSeq6と同様、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の接続が確立する(シーケンスSeq27)。以降、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間で、MACフレームを用いてデータの送受信動作を行うことが可能になる。
【0074】
無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2とが接続されている状態において、無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)が実施されると、
図2のシーケンスSeq7と同様、ID制御部11の動作により、設定変更IDの値は加算され、‘1’から‘2’に更新されて、保持される(シーケンスSeq28)。その結果、当該無線LANアクセスポイント1に接続中の状態にあった無線LAN子機側端末2に関しては、接続状態を継続することはできなくなるので、
図2のシーケンスSeq8と同様、該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthetication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq29)。
【0075】
切断された無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1から定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信すると、該ビーコン(beacon)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含まれている設定変更IDの値が、子機側ID制御部21において保持している子機側の設定変更IDから変化していないか確認する(シーケンスSeq30)。ここで、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている設定変更IDの値は、前述したシーケンスSeq28において、接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を実施しているので、子機側ID制御部21において保持している子機側の設定変更IDから更新された状態(例えば初期値‘1’に‘1’加算した‘2’の状態)にある。
【0076】
この結果、シーケンスSeq30においては、ビーコン(beacon)フレームに含まれている設定変更IDの値が、子機側ID制御部21において保持している子機側の設定変更IDから変化していることが確認され、無線LAN子機側端末2は、当該無線LAN子機側端末2における接続に関するパラメータが現状の設定状態のままでは、無線LANアクセスポイント1に再接続することができないということを認識する。したがって、無線LAN子機側端末2は、直ちに、WPS動作を開始して、再接続用の探索を行うプローブ要求(Probe Request)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、
図2のシーケンスSeq9の場合とは異なり、子機側ID制御部21において保持している子機側の設定変更IDを設定するのではなく、WPS動作の開始を通知する情報を設定して、無線LANアクセスポイント1に対して送信する(シーケンスSeq31)。
【0077】
無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2から送信されてきた該プローブ要求(Probe Request)フレームを受信して、該プローブ要求(Probe Request)フレームにWPS動作の開始を通知する情報が含まれていることを認識すると、端末管理部12において管理している自動接続許可端末登録リスト12aに、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に行うべき対象の無線LAN子機側端末として該無線LAN子機側端末2のMACアドレスが登録されているか否かを確認する。自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていることを確認すると、無線LANアクセスポイント1は、WPS動作の実行による接続に関するパラメータの設定変更情報を含む応答を、該無線LAN子機側端末2に対して送信し、該無線LAN子機側端末2に、無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映する、(シーケンスSeq32)。
【0078】
なお、WPS動作の実行による接続に関するパラメータの設定変更情報を含む応答は、受信したプローブ要求(Probe Request)フレームに対する応答であるプローブ応答(Probe Response)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)に含む形式であっても良いし、通常のWPS動作の実行シーケンスにおいて接続に関するパラメータの設定状態を示す情報を送受信するために用いられる一般的なフレームであっても構わない。また、無線LAN子機側端末2から送信するWPS動作の開始を通知する情報についても、プローブ要求(Probe Request)フレームに含めて送信する代わりに、通常のWPS動作の実行シーケンスにおいてWPS動作の開始を通知するために用いられる一般的なフレームであっても構わない。
【0079】
WPS動作の実行が終了すると、
図2のシーケンスSeq12の場合と同様、無線LANアクセスポイント1は、無線LAN子機側端末2に対して、WPS動作を終了した際に通知する切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断する(シーケンスSeq33)。なお、該切断通知(Deauthentication)フレームの例えばベンダー情報部(Vendor IE)には、無線LANアクセスポイント1のID制御部11の動作により、接続に関するパラメータの設定変更の実施結果として‘1’加算された現在の設定変更IDの値(初期値‘1’からの設定変更時には‘2’の値)が含まれている。無線LANアクセスポイント1からの前記切断通知(Deauthentication)フレームを受信した無線LAN子機側端末2は、無線LANアクセスポイント1との接続を切断するとともに、子機側ID制御部21の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDの値(初期値‘1’からの設定変更時には‘2’の値)を取り出して子機側の設定変更IDとして保持する。
【0080】
以上に詳細に説明したように、本第2の動作例においても、第1の動作例の場合と同様、次のように動作する。すなわち、無線LANアクセスポイント1は、接続に関するパラメータの設定変更の有無を検出するための設定変更ID(言い換えると、接続に関するパラメータの現在の設定状態をユニークに特定することができる設定変更ID)を保持して管理するID制御部11を、少なくとも備えている。そして、該接続に関するパラメータの設定変更を実施する都度、ID制御部11の動作により、設定変更IDの値を更新して保持し直す。そして、無線LAN子機側端末2との間でWPS(Wi−Fi Protected Setup)動作を実行して、該無線LAN子機側端末2に対して無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの現在の設定状態を反映させた後に該無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信する際に、ID制御部11の動作により、該切断通知(Deauthentication)フレームに、当該無線LANアクセスポイント1に保持している設定変更IDに関する情報を含む形式で作成し、作成した該切断通知(Deauthentication)フレームを該無線LAN子機側端末2に対して送信する。そして、該無線LAN子機側端末2に該設定変更IDに関する情報を子機側の設定変更IDとして保持させる。
【0081】
さらに、本第2の動作例においては、第1の動作例とは異なり、次のように動作する。すなわち、無線LANアクセスポイント1は、自装置の存在を示すために定期的にブロードキャスト送信するビーコン(beacon)フレームに、ID制御部11の動作により、接続に関するパラメータの設定変更の有無を識別するための情報(言い換えると、接続に関するパラメータの現在の設定状態を示す情報)として保持している設定変更IDに関する情報を含む形式で作成して、作成した該ビーコン(beacon)フレームをブロードキャスト送信する。
【0082】
一方、無線LAN子機側端末2は、WPS動作終了後に無線LANアクセスポイント1から送信されてきた切断通知(Deauthentication)フレームに含まれている設定変更IDを子機側の設定変更IDとして保持して管理する子機側ID制御部21を少なくとも備えている。そして、無線LANアクセスポイント1から定期的に送信されてくるビーコン(beacon)フレームを受信した際に、子機側ID制御部21の動作により、該ビーコン(beacon)フレームに含まれている前記設定変更IDの値が、当該子機側ID制御部21が保持している子機側の設定変更IDの値と異なっている場合、WPS動作を開始する旨を、無線LANアクセスポイント1に対して通知して、無線LANアクセスポイント1との間で自動的にWPS動作を実行する。無線LANアクセスポイント1は、WPS動作実行後に無線LAN子機側端末2に対して切断通知(Deauthentication)フレームを送信して切断するが、該切断通知(Deauthentication)フレームには、前述したように、当該無線LANアクセスポイント1に保持されている設定変更IDに関する情報が含まれている。
【0083】
また、無線LANアクセスポイント1は、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき無線LAN子機側端末2を特定するMACアドレスを自動接続許可端末登録リスト12aにリスト形式で順番に登録して管理する端末管理部12をさらに備えている。そして、ビーコン(beacon)フレームの送信結果として、WPS動作を開始する旨の通知を無線LAN子機側端末2から受け取った際に、端末管理部12の動作により、該通知の送信元の無線LAN子機側端末2のMACアドレスが自動接続許可端末登録リスト12aに登録されているか否かを確認し、該通知の送信元の無線LAN子機側端末2のMACアドレスが自動接続許可端末登録リスト12aに登録されていた場合、無線LANアクセスポイント1は、該WPS動作を開始する旨の通知に基づき自動的にWPS動作を実行する。
【0084】
而して、本第2の動作例においても、第1の動作例の場合と同様、接続に関するパラメータの設定変更を必要とする無線LAN子機側端末2のユーザが手動で設定変更に関する操作を行う手間をかける必要もなく、該接続に関するパラメータの設定変更が自動的に実施されて、無線LAN子機側端末2を無線LANアクセスポイント1と再接続することが可能になる。
【0085】
なお、以上の第1の動作例、第2の動作例のいずれにおいても、接続に関するパラメータであるSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更の有無を検出するための設定変更IDと子機側の設定変更IDとを用いて、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の接続に関するパラメータの設定状態の差異の有無を検出することができる。そして、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間の接続に関するパラメータの設定が異なっていて、双方の間の接続ができなく、互いのデータ通信ができない状態であっても、プローブ要求(Probe Request)フレーム上や切断通知(Deauthentication)フレーム上、あるいは、ビーコン(beacon)フレーム上に、設定変更IDあるいは子機側の設定変更IDの情報を設定して送受信することにより、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間で接続に関するパラメータの最新の設定状態が設定されているか否かを確認することができる。
【0086】
また、切断されている無線LAN子機側端末2が、無線LANアクセスポイント1と接続を行うタイミングの如何とは関係なく送受信される設定変更IDあるいは子機側の設定変更IDを用いて、WPS動作の実行が必要であるか否かを判定して、必要であると判定した場合には、無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間で自動的にWPS動作を実行して、無線LANアクセスポイント1における前記接続に関するパラメータの設定変更を無線LAN子機側端末2に反映するように動作する。さらに、無線LAN子機側端末2においては、WPS動作の実行終了時に無線LANアクセスポイント1から送信されてくる切断通知(Deauthentication)フレームの情報に基づいて、子機側ID制御部21の動作により、無線LANアクセスポイント1における最新のパラメータの設定状態を示す設定変更IDに子機側の設定変更IDの値を更新して保持することができる。而して、無線LANアクセスポイント1との再接続を行おうとするタイミングにおいては、接続に関するパラメータの設定変更が完了しているので、直ちに、接続確立フェーズに移行して、無線LANアクセスポイント1との接続が確立されて、データの送受信が可能な状態に移行することができる。
【0087】
また、無線LANアクセスポイント1は、端末管理部12が管理する自動接続許可端末登録リスト12aに、接続に関するパラメータの設定変更を自動的に実施すべき対象とする無線LAN子機側端末2をリスト形式で順次登録して保持することができ、かつ、それぞれの無線LAN子機側端末2が、子機側ID制御部21の動作により、接続に関するパラメータの設定変更が必要であるか否かを識別するための子機側の設定変更IDを保持している。而して、無線LAN子機側端末2の台数如何に関係なく、対象とする全ての無線LAN子機側端末2について、無線LANアクセスポイント1における接続に関するパラメータの現在の設定状態を正確に反映することができる。
【0088】
(実施形態の効果の説明)
以上、詳細に説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏することができる。
【0089】
すなわち、本実施形態においては、無線LANアクセスポイント1が接続に関するパラメータの設定変更(すなわち、少なくともSSID、暗号化方式、暗号化キーのいずれかの値の設定変更)を実施したか否かを識別するための設定変更IDを用いることによって、無線LANシステムを構成する無線LANアクセスポイント1と無線LAN子機側端末2との間で、接続に関する設定に差異があるか否かを確実に検出することができ、該接続に関する設定に差異があることを検出した際に自動的にWPS(Wi−Fi Protected Setup)を実行させることによって、無線LANアクセスポイント1が設定変更した新しい設定を無線LAN子機側端末2に自動的に反映することが可能である。而して、接続先の無線LANアクセスポイント1において接続に関するパラメータの設定変更がなされていても、無線LAN子機側端末2側のユーザがパラメータの設定変更作業を手動で行う手間をかけることもなく、該無線LAN子機側端末2に該無線LANアクセスポイント1側の設定変更後の接続に関するパラメータを自動的に反映させて、該無線LANアクセスポイント1に再接続することができる。
【0090】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。