特許第6677415号(P6677415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6677415
(24)【登録日】2020年3月17日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】文字入力装置及び文字入力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/129 20200101AFI20200330BHJP
   G06F 40/268 20200101ALI20200330BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20200330BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20200330BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   G06F17/22 623
   G06F17/27 660
   G06F3/0482
   G06F3/0488 130
   G06F3/023
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-41478(P2016-41478)
(22)【出願日】2016年3月3日
(65)【公開番号】特開2017-157101(P2017-157101A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】318012780
【氏名又は名称】富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】千代 晋平
(72)【発明者】
【氏名】公平 徹
【審査官】 長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−236201(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0204891(US,A1)
【文献】 特開平09−146688(JP,A)
【文献】 特開2010−277276(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0043195(KR,A)
【文献】 特開2001−273288(JP,A)
【文献】 井川 洋平 外1名,「数値メモ」のための入力手法,情報処理学会研究報告 2012(平成24)年度6 [DVD−ROM],日本,一般社団法人情報処理学会,2013年 4月15日,p.1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/129
G06F 3/023
G06F 3/048−0489
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と表示部とを備え、
前記制御部は、
前記表示部の手書き入力領域において、手書き入力により第1の文字が入力された後、タップ、単一または連続した直線、単一または連続した円が入力された場合、前記タップの回数、前記直線の数、前記円の数を入力する文字数に換算し、
前記手書き入力領域において、手書き入力により第2の文字が入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数を間に含み、前記第2の文字を末尾に含む、変換候補を抽出し、
前記表示部は、前記制御部により抽出された変換候補を表示する、
字入力装置。
【請求項2】
制御部と表示部とを備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示される文字群に対するタッチ操作の選択により第1の文字が入力された後、前記文字群以外の領域において、タップ、単一または連続した直線、単一または連続した円が入力された場合、前記タップの回数、前記直線の数、前記円の数を入力する文字数に換算し、
さらに前記文字群に対するタッチ操作の選択により第2の文字が入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数を間に含み、前記第2の文字を末尾に含む、変換候補を抽出するし、
前記表示部は、前記制御部により抽出された変換候補を表示する、
字入力装置。
【請求項3】
前記記憶部は、変換候補と、変換候補の読みとを対応づけて記憶し、
前記制御部は、
前記第2の文字が入力されると、前記記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数を含み、第2の文字を末尾に含む、変換候補の読みに対応する変換候補を抽出することを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
表示部を備えるコンピュータに、
前記表示部の手書き入力領域において、手書き入力により第1の文字が入力された後、タップ、単一または連続した直線、単一または連続した円が入力された場合、前記タップの回数、前記直線の数、前記円の数を入力する文字数に換算する処理と、
前記手書き入力領域において、手書き入力により第2の文字が入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数を間に含み、前記第2の文字を末尾に含む、変換候補を抽出する処理と、
抽出された変換候補を前記表示部に表示させる処理と、
を実行させることを特徴とする文字入力プログラム。
【請求項5】
表示部を備えるコンピュータに、
前記表示部に表示される文字群に対するタッチ操作の選択により第1の文字が入力された後、前記文字群以外の領域において、タップ、単一または連続した直線、単一または連続した円が入力された場合、前記タップの回数、前記直線の数、前記円の数を入力する文字数に換算する処理と、
さらに前記文字群に対するタッチ操作の選択により第2の文字が入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数を間に含み、前記第2の文字を末尾に含む、変換候補を抽出する処理と、
抽出された変換候補を前記表示部に表示させる処理と、
を実行させることを特徴とする文字入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置及び文字入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯型の端末装置では、ソフトウェアキーボードや手書き入力等により文字入力が行われている。
【0003】
例えば、ユーザが入力を所望する単語等の読みを示す文字列をソフトウェアキーボードにより入力して、当該入力された文字列の変換候補の一覧から所望の単語等を選択することにより、文字入力が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−154144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば、スマートウォッチ等のウェアラブル型の端末装置では、スマートフォン等と比較して表示画面が小さい場合が多い。したがって、このようなウェアラブル型の端末装置では、文字の入力の効率が低下する場合があった。
【0006】
すなわち、端末装置の表示画面が小さいために文字の入力領域が小さい場合には、ユーザが入力を所望する単語等の読みを示す文字列を、当該入力領域に入力することが困難である。このため、例えば、誤った文字の入力(誤入力)が発生する可能性があり、文字の入力速度が遅くなり効率が低下する。
【0007】
そこで、一側面では、文字の入力の効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの案では、第1の文字と、文字数とが入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数に応じた変換候補を抽出する制御部と、前記制御部により抽出された変換候補を表示する表示部と、を有することを特徴とする文字入力装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
一側面によれば、文字の入力の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第一の実施形態に係る端末装置の一例の全体構成を示す図である。
図2】第一の実施形態に係る文字入力処理を説明するための図である。
図3】第一の実施形態に係る端末装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
図4】第一の実施形態に係る辞書データベースの一例の構成を示す図である。
図5】第一の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
図6】第一の実施形態に係る文字入力処理の一例のフローチャートである。
図7】ソフトウェアキーボードによる文字の入力操作の一例を示す図である。
図8】辞書データの抽出及び整列の一例を示す図である。
図9】アルファベット入力する場合の応用例を示す図である。
図10】スマートフォンへの応用例を示す図である。
図11】第二の実施形態に係る文字入力処理を説明するための図である。
図12】第二の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
図13】第二の実施形態に係る辞書データベースの一例の構成を示す図である。
図14】第二の実施形態に係る文字入力処理の一例のフローチャートである。
図15】第三の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
図16】文字数の入力操作の一例を示す図(その1)である。
図17】文字数の入力操作の一例を示す図(その2)である。
図18】文字数の入力操作の一例を示す図(その3)である。
図19】文字数の入力操作の一例を示す図(その4)である。
図20】第四の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
図21】先頭文字及び文字数の入力操作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(第一の実施形態)
まず、本実施形態に係る端末装置10の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第一の実施形態に係る端末装置の一例の全体構成を示す図である。
【0013】
図1に示す端末装置10は、例えば、タッチパネルを備えるスマートウォッチ等のウェアラブル端末であり、文字入力処理部100と、辞書データベース(以降、「辞書DB」と表す。)200とを有する。
【0014】
文字入力処理部100は、入出力部110と、候補抽出部120とを有し、文字入力処理を行う。本実施形態に係る文字入力処理では、ユーザが入力を所望する単語の先頭文字の入力操作と、文字数の入力操作とを入出力部110が受け付けると、候補抽出部120は、当該先頭文字及び文字数に基づいて、変換候補となる単語を含む辞書データを辞書DB200から抽出する。そして、入出力部110は、候補抽出部120により抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補としてタッチパネル上に一覧で表示させる。
【0015】
これにより、本実施形態に係る端末装置10では、タッチパネル上に表示された変換候補の一覧の中からユーザが所望の変換候補を選択することで、選択された変換候補で当該先頭文字を変換することができる。すなわち、本実施形態に係る端末装置10では、変換候補の一覧の中からユーザにより一の変換候補が選択されると、当該選択された変換候補により示される単語が入力される。
【0016】
なお、変換候補とは、先頭文字と、文字数とに基づいて辞書DB200から抽出された辞書データに含まれる単語である。また、単語は、1以上の文字により表される語、句、節、又は文等である。
【0017】
辞書DB200は、変換候補となる単語が含まれる辞書データを格納しているデータベースである。なお、辞書データは、変換候補となる単語毎に、辞書DB200に格納されている。
【0018】
ここで、本実施形態に係る文字入力処理について、図2を参照しながら説明する。図2は、第一の実施形態に係る文字入力処理を説明するための図である。以降では、一例として、ユーザが単語「おはよう」の入力を所望する場合について説明する。
【0019】
まず、端末装置10は、入出力部110により、先頭文字の入力操作を受け付ける(ステップS1)。すなわち、入出力部110は、ユーザが入力を所望する単語「おはよう」の先頭文字「お」の入力操作を受け付ける。なお、ユーザは、例えば、手書き入力により先頭文字を入力すれば良い。
【0020】
次に、端末装置10は、入出力部110により、文字数の入力操作を受け付ける(ステップS2)。ここで、本実施形態では、文字数の入力操作は、タップ操作であるものとして説明する。したがって、入出力部110は、ユーザが端末装置10のタッチパネルにタップ操作する毎に、当該タップ操作を1文字分の文字数の入力操作として受け付ける。
【0021】
ここで、ユーザは、入力を所望する単語における先頭文字を除く文字の数のタップ操作を行えば良い。すなわち、ユーザは、単語「おはよう」の先頭文字「お」を除く残りの文字「は」、「よ」、及び「う」の文字数分のタップ操作(すなわち、3回のタップ操作)を行えば良い。
【0022】
続いて、端末装置10は、候補抽出部120により、先頭文字と、文字数とに基づいて辞書DB200から辞書データを抽出する。そして、端末装置10は、入出力部110により、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する(ステップS3)。
【0023】
すなわち、候補抽出部120は、辞書DB200に格納されている辞書データのうち、先頭文字「お」、文字数「4」である単語を含む辞書データを辞書DB200から抽出する。そして、入出力部110は、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示させる。ここで、文字数が「4」であるのは、先頭文字「お」(1文字)が入力された後に、3回のタップ操作(3文字分の文字数の入力操作)が行われたためである。
【0024】
最後に、端末装置10は、入出力部110により、変換候補の一覧の中からユーザにより選択された変換候補で先頭文字を変換する(ステップS4)。これにより、ユーザが変換候補の一覧の中から変換候補「おはよう」を選択することで、端末装置10には、単語「おはよう」が表示される(すなわち、単語「おはよう」が端末装置10に入力される。)。
【0025】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10では、ユーザが入力を所望する単語の先頭文字と、当該単語の文字数とに基づいて、変換候補の一覧が表示される。すなわち、本実施形態に係る端末装置10のユーザは、先頭文字の入力操作と、先頭文字を除く文字数の回数のタップ操作(文字数の入力操作)とを行うことで、変換候補の一覧を表示させることができる。
【0026】
このため、本実施形態に係る端末装置10では、少ない文字の入力操作で所望の単語を入力することができる。したがって、本実施形態に係る端末装置10によれば、ユーザが誤った文字を入力する可能性が低くなり、文字入力の効率を高めることができる。
【0027】
なお、図2では、説明の便宜上、先頭文字の入力操作及び文字数の入力操作が行われた後に、変換候補の一覧が表示されるものとして説明したが、後述するように、変換候補の一覧は、先頭文字の入力操作又は文字数の入力操作が行われる毎に表示される。
【0028】
また、図2では、文字数の入力操作としてタップ操作を行うものとしたが、これに限られず、例えば、文字数を示す数字の入力操作を文字数の入力操作としても良い。すなわち、ユーザが単語「おはよう」の入力を所望する場合、当該ユーザは、例えば、先頭文字「お」と、文字数を示す数字「4」とを入力しても良い。
【0029】
また、上記では、ユーザが入力を所望する単語における先頭文字を除く文字の数のタップ操作を行うものとしたが、これに限られず、当該単語全体の文字の数のタップ操作を行っても良い。すなわち、ユーザが単語「おはよう」の入力を所望する場合、当該ユーザは、先頭文字「お」を入力した後、当該単語全体の文字の数を示す4回のタップ操作を行っても良い。
【0030】
次に、本実施形態に係る端末装置10のハードウェア構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、第一の実施形態に係る端末装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0031】
図3に示す端末装置10は、入力装置11と、表示装置12と、RAM(Random Access Memory)13と、ROM(Read Only Memory)14と、CPU(Central Processing Unit)15とを有する。また、これらの各ハードウェアは、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0032】
入力装置11は、タッチパネル等であり、文字の入力操作等の各種操作を入力するのに用いられる。表示装置12は、ディスプレイ等であり、変換候補の一覧等の各種処理結果を表示する。
【0033】
RAM13は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM14は、例えば、フラッシュROM等であり、電源を切ってもデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。
【0034】
CPU15は、例えばROM14等からプログラムやデータをRAM13上に読み出して、各種処理を実行する演算装置である。
【0035】
本実施形態に係る端末装置10は、図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理が実現される。
【0036】
次に、本実施形態に係る辞書DB200に格納されている辞書データのデータ構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、第一の実施形態に係る辞書データベースの一例の構成を示す図である。なお、辞書DB200は、例えばROM14を用いて実現可能である。
【0037】
図4に示すように、辞書DB200に格納されている辞書データは、データ項目として、「単語」と、「読み」と、「先頭文字」と、「文字数」と、「選択回数」とを有する。すなわち、辞書DB200には、これらの各データ項目が対応付けられた辞書データが格納されている。
【0038】
「単語」は、変換候補となる単語であり、1以上の文字で表される。「読み」は、単語を、例えば平仮名で表したものである。「先頭文字」は、読みにおける先頭の文字である。「文字数」は、読みにおける文字の数である。「選択回数」は、辞書データに含まれる単語に変換された回数(すなわち、変換候補の一覧から選択されて、当該選択された変換候補により示される単語が入力された回数)である。
【0039】
なお、図4に示す辞書DB200では、平仮名、片仮名、漢字、又はこれらの組み合わせにより表された単語を含む辞書データが格納されているが、これに限られない。辞書DB200には、例えば、英字、数字、平仮名、片仮名、漢字、又はこれらの組み合わせ等、種々の文字で表された単語を含む辞書データが格納されていても良い。
【0040】
また、図4に示す例では、データ項目「文字数」において、データ項目「読み」に含まれる長音符を1文字分の文字として数えているが、これに限られず、例えば、長音符を1文字分の文字に数えなくても良い。同様に、拗音や促音を示す文字も1文字分の文字に数えなくても良い。
【0041】
さらに、データ項目「読み」に濁点や半濁点がある場合には、濁点や半濁点を1文字分の文字に数えても良い。すなわち、例えば、文字「だ」や「ぱ」等を2文字分の文字としても良い。
【0042】
また、図4に示す例では、データ項目「先頭文字」及び「文字数」は、それぞれデータ項目「読み」における先頭の文字及び文字の数としたが、これに限られず、「先頭文字」及び「文字数」は、データ項目「単語」における先頭の文字及び文字の数としても良い。この場合、辞書DB200に格納されている辞書データには、データ項目「読み」が含まれていなくても良い。
【0043】
次に、本実施形態に係る文字入力処理部100の詳細な機能構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、第一の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。なお、文字入力処理部100は、端末装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU15に実行させる処理により実現される。
【0044】
図5に示すように、文字入力処理部100は、入出力部110と、候補抽出部120とを有する。入出力部110は、入力装置11によるユーザの各種操作を受け付けるとともに、表示装置12に各種処理結果を表示させる。なお、入出力部110は、入力受付部111と、表示制御部112とを有する。
【0045】
また、候補抽出部120は、変換候補の一覧を表示させるための辞書データを辞書DB200から抽出して、抽出した辞書データを所定の順に整列(ソート)する。なお、候補抽出部120は、抽出部121と、整列部122と、更新部123とを有する。
【0046】
入力受付部111は、ユーザの各種操作を受け付けて、入力情報を取得する。例えば、入力受付部111は、先頭文字の入力操作を受け付けると、当該入力操作により入力された文字の情報(文字情報)を取得する。また、入力受付部111は、タップ操作(文字数の入力操作)を受け付けると、当該タップ操作が行われたことを示す情報(タップ情報)を取得する。
【0047】
表示制御部112は、各種処理結果を表示装置12に表示させる。例えば、表示制御部112は、後述する整列部122により整列された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示させる。
【0048】
抽出部121は、入力受付部111により取得された入力情報に基づいて、辞書DB200から辞書データを抽出する。すなわち、抽出部121は、入力受付部111により取得された文字情報が示す先頭文字と、入力受付部111により入力情報が取得された回数を示す文字数とが含まれる辞書データを辞書DB200から抽出する。
【0049】
整列部122は、抽出部121により抽出された辞書データを、当該辞書データに含まれる選択回数で整列(ソート)する。すなわち、整列部122は、例えば、抽出部121により抽出された辞書データを、当該辞書データに含まれる選択回数の降順(選択回数の値が大きい順)に整列する。
【0050】
更新部123は、表示制御部112により表示された変換候補の一覧の中から変換候補が選択されると、当該選択された変換候補に対応する辞書データの選択回数を更新する。すなわち、更新部123は、変換候補の一覧の中から選択された変換候補により示される単語を含む辞書データの選択回数の値に「1」を加算して、辞書DB200に格納されている辞書データを更新する。
【0051】
次に、本実施形態に係る端末装置10における文字入力処理の詳細について、図6を参照しながら説明する。図6は、第一の実施形態に係る文字入力処理の一例のフローチャートである。
【0052】
まず、入出力部110は、入力情報が取得された回数(すなわち、文字の入力操作及び文字数の入力操作を受け付けた回数)をカウントするための文字数カウンタiの値を「0」に初期化する(ステップS601)。
【0053】
次に、入出力部110は、入力受付部111により、文字の入力操作又はタップ操作を受け付けて、入力情報mを取得する(ステップS602)。すなわち、入力受付部111は、文字の入力操作を受け付けた場合、入力情報mとして、当該操作により入力された文字を示す文字情報を取得する。一方、入力受付部111は、タップ操作(文字数の入力操作)を受け付けた場合、入力情報mとして、当該操作を示すタップ情報を取得する。
【0054】
なお、ステップS602において、文字の入力操作は、手書き入力に限られず、例えば、ソフトウェアキーボードによる入力や音声入力等であっても良い。
【0055】
ここで、ソフトウェアキーボードによる入力操作の一例を図7に示す。図7は、ソフトウェアキーボードによる文字の入力操作の一例を示す図である。
【0056】
例えば、文字「お」の入力操作を行う場合、図7に示すように、端末装置10の表示装置12上に表示されたソフトウェアキーボードから「あ」行を選択する。そして、当該選択に応じて表示された「あ」行に含まれる文字群「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の中から文字「お」を選択する。これにより、ユーザは、ソフトウェアキーボードによる文字「お」の入力操作を行うことができる。
【0057】
図6の説明に戻る。ステップS602に続いて、入出力部110は、文字数カウンタiに「1」を加算する(ステップS603)。すなわち、入出力部110は、入力受付部111により入力情報mが取得されると、文字数カウンタiの値をi+1とする。このように、入力情報mが取得される毎に、文字数カウンタiの値を1ずつ加算させることで、文字数がカウントされる。
【0058】
次に、入出力部110は、文字数カウンタiの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS604)。
【0059】
ステップS604において文字数カウンタiの値が「1」であると判定された場合、入出力部110は、ステップS602で入力受付部111により取得された入力情報mが文字情報であるか否かを判定する(ステップS605)。すなわち、入出力部110は、ステップ602で入力受付部111により文字の入力操作が受け付けられたか否かを判定する。
【0060】
一方、ステップS604において文字数カウンタiの値が「1」でないと判定された場合、文字入力処理部100は、ステップS607の処理に進む。
【0061】
ステップS605において入力情報mが文字情報であると判定された場合、入出力部110は、入力情報mが示す文字を先頭文字aとする(ステップS606)。
【0062】
一方、ステップS605において入力情報mが文字情報でないと判定された場合、文字入力処理部100は、ステップS601の処理に戻る。すなわち、ステップS602で入力受付部111により文字の入力操作以外の操作(例えば、タップ操作、スワイプ操作、フリック操作等)が受け付けられた場合、文字入力処理部100は、ステップS601の処理に戻る。なお、文字の入力操作以外の操作には、例えば、手書き入力や音声入力等において文字が認識できなかった場合になされた操作等を含めても良い。
【0063】
次に、候補抽出部120は、抽出部121により、辞書DB200に格納されている辞書データのうち、先頭文字aと、文字数iとを含む辞書データを辞書DB200から抽出する(ステップS607)。
【0064】
なお、ユーザにより先頭文字が入力されると、文字数カウンタiの値は「1」となるため、候補抽出部120は、当該先頭文字と、文字数「1」とを含む辞書データを辞書DB200から抽出する。そして、候補抽出部120は、タップ操作なされる毎に、当該先頭文字と、当該文字数に順次「1」を加算した文字数(すなわち、文字の入力操作及びタップ操作が行われた回数)とを含む辞書データを辞書DB200から抽出する。
【0065】
次に、候補抽出部120は、整列部122により、辞書DB200から抽出された辞書データを選択回数の降順に整列(ソート)する(ステップS608)。
【0066】
ここで、上記のステップS607及びステップS608の処理の具体例について、図8を参照しながら説明する。図8は、辞書データの抽出及び整列の一例を示す図である。
【0067】
例えば、先頭文字aが「お」、文字数iが「4」である場合、図8に示すように、ステップS607において、抽出部121は、データ項目「先頭文字」のデータ値が「お」、「文字数」のデータ値が「4」である辞書データを辞書DB200から抽出する。そして、ステップS608において、整列部122は、抽出部121により抽出された辞書データを、データ項目「選択回数」のデータ値の降順に整列(ソート)する。
【0068】
なお、ステップS608において、整列部122は、データ項目「選択回数」の降順で辞書データをソートしたが、これに限られない。整列部122は、例えば、辞書データに含まれる単語が入力された日時が新しい順に、当該辞書データをソートしても良い。これにより、入力された日付が新しい順に、変換候補の一覧を表示させることができる。
【0069】
図6の説明に戻る。ステップS608に続いて、入出力部110は、表示制御部112により、整列された辞書データに含まれる単語を、変換候補として一覧で表示させる(ステップS609)。すなわち、表示制御部112は、整列された辞書データのデータ項目「単語」のデータ値である文字又は文字列(単語)の一覧(変換候補の一覧)を表示させる。
【0070】
このように、本実施形態に係る端末装置10では、文字の入力操作又は文字数の入力操作が行われる毎に、変換候補の一覧が表示される。すなわち、本実施形態に係る端末装置10では、まず、先頭文字が入力されると、当該先頭文字と、文字数「1」とに基づく変換候補の一覧が表示される。そして、本実施形態に係る端末装置10では、文字数の入力操作であるタップ操作がなされる毎に、当該先頭文字と、当該文字数に順次「1」を加算した文字数(すなわち、文字の入力操作及びタップ操作が行われた回数)とに基づく変換候補の一覧が表示される。
【0071】
入出力部110は、入力受付部111により、変換候補の一覧の中からの変換候補の選択を待機する(ステップS610)。すなわち、入力受付部111は、変換候補の一覧の中から変換候補を選択するための選択操作の受け付けを待機する。
【0072】
ステップS610において、変換候補の一覧の中から変換候補を選択するための選択操作以外の操作が行われた場合、文字入力処理部100は、ステップS602の処理に戻る。すなわち、入力受付部111は、例えば、文字数の入力操作(タップ操作)を受け付けた場合は、ステップS602の処理に戻る。
【0073】
ステップS610において、変換候補の一覧の中から変換候補を選択するための選択操作が行われた場合、候補抽出部120は、更新部123により、当該選択された変換候補に対応する辞書データの選択回数を更新する(ステップS611)。すなわち、更新部123は、変換候補の一覧の中から選択された変換候補により示される単語を含む辞書データのデータ項目「選択回数」のデータ値に「1」を加算して、辞書DB200に格納されている辞書データを更新する。
【0074】
次に、入出力部110は、表示制御部112により、選択された変換候補で先頭文字を変換して表示させる(ステップS612)。これにより、ユーザにより選択された変換候補により示される単語が入力される。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10では、ユーザは、入力を所望する単語の先頭文字の入力操作と、当該単語の文字数に応じたタップ操作(文字数の入力操作)とを行うことで、変換候補の一覧を表示させることができる。
【0076】
このため、本実施形態に係る端末装置10では、少ない文字の入力操作で所望の単語を入力することができる。したがって、本実施形態に係る端末装置10によれば、ユーザが誤った文字を入力する可能性が低くなり、文字入力の効率を高めることができる。
【0077】
なお、文字数カウンタiの値が1以上である場合において、ステップ602で入力受付部111により入力情報mとして文字情報取得されたときは、ステップS603において、入出力部110により、文字数カウンタiに「1」が加算される。すなわち、例えば、先頭文字が入力された後に、1文字が入力された場合は、ステップS603において、文字数カウンタiの値「1」に「1」が加算される。
【0078】
ただし、文字数カウンタiの値が1以上である場合において、ステップS602で、入力受付部111により入力情報mとして文字情報が取得されたとき、入出力部110は、例えば、文字数カウンタiの値を「1」にしても良い。これにより、文字が連続して入力された場合は、最後に入力された文字を先頭文字として扱うことができる。
【0079】
または、文字数カウンタiの値が1以上である場合において、ステップS602で、入力受付部111により入力情報mとして文字情報が取得されたとき、候補抽出部120は、当該文字情報と、既に取得された文字情報とに基づいて辞書データを取得しても良い。具体的には、例えば、i=0のときに文字「あ」が入力され、i=1のときに文字「く」が入力された場合、候補抽出部120は、先頭から1文字目が「あ」、先頭から2文字目が「く」であり、文字数が「2」である辞書データを辞書DB200から抽出しても良い。これにより、例えば、文字がN回(Nは2以上の整数)連続して入力された後、タップ操作がM回(Mは0以上の整数)入力された場合、先頭のN文字が当該入力された文字であって、文字数がN+Mの辞書データを辞書DB200から抽出することができる。
【0080】
また、本実施形態では、平仮名で入力された先頭文字と、文字数とに基づく変換候補の一覧を表示させる場合について説明したが、これに限られない。すなわち、本実施形態は、例えば、先頭文字としてアルファベットや片仮名、漢字等が入力された場合についても同様に適用される。
【0081】
ここで、先頭文字としてアルファベットを入力する場合の応用例ついて、図9を参照しながら説明する。図9は、アルファベット入力する場合の応用例を示す図である。以降では、一例として、ユーザが単語「Hello」の入力を所望する場合について説明する。
【0082】
まず、端末装置10は、入出力部110により、表示装置12上に表示されたソフトウェアキーボードにおいて先頭文字として入力したい文字の周囲を選択する選択操作を受け付ける(ステップS11)。これにより、端末装置10の表示装置12には、入出力部110により、当該選択された箇所の所定の範囲内に含まれる文字群が、選択可能に表示される。
【0083】
次に、端末装置10は、入出力部110により、選択可能に表示された文字群の中から先頭文字を選択する入力操作を受け付ける(ステップS12)。すなわち、入出力部110は、ユーザが入力を所望する単語「Hello」の先頭文字「H」の入力操作を受け付ける。
【0084】
次に、端末装置10は、入出力部110により、文字数の入力操作を受け付ける(ステップS13)。文字数の入力操作は、上記と同様に、タップ操作により行うことができる。
【0085】
ここで、ユーザは、単語「Hello」の先頭文字「H」を除く残りの文字「e」、「l」、「l」、「o」の文字数分のタップ操作(すなわち、4回のタップ操作)を行えば良い。
【0086】
続いて、端末装置10は、候補抽出部120により、先頭文字と、文字数とに基づいて辞書DB200から辞書データを抽出する。そして、端末装置10は、入出力部110により、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する(ステップS14)。
【0087】
すなわち、候補抽出部120は、辞書DB200に格納されている辞書データのうち、先頭文字「H」と、文字数「5」とを含む辞書データを辞書DB200から抽出する。そして、入出力部110は、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する。
【0088】
最後に、端末装置10は、入出力部110により、変換候補の一覧の中からユーザにより選択された変換候補で先頭文字を変換する(ステップS15)。これにより、ユーザが変換候補の一覧の中から変換候補「Hello」を選択することで、端末装置10には、単語「Hello」が表示される(すなわち、単語「Hello」が端末装置10に入力される。)。
【0089】
このように、本実施形態に係る端末装置10は、ユーザが英語で表された単語の入力を所望する場合にも同様に適用される。なお、本実施形態に係る端末装置10は、英語に限られず、種々の言語(例えば、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語等)により表される単語を入力する場合にも同様に適用される。
【0090】
また、本実施形態に係る端末装置10は、スマートウォッチ等のウェアラブル端末であるものとして説明したが、これに限られず、例えば、スマートフォンやタブレット端末等にも同様に適用される。
【0091】
ここで、端末装置10がスマートフォンである場合の応用例について、図10を参照しながら説明する。図10は、スマートフォンへの応用例を示す図である。
【0092】
まず、端末装置10は、入出力部110により、表示装置12上に表示されたソフトウェアキーボードによる先頭文字の入力操作を受け付ける(ステップS21)。ここで、図10に示すように、ソフトウェアキーボードは、例えば、表示装置12上にアプリケーション画面が表示されていることにより、全体の表示領域に比して比較的狭い領域内に表示されているものとする。
【0093】
次に、端末装置10は、入出力部110により、文字数の入力操作を受け付ける(ステップS22)。
【0094】
なお、端末装置10の表示装置12には、文字数の入力操作を受け付けるための所定の表示領域が表示されていても良い。これにより、例えば、ソフトウェアキーボードやアプリケーション画面の表示領域に対して文字数の入力操作(タップ操作)がなされ、意図しない処理が実行されてしまう事態を防止することができる。
【0095】
続いて、端末装置10は、候補抽出部120により、先頭文字と、文字数とに基づいて辞書DB200から辞書データを抽出する。そして、端末装置10は、入出力部110により、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する(ステップS23)。
【0096】
このように、本実施形態は、スマートフォンやタブレット端末等の端末装置10においても同様に適用される。これにより、特に、端末装置10におけるソフトウェアキーボード等の入力領域が、全体の表示領域に比して比較的狭い領域内に表示されているような場合には、文字入力の効率を高めることができる。
【0097】
(第二の実施形態)
次に、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態に係る端末装置10では、さらに、ユーザが入力を所望する単語の末尾の文字(末尾文字)にも基づいて変換候補の一覧を表示させるものである。なお、第二の実施形態において、第一の実施形態と同様の処理を行う箇所については、適宜説明を省略する。
【0098】
まず、本実施形態に係る文字入力処理について、図11を参照しながら説明する。図11は、第二の実施形態に係る文字入力処理を説明するための図である。
【0099】
端末装置10は、入出力部110により、先頭文字の入力操作を受け付ける(ステップS31)。すなわち、入出力部110は、第一の実施形態と同様に、ユーザが入力を所望する単語「おはよう」の先頭文字「お」の入力操作を受け付ける。
【0100】
次に、端末装置10は、入出力部110により、文字数の入力操作を受け付ける(ステップS32)。ここで、本実施形態では、ユーザは、入力を所望する単語における先頭文字と末尾文字とを除く文字の数のタップ操作を行えば良い。すなわち、ユーザは、単語「おはよう」の先頭文字「お」と末尾文字「う」とを除く残りの文字「は」及び「よ」の文字数分のタップ操作(すなわち、2回のタップ操作)を行えば良い。
【0101】
次に、端末装置10は、入出力部110により、末尾文字の入力操作を受け付ける(ステップS33)。すなわち、入出力部110は、ユーザが入力を所望する単語「おはよう」の末尾文字「う」の入力操作を受け付ける。
【0102】
続いて、端末装置10は、候補抽出部120により、先頭文字と、文字数と、末尾文字とに基づいて辞書データを抽出する。そして、端末装置10は、入出力部110により、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する(ステップS34)。
【0103】
すなわち、候補抽出部120は、先頭文字「お」と、文字数「4」と、末尾文字「う」とを含む辞書データを抽出する。そして、入出力部110は、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する。ここで、文字数が「4」であるのは、先頭文字「お」(1文字)が入力された後に、2回のタップ操作(2文字分の文字数の入力操作)が行われ、さらに、末尾文字「う」(1文字)が入力されたためである。
【0104】
最後に、端末装置10は、入出力部110により、変換候補の一覧の中からユーザにより選択された変換候補で先頭文字及び末尾文字を変換する(ステップS35)。これにより、ユーザが変換候補の一覧の中から変換候補「おはよう」を選択することで、端末装置10には、単語「おはよう」が表示される(すなわち、単語「おはよう」が端末装置10に入力される。)。
【0105】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10では、ユーザが入力を所望する単語の先頭文字と、当該単語の文字数と、当該単語の末尾文字とに基づいて、変換候補の一覧が表示される。これにより、本実施形態に係る端末装置10では、抽出される辞書データをより絞り込むことができる。
【0106】
したがって、本実施形態に係る端末装置10では、変換候補の一覧に表示される変換候補の数を絞り込むことができる。このため、本実施形態に係る端末装置10によれば、ユーザは、より容易に所望の単語を入力することができるようになり、文字入力の効率をより高めることができる。
【0107】
次に、本実施形態に係る文字入力処理部100の詳細な機能構成について、図12を参照しながら説明する。図12は、第二の実施形態に係る端末装置の一例の機能構成を示す図である。
【0108】
図12に示すように、本実施形態に係る候補抽出部120は、抽出部121Aを有する。抽出部121Aは、入力受付部111により取得された入力情報に基づいて、辞書DB200Aから辞書データを抽出する。すなわち、抽出部121Aは、入力受付部111により取得された文字情報が示す先頭文字及び末尾文字と、入力受付部111により入力情報が取得された回数を示す文字数とが含まれる辞書データを辞書DB200Aから抽出する。
【0109】
ここで、本実施形態に係る辞書DB200Aに格納されている辞書データのデータ構成について、図13を参照しながら説明する。図13は、第二の実施形態に係る辞書データベースの一例の構成を示す図である。
【0110】
図13に示すように、本実施形態に係る辞書DB200Aに格納されている辞書データは、データの項目として、さらに、「末尾文字」を有する。「末尾文字」は、単語の読みにおける末尾(最後)の文字である。
【0111】
このように、本実施形態に係る辞書DB200Aに格納されている辞書データは、さらに、「末尾文字」のデータ項目を有する。これにより、本実施形態に係る端末装置10は、先頭文字と、文字数と、末尾文字とに基づいて辞書DB200Aから辞書データを抽出することができる。
【0112】
次に、本実施形態に係る端末装置10における文字入力処理の詳細について、図14を参照しながら説明する。図14は、第二の実施形態に係る文字入力処理の一例のフローチャートである。なお、図14においてステップS601〜ステップS612の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0113】
ステップS604又はステップS606に続いて、入出力部110は、ステップS601で入力受付部111により取得された入力情報mが文字情報であるか否か判定する(ステップS1401)。すなわち、入出力部110は、ステップS602で入力受付部111により文字の入力操作が受け付けられたか否かを判定する。
【0114】
ステップS1401において入力情報mが文字情報であると判定された場合、入出力部110は、入力情報mが示す文字を末尾文字bとする(ステップS1402)。
【0115】
次に、候補抽出部120は、抽出部121Aにより、辞書DB200Aに格納されている辞書データのうち、先頭文字aと、末尾文字bと、文字数iとを含む辞書データを辞書DB200Aから抽出する(ステップS1403)。
【0116】
一方、ステップS1401において入力情報mが文字情報でないと判定された場合、文字入力処理部100は、ステップS607の処理に進む。
【0117】
したがって、本実施形態に係る端末装置10では、先頭文字が入力された後、文字数の入力操作であるタップ操作がなされる毎に、第一の実施形態と同様の動作を行う。そして、本実施形態に係る端末装置10は、末尾文字が入力されると、当該先頭文字と、文字の入力操作及びタップ操作がなされた回数を示す文字数と、当該末尾文字とに基づく変換候補の一覧が表示される。
【0118】
以上により、本実施形態に係る端末装置10では、ユーザは、入力を所望する単語の先頭文字の入力操作と、当該単語の文字数に応じたタップ操作(文字数の入力操作)と、末尾文字の入力操作とを行うことで、変換候補の一覧を表示させることができる。
【0119】
このため、本実施形態に係る端末装置10では、少ない文字の入力操作で所望の単語を入力することができる。しかも、本実施形態に係る端末装置10では、末尾文字が入力されることで、表示される変更候補の一覧に含まれる変換候補の数が絞り込まれる。
【0120】
したがって、本実施形態に係る端末装置10では、例えば、先頭から数文字が同じ文字で、最後の文字が異なるような用語を容易に入力することができるようになる。具体的には、本実施形態に係る端末装置10によれば、例えば、「特許異議申立書」と「特許異議申立人」等、先頭から数文字が同じ文字(この場合、「特許異議申立」)で、最後の文字が異なるような専門的な用語を容易に入力することができるようになる。
【0121】
(第三の実施形態)
次に、第三の実施形態について説明する。第一の実施形態及び第二の実施形態に係る端末装置10では、文字数の入力操作がタップ操作である場合について説明したが、第三の実施形態では、種々の文字数の入力操作について説明する。なお、第三の実施形態において、第一の実施形態及び第二の実施形態と同様の処理を行う箇所については、適宜説明を省略する。
【0122】
本実施形態に係る文字入力処理部100の詳細な機能構成について、図15を参照しながら説明する。図15は、第三の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
【0123】
図15に示すように、本実施形態に係る入出力部110は、入力受付部111Aを有する。入力受付部111Aは、ユーザの各種操作を受け付けて、入力情報を取得する。例えば、入力受付部111Aは、文字数の入力操作として種々の操作を受け付けて、入力情報を取得する。
【0124】
ここで、以降では、入力受付部111Aにより受け付けられる文字数の入力操作について説明する。
【0125】
まず、文字数の入力操作として、例えば、スワイプ操作により折れ線(複数の直線)を描く操作の一例を図16に示す。図16は、文字数の入力操作の一例を示す図(その1)である。
【0126】
例えば、3文字分の文字数の入力操作を行いたい場合、図16に示すように、ユーザは、3点の頂点を有する折れ線を描く入力操作を行えば良い。このような場合、入力受付部111Aは、入力操作により描かれた折れ線の頂点を検出して、当該頂点を検出したことを示す入力情報mを取得する。したがって、端末装置10は、入力受付部111Aにより、当該頂点を検出したことを示す入力情報mが取得される毎に、図6に示すステップS603以降の処理を行えば良い。なお、折れ線に含まれる直線は、縦、横、斜め等、任意の方向に入力されて良い。
【0127】
次に、文字数の入力操作として、例えば、スワイプ操作により多角形を描く操作の一例を図17に示す。図17は、文字数の入力操作の一例を示す図(その2)である。
【0128】
例えば、4文字分の文字数の入力操作を行いたい場合、図17に示すように、ユーザは、4点の頂点を有する多角形(四角形)を描く入力操作を行えば良い。このような場合、入力受付部111Aは、入力操作により描かれた多角形の頂点を検出して、当該頂点を検出したことを示す入力情報mを取得する。したがって、端末装置10は、入力受付部111Aにより、当該頂点を検出したことを示す入力情報mが取得される毎に、図6に示すステップS603以降の処理を行えば良い。なお、多角形は、四角形の他、例えば、三角形、五角形、六角形等が挙げられる。また、必ずしも多角形に限られず、例えば、星形の図形等であっても良い。
【0129】
次に、文字数の入力操作として、例えば、スワイプ操作により渦巻状の円や曲線を描く操作の一例を図18に示す。図18は、文字数の入力操作の一例を示す図(その3)である。
【0130】
例えば、3文字分の文字数の入力操作を行いたい場合、図18に示すように、ユーザは、3回転の渦巻状の曲線を描く入力操作を行えば良い。このような場合、入力受付部111Aは、入力操作により描かれた渦巻状の曲線が1回転したことを検出して、当該1回転したことを示す入力情報mを取得する。したがって、端末装置10は、入力受付部111Aにより、当該1回転したことを示す入力情報mが取得される毎に、図6に示すステップS603以降の処理を行えば良い。
【0131】
次に、入力操作が行われないことで、入力受付部111Aが入力情報を取得する一例を図19に示す。図19は、文字数の入力操作の一例を示す図(その4)である。
【0132】
図19に示すように、入力受付部111Aは、先頭文字が入力された後、所定の時間が経過した場合、当該所定の時間が経過したことを示す情報を入力情報mとして取得する。また、入力受付部111Aは、さらに所定の時間が経過した場合、同様に、当該所定の時間が経過したことを示す情報を入力情報mとして取得する。このように、入力受付部111Aは、先頭文字が入力された後、所定の時間が経過する毎に、入力情報mを取得する。したがって、端末装置10は、入力受付部111Aにより、当該所定の時間が経過したことを示す情報を入力情報mとして取得される毎に、図6に示すステップS603以降の処理を行えば良い。なお、所定の時間としては、例えば、0.5秒乃至1秒程度が挙げられる。
【0133】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10では、種々の操作により文字数の入力操作を行うことができる。したがって、例えば、ユーザは、種々の文字数の入力操作のうち、所望の文字数の入力操作を選択することができる。
【0134】
(第四の実施形態)
次に、第四の実施形態について説明する。第四の実施形態に係る端末装置10では、所定のUI(ユーザインタフェース)により文字の入力操作及び文字数の入力操作を行う場合について説明する。なお、第四の実施形態において、第一の実施形態及び第二の実施形態と同様の処理を行う箇所については、適宜説明を省略する。
【0135】
本実施形態に係る文字入力処理部100の詳細な機能構成について、図20を参照しながら説明する。図20は、第四の実施形態に係る文字入力処理部の詳細な機能構成を示す図である。
【0136】
図20に示すように、本実施形態に係る入出力部110は、入力受付部111Bと、表示制御部112Aとを有する。表示制御部112Aは、文字の入力操作及び文字数の入力操作を行うための所定のUIを表示装置12に表示させる。入力受付部111Bは、表示制御部112Aにより表示された所定のUIにおける文字の入力操作及び文字数の入力操作を受け付けて、入力情報を取得する。
【0137】
以降では、表示制御部112Aにより表示される所定のUIにおける文字の入力操作及び文字数の入力操作について、図21を参照しながら説明する。図21は、先頭文字及び文字数の入力操作の一例を示す図である。
【0138】
端末装置10の表示装置12には、表示制御部112Aにより、例えば、五十音の各行を示す文字「あ」、「か」、・・・、「わ」がリング状に配置されたUIが表示されているものとする。このとき、ユーザにより、例えば、「あ」行を示す文字を選択する操作がなされると、入力受付部111Bは、当該選択操作を受け付ける(ステップS41)。
【0139】
すると、表示制御部112Aは、選択された行に含まれる各文字がリングの内側に配置されたUIを表示装置12に表示する。すなわち、表示制御部112Aは、ステップS41でユーザにより選択された「あ」行に含まれる文字「あ」、「い」、「う」、「え」、及び「お」がリングの内側に配置されたUIを表示装置12に表示する。このとき、ユーザにより、例えば、先頭文字として文字「お」を選択する操作がなされると、入力受付部111Bは、当該選択操作を受け付ける(ステップS42)。これにより、入力受付部111Bは、先頭文字「お」を示す入力情報を取得する。
【0140】
次に、ユーザは、五十音の各行を示す各文字が配置されたリングに沿って、例えば、時計回りに(又は反時計回りに)スワイプ操作を行う。すると、入力受付部111Bは、文字数の入力操作を受け付ける(ステップS43)。すなわち、入力受付部111Bは、リング状に配置された各行を示す各文字の位置をスワイプ操作により通過する毎に、当該通過したことを示す情報を入力情報として取得する。
【0141】
このため、例えば、ユーザが単語「おはよう」の入力を所望する場合において、上記のステップS42で先頭文字「お」が選択された場合、当該ユーザは、五十音の行を示す文字を3文字分通過するように、当該リングに沿ってスワイプ操作を行えば良い。
【0142】
次に、候補抽出部120は、先頭文字と、文字数とに基づいて辞書DB200から辞書データを抽出する。そして、表示制御部112Aは、抽出された辞書データに含まれる単語を変換候補として一覧で表示する(ステップS44)。
【0143】
以上のように、本実施形態に係る端末装置10では、表示制御部112Aにより表示された所定のUIを用いて、先頭文字の入力操作及び文字数の入力操作を行って、変換候補の一覧を表示させることができる。したがって、ユーザは、高い効率で文字入力を行うことができる。
【0144】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形や変更が可能である。
【0145】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
第1の文字と、文字数とが入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数に応じた変換候補を抽出する制御部と、
前記制御部により抽出された変換候補を表示する表示部と、
を有することを特徴とする文字入力装置。
(付記2)
前記記憶部は、変換候補と、該変換候補の読みとを対応付けて記憶し、
前記制御部は、
第1の文字と、文字数とが入力されると、前記記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数に応じた読みに対応付けられている変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記1に記載の文字入力装置。
(付記3)
前記制御部は、
第2の文字が入力されると、前記第1の文字を先頭に含み、前記第2の文字を末尾に含み、前記文字数に応じた変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記1に記載の文字入力装置。
(付記4)
前記制御部は、
第2の文字が入力されると、前記第1の文字を先頭に含み、前記第2の文字を末尾に含み、前記文字数に応じた読みに対応付けられている変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記2に記載の文字入力装置。
(付記5)
前記制御部は、
さらに、抽出された変換候補を所定の順で整列し、
前記表示部は、
前記制御部により整列された変換候補を表示する、
ことを特徴とする付記1乃至4の何れか一項に記載の文字入力装置。
(付記6)
タップ操作、折れ線の入力、多角形の入力、又は渦巻状の曲線の入力に基づいて前記文字数が入力される、
ことを特徴とする付記1乃至5の何れか一項に記載の文字入力装置。
(付記7)
第1の文字と、文字数とが入力されると、変換候補を記憶している記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数に応じた変換候補を抽出する処理と、
抽出された変換候補を表示する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする文字入力プログラム。
(付記8)
前記記憶部は、変換候補と、該変換候補の読みとを対応付けて記憶し、
前記抽出する処理は、
第1の文字と、文字数とが入力されると、前記記憶部から、前記第1の文字を先頭に含み、前記文字数に応じた読みに対応付けられている変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記7に記載の文字入力プログラム。
(付記9)
前記抽出する処理は、
第2の文字が入力されると、前記第1の文字を先頭に含み、前記第2の文字を末尾に含み、前記文字数に応じた変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記7に記載の文字入力プログラム。
(付記10)
前記抽出する処理は、
第2の文字が入力されると、前記第1の文字を先頭に含み、前記第2の文字を末尾に含み、前記文字数に応じた読みに対応付けられている変換候補を抽出する、
ことを特徴とする付記8に記載の文字入力プログラム。
(付記11)
前記抽出する処理は、
さらに、抽出された変換候補を所定の順で整列し、
前記表示する処理は、
整列された変換候補を表示する、
ことを特徴とする付記7乃至10の何れか一項に記載の文字入力プログラム。
(付記12)
タップ操作、折れ線の入力、多角形の入力、又は渦巻状の曲線の入力に基づいて前記文字数が入力される、
ことを特徴とする付記7乃至11の何れか一項に記載の文字入力プログラム。
【符号の説明】
【0146】
10 端末装置
11 入力装置
12 表示装置
13 RAM
14 ROM
15 CPU
100 文字入力処理部
110 入出力部
111 入力受付部
112 表示制御部
120 候補抽出部
121 抽出部
122 整列部
123 更新部
200 辞書データベース
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