特許第6677416号(P6677416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6677416
(24)【登録日】2020年3月17日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】操作パネル及び表示装置用ケース
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20200330BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20200330BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   G06F3/023 460
   G06F3/02 F
   G06F3/041
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-118512(P2017-118512)
(22)【出願日】2017年6月16日
(65)【公開番号】特開2019-3473(P2019-3473A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2018年6月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 謙治
(72)【発明者】
【氏名】田中 博章
(72)【発明者】
【氏名】池上 政和
(72)【発明者】
【氏名】湊谷 晃浩
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0267274(US,A1)
【文献】 特開2000−259350(JP,A)
【文献】 特開2012−018478(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0335327(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0335364(US,A1)
【文献】 特開2014−052666(JP,A)
【文献】 特表2016−529604(JP,A)
【文献】 特開2015−194948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/023
G06F 3/02
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式のタッチパネル上に着脱可能に装着される操作パネルであって、
前記タッチパネルの表面との間に互いに独立した複数の空間を形成するように設けられ、前記タッチパネルの前記表面に向けて前記空間を介して押下される複数の操作部が形成された導電性及び透明性を有する操作シートを備え、
前記操作シートは、前記複数の操作部が形成された絶縁性のシート基材と、前記シート基材の裏面に形成された導電層とを備え
前記導電層は、前記シート基材の裏面に前記複数の操作部のうち少なくとも2つの前記操作部に対応する領域に渡って連続して形成された複数の導電層であり、前記複数の導電層は、異なる領域に独立して形成された操作パネル。
【請求項2】
前記操作シートは、前記シート基材と前記タッチパネルとの間に設けられ、前記複数の空間を形成する複数の開口を有するスペーサを、さらに備えた請求項1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記操作部は、前記タッチパネルと反対側に突出するように形成された、
請求項1又は2に記載の操作パネル。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の操作パネルと 、
前記タッチパネルを有する表示装置にその裏面側から着脱可能に装着されるケース本体と、
前記表示装置の前記タッチパネルが設けられた表面側から前記操作パネルを間に挟んで前記ケース本体又は前記表示装置に着脱可能に装着されるパネル保持ケースと、
を備えた表示装置用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量式のタッチパネルを有する表示装置に使用される操作パネル及び表示装置用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電容量式のタッチパネルを保護するとともに、手袋をしたままでも静電容量式のタッチパネルを操作することが可能な保護カバーガラスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された保護カバーガラスは、静電容量式のタッチパネルに着脱可能に取り付けられる外付けの保護カバーガラスであって、第1の主表面、及びその裏面である第2の主表面を有するガラス板と、該ガラス板の第1の主表面に設けられた導電層と、ガラス板の第1の主表面に設けられ導電層とタッチパネルとを離隔させるためのスペーサ層とを備え、第2の主表面を外側としてタッチパネルに取り付けられた状態では、ガラス板の第2の主表面が押圧された際に該ガラス板がたわむことによって、ガラス板の押圧された位置に反応するようにタッチパネルの静電容量を変化させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−69280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の保護カバーガラスによると、保護カバーガラスを複数のアイコンを表示する表示装置に装着した場合、1つのアイコンを選択するためにガラス板を押下したときに広い面積で静電容量が変化するため、隣のアイコンが選択されるという誤動作を発生するおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、爪や手袋で操作しても誤動作の発生を抑制することが可能な操作パネル及び表示装置用ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、静電容量方式のタッチパネル上に着脱可能に装着される操作パネルであって、前記タッチパネルの表面との間に互いに独立した複数の空間を形成するように設けられ、前記タッチパネルの前記表面に向けて前記空間を介して押下される複数の操作部が形成された導電性及び透明性を有する操作シートを備え、前記操作シートは、前記複数の操作部が形成された絶縁性のシート基材と、前記シート基材の裏面に形成された導電層とを備え、前記導電層は、前記シート基材の裏面に前記複数の操作部のうち少なくとも2つの前記操作部に対応する領域に渡って連続して形成された複数の導電層であり、前記複数の導電層は、異なる領域に独立して形成された操作パネルを提供する。
【0008】
また、本発明は、上記目的を達成するため、上記操作パネルと、前記タッチパネルを有する表示装置にその裏面側から着脱可能に装着されるケース本体と、前記表示装置の前記タッチパネルが設けられた表面側から前記操作パネルを間に挟んで前記ケース本体又は前記表示装置に着脱可能に装着されるパネル保持ケースと、を備えた表示装置用ケースを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、爪や手袋で操作しても誤動作の発生を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置を示す正面図である。
図2図2は、図1のA−A線断面図である。
図3図3は、図1の分解斜視図である。
図4図4は、図2に示す操作部を押下した状態の表示装置を示す要部断面図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置の要部断面図である。
図6図6は、本発明の第3の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の要部断面図である。
図7図7は、本発明の第4の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の要部断面図である。
図8図8は、本発明の第5の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図9図9は、本発明の第5の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置を示し、(a)は図8(a)のB−B線断面図、(b)は(a)のC部拡大図である。
図10図10は、図8及び図9の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置を示す正面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図1の分解斜視図である。
【0013】
この操作パネル1は、表示装置100が有する静電容量方式のタッチパネル110上に着脱可能に装着される操作パネルであって、タッチパネル110の表面110aとの間に互いに独立した複数の空間4を形成するように設けられ、タッチパネル110の表面110aに向けて空間4を介して押下される複数の操作部31aが形成された操作シート3を備える。
【0014】
具体的には、操作パネル1は、表示装置100の表面100aに接合されるスペーサ2と、スペーサ2の表面に接合され、透明性及び導電性を有する操作シート3とを備える。表示装置100上にスペーサ2を介して操作シート3を設けることにより、図2に示すように、タッチパネル110の表面110aと操作シート3との間に互いに独立した複数の空間4が形成される。
【0015】
スペーサ2は、粘着層5Aによって表示装置100の表面100a、110aに接合される。操作シート3は、粘着層5Bによってスペーサ2に接合される。
【0016】
(表示装置の構成)
表示装置100は、本実施の形態では、スマートフォンであるが、タッチパネルとディスプレイを備えたタブレット型パーソナルコンピュータ(PC)等の他の表示装置でもよい。表示装置100は、例えば、表面100a側に、タッチパネル110、マイク130、カメラ140、図示しない電源スイッチ等を有して構成されている。
【0017】
タッチパネル110は、図2に示すように、筐体101の上部側に配置され、裏側に液晶ディスプレイ等のディスプレイ111が重合配置されて構成されている。タッチパネル110は、例えば、静電容量方式を用いたものである。タッチパネル110は、タッチ操作により静電容量が大きく変化した位置の座標(x座標、y座標)を検出する。タッチ操作は、本実施の形態では、操作部31aを押下する操作をいう。
【0018】
表示装置100は、表示装置100の各部を制御する制御部を備える。制御部は、タッチパネル110へのタッチ操作や他の操作(フリック、スワイプ、ピンチイン・ピンチアウト等)に基づく制御を行うとともに、ディスプレイ111に対する表示制御を行う。すなわち、制御部は、初期画面としてマトリックス状に配列された複数のアイコン111a(図3参照)をディスプレイ111に表示する。いずれかのアイコン111aが操作部31aの押下によりタッチ操作されると、タッチパネル110は、選択されたアイコン111aの座標を示す座標信号を制御部に送信する。制御部は、送信された座標信号に対応するアイコン111aに割り当てられた機能を実行する。スペーサ2に対してフリック等の他の操作がされた場合は、制御部はディスプレイ111に対して他の操作に基づく表示制御を行う。
【0019】
(スペーサの構成)
スペーサ2は、例えば、表示装置100の表面100aとほぼ同じサイズを有する。スペーサ2で表示装置100の表面100a全体を覆うことにより、表面100aを保護する保護シートとしての機能を果たす。なお、スペーサ2は、保護シートの機能が必要とされない場合には、より小さいサイズ、例えば操作シート3とほぼ同じサイズとしてもよい。また、スペーサ2は、例えば、0.1〜2mmの厚さを有する。スペーサ2により操作シート3の後述する操作部31aの押下方向のストロークが定まることから、スペーサ2の厚さは、操作部31aのストロークに応じて定めればよい。
【0020】
スペーサ2には、表示装置100のディスプレイ111に表示される複数のアイコン111aそれぞれに対応した位置に複数の開口21が形成されている。また、スペーサ2には、マイク130及びカメラ140それぞれに対応した位置に開口22、23が形成されている。複数の開口21によって形成される複数の空間4は、密閉する必要はなく、隣り合う空間4同士がスリット等によって連通してもよい。
【0021】
スペーサ2は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂等の透明の樹脂材料から形成されている。
【0022】
(操作シートの構成)
操作シート3は、図2に示すように、シート基材30と、シート基材30の裏面に形成された導電層32とを備える。操作シート3は、シート基材30に導電層32を形成した状態で表示装置100に表示されるアイコン111aを識別できる程度の透明性を有すればよく、例えば半透明でもよい。なお、導電層32は、シート基材30の表面に形成してもよい。
【0023】
(シート基材の構成)
シート基材30には、スペーサ2の複数の開口21それぞれに対応した位置に複数の突部31がタッチパネル110と反対側に突出するように形成されている。シート基材30は、例えば、0.1〜0.5mmの厚さを有する。
【0024】
突部31は、図2に示すように、指等が接触して操作される操作部31aが平坦になっており、操作部31aの周囲が傾斜部31bになっている。操作部31aの高さhは、操作性を考慮して定められる。操作部31aの高さhは、例えば、0.2〜0.7mmとする。傾斜部31bの傾斜角度θは、例えば、130〜170°とする。空間4の高さHは、タッチ操作の検出精度や操作性を考慮して定められる。空間4の高さHは、例えば、0.5〜2.5mmとする。なお、操作部31aは、平坦でなくてもよく、例えば、タッチパネル110と反対側に膨出したドーム状でもよい。また、ディスプレイ111に表示されるアイコン111aの数は、操作部31aの数よりも少なくてもよい。
【0025】
シート基材30は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂等の透明の樹脂材料から形成されている。複数の突部31は、シート基材30にエンボス加工を施すことにより形成される。
【0026】
(導電層の構成)
導電層32は、例えば、導電性に優れた金、銀等からなる金属粒子を樹脂組成物に分散させた透明の導電性インクをシート基材30に印刷又は塗布して形成される。導電層32の厚さは、例えば、0.5〜5μmとする。導電層32は、シート基材30の裏面全面に形成されている。なお、導電層32は、各突部31に独立して突部31の裏面にその面積よりも広い面積に形成されていてもよいが、複数(例えば、4つ以上)の突部31の裏面に連続するように形成されているのが好ましい。これにより操作部31aを押下したとき、静電容量の大きな変化を得ることができる。
【0027】
(表示装置の動作)
図4は、図2に示すシート基材30の操作部31aを押下した状態の表示装置100を示す要部断面図である。図2に示すシート基材30の操作部31aを絶縁性の手袋6をした状態で押下すると、図4に示すように、突部31が下側に突出した形状に変形し、導電層32がタッチパネル110の表面110aに接近あるいは接触する。図4の押圧された部位に対応するタッチパネル110の位置110bにおける静電容量が最も変化する。タッチパネル110は、当該位置110bの座標を示す座標信号を制御部に送信する。制御部は、送信された座標信号に対応するアイコン111aに割り当てられた機能を実行する。なお、突部31を押下すると、空間4が圧縮されるため、空気逃げを設けるのが望ましい。
【0028】
(第1の実施の形態の作用、効果)
第1の実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(1)絶縁性の手袋6をした状態で操作部31aを押下しても操作パネル1の導電層32がタッチパネル110に接近するため、静電容量を変化させて対応するアイコン111aを選択することができる。
(2)操作部31aごとに独立した空間4を設けない場合、1つの操作部31aを押下したときに隣のアイコン111aも選択されたり、無反応状態になるおそれがあるが、操作部31aごとに独立した空間4を設けることで、誤動作や無反応状態になるのを抑制することができる。
(3)操作部31aを突部31の頭頂部に設けることにより、操作部31aに接触した程度ではタッチパネル110へのタッチ操作は検出されず、操作部31aを押し込むことでタッチ操作が検出されることから、誤操作の発生を抑制することができる。
(4)操作部31aは押下したときに沈むため、クリック感が得られる。
【0029】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置の要部断面図である。第1の実施の形態では、スペーサ2を用いたが、本実施の形態は、スペーサ2を省略したものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0030】
この第2の実施の形態に係る操作パネル1は、表示装置100の表面100a、110aに接合される操作シート3を備える。操作シート3は、粘着層5Bによって表示装置100の表面100a、110aに接合される。
【0031】
操作シート3には、タッチパネル110と反対側に突出した突部31の周囲を表示装置100の表面100a、110aに接合しているので、図5に示すように、表示装置100の表面100aと操作シート3との間に互いに独立した複数の空間4が形成される。
【0032】
空間4の高さHは、第1の実施の形態と同程度となるように、操作部31aの高さhを第1の実施の形態よりも大きくしてもよい。
【0033】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏するとともに、スペーサ2を省くことができることから、部品点数を減らすことができる。
【0034】
[第3の実施の形態]
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置の要部断面図である。第1の実施の形態では、操作シート3に突部31を設けたが、本実施の形態は、突部31を省略したものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0035】
この第3の実施の形態に係る操作パネル1は、表示装置100の表面100a、110aに接合されるスペーサ2と、スペーサ2の表面に接合される操作シート3とを備える。第1の実施の形態と同様に、スペーサ2は、粘着層5Aによって表示装置100の表面100a、110aに接合され、操作シート3は、粘着層5Bによってスペーサ2に接合される。
【0036】
表示装置100上にスペーサ2を介して操作シート3を設けることにより、図6に示すように、表示装置100の表面100a、110aと操作シート3との間に互いに独立した複数の空間4が形成される。
【0037】
操作シート3は、突部31を設けていないが、スペーサ2の開口21に対応する部分が操作部31aとなる。
【0038】
空間4の高さHは、第1の実施の形態と同程度となるように、スペーサ2の厚さを第1の実施の形態よりも大きくしてもよい。
【0039】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、絶縁性の手袋6をした状態で操作部31aを押下してもアイコン111aを選択することができ、誤動作や無反応状態になるのを抑制することができるとともに、シート基材30に突部31を形成するためのエンボス加工を省くことができる。
【0040】
[第4の実施の形態]
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置の要部断面図である。第1の実施の形態では、シート基材30の裏面に導電層32を形成したが、本実施の形態は、導電層32を省略し、シート基材30を導電性を有する材料に変更したものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0041】
この第4の実施の形態に係る操作パネル1は、表示装置100の表面100a、110aに接合されるスペーサ2と、スペーサ2の表面に接合される操作シート3とを備える。表示装置100上にスペーサ2を介して操作シート3を設けることにより、図7に示すように、表示装置100の表面100a、110aと操作シート3との間に互いに独立した複数の空間4が形成される。スペーサ2は、粘着層5Aによって表示装置100の表面100a、110aに接合され、シート基材30Aは、粘着層5Bによってスペーサ2に接合される。
【0042】
操作シート3は、図7に示すように、透明性及び導電性を有するシート基材30Aによって構成されている。シート基材30Aは、導電性に優れた金、銀等からなる金属粒子を樹脂組成物に分散させて形成されたものである。なお、シート基材30Aは、3つ以上の層から構成し、中間層を導電層としてもよい。
【0043】
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏するとともに、導電性インクを印刷又は塗布する工程を省くことができる。
【0044】
[第5の実施の形態]
図8及び図9は、本発明の第5の実施の形態に係る操作パネルを装着した状態の表示装置を示し、図8(a)は正面図、図8(b)は側面図、図9(a)は図8(a)のB−B線断面図、図9(b)は(a)のC部拡大図である。図10は、図8及び図9の分解斜視図である。
【0045】
第1の実施の形態では、操作パネル1を表示装置100に直接装着したが、本実施の形態は、表示装置100に装着するケースを介して操作パネル1を装着するものである。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0046】
本実施の形態のケース7は、表示装置100の裏面100b側から表示装置100に装着されるケース本体70と、表示装置100の表面100a側から操作パネル1を介してケース本体70に装着されるパネル保持ケース71とを備える。なお、パネル保持ケース71は、表示装置100に装着される構造でもよい。
【0047】
本実施の形態の表示装置100は、側面が外側に弧状に膨らんだ形状になっている点と、35個のアイコン111aが表示される点が第1の実施の形態の表示装置100と異なり、他は第1の実施の形態の表示装置100と同様に構成されている。なお、表示されるアイコン111aの数は35個よりも少なくてもよい。
【0048】
(操作パネルの構成)
本実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、操作パネル1は、スペーサ2と、操作シート3とを備えるが、スペーサ2及び操作シート3は、それぞれ第1の実施の形態とは形状が異なる。
【0049】
スペーサ2は、表示装置100の表面100a全体を覆うものではなく、アイコン111aが表示される領域よりもやや広いサイズを有する。スペーサ2の開口21は、第1の実施の形態では、20個形成されているが、本実施の形態では、35個形成されている。
【0050】
シート基材30の突部31は、第1の実施の形態では、20個形成されているが、本実施の形態では、35個形成されている。
【0051】
(ケースの構成)
ケース本体70は、表示装置100の側面に係止する係止部70a〜70fを有する。係止部70a〜70cは、表示装置100の側面から表面100aに渡って係止する面積を有する。係止部70d〜70fは、表示装置100の側面に係止する面積を有する。ケース本体70は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂から形成されている。
【0052】
パネル保持ケース71は、全ての操作部31aが露出するように開口71aを有する。また、パネル保持ケース71は、ケース本体70の側面70g〜70iに係止する係止部71b〜70dを有する。パネル保持ケース71は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂から形成されている。
【0053】
(装着方法)
次に、表示装置100にケース7及び操作パネル1を装着する方法について説明する。
【0054】
まず、表示装置100の裏面100b側からケース本体70を装着する。ケース本体70の係止部70a〜70fが表示装置100の側面に係止する。
【0055】
次に、表示装置100の表面100a上にスペーサ2及び操作シート3をこの順で配置し、操作シート3の上からパネル保持ケース71をケース本体70に装着する。パネル保持ケース71の係止部71b〜70dがケース本体70の側面70g〜70iに係止する。
【0056】
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏するとともに、粘着層を用いなくても操作パネル1を表示装置100に装着することができる。表示装置100が表示するアイコン111aの数に応じて操作パネル1を容易に変更することができる。なお、スペーサ2及び操作シート3は、粘着層によって表示装置100に接合してもよい。
【0057】
[変形例]
なお、本発明の実施の形態は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形、実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、タッチパネルをディスプレイ上に配置した外付け型の表示装置について説明したが、この構造のものに限られない。例えば、タッチパネルとディスプレイとが一体となっている内蔵型でもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態では、アイコンを選択する場合について説明したが、数字等の文字を入力する場合についても本発明は同様に適用することができる。
【0059】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記各実施の形態の構成要素の一部を省くことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、スマートフォン、タブレット型PC、サービス員が使用する自動販売機用のハンディーターミナル、携帯電話機、携帯ゲーム機等の表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…操作パネル、2…スペーサ、3…操作シート、4…空間、5A、5B…粘着層、6…手袋、7…ケース、21、22、23…開口、30、30A…シート基材、31…突部、31a…操作部、31b…傾斜部、32…導電層、70…ケース本体、70a-70f…係止部、70g-70i…側面、71…パネル保持ケース、71a…開口、71b-70d…係止部、100…表示装置、100a…表面、100b…裏面、101…筐体、110…タッチパネル、110a…表面、110b…位置、111…ディスプレイ、111a…アイコン、130…マイク、140…カメラ
図1
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図10