特許第6677524号(P6677524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6677524
(24)【登録日】2020年3月17日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】決済装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200330BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20200330BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20200330BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20200330BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20200330BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20200330BHJP
【FI】
   G06Q30/02 324
   G07G1/12 321P
   A63F13/792
   A63F13/79
   G06Q20/06 300
   G06Q20/34 360
   G06Q20/34 380
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-28832(P2016-28832)
(22)【出願日】2016年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-146824(P2017-146824A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年2月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】100092576
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 久男
(72)【発明者】
【氏名】川島 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】菅野 大輔
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0051873(KR,A)
【文献】 特開2010−244370(JP,A)
【文献】 特開2008−059526(JP,A)
【文献】 特開2004−227067(JP,A)
【文献】 特開平02−294796(JP,A)
【文献】 スタジアムでのカード決済はカードの日常的利用を促進するのか,CardWave,(株)シーメディア,2004年 7月20日,Vol.17 No.8,p.29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A63F 13/79
A63F 13/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入者の操作を受け付ける操作部と、
表示部と、
チャージ残額を記憶するICチップを備えるチャージ式のカードと通信するリーダライタと、
制御部とを備え、
前記制御部は、
商品の選択画面を前記表示部に表示し、前記操作部の操作に応じて商品の選択を受け付ける選択画面表示処理と、
カード及び前記リーダライタが通信したことに応じて、前記選択画面で選択されている商品の金額をカードのICチップのチャージ残額から差し引いて更新する処理である決済処理と、
前記決済処理の後に、前記操作部及び前記表示部を用いたゲームを実行するゲーム実行処理と、
前記ゲーム実行処理の後に、前記決済処理の後のチャージ残額を、前記表示部に表示する決済後残額表示処理とを行い、
カードのICチップは、チャージ残額に加えて、ポイントを記憶するものであり、
前記制御部は、
前記決済処理において、購入者に付与するポイントを決定し、前記決済処理の後に購入者がプレイするか否かに関わらず、ポイントの更新処理を行い、
ゲームが実行された場合には、
前記ゲーム実行処理において、ゲーム結果に応じてポイントを取得したように演出し、
前記決済後残額表示処理において、前記決済処理の後のチャージ残額に加えて、取得したポイントに関する情報を、前記表示部に表示すること、
を特徴とする決済装置。
【請求項2】
複数種類の商品を携行する販売者が携行する決済装置であって、
販売端末と、
前記販売端末との間で、無線又は通信ケーブルを介して通信可能であり、チャージ残額を記憶するICチップを備えるチャージ式のカードと通信するリーダライタとを備え、
前記販売端末は、
購入者の操作を受け付ける操作部と、
表示部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
複数種類の商品の選択画面を前記表示部に表示し、前記操作部の操作に応じて1以上の種類の1以上の商品の選択を受け付ける選択画面表示処理と、
カード及び前記リーダライタが通信したことに応じて、前記選択画面で選択されている1以上の商品の総額をカードのICチップのチャージ残額から差し引いて更新する処理である決済処理と、
前記決済処理に連続して、前記操作部及び前記表示部を用いたゲームを実行するゲーム実行処理とを行うこと、
を特徴とする決済装置。
【請求項3】
請求項2に記載の決済装置において、
前記制御部は、
前記ゲーム実行処理の後に、前記決済処理の後のチャージ残額を、前記表示部に表示する決済後残額表示処理とを行い、
前記決済後残額表示処理を、前記ゲーム実行処理を実行した場合のみ応じて実行し、
前記決済処理を、前記ゲーム実行処理を実行するか否かに関わらず実行すること、
を特徴とする決済装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項3に記載の決済装置において、
カードのICチップは、チャージ残額に加えて、ポイントを記憶するものであり、
前記制御部は、
前記決済処理において、購入者に付与するポイントを決定し、前記決済処理の後に購入者がプレイするか否かに関わらず、ポイントの更新処理を行い、
ゲームが実行された場合には、
前記ゲーム実行処理において、ゲーム結果に応じてポイントを取得したように演出し、
前記決済後残額表示処理において、前記決済処理の後のチャージ残額に加えて、取得したポイントに関する情報を、前記表示部に表示すること、
を特徴とする決済装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の決済装置において、
前記制御部は、前記決済処理におけるカード及び前記リーダライタの通信が終了したことに応じて、前記ゲーム実行処理を行うこと、
を特徴とする決済装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の決済装置において、
前記操作部及び前記表示部を兼用するタッチパネルを備えること、
を特徴とする決済装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャージ式のカードの決済装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、購入商品をチャージ式のカードで決済可能な決済装置があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来の決済装置は、購入者の購入意欲を向上する趣向がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−86202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、購入者の購入意欲を向上できる決済装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
・第1の発明は、購入者の操作を受け付ける操作部(42)と、表示部(42)と、チャージ残額を記憶するICチップ(16)を備えるチャージ式のカード(10)と通信するリーダライタ(30)と、制御部(47)とを備え、前記制御部は、商品の選択画面(61)を前記表示部に表示し、前記操作部の操作に応じて商品の選択を受け付ける選択画面表示処理(S1)と、カード及び前記リーダライタが通信したことに応じて、前記選択画面で選択されている商品の金額をカードのICチップのチャージ残額から差し引いて更新する処理である決済処理(S4b,S5b,S6)と、前記決済処理の後に、前記操作部及び前記表示部を用いたゲームを実行するゲーム実行処理(S7)と、前記ゲーム実行処理の後に、前記決済処理の後のチャージ残額を、前記表示部に表示する決済後残額表示処理(S8)とを行うこと、を特徴とする決済装置である。
・第2の発明は、第1の発明の決済装置において、カード(10)のICチップ(16)は、チャージ残額に加えて、ポイントを記憶するものであり、前記制御部(47)は、前記決済処理(S5b)において、購入者に付与するポイントを決定し、前記決済処理の後に購入者がプレイするか否かに関わらず、ポイントの更新処理(S5b)を行い、ゲームが実行された場合には、前記ゲーム実行処理(S7)において、ゲーム結果に応じてポイントを取得したように演出し、前記決済後残額表示処理(S8)において、前記決済処理の後のチャージ残額に加えて、取得したポイントに関する情報を、前記表示部(42)に表示すること、を特徴とする決済装置である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の決済装置において、前記制御部(47)は、前記決済処理におけるカード(10)及び前記リーダライタ(30)の通信が終了したことに応じて、前記ゲーム実行処理(S7)を行うこと、を特徴とする決済装置である。
・第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明の決済装置において、この決済装置(20)は、決済に関する情報をサーバ(50)に無線で送信する無線通信部(45)を備え、販売者(21)が携行可能な装置であり、前記制御部(47)及び(41)及び前記リーダライタ(30)は、無線又は通信ケーブルを介して通信可能であること、を特徴とする決済装置である。
・第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明の決済装置において、前記操作部及び前記表示部を兼用するタッチパネル(42)を備えること、を特徴とする決済装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、購入者の購入意欲を向上できる決済装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の決済装置20が販売者21に携行された状態を説明する図である。
図2】実施形態の決済システム1の構成を説明する図である。
図3】実施形態の商品購入時のフローチャートである。
図4】実施形態の商品購入時の画面の遷移、ICチップ16の記憶情報の遷移を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の決済装置20が販売者21に携行された状態を説明する図である。
図2は、実施形態の決済システム1の構成を説明する図である。
決済システム1は、カード10の決済に関するシステムである。
カード10は、チャージ式のカードである。カード10は、電子マネーの運営会社が、利用者である購入者に発行し、購入者がそれぞれ所持する。運営会社は、例えば、交通系の会社、小売系の会社等である。
決済システム1は、このように発行されたカード10を、例えば、野球等のスタジアムの物販に利用する。
【0010】
(決済システム1の構成)
決済システム1は、カード10、決済装置20、サーバ50を備える。
カード10は、非接触型ICカードである。
カード10は、アンテナ11、ICチップ16を備える。
アンテナ11は、電磁誘導方式で通信するループコイルアンテナである。
ICチップ16は、集積回路である。ICチップ16は、カード10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された各種プログラムを実行することによりカード10を制御する制御部とを備える。
【0011】
ICチップ16は、識別情報記憶部16a、残額記憶部16b、決済履歴記憶部16c、ポイント記憶部16dを備える。
識別情報記憶部16aは、カード識別情報、つまり購入者の識別情報を記憶する。カード識別情報は、各カード10に付与された固有の情報である。
残額記憶部16bは、カード10のチャージ残額を記憶する。なお、詳細な説明は省略するが、購入者は、カード10にチャージする場合には、例えば、駅、小売店等に設けられたチャージ装置を用いる。
決済履歴記憶部16cは、カード10の利用日、品目を記憶する。
【0012】
ポイント記憶部16dは、カード10のポイントを記憶する。ポイントは、例えば、物品の購入時に利用できたり、チャージに利用できるものである。このため、ポイントは、購入者にとって、利益がある。ポイントは、例えば、購入金額やキャンペーンに応じて購入者に付与される。
【0013】
決済装置20は、リーダライタ30、タブレット型端末40を備える。
タブレット型端末40及びサーバ50間は、例えばインターネット等の通信網2を介して通信できる。
なお、リーダライタ30、タブレット型端末40、サーバ50は、コンピュータである。
実施形態ではコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいう。リーダライタ30、タブレット型端末40、サーバ50は、記憶部36,46,56、制御部37,47,57等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
記憶部36,46,56は、リーダライタ30、タブレット型端末40、サーバ50の動作に必要な情報、プログラム等を記憶するための記憶装置である。記憶部36,46,56は、ハードディスク、半導体メモリ素子等を備える。
制御部37,47,57は、リーダライタ30、タブレット型端末40、サーバ50の動作に必要な演算処理をしたり、これらを統括的に制御するための装置である。制御部37,47,57は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部37,47,57は、記憶部36,46,56に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0014】
決済装置20は、例えば、野球等のスタジアムの売り子である販売者21が携行するものである(図1参照)。決済装置20は、例えば、飲料、つまみ、スナック等の物販等に用いる。
なお、図2には、簡略して、1つの決済装置20を図示したが、実際には、決済システム1は、複数の決済装置20を備える。複数の販売者21が、それぞれ決済装置20を携行する。
販売者21は、決済装置20のリーダライタ30、タブレット型端末40を、容易に着脱できる。図1の例では、リーダライタ30は、例えば、面ファスナ等を備えており、販売者21の腰のベルトに装着される。タブレット型端末40は、例えば、ストラップ等を備えており、販売者21の首に掛けられる。
【0015】
リーダライタ30は、アンテナ31、通信部35、記憶部36、制御部37を備える。
アンテナ31は、ループコイルアンテナ(図示せず)等を備える。
アンテナ31は、カード10のアンテナ11と、電磁誘導方式で通信するためのものである。通信距離は、例えば、100mm程度である。カード10がアンテナ31にかざされることにより、カード10及びリーダライタ30間が通信可能な状態になる。
通信部35は、タブレット型端末40と無線通信するための通信装置であり、RF回路、無線用アンテナ等を備える。リーダライタ30及びタブレット型端末40間の無線規格は、例えば、数m程度で通信可能なものであればよい。
【0016】
タブレット型端末40は、いわゆるタブレット型のパーソナルコンピュータを流用できる。
タブレット型端末40は、タッチパネル42、通信部45(無線通信部)、記憶部46、制御部47を備える。
タッチパネル42は、表示装置(表示部)、入力装置(操作部)の機能を有し、これらを兼用可能な装置である。タッチパネル42は、例えば、液晶表示装置に、静電容量方式の入力装置とを組み合わせた装置である。タッチパネル42は、購入者、販売者21等が操作する。
【0017】
通信部45は、リーダライタ30及びサーバ50と無線通信するための通信装置である。
通信部45のうちリーダライタ30との通信に関する構成は、前述したように、例えば、数m程度で通信可能なものである。リーダライタ30及びタブレット型端末40は、通信部35,45によって、無線で接続される。
また、通信部45のうちサーバ50との通信に関する構成は、例えば、数十m以上で通信可能なものである。通信部45は、通信網2に直接接続するものでもよく、又は無線LAN等を介して通信網2に接続するものでもよい。
【0018】
記憶部46は、決済プログラム46a、ゲームプログラム46bを記憶する。
決済プログラム46aは、決裁処理に関するプログラムである。
ゲームプログラム46bは、ゲームの処理に関するプログラムである。
制御部47は、決済処理部47a、ゲーム処理部47bを備える。
決済処理部47aは、決済プログラム46aに従って、決済に関する処理等を行う。
ゲーム処理部47bは、ゲームプログラム46bに従って、ゲームに関する処理等を行う。
制御部47の詳細な処理は、後述する。
【0019】
サーバ50は、カード10の運営会社等が管理する。
サーバ50は、記憶部56、制御部57を備える。
記憶部56は、カード10のチャージ残額、利用履歴等と、カード識別情報とを対応付けて記憶する。
制御部57は、記憶部56の情報の管理、決済装置20との通信処理等を行う。
【0020】
(決済システム1の処理)
商品の購入時の決済システム1の商品購入時の処理を説明する。
図3は、実施形態の商品購入時のフローチャートである。
図4は、実施形態の商品購入時の画面の遷移、ICチップ16の記憶情報の遷移を説明する図である。
なお、図3は、リーダライタ30及びタブレット型端末40の動作を、決済装置20の一体の動作として図示した。
以下、購入者が商品の購入のため、販売者21が携行する決済装置20のタブレット型端末40の操作を開始する時点から説明する。この場合、販売者21は、タブレット型端末40を首から掛けた状態で、購入者に操作して貰ってもよい。また、タブレット型端末40が容易に着脱可能であるので、購入者は、販売者21からタッチパネル42を借りて、販売者21から少し離れた場所であって、販売者21の目の届く範囲(例えば、2m以下)で、商品の選択操作をしてもよい。
商品購入前の購入者のカード10のICチップ16の情報は、チャージ残額8000円、合計ポイント100Pである(図4(A)参照)。
【0021】
ステップS(以下「S」という)1において、タブレット型端末40の制御部47の決済処理部47aは、選択画面表示処理を行う。
図4(A)に示すように、決済処理部47aは、この処理では、商品選択画面61を、タッチパネル42に表示する。
商品選択画面61は、商品名表示61a、数変更ボタン61b、個数表示61c、決済額表示61d、決定ボタン61eを備える。
商品名表示61aは、商品であるビール、ナッツと、これらの価格とを示す。
数変更ボタン61bは、商品の個数を選択するためのボタンである。数変更ボタン61bは、この例では、「+ボタン」、「−ボタン」を備える。
個数表示61cは、選択された商品の個数を示す。この例では、ビールが5個、ナッツが5個選択されている。
決済額表示61dは、商品の合計金額、つまり決済額を示す。この例では、3000円と表示されている。
決定ボタン61eは、購入者が商品選択画面61に表示されている内容を確認後、決済実行の確認画面62に進む場合に操作する。つまり、購入者は、商品選択画面61に表示されている内容で決済に進みたい場合には、決定ボタン61eを選択すればよい。
なお、この段階では、購入者は、カード10を財布等に入れて身に付けている状態である。このため、リーダライタ30及びカード10が通信することがないので、ICチップ16の情報は、変化がない。
【0022】
S2において、決済処理部47aは、決定ボタン61eが選択されたか否かを判定する。決済処理部47aは、決定ボタンが選択されたと判定した場合には、S3に進み、一方、選択されていないと判定した場合には(S2:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0023】
S3において、図4(B)に示すように、決済処理部47aは、決済実行の確認画面62を表示する。
決済実行の確認画面62は、商品名表示62a、個数表示62c、決済額表示62d、戻るボタン62e、タッチ案内表示62fを備える。
商品名表示62a、個数表示62c、決済額表示62dは、商品選択画面61の各表示61a,61c,61dと同様である。
【0024】
戻るボタン62eは、商品選択画面61に戻る場合に、操作されるボタンである。
タッチ案内表示62fは、購入者に対して、カード10をリーダライタ30にかざすように、促す表示である。タッチ案内表示62fは、この例では、「カードをタッチすると、決済を実行します」という文字の表示である。
購入者は、決済実行の確認画面62の内容に間違えがある場合には、戻るボタンを操作すればよく、一方、決済実行の確認画面62で実際に決済を実行すると判断した場合には、カード10をリーダライタ30にかざせばよい。これにより、カード10及びリーダライタ30が通信を開始する。
【0025】
S4a,S4bにおいて、購入者がカード10をリーダライタ30にかざすことにより、カード10のICチップ16及びタブレット型端末40の決済処理部47aは、決済処理を開始する。つまり、リーダライタ30の制御部37は、リーダライタ30がカード10と通信したことを、タブレット型端末40の制御部47に対して伝達する。タブレット型端末40の決済処理部47aは、この伝達を受けたことに応じて、決済処理を開始する。
なお、S4a,S4b〜S5a,S5bでは、タブレット型端末40の決済処理部47aの命令は、リーダライタ30の制御部37を介して、カード10のICチップ16に伝達される。これにより、ICチップ16は、決済処理部47aの命令に従って、ICチップ16の情報を読み出したり、更新する。
【0026】
なお、タブレット型端末40及びリーダライタ30は、無線で通信可能であるので、購入者は、販売者21のそばに居れば、リーダライタ30にタッチできる。このため、例えば、購入者が家族連れの場合等では、子供等が商品の選択をするためにタブレット型端末40を持った状態で、カード10の所有者である親等が、販売者21が携行するリーダライタ30にタッチすることができる。このため、商品購入までの時間を短縮できる。
【0027】
S4a,S4bでは、決済処理のうち決済金額に関する処理を行う。
決済処理部47aは、決済額、つまりタッチパネル42で選択されている商品の金額を、カード10のICチップ16の残額記憶部16bに記憶したチャージ残額から差し引く。これにより、決済処理部47aは、残額記憶部16bのチャージ残額を更新する。図4(B)の例では、ICチップ16のチャージ残額は、8000円であったのが、決済額が差し引かれて、5000円に更新されている。決済処理部47aは、これらの情報を記憶部46に一時記憶する。
また、決済処理部47aは、決済履歴として、決済日、品目、決済額を、ICチップ16の決済履歴記憶部16cに記憶させる。図4(B)の例では、ICチップ16に、決済履歴として、決済日○月○日、物販3000円が記憶されている。
【0028】
S5a,S5bにおいて、カード10のICチップ16及びタブレット型端末40の決済処理部47aは、ポイント更新処理を行う。
決済処理部47aは、この処理では、ポイントの数値(以下「ポイント値」ともいう)を決定する。ポイント値の決定方法は、各種方法を用いることができる。
決済処理部47a、例えば、ポイント値を決済額に応じた大きさにしてもよく、一定の範囲から不規則に決定してもよい。前者であれば、商品の購入額が大きくなるので、購入者の購入意欲を向上できる。後者であれば、予想しないような大きさのポイントが付与されることを、購入者に期待させることができる。
【0029】
決済処理部47aは、決定したポイント値を、カード10のICチップ16のポイント記憶部16dに記憶した合計ポイントに加算する。これにより、決済処理部47aは、ICチップ16の合計ポイントの数値を更新する。図4(B)の例では、ICチップ16の合計ポイントは、100Pであったのが、決定したポイント20Pが加算されて、120Pに更新されている。決済処理部47aは、これらの情報を記憶部46に一時記憶する。
このように、決済システム1は、決済処理において、ICチップ16の合計ポイントを更新する。
【0030】
S6において、決済処理部47aは、サーバ50と通信することにより、決済に関する情報をサーバ50に送信する。
決済処理部47aは、決済に関する情報として、上記処理における利用履歴(決済日、決済額)、更新後のチャージ残額、付与されたポイント値、更新後の合計ポイント等と、ICチップ16の識別情報記憶部16aから読み取ったカード識別情報とを対応付けたものを、送信する。
詳細な説明は省略するが、サーバ50の制御部57は、これらの情報を受信すると、S4b,S5bと同様な処理を行って、記憶部56の情報を更新する。これにより、カード10のICチップ10の情報と、サーバ50の記憶部56の情報とが一致する。サーバ50の記憶部56の情報は、例えば、カード紛失にともなうカード10の再発行の場合等に利用される。
なお、サーバ50との通信は、このように逐次行う形態に限定されず、例えば、数分毎、数回の決済毎、決められた定時等でもよい。
【0031】
決済処理部47aは、カード10及び決済装置20間の通信を、以上の処理迄で終了する。このため、決済処理部47aは、以降において、カード10と通信しない。そのため、購入者は、この時点で、カード10をリーダライタ30から離して、再度自分に身に付けてもよい。
ここで、決済処理部47aは、後述のゲーム処理に進む前に、カード10の更新に関する処理を終了することになる。つまり、決済処理部47aは、決済処理の実行後に購入者が実際にゲームをプレイするか否かに関わらず、S6までの処理において、決済で必要な処理、ポイントに関する処理を終了したことになる。
このため、決済システム1は、購入者がプレイしない場合でも、公平にポイントを付与できる。
【0032】
S7において、タブレット型端末40のゲーム処理部47bは、ゲーム実行処理を行う。つまり、ゲーム処理部47bは、決済処理の後に、タッチパネル42を用いたゲームを実行する。
図4(C)のゲーム画面63に示すように、このゲームは、タッチパネル42に表示された4つの風船のうち、購入者が2つ選択することにより、付与されるポイント値が表示されるものである。購入者が選択可能な風船の数は、決済金額に応じて、決めるようにしてもよい。図4(C)の場面は、1つの風船を選択して、付与されるポイント値20Pのうち5Pが表示された状態である。このため、購入者が残り1つ風船を選択すると、残りのポイント値15Pが表示されることになる(図示は省略する)。
このように、ゲーム処理部47bは、S5bで決定したポイント20Pを、2つの風船に分けて表示する。すなわち、このゲームで表示されるポイント値の合計は、既に決まっている。
【0033】
このように、ゲームでポイントを表示することにより、決済システム1は、ゲーム結果に応じてポイントを取得したように演出できる。これにより、商品購入時の楽しさを向上できる。
一方で、販売者21は、購入者がプレイすることにより、バック等から商品等を用意したり、飲み物をカップに注ぐ時間を確保できる。
また、前述したように販売者21がタブレット型端末40を購入者の子供に貸していた場合には、これまでの処理において、子供は、タブレット型端末40を返す必要がない。このため、子供は、商品選択からゲームまでを一連で行うことができる。これにより、この一連の操作が煩わしくなく、スムーズである。
【0034】
S8において、タブレット型端末40の決済処理部47aは、結果表示処理(決済後残額表示処理)を行う。
図4(D)に示すように、決済処理部47aは、この処理では、S4b,S5bで一時記憶した情報に基づいて、決済の結果表示画面64をタッチパネル42に表示する。
決済の結果表示画面64は、決済額、更新後のチャージ残額、付与ポイント値、更新後の合計ポイントを表示する。
ここで、購入者は、次回のカード使用等のために、現在のチャージ残額、合計ポイント等を、自分のカード10の情報を知っておきたいという事情がある。
決済システム1は、購入者が商品の購入をする一連の動作の最後に、これらの情報をタッチパネル42に表示することにより、決済処理の後において、ゲームをするように促すことができる。
また、プレイした購入者は、取得したポイントを確認できるメリットを有する。
【0035】
その後、タブレット型端末40の制御部47は、処理を終了する。
販売者21は、商品を購入者に手渡す。また、販売者21は、タブレット型端末40を購入者の子供に貸していた場合等に、これを返却してもらう。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の決済システム1は、決済後にゲームを実行するので、商品購入にともなう楽しさを提供できるので、購入者の購入意欲を向上できる。また、ゲームのプレイ後に、チャージ残額等を表示する。このため、購入者にゲームをするように促すことができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0038】
(変形形態)
(1)実施形態において、決済装置のタブレット型端末及びリーダライタ間は、無線により接続された例を示したが、これに限定されない。
決済装置は、例えば、タブレット型端末及びリーダライタ間が通信ケーブルで接続されることにより、タブレット型端末の制御部及びリーダライタが通信ケーブルを介して通信可能な形態でもよい。この形態でも、販売者は、リーダライタを身に付けた状態で、タブレット型端末を購入者に貸すことができる。
また、決済装置は、例えば、リーダライタ及びタブレット型端末が一体の端末でもよい。
【0039】
(2)実施形態において、タブレット型端末の制御部は、決済処理終了に応じて、ゲームを開始する例を示したが、これに限定されない。例えば、制御部は、決済処理終了後、リーダライタからの情報に基づいて、購入者がカードをリーダライタから離したことに応じて、つまり、カード及びリーダライタが通信しない状態になったことに応じて、ゲームを開始してもよい。この場合には、購入者がカードをリーダライタ上に置き忘れてしまうことを抑制できる。
【0040】
(3)実施形態において、タブレット型端末がサーバと通信する例を示したが、これに限定されない。例えば、リーダライタがサーバと通信する通信部を備えていてもよい。この場合には、タブレット型端末の制御部が、リーダライタの制御部に、サーバとの通信を命令すればよい。
【0041】
(4)実施形態において、決済装置は、販売者が携行可能である例を示したが、これに限定されない。決済装置は、例えば、駅、店舗等に据え置きされた装置でもよい。この場合には、決済装置は、商品等を購入者の指定住所に配達する販売装置として利用できる。この場合には、決済処理において、指定住所の入力画面等をタッチパネルに表示することにより、指定住所の入力を受け付ければよい。
【0042】
(5)実施形態において、決済装置は、表示部及び操作部を兼用するタッチパネルを備える例を示したが、これに限定されない。決済装置は、例えば、液晶表示装置等の表示部と、購入者の操作を受け付ける機械的な操作部(例えば、ボタン、十字キー、レバー、キーボート等)とを備えていてもよい。このように、決済装置は、表示部及び操作部が独立した構成でもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…決済システム 10…カード 16…ICチップ 16b…残額記憶部 16d…ポイント記憶部 20…決済装置 30…リーダライタ 40…タブレット型端末 42…タッチパネル 46…記憶部 46a…決済プログラム 46b…ゲームプログラム 47…制御部 47a…決済処理部 47b…ゲーム処理部 50…サーバ 61…商品選択画面 62…確認画面 63…ゲーム画面 64…結果表示画面
図1
図2
図3
図4