特許第6677698号(P6677698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6677698-ハンドガイドローラ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6677698
(24)【登録日】2020年3月17日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】ハンドガイドローラ
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/24 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
   E01C19/24
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-224379(P2017-224379)
(22)【出願日】2017年11月22日
(65)【公開番号】特開2019-94669(P2019-94669A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000182384
【氏名又は名称】酒井重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 信弘
(72)【発明者】
【氏名】古跡 哲也
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−160613(JP,A)
【文献】 特開平11−013036(JP,A)
【文献】 特開2016−079627(JP,A)
【文献】 実開平01−040744(JP,U)
【文献】 特開2013−079571(JP,A)
【文献】 実公昭39−023743(JP,Y1)
【文献】 実公昭43−017618(JP,Y1)
【文献】 特開2014−133438(JP,A)
【文献】 特開2011−127395(JP,A)
【文献】 特開2016−183457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00〜 19/52
B60Q 1/00〜 1/56
A01D 34/00〜 43/077
B62D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の後部に後ろ斜め上方に延設されるか、若しくは鉛直状に起立するように前記走行機体に回転可能に取り付けられる操縦桿と、
前記操縦桿に取り付けられ、前記走行機体の後輪のロールエッジ及び前記走行機体の後部周りの路面に向けて照射可能な照明装置と、を備え
前記照明装置は、照射方向が可変となるように回転調整可能に取り付けられており、転圧する時は前記走行機体の後方から前方に向けて前記ロールエッジ及び前記路面を照射するとともに、前記操縦桿を鉛直状に起立させた時は前記走行機体の後方及び転圧する現場の周辺を照射可能になっていることを特徴とするハンドガイドローラ。
【請求項2】
前記照明装置は、前記操縦桿の先端寄りに設けられた操作パネルの底面に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のハンドガイドローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドガイドローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハンドガイドローラは、ロールで路面を締め固める締固め機械の中では比較的小型の非搭乗型の車両であり、アスファルト舗装の転圧や路肩、狭路地等の締固め施工に使用される。ハンドガイドローラは、ロールを備えた走行機体と、走行機体の後部に取り付けられる操縦桿とを備えて構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−248541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のハンドガイドローラは、走行機体の前端に設けられた前照灯を除いて照明装置は殆ど搭載されていない。そのため、夜間作業時において、オペレータの足元が暗くなるという問題や、縁石ぎりぎりにロールのエッジを寄せて転圧するような場合にエッジ周りが暗くて視認しづらいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、夜間作業において走行機体の後部周りの視認性が向上するハンドガイドローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、走行機体の後部に後ろ斜め上方に延設されるか、若しくは鉛直状に起立するように前記走行機体に回転可能に取り付けられる操縦桿と、前記操縦桿に取り付けられ、前記走行機体の後輪のロールエッジ及び前記走行機体の後部周りの路面に向けて照射可能な照明装置と、を備え、前記照明装置は、照射方向が可変となるように回転調整可能に取り付けられており、転圧する時は前記走行機体の後方から前方に向けて前記ロールエッジ及び前記路面を照射するとともに、前記操縦桿を鉛直状に起立させた時は前記走行機体の後方及び転圧する現場の周辺を照射可能になっていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、夜間作業時に、照明装置でオペレータの足元やロールのエッジを照らすことができ、作業性が向上する。視認性等の観点から照明装置の照射範囲は出来る限り広くとることが望まれる。その点で、照らしたい部位から最も離れた位置まで延びている操縦桿に照明装置を取り付けることで、オペレータに近い高い位置から前方斜め下に向けて、照射範囲を可能な限り広くとれ、良好な視認性を得ることができる。また、本発明によれば、走行機体の後部周りの照射範囲を迅速に最適化できる。操縦桿を起立可能とし、照明装置を回転調整可能とすることで、照射範囲を任意に設定でき、高い位置からの広い照射が可能となる。これにより、ハンドガイドローラでの作業以外に現場周辺を照らす作業灯としても利用でき、利便性が向上する。
【0008】
また、本発明は、前記照明装置は、前記操縦桿の先端寄りに設けられた操作パネルの底面に取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、照明装置の取り付け構造が簡単となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のハンドガイドローラによれば、夜間作業時に、照明装置でオペレータの足元やロールのエッジを照らすことができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るハンドガイドローラの側面図である。
図2】照明装置の側面図である。
図3図2におけるIII矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、本発明に係るハンドガイドローラ1は、転圧輪としての前後一対のロール2,2を備えた走行機体3と、走行機体3の後部に取り付けられた操縦桿4と、操縦桿4に取り付けられ走行機体3の後部周りの路面Gに向けて照射可能な照明装置5と、を備えている。
【0015】

操縦桿4の先端部には、オペレータが把持するハンドル6及び操作パネル7が設けられている。操縦桿4は、走行機体3に車幅方向の軸回りに回動可能に取り付けられ、転圧施工等の使用時には後ろ斜め上方に延設した状態で使用され、格納時には仮想線で示すように略鉛直状に起立する。操作パネル7の上面7Aには、例えば使用時の状態において中立位置から前方に倒すとハンドガイドローラ1が前進し、後方に倒すと後進となる前後進レバー8が設けられている。また、操作パネル7の後面7Bには、エンジンのスロットルレバー9が設けられている。操作パネル7は、これら前後進レバー8やスロットルレバー9の基端周り等を覆う箱形状の筺体部材としてハンドル6の前方に配置されている。
【0016】
図1ないし図3において、照明装置5は、扁平方形状の筺体5Aを備え、その一面に略正方形状の照射部5Bが形成されている。照射部5Bは、走行機体3の後部周りの路面Gを照らすように、前斜め下方に向けて配置される。照射部5Bの光源は例えばLED等で構成されている。操作パネル7の底面7Cには、ボルト10およびナット11(取付手段)によりブラケット12が取り付けられている。筺体5Aは、このブラケット12に、照射方向が可変となるように、車幅方向の軸O1回りに回転調整可能に取り付けられている。照明装置5のオン−オフスイッチは例えば操作パネル7に設けられる。照明装置5をボルト10で操作パネル7に取り付ける構造とすれば、照明装置5を既存のハンドガイドローラ1にも容易に取り付けることができる。
【0017】
本発明によれば、夜間作業時に、照明装置5でオペレータの足元や後輪側のロール2のエッジを照らすことができ、作業性が向上する。特に、視認性等の観点から照明装置5の照射範囲は出来る限り広くとることが望まれる。その点で、照らしたい部位から最も離れた位置まで延びている操縦桿4に照明装置5を取り付けることで、オペレータに近い高い位置から前方斜め下に向けて、照射範囲を可能な限り広くとれ、良好な視認性を得ることができる。
【0018】
照明装置5を、操縦桿4の先端寄りに設けられた操作パネル7に取り付ければ、照明装置5の取り付け構造が簡単となる。また、オペレータから近い取付位置となるので、照明装置5の操作も容易である。特に照明装置5を操作パネル7の底面7Cに取り付ければ、オペレータにとって照明装置5が邪魔になることがなく、光が直接オペレータの目に照射されることもない。
【0019】
照明装置5を、照射方向が可変となるように、車幅方向の軸O1回りに回転調整可能に取り付ければ、走行機体3の後部周りの照射範囲を迅速に最適化できる。操縦桿4を起立可能とし、照明装置5を回転調整可能とすることで、照射範囲を任意に設定でき、高い位置からの広い照射が可能となる。すなわち、図1に仮想線で示すように、操縦桿4を起立させた状態で、下方に向けて照射する位置P1の他、照明装置5を上方に回転させた位置P2で後方横向きに照射させることができる。これにより、ハンドガイドローラでの作業以外に現場周辺を照らす作業灯としても利用でき、利便性が向上する。
【0020】
以上、本発明の好適な実施形態を説明した。照明装置5は、操作パネル7以外の操縦桿4の部位に取り付けてもよい。また、照明装置5をユニバーサルジョイント等を介して操縦桿4に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1 ハンドガイドローラ
2 ロール
3 走行機体
4 操縦桿
5 照明装置
7 操作パネル
図1
図2
図3