(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、予め現金、クレジットカード、あるいはモバイル端末を用いてプリペイドしておく必要がある。また、プリペイドカードのユーザによるキャッシュレス決済を、他のユーザが管理することができない。
【0006】
本発明は、管理者である親ユーザの管理の下で、決済手段を持ち得ない子ユーザがキャッシュレス決済を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るキャッシュレス決済装置は、
口座を管理する口座管理装置に管理されている親口座の利用者である親ユーザから、前記親口座に含まれる通貨を移動する先の子口座の作成の依頼を受け付け、前記子口座の作成を指示する子口座作成指示を前記口座管理装置に送信する子口座作成部と、
前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードを生成し、前記子口座の利用者である子ユーザにより所有される媒体に前記識別コードを付与するコード生成部とを備えた。
【0008】
前記キャッシュレス決済装置は、
前記子口座から前記子ユーザが支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する決済要求を、前記支払先から受信すると、前記子口座から前記支払先の口座に前記支払い金額を決済することを指示する決済指示を前記口座管理装置に送信する決済指示部を備えた。
【0009】
前記キャッシュレス決済装置は、
前記親ユーザによる前記子口座に対する処理の依頼を前記親ユーザから受け付け、前記子口座に対する処理を行う子口座処理指示を前記口座管理装置に送信する子口座処理部を備えた。
【0010】
前記子口座処理部は、
前記親ユーザにより前記子ユーザに使用が許可された金額の通貨を前記親口座から前記子口座に移動する依頼を、前記子口座に対する処理の依頼として受け付け、前記通貨を前記親口座から前記子口座に移動する前記子口座処理指示を前記口座管理装置に送信する。
【0011】
前記子口座処理部は、
前記子口座にチャージされている金額を参照する依頼を、前記子口座に対する処理の依頼として受け付け、前記子口座にチャージされている金額を取得する前記子口座処理指示を前記口座管理装置に送信する。
【0012】
前記子口座処理部は、
前記子口座にチャージされている金額の少なくとも一部を前記親口座に戻す依頼を、前記子口座に対する処理の依頼として受け付け、前記子口座にチャージされている金額の少なくとも一部を前記親口座に戻す前記子口座処理指示を前記口座管理装置に送信する。
【0013】
前記子口座処理部は、
前記子口座の利用を少なくとも一時停止する依頼を、前記子口座に対する処理の依頼として受け付け、前記子口座の利用を少なくとも一時停止する前記子口座処理指示を前記口座管理装置に送信する。
【0014】
本発明に係る支払先装置は、口座管理装置に管理されている口座を用いて支払先に決済するキャッシュレス決済装置と通信する前記支払先の支払先装置において、
前記口座管理装置に管理されている親口座に含まれる通貨がチャージされた子口座の利用者である子ユーザから、前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードが付与された媒体を介して提示された前記識別コードに含まれる前記子口座識別情報を読み取る読取部と、
前記子口座識別情報に基づいて、前記子口座から前記子ユーザが支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する決済要求を前記キャッシュレス決済装置に送信する決済要求部とを備えた。
【0015】
前記識別コードは、前記子ユーザの属性を表す属性情報を含み、
前記読取部は、
前記識別コードに含まれる前記属性情報を読み取り、
前記決済要求部は、
前記子ユーザの属性が前記属性情報と合致することを表す合致信号を受け付けると、前記決済要求を送信する。
【0016】
本発明に係るキャッシュレス決済システムは、口座管理装置に管理されている口座を用いて支払先に決済するキャッシュレス決済装置と、前記支払先の支払先装置とを有するキャッシュレス決済システムにおいて、
前記キャッシュレス決済装置は、
前記口座管理装置に管理されている親口座の利用者である親ユーザから、前記親口座に含まれる通貨を移動する先の子口座の作成の依頼を受け付け、前記子口座の作成を指示する子口座作成指示を前記口座管理装置に送信する子口座作成部と、
前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードを生成し、前記子口座の利用者である子ユーザにより所有される媒体に前記識別コードを付与するコード生成部と
を備え、
前記支払先装置は、
前記子ユーザにより前記媒体を介して提示された前記識別コードに含まれる前記子口座識別情報を読み取る読取部と、
前記子口座識別情報に基づいて、前記子口座から前記子ユーザが支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する決済要求を前記キャッシュレス決済装置に送信する決済要求部と
を備え、
前記キャッシュレス決済装置は、
前記支払先から前記決済要求を受信すると、前記子口座から前記支払先の口座に前記支払い金額を決済することを指示する決済指示を前記口座管理装置に送信する決済指示部を備えた。
【0017】
前記読取部は、
前記子ユーザからパスワードを受け付け、前記子口座識別情報と前記パスワードを前記キャッシュレス決済装置に送信し、
前記キャッシュレス決済装置は、
前記子口座識別情報と前記パスワードに基づいて、前記パスワードの正当性を判定し、前記パスワードの正当性の判定結果を前記支払先装置に送信する判定部を備え、
前記決済要求部は、
前記判定結果により前記子ユーザの正当である場合に、前記決済要求を送信する。
【0018】
前記識別コードは、二次元コードであり、
前記コード生成部は、前記二次元コードが付与された前記媒体を子口座カードとして生成する。
【0019】
本発明に係るキャッシュレス決済方法は、口座管理装置に管理されている口座を用いて支払先に決済するキャッシュレス決済装置と、前記支払先の支払先装置とを有するキャッシュレス決済システムのキャッシュレス決済方法において、
前記キャッシュレス決済装置の子口座作成部が、前記口座管理装置に管理されている親口座の利用者である親ユーザから、前記親口座に含まれる通貨を移動する先の子口座の作成の依頼を受け付け、前記子口座の作成を指示する子口座作成指示を前記口座管理装置に送信し、
前記キャッシュレス決済装置のコード生成部が、前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードを生成し、前記子口座の利用者である子ユーザにより所有される媒体に前記識別コードを付与し、
前記支払先装置の読取部が、前記子ユーザにより前記媒体を介して提示された前記識別コードに含まれる前記子口座識別情報を読み取り、
前記支払先装置の決済要求部が、前記子口座識別情報に基づいて、前記子口座から前記子ユーザが支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する決済要求を前記キャッシュレス決済装置に送信し、
前記キャッシュレス決済装置の決済指示部は、
前記支払先から前記決済要求を受信すると、前記子口座から前記支払先の口座に前記支払い金額を決済することを指示する決済指示を前記口座管理装置に送信する。
【0020】
本発明に係るキャッシュレス決済プログラムは、
口座を管理する口座管理装置に管理されている親口座の利用者である親ユーザから、前記親口座に含まれる通貨を移動する先の子口座の作成の依頼を受け付け、前記子口座の作成を指示する子口座作成指示を前記口座管理装置に送信する子口座作成処理と、
前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードを生成し、前記子口座の利用者である子ユーザにより所有される媒体に前記識別コードを付与するコード生成処理と
をコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明に係る支払先プログラムは、口座管理装置に管理されている口座を用いて支払先に決済するキャッシュレス決済装置と通信する前記支払先の支払先装置の支払先プログラムにおいて、
前記口座管理装置に管理されている親口座に含まれる通貨がチャージされた子口座の利用者である子ユーザから、前記子口座を識別する子口座識別情報を含む識別コードが付与された媒体を介して提示された前記識別コードに含まれる前記子口座識別情報を読み取る読取処理と、
前記子口座識別情報に基づいて、前記子口座から前記子ユーザが支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する決済要求を前記キャッシュレス決済装置に送信する決済要求処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るキャッシュレス決済装置によれば、管理者である親ユーザの管理の下で、子ユーザがキャッシュレス決済を安全かつ便利に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
【0025】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係るキャッシュレス決済システム500の構成について説明する。
キャッシュレス決済システム500は、キャッシュレス決済装置100と支払先装置200とを有する。
キャッシュレス決済装置100は、キャッシュレス決済サービスを提供するサービス提供システム1に備えられる。キャッシュレス決済装置100は、口座を管理する口座管理装置300と通信し、口座管理装置300に管理されている口座を用いて支払先に対して決済を行う。口座管理装置300は、通貨を扱う金融システム3に備えられる。ここで、金融システム3が扱う通貨には、法定通貨、デジタル通貨、地域通貨、仮想通貨、および電子マネーが含まれる。すなわち、口座管理装置300が管理する口座には、法定通貨、デジタル通貨、地域通貨、仮想通貨、および電子マネーのうちのどの通貨が預金されてもよい。
支払先装置200は、支払先に備えられる。支払先とは、例えば店舗といった小売店の小売システム2である。支払先装置200は、キャッシュレス決済装置100と通信しながら子ユーザ321によるキャッシュレス決済を実行する。
【0026】
キャッシュレス決済システム500では、親口座310を有する親ユーザ311が、親口座310の一部を子ユーザ321に上限付きで使わせることができるキャッシュレス決済サービスを提供する。本実施の形態では、子ユーザ321として、小さいこども、あるいは、お年寄りのように、現金、クレジットカード、あるいはモバイル端末を持たせることができないユーザを想定している。モバイル端末は、スマートフォンあるいはタブレットといったデバイスである。これらの子ユーザ321は、管理者である親ユーザ311の管理下で、キャッシュレス決済を行うことが好ましい。なお、親ユーザ311と子ユーザ321は同一の人物でも構わない。例えば、子口座320を、親ユーザ311本人の予備口座(保険口座)として利用することもできる。また、子ユーザ321は、親ユーザ311とは別人物のおとな、あるいは、法人といった組織でも構わない。
【0027】
子ユーザ321は、識別コード121が印刷された子口座カード190を店舗で提示することにより、キャッシュレス決済が可能となる。子口座カード190は、識別コード121が印刷といった手法により付与されていればよく、プラスチックカード、紙カード、あるいは単なる紙でも構わない。子口座カード190は、識別コード121が付与された媒体19であって、子ユーザ321により所有される媒体19の例である。なお、カードの表裏で異なる識別コード121を記載してもよい。キャッシュレス決済システム500では、これらの識別コード121が指定の順序で認識された場合のみ、これらの識別コード121を受け付ける機能を有していてもよい。これにより、写真等に写りこんだ識別コード121からカードが偽造されることを防ぐことができる。
【0028】
図2を用いて、本実施の形態に係るキャッシュレス決済装置100の構成を説明する。
キャッシュレス決済装置100は、コンピュータである。キャッシュレス決済装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0029】
キャッシュレス決済装置100は、機能要素として、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140と記憶部150とを備える。記憶部150には、口座関連情報151が記憶されている。
【0030】
子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部150は、メモリ921に備えられる。
【0031】
プロセッサ910は、キャッシュレス決済プログラムを実行する装置である。キャッシュレス決済プログラムは、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP(Digital Signal
Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0032】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0033】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。キャッシュレス決済装置100は、入力インタフェース930を介して、親ユーザ311から子口座作成依頼21および子口座処理依頼24を取得する。
出力インタフェース940は、ディスプレイあるいはプリンタといった出力機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia
Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。また、キャッシュレス決済装置100は、出力インタフェース940を介して、識別コード121をプリンタに出力する。
【0034】
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。キャッシュレス決済装置100は、通信装置950を介して、口座管理装置300に、子口座作成指示22、決済指示27、および子口座処理指示25を送信する。また、キャッシュレス決済装置100は、通信装置950を介して、口座管理装置300から、子口座識別情報23を受信する。また、キャッシュレス決済装置100は、通信装置950を介して、支払先装置200から決済要求26を受信する。
なお、キャッシュレス決済装置100は、通信装置950を介して、親ユーザ311から子口座作成依頼21および子口座処理依頼24を取得してもよい。また、キャッシュレス決済装置100は、通信装置950を介して、識別コード121をプリンタに出力してもよい。
【0035】
図3を用いて、本実施の形態に係る支払先装置200の構成を説明する。
支払先装置200は、コンピュータである。支払先装置200は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、通信装置950、および二次元コードリーダ960といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
なお、支払先装置200において、プロセッサ910、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950には、キャッシュレス決済装置100と同一符号を付している。これは、支払先装置200のハードウェアの説明を簡単にするためであり、これらのハードウェアは、キャッシュレス決済装置100と支払先装置200との各装置に個別に搭載されていることは明らかである。
【0036】
二次元コードリーダ960は、子ユーザ321により提示された子口座カード190に付与されている識別コード121を読み取る。識別コード121は、具体的には、QRコード(登録商標)である。あるいは、識別コード121は、バーコードのような他の二次元コードであってもよい。
【0037】
支払先装置200は、機能要素として、読取部210と決済要求部220とを備える。
読取部210と決済要求部220の機能は、ソフトウェアにより実現される。
支払先プログラムは、読取部210と決済要求部220の機能を実現するプログラムである。
【0038】
支払先装置200は、入力インタフェース930を介して、合致信号31あるいは非合致信号31aを取得する。
支払先装置200は、出力インタフェース940を介して、属性情報212をディスプレイに表示する。
支払先装置200は、通信装置950を介して、キャッシュレス決済装置100に決済要求26を送信する。
【0039】
キャッシュレス決済プログラムは、コンピュータであるキャッシュレス決済装置100にキャッシュレス決済処理を実行させる。また、支払先プログラムは、コンピュータである支払先装置200に支払先処理を実行させる。
キャッシュレス決済プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、キャッシュレス決済プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、キャッシュレス決済プログラムを実行する。キャッシュレス決済プログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置に記憶されているキャッシュレス決済プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、キャッシュレス決済プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。支払先プログラムにおいても、キャッシュレス決済プログラムと同様である。
【0040】
キャッシュレス決済装置100と支払先装置200の各装置は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、キャッシュレス決済プログラムの実行、あるいは支払先プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、キャッシュレス決済プログラムと支払先プログラムの各々を実行する装置である。
【0041】
キャッシュレス決済プログラムと支払先プログラムの各々により利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
【0042】
キャッシュレス決済装置100において、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また子口座作成処理とコード生成処理と決済指示処理と子口座対応処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。
支払先装置200において、読取部210と決済要求部220の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また読取処理と決済要求処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。
【0043】
キャッシュレス決済プログラムと支払先プログラムの各々は、上記の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、キャッシュレス決済方法は、キャッシュレス決済装置100がキャッシュレス決済プログラムを実行するとともに、支払先装置200が支払先プログラムを実行することにより行われる方法である。
キャッシュレス決済プログラムと支払先プログラムの各々は、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、キャッシュレス決済プログラムと支払先プログラムの各々は、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0044】
***動作の説明***
図4は、本実施の形態に係るキャッシュレス決済処理S100を示すフロー図である。
図5は、本実施の形態に係るキャッシュレス決済処理S100と子口座対応処理S110を示すシーケンス図である。
図5は、親ユーザ311、子ユーザ321、口座管理装置300、キャッシュレス決済装置100、および支払先装置200の間の処理シーケンスを表す。また、キャッシュレス決済処理S100と子口座対応処理S110は、キャッシュレス決済装置100の動作である。
図4と
図5を用いて、本実施の形態に係るキャッシュレス決済処理S100について説明する。
【0045】
<キャッシュレス決済処理S100>
ステップS101において、子口座作成部110は、親口座310の利用者である親ユーザ311から、親口座310に含まれる通貨を移動する先の子口座320の作成依頼を子口座作成依頼21として受け付ける。親口座310は、口座を管理する口座管理装置300に管理されている。具体的には、子口座作成部110は、入力インタフェース930を介して、親ユーザ311から子口座作成依頼21を取得する。あるいは、親ユーザ311は、スマートフォンあるいはタブレットといったモバイル端末、またはPC(Personal Computer)にダウンロードされたアプリケーションを用いて、子口座作成依頼21をキャッシュレス決済装置100に送信してもよい。また、上記モバイル端末またはPCにおいて、Web(World Wide Web)を利用してもよい。子口座作成依頼21には、親口座310を識別する親口座識別情報211と、子口座320の利用者である子ユーザ321の属性を表す属性情報212とが含まれる。
【0046】
ステップS102において、子口座作成部110は、子口座320の作成を指示する子口座作成指示22を口座管理装置300に送信する。子口座作成指示22には、親口座識別情報211が含まれる。口座管理装置300は、子口座作成指示22を受信すると、親口座識別情報211により識別される親口座310に対応付けられた子口座320を作成する。そして、口座管理装置300は、子口座320を識別する子口座識別情報23をキャッシュレス決済装置100に送信する。
ステップS103において、子口座作成部110は、口座管理装置300から子口座識別情報23を受信する。
【0047】
ステップS104において、コード生成部120は、子口座識別情報23を含む識別コード121を生成する。また、コード生成部120は、識別コード121に、子ユーザ321の属性を表す属性情報212を含める。識別コード121は、具体的には、QRコード(登録商標)である。コード生成部120は、子口座320の利用者である子ユーザ321により所有される媒体19に識別コード121を付与する。具体的には、コード生成部120は、出力インタフェース940を介して、識別コード121をプリンタに出力する。そして、プリンタにより識別コード121が媒体19に印刷される。媒体19は、プラスチックカード、紙カード、あるいは単なる紙でもよい。以降、識別コード121が付与された媒体19を子口座カード190という。子口座カード190は、子ユーザ321に渡され、子ユーザ321により所持される。
【0048】
ステップS105において、子口座作成部110は、親口座識別情報211と、子口座識別情報23と、属性情報212とを、口座関連情報151に設定する。
【0049】
図6を用いて、本実施の形態に係る口座関連情報151について説明する。
口座関連情報151には、親口座識別情報511と、子口座識別情報512と、属性情報513とが設定される。親口座識別情報511には、子口座作成依頼21に含まれる親口座識別情報211が設定される。子口座識別情報512には、口座管理装置300から受信した子口座識別情報23が設定される。属性情報513には、子口座作成依頼21に含まれる属性情報212が設定される。属性情報212には、子ユーザ321の年齢あるいは性別といった属性を表す情報が設定されている。また、属性情報212には、パスワードが設定されていてもよい。パスワードを用いたキャッシュレス決済方法については、実施の形態2で説明する。なお、パスワードには、指紋認証、虹彩認証、あるいは顔認証といった生体認証に利用される生体情報も含まれる。
【0050】
図4および
図5では、ステップS104において識別コード121を生成し、子口座カード190を作成した後に、ステップS105において口座関連情報151の設定を行っている。しかし、子口座作成部110が口座関連情報151の設定を行った後に、
図6に示すようにコード生成部120が口座関連情報151に設定されている情報を用いて、識別コード121を作成してもよい。すなわち、ステップS104とステップS105の順番を入れ替えてもよい。
【0051】
図7は、本実施の形態に係る子口座対応処理S110を示すフロー図である。
図5と
図7を用いて、本実施の形態に係る子口座対応処理S110について説明する。
【0052】
<子口座対応処理S110>
ステップS111において、子口座処理部140は、親ユーザ311による子口座320に対する処理の依頼を親ユーザ311から受け付ける。親ユーザ311による子口座320に対する処理の依頼を子口座処理依頼24とする。具体的には、子口座処理部140は、入力インタフェース930を介して、親ユーザ311から子口座処理依頼24を取得する。あるいは、親ユーザ311は、スマートフォンあるいはタブレットといったモバイル端末、またはPCにダウンロードされたアプリケーションを用いて、子口座処理依頼24をキャッシュレス決済装置100に送信してもよい。また、上記モバイル端末またはPCにおいて、Webを利用してもよい。
図5では、子口座処理部140は、親ユーザ311により子ユーザ321に使用が許可された金額の通貨を親口座310から子口座320に移動する依頼、すなわちチャージ依頼を、子口座処理依頼24として受け付けている。
【0053】
ステップS112において、子口座処理部140は、子口座320に対する処理を行う子口座処理指示25を口座管理装置300に送信する。
図5では、子口座処理部140は、通貨を親口座310から子口座320に移動する子口座処理指示25、すなわちチャージ指示を口座管理装置300に送信している。口座管理装置300では、子口座処理指示25に基づいて、親口座310から子口座320にチャージ金額分の通貨がチャージされる。口座管理装置300では、子口座320へのチャージが完了したことを示す処理結果をキャッシュレス決済装置100に送信してもよい。
【0054】
親ユーザ311は子ユーザ321の管理者として、子口座320へのチャージの他に、子口座320の参照処理、親口座310から子口座320へ通貨を戻す処理、および子口座320の一時停止あるいは廃止といった処理を依頼することができる。
【0055】
具体的には、子口座処理部140は、子口座320にチャージされている金額を参照する依頼を子口座処理依頼24として受け付ける。子口座処理部140は、子口座処理依頼24に基づいて、子口座320にチャージされている金額を取得する子口座処理指示25を口座管理装置300に送信する。口座管理装置300では、子口座処理指示25に基づいて、子口座320にチャージされているチャージ金額を取得し、チャージ金額を含む処理結果をキャッシュレス決済装置100に送信する。
また、子口座処理部140は、子口座320にチャージされている金額の少なくとも一部を親口座310に戻す依頼を子口座処理依頼24として受け付ける。子口座処理部140は、子口座処理依頼24に基づいて、子口座320にチャージされている金額の少なくとも一部を親口座310に戻す子口座処理指示25を口座管理装置300に送信する。
また、子口座処理部140は、子口座320の利用を少なくとも一時停止する依頼を子口座処理依頼24として受け付ける。子口座処理部140は、子口座処理依頼24に基づいて、子口座320の利用を少なくとも一時停止する子口座処理指示25を口座管理装置300に送信する。子口座320の利用を少なくとも一時停止する子口座処理依頼24には、期間を限定して子口座320を停止する依頼と子口座320を廃止する依頼とが含まれる。
【0056】
図8は、本実施の形態に係る支払先処理S200を示すフロー図である。
図9は、本実施の形態に係る支払先処理S200と決済指示処理S120を示すシーケンス図である。
図8は、親ユーザ311、子ユーザ321、口座管理装置300、キャッシュレス決済装置100、および支払先装置200の間の処理シーケンスを表す。支払先処理S200は、支払先装置200の動作である。決済指示処理S120は、キャッシュレス決済装置100の動作である。
【0057】
図8と
図9を用いて、本実施の形態に係る支払先処理S200について説明する。支払先処理S200とは、子ユーザ321が店舗といった支払先の小売システム2において支払いをする際の処理である。上述したように、子ユーザ321は、子口座320の利用者である。子口座320には、親ユーザ311により、口座管理装置300に管理されている親口座310に含まれる通貨がチャージされる。
【0058】
<支払先処理S200>
ステップS201において、支払い金額がタブレットのような表示機器により子ユーザ321に提示される。
ステップS202において、子ユーザ321から、識別コード121が付与された子口座カード190が提示される。具体的には、子ユーザ321は、タブレットに表示された支払い金額が正しいかを確認し、支払い金額が正しければ子口座カード190を提示する。
【0059】
ステップS203において、支払先装置200の読取部210は、提示された識別コード121に含まれる子口座識別情報23を読み取る。また、読取部210は、識別コード121に含まれる属性情報212を読み取る。具体的には、まず、二次元コードリーダ960により、QRコード(登録商標)である識別コード121を読み取る。読取部210は、二次元コードリーダ960から子口座識別情報23と属性情報212とを取得する。
【0060】
ステップS204において、決済要求部220は、子ユーザ321の属性が属性情報212に合致しているかを判定する。合致している場合は、ステップS205に進む。合致していない場合は、ステップS206に進む。
具体的には、読取部210は、二次元コードリーダ960から子口座識別情報23と属性情報212とを取得すると、属性情報212をタブレットに表示する。そして、例えば、支払先の店員が、タブレットに表示された子ユーザ321の属性と、子口座カード190を提示した子ユーザ321の属性とが合致しているかを判断する。支払先の店員は、合致していると判断した場合、タブレットから合致信号31を送信する。また、支払先の店員は、合致していないと判断した場合、タブレットから非合致信号31aを送信する。具体的には、読取部210は、属性情報212をタブレットに表示すると同時に、「属性はOKか」といった確認欄を表示する。そして、OKボタンが押されると、支払先装置200は、入力インタフェース930を介して、OKボタンの信号を合致信号31として取得する。また、NGボタンが押されると、支払先装置200は、入力インタフェース930を介して、NGボタンの信号を非合致信号31aとして取得する。
【0061】
ステップS205において、決済要求部220は、決済要求26をキャッシュレス決済装置100に送信する。決済要求26は、子口座識別情報23に基づいて、子口座320から子ユーザ321が支払いをする支払先の口座に支払い金額を決済することを要求する。具体的には、決済要求部220は、子ユーザ321の属性が属性情報212と合致することを表す合致信号31を受け付けると、決済要求26を送信する。決済要求26には、子口座識別情報23と、支払先の口座の情報と、支払い金額が含まれる。
【0062】
ステップS206では、決済要求部220は、「属性が合致しないため、決済できません」といったエラー表示をタブレットに表示する。
【0063】
図10は、本実施の形態に係る決済指示処理S120を示すフロー図である。
図8と
図10を用いて、本実施の形態に係る決済指示処理S120について説明する。
【0064】
<決済指示処理S120>
ステップS121において、決済指示部130は、支払先から決済要求26を受信する。
ステップS122において、決済指示部130は、子口座320から支払先の口座に支払い金額を決済することを指示する決済指示27を口座管理装置300に送信する。口座管理装置300は、決済指示27を受信すると、子口座320から支払先の口座に支払い金額を決済する。
【0065】
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態では、支払先装置200は、キャッシュレス決済装置100に決済要求を送信し、キャッシュレス決済装置100が口座管理装置300に決済指示を送信していた。しかし、支払先装置200は、直接、口座管理装置300に決済指示を送信してもよい。
なお、キャッシュレス決済装置100が一旦、決済要求を受信することにより、親ユーザ311が子ユーザ321を管理するための各種のサービスを提供することができる。親ユーザ311が子ユーザ321を管理するための各種のサービスの例には、決済要求が発生したことを親ユーザ311に知らせるサービス、あるいは、決済要求の支払い金額について親ユーザ311から承認をもらうサービスといった例がある。
【0066】
<変形例2>
本実施の形態では、キャッシュレス決済装置100において、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。また、本実施の形態では、支払先装置200において、読取部210と決済要求部220の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、読取部210と決済要求部220の機能がハードウェアで実現されてもよい。
【0067】
本実施の形態の変形例2に係るキャッシュレス決済装置100および支払先装置200について説明する。
キャッシュレス決済装置100および支払先装置200の各装置は、プロセッサに替えて電子回路を備える。
【0068】
キャッシュレス決済装置100において、電子回路は、子口座作成部110とコード生成部120と決済指示部130と子口座処理部140の機能を実現する専用の電子回路である。支払先装置200において、電子回路は、読取部210と決済要求部220の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。
キャッシュレス決済装置100および支払先装置200の各装置の機能要素は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、キャッシュレス決済装置100および支払先装置200の各装置の機能要素の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
【0069】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、キャッシュレス決済装置100および支払先装置200の各装置の機能要素は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0070】
<変形例3>
子口座に対する機能として、月次あるいは週次といった定期の定期オートチャージの機能を有していてもよい。
また、子口座の金額が一定金額を下回ったら、予め決めた金額を補充する閾値判断のオートチャージ機能を有していてもよい。オプション機能としては、例えば、親口座に十分な金額がない場合は、子口座に補充しない、あるいは、可能額のみ補充するといった機能がある。また、一定期間の総合計金額を別途確定しておき、このルールを優先し、総合計金額に達するまで補充を繰り返すといったオプション機能があってもよい。
【0071】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係るキャッシュレス決済装置では、管理者である親ユーザの管理の下で、決済手段を持ち得ない子ユーザがキャッシュレス決済を行うことができる。決済手段を持ち得ない子ユーザとは、例えば、スイカ(登録商標)等のNFC(Near Field Communication)、クレジットカード、デビットカードあるいはQRコード(登録商標)に代表されるモバイル決済といった手段を持ち得ない子ユーザである。よって、お年寄りあるいは小さい子どものように、キャッシュレス決済ができないユーザ、いわゆる支払難民あるいは決済難民を救済することができる。
【0072】
本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムでは、キャッシュレス決済装置が一旦、決済要求を受信する。よって、キャッシュレス決済装置が、決済要求の発生を親ユーザに知らせるサービス、あるいは、支払い金額について親ユーザの承認を得るサービス等を提供することができる。また、本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムでは、親ユーザによる子口座に対する処理の依頼を受け付け、子口座に対する処理を行う子口座処理指示を口座管理装置に送信する。よって、親ユーザが子ユーザを管理するための各種のサービスを提供することができる。
【0073】
現状の交通系あるいは流通系の非接触型ICカードあるいはプリペイドカードでは、盗難されると使われてしまうリスクが高い。しかし、本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムでは、子ユーザの属性をチェックする機能を有しているので、盗難された場合でも、使われてしまうリスクを低くすることができる。
【0074】
本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムでは、買手はモバイル端末といったデバイスを必要とせず、売手側も高価な読取装置は不要となる。また、チャージもオンラインで実施され、現金が介在しないため、物理的および時間的制約がなく、効率的な使用が可能となる。
【0075】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0076】
***構成の説明***
図11を用いて、本実施の形態に係るキャッシュレス決済装置100aの構成について説明する。本実施の形態に係るキャッシュレス決済装置100aは、実施の形態1のキャッシュレス決済装置100構成に加え、判定部160を備える。
判定部160は、支払先装置200から、子口座識別情報23とパスワード32を含む判定要求33を受信する。判定部160は、子口座識別情報23とパスワード32に基づいて、パスワード32の正当性を判定し、パスワード32の正当性の判定結果34を支払先装置200に送信する。
【0077】
図12を用いて、本実施の形態に係る支払先装置200aの構成について説明する。本実施の形態に係る支払先装置200aでは、読取部210がパスワード32を取得し、パスワード32の正当性を判定する判定要求33をキャッシュレス決済装置100aに送信する。また、決済要求部220は、キャッシュレス決済装置100aから判定結果34を受信し、パスワード32が正当である場合に決済要求26をキャッシュレス決済装置100aに送信する。
【0078】
***動作の説明***
図13を用いて、本実施の形態に係る支払先処理S200aについて説明する。
ステップS201からステップS204までの処理は、実施の形態1の
図8と同様である。
ステップS211において、読取部210は、入力インタフェース930を介して、パスワード32を取得する。具体的には、子ユーザ321の属性が属性情報212と合致すると判定されると、パスワード入力画面がタブレットに表示される。そして、子ユーザ321により、パスワード入力画面を介してパスワード32が入力される。
ステップS212において、読取部210は、子口座識別情報23とパスワード32とを含む判定要求33をキャッシュレス決済装置100aに送信する。判定要求33は、パスワード32が、子口座識別情報23により識別される子口座320に対応するものとして正当であるかを判定する要求である。
ステップS213において、決済要求部220は、キャッシュレス決済装置100aから判定結果34を受信し、パスワード32が正当であるか否かを判定する。パスワード32が正当であるとの判定結果34の場合、決済要求部220は、ステップS205に進む。パスワード32が正当でないとの判定結果34の場合、決済要求部220は、ステップS206に進む。
【0079】
ステップS205とステップS206は、実施の形態1の
図8と同様である。ただし、パスワード32が正当でない場合のエラー表示は、例えば、「パスワードが違うため、決済できません」といった内容となる。
【0080】
次に、
図14を用いて、本実施の形態に係る判定処理S130について説明する。
ステップS131において、判定部160は、支払先装置200から判定要求33を受信する。判定要求33には、子口座識別情報23とパスワード32が含まれる。
ステップS132において、判定部160は、子口座識別情報23とパスワード32と口座関連情報151とに基づいて、パスワード32の正当性を判定する。本実施の形態では、口座関連情報151の属性情報513に、パスワードが登録されているものとする。判定部160は、口座関連情報151において、判定要求33に含まれる子口座識別情報23に対応する属性情報513のパスワードと、判定要求33に含まれるパスワード32とを比較する。判定部160は、両者が一致すればパスワード32が正当であると判定し、両者が一致しなければパスワード32が正当でないと判定する。
ステップS132において、判定部160は、パスワード32が正当であると判定するとパスワード32が正当であるとの判定結果34を送信し、パスワード32が正当でないと判定するとパスワード32が正当でないとの判定結果34を送信する。
【0081】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムでは、決済時に子ユーザからパスワードを受け付ける。そして、キャッシュレス決済装置が、パスワードの正当性を判定する。よって、本実施の形態に係るキャッシュレス決済システムによれば、安全性の高いキャッシュレス決済サービスを提供することができる。
【0082】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1および2のキャッシュレス決済システムを応用したバリエーションについて説明する。
【0083】
図15は、A社の社員である利用者がタクシーを利用した場合の現状の立替え清算処理を説明する図である。
I.サービス利用時における(1−1)では、利用者がタクシーを利用する。現状では、タクシー乗車にあたり利用者は特段の準備は不要である。(1−2)において、利用者は、降車時に現金あるいはクレジットカードといった決済方法を指定して支払いを実施する。(1−3)において、タクシー側から利用者は領収書を受領する。
II.社内経理処理における(2−1)では、利用者は、A社のシステムへデータを登録するとともに、領収書を書面へ添付し、A社の経理管理部門に経費の申請を行う。(2−2)において、経理管理部門は、領収書の保存および管理を行い、領収書を現物保管するとともに、利用者に対して経費の申請に対する受付結果を通知する。(2−3)において、経理管理部門で集計の上、利用者毎の給与口座に振込み指示を行う。
III.振込処理(立替え清算)における(3−1)では、A社の経理管理部門は企業口座であるA社口座から、各利用者の給与口座である利用者口座への振込み指示を銀行に通知する。(3−2)では、利用者による振込み金額の確認が行われる。利用者は、立替分と振込み金額の差異を確認し、万が一、不一致の場合は社内関連部門との調整を行う。
【0084】
以上のように、現状では、社員である利用者が、社用でタクシー乗車といったサービスを利用した場合、利用者が代金を立て替え、経理管理部門に立替え申請を行う必要がある。また、経理管理部門は、領収書を現物保管するとともに、振込み指示を銀行に送信する必要がある。
【0085】
本実施の形態では、実施の形態1および2のキャッシュレス決済システムを応用して、A社の社員である利用者が経費を清算する態様について説明する。
【0086】
図16は、本実施の形態に係る次世代経費清算処理の一例を示す図である。
図16では、利用者が社用でタクシー会社のタクシーに乗車した場合に、利用者側が二次元コードを提示し、タクシー側が二次元コードを読み込む態様の次世代経費清算処理を示している。
【0087】
図16のI.サービス利用開始時における(4−1)では、キャッシュレス決済サービスを提供するサービス提供システムは、タクシー会社の収納代行企業として、タクシー会社と収納代行契約を結ぶ。A社は、キャッシュレス決済サービスを利用する利用企業である。(4−2)では、サービス提供システムは、A社と、キャッシュレス決済サービス契約を結ぶ。(4−3)では、サービス提供システムは、二次元コードを発行する。A社の社員である利用者は二次元コードを所持する。なお、二次元コードは、タクシー会社とA社との間でキャッシュレス決済を行うことが許可された利用者を認証する認証コードである。例えば、二次元コードには、利用者を特定する情報が含まれる。二次元コードは、具体的には、QRコード(登録商標)である。また、二次元コードは、カードあるいは紙に付与されていてもよいし、スマートフォンあるいはタブレットといったモバイル端末に表示されてもよい。
【0088】
次に、
図16II.サービス利用および清算時における(5−1)では、利用者にタクシー乗車サービスが提供される。タクシー側には、二次元コードリーダを有する小売システムに相当する装置が搭載される。小売システムに相当する装置をタクシー側装置とする。
(5−2)において、降車時に、利用者が二次元コードを提示する。タクシー側では、二次元コードリーダにより二次元コードを読み込む。利用者の二次元コード提示により利用者が特定される。
図17は、本実施の形態に係る二次元コードの読み取りの様子を示している。利用者が二次元コードを提示している。タクシーのドライバーといったタクシー側は、タクシー側装置の二次元コードリーダにより二次元コードを読み取る。
【0089】
二次元コードリーダが二次元コードを読み取ると、(5−3)において、タクシー側装置は、タクシーメータ等の乗車データと二次元コードの内容とを紐付け、請求データを作成する。タクシー側装置は、サービス提供システムとタクシー会社に、請求データを通知する。請求データは、サービス提供システムに送信される決済要求に相当する。サービス提供システムは、請求データを受信すると、請求データに含まれる利用者に、請求データを通知する。これにより、利用者は、請求データの内容が正しいか否かを確認できる。
(5−4)において、サービス提供システムは、請求データを集計して、利用企業であるA社に一括請求する。
(5−5)および(5−6)において、サービス提供システムは、利用企業からの支払い額から手数料を引き去り、残りをタクシー会社に支払う。なお、支払いタイミングは、利用企業であるA社からの入金前でも後でもよい。例えば、サービス提供システムは、金融システムの口座管理装置が管理しているA社口座からタクシー会社の口座に通貨を移動することを指示する決済指示を、口座管理装置に送信することで、支払いを行う。
【0090】
また、
図18は、本実施の形態に係る次世代経費清算処理の別例を示す図である。
図18では、利用者が社用でタクシー会社のタクシーに乗車した場合に、タクシー側が二次元コードを提示し、利用者が二次元コードを読み込む次世代経費清算処理を示している。
【0091】
I.サービス利用開始時における(4−1)と(4−2)は
図16と同様である。
(4−3)’において、利用者は、スマートフォンといったモバイル端末またはPCに専用アプリケーションをダウンロードして会員登録を実施する。また、上記モバイル端末またはPCにおいて、Webを利用してもよい。
【0092】
次に、
図18のII.サービス利用および清算時における(6−1)では、利用者にタクシー乗車サービスが提供される。タクシー側装置は、乗車履歴および請求内容が含まれる二次元コードを生成する。利用者の降車時には、タクシーのドライバーにより、二次元コードが提示される。二次元コードの提示により、乗車履歴および請求内容が特定される。
(6−2)において、利用者は、モバイル端末またはPCの専用アプリケーションを用いて、二次元コードを読み取る。また、上記モバイル端末またはPCにおいて、Webを利用してもよい。モバイル端末は、支払者、すなわち請求先のデータと、二次元コードの内容である乗車履歴および請求内容とを紐付け、請求データを作成する。
(6−3)において、モバイル端末は、タクシー側装置と、サービス提供システムと、A社とに、請求データを通知する。タクシー側装置は、請求データを受信すると、サービス提供システムとタクシー会社とに通知する。
(6−4)において、サービス提供システムは、請求データを集計して、利用企業であるA社に一括請求する。
(6−5)および(6−6)において、サービス提供システムは、利用企業からの支払い額から手数料を引き去り、残りをタクシー会社に支払う。なお、支払いタイミングは、利用企業であるA社からの入金前でも後でもよい。例えば、サービス提供システムは、金融システムの口座管理装置が管理しているA社口座からタクシー会社の口座に通貨を移動することを指示する決済指示を、口座管理装置に送信することで、支払いを行う。
【0093】
なお、本実施の形態では、タクシー会社を、A社の社員である利用者にタクシー乗車サービスを提供する会社として説明した。その他にも、宿泊施設、交通機関、あるいは、飲食店のように、利用者が社用で利用するサービスであればどのようなサービスでも適用することができる。
【0094】
本実施の形態に係る次世代経費清算処理によれば、利用者は、社内経費申請の手間がなくなる。
【0095】
本実施の形態に係る次世代経費清算処理によれば、利用者所属企業では、領収書の保存および管理業務が不要になる。また、利用者所属企業では、立替え金額の清算に伴う振込処理が不要になる。また、利用者所属企業では、振込回数が削減されるため、銀行への手数料を削減できる。また、利用者所属企業では、経費の利用状況等の可視化が促進されるため、予算統制等が強化される。
【0096】
本実施の形態に係る次世代経費清算処理によれば、タクシー側では、クレジットカード等の読取端末が不要になり、現金の扱いも減る。また、通常、タクシー側では、利用顧客がどこの企業に所属しているかは、知ることができない。しかし、本実施の形態に係る次世代経費清算処理によれば、利用企業とその従業員の利用履歴から、効率的な配車を実現するためのデータを取得することができる。
【0097】
以上の実施の形態1から3では、キャッシュレス決済システムの各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、キャッシュレス決済システムの各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。キャッシュレス決済システムの各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、キャッシュレス決済システムの各装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1から3のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これら実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1から3では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0098】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明の範囲、本発明の適用物の範囲、および本発明の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。