【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)使用者が腕に装着する腕時計であって、
前記使用者に対する異常事態の発生を判定するための判定情報を取得する取得部と、
通知先と通信する通信部と、
前記判定情報に基づいて前記異常事態が発生しているか否かを判定し、前記異常事態が発生している時、前記異常事態の発生を示す異常発生情報を前記通知先に前記通信部を介して送信する制御部と、
前記腕時計の本体ケースにおいて前記使用者の腕に沿うように湾曲した部分にあり、時刻を表示する表示部と、
前記本体ケースの湾曲した部分において前記腕時計を装着する使用者から見て前記表示部の上側にあり、撮像方向が上側に傾斜する第1撮像部と、
前記本体ケースの湾曲した部分において前記腕時計を装着する使用者から見て前記表示部の下側にあり、撮像方向が下側に傾斜する第2撮像部と
を有することを特徴とする腕時計。
(2)
前記本体ケースの湾曲した部分において、前記腕時計を装着する使用者から見て前記第2撮像部の下側にある第1ボタンを有し、
前記制御部は、前記第1ボタンが押されると、前記異常発生情報を前記通知先に前記通信部を介して送信することを特徴とする(1)に記載の腕時計。
(3)
前記本体ケースの側面にある設定操作のための第2ボタンを有し、
前記第1ボタンは、前記第2ボタンよりも大きいことを特徴とする(2)に記載の腕時計。
(4)
前記本体ケースの湾曲した部分において、前記腕時計を装着する使用者から見て前記第1撮像部の上側にあり、音声を出力する音声出力部を有し、
前記制御部は、前記通知先から送信された音声出力の指示情報を前記通信部が受信した時、前記指示情報に応じた音声を前記音声出力部から出力させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の腕時計。
(5)
前記第1撮像部の撮像方向と前記第2撮像部の撮像方向とは、45度の角度で交わることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の腕時計。
(6)
前記腕時計を装着する使用者から見て前記第1撮像部の側方にあり、前記第1撮像部の撮像を補助する第1点灯部と、
前記腕時計を装着する使用者から見て前記第2撮像部の側方にあり、前記第2撮像部の撮像を補助する第2点灯部と、を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一つに載の腕時計。
(7)
使用者が腕に装着する腕時計であって、
前記腕時計の位置情報を取得する取得部と、
通知先と通信する通信部と、
前記使用者が辿るべきルートが登録されるメモリと、
前記取得部が取得する位置情報と前記メモリに登録されたルートとに基づいて異常事態の発生の有無を判定し、異常事態が発生したと判定すると、異常事態の発生を示す異常発生情報を前記通知先に前記通信部を介して送信する制御部と、
を有することを特徴とする腕時計。
(8)
前記制御部は、前記取得部が取得する位置情報によるルートと前記メモリに登録されたルートとのずれに基づき、異常事態の発生の有無を判定することを特徴とする(7)に記載の腕時計。
(9)
前記メモリには、使用者が辿るべきルートの各地点の通過時刻が登録され、
前記制御部は、前記取得部が取得する位置情報に基づく前記各地点の通過時刻と、前記メモリに登録された前記各地点の通過時刻とのずれに基づき、異常事態の発生の有無を判定することを特徴とする(7)又は(8)に記載の腕時計。
(10)
使用者の脈拍数を取得する脈拍数取得部と、
前記腕時計の外部の音を取得する音取得部と、を有し、
前記制御部は、前記取得部が取得する位置情報によるルートと前記メモリに登録されたルートとのずれが基準レベルを超えると異常事態の発生と判定し、または、前記取得部が取得する位置情報に基づく前記各地点の通過時刻と、前記メモリに登録された使用者が辿るべきルートの各地点の通過時刻とのずれが基準レベルを超える場合に異常事態の発生と判定し、
前記脈拍数取得部が取得する使用者の脈拍数の変化のパターンと、前記メモリに登録される基準のパターンとのずれが、前記メモリに登録される基準レベルを超える場合に異常事態の発生と判定し、
前記音取得部が取得する前記腕時計の外部の音量が、前記メモリに登録される基準レベルを超える場合に異常事態の発生と判定し、
前記ルートの前記基準レベル、脈拍の前記基準レベル、および音量の前記基準レベルは、複数のレベルの中から受け付けたレベルに一括して登録することを特徴とする(7)に記載の腕時計。
(11)
前記ルートは、登校ルートおよび下校ルートであることを特徴とする(7)〜(10)のいずれか一つに記載の腕時計。 実施形態のウェアラブル端末は、使用者が装着するウェアラブル端末であって、前記使用者に対する異常事態の発生を判定するための判定情報を取得する取得部と、所定の通知先と通信する通信部と、前記判定情報に基づいて前記異常事態が発生しているか否かを判定し、前記異常事態が発生している時、前記異常事態の発生を示す異常発生情報を前記通知先に前記通信部を介して送信する制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
実施形態のウェアラブル端末では、子供等の使用者に異常事態が急に発生した場合でも、制御部が、取得部が取得する判定情報に基づいて使用者に対する異常事態の発生を判定する。そして、制御部が異常事態の発生を示す異常発生情報を、保護者等の通知先に自動的に送信するので、実施形態では、使用者の手動による操作なしに通知先の人間に異常事態の発生を伝えることができる。
【0008】
実施形態は、前記使用者の応答を要請する応答要請情報の出力の指示情報を前記通知先から前記通信部が受信した時、前記応答要請情報を前記使用者に報知する報知部と、前記応答要請情報に対する応答情報を前記使用者の操作によって入力するための第1入力部と、を有し、前記制御部は、前記第1入力部に前記応答情報が入力された時、前記応答情報を前記通知先に前記通信部を介して送信してもよい。
【0009】
実施形態では、「大丈夫?」等の使用者の応答を要請する応答要請情報の出力の指示情報を通知先から通信部が受信する時、報知部が「大丈夫?」等の応答要請情報を、テキスト表示したり音声メッセージとして出力したりすることにより使用者に報知する。応答要請情報に対する「大丈夫だよ」等の応答情報を使用者が第1入力部に入力すると、制御部は、応答情報を通知先に送信する。実施形態によれば、保護者等の通知先が使用者の安否を確認できる。
【0010】
実施形態は、音声を出力する音声出力部を有し、前記制御部は、前記通知先から送信された音声出力の指示情報を前記通信部が受信した時、前記指示情報に応じた音声を前記音声出力部から出力させてもよい。
【0011】
実施形態によれば、保護者等の通知先が異常発生情報を受信した際に、子供等の使用者のウェアラブル端末から例えば「大丈夫?」、「現場に直行する!!」、「助けて!!」等の音声を出力させることができ、使用者の応答を待ったり、使用者を襲う犯人を使用者から遠ざけるようにしたり、周囲の人に助けを求めることができる。
【0012】
実施形態では、前記判定情報は、前記ウェアラブル端末の位置を示す位置情報、前記使用者の脈拍数を示す情報、前記ウェアラブル端末の加速度を示す情報、および前記ウェアラブル端末の外部の音を示す情報の少なくとも1つであってもよい。
【0013】
実施形態によれば、制御部は、例えば位置情報に基づいて、子供等の使用者の登校ルートや下校ルートが設定されたルートから一定以上ずれた場合に異常事態が発生していると判定する。あるいは、制御部は、使用者の腕の加速度を示すウェアラブル端末の加速度や、外部の音量が、通常起こりえない値をとった場合に異常事態の発生と判定する。あるいは、制御部は、例えば脈拍数の変化が通常起こりえないパターンを示した時、異常事態が発生していると判定する。ウェアラブル端末が例えばこのように構成されることにより、制御部は、使用者に異常事態が発生しているか否かを自動的に判定できる。
【0014】
実施形態は、前記ウェアラブル端末の外部を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した画像を記憶するメモリ部と、を有し、前記制御部は、前記異常事態が発生している時、前記メモリ部に記憶された前記画像を前記通知先に前記通信部を介して送信してもよい。
【0015】
実施形態は、前記ウェアラブル端末の外部の音を取得する音取得部と、前記音取得部が取得した音を記憶するメモリ部と、を有し、前記制御部は、前記異常事態が発生している時、前記メモリ部に記憶された前記音の情報を前記通知先に前記通信部を介して送信してもよい。
【0016】
実施形態によれば、制御部は、通知先に異常発生情報を送信する際に、使用者を襲ったりした犯人の画像や、犯人との会話を送ることができる。また、実施形態では、犯人がウェアラブル端末を使用者から剥ぎ取ったり壊したりする場合、制御部が自動的に異常事態の発生と判定することができるので、ウェアラブル端末が剥ぎ取られたり壊されたりする前に犯人の画像や犯人との会話を通知先に送ることができる。
【0017】
実施形態は、前記異常発生情報を前記使用者の操作によって入力するための第2入力部を有し、前記制御部は、前記第2入力部に前記異常発生情報が入力された時、前記異常発生情報を前記通知先に前記通信部を介して送信してもよい。
【0018】
実施形態によれば、使用者が周辺に不安を感じた際等に第2入力部を操作することで、通知先に異常発生情報を通知でき、通知先に助けを求めることができる。