(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバー部材は、前記カバー部材の短手方向に沿う両端部に、前記複数の爪部のうち前記平板部の短手方向に沿う両端に位置する前記爪部に向かって突出する係合片が設けられ、
前記複数の爪部のうち、前記発光素子基板を係止した前記一対の爪部を除く他の一対の爪部の間、及び、前記複数の爪部のうち前記平板部の短手方向に沿う両端に位置する前記爪部と前記係合片との間、の少なくとも何れか一つ以上に反射部材が設けられる、請求項3に記載の発光ユニット。
前記平板部は、前記平板部の短手方向の中央部に前記複数の係止部を備えた発光面部と、前記発光面部の短手方向の両端から前記カバー部材に向かって拡開する反射面部と、前記反射面部の短手方向の両端から前記反射面部の延在方向とは逆側に折り返す締結面部と、を備え、
前記カバー部材は、前記カバー部材の短手方向の中央部に前記発光面部と対向する透光面部と、前記透光面部の短手方向の両端から前記平板部に向かって拡開する傾斜透光面部と、前記傾斜透光面部の短手方向の両端から前記締結面部の短手方向外側を覆うように延在するカバー面部と、を備え、
前記締結面部と前記カバー面部との短手方向両側の重合面間及び前記カバー面部の短手方向両側間の少なくとも一方の内面に跨る補強部材を備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の発光ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る照明装置について、図を用いて説明する。なお、以下の実施形態において、照明装置が天井に取り付けられた場合に天井と対向する方向を照明装置の上方向とし、床方向を照明装置の下方向として説明する場合がある。また、図中、照明装置が天井に取り付けられた場合に鉛直上向き方向(天井方向)をZ方向、床方向を−Z方向とする場合がある。このとき、長尺形状の照明装置の長手方向の一方向をX方向、他方向を−X方向とし、長尺形状の照明装置の幅方向の一方向をY方向、他方向を−Y方向とする場合がある。更に、照明装置は、基本的に幅方向の中央部を境界として対称であるため、照明装置の幅方向の両側に共通の構成を説明する場合、照明装置の幅方向のいずれか一方の側にのみ符号を付し、他方の側の符号は省略する。したがって、照明装置の幅方向の片側の符号が省略されている場合、照明装置の幅方向の中央部を境界とする両側で符号は共通である。また、図において説明のため符号にアルファベットを用いた部材があるが、明細書中ではアルファベットを省略する場合がある。この場合、複数存在する同形状の部材全体を指すものとする。
【0011】
[照明装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、照明装置1の構成を示す分解斜視図であり、
図2(a)は、照明装置1の上方向からの分解斜視図、
図2(b)は、照明装置1の下方向からの分解斜視図である。また、
図3(a)は、発光ユニット20の下方向からの正面透視図、
図3(b)は、発光ユニット20の下方向からの透視斜視図である。さらに、
図4は、照明装置1の構成を示す、照明装置1の短手方向の斜視断面図である。
図1に示すように、照明装置1は、例えば天井又は壁等の被取付面に取り付けられる照明装置用の器具本体(以下、「器具本体」と称する)10と、器具本体10に取り付けられる発光ユニット20と、を備える。なお、ここでは照明装置1として、器具本体10が吊りボルトにより造営材の被取付面に直接取り付けられる、W字型(具体的には「V ̄V」が連続した形状)の照明装置(「直付逆富士型」と称する)について説明するが、器具本体10としては、これに限られるものではない(詳細は後述する)。
【0012】
器具本体10及び発光ユニット20は、いずれも長手方向を揃えた長尺状である。器具本体10は、下方向に開口した凹形状の収容凹部111を有し、収容凹部111に発光ユニット20が取り付けられる。発光ユニット20は光を照射する機能を有し、器具本体10に取り付けられた際、少なくとも一部が、収容凹部111内に位置する。また、発光ユニット20は、
図4に示すように、器具本体10に取り付けられた場合、短手方向の両側面の一部が凹形状の器具本体10の内壁面の一部と当接する形状となっている。
【0013】
[器具本体]
器具本体10は、取付部材11、側板12(12a及び12b)、バネ部13(13a及び13b)、端子台14、吊りボルト用孔部15及び電力供給ケーブル用孔部16を備える。取付部材11は、照明装置1におけるシャーシであり、合板等の材料を曲げ加工することにより、発光ユニット20のカバー部材21が入り込む下方向の開口が形成されている。取付部材11は、造営材の被取付面と対向する板状の平面部112を有し、平面部112は、照明装置1を被取付面に取り付けるための吊りボルト用孔部15や、電力供給ケーブルを照明装置1内に引き込むための電力供給ケーブル用孔部16等を備える。側板12a,12bは、照明装置1において取付部材11の長手方向の両端の開口部分に取り付けられる閉塞部材であり、例えば金属材料や樹脂材料で形成される。
【0014】
バネ部13は、後述する発光ユニット20のバネ受け25と係合されることにより、発光ユニット20を器具本体10の収容凹部111に取り付けた状態を維持する機能を有する。端子台14には、天井又は壁等の被取付面から導出されて、後述する発光素子51に電力を供給する電源部との間を電気的に接続する電力供給ケーブルが接続される。端子台14は、例えばネジ等により取付部材11に取り付けられる。吊りボルト用孔部15は、
図2(a),(b)に示す吊りボルト30により、天井又は壁等の造営材Bを被取付面として器具本体10を取り付けるのに設けられる。電力供給ケーブル用孔部16は、天井又は壁等の被取付面から導出された電力供給ケーブルを器具本体10の収容凹部111内に引き込むために設けられる。
【0015】
<第1の実施形態>
[発光ユニット]
図5は、第1の実施形態に係る発光ユニット20の短手方向の断面図である。
図5に示す発光ユニット20は、
図1〜
図4に示すものと同一である。図に示すように、発光ユニット20は、例えばLED素子等の複数の発光素子51が実装された、長尺状の発光素子基板50と、当該発光素子基板50(すなわち、発光素子51)を覆う、長尺状かつ管状で樹脂製のカバー部材21と、電源部18(
図6,7,13)とを備える。カバー部材21は、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリプロピレン等の透光性を有する材料に拡散剤を混入させて、乳白色や白色透明等に形成される。また、カバー部材21は、上述のような材質を用いて、押出成形によって形成される。また、カバー部材21の外周面であって、器具本体10に取り付けられた際に器具本体10の平面部に対向する面(天井面側の面)には、バネ受け25を装着するためのバネ受け用爪部24が設けられている。バネ受け用爪部24は、互いに対向する対となっており、カバー部材21の長手方向に沿って形成される。バネ受け25は、例えば板金の折り曲げ加工によって形成され、器具本体10のバネ部13に対応する位置で、対向するバネ受け用爪部24にその両端部が挿入される。バネ受け25とバネ受け用爪部24とは、ネジ等の締結手段によって固定されてもよい。また、カバー部材21は、器具本体10の内壁面の一部と当接する面から床方向に向かう面に、凹部23が設けられている。これは、発光ユニット20に指を引掛けやすくし、発光ユニット20の器具本体10への取付け及び取外しを容易にするという利点がある。しかしながらこの構造は必須ではなく、凹部23はなくともよい。
【0016】
発光素子基板50は、例えばガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、メタル基板等から成り、片面に複数の発光素子51が実装されている。発光素子基板50の幅は、例えば8mm幅のものを用いてもよい。なお、第1の実施形態として、発光素子基板50が4枚の場合を示してあるが、発光素子基板50は4枚に限らず、例えば2枚であっても、1枚であってもよい(詳細は後述する)。
【0017】
第1の実施形態にかかる発光ユニット20において、発光素子基板50は、カバー部材21の平板部27に配され、当該平板部27に設けられた樹脂製の係止部26によって係止されている。係止部26は、互いに対向する一対の爪部26a〜26dを有し、爪部26a〜26dは、平板部27の長手方向に沿って形成されている。ここで、係止部26としての爪部26a〜26dは、平板部27から立ち上がるように形成されている。なお、第1の実施形態において、発光ユニット20は、短手方向に発光素子基板50を2列配置可能な爪部を2対(26aと26bとの対、及び、26cと26dとの対)有する。発光素子基板50は、平板部27の長手方向の端部から、その幅方向の両側を対となる爪部26a〜26dに挿入させることによって、係止部26に係止される。第1の実施形態にかかる発光ユニット20は、平板部27の長手方向の両端部からそれぞれ係止部26に挿入された2枚の発光素子基板50が、発光ユニット20の長手方向の中心で当接する。なお、発光ユニット20と同じ長さの発光素子基板50を2枚、2列配する構成でもよい。この場合、平板部27の一端から他端へと、発光素子基板50を係止部26へ挿入させればよい。なお、
図5において、2対の爪部は断面を逆T字型で示してあるが、爪部は、対となる爪部の開口側が互いに対向するように、断面をL字型に形成されてもよい。また、爪部26bと爪部26cとの間に発光素子基板50を挿入し、発光ユニット20の短手方向に3列配置してもよい。さらに、爪部26bと爪部26cとの間に発光素子基板50を挿入し、爪部26aと爪部26bとの間及び爪部26cと爪部26dとの間に発光素子基板50を挿入しないという1列だけの配置にしてもよい。
【0018】
なお、
図3(b)や
図5に示すように、カバー部材21は、その短手方向の断面において発光素子基板50を囲んでおり、カバー部材21、平板部27、及び発光素子基板50は、熱的に面で結合されている。第1の実施形態にかかる発光ユニット20において「熱的に面で結合されている」とは、平板部27と発光素子基板50とが、必ずしも全面に亘って接触している必要はないことを意味する。すなわち、平板部27に発光素子基板50を係止させた場合に、平板部27から発光素子基板50が浮いていてもよい。
【0019】
上述のように、第1の実施形態によれば、発光ユニット20の平板部27に発光素子基板50を係止するための係止部26が設けられ、発光素子基板50が平板部27に配される。従って、コスト及び重量増加の原因となる板金製のヒートシンクを用いる必要がなく、コスト及び重量を削減することができる。また、発光素子51をカバーする機能を有するカバー部材21は、発光素子基板50を係止する係止部26、バネ受け25を装着するバネ受け用爪部24を一体として押出成形によって容易に作成することができる。また、カバー部材21にそれらの部材が一体に設けられているため、部品数が減り、組み立て工数を削減することができる。
【0020】
さらに、発光素子基板50として8mm幅のものを2列分用いることで、従来、発光素子基板として用いられてきた、例えば20mm幅に発光素子51を2列実装したものと比較して、コストを抑えることができる。なお、8mm幅に発光素子51を1列実装した発光素子基板50の2列分で、20mm幅の発光素子基板に発光素子を2列実装した発光素子基板と、同等の明るさを実現することができる。また、上述では、発光素子基板50を発光ユニット20の短手方向に2列配する態様について説明したが、爪部(係止部)26に係止させる発光素子基板50の枚数を変えることによって、発光ユニット20の照射光の明るさを変化させることができる。例えば、
図5に示す発光ユニット20の場合、爪部26bと26cとの間に、発光素子基板50をさらに係止させることができる。これにより、共通のカバー部材21で、複数の明るさの発光ユニット20を実現することができる。すなわち、部材の共通化による多機種製造が可能となり、コストの削減が可能となる。
【0021】
[電源部]
次に、発光ユニット20に電力を供給する電源部について説明する。
図6,7は、本発明の一実施形態に係る発光ユニット20の電源部を説明する図である。
図6,7において、(a)は照明装置1の短手方向の断面図、(b)は照明装置1の長手方向の断面図であり、
図6(c)は照明装置1を下方向からみた正面図、
図7(c)は、照明装置1を上方向からみた背面図である。
図6,7に示すように、本発明の一実施形態によれば、電源部18は、カバー部材21に直接取り付けられている。また、電源部として第1の電源部18a、第2の電源部18bと2つの電源部を有し、それら電源部18a,18bは、カバー部材21の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。なお、
図6,7において、発光ユニット20として第1の実施形態に係る発光ユニット20を示してあるが、電源部18は、後述する第2〜第4の実施形態に係る発光ユニット20に対しても同様に用いることができる。
【0022】
まず、
図6の実施形態について説明する。
図6に示すように、第1の電源部18a及び第2の電源部18bは、管状のカバー部材21の管の内側に、カバー部材21の長手方向の両端にそれぞれ設けられている。電源部18は、発光素子51の点灯回路(即ち、電源回路)を備える電源基板や、発光素子51へ電力を供給する配線(図示せず)を内部に収納する、例えばプラスチック、アルミニウム又はステンレス等の材料から成る筐体であってもよい。なお
図6の場合、カバー部材21を通して電源部18が目視されるため、筐体としては、プラスチックであれば透明度を落としたりして、内部の電源回路等が透視されない素材とする方が好適である。またステンレスやアルミニウムで筐体が作成された場合、ヒートシンクの機能を兼用することができる。図は省略してあるが、電源部18に収容された電源回路は、例えば、電力供給ケーブル19から供給される交流電力を直流に変換し、その出力(即ち、直流電力)を発光素子51に供給する。電源部18は、例えば、筐体に設けられた図示しない係合部または嵌合部などの係止手段や、ネジ等の締結部材によって、カバー部材21の天井面側に固定されていてもよい。
【0023】
なお、カバー部材21の両端に固定された電源部18a,18bによって、複数の発光素子基板50に供給する電力が分担される。例えば、発光素子基板50が2列配された場合、各電源部18a,18bが、発光素子基板50の1列それぞれに電力を供給してもよい。これに対し、電源部18を単体で用い、2列の発光素子基板50に電力を供給した場合、電源部18が高温となって、発光素子51の発光効率が低下するという問題がある。上述のように電源部を2つに分割し、それぞれの電源部18a,18bが発光素子基板50単体のみを発光させることで、上記の問題を解消することができる。また、電源部18をカバー部材21の内側に設置するため、電源部18から発光素子基板50への配線の引き回しを少なくすることができる。また、器具本体10の収容凹部111内に電源部18が存在しないため、収容凹部111内の各種配線がし易いという利点もある。
【0024】
次に、
図7の実施形態について説明する。
図7に示すように、第1の電源部18a及び第2の電源部18bは、器具本体10に発光ユニット20が収容された場合に、管状のカバー部材21の管の外側に、器具本体10とカバー部材21との間に位置するように設けられる。電源部18の構造や機能は、
図6と同様であるため省略する。
図7の実施形態の場合、電源部18が発光ユニット20の使用時に目視できる位置にないため、電源部18の筐体の材質に自由度がある。また、
図6の実施形態と比較して、カバー部材21の端部に電源部18が存在しないため、発光ユニット20の端部まで光らせることができる。
【0025】
<第2の実施形態>
[発光ユニット]
次に、本発明の第2の実施形態にかかる発光ユニット20について、
図8を用いて説明する。なお、
図8において、取付部材11、バネ受け25、バネ受け用爪部24、凹部23、発光素子基板50及び発光素子51については、第1の実施形態に係る発光ユニット20と同様であるため説明を省略する。第2の実施形態において、カバー部材21は、発光素子基板50を配置可能な幅を有する面が、短手方向の断面において天井面側に凸状に、発光素子基板50を配置可能な深さに形成された平板部27を有する。平板部27は、発光ユニット20の長手方向に長尺状になっており、係止部としての爪部26e〜26hが設けられている。ここで、爪部26f及び26gは、第1の実施形態と同様に平板部27から立ち上がるように形成されているが、爪部26e及び26hは、平板部27の短手方向の両縁部の下側に、カバー部材21の天井面側の面を延伸させて形成されている。発光素子基板50の配置方法等については、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0026】
なお、カバー部材21、平板部27、及び発光素子基板50は、熱的に面で結合されている。第2の実施形態にかかる発光ユニット20において「熱的に面で結合されている」とは、平板部27と発光素子基板50とが、必ずしも全面に亘って接触している必要はないことを意味する。すなわち、平板部27に発光素子基板50を係止させた場合に、平板部27から発光素子基板50が浮いていてもよい。
【0027】
第2の実施形態に係る発光ユニット20も、第1の実施形態と同様に、コスト及び重量増加の原因となる板金製のヒートシンクを用いる必要がなく、コスト及び重量を削減することができる。また、部品数が減り、組み立て工数を削減することができる。さらに、部材の共通化による多機種製造が可能である。なお、押出成形でカバー部材21を形成する場合、爪部の形状として、平板部27から立ち上がる形状の爪部26a〜26d,26f,26gよりも、面を延伸させて形成した爪部26e,26hの方が形成し易いというメリットがある。従って、カバー部材21の成形時の歩留まりを上げることが可能となる。
【0028】
<第3の実施形態>
[発光ユニット]
次に、本発明の第3の実施形態にかかる発光ユニット20について、
図9を用いて説明する。なお、
図9において、取付部材11、バネ受け25、バネ受け用爪部24、凹部23、発光素子基板50及び発光素子51については、第1、第2の実施形態に係る発光ユニット20と同様であるため説明を省略する。第3の実施形態において、発光素子基板50は、長尺状の樹脂製の平板部40に配され、当該平板部40に設けられた樹脂製の係止部としての爪部46a,46bと、カバー部材21に設けられた係止部としての爪部26i,26kによって係止されている。なお、爪部46a,46bは、平板部40の長手方向に沿って形成されている。カバー部材21に設けられた爪部26i,26kは、第2の実施形態に係る発光ユニット20における爪部26e,26hと同様であるため説明を省略する。
【0029】
第3の実施形態において、平板部40と係止部46とは、カバー部材21とは別体の基板固定部材42を構成している。基板固定部材42は、材質として例えばポリカーボネート等を用いて、白色等の不透明に、押出成形によって発光ユニット20と同一の長尺に形成される。なお、基板固定部材42の材質としては、ポリカーボネートに高反射剤を混入させたもの(高反射ポリカーボネート)を用いてもよい。基板固定部材42の材質に高反射ポリカーボネートを用いた場合、発光素子51からの照射効率を向上させるための反射シートを別途用いる必要がない、という利点がある。
【0030】
第3の実施形態において、カバー部材21は、基板固定部材42を配置可能な幅を有する面が、短手方向の断面において天井面側に凸部を形成する平板部27を有する。なお、平板部27は、発光素子基板50が配置された基板固定部材42を配置可能な深さに形成されている。第3の実施形態では、発光素子基板50を基板固定部材42に係止させた後に、基板固定部材42をカバー部材21の爪部26i,26kに挿入することによって、発光素子基板50をカバー部材21に配置してもよい。この場合、基板固定部材42に発光素子基板50を載置させる際に、基板固定部材42の長手方向の端部から発光素子基板50を挿入させるのではなく、基板固定部材42の短手方向から、発光素子基板50と基板固定部材42の長尺を合わせるように、爪部26i又は26kに発光素子基板50を挟み込ませてもよい。
【0031】
なお、カバー部材21、平板部40、及び発光素子基板50は、熱的に面で結合されている。「熱的に面で結合されている」とは、カバー部材21と平板部40、又は、平板部40と発光素子基板50とが、必ずしもそれら全面に亘って接触している必要はないことを意味する。すなわち、カバー部材21と平板部40とを係合させた場合に、カバー部材21から平板部40が浮いていてもよく、また、平板部40に発光素子基板50を係止させた場合に、平板部40から発光素子基板50が浮いていてもよい。
【0032】
第3の実施形態に係る発光ユニット20も、第1及び第2の実施形態と同様に、コスト及び重量増加の原因となる板金製のヒートシンクを用いる必要がなく、コスト及び重量を削減することができる。
【0033】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係る発光ユニット20について、
図10を用いて説明する。なお、
図10において、取付部材11、バネ受け25、バネ受け用爪部24、凹部23、発光素子基板50及び発光素子51については、第1〜第3の実施形態に係る発光ユニット20と同様であるため説明を省略する。第4の実施形態にかかる発光ユニット20において、発光素子基板50は、長尺状の樹脂製の平板部40に配され、当該平板部40に設けられた樹脂製の係止部46によって係止されている。係止部46は、互いに対向する一対の爪部を有し、爪部は、平板部40の長手方向に沿って形成されている。なお、第4の実施形態において、発光ユニット20は、短手方向に発光素子基板50を2列配する爪部を2対有する。発光素子基板50は、平板部40の長手方向の端部から、その幅方向の両側を対となる爪部に挿入させることによって、係止部46に係止される。第4の実施形態にかかる発光ユニット20は、平板部40の長手方向の両端部からそれぞれ係止部に挿入された2枚の発光素子基板50が、発光ユニット20の長手方向の中心で当接する。なお、
図10において、2対の爪部は断面を逆T字型で示してあるが、爪部は、対となる爪部の開口側が互いに対向するように、断面をL字型に形成されてもよい。
【0034】
また、第4の実施形態において、平板部40と係止部46とは、カバー部材21とは別体の基板固定部材42を構成している。基板固定部材42の係止部46とは反対側の面には、カバー部材21と係合する係合部41が設けられ、カバー部材21に設けられた被係合部28と係合することによって、基板固定部材42は、カバー部材21に位置決めされて固定される。なお、被係合部28は、カバー部材21の基板固定部材42と対向する面側であって、発光ユニット20を器具本体10に取り付けた際の天井面側に設けられる。基板固定部材42の材質は、第3の実施形態と同様であるため説明を省略する。なお
図10において、基板固定部材42の平板部40の幅は、カバー部材21の天井側の平面部の幅とほぼ同一の大きさで示してあるが、基板固定部材42の平板部40は、カバー部材21の器具本体10と当接する箇所の内側の面を覆うように形成されてもよい。このような形状の基板固定部材42が高反射ポリカーボネートを用いて作成された場合、反射シートとしての機能をより高めることができる。
【0035】
なお、カバー部材21、平板部40、及び発光素子基板50は、熱的に面で結合されている。「熱的に面で結合されている」とは、カバー部材21と平板部40、又は、平板部40と発光素子基板50とが、必ずしもそれら全面に亘って接触している必要はないことを意味する。すなわち、カバー部材21と平板部40とを係合させた場合に、カバー部材21から平板部40が浮いていてもよく、また、平板部40に発光素子基板50を係止させた場合に、平板部40から発光素子基板50が浮いていてもよい。
【0036】
上述のように、第4の実施形態に係る発光ユニット20も、第1〜第3の実施形態と同様に、コスト及び重量増加の原因となる板金製のヒートシンクを用いる必要がなく、コスト及び重量を削減することができる。また、発光素子基板50をカバー部材21に配置させる場合に、発光素子基板50を基板固定部材42に設けられた爪部46aに挿入して係止させた上で、基板固定部材42の係合部41をカバー部材21の被係合部28に挿入すればよい。第1及び第2の実施形態のように、カバー部材21に係止部が設けられ、発光素子基板50をカバー部材21の端部から係止部に挿入させる場合、例えばカバー部材21の内側で発光素子基板50が係止部に引っ掛かっても、目視し難く、また手などで修正を行うことが困難な場合も起こり得る。それに対し、第4の実施形態のように、発光素子基板50を平面状の基板固定部材42に予め配置する場合、挿入する際の上記のような問題を目視で確認でき、容易に修正することができる。基板固定部材42の係合部41と、カバー部材21の被係合部28との係合の形状には自由度があるため、上記のような問題の起こりにくい形状にすれば、カバー部材21への基板固定部材42の挿入もスムーズに行うことができる。従って、第4の実施形態によれば、組立工程を容易化することが可能となる。
【0037】
<第5の実施形態>
[発光ユニット]
次に、本発明の第5の実施形態に係る発光ユニット20について、
図11を用いて説明する。なお、
図11において、取付部材11、バネ受け25、バネ受け用爪部24、凹部23、発光素子基板50及び発光素子51については、他の実施形態に係る発光ユニット20と同様であるため説明を省略する。第5の実施形態は、電源部18がカバー部材21の管の外側に、器具本体10とカバー部材21との間に位置するように設けられる場合に好適である。
図11に示すように、第5の実施形態に係る発光ユニット20は、カバー部材21の外周面上であって、器具本体10とカバー部材21との間の面上に、対向する一対の樹脂製の壁部29を有する。壁部29は、カバー部材21の外周面から立ち上がるようにカバー部材21と一体に形成され、対向する壁部間の幅は、電源部18の筐体を配置可能な幅であればよい。
【0038】
なお、
図11において、カバー部材21の内部構造として第1の実施形態を示したが、第2〜第4の実施形態に、上述のような壁部29を設けてもよい。第5の実施形態によれば、電源部18の筐体を、対向する壁部29によって挟み込むように配置し、ネジ60等の締結手段によって固定することができる。壁部29は、カバー部材21と一体で押出成形によって、カバー部材21の長手方向に亘って形成されるため、電源部18を配置したい位置に新たに固定手段を設ける必要が無く、組立工程が容易になる。
【0039】
<第6の実施形態>
[発光ユニット]
次に、第6の実施形態について、
図12を用いて説明する。上述した第5の実施形態では、バネ受け用爪部24と壁部29とが別々に形成されていたが、第6の実施形態では、壁部29が、バネ受け用爪部24を兼用している。すなわち、
図12(b)に示すように、カバー部材21の器具本体10と当接する面を延伸して、天井面と対向する面との間にバネ受け用爪部24として機能する隙間を形成し、さらに天井面側へ立ち上がるように面を延伸して、壁部29が形成されている。なお、
図12(b)には、カバー部材21の内部構造として、発光素子51が2列実装された1枚の発光素子基板50が配置された態様を示してある。しかしながら、カバー部材21の内部構造としては、上述した第1〜第4の実施形態を用いてもよい。また、
図12(b)は、カバー部材21の凹部23がない場合の、発光ユニット20の形状の一例でもある。
【0040】
[電源部]
また、電源部18のさらに他の態様として、
図12(a)に示す態様を説明する。
図12(a)に示すように、本発明の一実施態様によれば、前述の態様のような2つの電源部18ではなく、1つの電源部18によって発光素子基板50への電力の供給が行われてもよい。電源部18は、供給回路(電気回路)183を実装した電源基板181、それらを覆う絶縁シート182を備える。電源基板181は、電源部18の筐体の天井面側を挿通するロックピンPを貫通させて固定されている。
【0041】
<第7の実施形態>
[器具本体]
次に、器具本体10の他の実施形態について、
図13を用いて説明する。
図13(a)に示す断面形状を有する器具本体10は、造営材Bの被取付面にその一部が埋め込まれ、発光ユニット20が造営材Bの被取付面の外側に露出している(「半埋込型」と称する)。器具本体10は、上述した逆富士型の器具本体10と断面形状が異なるのみでその機能や配置されたバネ部や端子台等の部材はほぼ同様であり、詳細は省略する。発光ユニット20を取り付ける取付部材11’は、合板等の材料を曲げ加工することにより、発光ユニット20のカバー部材21を入り込ませ、挟み込む開口が形成されている。また、発光ユニット20は、発光ユニット20に装着されたバネ受け27’と、取付部材11’に取り付けられたバネ部とが係合することによって、器具本体10に固定される。なお、
図13では、発光ユニット20として第1の実施形態のものを示してあるが、発光ユニット20としては、第2〜第6の実施形態に係るものを用いることができる。
【0042】
半埋込型の器具本体10は、逆富士型の器具本体10と比較して小型であり、コストの削減が可能となる。また、器具本体の形状が単純で凹凸が少ないため扱い易く、被取付面への取付を容易化することができる。
【0043】
なお、上述のような半埋込型の器具本体10の場合、器具本体10の内部に十分なスペースを確保できないため、電源部18としては、第1の電源部18a及び第2の電源部18bの2つを、
図13(b)に示すように、管状のカバー部材21の管の内側に、カバー部材21の長手方向の両端にそれぞれ設けるのが好適である。
【0044】
<第8の実施形態>
次に、第8の実施形態に係る発光ユニット及び照明装置について、
図14〜18を用いて説明する。
【0045】
[照明装置の全体構成]
図14は、本発明の第8の実施形態に係る照明装置2の外観を示す斜視図である。
図14に示すように、照明装置2は、例えば天井又は壁等の被取付面に、図示しない鎖等の吊下げ部材によって取り付けられる照明装置用の器具本体100と、器具本体100に取り付けられる発光ユニット200とを備える。さらに、照明装置2は、プルスイッチ103と、端部カバー102a,102bと、コネクタ105a,105b(図示せず)を備える。器具本体100及び発光ユニット200は、いずれも長手方向を揃えた長尺状である。器具本体100は、下方向に開口した凹形状の筐体(収容凹部)101を有し、筐体101に発光ユニット200が取り付けられる。発光ユニット200は光を照射する機能を有し、器具本体100に取り付けられた際、少なくとも一部が、筐体101内に位置する。また、照明装置2は、端部カバー102a,102bに、それぞれコネクタ105a,105bが備えられている。コネクタ105aはオス型、コネクタ105bはメス型であり、異なる照明装置2同士のコネクタを結合させて、照明装置2を複数個連結することが可能である。
【0046】
図15(a)は、照明装置2の短手方向の斜視断面図、
図15(b)は、カバー部材201における基板載置部の拡大図である。
図15(b)に示すように、発光ユニット200は、例えばLED素子等の複数の発光素子501が実装された、長尺状の発光素子基板500と、当該発光素子基板500(すなわち、発光素子51)を覆う、長尺状かつ管状(筒状)で樹脂製のカバー部材201とを備える。カバー部材201は、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリプロピレン等の透光性を有する材料に拡散剤を混入させて、押出成形によって形成される。
【0047】
発光素子基板500は、例えばガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、メタル基板等から成り、片面に複数の発光素子501が実装されている。第7の実施形態において、発光素子基板500は、発光素子501が1列に実装されたものが用いられるが、これに限られるものではない。カバー部材201は、発光ユニット200を筐体101に取り付ける際に、筐体101の開口部の内壁に当接する壁部を、その長手方向に沿って備える。発光ユニット200の取り付け時には、壁部を筐体の内壁に当接させ、例えばネジ、リベットとワッシャーなどの締結手段によって筐体101に固定される。この壁部は、押出成形によってカバー部材201と一体化して形成されるため、部品点数を削減できるという利点がある。
【0048】
カバー部材201の、天井面側に対向する面には、発光素子基板500が載置される載置部204が設けられている。
図15(b)は、載置部204の拡大図である。載置部204は、略凸状の断面を有する、カバー部材201の面を筐体101側に窪ませた箇所を含む。
図15(b)に示すように、載置部204の開口部の縁の下部には、係止部203a,203bが形成され、発光素子基板500を係止している。係止部203a,203bは、カバー部材21の天井面側に対向する面を、載置部204の下側に延伸させて形成されている。なお、上述のように載置部204は断面を凸状に形成されており、発光素子基板500の発光面(発光素子501の実装面)の裏面と載置部204との間には、隙間があくように形成されている。これは、発光素子基板500を載置部204に挿入し易くするという利点がある。さらに、発光素子基板500が放熱によりたわんだ場合でも、たわみ分を吸収して、発光素子基板500の係止部203による係止が外れることを防止することもできる。なお、
図15(b)では説明のため凸形状を強調して示してあり、隙間をこの程度確保しなければならないということではない。
【0049】
次に、照明装置2の長手方向端部の構成について説明する。
図16(a)は、照明装置2の端部のうちプルスイッチ103がない方の、下方向からみた斜視断面図、(b)は、プルスイッチ103がある方の、下方向からみた斜視断面図である。端部カバー102a,102bは、照明装置2において筐体101の長手方向の両端の開口部分に取り付けられる閉塞部材であり、例えば樹脂材料で形成される。端部カバー102には、図示しない爪部が設けられており、筐体101に設けられた爪受け部106に当該爪部を係合することで、筐体101に固定される。また、筐体101の端部には、他の照明装置2と連結させるためのコネクタ105aが配置される。また、コネクタ105aの上側には、アース部材118とアース用ネジ117が備えられているが、詳細は後述する。
【0050】
図16(b)に示すように、もう一方の端部には、プルスイッチ103用の制御回路が収容されたスイッチ用回路104が配置されている。
図16(b)のように、スイッチ用回路104はカバー部材201の内部に配置されるため、筐体101の大きさを、スイッチ用回路104を収容するために大きくする必要がない。すなわち、筐体101の天井側の面と、発光素子基板500の載置部204との間の距離を短くすることができ、意匠的にも見栄えの良い照明装置2を提供することができる。
【0051】
次に、筐体101の内部構造について、
図17を用いて説明する。
図17は、照明装置2の長手方向の断面図である。筐体101の内部には、発光素子501の点灯回路(即ち、電源回路)を備える電源基板や、発光素子501へ電力を供給する配線(図示せず)を内部に収納する、例えばプラスチック、アルミニウム又はステンレス等の材料から成る筐体から成る電源部120が備えられている。電源部120は、筐体101の天面に、例えばネジ等の締結手段により固定されている。電源部120とカバー部材201の上面との間は離間され、空間130が設けられている。これにより、電源部120からの放熱が発光素子基板500に伝達することを防止することができる。また、空間130には、上記放熱対策として、遮熱部材、又は、放熱部材等を配してもよい。
【0052】
次に、コネクタ105a,105bと、アース部材118等について説明する。
図18(a)は、コネクタ105bの一部透視図である。コネクタ105bは、メス型のコネクタであり、導電性のピン115と、2つの絶縁部材116,126とから成り、導電性のピン115は、絶縁部材116及び126の間に挟まれている。また、導電性のピン115には隙間(スリット)が形成されている。導電性のピン115は、このスリットによって先端側が内側にすぼんでおり、連結する別の照明装置2のオス型のコネクタ105aと連結する場合に、当該コネクタ105aが入り込んで係合され、確実に挟み込むことが可能となる。従って、照明装置2同士の、機械的な係止と、電気的な係止を確保することができる。
【0053】
アース部材118は、筐体101の縁部近くの面の一部を、表裏に亘って覆っており、アース用ネジ117によって、筐体101に固定されている。アース部材118は、コネクタ105の3本の導電性ピンのうち、グランド線である1本と、ジャンパー線等の配線によって接続されている。アース部材118は、アース用ネジ117を締めると、アース用ネジ117が下方に下がっていき、それに伴いアース部材118も下方に下がり、筐体101をスクラッチして筐体の塗装を剥がす様に形成されている。これにより、筐体101とアース部材118とが電気的に同電位となり、筐体でアースを取ることが可能となる。アース部材118の一部及びアース用ネジ117の頭部は端部カバー102の切り欠きから露出している。なお、アース部材118は、筐体101にアースをとれるこの構成に限られない。
【0054】
なお、上述の発光素子51,501としては、消費電力が0.1W(ワット)〜1.0Wの範囲の、ミドルパワーのLED素子を用いるのが好適である。なお、発光素子51,501に流れる電流値は、定格電流(例えば150mA)未満であって、電流値の範囲を110mA(適正下限電流値)〜140mA(適正上限電流値)の間で制御する。発光素子基板50,500に実装する発光素子51,501の数は、所望の明るさによって適切に選択されればよく、図示された数は例示であって、これに限られるものではない。
【0055】
本発明の発光ユニット及び照明装置は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれることに留意されたい。例えば、上述の数値例は一例であって、これに限られるものではない。
【0056】
例えば、上述の実施形態において、器具本体にバネが、発光ユニットにバネ受けが取り付けられた構成について説明したが、逆の構成でもよい。すなわち、器具本体にバネ受けが、発光ユニットにバネが取り付けられていてもよい。また、電源部は発光ユニットに取り付けられる構成について説明したが、器具本体の収容凹部に取り付けられてもよい。
【0057】
[付記事項]
なお、本発明は、以下に示す態様によっても実現することができる。
[1]器具本体に収容される発光ユニットであって、複数の発光素子と、前記複数の発光素子が実装される長尺状の発光素子基板と、前記発光素子基板が配される長尺状の樹脂製の載置部と、前記載置部に設けられ、前記発光素子基板を係止する樹脂製の係止部と、前記発光素子基板を覆う長尺状かつ管状で樹脂製のカバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記カバー部材の短手方向の断面において前記発光素子基板を囲み、前記カバー部材、前記載置部、及び前記発光素子基板とは熱的に面で結合されている、発光ユニット。
[2]前記載置部と前記発光素子基板の裏面との間には、隙間が形成されている、[1]に記載の発光ユニット。
[3]前記発光ユニットは、さらに、前記カバー部材が取り付けられる筐体と、前記発光素子に電力を供給するための電源が内部に配設され、前記筐体と前記カバー部材との間に設けられて前記筐体に取り付けられた電源ボックスとを備え、前記電源ボックスと前記カバー部材は離間している、[1]又は[2]に記載の発光ユニット。
[4]前記発光ユニットは、さらに、前記電源ボックスと前記カバー部材との配設された放熱部材又は遮熱部材を備える、[3]に記載の発光ユニット。
[5]前記発光ユニットは、さらに、前記発光素子の発光を制御するためのプルスイッチを備え、前記プルスイッチは、前記カバー部材の内部に配設されている、[1]〜[4]のいずれかに記載の発光ユニット。
[6]前記係止部は、互いに対向する一対の爪部を有し、前記爪部は、前記載置部の長手方向に沿って形成されている、[1]〜[5]のいずれかに記載の発光ユニット。
【0058】
このように、発光ユニット20は、照明装置1の器具本体10に収容されるものであって、複数の発光素子51と、複数の発光素子51が実装される長尺状の発光素子基板50と、発光素子基板50が配される長尺状の樹脂製の平板部27(40)と、平板部27(40)に設けられ、発光素子基板50を係止する樹脂製の係止部46と、発光素子基板50を覆う長尺状かつ管状で樹脂製のカバー部材21と、を備え、カバー部材21は、カバー部材21の短手方向の断面において発光素子基板50を囲み、カバー部材21及び平板部27(40)の少なくとも何れか一方と発光素子基板50とが熱的に面で結合されている、ものである。ここで、上記各例では、カバー部材21と一体に平板部27を形成したものと、カバー部材21と別体に平板部40を形成したものとを開示した。この際、カバー部材21と別体の平板部40は、カバー部材21の平面部分に沿えるように配置したものとなっている。しかしながら、このようなカバー部材21の平面部分に平板部40を沿える、すなわち、重ね合わせる必要はない。
【0059】
図19から
図23は、このような樹脂製の平板部(40)及び樹脂製のカバー部材(21)を別体で構成するとともに、上述したバネ受(25)によってこれらを組み付けた発光ユニット20を示す。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同一の構成若しくは機能的に同一の構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、
図19及び
図21において、図示の便宜上、符号の図示を省略し、他の
図20、
図22、
図23においてのみ符号を付している場合がある。
【0060】
図19において、発光ユニット20は、樹脂製の平板部70と、樹脂製のカバー部材80と、上述したバネ受25としての機能に加えて平板部70とカバー部材80と電源ユニット状の電源部18とを組み付けるブラケットとしての機能を有する補強部材25と、を備える。ここで、樹脂製の平板部70及び樹脂製のカバー部材80は、何れも透光性を有する樹脂材料から形成している。これにより、例えば、電源部18といった設置部材を反射部として利用することができ、発光ユニット20の軽量化に貢献することができる。また、発光素子51の照射方向と反対側(天井面)にも照明光を照射することが可能となる。
【0061】
さらに、カバー部材80と平板部70とは、同系統の樹脂材料から構成してもよい。これにより、別体として構成したカバー部材80と平板部70とを、例えば、超音波溶着や接着剤によって組み付けることができ、組み付け作業及び部品点数を削減し得て、発光ユニット20の軽量化に貢献することができる。
【0062】
この際、平板部70はカバー部材80よりも反射率を高くしてもよい。ここでの反射率が高いとは、カバー部材80の透過率よりも平板部70の透過率のほうが低いという場合を含む。ちなみに、カバー部材80には、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリプロピレン等の透光性を有する材料に拡散剤を混入させて、乳白色又は白色透明に形成している。一方、平板部70には、ポリカーボネートに高反射剤を混入させたもの(高反射ポリカーボネート)を用いることにより、平板部70を反射シートとしての機能を具備させることができる。
【0063】
図20(a)に示すように、平板部70は、短手方向の中央部に複数の係止部71を備えた発光面部72と、発光面部72の短手方向の両端からカバー部材80に向かって拡開する反射面部73と、反射面部73の短手方向の両端から反射面部73の延在方向とは逆側に折り返した締結面部74と、を備える。
【0064】
係止部71は、平板部70の短手方向に沿って複数の爪部71a〜71hを有している。この際、複数の爪部71a〜71hは、そのうちの少なくとも一対、例えば、爪部71bと爪部71c及び爪部71fと爪部71gを互いに対として、これら一対の爪部71bと爪部71c及び爪部71fと爪部71gに対して少なくとも1枚の発光素子基板50を係止している。
【0065】
すなわち、複数の爪部71a〜71hのうち、互いに接近する方向に向き合うものを対として、任意の数の発光素子基板50を係止することができ、例えば、所望の配光特性や光量を自在に変更することが可能となっており、バリエーションに富んだ発光ユニット20とすることができる。なお、
図19に示した例では、
図20に示した爪部71dと爪部71eとの間に平ナット(若しくは反射部材)53が位置しており、ネジ65と螺合している。ネジ65は、例えば、フランジ183を介して平板部70に電源部18を固定する固定手段として機能している。
【0066】
ところで、少なくとも一対の爪部71a〜71hには、互いに隣接して向き合うものに限定されない。例えば、
図21に示すように、
図20に示した爪部71bと爪部71gとを互いに対として、断面略Vの字形状の発光素子基板50を配置してもよい。この際、発光素子基板50は、Vの字に一体型とした一つの発光素子基板50でもよいし、異形のLの字に別体形とした2枚の発光素子基板50を組み合わせたものでもよい。
【0067】
このように、一対の爪部71b及び爪部71gに係止する両端側が平板部70の短手方向に沿って拡開するVの字状に傾斜した発光素子基板50をアタッチメント方式で組み付け可能としたことにより、発光素子51から傾斜面に沿った方向への照射が可能となる。したがって、例えばさまざまな方向に対して傾斜面を設定すれば、多方向への照射が可能となる。なお、さまざまな方向とは、複数種類のアタッチメント別にVの字状の傾斜角度を異成らせるという場合を含み、一つのアタッチメントにおいて発光ユニット20の長手方向に対して複数か所で傾斜角度を異ならせる場合を含む。
【0068】
また、
図20(b)に示すように、平板部70の係止部71とは反対側の面に、支持板91を介して機能部品92を係止する一対以上の機能部品係止部75を一体に形成してもよい。なお、機能部品とは、上述した端子台14、スイッチ用回路104、その他各種センサ等を含む。
【0069】
図22に示すように、カバー部材80は、短手方向の中央部に発光面部72と対向する透光面部81と、透光面部81の短手方向の両端から平板部70に向かって拡開する傾斜透光面部82と、傾斜透光面部82の短手方向の両端から締結面部74の短手方向外側を覆うように延在するカバー面部83と、傾斜透光面部82とカバー面部83との間に位置する短手方向に沿う両端部において複数の爪部71a〜71hのうち平板部70の短手方向に沿う両端に位置する爪部71a及び爪部71hに向かって突出する係合片84と、を備える。また、カバー面部83は、締結面部74に沿う下部カバー面部83aと、締結面部74が存在しない上部カバー面部83bと、を一体に有している。これにより、反射面部73と締結面部74及びカバー面部83とによって断面略Vの字又は断面Lの字状の凹部93を形成している。
【0070】
ここで、係合片84は、例えば、爪部71a〜71hのうち、発光素子基板50を係止した一対の爪部71bと爪部71c及び爪部71fと爪部71gを除く他の一対の爪部71dと爪部71eの間に平ナット53を配置し、この平ナット53を発光ユニット20の長手方向に沿って長尺状として反射部材としての機能を具備させた場合を示した。これに加え、複数の爪部71a〜71hのうち平板部70の短手方向に沿う両端に位置する爪部71a及び爪部71h(環状フランジ22Aを介して)と短手方向両端の係合片84との間に、例えば、薄肉の白色シート等の反射部材54を設けてもよい。この反射部材54は、発光ユニット20の長手方向の全長に延び、反射面部73の短手方向全幅に跨っている。
【0071】
反射部材54は、その大きさ(長さ・幅)や反射率を適宜に設定することができ、これにより、配光特性や光量などを自在に変更することが可能となる。例えば、発光素子基板50を一対の爪部71dと爪部71eとの間に1枚のみ配置した場合、残り2つの爪部71bと爪部71cとの間、及び、爪部71fと爪部71gとの間、の2か所に反射板(平ナット53)を配置した場合と、
図19に示したように2か所に発光素子基板50を配置した場合とで、長さや幅、或は反射率を異ならせることができる。なお、係止部71を絶縁性を有する材料(樹脂材料)で形成していることから、発光素子基板50と平ナット53及び反射部材54とで絶縁隔離を容易に確保することができるので、発光素子基板50を細くする(例えば、小さい発光素子51を配置する)ことができる。さらに、反射部材54は、ネジ等の専用の押え部材等を用意する必要がなく、係止部71(或は、環状フランジ22A)や係合片84といった一体成形部分を利用することで部品点数を少なくすることができる。
【0072】
一方、凹部93には、反射面部73の長手方向の1か所以上、短手方向の両側にハーネスクリップ55及びハーネスクリップ56を設けている。ハーネスクリップ55とハーネスクリップ56とは、例えば、短手方向一方の凹部93にはハーネスクリップ55の頭部側が位置しており、短手方向他方の凹部93にはハーネスクリップ56の脚部側が位置している。ハーネスクリップ55,56の頭部内には、例えば、電源部18と発光素子基板50のコネクタ52とを電気的に接続して電力を供給するための電線58を挿通して保持している。したがって、凹部93は、電線58の配策経路を兼用し、スペースの有効利用を図ることができる。なお、図示例では、一つのハーネスクリップ55,56で2本の電線58を支持しているが、発光素子基板50の設置数等によって数は異なる。また、ハーネスクリップ56はなくてもよいし、ハーネスクリップ55と同様に頭部を凹部93に位置させる取り付けとしてもよい。
【0073】
補強部材25は、締結面部74とカバー面部83との短手方向両側の重合面間及びカバー面部83の短手方向両側間の少なくとも一方の内面に跨っている。すなわち、補強部材25は、締結面部74と下部カバー面部83aとが重なった部分間と、上部カバー面部83bのみ部分間と、に跨っている。なお、例えば、上述した
図12(a)に示したバネ受25は、発光ユニット20の長手方向両端付近の2か所に配置しているが、この例では、その2か所に加えて、電源部18の長手方向一方側(又は両方側)の直近にも配置している。
図19に示したものは、後述するように、電源部18を支持する機能を具備しているため、その直近に配置した場合を図示している。
【0074】
図23に示すように、補強部材25は、短手方向中央を高さ方向の最高位として外向きに凸の十の字状の補強部25A及び補強フランジ25Bを一体に形成した第1水平面部25Cと、第1水平面部25Cの短手方向両端から下方に向けて延びる縦壁部25Dと、縦壁部25Dの下端から短手方向外側に水平に延びる第2水平面部25Eと、第2水平面部25Eの短手方向両側から斜め下向きに拡開して延びる上部固定面部25F及び下部固定面部25Gと、を一体に形成している。
【0075】
また、補強部材25は、第2水平面部25E、上部固定面部25F及び下部固定面部25G、にネジ挿通孔(雌ネジ穴でもよい)25H,25I,25Jを形成している。
【0076】
電源部18は、電源基板181をロックピンPの他、ネジ61及びナット62で固定している。なお、ナット62は、
図19では電源基板181の上面側にのみ図示しているが、下面側にも位置していて、ネジ61を介して上下一対のナット62で挟持している。電源部18は、フランジ184がネジ63及び平ナット64を介して補強部材25に支持されている。ネジ63は、第2水平面部25Eに設けたネジ挿通孔25Hに挿通されている。また、電源部18は、フランジ183がネジ65及び平ナット53を介して平板部70に支持されている。
【0077】
また、本実施形態と異なる実施形態として、電源部18を各カバー面部83の間に配置し、締結部材でカバー面部83に固定するようにしてもよい。電源部18が締結部材で各カバー面部83に固定されることにより、カバー部材80全体の強度が上がり、例えば、ねじりに対する耐久性を向上させることができる。
【0078】
次に、この補強部材25を用いた平板部70及びカバー部材80の組み付け構造について説明する。平板部70は、発光面部72及び一対の反射面部73により、断面扁平六角形状の実質的なランプ筐体のうちの上側3面を構成している。同様に、カバー部材80は、透光面部81及び一対の傾斜透光面部82により、断面扁平六角形状の実質的なランプ筐体のうちの下側3面を構成している。
【0079】
一方、上部固定面部25F及び下部固定面部25G、締結面部74、カバー面部83は、この順に短手方向内側から外側に重なっている。ここで、下部固定面部25G、締結面部74、下部カバー面部83aは、締結部材(低頭ネジ)66を介して結合される。この際、下部固定面部25Gのネジ挿通孔25Jは雌ネジ穴となっている。また、下部固定面部25Gと締結面部74との間には、薄肉金属板等の補強板67を介在させている。なお、締結部材66が貫通する補強板67の穴は、貫通穴(所謂、バカ穴)と雌ネジ穴との何れでもよい。また、締結部材66の先端は凹部93に位置している。
【0080】
また、上部固定面部25Fと上部カバー面部83bとは、締結部材(低頭ネジ)68及び平ナット69を介して結合される。この際、上部固定面部25Fのネジ挿通孔25Iを雌ネジ穴として平ナット69を廃止してもよい。また、平ナット69を補強板としてもよい。なお、補強板67は、補強部材25が位置していない部分をスライド方式で下部固定面部25Gと締結面部74との間に挿入することも可能である。
【0081】
このように、締結部材66は、補強板67も共に締結することによって、平板部70と補強板67とを強固に連結することが可能となると共に、強度を確保することができる。
【0082】
この際、補強板67,69は、締結面部74とカバー面部83との短手方向両側の重合面及びカバー面部83の短手方向両側の少なくとも一方と締結部材66,68を介して締結すれば、カバー部材80と平板部70とを容易に一体化(組み付け)することが可能となる。
【0083】
また、締結部材66の先端を凹部93の内部に臨ませることにより、他の構成部材との緩衝を避けることができる。なお、補強部材25の第2水平面部25Eの一方にのみネジ挿通孔25Hを設けた例を示したが、ネジ63を短手方向両側に配置した場合には、ネジ挿通孔25Hも同様に両側に設けられる。また、発光ユニット20の長手方向両側付近に配置した補強部材25は、このネジ挿通孔25Hはなくてもよいが、部品共通化の観点から、ネジ挿通孔25Hを設けたものをそのまま用いてもよい。