【実施例】
【0015】
図1は、情報処理装置のブロック図である。情報処理装置1は、電源回路10〜13、システムデバイス20〜23、電力源切替回路30及びバッテリパック40を有する。ACアダプタ2(Alternating Current)は、情報処理装置1に対して挿抜可能な外部電源である。
図1における太い矢印は、電力供給経路を表す。また、
図1における細い矢印は制御信号の通信経路を表す。
【0016】
電力源切替回路30は、ACアダプタ2及び二次電源であるバッテリパック40の状態や情報処理装置1の状態に合わせて、ACアダプタ2又はバッテリパック40の何れかを電源として選択する。そして、電力源切替回路30は、選択した電源から供給された電力を電源回路10〜13へ出力する。
【0017】
電源回路10は、電力の入力を電力源切替回路30から受ける。そして、電源回路10は、供給された電力をシステムデバイス20に応じた電圧に変換する。そして、電源回路10は、電圧変換を行った電力をシステムデバイス20へ供給する。
【0018】
また、電源回路10は、システムデバイス20へ供給する出力電圧を指定する出力電圧制御信号の入力をシステムデバイス20から受ける。出力電圧制御信号が出力電圧の降下を指示する場合、電源回路10は、出力電圧の上昇及び降下が短期間で繰り返されたか否かを判定する。すなわち、電源回路10は、バーストが発生したか否かを判定しているということもできる。そして、出力電圧の上昇及び降下が短期間で繰り返されていない場合、電源回路10は、出力電圧を低下させる。例えば、電源回路10は、電力の供給を停止し、出力電圧を0Vまで落とす。また、出力電圧の上昇及び降下が短期間で繰り返されている場合、電源回路10は、出力電圧をそのまま維持する。
【0019】
システムデバイス20は、情報処理装置1の機能を実行するデバイスであり、電源電圧が可変で、且つ、使用する電源電圧を電力供給元に要求することが可能なデバイスである。例えば、システムデバイス20は、CPUやメモリ、IO(Input Output)デバイス及び通信デバイスなどを含む。
【0020】
システムデバイス20は、供給される出力電圧を指定する出力電圧制御信号を電源回路10に対して出力する。そして、システムデバイス20は、出力電圧制御信号に基づく電源回路10から供給される電力を用いて動作する。さらに、システムデバイス20は、所定の条件を満たした場合、出力電圧の低下を指示する出力電圧制御信号を電源回路10へ出力する。例えば、システムデバイス20は、処理負荷が低下した場合、出力電圧の低下を指示する出力電圧制御信号を電源回路10へ出力する。このシステムデバイス20が、「演算処理部」の一例にあたる。また、出力電圧の低下を指示する出力電圧制御信号が、「電圧制御信号」の一例にあたる。
【0021】
電源回路11〜13は、電力の入力を電力源切替回路30から受ける。そして、電源回路11〜13は、供給された電力をそれぞれ電力供給経路で繋がるシステムデバイス21〜23に応じた電圧に変換する。そして、電源回路11〜13は、電圧変換を行った電力を電力供給経路で繋がるシステムデバイス21〜23へ供給する。
【0022】
システムデバイス21〜23は、システムデバイス20以外の情報処理装置1の機能を実行するデバイスであり、電源電圧が予め決められた値であるデバイスである。
【0023】
図2は、電源回路における電力供給のためのハードウェアの概略構成図である。
図2に示すように、電源回路10は、入力コンデンサ101及び102、Hi−side FET(Field Effect Transistor)103、Lo−sid FET104、コイル105、並びに、出力コンデンサ106及び107を有する。また、電源回路10は、電源コントローラ150を有する。
図2における破線矢印は制御信号の送信経路である。また、
図2において、電力源切替回路30とシステムデバイス20との間を結ぶ実線は電力供給経路である。
【0024】
入力コンデンサ101及び102は、電力源切替回路30から入力された電力を平滑化する。そして、入力コンデンサ101及び102により平滑化された電力は、Hi−side FET103へ供給される。
【0025】
Hi−side FET103は、高電圧側のラインを断続し、電力源切替回路30から供給される電力を制御する。Hi−side FET103は、電源コントローラ150から印加される電圧によりオン及びオフが行われる。
【0026】
Lo−side FET104は、低電圧側のラインを断続し、GND(Ground)接続を制御する。Lo−side FET104は、電源コントローラ150から印加される電圧によりオン及びオフが行われる。
【0027】
Hi−side FET103及びLo−side FET104は、オンオフを繰り返すことで、パルスを発生させ所望の電圧をコイル105へ出力する。
【0028】
コイル105は、Hi−side FET103とLo−side FET104とを結ぶ電力供給経路から分岐した電力供給経路が接続される。コイル105は、Hi−side FET103とLo−side FET104により生成された矩形波の電圧を平滑化する。コイル105は、電圧を平滑化した電力を出力する。
【0029】
出力コンデンサ106及び107は、コイル105から出力された電力を平滑化する。そして、出力コンデンサ106及び107により平滑化された電力は、供給電力としてシステムデバイス20へ供給される。入力コンデンサ101及び102、並びに、出力コンデンサ106及び107が、「コンデンサ」の一例にあたる。
【0030】
電源コントローラ150は、コイル105の両端の電圧を計測しコイル両端電圧情報を取得する。また、電源コントローラ150は、出力電圧制御信号の入力をシステムデバイス20から受ける。
【0031】
電源コントローラ150は、Hi−side FET103及びLo−side FET104のそれぞれのゲートに電圧を印加してオンオフを行わせ、システムデバイス20が要求する電圧になるようにコイル105へ供給される電圧の周期及び位相を調整する。また、電源コントローラ150は、システムデバイス20から出力電圧の降下を指示する出力電圧制御信号の入力を受けた場合、コイル両端電圧情報を用いてシステムデバイス20へ供給する出力電圧を降下させるか否かを判定する。
【0032】
電源コントローラ150は、出力電圧を低下させる場合、電圧値がHighになる期間が短くなるように、Hi−side FET103及びLo−side FET104のそれぞれのゲートに電圧を印加してオンオフを行わせる。また、電源コントローラ150は、出力電圧を上昇させる場合、電圧値がHighになる期間が長くなるように、Hi−side FET103及びLo−side FET104のそれぞれのゲートに電圧を印加してオンオフを行わせる。
【0033】
次に、
図3を参照して、電源回路10の詳細について説明する。
図3は、電源回路のブロック図である。
図3に示すように、電源回路10は、入力平滑部111、電源発振部112、出力平滑部113及び電源コントローラ150を有する。
【0034】
入力平滑部111は、電力源切替回路30から入力された電力を平滑する。入力平滑部111は、
図2における入力コンデンサ101及び102によりその機能が実現される。
【0035】
電源発振部112は、電源コントローラ150からの制御にしたがい所望の電力を出力する。電源発振部112は、
図2におけるHi−side FET103及びLo−side FET104によりその機能が実現される。
【0036】
出力平滑部113は、電源回路10がシステムデバイス20へ供給する電力を平滑化する。出力平滑部113は、
図2におけるコイル105、並びに、出力コンデンサ106及び107によりその機能が実現される。
【0037】
電源コントローラ150は、出力フィードバック部151、位相補償部152、出力電圧降下抑制信号生成部153、基準電圧生成部154、PWM部155及び動作制御部156を有する。
【0038】
出力フィードバック部151は、コイル105の入力側のコイル端子電圧及び出力側のコイル端子電圧のそれぞれの電圧値を含むコイル両端電圧情報の入力を出力平滑部113から受ける。そして、出力フィードバック部151は、出力側のコイル端子電圧から出力電圧情報を生成する。また、出力フィードバック部151は、入力側のコイル端子電圧及び出力側のコイル端子電圧を平滑し、その電圧差によりコイル105に流れる電流の電流値を表すコイル電流情報を生成する。そして、出力フィードバック部151は、出力電圧情報及びコイル電流情報を位相補償部152へ出力する。また、出力フィードバック部151は、コイル電流情報を出力電圧降下抑制信号生成部153へ出力する。この出力フィードバック部151が、「監視部」の一例にあたる。
【0039】
位相補償部152は、出力電圧情報及びコイル電流情報の入力を出力フィードバック部151から受ける。そして、位相補償部152は、出力電圧情報及びコイル電流情報を用いて位相補償情報を生成する。この位相補償情報は、電源出力電圧を安定させるために行われる電圧の位相補償に用いられる。位相補償部152は、生成した位相補償情報をPWM部155へ出力する。
【0040】
出力電圧降下抑制信号生成部153は、コイル電流情報の入力を出力フィードバック部151から受ける。そして、出力電圧降下抑制信号生成部153は、コイル電流情報を用いて出力電圧を降下させるか否かを判定する。出力電圧を降下させないと判定した場合、出力電圧降下抑制信号生成部153は、出力電圧の降下を停止させる出力電圧降下抑制信号を生成し、基準電圧生成部154へ出力する。
【0041】
ここで、
図4を参照して、出力電圧降下抑制信号生成部153の詳細について説明する。
図4は、出力電圧降下抑制信号生成部の回路図である。
【0042】
出力電圧降下抑制信号生成部153は、ピーク検出回路531、加算回路532、減衰回路533、リセット用基準電圧源534、セット用基準電圧源535、リセット用コンパレータ536、セット用コンパレータ537及びFF(Flip Flop)回路538を有する。この出力電圧降下抑制信号生成部153が、「電圧降下抑制部」の一例にあたる。
【0043】
ピーク検出回路531は、コイル電流情報の入力を出力フィードバック部151から受ける。そして、ピーク検出回路531は、取得したコイル電流情報からコイル105に流れる電流のピークを検出する。例えば、ピーク検出回路531は、コイル105に流れる電流の電流値が上昇から下降に変化する時刻及び電流値を取得する。その後、ピーク検出回路531は、予め決められたピーク検出期間、コイル105に流れる電流の電流値が同様に上昇から下降に変化する時刻及び電流値を取得する。そして、ピーク検出回路531は、ピーク検出期間で最も電流値が高い時刻及び電流値を、そのピーク検出期間におけるピークとして検出する。ピーク検出回路531は、コイル105に流れる電流のピークの検出を繰り返す。
【0044】
ピーク検出回路531は、ピークが発生していない間、Lowの値を有するピーク更新信号を加算回路532及び減衰回路533へ出力する。ピーク検出回路531がLowの値を有するピーク更新信号を出力する場合、ピーク更新信号が無効であるという。そして、ピークを検出した場合、ピーク検出回路531は、ピーク更新信号の値をHighに変更する。ピーク検出回路531がHighの値を有するピーク更新信号を出力する場合、ピーク更新信号が有効であるという。その後、ピーク検出回路531は、短期間でピーク更新信号をLowに戻し無効にする。ピーク更新信号が有効にされることを、ピーク更新信号がアサートされるということもある。また、ピーク更新信号が無効にされることを、ピーク更新信号がディアサートされるということもある。
【0045】
このように、ピーク検出回路531は、コイル105を流れる電流から、出力コンデンサ106及び107への突入電流を検出する。そして、ピーク検出回路531は、出力コンデンサ106及び107への突入電流が連続して発生したことを検出することで、出力電圧の上昇及び降下の繰り返しを検出する。
【0046】
加算回路532は、コイル電流情報の入力を出力フィードバック部151から受ける。また、加算回路532は、減衰回路533から出力されフィードバックされた累積コイル電流情報の入力を受ける。累積コイル電流情報については、後で詳細に説明するが、簡単に言えば、コイル電流情報で示される電流値を時間とともに減衰させた値を累積した電流値を表す。また、加算回路532は、ピーク更新信号の入力をピーク検出回路531から受ける。
【0047】
そして、ピーク更新信号が有効になると、加算回路532は、出力フィードバック部151から入力されたコイル電流情報で示される電流値と累積コイル電流情報で示される電流値を加算する。そして、加算回路532は、加算結果の電流値を示す累積コイル電流更新情報を減衰回路533へ出力する。この累積コイル電流更新情報が示す電流値が大きいほど、コイル105に流れる電流が短期間により多くの回数のピークを持ったことを示す。
【0048】
減衰回路533は、ピーク検出信号の入力をピーク検出回路531から受ける。減衰回路533は、ピーク検出信号が有効になると、累積コイル電流更新情報の入力を加算回路532から受ける。その後、ピーク検出信号が無効に戻ると、減衰回路533は、自己が出力する累積コイル電流情報が示す電流値を、累積コイル電流更新情報が示す電流値に変更する。そして、減衰回路533は、累積コイル電流情報をセット用コンパレータ537及びリセット用コンパレータ536へ出力する。ここで、減衰回路533は、累積コイル電流情報として電流値に応じた電圧を用いることができる。また、減衰回路533は、ピーク検出信号が無効になってから累積コイル電流情報を更新することで、加算回路532の処理が終わってから累積コイル電流情報を更新することができる。
【0049】
その後、減衰回路533は、次にピーク更新信号が有効から無効に変化するまで、累積コイル電流情報が示す電流値を決められた時定数で徐々に減衰させながらセット用コンパレータ537及びリセット用コンパレータ536へ出力し続ける。例えば、累積コイル電流情報として電流値に応じた電圧を用いる場合、減衰回路533は、電圧を時間とともに減衰させる。
【0050】
累積コイル電流情報が示す電流値が0Aになった場合、その後は次にピーク更新信号が有効から無効に変化するまで、減衰回路533は、累積コイル電流情報が示す電流値として0Aを維持する。すなわち、累積コイル電流情報は、ピークが発生した場合にピーク発生時のコイル電流情報が示す電流値が加算され、その加算結果が時間とともに減衰させられた電流値を示す情報である。累積コイル電流情報が示す電流値が十分に落ちる前にコイル105に流れる電流に次のピークが発生すると、累積コイル電流情報が示す電流値は徐々に上昇する。
【0051】
セット用基準電圧源535は、セット用基準電流値を示すセット用基準電圧を生成し出力する電源である。セット用基準電流値は、出力電圧の上昇及び降下が連続するバースト状態に入ったことを判定するための累積コイル電流情報の閾値である。セット用基準電流には、1回の出力電圧の上昇では超えない値が設定される。セット用基準電圧源535は、セット用基準電圧をセット用コンパレータ537へ出力する。
【0052】
リセット用基準電圧源534は、リセット用基準電流値を示すリセット用基準電圧を生成し出力する電源である。リセット用基準電流値は、出力電圧の上昇及び降下が連続するバースト状態から抜けたことを判定するための累積コイル電流情報の閾値である。リセット用基準電圧源534は、リセット用基準電圧をリセット用コンパレータ536へ出力する。
【0053】
セット用コンパレータ537は、累積コイル電流情報の入力を減衰回路533から受ける。また、セット用コンパレータ537は、セット用基準電圧の入力をセット用基準電圧源535から受ける。
【0054】
セット用コンパレータ537は、累積コイル電流情報が示す電流値とセット用基準電圧が示すセット用基準電流値とを比較する。累積コイル電流情報が示す電流値がセット用基準電流値以上の場合、セット用コンパレータ537は、FF回路538へ出力するFFセット信号の値をHighにする。すなわち、セット用コンパレータ537は、FFセット信号を有効にする。また、累積コイル電流情報が示す電流値がセット用基準電流値未満の場合、セット用コンパレータ537は、FF回路538へ出力するFFセット信号の値をLowにする。すなわち、セット用コンパレータ537は、FFセット信号を無効にする。
【0055】
リセット用コンパレータ536は、累積コイル電流情報の入力を減衰回路533から受ける。また、リセット用コンパレータ536は、リセット用基準電圧の入力をリセット用基準電圧源534から受ける。
【0056】
リセット用コンパレータ536は、累積コイル電流情報が示す電流値とリセット用基準電圧が示すリセット用基準電流値とを比較する。累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値未満の場合、リセット用コンパレータ536は、FF回路538へ出力するFFリセット信号の値をHighにする。すなわち、リセット用コンパレータ536は、FFリセット信号を有効にする。また、累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値以上の場合、リセット用コンパレータ536は、FF回路538へ出力するFFリセット信号の値をLowにする。すなわち、リセット用コンパレータ536は、FFリセット信号を無効にする。
【0057】
FF回路538は、RS(Reset Set)型のフリップフロップ回路である。FF回路538は、セット用コンパレータ537が出力するFFセット信号の入力をS(Set)端子に受ける。また、FF回路538は、リセット用コンパレータ536が出力するFFリセット信号の入力をR(Reset)端子に受ける。
【0058】
FF回路538は、S端子に入力されるFFセット信号が有効になった場合、基準電圧生成部154へ出力する出力電圧降下抑制信号の値をHighに設定する。すなわち、FF回路538は、出力電圧降下抑制信号を有効にする。また、FF回路538は、R端子に入力されるFFリセット信号が有効になった場合、出力電圧降下抑制信号の値をLowに設定する。すなわち、FF回路538は、出力電圧降下抑制信号を無効にする。出力電圧降下抑制信号は、電源回路10においてシステムデバイス20から出力電圧の降下を指示する出力電圧制御信号を受けた場合に出力電圧を降下させるか否かの判定に用いられる信号である。
【0059】
以上のように、FF回路538は、ピーク検出回路531が出力コンデンサ106及び107への突入電流が連続して発生したことを検出した場合に、出力電圧の降下を停止させる出力電圧降下抑制信号を出力する。すなわち、出力電圧降下抑制信号生成部153は、出力電圧の上昇及び降下の繰り返しが発生した場合に、出力電圧の降下を停止させるといえる。
【0060】
コイル105の電流においてピークが検出された後に出力される累積コイル電流情報が示す電流値が次のピークにおけるコイル電流情報を加算してもセット用基準電流値以上とならない値まで減衰されるまでの期間が「所定期間」の一例にあたる。すなわち、所定期間は、セット用基準電流値を低く設定すれば長くなり、また、入力されるコイル電流情報が大きければ長くなる。言い換えれば、出力電圧降下抑制信号生成部153は、以下のような動作を行う。出力電圧降下抑制信号生成部153は、コイル105に流れる電流のピーク毎にコイル電流情報を取得する。そして、出力電圧降下抑制信号生成部153は、前回のピーク時における累積コイル電流情報が示す電流値を所定の時定数で減衰させた電流値と取得した電流値とを加算して累積コイル電流情報を算出する。その後、出力電圧降下抑制信号生成部153は、算出した累積コイル電流情報が閾値を超えた場合に、所定期間に前記出力電圧の上昇及び降下の繰り返しが発生したと判定する。そして、出力電圧降下抑制信号生成部153は、基準電圧生成部154へ出力する出力電圧降下抑制信号を有効にする。
【0061】
図3に戻って説明を続ける。基準電圧生成部154は、出力電圧を指定する出力電圧制御信号の入力をシステムデバイス20から受ける。また、基準電圧生成部154は、出力電圧降下抑制信号の入力を出力電圧降下抑制信号生成部153から受ける。
【0062】
基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号が指定する電圧値が出力中の出力電圧の電圧値未満か否かを判定する。出力電圧制御信号が指定する電圧値が出力中の出力電圧の電圧値以上の場合、基準電圧生成部154は、基準電圧情報が示す電圧値を出力電圧制御信号で指定された電圧値に変更する。そして、基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号で指定された電圧値を示す基準電圧情報をPWM部155へ出力する。
【0063】
一方、出力電圧制御信号が指定する電圧値が出力中の出力電圧の電圧値未満の場合、基準電圧生成部154は、出力電圧降下抑制信号生成部153から入力される出力電圧降下抑制信号が有効であるか否かを判定する。出力電圧降下抑制信号が無効であれば、基準電圧生成部154は、基準電圧情報が示す電圧値を出力電圧制御信号で指定された電圧値に変更する。そして、基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号で指定された電圧値を示す基準電圧情報をPWM部155へ出力する。
【0064】
これに対して、出力電圧降下抑制信号が有効であれば、基準電圧生成部154は、PWM部155に出力中の基準電圧情報を維持する。その後、基準電圧生成部154は、新たな出力電圧制御信号をシステムデバイス20から受信したか否かを判定する。新たな出力電圧制御信号を受信した場合、基準電圧生成部154は、現在の出力電圧制御信号の処理を抜けて、新たな出力電圧制御信号の処理を開始する。
【0065】
これに対して、新たな出力電圧制御信号を受信していない場合、基準電圧生成部154は、出力電圧降下抑制信号が無効になったか否かを判定する。出力電圧降下抑制信号が無効であれば、基準電圧生成部154は、基準電圧情報が示す電圧値を出力電圧制御信号で指定された電圧値に変更する。そして、基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号で指定された電圧値を示す基準電圧情報をPWM部155へ出力する。
【0066】
一方、出力電圧降下抑制信号が有効であれば、基準電圧生成部154は、新たな出力電圧制御信号を受信する又は出力電圧降下抑制信号が無効になるまで基準電圧情報の現在の状態を維持する。すなわち、新たな出力電圧制御信号を受信する又は出力電圧降下抑制信号が無効になるまで、基準電圧生成部154は、出力電圧の降下を停止する。この基準電圧生成部154が、「出力電圧制御部」の一例にあたる。
【0067】
PWM部155は、位相補償情報の入力を位相補償部152から受ける。さらに、PWM部155は、基準電圧情報の入力を基準電圧生成部154から受ける。
【0068】
そして、PWM部155は、位相補償情報に応じた位相を有し、且つ、基準電圧を有する電圧を電源発振部112が出力するように、パルス幅及び位相を決定する。そして、PWM部155は、決定したパルス幅及び位相を示すPWM信号を動作制御部156へ出力する。
【0069】
動作制御部156は、電源発振部112のドライバである。動作制御部156は、PWM信号の入力をPWM部155から受ける。そして、動作制御部156は、PWM信号で示されるパルス幅及び位相を有する電圧を出力するように電源発振部112を制御する。
【0070】
例えば、動作制御部156は、
図2のHi−side FET103とLo−side FET104とがPWM信号で示されるパルス幅及び位相を有する電圧を出力するように、PWM信号をドライブ信号に変換する。そして、動作制御部156は、ドライブ信号をHi−side FET103とLo−side FET104のゲートに印加して駆動させる。
【0071】
次に、
図5及び
図6を参照して、出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合のコイル105に流れる電流、電源回路10への入力電圧、ピーク更新信号、累積コイル電流情報、出力電圧降下抑制信号及び出力電圧の変化について説明する。
【0072】
図5は、出力電圧降下抑制の機能を用いない場合のバースト時の出力電圧を示す図である。
図5の縦軸は出力電圧を表し、横軸は時間を表す。
【0073】
また、
図6は、実施例に係る電源回路の出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合の動作を説明するための図である。
図6は、
図5における領域290に対応する電源回路10の状態を表す。
図6のグラフ200は、電源回路10からの出力電圧の変化を表す。グラフ200の縦軸は出力電圧を表し、横軸は時間を表す。また、グラフ210は、コイル105に流れる電流の変化を表す。グラフ210の縦軸は電流値を表し、横軸は時間を表す。また、グラフ220は、ピーク更新信号の変化を表す。グラフ200の縦軸はピーク更新信号の値を表し、横軸は時間を表す。また、グラフ230は、累積コイル電流情報231、セット用基準電流値232及びリセット用基準電流値233を含む。グラフ230の縦軸は電流値を表し、横軸は時間を表す。また、グラフ240は、出力電圧降下抑制信号の変化を表す。グラフ240の縦軸は出力電圧降下抑制信号の値を表し、横軸は時間を表す。また、グラフ250は、電源回路10への入力電圧の変化を表す。グラフ250の縦軸は電圧値を表し、横軸は時間を表す。さらに、グラフ260は、出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合の出力電圧変化全体を表す。グラフ260の縦軸は出力電圧を表し、横軸は時間を表す。
【0074】
ここでは、出力電圧降下抑制の機能を用いなければ、
図5に示すように出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合について説明する。この場合、
図5に示される出力電圧の各ピークの前にシステムデバイス20が動作するために電圧の上昇が指示され、その後、ピークでシステムデバイス20が動作を停止し電圧の降下が指示されることが繰り返される。この場合、およそ100MHzの周期で出力電圧の上昇及び降下が繰り返される。そこで、以下では、
図5に示す場合と同様のタイミングで電圧の上昇及び降下を指示する出力電圧制御信号がシステムデバイス20から電源回路10へ送信される場合を例に説明する。
【0075】
この場合、最初の電圧の上昇の指示を受けて、グラフ200の電圧変化201に示すように、電源回路10からの出力電圧が上昇する。この時、出力電圧の上昇に応じて電流も上昇するため、コイル105を流れる電流は、グラフ210に示すピーク211が発生する。出力電圧降下抑制信号生成部153のピーク検出回路531は、ピーク211を検出し、グラフ220の信号変化221のようにピーク更新信号を有効にして直ぐに無効に戻す。出力電圧の上昇の指示が来る前は、減衰回路533は、0Aの電流値を示す累積コイル電流情報を出力している。そして、加算回路532は、グラフ220の信号変化221で示されるようにピーク更新信号が有効になると、累積コイル電流情報が示す0Aにグラフ210のピーク211における電流値を加算した値を累積コイル電流更新情報として減衰回路533へ出力する。減衰回路533は、グラフ220の信号変化221で示されるようにピーク更新信号が無効になると、0Aにグラフ220の電流値を加算した値を示す累積コイル電流情報を出力する。この時点では、累積コイル電流情報が示す電流値は、グラフ230に示す点234で表される値を有し、セット用基準電流値232を超えない。そのため、グラフ240に示すように、FF回路538が出力する出力電圧降下抑制信号を無効のままである。そこで、システムデバイス20からの出力電圧の降下の指示を受けて、グラフ200の電圧変化201に示すように出力電圧は上昇後に直ぐに降下する。
【0076】
さらに、次のシステムデバイス20からの出力電圧の上昇の指示を受けて、グラフ200の電圧変化202に示すように電源回路10からの出力電圧が上昇する。この時、出力電圧の上昇に応じて電流も上昇するため、コイル105を流れる電流は、グラフ210に示すピーク212が発生する。出力電圧降下抑制信号生成部153のピーク検出回路531は、ピーク212を検出し、グラフ220の信号変化222のようにピーク更新信号を有効にして直ぐに無効に戻す。減衰回路533は、前回の累積コイル電流更新情報が示す電流値を所定の時定数で減衰した電流値を示す累積コイル電流情報を出力している。そして、加算回路532は、グラフ220の信号変化222で示されるようにピーク更新信号が有効になると、累積コイル電流情報が示す電流値にグラフ210のピーク212における電流値を加算した値を累積コイル電流更新情報として減衰回路533へ出力する。減衰回路533は、グラフ220の信号変化222で示されるようにピーク更新信号が無効になると、出力中の累積コイル電流情報が示す電流値にグラフ210のピーク212における電流値を加算した電流値を示す累積コイル電流情報を出力する。この時点で、累積コイル電流情報が示す電流値は、グラフ230に示す点235で表されるように、セット用基準電流値232を超える。そのため、グラフ240の信号変化241に示すように、FF回路538が出力する出力電圧降下抑制信号は有効となる。そこで、システムデバイス20からの出力電圧の降下の指示を受けても基準電圧生成部154は出力電圧を降下させない。そこで、グラフ200の電圧変化203に示すように出力電圧は上昇後に電圧を維持する。
【0077】
その後、出力電圧は高い状態なのでシステムデバイス20は出力電圧の上昇を指示する出力電圧制御信号の出力は行わない。この場合、グラフ200の電圧変化203に示すように電源回路10からの出力電圧は変化しない。ただし、システムデバイス20は高負荷と低負荷を繰り返すので、電流もシステムデバイス20の消費電力に応じて変化し、コイル105を流れる電流は、グラフ210に示すピーク213〜216が発生する。出力電圧降下抑制信号生成部153のピーク検出回路531は、ピーク213〜216を検出し、グラフ220の信号変化223〜226のようにピーク更新信号を有効にして直ぐに無効に戻す。減衰回路533は、前回の累積コイル電流更新情報が示す電流値を所定の時定数で減衰した電流値を示す累積コイル電流情報を出力している。そして、加算回路532は、グラフ220の信号変化223〜226で示されるようにピーク更新信号が有効になると、累積コイル電流情報が示す電流値にグラフ210のピーク213〜216における電流値を加算した値を累積コイル電流更新情報として減衰回路533へ出力する。減衰回路533は、グラフ220の信号変化223〜226で示されるようにピーク更新信号が無効になるたびに、出力中の累積コイル電流情報が示す電流値にグラフ210の各ピーク213〜216における電流値を加算した電流値を示す累積コイル電流情報を出力する。この間で、累積コイル電流情報が示す電流値は、グラフ230に示すように、累積コイル電流情報231は、リセット用基準電流値233を下回らない。そこで、グラフ240に示すように、FF回路538が出力する出力電圧降下抑制信号は有効のままである。しかし、ピーク216の後にはコイル105に流れる電流にピークが発生しないので、減衰回路533は、徐々に累積コイル電流情報が示す電流値を下げていく。そして、グラフ230の点236に示すように、累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値233を下回る。そのため、グラフ240の信号変化242に示すように、FF回路538が出力する出力電圧降下抑制信号は無効となる。
【0078】
その後、次のシステムデバイス20からの出力電圧の降下の指示を受けると、基準電圧生成部154は出力電圧を降下させる。そのため、グラフ200の電圧変化204に示すように電源回路10からの出力電圧が降下する。
【0079】
このように、本実施例に係る電源回路10では、グラフ200で示すように出力電圧の変化を抑えることができる。すなわち、出力コンデンサ106及び107における電荷の移動を抑えることができ歪が抑えられるので、出力コンデンサ106及び107の歪による音の発生を抑えることができる。
【0080】
また、この場合、電源回路10への入力電圧は、グラフ250で示されるように変化する。最初及び2回目のシステムデバイス20からの出力電圧の上昇指示のタイミングでは、出力電圧が上昇するため、その影響で入力電圧は大きく低下する。しかし、その後は、出力電圧は一定であり、システムデバイス20の動作による電流の変化の影響で入力電圧が変化するので、入力電圧の変化は小さく抑えられる。すなわち、入力コンデンサ101及び102における電荷の移動を抑えることができ歪が抑えられるので、入力コンデンサ101及び102の歪による音の発生を抑えることができる。
【0081】
さらに、
図5に示すシステムデバイス20のバースト状態全体に対応する出力電圧の変化は、グラフ260に表される状態となる。例えば、領域261がグラフ200に対応する。このように、出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合に、電源回路10は、電圧上昇及び降下の指示が連続して発生した場合、その都度、最初の1回は電圧の上昇及び降下を行うが、その後は電圧の降下を一定の時間が経過するまで停止する。したがって、電源回路10は、出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される場合の全体における出力電圧の変化を抑えつつ、省電力を図ることが可能となる。
【0082】
次に、
図7を参照して、電源回路10における出力降下抑制信号の制御の流れについて説明する。
図7は、本実施例に係る電源回路における出力降下抑制信号の制御のフローチャートである。
【0083】
ピーク検出回路531は、コイル電流情報の入力を出力フィードバック部151から受ける。そして、ピーク検出回路531は、コイル電流情報からコイル105の電流のピークを検出したか否かを判定する(ステップS1)。コイル105の電流のピークを検出しない場合(ステップS1:否定)、処理はステップS5へ進む。
【0084】
コイル105の電流のピークを検出した場合(ステップS1:肯定)、ピーク検出回路531は、ピーク更新信号をHighにした後に短期間でLowに戻す(ステップS2)。
【0085】
加算回路532は、ピーク更新信号がHighになったことを検出して、出力フィードバック部151から取得したコイル電流情報が示す電流値と減衰回路533から取得した累積コイル電流情報電流値とを加算する。そして、加算回路532は、加算結果の電流値を示す累積コイル電流更新情報を出力する(ステップS3)。
【0086】
減衰回路533は、ピーク更新信号がLowになったことを検出して、出力する累積コイル電流情報が示す電流値を加算回路532から取得した累積コイル電流更新情報が示す電流値に一致させる(ステップS4)。
【0087】
減衰回路533は、累積コイル電流情報が示す電流値を時間とともに減衰させる(ステップS5)。
【0088】
セット用コンパレータ537は、累積コイル電流情報が示す電流値がセット用基準電流値以上か否かを判定する(ステップS6)。
【0089】
累積コイル電流情報が示す電流値がセット用基準電流値未満の場合(ステップS6:否定)、セット用コンパレータ537は、Lowの値を有するセット用信号を出力する(ステップS7)。
【0090】
リセット用コンパレータ536は、累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値未満か否かを判定する(ステップS8)。
【0091】
累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値以上の場合(ステップS8:否定)、リセット用コンパレータ536は、Lowの値を有するリセット用信号を出力する(ステップS9)。
【0092】
この場合、FF回路538は、出力中の出力電圧降下抑制信号の状態を維持する(ステップS10)。
【0093】
これに対して、累積コイル電流情報が示す電流値がリセット用基準電流値未満の場合(ステップS8:肯定)、リセット用コンパレータ536は、Highの値を有するリセット用信号を出力する。FF回路538は、Highの値を有するリセット用信号の入力を受けて、出力電圧降下抑制信号の値をLowにする(ステップS11)。
【0094】
一方、累積コイル電流情報が示す電流値がセット用基準電流値以上の場合(ステップS6:肯定)、セット用コンパレータ537は、Highの値を有するセット用信号を出力する。FF回路538は、Highの値を有するセット用信号の入力を受けて、出力電圧降下抑制信号の値をHighにする(ステップS12)。
【0095】
次に、
図8を参照して、基準電圧生成部154による基準電圧情報の生成処理の流れについて説明する。
図8は、基準電圧生成部による基準電圧情報の生成処理のフローチャートである。
【0096】
基準電圧生成部154は、出力電圧を指定する出力電圧制御信号の入力をシステムデバイス20から受信したか否かを判定する(ステップS101)。出力電圧制御信号の入力を受けていない場合(ステップS101:否定)、基準電圧生成部154は、出力中の基準電圧情報を維持したまま処理を終了する。
【0097】
一方、出力電圧制御信号の入力を受けた場合(ステップS101:肯定)、基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号が示す電圧値が出力中の基準電圧情報が示す電圧値以上か否かを判定する(ステップS102)。出力電圧制御信号が指定する電圧値が出力中の基準電圧情報が示す電圧値以上の場合(ステップS102:肯定)、基準電圧生成部154は、ステップS106へ進む。
【0098】
一方、出力電圧制御信号が指定する電圧値が出力中の基準電圧情報が示す電圧値未満の場合(ステップS102:否定)、基準電圧生成部154は、出力電圧降下抑制信号生成部153から入力される出力電圧降下抑制信号が有効であるか否かを判定する(ステップS103)。出力電圧降下抑制信号が無効の場合(ステップS103:否定)、基準電圧生成部154は、ステップS106へ進む。
【0099】
これに対して、出力電圧降下抑制信号が有効の場合(ステップS103:肯定)、基準電圧生成部154は、PWM部155に出力中の基準電圧情報を維持する。その後、基準電圧生成部154は、新たな出力電圧制御信号をシステムデバイス20から受信したか否かを判定する(ステップS104)。新たな出力電圧制御信号を受信した場合(ステップS104:肯定)、基準電圧生成部154は、現在の出力電圧制御信号を破棄し、ステップS102に戻って、新たな出力電圧制御信号の処理を開始する。
【0100】
これに対して、新たな出力電圧制御信号を受信していない場合(ステップS104:否定)、基準電圧生成部154は、出力電圧降下抑制信号が無効になったか否かを判定する(ステップS105)。出力電圧降下抑制信号が無効の場合(ステップS105:肯定)、基準電圧生成部154は、ステップS106へ進む。
【0101】
一方、出力電圧降下抑制信号が有効の場合(ステップS105:否定)、基準電圧生成部154は、ステップS104へ戻る。すなわち、基準電圧生成部154は、新たな電圧制御信号を受信するか出力電圧の上昇及び降下が連続して要求される状態が検知されなくなるまで、ステップS104及びS105の処理をループする。
【0102】
そして、基準電圧生成部154は、基準電圧情報が示す電圧値を出力電圧制御信号が示す電圧値に変更する(ステップS106)。その後、基準電圧生成部154は、出力電圧制御信号で指定された電圧値を示す基準電圧情報をPWM部155へ出力する。
【0103】
ここで、本実施例では、コイル105を流れる電流から出力コンデンサ106及び107への突入電流を検出してシステムデバイス20の動作状態を把握したが、システムデバイス20の動作状態が検出できれば他の情報を用いてもよい。例えば、ピーク検出回路531は、電源回路10からの出力電圧を計測して、出力電圧の変化によりシステムデバイス20の動作状態を検出してもよい。また、ピーク検出回路531は、システムデバイス20から動作情報を取得して、システムデバイス20の動作状態を検出してもよい。
【0104】
以上に説明したように、本実施例に係る情報処理装置は、出力電圧の上昇及び降下が短期間に連続する場合、出力電圧を降下させることを停止し、出力電圧の上昇及び降下の繰り返しが連続しなくなった後に、出力電圧の降下を許可する。これにより、電圧可変のシステムデバイスの負荷の変化が連続する場合に、出力電圧の連続の変化を軽減できる。すなわち、入力コンデンサ及び出力コンデンサにおける電荷の移動を抑えることができ、コンデンサの歪みによる音の発生を低減することができる。また、出力電圧の連続変化が停止した場合には出力電圧を降下させることができ、消費電力を抑えることができる。
【0105】
ここで、情報処理装置は、システムデバイスの処理が重い場合は出力電圧を上昇させ、システムデバイスの半導体を高速に動作させることで処理能力を上げ、処理が軽い場合は出力電圧を下げて、システムデバイスのリーク電流を下げることで消費電力を下げる。
【0106】
そのため、出力電圧の連続変化が要求された場合に出力電圧を高いままにすると、リーク電流の分だけ消費電力が増える。ただし、電源回路にとって出力電力を上げることは、出力コンデンサに電荷を充電することであり、出力電圧を上昇させるには出力コンデンサの容量に応じて電力が消費される。出力電圧を連続変化させる場合、そのたびに出力電圧を上げることになり、消費電力が出力コンデンサの充電分だけ増える。以上から、出力電圧の連続変化が要求された場合に出力電圧を高く維持しても、リーク電流や出力コンデンサの容量によっては消費電力が増加しない。