(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
本実施形態は、乗物用シートのシートフレームであって、前記乗物用シートの着座部分のフレームとなるシートクッションフレームと、前記乗物用シートの背もたれ部分のフレームとなるシートバックフレームと、前記シートバックフレームに含まれる下部フレームに連結される腰部支持部材と、を備え、前記腰部支持部材は、シート幅方向に延出し、前記下部フレームに連結される連結領域と、前記連結領域から前記シートクッションフレームに向けて延出し、乗員の腰部を支持する腰部支持領域と、を有し、前記腰部支持領域は前記連結領域よりもシート幅方向に長いことを特徴とするシートフレームの発明に関するものである。なお、以下の実施形態では、本発明に係るシートフレームを車両のシートフレーム(以下、車両用シートフレーム)に適用した場合について説明する。
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る車両用シート及び車両用シートのフレームとなる車両用シートフレームについて、
図1乃至
図16を参照しながら説明する。
【0031】
以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートの着座者から見たときの前後方向を意味し、車両の走行方向と一致する方向である。「シート幅方向」とは、車両用シートの横幅方向を意味し、車両用シートの着座者から見たときの左右方向と一致する。また、「高さ方向」とは、車両用シートの高さ方向を意味し、車両用シートを正面から見たときの上下方向と一致している。
【0032】
[車両用シートSの構成]
まず、
図1に基づき、第1の実施形態に係る車両用シートSの基本構成について説明する。
図1に示すように、車両用シートSは、シートバックS1、シートクッションS2及びヘッドレストS3を有する。また、シートクッションS2の下部には、シート本体(車両用シートSの主要部)を前後方向にスライド移動させるためのスライドレール機構30が設けられている。
【0033】
車両用シートSは、その骨格として、
図2に示される車両用シートフレームF1を有する。また、
図3には、車両用シートフレームF1の左側面図を、
図4には、車両用シートフレームF1の右側面図を示している。以下、
図2乃至
図4を参照しながら、車両用シートフレームF1の構成について説明する。
【0034】
[車両用シートフレームF1の構成]
図2に示されるように、車両用シートフレームF1は、シートバックフレーム10と、シートクッションフレーム20と、を主な構成要素としている。
【0035】
シートバックフレーム10は、逆さU字形の上部フレーム11と、シート幅方向左端部をなすシートバックサイドフレーム12Lと、シート幅方向右端部をなすシートバックサイドフレーム12Rと、シートバックサイドフレーム12Lとシートバックサイドフレーム12Rの下端部の間に架設された下部フレーム13と、を有する。また、シートバックサイドフレーム12Lとシートバックサイドフレーム12Rの下端部の間にはリクライニング機構50のリクライニング軸14がシートバックサイドフレーム12Lとシートバックサイドフレーム12Rを貫通した状態でセットされている。リクライニング操作部51を操作することによりリクライニング機構50を動作させ、シートバックフレーム10の角度を調整可能となっている。
【0036】
シートバックサイドフレーム12Lとシートバックサイドフレーム12Rとの中央部と下方部のそれぞれの間に、受圧部材となるSバネ17、Sバネ18が架設されている。下方側のSバネ18の左右端部は、シートバックサイドフレーム12L、12Rにそれぞれ設けられたSバネフックブラケット19のフック部19Bに係止されている。なお、Sバネフックブラケット19は固定部19Aによりシートバックサイドフレームに固定されており、固定部19Aからフック部19Bに向けてビードが形成され、Sバネフックブラケットの剛性を高めている。また、中央側のSバネ17の左右端部は、シートバックサイドフレーム12L、12Rにそれぞれ設けられた係止部17Aに係止されている。
【0037】
また、シートバックサイドフレーム12Lとシートバックサイドフレーム12Rの間には、車両用シートSの着座者の背を後方から支える受圧部材15が設けられている。この受圧部材15は、面状ばね(プルマフレックス)からなり、上部フレーム11の両端部間を連結するアッパークロスメンバ16にワイヤ等で吊られた状態で保持されている。具体的に説明すると、受圧部材15は、左右一対のサイドワイヤ15Aと、サイドワイヤ15A間に複数本張設されたクロスワイヤ15Bと、クロスワイヤ15Bの中央部にサイドワイヤ15Aと平行に配置された中央ワイヤ15Cにより構成されている。ここで、サイドワイヤ15Aの上端部は、アッパークロスメンバ16に取り付けられており、サイドワイヤ15Aの下端部は、Sバネ17に取り付けられて保持されている。
【0038】
上記のように受圧部材15をSバネ17に結合させることにより、部品点数を軽減しつつ、Sバネ17の受圧特性を、受圧部材15を含む広い範囲で活かすことができる。
【0039】
また、
図2に示されるように、下部フレーム13の中央部分には、車両用シートSに着座する乗員の腰部を支持する腰部支持部材100が取り付けられている。この腰部支持部材100は、後面衝突時に乗員の腰部が後方に侵入することを抑えて、乗員の上体の後傾を促すことにより、乗員の上体を車両用シートSに沈み込ませ、頸部の衝撃を効果的に吸収する機能を果たす。なお、腰部支持部材100の形状及び下部フレーム13との連結の構成の詳細については後述する。
【0040】
次に、車両用シートSの着座部分の骨格となるシートクッションフレーム20について説明する。
図2に示されるように、シートクッションフレーム20は、上方から見たときに方形枠状の外形形状を有しており、シート幅方向左端部に位置するクッションサイドフレーム21Lと、シート幅方向右端部に位置するクッションサイドフレーム21Rと、シートクッションフレーム20の前端部を構成するパンフレーム22と、を主たる構成要素とする。また、クッションサイドフレーム21Lの後端部の上方部分は、連結ブラケットを介してシートバックサイドフレーム12Lの下端部に取り付けられている。
【0041】
また、クッションサイドフレーム21L及びクッションサイドフレーム21Rの後端部の下方部分同士は、
図2に示すように、シート幅方向に沿って延出する部材によって連結されている。この部材は、中空部材としての連結パイプ24であり、具体的には丸パイプからなる。また、連結パイプ24のシート幅方向における両端部は、筒状部材としての端部スリーブを介してクッションサイドフレーム21Lとクッションサイドフレーム21Rに支持されている。
【0042】
また、クッションサイドフレーム21Lとクッションサイドフレーム21Rの間には、臀部支持部材としてのSバネ25がシート幅方向に複数並べられて設けられている。このSバネ25は、シート着座者である乗員の臀部を支持するために設けられており、前後方向に長く延出している。また、Sバネ25の前端部は、パンフレーム22の上端面に固定されている。また、Sバネ25の後端部は、クッションサイドフレーム21Lとクッションサイドフレーム21Rの間に配置された係合フック26とL字アングル状の固定ブラケット27によって上述の連結パイプ24に留められている。
【0043】
また、車両用シートSは、シートクッションS2の高さを調整するための高さ調整機構40を備えている。この高さ調整機構40は、上下方向においてシートクッションフレーム20とスライドレール機構30のアッパレール32との間に配置されている。なお、スライドレール機構30はロアレール31とアッパレール32を含み構成され、シートクッションフレーム20が連結されているアッパレール32がロアレール31に対してスライドすることにより、車両用シートフレームF1を前後方向に移動可能としている。そして、乗員が高さ調整操作部46を操作することで、高さ調整機構40によりシートクッションS2を含むシート本体の高さが調整される。
【0044】
ここで、
図3に基づき、車両用シートフレームF1の左側の側面形状について説明する。
図3に示されるように、シートバックサイドフレーム12Lの側面は、上部フレーム11との連結箇所から、シートクッションフレーム20との連結箇所に向けて幅広となる形状に構成されている。そして、シートバックサイドフレーム12Lの側面には、エアバッグ取付孔12a、及び力布クリップ取付孔12bを含む複数の孔が形成されている。
【0045】
エアバッグ取付孔12aには、エアバッグモジュールがボルトで締結される。また、力布には、取り付け時にシート幅方向となる一方の側における下方の二箇所にクリップが取り付けられている。この力布に取り付けられる2つのクリップがシートバックサイドフレーム12Lの二箇所の力布クリップ取付孔12bにそれぞれ取り付けられることで、力布がシートバックフレーム10に固定される。ここで、エアバッグ取付孔12aと力布クリップ取付孔12bとが近接して配置されていることにより、エアバッグを力布の中で効率良く展開させることができる。そのため、力布により案内される方向にエアバッグが速やかに展開するようになる。
【0046】
また、シートバックサイドフレーム12Lの下方端部の周辺には複数の脆弱部が形成されている。ここで、脆弱部はフレームの変形を誘発させるように強度を低くした箇所であり、本実施形態ではシートバックサイドフレーム12Lの外周面からシート内部方向に凹んだビード形状、又はフレームに形成された孔として構成されている。こうした脆弱部をシートバックサイドフレームに設けることにより、後面衝突時に脆弱部の箇所でシートバックサイドフレームを変形させ、衝撃を効率良く吸収させるようにしている。
【0047】
図3に示されるように、シートバックサイドフレーム12L(12R)の側面から背面にかけてシート幅方向に延びるシート内部方向に凹んだビード部12cが脆弱部として機能する。また、シートバックサイドフレーム12L(12R)の背面において、ビード部よりもシート上方側に設けられた孔も脆弱部として機能する。また、シートバックサイドフレーム12L(12R)の側面において、シート下方端部の周辺に設けられた孔12fも脆弱部として機能する。
【0048】
なお、Sバネフックブラケット19は、脆弱部として機能するビード部19Cの上方に設けられており、後面衝突時にSバネフックブラケット19に乗員の荷重がかかることで、脆弱部として機能するビード部12cの箇所で変形が起こりやすくなる。これにより衝撃吸収性を向上させることができる。
【0049】
一方で、シートバックサイドフレーム12L(12R)には、強度を向上させるための補強部が形成されており、必要部分の強度が確保されている。例えば、シートバックサイドフレーム12L(12R)の側面に設けられた略L字形状のビード部12dが補強部として機能する。また、シートバックサイドフレーム12L(12R)の側面において、ビード部12dよりもシート前方側に設けられた略I字形状のビード部12eも補強部として機能する。
【0050】
また、
図3に示されるように、クッションサイドフレーム21Lの側面において上方端部と下方端部のそれぞれに、中央部から前方部に延びるビード部21a、21b(シート外側に凸形状となる領域)が設けられている。そして、上側のビード部21aと下側のビード部21bの間には高さ調整機構40の高さ調整操作部46が配置されている。このように、上側のビード部21aと下側のビード部21bの間の空間を有効に利用することにより車両用シートSをコンパクトに構成することができる。
【0051】
次に、
図4に基づき、車両用シートフレームF1の右側の側面形状について説明する。
図4に示されるように、シートバックサイドフレーム12Rの側面は、シートバックサイドフレーム12Lの側面と同様であるため説明を省略し、以下においてはクッションサイドフレーム21Rの側面形状について説明する。
【0052】
図4に示されるように、クッションサイドフレーム21Rの側面において上方端部と下方端部のそれぞれに中央部から後方部に延びるビード部21c,21dが設けられている。そして、上側のビード部21cと下側のビード部21dの間はシート前方からシート後方にかけて徐々に拡大するようになっており、上側のビード部21cと下側のビード部21dの間には、3つの孔を繋ぐ形状のビード部21eが設けられている。ビード部21eに設けられている3つの孔は、部材取り付けに用いられることとしてよい。このように、部材取り付け用の孔をビード部21eに形成することにより、クッションサイドフレーム21Rにおける部材取付部分の剛性を向上させることができる。
【0053】
[腰部支持部材100の構成]
次に、
図5乃至
図11を参照しながら、本実施形態に係る車両用シートフレームF1に備えられる腰部支持部材100の構成の詳細について説明する。以下においては、腰部支持部材100の各部の方向については、腰部支持部材100を下部フレーム13に取り付けた際の方向に対応することとして説明する。
【0054】
図5には、
図2の要部拡大図であって、腰部支持部材100と下部フレーム13との連結箇所を示している。また、
図6には、腰部支持部材100と下部フレーム13との連結箇所の背面図を示し、
図7には、
図6におけるVII−VII断面図を示している。そして、
図8には、腰部支持部材100の斜視図を、
図9には腰部支持部材100の上面図を、
図10には、腰部支持部材100の側面図を示している。
図11には、腰部支持部材100にワイヤーハーネスを取り付けた場合の構成例を示している。
【0055】
図5に示されるように、腰部支持部材100は、腰部を支持する面(腰部支持領域120)が、シート前後方向においてリクライニング軸14と下部フレーム13との間となるように、下部フレーム13に取り付けられている。このように、腰部支持部材100がリクライニング軸14の後方に配置されていることにより、通常の着座状態において腰部支持部材100が撓んだ場合であっても、リクライニング軸14との干渉を防止できるため、接触音の発生を抑制できる。
【0056】
また、
図5に示されるように、下部フレーム13のフランジ部13bは、下部フレーム13がシートバックサイドフレーム12Lと接続する部分から、下部フレーム13がシートバックサイドフレーム12Rと接続する部分までシート幅方向に延びており、フランジ部13bの端部はそれぞれ、リクライニング軸14が下部フレーム13を貫通する部分の上部付近に位置するようになっている。
【0057】
また、
図8乃至
図10に示されるように、腰部支持部材100は、下部フレーム13に連結され、シート幅方向に延出する連結領域110と、連結領域110からシート前方に延出し、乗員の腰部を支持する腰部支持領域120と、腰部支持領域120からシート後方に延出した後方延出領域130と、腰部支持部材100のシート幅方向における端部をシート幅方向内側に折り曲げた曲げ部140と、腰部支持領域120と曲げ部140とを接続する接続部150とを有している。以下、腰部支持部材100の各部の詳細について説明する。
【0058】
まず、腰部支持部材100における連結領域110の構成について説明する。
図9に示されるように、連結領域110のシート幅方向の長さW1は、腰部支持領域120のシート幅方向の長さW2よりも短くなっている。換言すれば、腰部支持領域120のシート幅方向の長さW2は、連結領域110のシート幅方向の長さW1よりも短くなっている。
【0059】
このように、連結領域110のシート幅方向の長さよりも、腰部支持領域120のシート幅方向の長さを長くすることにより、腰部支持領域120の面を十分に確保して乗員の腰部を安定的に支持しつつも、連結領域110を小型化することができる。すなわち、上記構成によれば、腰部支持部材100の腰部支持機能を担保しつつも、下部フレーム13への取り付け部分を小型化し、それにより全体としての軽量化を実現することが可能となる。
【0060】
また、
図9に示されるように、シート上方から腰部支持部材100を見た場合に、連結領域110から腰部支持領域120に向けて幅(シート幅方向における幅)が広がるような形状(例えばフレア形状)となっている。連結領域110と腰部支持領域120をこうした形状で形成することにより、連結領域110が腰部支持領域120を安定的に支持可能となるとともに、腰部支持領域120で受けた乗員の荷重をバランス良く分散させて連結領域110に伝えることが可能となる。
【0061】
また、
図10に示されるように、連結領域110は、シート後方をシート下方に折り曲げた略L字形状となっている。そして、
図6及び
図7に示すように、連結領域110は、シート下方に折り曲げられた下方端部において下部フレーム13に溶接固定される。
【0062】
また、
図6及び
図7に示されるように、連結領域110の後面側は、シート下方端部において、下部フレーム13のシート外側に突出するビード部121の両側となる位置に、シート下方に凸となる凸部111が形成されている。ここで、それぞれの凸部111に対して、連結領域110と下部フレーム13との連結位置を決めるための位置決め孔112が形成されている。そして、連結領域110の下方端部において、シート幅方向に延出し、且つ下部フレーム13のシート内側に凹むビード部201の上部に位置する溶接部200で、例えばアーク溶接により溶接固定される。なお、溶接はアーク溶接に限らず、レーザ溶接等の他の溶接手法を用いてもよい。さらに
図6に示されるように、本実施形態では、溶接部200と位置決め孔112とはシート幅方向において略直線上に位置するように設けられている。
【0063】
次に、腰部支持部材100における腰部支持領域120の構成について説明する。
図5に示すように、腰部支持領域120は、腰部支持部材100を下部フレーム13に取り付けた際に、腰部を支持する面となる部分である。そして、
図8に示すように、腰部支持領域120には、円形及び略楕円形の複数の孔が形成されることにより、腰部支持部材100の軽量化が実現されている。
【0064】
また、腰部支持領域120のシート幅方向の端部には曲げ部140との接続部150が設けられている。ここで、
図8に示されるように、接続部150の周囲(すなわち、シート前後方向)には、切り欠き部160が設けられており、切り欠き部160を設けることにより、曲げ部140をシート幅方向内側に折り曲げる際に、腰部支持領域120の面が変形してしまうことを抑制している。
【0065】
一方、接続部150には、
図8及び
図10に示されるように、腰部支持部材100の内側、すなわち下部フレーム13側に凸となるビード状の補強部151が設けられており、補強部151を設けることにより接続部150の剛性を強化している。
【0066】
次に、腰部支持部材100における曲げ部140の構成について説明する。
図9に示されるように、曲げ部140は、接続部150のシート幅方向外側に接続しており、接続部150との接続箇所をシート後方側に略垂直に折り曲げることにより形成されている。ここで、
図7及び
図10に示されるように、曲げ部140は、シート後方側、すなわち下部フレーム13側に延出する曲げ部後方延出領域141を有している。
【0067】
一方、
図7に示されるように、下部フレーム13のシート下方の端部をなす下部フレーム下端部13aは、曲げ部140の後方延出領域130において、シート下方の端部をなす曲げ部下端部142よりもシート下方に位置しているとともに、シート前方側、すなわち腰部支持部材100側に延出している。こうして、
図7に示されるように、曲げ部後方延出領域141と、下部フレーム13のシート下部の前方延出領域とが対向する位置に離間した状態で配置されるようになっている。
【0068】
このように、曲げ部後方延出領域141は通常時においては下部フレーム13の前方延出領域に当接しない位置に配置されているが、後面衝突時においては、腰部支持領域120に乗員の荷重がかかることにより、曲げ部後方延出領域141が下部フレーム13の前方延出領域に当接し、曲げ部140が変形するようになる。これにより、後面衝突時に曲げ部140により衝撃が吸収されるようになっている。
【0069】
また、
図7に示されるように、曲げ部140におけるシート後方側の縁のうち、シート前方側に凹む凹部143と、下部フレーム13のシート前方側に突出するビード部201とが対向するように配置することにより、通常時において下部フレーム13のビード部201が曲げ部140に当接してしまうことを抑制している。こうすることで、腰部支持部材100と下部フレーム13とをコンパクトに形成することができるため、シートフレームが大型化することを抑制できる。
【0070】
また、
図10に示されるように、曲げ部140には、車両を構成する一部材を曲げ部140に取り付けるための孔(部材取付用孔145)が形成されている。本実施形態では、曲げ部140に2つの部材取付用孔145を設けることとしているが、これに限らず部材取付用孔145は、1つ又は3つ以上あってもよい。
【0071】
例えば、部材取付用孔145には、
図11に示されるように、ワイヤーハーネスを取り付けるためのクリップを係合させることにより、曲げ部140にワイヤーハーネスを取り付けることができる。このように、曲げ部140に部材を取り付け可能な部材取付用孔145を設けることにより、腰部支持部材100から、シートバックサイドフレーム12L,12Rまでの空間を有効に活用することができる。
【0072】
次に、腰部支持部材100における後方延出領域130について説明する。
図10に示されるように、後方延出領域130のシート後方側の端部は、曲げ部140のシート後方側の端部よりもシート前方に位置しており、通常時においては、後方延出領域130は下部フレーム13に当接しないようになっている。ただし、後面衝突時において強い衝撃を受けた場合には、腰部支持領域120に乗員の荷重がかかることより、曲げ部140が下部フレーム13に当接した後に続いて、後方延出領域130が下部フレーム13に当接することとなる。後方延出領域130は、下部フレーム13と当接する面が曲げ部140に比べて広いため、上記のように後面衝突時に後方延出領域130が下部フレーム13に当接して腰部支持領域120を支持することで、後面衝突時に乗員の腰部が後方に侵入しないようにできる。
【0073】
また、
図8に示されるように、後方延出領域130のシート下方側の縁部には凹部131が形成されることで、凹凸形状の縁部が形成されている。さらに後方延出領域130の面には円形及び略楕円形の複数の孔が形成されている。これにより、腰部支持部材100の軽量化が実現されている。
【0074】
以上説明した本実施形態に係る車両用シートフレームF1によれば、腰部支持部材100において乗員の腰部を支持する腰部支持領域120の大きさを確保しつつ、腰部支持部材100をシートバックフレーム10に連結する連結領域110を小型化できる。すなわち、車両用シートフレームF1によれば、乗員の腰部を広い面で安定して支持しつつ、小型化が可能な腰部支持部材100を備えることで、後面衝突に対する衝撃吸収性が高く、軽量化されたシートフレームを実現できる。
【0075】
また、腰部支持部材100のシート幅方向の端部に曲げ部140を設けることで、腰部支持部材100において乗員の腰部を支持する腰部支持領域120の剛性を向上させることができる。すなわち、車両用シートフレームF1によれば、乗員の腰部をより安定して支持することで、後面衝突に対する衝撃吸収性を向上させることができる。
【0076】
また、曲げ部140が下部フレーム13に向けて延出した後方延出領域130を有することで、腰部支持部材100において乗員の腰部を支持する腰部支持領域120に荷重がかかった場合に、曲げ部140の延出領域を下部フレーム13に当接させ変形させ、曲げ部140に衝撃を吸収させることができる。すなわち、車両用シートフレームF1によれば、腰部支持部材100による衝撃吸収性を向上させることで、後面衝突に対する衝撃吸収性を向上させることができる。
【0077】
また、腰部支持領域120と曲げ部140との接続部150の周囲に切り欠き部160を設けることで、腰部支持部材100において曲げ部140を形成する際に、乗員の腰部を支持する腰部支持領域120の変形を抑制することができる。また、曲げ部140も精度よく形成することができる。すなわち、車両用シートフレームF1によれば、腰部支持領域120がより安定して乗員の腰部を支持可能となり、剛性もより高めることで、後面衝突に対する衝撃吸収性を向上させることができる。
【0078】
また、接続部150に、下部フレーム13に向けて突出した形状の補強領域(補強部151)を設けることで、腰部支持領域120と曲げ部140を接続する接続部150の剛性を高めることができる。これにより、腰部支持領域120に荷重がかかった場合に、曲げ部140の延出領域を下部フレーム13に精度良く当接させることができるため、曲げ部140の衝撃吸収性を向上させることができる。
【0079】
また、曲げ部140には、他部材が取り付けられる部材取付部(部材取付用孔145)を設けることで、曲げ部140からシート外側方向の空間を有効活用することができる。これにより、シート内部の空間利用効率が向上するため、シートの大型化を抑制できる。
【0080】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0081】
例えば、上記の実施形態では、車両用シートSの位置調整機構(前後位置、上下位置、シートバックの角度)が手動により調整される機構を備える車両用シートフレームについて本実施形態に係る腰部支持部材100を適用した例について説明したが、車両用シートSの位置調整機構が電動アクチュエータを用いて調整される車両用シートフレームについても、上記の腰部支持部材100を同様に適用することができる。
【0082】
図12には、位置調整機構が電動により調整される車両用シートSの骨格となる車両用シートフレームF2の斜視図を、
図13には車両用シートフレームF2の側面図を示した。また、
図14には、
図12のXIV方向から見た矢視図であって、車両用シートフレームF2におけるSバネ17、Sバネ18の取付箇所の部分拡大図を、
図15には、
図12のXV方向から見た矢視図であって、車両用シートフレームF2におけるクッションサイドフレーム21Lの内側の部分拡大図を、
図16には、
図12のXVI方向から見た矢視図であって、車両用シートフレームF2におけるロアレール31の裏面に関する部分拡大図を示した。
【0083】
なお、
図12及び
図13に示されるように、車両用シートフレームF2のシートバックフレーム10の構成は、車両用シートフレームF1と基本的には同様であるため、以下相違点について説明する。
【0084】
図12及び
図14に示されるように、車両用シートフレームF2では、リクライニング機構50の角度を調整するための駆動力を発生させるアクチュエータ300が、下部フレーム13とシートバックサイドフレーム12Rとの接合部分周辺に取り付けられる。また、アクチュエータ300には、ケーブルが接続されるコネクタ301が備えられており、ケーブル及びコネクタ301を介してアクチュエータ300に駆動電力、制御信号等が入力される。
【0085】
また、コネクタ301は、シートバックサイドフレーム12R側に設けられるSバネフックブラケット19とシート前後方向において重なる位置に配置されている。このように、コネクタ301とSバネフックブラケット19とを配置することにより、車両用シートフレームF2の内部スペースを有効活用することができるとともに、後方から衝撃が入力される際にコネクタ301を保護することができる。
【0086】
また、
図14に示されるように、シートバックサイドフレーム12Rの上下の力布クリップ取付孔12bの間に、Sバネ17を係止する係止部17Aが設けられている。このように、力布クリップ取付孔12bの間に係止部17Aを配置することにより、エアバッグ展開時に力がかかる部位を補強することができる。なお、シートバックサイドフレーム12Lにおいても、上下の力布クリップ取付孔12bの間に係止部17Aが設けられている。
【0087】
また、
図13に示されるように、クッションサイドフレーム21Lのシート外側の側面において上方端部と下方端部のそれぞれに中央部から前方部に延びるビード部21aとビード部21bが設けられている。そして、上下のビード部21aとビード部21bの間には高さ調整機構40の可動部を動作させるアクチュエータ310が取り付けられている。このように、上下のビード部21aとビード部21bの間の空間を有効に利用することにより車両用シートSをコンパクトに構成することができる。
【0088】
また、高さ調整機構40を動作させるアクチュエータ310には、ケーブルが接続されるコネクタ311が備えられており、ケーブル及びコネクタ311を介してアクチュエータ310に駆動電力、制御信号等が入力される。ここで、
図12、
図13及び
図15に示されるように、コネクタ311は車両用シートSのカバーを固定するためのワイヤ320の下方に配置されている。このようにコネクタ311をワイヤ320の下方に配置することにより、上方から衝撃が入力される際にコネクタ311を保護することができる。
【0089】
また、
図13に示されるように、ロアレール31の下方には、スライドレール機構30を動作させるアクチュエータ350が取り付けられている。
【0090】
また、
図15に示されるように、クッションサイドフレーム21Lのワイヤ320とワイヤ321とのそれぞれの取付部分の間であって、クッションサイドフレーム21Lのシート内側側面には、穴部331からシート上方に切り起こされた切り起こし部330が設けられている。この切り起こし部330におけるシート幅方向に延在する部分に結束具(結束バンド)でハーネスを固定することにより、ハーネスのシート幅方向の動きを抑制することができる。
【0091】
また、
図16に示されるように、ロアレール31のシート後方側の底面には、車両用シートSのフットカバーの爪が係合する係合用孔341が形成された、レール下ブラケット340が取り付けられている。こうしたレール下ブラケット340を備えることにより、車両用シートフレームF2にフットカバーを安定的に固定することができる。
【0092】
なお、車両用シートフレームF1においても、上記の切り起こし部330及びレール下ブラケット340を備えてよいことはもちろんである。
【0093】
[サイドエアバッグ機構SAを備える車両用シートフレームF1a]
次に、
図17乃至
図31に基づいて車両用シートフレームF1の変形例に係る車両用シートフレームF1aについて説明する。以下に説明する車両用シートフレームF1aでは、第1の実施形態に係る車両用シートフレームF1のシートバックサイドフレーム12Lにサイドエアバッグ機構SAが取り付けられている点で車両用シートフレームF1と相違しているが他の点では共通している。以下では、車両用シートフレームF1からの相違点について説明する。まず、各図の概要について簡単に説明する。
【0094】
図17には、車両用シートフレームF1aの斜視図を、
図18には、車両用シートフレームF1aに取り付けられるサイドエアバッグ機構SAの分解斜視図を示す。詳細については後述するが、
図18に示されるように、サイドエアバッグ機構SAは、サポート部材60、エアバッグモジュール62及び力布取付けプレート66を備える。
【0095】
図19には、シートバックサイドフレーム12Lにサポート部材60と力布取付けプレート66を取り付けた状態を示す側面図を、
図20には、
図19において更にエアバッグモジュール62を取り付けた状態を示す側面図を示す。
【0096】
図21には、サイドエアバッグ機構SAが取り付けられたシートバックサイドフレーム12Lのシート内側からの側面図を示す。また、
図22には、
図21のXXII-XXII断面図を、
図23には、
図20のXXIII-XXIII断面図をそれぞれ示す。
【0097】
図24には、サポート部材60の外側板側斜視図、
図25には、サポート部材60の内側板側斜視図、
図26には、サポート部材60の後方側斜視図をそれぞれ示す。そして、
図27には、シート外側からの衝撃を受けたときのサポート部材の状態を説明する図を示す。
【0098】
図28には、シートバックS1の左側面図を、
図29には、
図28のXXIX-XXIX断面図を示す。そして、
図30には、力布取付けプレート66の正面図を、
図31には、力布取付けプレート66に力布を取り付けた状態を示す。
【0099】
上述したように、サイドエアバッグ機構SAは、サポート部材60、エアバッグモジュール62、及び力布取付けプレート66を備える。そして、
図19に示されるように、サポート部材60及び力布取付けプレート66は、シートバックサイドフレーム12Lのシート外側の面に当接するように上下に並んで取り付けられる。また、
図20に示されるように、サポート部材60及び力布取付けプレート66に対して、シート外側にエアバッグモジュール62が配され、エアバッグモジュール62がサポート部材60及び力布取付けプレート66を介してシートバックサイドフレーム12Lに対して取り付けられる。
【0100】
サポート部材60は、車両に加わる外力からシート幅方向において乗員を支持するために設けられているものであり、例えばTPO(Thermo Polyolefin)、TPU(Thermoplastic Polyurethane)等のエラストマー樹脂で形成されている。サポート部材60は、左右のシートバックサイドフレーム12L、シートバックサイドフレーム12Rの少なくとも一方、本実施形態においては左側のシートバックサイドフレーム12Lに取り付けられている。
【0101】
エアバッグモジュール62は、車両の衝突時の衝撃を吸収し乗員を保護する装置である。本実施形態では、エアバッグモジュール62は、モジュールケースを有しないケースレスエアバッグモジュールとするが、これに限られずモジュールケースを有していてもよい。
【0102】
エアバッグモジュール62は、エアバッグ62Aと、インフレータ62Bとを備えており、エアバッグ62Aとインフレータ62Bとは共にラップ材に包まれて保持されている。ここで、インフレータ62Bは、ハーネス64からの入力信号に応じてガスを発生する装置であり、インフレータ62Bが発生したガスをエアバッグ62Aに入力することでエアバッグ62Aを膨出展開させる。
【0103】
なお、エアバッグ62Aの側面は、力布取付けプレート66に取り付けられた力布に覆われており、力布により展開方向が案内されるようになっている。
【0104】
ここで、サポート部材60の構成の詳細について説明する。サポート部材60は、
図24乃至
図26に示すように、シートバックサイドフレーム12Lのシート幅方向内側に固定される内側板60Aと、シートバックサイドフレーム12Lのシート幅方向外側に固定される外側板60Bと、内側板60A、外側板60Bの前側を連結する複数のリブ60Fを備える。
【0105】
内側板60Aと外側板60Bとは前方端部において連結しており、内側板60Aと外側板60Bとは前方端部から後方にかけて両者の間隔が広がるように設けられている。
【0106】
また、
図24に示されるように、外側板60Bは、略平板状の形状をなし、内側板60Aと上下方向における長さが略同じとなっている。
【0107】
また、外側板60Bの上方端部及び後方端部にはそれぞれ第1フランジ部60Cと第2フランジ部60Dが設けられている。第1フランジ部60Cは、外側板60Bの上方端部からシート外側に延出し、第2フランジ部60Dは外側板60Bの後方端部からシート外側に延出しており、第1フランジ部60Cと第2フランジ部60Dとは外側板60Bの上後方の角部において接続している。なお、第1フランジ部60Cと第2フランジ部60Dを設けたことにより、車両用シートSの外観形状が保持される。
【0108】
また、外側板60Bには、エアバッグモジュール62が当接して配置される。ここで、第1フランジ部60Cと第2フランジ部60Dにより、エアバッグモジュール62の上方及び後方への位置ずれを防止する効果も奏される。
【0109】
また、
図25に示されるように、内側板60Aは、前後において段差を有する段差構造をなし、前方に対し後方において外側板60Bとの間隔が広がる形状となっている。
【0110】
そして、
図26に示されるように、リブ60Fは、シート前後方向に延出し、内側板60A及び外側板60Bを連結している。リブ60Fは、複数設けられており、各々のリブ60Fは、内側板60Aと外側板60Bとの間において、上端近傍から下端近傍にかけて略等間隔で配置されている。また、リブ60Fのシート前後方向の長さは、内側板60A及び外側板60Bよりも短くなっており、リブ60Fよりもシート後方において、内側板60Aと外側板60Bとの間には空間が形成される。そして、かかる空間に、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分が配置されることとなる。なお、
図22に示されるように、乗員が着座していない時点においても、リブ60Fとシートバックサイドフレーム12Lは少なくとも一部が当接している。
【0111】
このように、リブ60Fが設けられていることで、内側板60Aと外側板60Bの剛性を高め、乗員のホールド性を高めるとともに、衝撃吸収性を高めることができる。なお、リブ60Fのシート前後方向の長さは、内側板60Aの段差部分よりも後方に達するようにしてよい。こうすることで、内側板60Aと外側板60Bの剛性をより向上させることができる。もちろん、リブ60Fの形状は、図示する形状に限定されるものではなく、例えば上下に延在する平板状のものであってもよい。
【0112】
次に、サポート部材60の取付構造について説明する。
図25、
図26に示されるように、内側板60Aの後方端部には、2つのビス取付部60Eが設けられている。
【0113】
ビス取付部60Eは、ビス貫通孔と、ビス貫通孔の周囲の肉厚部とから構成される。ビス貫通孔は、ビス61が挿通される孔であり、内側板60Aに対しても同様の位置で貫通孔が設けられている。このように、ビス取付部60Eでは、ビス貫通孔の周囲に肉厚部を設けていることにより、ビス取付部60Eの剛性を向上させている。
【0114】
図22に示されるように、内側板60Aと外側板60Bの間に上部フレーム11及びシートバックサイドフレーム12Lの連結部が配される。そして、上部フレーム11においてビス取付部60Eと対向する位置にはビス取り付け穴が設けられており、ビス61によりビス取付部60Eと上部フレーム11を締結する。このようにして、サポート部材60は、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分に固定される。
【0115】
なお、サポート部材60は、シート内側に配される内側板60Aにおいて、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分に締結されている一方で、シート外側に配される外側板60Bについてはシートバックサイドフレーム12Lのシート外側部分と当接してはいるものの締結されておらず、自由端となっている。
【0116】
このように、サポート部材60の内側を固定し、外側を自由端としたことにより、
図27に示されるように、サポート部材60に対し、外側からの荷重が加わった場合には、ビス取付部60Eが固定端となって外側板60Bの動き及び変形を促し、荷重を逃がすことができる。すなわち、サポート部材60の内側を固定端とし、外側を自由端としたことにより、外側からの衝撃吸収性を向上させている。その一方で、シート内側からの荷重に対しては、サポート部材60のリブ60Fがシートバックサイドフレーム12Lによって支持されているため、乗員のホールド性を高めることができる。
【0117】
なお、サポート部材60の内側のみが固定端となるため、固定端となるビス取付部60Eに肉厚部を設けることで、ビス取付部60Eの剛性を向上させ、サポート部材60の安定的な保持を可能としている。
【0118】
また、内側板60Aは、乗員の胸部の高さと重なるように配置されていることで、乗員の肋骨を内側板60Aが支持することによって適切に保護が可能となっている。
【0119】
また、上記のように、サポート部材60は、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分においてシート幅方向内側とシート幅方向外側とに跨って内側板60Aと外側板60Bを配し取り付けられている。このため、サポート部材60は、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分に対し、シート幅方向外側のみにスペースを使って取り付けられるものよりもコンパクトに配置されることとなる。
【0120】
次に、エアバッグモジュール62のエアバッグ62Aの展開方向を案内する案内部材である力布が取り付けられる力布取付けプレート66の構成及びその取付構造について説明する。
【0121】
力布取付けプレート66は、薄板状の樹脂プレートである。例えば、力布取付けプレート66は、TPO(Thermo Polyolefin)、TPU(Thermoplastic Polyurethane)等の樹脂から形成されることとしてよい。
【0122】
図30に示されるように、力布取付けプレート66は、略矩形状の矩形領域66Aと、矩形領域66Aと連結し略弓形の弓形領域66Bからなる。矩形領域66Aの中央部には、矩形領域66Aの長手方向に沿って、第1貫通孔66C、第2貫通孔66D、及び第3貫通孔66Eが形成されている。ここで、第1貫通孔66C及び第3貫通孔66Eに対してはワッシャー67が設けられる。
【0123】
また、
図18に示されるように、第1貫通孔66Cと第2貫通孔66Dにはそれぞれ、エアバッグモジュール62の第1取付部62Dと第2取付部62Eが挿通される。なお、第1貫通孔66Cと第2貫通孔66Dは、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12a及びエアバッグ取付孔12gと対向する位置に配されている。なお、第1取付部62D及び第2取付部62Eは、インフレータ62Bからシート内側に突出するスタッドボルトである。
【0124】
そして、エアバッグモジュール62の第1取付部62Dが、力布取付けプレート66の第1貫通孔66Cと、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12aにシート外側から挿通されナット等の締結具を用いて固定される。同様に、エアバッグモジュール62の第2取付部62Eが、力布取付けプレート66の第2貫通孔66Dと、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12gにシート外側から挿通されナット等の締結具を用いて固定される。これにより、力布取付けプレート66及びエアバッグモジュール62がシートバックサイドフレーム12Lに対し固定されることとなる。
【0125】
ここで、力布取付けプレート66への力布の取付に係る構成について説明する。
図30に示されるように、力布取付けプレート66においては、第1貫通孔66C、第2貫通孔66D、及び第3貫通孔66Eの左右にそれぞれ力布が縫い付けられる第1縫製部66F、第2縫製部66Gが設けられる。
【0126】
具体的には、
図31に示されるように、力布取付けプレート66は、第1縫製部66F及び第2縫製部66Gにおいてインナー力布68と縫合されている。また、インナー力布68とアウター力布69とは力布縫製部70において縫合されている。これにより、力布取付けプレート66、インナー力布68、及びアウター力布69が一体に構成される。
【0127】
なお、インナー力布68には第1穴部68Aと第2穴部68Bの二箇所に穴が形成されており、第1穴部68Aと第2穴部68Bはそれぞれ、力布取付けプレート66の第1貫通孔66C及び第2貫通孔66Dに重なる位置に配置される。
【0128】
ここで、
図28及び
図29に示されるように、エアバッグモジュール62は、インナー力布68によりシート内側側面を、アウター力布69によりシート外側側面を覆われている。そして、インナー力布68とアウター力布69のそれぞれの端部は、開裂部71において、クッション材72の表皮73と共縫いされている。これにより、エアバッグ62Aにインフレータ62Bで発生したガスが注入された場合には、インナー力布68及びアウター力布69により膨出方向が案内され、エアバッグ62Aが開裂部71を開裂しながら展開するようになる。
【0129】
以下においては、サポート部材60、力布取付けプレート66、エアバッグモジュール62の取付位置の関係について説明を補足する。
【0130】
例えば、
図19及び
図20に示されるように、力布取付けプレート66の下端は、シートバックサイドフレーム12Lに形成されるビード部12c(脆弱部)よりも上に位置している。このように、シートバックサイドフレーム12Lに対し後面衝突時の変形箇所よりも上側にサイドエアバッグ機構SAを取り付けることにより、サイドエアバッグ機構SAの取付箇所が変形してしまうことを防止できる。これにより、サイドエアバッグ機構SAへの衝撃を和らげることができる。
【0131】
また、
図20に示されるように、シート側面視において、インフレータ62Bは、サポート部材60と力布取付けプレート66との両者に重なるように配置されている。
【0132】
また、
図23に示されるように、サポート部材60の外側板60B(すなわちサポート部材60の自由端側)の一部と、インフレータ62Bとは、シート側面視において重なる位置に配されている。
【0133】
また、
図23に示されるように、サポート部材60の後壁となる第2フランジ部60Dと、ハーネス64の少なくとも一部とはシート後面視において重なる位置に配されている。このように、後部からの荷重を第2フランジ部60Dが受け止めることにより、ハーネス64を保護することができる。
【0134】
また、
図23に示されるように、サポート部材60の外側板60Bの板厚は、力布取付けプレート66の板厚よりも厚くなっている。こうすることにより、シート幅方向の荷重を受けるサポート部材60の剛性を、力布取付けプレート66に比べて高めるようにしている。
【0135】
また、
図23に示されるように、通常着座姿勢時において、サポート部材60と力布取付けプレート66とは少なくとも一部が同一水平面上に位置している。換言すれば、サポート部材60と力布取付けプレート66との少なくとも一部が、上下方向において重なっている。具体的には、力布取付けプレート66の弓形領域66Bの上端部と、サポート部材60の外側板60Bの下端部及び第2フランジ部60Dの下端部とが上下方向において重なる位置にある。
【0136】
また、
図23に示されるように、上部フレーム11、インフレータ62B、及びハーネス64はそれぞれ、サポート部材60と力布取付けプレート66の一部が上下方向に重なる水平面上に位置する部分を有している。
【0137】
本実施形態では、主として本発明に係る車両用シートに関して説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0138】
例えば、本実施形態においては、サポート部材が、左右のサイドフレームの一方側のみに取り付けられている構成について説明したが、シート両側における乗員のホールド性を高めるために、サイドフレームの両側に、左右対称に形成されたサポート部材を取り付けるようにしてもよい。
【0139】
また例えば、サポート部材60と力布取付けプレート66とは一体に成型されてもよい。具体的には、サポート部材60の外側板60Bと力布取付けプレート66とは一体に成型されてもよい。
【0140】
また例えば、サポート部材60と力布取付けプレート66とを連結部材により連結してもよい。具体的には、サポート部材60の外側板60Bと力布取付けプレート66とが金属や樹脂製の連結プレートにより連結されてもよい。
【0141】
[サポート部材の変形例]
次に、
図32乃至
図38に基づいて、変形例に係るサポート部材400を備えるサイドエアバッグ機構SA1が取り付けられるシートフレームの構成について説明する。なお、以下に説明する例においては、サポート部材400とその取付に係る構成以外については、
図17に示す車両用シートフレームF1aと同様であるため、以下では主にサポート部材400とその取付に係る構成について説明する。
【0142】
まず
図32乃至
図38の各図の概要について説明する。
図32は、サイドエアバッグ機構SA1の分解斜視図である。詳細については後述するが、
図32に示されるように、サイドエアバッグ機構SA1は、サポート部材400、及びエアバッグモジュール62を備える。なお、
図32に示す例では力布については省略しているが、シートバックサイドフレーム12Lと係合するクリップ等の固定具を力布の端部に取り付け、クリップをシートバックサイドフレーム12Lに係止することで、力布をシートバックサイドフレーム12Lに取り付けることとしてよい。
【0143】
図33には、シート内側から外側を眺めた場合のサポート部材400の斜視図を示す。
図34には、
図33における嵌合部410の部分拡大図を、
図35には、嵌合部410のXXXV方向の矢視図、すなわち嵌合部410の側面をシート後方から眺めた図を示す。
【0144】
図36には、シートバックサイドフレーム12Lに、サポート部材400及びエアバッグモジュール62を取り付けた状態をシート外側から眺めた側面図、
図37には、同状態をシート内側から眺めた側面図を示す。
図38には、
図37のXXXVIII-XXXVIII断面図を示す。
【0145】
サポート部材400は、車両に加わる外力からシート幅方向において乗員を支持するために設けられているものであり、例えばTPO(Thermo Polyolefin)、TPU(Thermoplastic Polyurethane)等のエラストマー樹脂で形成されている。サポート部材400は、左右のシートバックサイドフレーム12L、シートバックサイドフレーム12Rの少なくとも一方、本実施形態においては左側のシートバックサイドフレーム12Lに取り付けられている。
【0146】
図32及び
図36に示されるように、サポート部材400に対して、シート外側にエアバッグモジュール62が配され、エアバッグモジュール62がサポート部材400を介してシートバックサイドフレーム12Lに対して取り付けられる。
【0147】
サポート部材400は、
図32及び
図33に示すように、シートバックサイドフレーム12Lのシート幅方向内側に固定される内側板400Aと、シートバックサイドフレーム12Lのシート幅方向外側に固定される外側板400Bと、内側板400A、外側板400Bを連結するリブ400Fを備える。
【0148】
図33に示されるように、内側板400Aは、前後において段差を有する段差構造をなし、前方に対し後方において外側板400Bとの間隔が広がる形状となっている。
【0149】
また、リブ400Fは、シート前後方向に延出し、内側板400A及び外側板400Bを連結している。リブ400Fは、リブ60Fと同様であるため詳細については省略するがリブ400Fよりもシート後方において、内側板400Aと外側板400Bとの間には空間が形成され、かかる空間に、上部フレーム11とシートバックサイドフレーム12Lの連結部分が配置されることとなる。
【0150】
このように、リブ400Fが設けられていることで、内側板400Aと外側板400Bの剛性を高め、乗員のホールド性を高めるとともに、衝撃吸収性を高めることができる。
【0151】
図32に示されるように、内側板400Aと外側板400Bとはサポート部材400の前方端部において連結しており、内側板400Aと外側板400Bとは前方端部から後方にかけて両者の間隔が広がるように構成されている。
【0152】
また、
図32に示されるように、外側板400Bの上方端部及び後方端部にはそれぞれ第1フランジ部400Cと第2フランジ部400Dが設けられている。第1フランジ部400Cは、外側板400Bの上方端部からシート外側に延出し、第2フランジ部400Dは外側板400Bの後方端部からシート外側に延出しており、第1フランジ部400Cと第2フランジ部400Dとは外側板400Bの上後方の角部において接続している。なお、第1フランジ部400Cと第2フランジ部400Dを設けたことにより、車両用シートSの外観形状が保持される。
【0153】
また、外側板400Bには、エアバッグモジュール62が当接して配置される。ここで、第1フランジ部400Cと第2フランジ部400Dを設けたことにより、エアバッグモジュール62の上方及び後方への位置ずれを防止する効果も奏される。ここで、サポート部材400の特徴的な構造について説明する。
【0154】
サポート部材400の外側板400Bは、サポート部材60の外側板60Bと異なり、エアバッグモジュール62のインフレータ62Bから延出する第2取付部62E(第2のスタッドボルト)と対向する位置まで下側に延出している。
【0155】
また、
図32に示されるように、外側板400Bにおいて、第1取付部62D(第1のスタッドボルト)と対向する位置には切欠き部400Gが設けられ、第2取付部62Eと対向する位置には、第2取付部62Eが挿通されるボルト挿通孔416と、ボルト挿通孔416の上下にスリット418が設けられている。
【0156】
また、
図33に示されるように、外側板400Bのシート内側の面には、嵌合部410が形成されている。この嵌合部410は、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12gに嵌合する部位である。
【0157】
そして、
図34に示されるように、嵌合部410は、シート内側に突出する凸部形状を有し、その中心部には、第2取付部62Eが挿通されるボルト挿通孔416(嵌合孔)が形成されている。また、ボルト挿通孔416と連結して嵌合部410を2つに分割するスリット418が形成されており、スリット418により分割される部位のうちシート後方に位置する部位を第1突起部412、シート前方に位置する部位を第2突起部414とする。
【0158】
図35に示されるように、第1突起部412は、半円柱の形状であり、その側面には突出部424が形成されている。そして、
図38に示されるように、サポート部材400の嵌合部410がシートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12gと嵌合する際において、外側板400Bと突出部424がシートバックサイドフレーム12Lを挟持することにより、サポート部材400とシートバックサイドフレーム12Lとの組み付け剛性が向上し、ガタツキの発生が抑制される。
【0159】
図34に示されるように、第2突起部414には、半円柱の一部を切り取った段差部420が形成されており、さらに段差部420には貫通孔422が形成されている。ここで、第2突起部414に段差部420を設けることにより、Sバネ17の係止部17Aと、嵌合部410とを近接配置することが可能となり、こうすることでシートバックサイドフレーム12L、すなわちシートフレームを小型化することができる。また、シート前方側に配される第2突起部414に貫通孔422を設けることで、エアバッグモジュール62の展開時に掛かる荷重が大きいシート後方側の第1突起部412の剛性を確保しつつ、第2取付部62Eを挿通時の嵌合部410の変形を容易とすることができる。
【0160】
次に、
図32、
図37及び
図38を参照して、エアバッグモジュール62、サポート部材400のシートバックサイドフレーム12Lへの取り付けに係る構成について説明する。
【0161】
エアバッグモジュール62の第1取付部62Dは切欠き部400Gの脇(すなわちサポート部材400がない部分)を通って、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12aに挿通される。そして、エアバッグモジュール62の第2取付部62Eは、嵌合部410のボルト挿通孔416を通って、シートバックサイドフレーム12Lのエアバッグ取付孔12gに挿通される。
【0162】
図37に示されるように、第1取付部62Dには、シートバックサイドフレーム12Lとナット430との間にワッシャー432を配置した状態でナット430を締結することにより、シートバックサイドフレーム12Lに第1取付部62Dが固定される。
【0163】
そして、第2取付部62Eは、嵌合部410のボルト挿通孔416に挿通された状態で、嵌合部410がエアバッグ取付孔12gに嵌合することにより、シートバックサイドフレーム12Lに嵌合部410及び第2取付部62Eが固定される。
【0164】
なお、ボルト挿通孔416の径を、第2取付部62Eの径よりも小さくすることにより、ボルト挿通孔416に挿通された第2取付部62Eと嵌合部410との嵌合力を高めることができる。これにより、エアバッグモジュール62を、サポート部材400を介してシートバックサイドフレーム12Lに取り付けた際のガタツキの発生が抑制される。
【0165】
また、ボルト挿通孔416の径を、第2取付部62Eの径よりも大きくすることにより、ボルト挿通孔416に第2取付部62Eを挿通することが容易となるため、エアバッグモジュール62の組付け性を向上させることができる。
【0166】
また、ボルト挿通孔416と連結したスリット418を形成したことにより、第1突起部412と第2突起部414とがボルト挿通孔416から外向きに変形しやすくなるため、ボルト挿通孔416に第2取付部62Eを挿通しやすくなる。また、ボルト挿通孔416に第2取付部62Eを挿通した状態では、第1突起部412と第2突起部414とが、ボルト挿通孔416に対して外側に開くように変形するため、エアバッグ取付孔12gと嵌合部410との嵌合力をより高めることができる。これにより、サポート部材400とシートバックサイドフレーム12Lとの取り付け剛性を向上させることができる。
【0167】
以上説明したサポート部材400を備えるサイドエアバッグ機構SA1では、エアバッグモジュール62から延出する第1取付部62Dと第2取付部62Eのうち、ナットを用いた締結を第1取付部62Dの一点とすることができる。これにより、部品点数、締結作業点の数を低減することができる。このように締結点を低減した場合においても、第1取付部62Dと第2取付部62Eのそれぞれがシートバックサイドフレーム12Lに対して固定されているため、エアバッグモジュール62がシートバックサイドフレーム12Lに対して回転する動きを規制することができる。
【0168】
[付記]
上記のサポート部材を備えるシートフレームは例えば以下の態様として表される。
【0169】
(1)シートバックのサイドフレームに取り付けられ、前記サイドフレームとエアバッグユニットとの間に配されるサポート部材を備えるシートフレームであって、前記サポート部材は、前記サイドフレームに形成された第1の孔部と、前記エアバッグユニットから延出する第1のスタッドボルトとの両者と嵌合する嵌合部を備え、前記エアバッグユニットから延出する第2のスタッドボルトは、前記サイドフレームに形成された第2の孔部に挿通された状態で締結部材を用いて固定されることを特徴とするシートフレーム。
(1)によれば、エアバッグユニットの第1のスタッドボルトとシートバックのサイドフレームとを共にサポート部材に設けられた嵌合部に嵌合させて固定し、第2のスタッドボルトをサイドフレームに締結部材を用いて締結固定することで、エアバッグユニットの回転を抑制しつつ、締結箇所及び締結部材の必要数を削減できる。これにより、エアバッグユニットの取り付け作業工数の低減が可能となる。
【0170】
(2)前記シートフレームにおいて、前記嵌合部は前記第1の孔部に挿通された状態で嵌合する凸部を有し、前記凸部は前記第1のスタッドボルトが挿通された状態で嵌合する嵌合孔を有し、前記嵌合部は、前記第1のスタッドボルトが前記嵌合孔に挿通された状態で前記第1の孔部と嵌合することを特徴とする(1)に記載のシートフレーム。
(2)によれば、サポート部材を精度良く組み付けることができる。また、エアバッグユニットの展開方向を安定させることができる。
【0171】
(3)前記シートフレームにおいて、前記嵌合部は前記第1のスタッドボルトが挿通される方向に沿ってスリットが形成されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のシートフレーム。
(3)によれば、第1のスタッドボルトを嵌合部の孔に挿通しやすくなる。また、嵌合部が変形しやすくなるため、嵌合部をサイドフレームの孔に取り付けしやすくなる。これにより、サポート部材、エアバッグユニットをサイドフレームに取り付けの作業性を向上させることができる。
【0172】
(4)前記シートフレームにおいて、前記スリットは前記嵌合部から、前記嵌合部と前記サポート部材との接続部に渡って形成されることを特徴とする(3)に記載のシートフレーム。
(4)によれば、第1のスタッドボルトを嵌合部の孔に挿通する際に、嵌合部が変形しやすくなるため、第1のスタッドボルトを嵌合部に挿通しやすくなる。また、嵌合部が変形しやすくなるため、嵌合部をサイドフレームの孔に取り付けしやすくなる。これにより、サポート部材、エアバッグユニットをサイドフレームに取り付けの作業性を向上させることができる。
【0173】
(5)前記シートフレームにおいて、前記スリットと前記嵌合孔とは連結していることを特徴とする(3)又は(4)に記載のシートフレーム。
(5)によれば、嵌合部が変形しやすくなるため、嵌合部に第1のスタッドボルトを挿通しやすくなるとともに、嵌合部をサイドフレームの孔に取り付けしやすくなる。これにより、サポート部材、エアバッグユニットをサイドフレームに取り付けの作業性を向上させることができる。
【0174】
(6)前記シートフレームにおいて、前記凸部が前記スリットにより分割される第1凸部と第2凸部のうち、シート前方に位置する第1凸部は段差部を有することを特徴とする(3)乃至(5)のいずれかに記載のシートフレーム。
(6)によれば、嵌合部の第1凸部が変形しやすくなるため、嵌合部に第1のスタッドボルトを挿通しやすくなるとともに、嵌合部をサイドフレームの孔に取り付けしやすくなる。これにより、サポート部材、エアバッグユニットをサイドフレームに取り付けの作業性を向上させることができる。
【0175】
(7)前記シートフレームにおいて、前記段差部は孔部が形成されることを特徴とする(6)に記載のシートフレーム。
(7)によれば、嵌合部の第1凸部が変形しやすくなるため、嵌合部に第1のスタッドボルトを挿通しやすくなるとともに、嵌合部をサイドフレームの孔に取り付けしやすくなる。これにより、サポート部材、エアバッグユニットをサイドフレームに取り付けの作業性を向上させることができる。
【0176】
(8)前記シートフレームにおいて、前記第2凸部は側壁から突出する突出部を有することを特徴とする(6)又は(7)に記載のシートフレーム。
(8)によれば、突出部とサポート部材の面との間でサイドフレームを挟持することができるためサポート部材のサイドフレームへの組み付け剛性を向上させることができる。