特許第6677981号(P6677981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6677981
(24)【登録日】2020年3月18日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】プリントヘッド取付けシステム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20200330BHJP
【FI】
   B41J2/01 307
   B41J2/01 401
   B41J2/01 451
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-146301(P2015-146301)
(22)【出願日】2015年7月24日
(65)【公開番号】特開2016-32933(P2016-32933A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2018年3月2日
(31)【優先権主張番号】1413468.8
(32)【優先日】2014年7月30日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511270653
【氏名又は名称】インカ・デジタル・プリンターズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ニコラス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サドラー,スティーブン マーク
【審査官】 馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−073168(JP,A)
【文献】 特開2014−043014(JP,A)
【文献】 特開2010−167405(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0051754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 〜 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッドを支持する受け手段と、
第1部位および第2部位と、
前記第1部位および前記第2部位の間に存在し、前記第1部位の並進運動を前記第2部位の回転運動に変換するための湾曲配置であって、前記湾曲配置は、第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、
前記プリントヘッドの回転角度を調整するために、前記第2部位を前記受け手段に連結する手段と、を備え、
前記第2部位が第3の湾曲部により第1の端で固定されることで、前記第1の端の反対側に位置する前記第2部位の第2の端が、前記第1の端の周りを回転するようにされた、
プリントヘッド支持構造体。
【請求項2】
前記第1部位は、プリントキャリッジに連結されると共に、実質的に第1の軸に沿って動くよう制限され、
前記第2部位は、前記第1の軸に対して平行な第2の軸の周りを回転する、
請求項1に記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項3】
第1の軸に沿った前記第1部位の並進運動が、前記第2部位に対して前記第1の軸と垂直な方向への力を生じさせるように前記湾曲配置が配置され、前記力が前記第2部位を前記第1の軸と平行な第2の軸の周りを回転させる、
請求項1又は2に記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項4】
第2の軸の周りの前記第2部位の前記回転運動が、前記第2の軸と平行な軸の周りの前記プリントヘッドの回転運動を生じさせるように、前記第2部位が前記プリントヘッドに連結されている、
請求項1から3のいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項5】
前記湾曲配置が、前記プリントヘッド支持構造体の筐体内部に形成されている、
請求項1から4のいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項6】
前記プリントヘッド支持構造体は、調整後に、追加のロック機構なしで、前記プリントヘッドを定位置に保持する、
請求項1からのいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項7】
前記第2部位の前記第2の端の並進運動の大きさの前記第1部位の並進運動の大きさに対する比が1未満となる減速比を提供するように、前記湾曲配置が配置されている、
請求項1からのいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項8】
調節ネジをさらに備えており、前記調節ネジは、前記調節ネジの回転が前記第1部位の並進運動を提供するように配置されている、
請求項1からのいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項9】
前記プリントヘッドの回転角度の調整は、前記プリントヘッドの回転軸に対して平行な方向からなされる、
請求項1からのいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項10】
前記プリントヘッドが複数のノズルのアレイを有しており、前記プリントヘッドの回転運動が前記ノズルのアレイの平面上で起こる、
請求項1からのいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項11】
前記第1部位の並進運動を実行するモータをさらに備える、
請求項1から10のいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体。
【請求項12】
平面に配置された複数のプリントヘッドのアレイと、
各プリントヘッドの位置を調整するために、前記複数のプリントヘッドのそれぞれに用いられる、請求項1から11のいずれかに記載のプリントヘッド支持構造体と、を備え、
各プリントヘッド調整は、前記プリントヘッドのアレイの前記平面に対して垂直な方向から行われる、
プリントアセンブリ。
【請求項13】
プリントヘッド支持体に連結されているプリントヘッドの位置を調整する方法であって、
第1部位の並進運動を実行するために前記プリントヘッド支持体の前記第1部位に力を加えるステップと、
前記第1部位の前記並進運動を前記プリントヘッド支持体の第2部位の回転運動に変換するステップであって、当該並進運動を回転運動に変換することは、湾曲配置により達成されるステップであって、前記湾曲配置は、第1の湾曲部と第2の湾曲部を有し、前記第2部位が第3の湾曲部により第1の端で固定され、
前記第1部位の前記並進運動を前記プリントヘッド支持体の第2部位の回転運動に変換することは、前記第1の端の反対側に位置する前記第2部位の第2の端が、前記第1の端の周りを回転することを含み、
前記第2部位の前記回転運動を前記プリントヘッドに提供するステップと、を含む、
方法。
【請求項14】
前記並進運動は、実質的に第1の軸に沿って提供され、
前記回転運動は、実質的に前記第1の軸に対して平行な軸の周りで起こる、
請求項13に記載のプリントヘッドの位置を調整する方法。
【請求項15】
前記プリントヘッド支持体が前記プリントヘッドを支持するステップをさらに含む、
請求項13または14に記載のプリントヘッドの位置を調整する方法。
【請求項16】
前記プリントヘッドに前記回転運動を提供した後に、ロック機構なしで、前記プリントヘッドを定位置に保持するステップをさらに含む、
請求項13から15のいずれかに記載のプリントヘッドの位置を調整する方法。
【請求項17】
前記プリントヘッドは、複数のノズルのアレイを備えており、
前記プリントヘッドの回転運動は、前記ノズルのアレイの平面で起こる、
請求項13から16のいずれかに記載のプリントヘッドの位置を調整する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プリンタは、様々な基板にテキストおよび画像を塗布するための公知の装置である。様々な種類および寸法の基板上に印刷するために適切である、幅広い多様な異なるプリンタが、入手可能である。
【背景技術】
【0002】
大規模の産業用プリンタは、例えば、A4サイズの紙上に印刷するために使用されるオフィスベースのプリンタよりも大きい基板上に画像を印刷するように適合されている。大規模プリンタは、例えば、広告板、ポスターおよび/またはより小さい基板の大きいバッチ上に印刷するために使用され得る。
【0003】
インクジェットプリント工程では、例えばインクの一連の液滴が、必要な画像を形成するパターンで基板の表面上に付着される。インクの液滴は、通常、インクジェットプリントヘッド上のノズルから吐出される。通常のプリンタは、プリントキャリッジに沿って配置されるいくつかのプリントヘッドを含む。プリントキャリッジは、幅約2mまで可能である。プリンタ製造者は、プリントキャリッジの全幅にわたって高密度で、連続的なプリントヘッドのアレイを提供することを目指している。通常は、プリントヘッドの2次元のアレイをもたらすために、これらのプリントヘッドは複数の列で提供される。
【0004】
インクジェットプリントヘッド製造における最近の進歩によって、製造者は、数千というインクジェットノズルを単一のプリントヘッド上に統合することができるようになっており、このことは、図1に概略的に図示するように、ノズルを2次元の格子パターンに配置することによって達成されることが多い。
【0005】
プリントヘッド内のノズル間で良好な配置のレジストレーション(すなわち相対的な位置決め)を達成するために、プリントヘッドの正確な方位回転が確立されるべきである。これは、プリントヘッドノズル10a、10b、10cによって置かれたインクの線20a、20b、20cを示す、図1に図示されている。プリントヘッドが正確に回転して位置合わせされる場合、ノズル10a、10b、10cによって置かれたインクの線20a、20b、20cは、均等に離隔される。しかし、ノズル10a’、10b’、10c’のアレイが回転され、不正確に回転して位置合わせされる場合、インクの印刷された線20a’、20b’、20c’はもはや均等に離隔されない。
【0006】
プリントヘッドの方位回転に加えて、プリント方向(「アロングプロセス」方向、すなわちプリントキャリッジが基板に対して移動する方向)の並進位置合わせ、およびプリント方向に垂直な方向(「クロスプロセス」方向、すなわちプリントキャリッジの幅を横切る方向)もまた考慮されるべきである。プリントヘッド間の境界で印刷されたインクの線の均等な離隔を維持するために、クロスプロセス方向にプリントヘッド間の良好なレジストレーションが存在するべきである。
【0007】
アロングプロセスのレジストレーションは、図2に示すように、個々のプリントヘッドの発射時間を変更することによって達成可能であり、垂直方向の位置決めおよび他の回転は、製造公差によって適切に設定され得る。図2は、アロングプロセス方向に位置合わせされていない第1のプリントヘッド1および第2のプリントヘッド2のノズルを示す。これらの間のレジストレーションは、プリントヘッド2の発射時間をプリントヘッド1と比較して遅らせることによって達成可能であり、その結果、両方のノズルのアレイが基板上の同じ場所にインクを置く。
【0008】
しかし、より高い解像度およびより小さい液滴サイズを有するプリントヘッドが開発されるにつれて、方位およびクロスプロセス方向の位置決めを標準的製造公差を使用して達成することが困難になり、その結果、プリントキャリッジ内のプリントヘッドの位置合わせを可能にするために、ある程度の機械的調整が使用され得る。
【0009】
通常、プリントヘッドは、個別に製造され、それらが位置合わせされるプリントキャリッジに固定される。いくつかのプリントヘッドはモジュール式であり、すべてのプリントヘッドがフィールド内に個別に再配置可能であり、それらを個別に位置合わせのために調整する必要がある。技術的に挑戦的であるが、公差が積み重なることがなく、ヘッドが作動している状態で最終的な調整が行われるので、これによって、位置合わせの正確さに改善をもたらすことができる。このことは、最終的な液滴の印刷される位置が、ノズルの位置のためではなく、位置合わせのために使用され、その結果、それが任意の規則正しい噴射偏差を含むことを更に意味する。典型的なプリントキャリッジは、約150のプリントヘッドを有することができるが、最初の位置合わせ、およびそのような複数のプリントヘッドの位置合わせを維持することは極めて困難な作業である。
【0010】
更に、プリントヘッドの大きいアレイを構築する場合、これによって色の内部および色の間の両方でプリントヘッド間のレジストレーションを改善するので、アセンブリをできるだけ無理なくコンパクトなものにすることが望ましい。しかし、このことは、調整することがより困難になることを更に意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の態様が、独立項の中で述べられ、好適な特徴が従属項の中で述べられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書では、プリントヘッドの受け手段と、第1部位の並進運動を第2部位の回転運動に変換する調整手段をその間に有する第1部位および第2部位と、プリントヘッドの回転角度を調整するために、第2部位を前記受け手段に連結する手段とを備える、プリントヘッド支持構造体を説明する。
【0013】
プリントヘッドの回転調整を提供する並進駆動を使用することができるプリントヘッド支持構造体を提供することによって、空間的制限によって個々のプリントヘッドに回転駆動を提供することを困難にする可能性があるような、密接に詰め込まれたアレイの中でもプリントヘッドは設置後に回転して位置合わせされることが可能である。有利なことに、支持構造体、プリントキャリッジおよび/またはプリントテーブルなど、プリンタ内の他の構成要素の製造における誤差を補完することが可能なので、プリントヘッドがその作動位置に調整される場合、良好な位置合わせを達成することがより容易である。
【0014】
好適には、第1部位は、プリントキャリッジに連結されると共に、実質的に第1の軸に沿って動くよう制限され、第2部位が端で固定されることで、第2部位は、第1の軸に対して平行な第2の軸の周りを回転するよう制限されている。
【0015】
好適には、第2部位は、湾曲手段によって端に固定される。
【0016】
湾曲はが非常に安定しており、熱的変化および振動に対して回復力に富むので、第2部位を固定するために湾曲を使用することは有利である。それらは、「スロップ」または「バックラッシュ」を示さず、ロック機構を必要としない。加えて、既存のプリントヘッド支持構造体から湾曲を切り取ることが可能であり、その結果、追加の部品または材料の必要がない。
【0017】
好適には、第1の軸に沿った第1部位の並進運動が、第2部位に対して第1軸と垂直な方向への力を生じさせ、または第2部位に対して第1軸と垂直な方向への力を加えさせるように調整手段が配置され、前記力が第2部位を第1の軸と平行な第2の軸の周りを回転させる。
【0018】
このように調整手段を配置することによって、実質的に第1の軸に沿った第1部位の並進運動が、力を第2部位に伝達して、第2部位の端を実質的に第1部位に垂直な方向に運動させる。第2部位の反対側の端が固定される場合、これによって、第2部位をこの固定された端の周りに回転させる。
【0019】
好適には、第2の軸の周りの第2部位の回転運動が、第2の軸と平行な軸の周りのプリントヘッドの回転運動を生じさせるように、第2部位がプリントヘッドに連結されている。
【0020】
好適には、調整手段が、湾曲配置を備える。
【0021】
調整手段の湾曲配置を使用することによって、湾曲が熱的変化および振動に対して非常に回復力に富むので、プリントヘッドが再び位置合わせされる必要がある周波数を低減することが可能である。そのような湾曲配置が非常に安定的であり、その結果、頻繁な再調整の必要がないように思われるということが、偶然に発見された。加えて、例えば摺動ヒンジなどと異なり、湾曲はバックラッシュまたはスロップがないので、湾曲手段のロックを使用する必要がない。
【0022】
好適には、湾曲配置は、2つ以上の湾曲を有する。
【0023】
2つ以上の湾曲を使用することによって、第1の方向への並進運動が、これら2つの湾曲点で調整手段を湾曲させることができ、したがって、垂直方向の力を生成することができる。
【0024】
好適には、湾曲配置は、プリントヘッド支持構造体の筐体内部に形成される。
【0025】
プリントヘッド支持体の筐体から、特に構造体の部位を取り除き湾曲を形成することによって湾曲配置を形成することによって、調整機構は、プリントキャリッジの中に余分の空間、または追加の材料を全く必要とせず、したがって、費用効果の高い解決策が実施可能であり、密接に詰め込まれたアレイの中にプリントヘッドを配置し、プリントキャリッジをかなりコンパクトに維持することが可能である。
【0026】
好適には、湾曲配置は、斜め方向のリンクを有する一対の対称な湾曲点を備える。
【0027】
2つの対称な湾曲点の間に斜め方向のリンクを設けることによって、相対的に大きい並進運動をより微細で/より小さい回転運動に変換するために幾何学的縮小を使用することが可能である。
【0028】
好適には、プリントヘッド支持構造体は、調整後に、追加のロック機構なしで、プリントヘッドを定位置に保持する。
【0029】
ロックが、調整段階中に成された位置合わせを変化させる何らかの運動を通常は生成するので、プリントヘッドを定位置に保つためにロックを必要としないプリントヘッド調整構造を提供することによって、より精密な調整を行うことができる。ロックの前に調整をする場合、ロックに起因する任意の変化を補完することが必要である。したがって、正確な調整が見つかる前に、いくつかの試み(例えば、「試行錯誤」)が行われる必要がある可能性がある。ロックを必要としない場合、そのような調整における複数の試みは必要でない。また、ロックを必要としない調整は、自動化することがより容易である。
【0030】
好適には、第2部位が第1の端で固定されることで、第1の端の反対側に位置する第2部位の第2の端が、第1の端の周りを回転するように制限されている。第2の端の回転運動が、第2部位の平面に垂直な構成要素を有し、第2部位の第2の端の運動のこの構成要素の大きさと第1部位の並進運動の大きさが1未満の比率であるように減速比を提供するように、調整手段が配置されている。第2の部位の平面に垂直な第2の端の運動の構成要素は、本明細書では、第2の部位の並進運動と呼ぶことができる。
【0031】
好適には、第2部位の回転運動と第1部位の並進運動が1未満の比率であるように減速比を提供するように、調整手段が配置されている。
【0032】
回転運動、または第2部位の反対側の、または外側縁の回転によって生じる並進運動の大きさが、第1部位の並進運動の大きさよりも小さくなるように調整手段を配置することによって、非常に小さく、正確な調整をプリントヘッドの位置合わせに対して行うことができる。加えて、プリントヘッド上の任意の力は、調整機構で相対的に小さい力を生み出すだけであり、それによって、使用中に調整をはるかに安定させることができ、頻繁な再調整またはロックの必要を取り除く。更に、調整に減速比を提供することによって、振動によって引き起こされ、プリント作動中の荷重または熱サイクルを変化させるプリントヘッド調節要素(すなわち、第1部位、ネジ、枢動軸)の任意の小さい運動が、1未満の比でプリントヘッドに伝達されるだけであろう。
【0033】
好適には、プリントヘッド支持構造体は、調節ネジの回転が第1部位の前記並進運動を提供するように配置されている調節ネジをさらに備える。
【0034】
ネジの相対的に大きい回転がネジのより小さい並進運動を生成するので、プリントヘッド調整を駆動するためにネジを提供することによって、調整の正確さが改善され得る。加えて、例えばネジのネジ山によって生成される摩擦に起因して、ロックの必要なしに、一旦調整が行われてしまうと、ネジは定位置に固定されて留まることができる。更に、例えばモータを使用することによって、ネジの駆動を自動化することは容易である。
【0035】
好適には、プリントヘッド調整は、プリントヘッドの回転の軸に平行な方向から駆動される。
【0036】
プリントヘッドが大きいアレイの中に密接に詰め込まれる場合、プリントヘッドに隣接する方向からよりも、プリントヘッドの平面の上方または下方から各プリントヘッドにアクセスする方がはるかに容易である。したがって、回転軸に対して平行な方向からプリントヘッドの平面上で回転を駆動することができることは有利である。
【0037】
好適には、プリントヘッドが複数のノズルのアレイを有しており、プリントヘッドの回転運動がノズルのアレイの平面上で起こる。
【0038】
ノズルアレイの平面上でプリントヘッドを回転することによって、プリントヘッドの正確な方位回転が見つけられて、ノズルによって置かれるインクの線が均等に離隔されることを保証することができる。
【0039】
好適には、機構は、プリントヘッドの並進運動を提供するように更に作動可能である。
【0040】
プリントヘッドに並進運動を提供することができる機構を提供することによって、プリントヘッドアレイ内の他のプリントヘッドに対して、および/またはプリントキャリッジに対してプリントヘッドの位置を調整することが可能である。そのような調整は、プリントヘッド間のノズルの正確な相対的配置を達成するために役立つことができる。
【0041】
好適には、プリントヘッドに提供される並進運動は、クロスプロセス方向で起こる。
【0042】
クロスプロセス方向にプリントヘッドの並進調整を提供することによって、隣接するプリントヘッド上のノズルによって置かれるインクの線の間の間隔が調整され得る。これは、基板の幅にわたって(すなわち、印刷方向に垂直に)一貫したインク濃度を保証することに役立つことができる。
【0043】
好適には、プリントヘッド支持構造体は、プリントヘッドに連結されている第3部位をさらに備えており、第3部位の並進運動がプリントヘッドの前記並進運動を提供するように、プリントヘッドに連結されている。
【0044】
好適には、プリントヘッドの並進運動が、プリントヘッドの回転角度の前記調整によって影響を受けるプリントヘッドの並進位置における変化を補完する。
【0045】
回転運動を提供するプリントヘッド支持体内の回転運動によって引き起こされる並進を補完するための手段を提供することによって、プリントヘッドの正確で完全な位置合わせが、単一の組の調整で達成され得る。
【0046】
好適には、プリントヘッドの並進運動が、プリントヘッドの回転の有効軸を変化させる。
【0047】
所望のプリントヘッドの回転は、第2部位がプリントヘッドをその周りに回転させる軸とは異なる軸の周りに起こることができる。したがって、所望のプリントヘッドの調整を達成するために、追加の並進運動を提供することが必要である可能性がある。
【0048】
好適には、プリントヘッド支持構造体は、第3部位の並進運動を実行する並進モータをさらに備える。
【0049】
好適には、プリントヘッド支持構造体が、並進調節ネジをさらに備えており、並進調節ネジは、調節ネジの回転が、プリントヘッドの回転軸の方向に対して平行な並進運動を提供するように配置されており、調節ネジが第3部位と連携することで、ネジにより提供される並進運動が第3部位に伝達される。
【0050】
好適には、並進モータが並進調節ネジと連携しており、並進モータは並進調節ネジを回転させるように動作可能である。
【0051】
好適には、プリントヘッド支持構造体は、第1部位の並進運動を実行するモータをさらに備える。
【0052】
調整機構を作動させ/駆動するモータを提供することによって、遠くから、またはネットワーク上で任意に、プリントヘッドの位置合わせの調整を自動化することが可能である。これは、手動による調整(すなわち、人間の操作者が位置合わせを物理的に調整することによって)を実施するよりも、効率的で、正確であり、かつ誤りが少ない傾向がある可能性がある。加えて、プリントヘッドがアレイ内に密接して詰め込まれる場合、人間の操作者が調整機構にアクセスすることは困難であり、モータが制限された空間内で動作することの方が容易い可能性がある。
【0053】
好適には、モータは調節ネジと連携しており、モータは調節ネジを回転させるように動作可能である。
【0054】
調節ネジを回転するモータを提供することによって、ネジが回転される量は注意深く制御され、特に、ネジが手動で回転される場合よりもはるかに高い程度の精度まで制御され得る。例えば、均一で、所定の量(例えば、1.8°)刻みで回転を提供するステッパモータが、使用され得る。
【0055】
本明細書では、平面に配置された複数のプリントヘッドのアレイと、各プリントヘッドの位置を調整するために、前記複数のプリントヘッドのそれぞれに用いられる、上記に記載のプリントヘッド支持構造体とを備え、各プリントヘッド調整は、プリントヘッドアレイの面に対して垂直な方向から行われる、プリントアセンブリをさらに説明する。
【0056】
上方および下方からプリントヘッドを調整することを可能にすることによって、プリントヘッドが密接に詰め込まれたアレイに設置されてしまった後で、調整が実施され得る。密接に詰め込まれたアレイに多数のプリントヘッドを有することは有利であり、これによって印刷解像度をより良好にし、色またはアレイの内部およびその間の両方でプリントヘッド間のレジストレーションを改善し、ならびに印刷速度を上げることにつながるが、密接に詰め込まれる場合、個々のプリントヘッドに、アレイの平面内部からアクセスすることはできない。設置後にプリントヘッドの調整を可能にすることによって、プリントヘッドは個別に再配置され、次いで調整されることが可能になり、それによって、設置前に位置合わせを必要とするプリントヘッドのアレイ全体を交換しなければならない場合よりも費用を節約する。さらに、プリントヘッドの位置合わせが、設置後にプリンタの使用中に発生する位置合わせエラーを修正するように調整可能である。加えて、プリンタ要素内の誤差を標準的製造公差内に補正するように、プリントヘッドの位置合わせを調整することが可能である。
【0057】
好適には、プリントヘッドの回転運動は、プリントヘッドアレイの平面で起こる。
【0058】
本明細書では、プリントヘッド支持体に連結されているプリントヘッドの位置を調整する方法であって、第1部位の並進運動を実行するためにプリントヘッド支持体の第1部位に力を加えるステップと、第1部位の前記並進運動をプリントヘッド支持体の第2部位の回転運動に変換するステップと、第2部位の前記回転運動をプリントヘッドに提供するステップとを含む方法をさらに説明する。
【0059】
この態様および以下に説明する任意の特徴の利点は、上記に既に説明される態様についての利点に相当する。
【0060】
好適には、並進運動は、実質的に第1の軸に沿って提供され、回転運動は、実質的に第1の軸に対して平行な軸の周りで起こる。
【0061】
好適には、プリントヘッドの位置を調整する方法が、プリントヘッド支持体にプリントヘッドを受けるステップをさらに含む。
【0062】
好適には、並進運動を回転運動に変換するステップは、湾曲配置によって達成される。
【0063】
好適には、プリントヘッドの位置を調整する方法が、プリントヘッドに前記回転運動を提供した後に、ロックなしで、プリントヘッドを定位置に保持するステップをさらに含む。
【0064】
好適には、第2部位の外側縁の並進運動の大きさと第1部位の並進運動の大きさの比率が1未満である。
【0065】
好適には、プリントヘッドが複数のノズルのアレイを有しており、プリントヘッドの回転運動がノズルのアレイの平面上で起こる。
【0066】
好適には、プリントヘッドの位置を調整する方法が、クロスプロセス方向にプリントヘッドの並進運動を提供するステップをさらに含む。
【0067】
好適には、プリントヘッドの位置を調整する方法が、プリントヘッドに提供された回転運動を補完するために算出されたクロスプロセス方向へのプリントヘッドの前記並進運動を算出するステップをさらに含む。
【0068】
好適には、回転運動を補完することが、プリントヘッドの回転の有効軸を変化させる。
【0069】
本明細書では、プリントヘッド調整機構を製造する方法であって、プリントヘッド支持構造体を提供するステップであって、プリントヘッド支持構造体がプリントヘッドの受け手段を備えているステップと、第1および第2部位、ならびにプリントヘッド支持構造体の第1部位の並進運動をプリントヘッド支持構造体の第2部位の回転運動に変換する調整手段を形成するように、プリントヘッド支持構造体の選択された部位を除去するステップとを含み、調整手段は、第2部位の回転運動がプリントヘッドの回転角度に影響を与えるように、受け手段に連結されている、プリントヘッド調整機構を製造する方法がさらに説明される。
【0070】
プリントヘッド支持構造体の選択された部位を除去して、プリントヘッド調整機構を製造することによって、調整機構を非常にコンパクトにすることができる。これによって、プリントヘッドをアレイの内部におよびアレイ間に一体に密接して詰め込むことができ、このことが、より良好な印刷解像度、色またはアレイの内部および色またはアレイの間の両方でプリントヘッド間の改善された解像度、ならびにより高速の印刷につながるので有利である。
【0071】
好適には、プリントヘッド支持構造体の選択された部分を除去するステップが、第1の湾曲点を形成するくぼみを作成するためにプリントヘッド支持構造体の第1のセグメントを除去するステップと、第2の湾曲点を形成するくぼみを作成するためにプリントヘッド支持構造体の第2のセグメントを除去するステップとを含み、前記各湾曲点が、第1部位の並進運動を第2部位の回転運動に変換するように配置される。
【0072】
好適には、2つの湾曲点が、斜め方向にリンクするように配置される。
【0073】
好適には、セグメントの除去が、ワイヤ加工またはプランジカッターでの切断によって行われる。
【0074】
好適には、プリントヘッド調整機構を製造する方法が、第3湾曲点を作成するためにプリントヘッド支持構造体の第3部位を除去するステップをさらに含み、前記第3湾曲点が、プリントヘッドをプリントヘッド支持構造体に固定するための湾曲ヒンジ配置を作成する。
【0075】
プリントヘッドを支持構造体に固定するための湾曲ヒンジを作成することによって、プリントヘッド支持構造体内に空間を占め、システムに追加の複雑さをもたらす追加のロック機構を設けずに、プリントヘッドを支持体に確実に取り付けることが可能である。さらに、特に湾曲がプリントヘッド支持構造体の他の部位の中に使用されている場合、別個の装置、および/またはプリントヘッド支持体の中に異なる型の固定機構を搭載する工程を設ける必要がないことを意味するので、それによって製造方法を簡単にする。
【0076】
本明細書では、平面に配置された複数のプリントヘッドのアレイと、各プリントヘッドの回転配置を調整するために平面に対して垂直な軸の周りの回転調整を提供するための各プリントヘッド用の調整機構とを含むプリントアセンブリであって、回転調整は、回転調整の軸に対して実質的に平行な方向から行われる、プリントアセンブリをさらに説明する。
【0077】
プリントヘッドが密接に詰め込まれたアレイに配置される場合、各プリントヘッドに個別にアクセスすることは困難であるが、プリントヘッドアレイの平面の上方または下方からプリントヘッド調整機構にアクセスすることはより容易く、最も効率的である。
【0078】
好適には、追加の並進調整が、回転調整の軸に対して実質的に平行な方向から行われる。
【0079】
本明細書では、プリントヘッド配置を調整する方法であって、必要なプリントヘッド回転調整を決定するステップと、前記回転プリントヘッド配置を行うのに必要な回転補正の大きさを算出するために、前記必要なプリントヘッド回転調整を使用するステップと、前記回転プリントヘッド配置を行うのに必要な前記補正の結果によって起こるプリントヘッドの並進運動を算出するステップと、クロスプロセス方向への必要なプリントヘッド並進調整を決定するステップと、前記並進プリントヘッド調整を実行するために必要な並進補正の大きさを算出するステップであって、前記必要な並進プリントヘッド調整を決定するステップは、前記回転プリントヘッド配置を行うのに必要な前記補正の結果によって起こるプリントヘッドの算出された並進運動を補完するステップを含む、ステップと、プリントヘッドを調整するために前記回転補正および並進補正を適用するステップとを含む、プリントヘッド配置を調整する方法をさらに説明する。
【0080】
プリントヘッドに必要な回転調整、およびその結果によって起こる並進運動を算出し、算出された回転補正および並進補正をプリントヘッドに適用することによって、試行錯誤によって補完する必要がなくなるので、相対的に少ないステップで正確な、または少なくとも十分に正確なプリントヘッド配置を達成することが可能である。
【0081】
好適には、前記回転補正および並進補正は自動化される。
【0082】
補正の動作を自動化することによって、調整を手動で試みる場合よりも、より素早く、より正確なプリントヘッド配置を実行することが可能である。
【0083】
好適には、プリントヘッド配置を調整する方法は、プリントヘッド配置におけるアロングプロセスエラー(along−process errors)の補完を算出するステップをさらに含む。
【0084】
アロングプロセスエラーの補完を算出することによって、プリントヘッド間の正確なレジストレーションを保証することが可能になり、したがって、インクが正確に基板上に置かれる。
【0085】
好適には、プリントヘッド配置におけるアロングプロセスエラーを補完するステップは、隣接するプリントヘッドの発射時間を変化させるステップを含む。
【0086】
好適には、必要な補正を算出するステップが、1または複数のプリントヘッド支持部の必要な運動の大きさを算出するステップを含む。
【0087】
好適には、1または複数のプリントヘッド支持部の必要な運動の大きさを算出するステップが、1または複数の調節ネジの必要な回転を算出するステップをさらに含む。
【0088】
好適には、1または複数のプリントヘッド調整部の必要な運動の大きさを算出するステップが、1または複数のモータにより実行される必要なステップを算出するステップをさらに含む。
【0089】
好適には、プリントヘッド配置を調整する方法が、コンピュータプログラムによって実行される。
【0090】
これらの装置および方法を使用することによって、機械的調整、およびしたがって、プリントヘッドのレジストレーションが、2〜3ミクロンの解像度に対して行うことが可能になり、良好なプリント品質を達成する水準で安定している。
【0091】
次いで、添付の図面を参照しながら、単なる実施例として、実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1】プリントヘッドが正確に、および不正確に回転配置される場合、プリントヘッドノズルによって置かれるラインの間隔を示す図である。
図2】アロングプロセス(プリント)方向に位置合わせされていないプリントヘッドのプリントヘッドノズルによって置かれたラインを示す図である。
図3】垂直運動を水平運動に変換するためのベルクランク機構を示す図である。
図4】例示的な実施形態による、プリントヘッド調整機構の図である。
図5A-C】図5Aは、第1の方向からプリントヘッド支持体内部の、図4のプリントヘッド調整機構を示す図である。図5Bは、第2の方向から図5Aのプリントヘッド調整機構を示す図である。図5Cは、第3の方向から図5Aのプリントヘッド調整機構を示す図である。
図5D-F】図5Dは、調整動作後、第1の方向から図5Aのプリントヘッド調整機構を示す図である。図5Eは、調整動作後、第2の方向から図5Bのプリントヘッド調整機構を示す図である。図5Fは、調整動作後、第3の方向から図5Cのプリントヘッド調整機構を示す図である。
図6】プリントヘッドを位置合わせまたは調整する方法を示す図である。
図7図7Aは、不正確に回転配置されているプリントヘッドによる試験プリントを示す図である。図7Bは、正確に回転配置されているプリントヘッドによる試験プリントを示す図である。図7Cは、クロスプロセス方向に正しく位置合わせされていないプリントヘッドによる試験プリントを示す図である。図7Dは、クロスプロセス方向に正しく位置合わせされているプリントヘッドによる試験プリントを示す図である。
図8A-B】図8Aは、図7Aの試験プリントから作成されたフーリエ変換を示す図である。図8Bは、図7Bの試験プリントから作成されたフーリエ変換を示す図である。
図8C-D】図8Cは、図7Cの試験プリントから作成されたフーリエ変換を示す図である。図8Dは、図7Dの試験プリントから作成されたフーリエ変換を示す図である。
図9】プリントキャリッジの概略図である。
図10】典型的な試験パターンの部分である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図9は、プリントキャリッジ210の概略図を示す。プリントキャリッジ210は、プリントヘッドをプリントキャリッジに固定し、プリントヘッドの位置調整を可能にするためのプリントヘッド支持体を備える。この概略的実施例では、プリントキャリッジ210に取り付けられている5つのプリントヘッド220(a−e)が存在するが、通常は、プリントキャリッジに取り付けられるもっと多くのプリントヘッド、典型的には50、100またはさらにもっと多くのプリントヘッドが存在するであろう。各プリントヘッド220(a−e)は、ノズル10のアレイを備える。プリントヘッド支持部分215(a−e)もまた、各プリントヘッド220(a−e)に対して図示されている。従来の右手式直交軸の組が、図示されている。プリントヘッド220(a−e)のノズル10が、x−y平面のアレイを形成する。この実施例では、アロングプロセス方向はx軸に平行であり、クロスプロセス方向はy軸に平行である。プリントヘッド220(a−e)のプリントヘッド支持体215(a−e)への取付けは、例えば、プリントヘッド支持体215(a−e)の部分間にクランプで留めることによって、プリントヘッド支持体215(a−e)の材料にネジで留める、またはボルトで留めることによって達成され得る。プリントヘッド220(a−e)は、個別に交換可能であり、別々に嵌合され得る。
【0094】
容易に個別に取り外すことができるように、プリントヘッドをプリントヘッド支持構造体に着脱自在に固定する1つの方法は、各プリントヘッドに係合するために、プリントヘッド支持構造体の中に1つまたは複数のスライド、例えば、アリ溝スライドを設けることである。プリントヘッド支持構造体は、プリントヘッドの部分を受けるための空洞を含み、1つまたは複数のスライドを空洞の一方の端、または両端に設けることができる。プリントヘッドが空洞内部に挿入される場合、プリントヘッドはスライドに係合する。完全に挿入される場合、その時プリントヘッドは固定され得る。一旦プリントヘッドが完全に挿入されてしまうと、駆動の必要なしに、プリントヘッドを自動的に固定する機構(例えば、クランプ配置またはラッチ)を提供することが有利である。そのような固定手段は、例えば、ばね搭載クランプ、またはプリントヘッド支持体の部位を切り取ることによって形成される湾曲配置を備えるクランプを含むことができ、それらはプリントヘッド筐体に対して十分な力を提供して、プリントヘッドをプリントヘッド支持部位内部に固定する。通常は、プリントヘッドの着脱は、例えばばねを押し下げて、プリントヘッドをクランプから外すことによって駆動されなければならないであろう。
【0095】
一旦プリントヘッド220(a−e)が嵌合されてしまうと、その配置を調整することが有利である。例えば、これによって、プリントキャリッジ210の中で、またはプリントキャリッジ210がプリンタアセンブリ全体に位置合わせされる方法で、プリントヘッド220(a−e)内の製造公差を補完することが可能になる。プリントヘッドがプリントヘッド支持体215(a−e)に取り付けられる場合に生成される不整列を補完するために、やはり調整が必要になる可能性がある。プリントヘッドは密接に詰め込まれることが多く、それによって、ノズルアレイの平面に垂直な軸を通る以外は、各個別のプリントヘッドにアクセスし、調整することが困難になる。プリントヘッド支持体215(a−e)内部にプリントヘッド調整機構を使用することによって、調整を達成することができ、それについて以下に詳細に説明する。
【0096】
ある調整では、プリントヘッドは、例えば、y方向の調整を必要とする、プリントヘッドのクロスプロセス配置を調整するために、並進運動される必要がある可能性がある。有利なことに、これはノズルアレイの平面を通って(プリントヘッドの背後から)垂直に調整を加えることによって行われるべきである。
【0097】
垂直運動を水平のプリントヘッド並進に変換することは、図3に示すように楔またはベルクランク機構を使用して成され得る。ベルクランク機構は、y方向に第1の長さLの第1のクランクアーム31、およびz方向に第2の長さLの第2のクランクアーム32を有し、それらは枢動点33で一体に結合されている。第1のクランクアーム31に加えられるz方向の力Fは、z方向への第1のクランクアーム31の小さい運動Δzを生み出す。これは、y方向の第2のクランクアーム32の小さい運動Δyに変換される。クランクアームの相対的な長さL、Lを調整することによって、z方向のさほど微細ではない垂直調整からy方向の非常に微細な並進運動を作成することが可能である。この並進調整は、例えばモータを使用することによって、自動化され得る。
【0098】
回転調整を実行するために、垂直運動を垂直軸の周りの回転に変換することは、プリントキャリッジ内でよくあることだが、特にアロングプロセス方向では、利用できる空間が制限されている場合は特に、達成困難である。本明細書では、プリントヘッド支持体215の中に作製された湾曲ヒンジの配置を説明する。湾曲ヒンジは、一対の湾曲の間の斜め方向のリンクと組み合わせることができ、斜め方向のリンクの角度は、粗い垂直方向の運動をより微細な水平方向の運動に変換するために使用され得る。次いで、水平方向の運動が使用されて、垂直な枢動軸の周りの回転を作成する。
【0099】
図4を参照して、ここで例示的な実施形態を説明する。図4は、図9に示すプリントヘッド支持体215(a−e)内部で使用され得るプリントヘッド調整機構の一部を示す。プリントヘッド調整機構は、図9に示すプリントヘッド支持体215(a−e)構造の区分から形成される。プリントヘッド調整機構は、z方向の運動または力をx方向の力に変換するために使用される。これは、z方向の並進運動をx−y平面の回転運動に変換するために使用され得る。この実施例では、従来の右手式直交軸の組を前提としている。プリンタアセンブリの中に取り付けられる場合、プリントヘッドのアレイがx−y平面にあり、z軸はプリントヘッドのアレイに垂直である。
【0100】
図4に示すプリントヘッド調整機構の区分は、主にz方向に運動するように制限されている第1部位110、および主にx−y平面に運動するように制限されている第2部位120を備える。これらの部位の間に、x−z方向に斜め方向に対称的な第1の湾曲130および第2の湾曲140を有する枢動部分がある。第1の湾曲130と第2の湾曲140との間の斜め方向のリンクは、x方向に対して角度θである。湾曲130、140は、プリントヘッド支持体215部材にポケットを機械加工し、湾曲枢動機構として作用する金属の薄い部分を残すことによって形成される。第1部位110は機構の「入力」側であり、その運動は、例えば、z方向に沿って回転される軸を含むネジによって駆動され得る。第2部位120はリンクの「出力」側であり、その運動は、以下により詳細に説明するようにz軸に平行な軸の周りの回転を実行し、それによってプリントヘッド220の所望の回転調整を実行するために使用され得る。プリントヘッド220は、第2部位120と連携しており、一実施例では、プリントヘッド220が第2部位120にクランプ留めされ、または第2部位120に直接固定され、別の実施例では、プリントヘッド220はプリントヘッド支持構造体の別の部分に固定されるが、第2部位120と接触して、第2部位120の運動によってプリントヘッド220を運動させることになる。第1部位110をz方向に並進運動させる、第1部位110上のz方向の力Δzが、第2の部位上のx方向の力Δxを生成するように枢動部分が構成される。第2部位120は、z方向の端に沿って固定され(図示せず)、その結果、x方向の力Δxによって、第2部位120をx−y平面内の固定部の周りに回転させる。第2部位120の固定部は、例えば、以下により詳細に説明するように、別の湾曲ストラップまたはヒンジの形態で提供され得る。
【0101】
この配置によって生成されるプリントヘッド220の回転運動は、したがって、第2部位120が固定される点の周りの回転を実行することになる。図5A図5Bおよび図5Cは、第1の位置にある場合のプリントヘッド支持体215’の内部の、図4のプリントヘッド調整機構を示す。これらの図面のそれぞれは、異なる方向からのプリントヘッド調整機構を示し、各図面に従来の右手式直交軸が図示されている。図5D図5Eおよび図5Fは、プリントヘッド220の回転配置に対して調整が駆動された後の第2の位置にある場合の、プリントヘッド支持体215’を、それぞれ図5A図5Bおよび図5Cに示した異なる方向から示している。図5Aから図5Fにおいて同様の構成要素を説明するために、同じ参照符号を使用した。
【0102】
図5Aはy方向からの図面であり、プリントヘッド調整機構と連携する調節ネジ170’を示す。プリントヘッド調整機構は、主にz方向に運動するように制限されている第1部位110’、および主にx−y平面に運動するように制限されている第2部位120’を備える。これらの部位の間に、第1の湾曲130’および第2の湾曲140’を有する枢動部分がある。
【0103】
図5Bは、x方向からのプリントヘッド調整機構を示す。z方向の第1部位110’に隣接して、第1部位110’が主にz方向に運動するように制限する2つのセグメント150’、152’が存在する。セグメント150’、152’構造に起因して、z方向の第1部位上への力が、第1部位がz方向に運動するにつれて、実際は第1部位をわずかにy方向にも運動させて、第1部位が弧を描いて運動する。この実施例では、各制限セグメント150’、152’が、各端部で湾曲154’−157’を有しており、実質的にz方向に沿った運動を可能にする。図5Eは、どのようにして、湾曲および制限セグメントによって、第1部位110’が主にz方向に運動することが可能となるのかを示す。図5Bと比較すると、図5Eの調節ネジ170’が負のz方向に進んでいる。湾曲154’、155’、156’、157’は湾曲され、制限セグメント150’、152’の左手側、したがって、第1部位110’が、有意にx方向またはy方向ではなく、主に負のz方向に進行することが可能になっている。
【0104】
図5Dは、第1部位110’を負のz方向に進ませる場合、どのように、第1の湾曲130’および第2の湾曲140’が湾曲し、第2部位120’の端部を負のx方向に運動させるのかを示している。
【0105】
図5Bは、z方向の端に沿ってプリントヘッド支持体215’に第2部位120’を固定する固定ストリップ125’をさらに示している。この固定ストリップ125’は、例えば、プリントヘッド支持体215’の筐体内部に切り取られる湾曲または湾曲ヒンジから形成されることも可能である。固定ストリップ125’は、第2部位120’の一方の端がx方向に運動できないことを保証して、その結果、第1部位110’によるx方向の力の供給によって、第2部位120’はx−y平面で回転運動する。
【0106】
第2部位120’は、固定ストリップ125’によって、x−y平面で回転運動するように制限されるので、第2部位120’の左手側が負のx方向に進む場合、第2部位120’全体がx−y平面で固定ストリップ125’の周りに回転運動する。これは、どのようにして、固定ストリップ125’が曲がり、第2部位120’がx−y平面で回転運動することを可能にするのかを示す図5Cおよび図5Fから理解できる。第2部位120’は、プリントヘッド220と連携して、x−y平面での第2部位120’の回転が、プリントヘッド220をx−y平面で回転させ、それによって、プリントヘッド220の回転配置を調整することができる。
【0107】
既存のプリントヘッド支持構造体から部材を除去することだけでよいので、機構はコンパクトである。そのようなコンパクトな調整機構を備えることは、プリントヘッドを非常に密接なアレイに詰め込むことを可能にし、それによってマルチパスプリンタの印刷の質、および印刷の速度を改善する。
【0108】
図4に示すように、斜め方向のリンクを含む湾曲配置が、機械的駆動の解像度を、必要なプリントヘッドの回転に一致させる減速比を提供する。斜め方向のリンクは、斜辺である斜め方向のリンクを有する直角三角形の辺の比率、すなわち、Δx=Δz*tan(θ)で、z方向の運動をx方向の運動に変換する。これは、z方向のかなり大きい駆動運動の入力がx方向のより小さい運動に変換されることを可能にし、その結果、第2部位120’の外側端(すなわち、固定ストリップ125’の反対側の端)の回転運動の大きさが、駆動運動の大きさよりも小さくなり、したがって、プリントヘッドをより高精度に調整することが可能になる。第2部位120のx方向の運動の大きさ(Δx)と第1部位110のz方向の運動の大きさ(Δz)の比が、任意のθ<45°に対して1未満となり、θが0°まで減少するにつれてより小さくなる。
【0109】
湾曲は、プリントヘッド支持体の筐体またはクランプの中に形成され得る。湾曲を切断するために、ワイヤ加工を使用することができる。図4の実施形態を参照すると、x方向の湾曲がy−z平面の運動を与えることができる。機械加工されたポケットが、x−z平面の並進運動およびz軸に平行な回転を与える湾曲およびリンクを形成するために使用される。
【0110】
いくつかの実施形態では、図5A図5Fに示す調節ネジ170’が、z軸駆動の入力を加えるために使用される、手動による調節ネジであってもよく、別の実施形態では、調節ネジ170’を駆動するためにモータ(例えば、ステッパモータ)を使用するとしてもよい。これにはいくつかの利点がある。モータは、潜在的に遠くから、例えばネットワーク接続を通じてコンピュータ制御下で、手動による介入なしに、プリントヘッドの位置決めを自動的に調整することを可能にする。コンピュータは「人為的なエラー」をなくし、さらに人間の操作者よりも速くタスクを実行し、および/または多数のタスクを同時に制御することもできる。これは、多くの(例えば、100以上の)プリントヘッドを含むプリントアレイでは、特に有利であり得る。微細ピッチの主ネジと組み合わせて、ステッパモータを使用することによって、電源がオフになった場合にも、システムは依然として定位置にある。これにより、ロック装置が必要ではなくなる。通常は、調整システムは、アンロック、調整、ロックというサイクルが必要である。ロック段階では、通常、何らかの望ましくない運動を生じ、そのことが精密な調整を困難にする。また、ロックするステップは、システムを自動化することをより困難にする。例えば摺動ヒンジとは異なり、湾曲がバックラッシュまたはスロップを全く含まないため、本発明で説明する機構は、ロックするステップを含まない。したがって、本発明で説明する機構は、ロックする要素または固定する要素を必要としない。
【0111】
斜め方向のリンクによって提供される機械的な梃子は、プリントヘッド上の大きい力が、調節機構で、特に駆動手段、すなわち調節ネジで小さい力を生成するのみであるということを意味する。これが、プリントヘッドがロックの必要なしに正確に位置合わせされた状態を維持することができる別の理由である。
【0112】
プリントヘッドを位置決めする際に関係する任意の摺動部分が、1未満の比率で(例えば、45°未満のθの値を選択することによって)梃子によって動く湾曲構成要素を介してプリントヘッドから分離されるような様式で、機構は設計され得る。これは、例えば、振動、変化する荷重または熱サイクルによって発生する摺動要素(例えば、ネジ)間の任意の運動が、結果として生じるプリントヘッドの位置の変化に関して分割されるということを意味する。したがって、調整はかなり安定しており、再調整はほとんど必要ではない。いくつかの場合、プリントヘッドの寿命の間に再調整は全く必要ではないことが分かっている。
【0113】
z軸に対して平行であるが、x−y平面内の任意の所望の点(通常はノズルのx−yアレイの中心が選択される)を通過する軸の周りに複合純回転(Composite pure rotation)を実行するために、並進駆動と回転駆動とを結合する上述の湾曲配置を使用することが可能である。これは、同じ調整を用いて2つの配置を行うことができ、その結果、配置をより速く達成できる点で有利である。
【0114】
図4および図5A図5Fに関し、上述した配置によって提供されるプリントヘッド220の回転運動は、通常は、第2部位120’が固定される固定ストリップ125’の周りの回転を起こす。しかし、特定の状況では、回転調整はこの固定ストリップ125’の周りに必要とされない。例えば、ノズルアレイの中心の周りの回転調整を提供することが好適であることが多いが、しかし、ノズルアレイの中心に相当する固定ストリップ125’を提供することは困難である。したがって、プリントヘッドを正確に位置合わせするために、並進調整を加えることも必要である可能性がある。これは、図3に関連して上述するように、ベルクランクの手段によって提供され得る。
【0115】
並進運動は、別の調節ネジの手段によってz方向からも駆動されることが可能であり、この第2の調節ネジもモータによって制御され得る。
【0116】
本発明で説明する調整機構は、回転プリントヘッド調整の駆動を垂直方向からアクセスすることを可能にする。すなわち、z軸の周りのプリントヘッド回転は、z方向の垂直運動によって駆動され得る。これは、プリントヘッドがアレイ(すなわち、x−y平面内のプリントヘッドアレイ)の中に密に詰め込まれている場合でも、個別のプリントヘッドを調整することを可能にする。
【0117】
回転ステップおよび並進ステップを説明するために行列を使用することができ、次いで、どのように行列が使用され得るかについての特定の実施例を、調整機構を駆動するためにステッパモータを使用するシステムにおいて説明する。
【0118】
回転調整および並進調整の両方がステッパモータによってそれぞれ駆動される場合、所望の回転および並進、xが、2つのステッパモータにステップ、nを適用することによって達成され得る。これらの運動の間の機械的結合の何らかの段階が存在し、その結果、Aが正方行列である場合、行列形式の一般的な関係は、x=Aijである。行列Aの要素は、機械システムの幾何学によって決定される。ほとんどのシステムにおいて、行列は非特異であり、その結果逆関数が存在する。位置および回転の所望の調整xと仮定すれば、調整軸に加えられるステッパモータの段数は単純に、n=A−1jiである。
【0119】
アロングプロセス方向の(および可能な他の方向の)寄生的運動は、y=Bijとすることができる。ここで、Bは行列であるが、必ずしも正方行列ではない。y=Cijとすることも可能である。ここで、Cij=Bik−1kjである。したがって、調整の所望の程度を仮定すれば、ステッパモータのステップの数は直接的に算出可能であり、これらのステップから発生する寄生的なアロングプロセス方向の運動の大きさもまた算出可能である。一旦隣接するプリントヘッド間のアロングプロセス方向並進配置(または寄生的オフセット)における差が決定されると、基板上に正確なインクの分配を保証するために、どのように異なるプリントヘッド上のノズルの発射を遅らせるべきかを算出することが可能である。
【0120】
プリントヘッド配置のための画像分析
プリントヘッドを正確に配置するために必要な調整は、いくつかの方法で算出可能である。1つの方法は、試験パターンを印刷し、試験パターンの画像を取込み、分析することによって配置を決定する方法である。別の方法として、ノズル位置を測定するために、カメラを印刷装置上に(例えば、プリントキャリッジ上に)搭載することができる。
【0121】
印刷された特徴(すなわちプリントヘッドノズル)の重心の相対的な位置を突き止めるために、印刷された画像を分析することができ、それによって、必要な調整の程度を算出することができる。
【0122】
印刷された画像の分析には、プリントヘッドのノズルによって置かれたインクの線の印刷されたパターンのフーリエ変換を見つけることが含まれてもよい。正確に配置されていた場合、フーリエ変換は、完全な周期的構造を示すはずである。すなわち、フーリエ変換は、低調波(サブハーモニクス)ではなく、より高い高調波に相当する最初の周期およびピークを示すであろう。配置不良は、正確に配置されるパターン周期の低調波を招く。低調波の大きさを最小にするために、相互作用の調整を行うことができる。
【0123】
プリントの局所的密度の検査には、プリント格子の解像度よりずっと低い画像解像度を使用することができる。印刷されたパターンを注意深く選択することによって、アロングプロセス方向の配置不良とクロスプロセス方向の配置不良とを識別することが可能である。プリントヘッド調整は、通常、目に見える画像の乱れが全く無い印刷を達成するために実施するのであるから、このことは特に有益である。
【0124】
次いで、プリントヘッド配置のための画像分析を一実施例の実施形態に関連して説明する。1200dpi(47.2dpmm)のシングルパスプリントヘッドは、仮にすべてのノズルが同時に発射される場合、クロスプロセス方向において基板全体に完全なインクカバレッジを提供することができる。したがって、回転配置および並進配置に関する情報を提供することができるパターンを提供するために、特定の試験パターンが必要である。
【0125】
外観検査および手動調整のための試験パターン
一般に、試験パターンを構成する線は、すべてのn番目のノズルから単に印刷されるべきである。ここでnは、プリントヘッド上のノズルの列の数の因数ではない(すなわち、ノズル列の数はnによって割り切れない)。ある実施例において、各プリントヘッド上に32列のノズルが存在する場合、線の列は、各7番目のノズルから印刷され得る。この場合、奇数のノズルおよび偶数のノズルは、プリントヘッドの異なる側にあり、回転の不正確さは線の「双子化(twinning)」として出現するであろう。これは、図7Aの試験プリントに示されており、プリントヘッドノズルによって置かれたインクの線20が、近い間隔を有するペアとして出現している。これは、プリントヘッドが正確に回転配置されていないことを示している。正確に回転配置されると、「双子化」はもはや現れず、図7Bに示すように線は均等に離隔される。
【0126】
リアルタイムのフーリエ変換は、手動調整を助けるために使用され得る。不正確に配置されている場合、「双子化」は、正確に配置された画像の半分の空間的周期で繰り返す期間をもたらす。したがって、低調波周期を最小にすることは、より良好な回転配置をもたらす。
【0127】
図8Aおよび図8Bは、それぞれ図7Aおよび図7Bの試験プリント画像から生成されるフーリエ変換を示す。図8Aは、正しく位置合わせされていないプリントヘッドに相当し、〜170in−1(6.69mm−1)および〜80in−1(3.15mm−1)で強い周波数ピーク(810および820)を示し、〜140in−1(5.51mm−1)、〜250in−1(9.84mm−1)および〜340in−1(13.39mm−1)でより弱いピーク(830、840および850)を示す。図8Bは、より良好に位置合わせされているプリントヘッドに相当し、〜170in−1で強いピーク(810’)が存在し、〜80in−1(3.15mm−1)および340in−1(13.39mm−1)でより弱いピーク(820’および850’)が存在する。
【0128】
図8Aを参照すると、第1の調波ピーク(810)は、空間周波数〜170in−1(6.69mm−1)であり、340in−1(13.39mm−1)でのピーク(850)は、2倍の調波空間周波数(すなわち、第2の調波)である。〜80in−1(3.15mm−1)でのピーク(820)は、半分の調波空間周波数に相当するが、〜250in−1(9.84mm−1)でのピーク(840)は、1.5倍の調波空間周波数に相当する。プリントヘッドが正確に配置される場合(図8B参照)、第1の調波ピーク810と第2の調波ピーク850との間に発生する、低調波周波数820、830、840は、著しく低減される。
【0129】
画像分析プロセスでは、低調波周波数についての特定の公差または閾値を設定し、これらの低調波が特定の閾値未満である場合、プリントヘッドが正確に配置されていると決定することができる。
【0130】
並進調整もまた、回転配置されているが、クロスプロセス方向に正確に配置されていない2つのプリントヘッド間の重なる領域を画像表示することによるこの手法に基づくことができる。図7Cは、クロスプロセス方向に正しく位置合わせされていないプリントヘッドによる試験パターンの重なり領域を示している。図7Dは、プリントヘッドがクロスプロセス方向に正しく位置合わせされている場合における同じ重なり領域を示している。
【0131】
重なり領域の不一致も低調波ピークを引き起こすが、低調波ピークは、配置が正確である場合に最小になる。図8Cおよび図8Dは、それぞれ図7Cおよび図7Dの試験プリント画像から生成されたフーリエ変換を示している。図8Cでは、〜170in−1で第1の高調波ピーク(870)が見られ、〜340in−1で第2の高調波ピーク(890)が見られる。また、〜80in−1で強い低調波ピーク860が見られ、〜250in−1でより弱い低調波ピーク880が見られる。図8Dは、より良好に配置されているプリントヘッドに相当し、〜170in−1で第1の高調波ピーク(870’)がやはり相対的に強く、340in−1で第2の高調波ピーク(890’)がやはり相対的に強い。一方、〜80in−1で低調波ピーク(860’)ははるかに弱く、〜250in−1で低調波ピーク(880’)ははるかに弱い。
【0132】
自動化調整のために試験パターンを分析する場合、要求は、手動調整に対する要求とは異なる。例えば、人間の操作者にリアルタイムのフィードバックを提供するシステムよりも、処理時間がより長くなる可能性がある。加えて、ヘッドを再配置するために使用される出力は、何らかの人間の「介入」を必要とするものであってはならない。すなわち、出力命令は、自動的調整手段、例えばモータに直接入力されるのに適するものでなければならない。
【0133】
別の典型的な試験パターンの一部が図10に示されている。パターン内の各列は、各16番目のノズルについて描かれた短い「目盛(tick mark)」を有する。17列の目盛が存在し、第1の列および最後の列が同じ組のノズルに由来する。
【0134】
画像処理プログラムは、画像を分析して、すべての目盛の位置を識別し、それによって各プリントヘッドの相対的な位置および回転を推測することができる。この情報は、逆行列方程式に入力として使用されて、回転および並進の正しい程度まで各プリントヘッドを直接駆動することができる。第2の画像が印刷され、処理されて、調整が要求される程度の正確さで実行されたことを確認し、必要であれば、追加の調整を実行することができる。
【0135】
色の濃度に基づく調整配置のための試験パターン
試験パターンは、異なる色のプリントヘッドが互いにどの程度良好に配置されているかを決定するためにも使用され得る。黒色プリントヘッドと赤紫色のプリントヘッドとの配置を比較するための例示的試験パターンが、プリントキャリッジ上の黒色プリントヘッドによって描かれる一連の線を備えてもよい。この実施例では、黒色の線は、アロングプロセス方向に画像の頂部から底部まで印刷される。これらの黒色線の頂部上に、アロングプロセス方向に間隔を空けて配置された赤紫色の線の別のブロックが描かれているが、各赤紫色のブロックは、黒色線と同様に、アロングプロセス方向の実質的に同じ幅を覆っている。各赤紫色のブロックは、その前のブロックに対してクロスプロセス方向にわずかにずれている。
【0136】
赤紫色のブロックからの線が、下にある黒色パターンの線の頂部上に直接降下している場合、光学濃度における著しい変化が存在し、その変化は目によって、または低解像度のデジタルカメラを使用することによって判断され得る。
【0137】
まさに得られた実施例では、異なる色の間の配置が設定され得る。色の内部で配置する場合、同じ技術が使用可能であるが、線のピッチは、正確な配置の点で光学濃度の最大値が達成されるように選択される。
【0138】
別の実施例では、黒色および黄色の線の組が刷り重ねられることが可能である。配置が良好である場合、黒色のみが見える。しかし、配置がずれ始めると、黄色が黒色によって完全に塗り潰されないので、黄色の色合いが見えることになる。
【0139】
典型的な配置手順
次に、上述のプリントヘッド調整機構を使用してプリントキャリッジ上のプリントヘッドアレイ内のプリントヘッドを配置し、調整する方法を図6に関連して説明する。
【0140】
ステップ405で、プリントキャリッジ上のプリントヘッド調整機構が、それらの通常の中央位置に設定される。
【0141】
ステップ410で、1つまたは複数のプリントヘッドが、プリントヘッドアレイの中のプリントキャリッジ上のプリントヘッド支持部位に嵌合される。プリントヘッドは、すべて個別に再配置可能である。
【0142】
ステップ415で、すべてのプリントヘッドから試験パターンが印刷される。試験パターンは、各プリントヘッドから1組のノズルによって印刷される特徴を含む。
【0143】
ステップ420で、印刷された試験パターンの画像が、カメラシステム(ラインスキャンカメラまたは従来のカメラ)および適切な照明を使用して取り込まれる。
【0144】
ステップ430で、ノズルによって印刷された特徴の相対的な位置を測定するために、画像分析ソフトウェアが使用される。例えば、プリントヘッドがアロングプロセス方向のプリントキャリッジの運動に対して不正確に回転配置される場合、隣接するノズルによって置かれるインクの線は、均等に離隔されないであろう(図1に関連して上述のように)。加えて、隣接するプリントヘッドがクロスプロセス方向に不正確に並進配置される場合、隣接するプリントヘッド上にノズルによって置かれるインクの線は、均等に離隔されないであろう。アロングプロセス配置のエラーは、このステップでも検出され得る。
【0145】
ステップ435で、プリントヘッドが十分に配置されているかどうかについて決定または決断が成される。プリンタは、異なる状況で異なる程度の配置が必要である可能性があり、そのため異なる配置公差を設定することが可能であってもよい。
【0146】
配置が十分である場合、プリントヘッド配置方法は終了する(ステップ455)。
【0147】
配置が不十分である場合、配置方法はステップ440に進み、そこで各プリントヘッドに必要な回転調整および並進調整が、測定された位置から算出される。プリントヘッド構成要素(すなわち、ノズルアレイ)の設計および寸法の詳細を画像分析ソフトウェアに提供することによって、各プリントヘッド内、および各プリントヘッド間で位置合わせするために必要な調整を算出することが可能になる。
【0148】
ステップ450で、各プリントヘッドに、ステップ430の中で識別される調整を適用するために必要な補正ステップが算出される。例えば、これは、調節機構の第1部位110に加えるべきz方向の駆動運動の大きさを含むことができる。モータが、駆動運動を提供するために使用される場合、このステップはモータに必要な特定の運動を出力することができる。補正ステップを算出することは、上述の行列方程式を使用して行うことができる。
【0149】
ステップ450で、プリントヘッド発射のタイミングが調整されて、プリントヘッド配置におけるアロングプロセス方向の寄生的エラー(または寄生性)の適切な補完を提供する。
【0150】
次いで、プリントヘッド配置の測定および分析をするために、方法はステップ415に戻り、正確さが十分ではない場合、配置を調整する。
【0151】
この方法は、配置の所望の正確さが達成されるまで継続し、ステップ435でこのことが決定される。プリントヘッド調整装置が低い程度のバックラッシュおよびヒステリシスを含む場合、その時、測定および調整の単一段階によって正確な配置を適切に達成することが可能であるはずである。例えば、ネジを回転するためのステッパモータの組合せは、ほとんどバックラッシュまたはヒステリシスを含まない。
【0152】
プリントヘッド配置に必要な調整を決定するための方法は、以下のいくつかまたはすべてのステップ、すなわち、1つまたは複数のプリントヘッドから試験パターンを印刷するステップと、印刷された試験パターンの画像を取り込むステップと、印刷された試験パターンの画像を分析して、前記1つまたは複数のプリントヘッドの配置を決定するステップと、必要なプリントヘッド回転調整を算出するステップと、前記回転プリントヘッド調整を実行するために必要な補正ステップを算出するステップとを含むことができる。
【0153】
好適には、画像を分析するステップは、周波数分析、例えばフーリエ分析を実行するステップを含む。周波数分析は、第1の高調波周波数を識別するステップ、および1つまたは複数の低調波周波数を識別するステップをさらに含むことができる。第1の高調波周波数は、プリントヘッドノズル離隔距離または解像度に基づいて、期待される高調波周波数を算出することによって識別され得る。
【0154】
好適には、必要なプリントヘッド回転調整は、1つまたは複数の低調波周波数を最小にするために必要な調整を含む。
【0155】
印刷された試験パターンは、通常はアロングプロセス方向に延在する複数の平行な特徴を備えることができる。これが当てはまる場合、周波数分析は、平行な特徴の周波数を分析するステップを含むであろう。
【0156】
アレイの中の1つまたは複数のプリントヘッドのサブセットが交換される場合はいつでも、同じ方法を適用することができる。理想的には、交換されたプリントヘッドのサブセットを調整することだけが必要であるはずである。しかし、自動化モータ付システムの使用し、システムの完全な再配置を実施することについて、不利益はほとんど存在しない。
【0157】
本明細書で説明したあらゆるシステムの特徴は、方法の特徴としても提供されることが可能であり、また、その逆も可能である。本明細書で使用される場合、機能的特徴を加えた手段は、それらが相当する構造の点から、異なる表現で表されることが可能である。
【0158】
本発明の一態様におけるあらゆる特徴は、任意の適切な組合せで、本発明の別の態様に適用されることが可能である。特に、方法の態様はシステムの態様に加えることができ、その逆も可能である。更に、一態様におけるあらゆる、いくつかのおよび/またはすべての特徴は、任意の他の態様の中のあらゆる、いくつかのおよび/またはすべての特徴に任意の適切な組合せで加えることが可能である。
【0159】
本発明の任意の態様の中で説明し、定義する様々な特徴の特定の組合せが、独立して実施され、および/または供給され、および/または使用され得ることもさらに理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5A-C】
図5D-F】
図6
図7
図8A-B】
図8C-D】
図9
図10