(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突起部は、前記第1方向に所定量変形させるために必要な力が、前記第2方向に前記所定量変形させるために必要な力より大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の脚端具。
複数ある前記突起部の少なくとも1つは、前記第1方向の側の面と前記本体部の裏面とのなす前記第1方向の側の角度が、前記突起部の前記第2方向の側の面と前記本体部の裏面とのなす前記第2方向の側の角度より小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の脚端具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
はじめに、
図1A及び
図1Bを参照して、作業台1について説明する。
図1Aは、作業台1の斜視図である。
図1Bは、作業台1の背面図である。作業台1は、
図1Aに示すように、階段2に置いて使われることを想定された作業台である。作業者は、
図1Aに示すように、階段2に作業台1を置き後述する天板10に登って、建築作業等の各種の作業を行う。
なお、以降の説明では、便宜上、
図1Aに示す矢印Frの方向を前方、矢印Rrの方向を後方、矢印Upの方向を上方、矢印Dwの方向を下方と呼ぶ。また、
図1Bに示す矢印Lの方向を左方、矢印Rの方向を右方と呼ぶ。
【0010】
作業台1は、天板10と、ストッパー20と、第1主脚30と、第2主脚40と、ステー50と、脚端具100、200とを備える。
天板10は、作業者が作業台1で作業するときの足場となる。天板10は、平板状の部材であり、上方から見たとき、前後の方向に長い矩形の形状である。
【0011】
ストッパー20は、天板10の後方に配置され、作業者が天板10に乗って作業しているときに、作業者が作業台1の後方に転落することを防止するための柵となる。ストッパー20は、一対のストッパー支柱21と、ストッパー桟22とを備える。
一方のストッパー支柱21は、天板10の後方であって天板10の左側の端部から上方に伸びるように配置される。他方のストッパー支柱21は、天板10の後方であって天板10の右側の端部から上方に伸びるように配置される。ストッパー桟22は、一対のストッパー支柱21の上方の端部同士を繋ぐ棒状の部材である。ストッパー桟22によって、作業者が天板10から作業台1の後方に転落することが防止される。
ストッパー20は、畳むことが可能である。一対のストッパー支柱21は、天板10との接続部を中心に、天板10の上側の面とほぼ平行になる位置まで回転できる。一対のストッパー支柱21が天板10の上側の面とほぼ平行になる位置まで動かされると、ストッパー桟22は天板10に近づいて対向する位置に移動し、ストッパー20が畳まれた状態になる。
【0012】
第1主脚30及び第2主脚40は、それぞれ、天板10の後方及び前方を支える部材である。第1主脚30及び第2主脚40によって、天板10が水平な状態に配置される。第1主脚30及び第2主脚40は、長さの調整が可能であり、階段2の段差の高さなどに応じた適切な長さに設定できる。
【0013】
第1主脚30は、一対の脚部31と主脚桟34A、Bとを備える。
一対の脚部31は、それぞれ、上側の端部が天板10の後方の端部に接続し、下側の端部が作業台1の接地面まで伸びる棒状の部材である。脚部31の一方は天板10の右側の端部に接続し、脚部31の他方は天板10の左側の端部に接続する。一対の脚部31は、
図1Bに示すとおり、天板10から作業台1の接地面に進むにつれて、互いの距離が広がるように配置される。
【0014】
一対の脚部31のそれぞれは、支柱脚32と延長脚33とを備える。支柱脚32は、脚部31の上部を構成する棒状の部材であり、中空である。支柱脚32の上側の端部が天板10に接続する。延長脚33は、支柱脚32の下側の端部から支柱脚32に沿って下方に伸びる棒状の部材である。延長脚33の上部は、中空である支柱脚32の内部に入り込んで固定されている。支柱脚32の内部に入り込む延長脚33の長さは調整可能であり、支柱脚32の内部に入り込む延長脚33の長さを調整することで、脚部31全体の長さを調整できる。
主脚桟34A、Bは、一対の支柱脚32を接続する棒状の部材であり、第1主脚30の強度を向上させる。主脚桟34Aは、一対の支柱脚32の中央よりやや上方で一対の支柱脚32を接続する。主脚桟34Bは、一対の支柱脚32の下方で一対の支柱脚32を接続する。
【0015】
第2主脚40は、一対の脚部41と主脚桟44A、Bとを備える。
一対の脚部41は、それぞれ、上側の端部が天板10の前側の端部に接続し、下側の端部が作業台1の接地面まで伸びる棒状の部材である。脚部41の一方は天板10の右側の端部に接続し、脚部41の他方は天板10の左側の端部に接続する。一対の脚部41は、天板10から作業台1の接地面に進むにつれて、互いの距離が広がるように配置される。
脚部41のそれぞれは、第1主脚30の脚部31と同様に、支柱脚42と延長脚43とを備える。支柱脚42及び延長脚43は、それぞれ第1主脚30の支柱脚32及び延長脚33と同様の構成であり、詳しい説明を省略する。
【0016】
主脚桟44A、Bは、一対の支柱脚42を接続する棒状の部材であり、第2主脚40の強度を向上させる。また、主脚桟44A、Bは、作業者が天板10に登るときの踏み場となる。主脚桟44Aは、一対の支柱脚42の中央よりやや上方で一対の支柱脚42を接続する。主脚桟44Bは、一対の支柱脚42の下方で一対の支柱脚42を接続する。
第1主脚30の長さは、
図1Aに示すとおり、第2主脚40より長くなっており、作業台1を階段2に置くとき、第1主脚30を階段2の後方に配置し、第2主脚40を階段2の前方に配置するのに適した形状となる。
【0017】
第1主脚30及び第2主脚40は、畳むことが可能である。第1主脚30及び第2主脚40を畳むには、まず、第1主脚30の一対の脚部31のそれぞれを最短の長さにし、第2主脚40の一対の脚部41のそれぞれを最短の長さにする。次に、第2主脚40を、第2主脚40の天板10との接続部を中心に、第2主脚40の主脚桟44A、Bが天板10の下側の面に近づくように回転させる。次に、第1主脚30を、第1主脚30の天板10との接続部を中心に、第1主脚30の主脚桟34A、Bが天板10の下側の面に近づくように回転させる。こうして、第1主脚30及び第2主脚40が畳まれた状態になる。
【0018】
ステー50は、天板10の下側の面の前後方向の中央部と、第1主脚30の支柱脚32とを接続して、天板10と第1主脚30との角度を所定の角度にして、作業台1を補強する。
なお、天板10、ストッパー20、第1主脚30、第2主脚40及びステー50は、主としてアルミ合金で形成される。ただし、ステンレス等の他の材料を用いてもよい。
【0019】
脚端具100及び脚端具200は、それぞれ、第1主脚30の脚部31の下端、第2主脚40の脚部41の下端に取り付けられ、作業台1が接地面に対して滑らないようにする。
第1主脚30の右側の脚部31には、脚端具100Aが取り付けられ、左側の脚部31には、脚端具100Bが取り付けられている。
第2主脚40の右側の脚部41には、脚端具200Aが取り付けられ、左側の脚部41には、脚端具200Bが取り付けられている。
脚端具100及び脚端具200は、それぞれ、軟質塩化ビニールで一体的に形成される。ただし、ゴムや合成樹脂等の弾性のある他の材料を用いてもよい。
【0020】
次に、
図2A〜
図2Fを参照して、脚端具100Aについて説明する。
図2Aは、脚端具100Aの側面図である。
図2Bは、
図2Aの第1突起部122の一部の拡大図である。
図2Cは、脚端具100Aの底面図である。
図2Dは、脚端具100Aの背面図、すなわち、脚端具100Aを
図2Aの矢印Aの方向から見た図である。
図2Eは、脚端具100Aの上面図である。
図2Fは、脚端具100Aの、
図2CにおけるB−B断面図である。なお、脚端具100Aの第1方向D1は、
図1Aに示す作業台1の前方に一致し、第1方向D1の反対方向である第2方向D2は、
図1Aに示す作業台1の後方に一致する。
【0021】
脚端具100Aは、嵌め込み部110と、本体部120とを備える。
はじめに本体部120について説明する。本体部120は、下側の主面である裏面120Bが作業台1の接地面に接触する。なお、本体部120の裏面120Bは、
図2Aに示すとおり、後述する第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124の下端部を通る面である。また、本体部120の上側の主面である表面120Aには、第1主脚30の脚部31を取り付けることができる。この取り付けについての詳細は後述する。
本体部120には、
図2C及び
図2Eに示すように、水抜き孔126が設けられる。水抜き孔126は、本体部120を貫通する貫通孔であり、後述する嵌め込み部110の内部に水がたまらないようにするための孔である。
【0022】
本体部120は、
図2Aに示すとおり、本体主部121と、第1突起部122と、第2突起部123と、第3突起部124とを備える。
本体主部121は、板状であり、本体部120の上側に位置し、本体主部121の上側の主面は、上記の表面120Aとなる。本体主部121は、
図2Aに示すように第2方向D2に向かうにつれて高さが高くなるため、表面120Aは、本体主部121の裏面121Aに対して傾斜する。表面120Aは、この傾斜により、
図1Aに示す脚部31の下側の端部の面と平行になるため、脚部31を安定して表面120Aに配置できる。
本体主部121は、
図2E及び
図2Fに示すとおり、表面120Aに凹部128を備える。また、本体主部121は、
図2Cに示すとおり、裏面121Aにおける2つの第3突起部123A、123Bとの間に凹部125を備える。また、本体主部121は、
図2Cに示すとおり、裏面121Aにおける第1突起部122と第3突起部123Aとの間に凹部129を備える。これらの凹部125、128、129により、脚端具100Aが厚肉になることを防止して、例えば軟質塩化ビニールを用いた射出成形をするときにヒケが発生することを防ぐ。
【0023】
次に、第1突起部122について説明する。第1突起部122は、
図2Aに示すとおり、本体主部121の裏面121Aから、斜め後方、すなわち、下方かつ第2方向D2に伸びるように形成される。第1突起部122の下側の先端の断面は半円状の形状となる。また、第1突起部122は6個並んで配置される。
【0024】
第1突起部122の断面形状は、どの部分の断面であっても略同形状となる。そこで、第1突起部122の断面形状として、
図2Bに示される第1突起部122の側面の形状を説明する。
第1突起部122の第1方向D1の側の面と、第1突起部122の第2方向D2の側の面とは、平行になっておらず、下方に向かうにつれて互いに近づくように形成される。
ここで、
図2Bに示すように、第1突起部122の第1方向D1の側の面と、本体部120の裏面120Bとのなす第1方向D1の側の角度を角度αとする。また、第1突起部122の第2方向D2の側の面と、本体部120の裏面120Bとのなす第2方向D2の側の角度を角度βとする。このとき、第1突起部122は、角度αが角度βより小さくなるように形成される。
なお、第1突起部122は、上述のように、本体主部121の裏面121Aから、斜め後方に伸びるように形成される。第1突起部122が斜め後方に伸びるとは、第1突起部122の断面図における中心線C(
図2A参照)が、斜め後方に伸びることを表す。中心線Cは、第1突起部122の断面図を考えたとき、第1突起部122の第1方向D1の側の端部の任意の点と、この点と同じ高さにある第1突起部122の第2方向D2の側の端部の点と、の中間点からなる線である。斜め後方に伸びることの意味は、後述する第2突起部123及び第3突起部124でも、同様である。
【0025】
次に、
図2Cを参照して、本体主部121の裏面121Aでの平面視における第1突起部122の形状を説明する。第1突起部122は、本体主部121の裏面121Aにおいて、第1方向D1に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで伸びるように形成される。
第1突起部122は、
図2Cに示すとおり、2つの円弧状領域R1、R2を備える。第1突起部122は、円弧状領域R1、R2のそれぞれで、第2方向D2に凸となる円弧状の形状となる。ここで、第1突起部122の円弧状領域R1に含まれて最も第2方向D2の側となる部分を端部P1とする。すると、複数の第1突起部122それぞれの端部P1は、直線L1を通る。同様に、第1突起部122の円弧状領域R2に含まれて最も第2方向D2の側となる部分を端部P2とする。すると、複数の第1突起部122それぞれの端部P2は、直線L2を通る。
【0026】
ここで、直線L1及び直線L2と、第1主脚30の延長脚33との関係を説明する。延長脚33は、外形が四角柱状であり、内部は空洞になっている。延長脚33の外形を形成する4つの面となる部分を延長脚壁33A〜Dとする。延長脚壁33A及び延長脚壁33Cは、互いに対向し、延長脚33の断面図では作業台1の前後方向に伸びる。また、延長脚壁33B及び延長脚壁33Dは、互いに対向し、延長脚33の断面図では作業台1の左右方向に伸びる。
この延長脚33を、本体主部121の裏面121Aから見たときの配置を
図2Cに示す。
図2Cに示すとおり、本体主部121の裏面121Aでの平面視において、延長脚33の延長脚壁33Aは直線L1に重なり、延長脚壁33Cは直線L2に重なる。すなわち、延長脚33の延長脚壁33Aは第1突起部122の端部P1に重なり、延長脚33の延長脚壁33Cは第1突起部122の端部P2に重なる。
【0027】
次に、第2突起部123について説明する。第2突起部123は、
図2Aに示すとおり、本体主部121の裏面121Aから、斜め後方に伸びるように形成される。第2突起部123の下側の先端の断面は半円状の形状となる。また、第2突起部123の第1方向D1の側の面と、第1突起部122の第2方向D2の側の面とは、
図2Fに示すとおり、略平行になる。また、第2突起部123は、
図2Cに示すとおり、本体主部121の裏面121Aにおいて、第1方向D1に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで直線状に伸びるように形成される。第2突起部123は2個あり、凹部125の第1方向D1の側に第2突起部123Aが配置され、凹部125の第2方向D2の側に第2突起部123Bが配置される。第2突起部123Bは、本体主部121の後端(第2方向D2側の端部)に配置される。
【0028】
次に、第3突起部124について説明する。第2突起部123は、
図2Aに示すとおり、本体主部121の裏面121Aから、斜め後方に伸びるように形成される。第2突起部123の下側の先端の断面は半円状の形状となる。第3突起部124は、第1突起部122の第1方向D1の側であって、本体主部121の先端(第1方向D1側の端部)に1個配置される。また、第3突起部124の第1方向D1の側の面と、第1突起部122の第2方向D2の側の面とは、
図2A及び
図2Fに示すとおり、略平行になる。また、第2突起部123は、
図2Cに示すとおり、本体主部121の裏面121Aにおいて、第1方向D1に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで伸びるように形成される。第3突起部124の第1方向D1の側は、
図2Cに示すとおり、直線状となる。また、第3突起部124の第2方向D2の側は、
図2Cに示すとおり、第1突起部122と同様に、円弧状となる。
【0029】
次に、脚端具100Aの嵌め込み部110について説明する。嵌め込み部110は、第1主脚30の延長脚33が嵌め込まれて固定されることで、第1主脚30の延長脚33に脚端具100を取り付けるための部材である。
嵌め込み部110は、
図2A及び
図2Fに示すとおり、本体部120の表面120Aに配置され、本体部120の表面120Aから、斜め前方、すなわち、上方かつ第1方向D1に伸びる柱状の形状である。嵌め込み部110の上部は開口しており、この開口部分から第1主脚30の延長脚33が嵌め込まれる。嵌め込み部110が斜め前方に伸びることで、
図1Aに示すように、前方に傾く脚部31が嵌め込み部110に嵌め込まれたとき、脚部31の下方の端部が、安定して本体部120の表面120Aに配置できる。
嵌め込み部110の側面には、ネジ穴111が設けられている。第1主脚30の延長脚33が嵌め込み部110に嵌め込まれた状態で、ネジ穴111を通るネジによって延長脚33が嵌め込み部110に固定される。
【0030】
嵌め込み部110の、第1方向D1に垂直な方向の中心となる点を繋ぐ直線(嵌め込み部110の中心線)は、
図2Eに示すとおり、直線L3で表される。また、本体部120の、第1方向D1に垂直な方向の中心となる点を繋ぐ直線(本体部120の中心線)は、直線L4で表される。直線L3と直線L4とは一致せずにずれている。
図2Eに示す脚端具100Aは、
図1Aに示すとおり、作業台1の右側の脚部31に取り付けられることを考慮すると、嵌め込み部110の中心線L3は、本体部120の中心線L4より、作業台1の外側に位置することが分かる。このように、嵌め込み部110は、本体部120に対して、作業台1の外側(右側)に偏心して配置される。
【0031】
次に、
図2Cを参照して、嵌め込み部110と第1突起部122との関係を説明する。嵌め込み部110は、本体主部121の裏面121Aでの平面視において、第1主脚30の延長脚33の外側に位置する。したがって、第1突起部122の端部P1、P2は、本体主部121の裏面121Aでの平面視において、嵌め込み部110の内側に位置することになる。
【0032】
次に、脚端具100Bについて説明する。脚端具100Bの形状は、脚端具100Aの形状と比べると、
図2Eに示す脚端具100Aの本体部120の中心線L4を通り上下方向に伸びる平面に対して対称な形状である。その他の点については、脚端具100Bは脚端具100Aと同様である。
【0033】
次に、
図3A、
図3Bを参照して、脚端具200Aについて説明する。
図3Aは、脚端具200Aの側面図である。
図3Bは、脚端具200Aの底面図である。脚端具200Aは、嵌め込み部210と本体部220とを備える。なお、脚端具200Aの第3方向D3は、
図1Aに示す作業台1の前方に一致する。
本体部220は、下側の主面である裏面が作業台1の接地面に接触する。また、本体部220の上側の主面である表面220Aには、第2主脚40の脚部41を取り付けることができる。
【0034】
本体部220は、
図3Aに示すとおり、本体主部221と、突起部222とを備える。
本体主部221は、板状であり、本体部220の上側に位置する。本体主部221は、第3方向D3に向かうにつれて高さが高くなるため、脚端具100Aと同様に、表面220Aが傾斜しており、脚部41を安定して表面220Aに配置できる。
突起部222は、本体主部221の裏面から下方に伸びる突起である。突起部222の断面は、
図3Aに示すように、下方に凸の円弧状の形状である。また、突起部222は、本体主部221の裏面において、
図3Bに示すとおり、第3方向D3に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで直線状に伸びるように形成される。突起部222は、本体主部221の第3方向D3に複数個並んで配置される。
【0035】
嵌め込み部210は、脚端具100Aの嵌め込み部110と同様の構成であり、本体部220の表面220Aに配置され、柱状の形状であって、上部の開口部分から第2主脚40の延長脚43が嵌め込まれる。嵌め込み部210の側面には、ネジ穴211が設けられて、ネジによって延長脚43が嵌め込み部210に固定される。また、嵌め込み部210は、本体部220に対して、作業台1の外側(右側)に偏心して配置される。
【0036】
脚端具200Bは、脚端具200Aと同様の形状である。なお、脚端具200Bの嵌め込み部110は、本体部220に対して、作業台1の外側(左側)に偏心して配置される。
【0037】
以上説明したとおり、作業台1が備える脚端具100は第1突起部122を備える。第1突起部122の第1方向D1の側の面と、本体部120の裏面120Bとのなす第1方向D1の側の角度αは、第1突起部122の第2方向D2の側の面と、本体部120の裏面120Bとのなす第2方向D2の側の角度βより小さい。よって、第1突起部122を第1方向D1に所定量変形させるために必要な力は、第2方向D2に所定量変形させるために必要な力より大きい。したがって、本体部120の上方から荷重がかかった状態で本体部120の下側を作業台1の接地面に接触させたとき、脚端具100Aを第1方向D1に動かすための力は、第2方向D2に動かすための力より小さくなる。
【0038】
また、脚端具100は第2突起部123及び第3突起部124を備える。そして、第2突起部123及び第3突起部124は、本体主部121の裏面121Aから斜め後方に伸びるように形成される。よって、第2突起部123及び第3突起部124を第1方向D1に所定量変形させるために必要な力は、第2方向D2に所定量変形させるために必要な力より大きい。したがって、本体部120の上方から荷重がかかった状態で本体部120の下側を作業台1の接地面に接触させたとき、脚端具100Aを第1方向D1に動かすための力は、第2方向D2に動かすための力より小さくなる。
【0039】
ここで、第1方向D1は、作業台1の前方に等しい。よって、作業台1は、作業者が作業台1に乗って作業しても、脚端具100の第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124により、後方には動きにくくなる。したがって、作業台1の安定性が向上する。また、作業台1は後方には動きにくくなるため、作業台1が置かれた階段2の段から後方の段に動くことがなく、作業台1の安定性が向上する。
【0040】
また、第1突起部122は、本体主部121の裏面121Aにおいて、第1方向D1に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで伸びるように形成される。そして、第1突起部122は、
図2Cに示すとおり、2つの円弧状領域R1、R2を備える。よって、第1突起部122における作業台1の接地面との接触面積が増えて、脚端具100の接地面に対する摩擦力が向上し、脚端具100の動きにくさが増す。したがって、作業台1の安定性が向上する。
【0041】
また、第1突起部122の端部P1、P2は、本体主部121の裏面121Aでの平面視において、嵌め込み部110の内側に位置する。特に、
図2Cに示すとおり、延長脚33の延長脚壁33Aは第1突起部122の端部P1に重なり、延長脚33の延長脚壁33Cは第1突起部122の端部P2に重なる。
よって、脚端具100の上方からの荷重は、第1突起部122の端部P1、P2に多くかかることになる。このため、作業台1で作業者が作業することで、脚端具100を第1方向D1又は第2方向D2に力がかかると、第1突起部122の端部P1、P2に強く力がかかることになる。
【0042】
ここで、端部P1は第1突起部122の円弧状領域R1に含まれて最も第2方向D2の側となる部分であり、端部P2は第1突起部122の円弧状領域R2に含まれて最も第2方向D2の側となる部分である。
したがって、端部P1、P2にかかる力は端部P1、P2の隣接領域に分散されるため、第1突起部122の端部P1、P2が第1突起部122の他の部分と比べて早くすり減ることを防止でき、第1突起部122の耐用期間を長くできる。また、第1突起部122はほぼ均等にすり減るため、作業台1の安定性を損ねずに、作業台1の滑りにくさを維持できる。
【0043】
また、脚端具100の嵌め込み部110は、本体部120に対して、作業台1の外側に偏心して配置される。したがって、作業台1を壁に隣接して配置することを考えると、嵌め込み部110が作業台1の内側に偏心して配置される場合と比べて、作業台1をより壁側に近づけて配置できる。また、脚端具100の本体部120は、嵌め込み部110に対して、作業台1の内側の面積の方が、作業台1の外側の面積より大きい。こうして、脚端具100における作業台1の接地面との接触面積を増やすことで、作業台1の滑りにくさを向上させられる。
【0044】
(その他の実施形態)
上記の脚端具100では、
図2Cに示すとおり、第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124は、本体主部121の裏面121Aにおいて、第1方向D1に垂直な方向の一方の端部から、他方の端部まで伸びるように形成される。しかし、第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124の少なくとも何れかは、第1方向D1に垂直な方向の端部まで伸びていなくてもよい。また、第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124の少なくとも何れかは、第1方向D1に垂直な方向に並ぶように配置されてもよい。
【0045】
また、上記の脚端具100は、
図2Cに示すとおり、2つの円弧状領域R1、R2を備える。しかし、脚端具100は、円弧状領域R1、R2ではなく、折れ線領域を備えるようにしてもよい。ここで、折れ線領域は、本体主部121の裏面121Aにおいて、2つ以上の方向の異なる線分が接続する形状の領域である。
【0046】
また、上記の作業台1は、第2主脚40の脚部41には、脚端具100ではなく脚端具200が取り付けられている。しかし、第2主脚40の脚部41に脚端具100を取り付けてもよい。このとき、第2主脚40の右側の脚部41に取り付けられる脚端具100の形状は、脚端具100Aと比べると、第1方向D1に垂直な面に対して対称な形状とする。また、第2主脚40の左側の脚部41に取り付けられる脚端具100の形状は、脚端具100Bと比べると、第1方向D1に垂直な面に対して対称な形状とする。ただし、第2主脚40の脚部41に取り付けられる脚端具100の嵌め込み部110は、本体部120の表面120Aから、第2主脚40の脚部41の向く方向と同じ方向に伸びるような形状とする。
これにより、作業台1は、第1主脚30の脚部31に取り付けられる脚端具100によって、前方に滑りにくくなる。そして、第2主脚40の脚部41に取り付けられる脚端具100によって、後方に滑りにくくなる。したがって、作業台1の安定度が向上する。
【0047】
また、第2主脚40の右側の脚部41に取り付けられる脚端具100の本体部120の裏面120Bを、脚端具100Aの本体部120の裏面120Bと同じ形状にしてもよい。さらに、第2主脚40の左側の脚部41に取り付けられる脚端具100の本体部120の裏面120Bを、脚端具100Bの本体部120の裏面120Bと同じ形状にしてもよい。
これにより、作業台1は、第1主脚30の脚部31に取り付けられる脚端具100、及び、第2主脚40の脚部41に取り付けられる脚端具100によって、後方に滑りにくくなる。したがって、作業台1は後方には動きにくくなるため、作業台1が置かれた階段2の段から後方の段に動くことがなく、作業台1の安定性が向上する。
【0048】
また、本体主部121の裏面に形成される複数の突起部は、第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124のいずれか1つ又は2つの種類の突起部のみであってもよい。
また、本体主部121の裏面に形成される複数の突起部の少なくとも1つは、第1突起部122、第2突起部123及び第3突起部124ではなく、
図3Aに示す突起部222の形状であってもよい。
また、上記の実施形態では、脚端具100は作業台1に取り付けられる。しかし、脚端具100はハシゴの脚部の下端部に取り付けられてもよい。このとき、脚端具100の第1方向D1は、例えば、ハシゴが傾けられる方向に一致するようにする。
【0049】
以上、本発明を上述した実施形態と共に説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更などが可能であり、上述した実施形態を適宜、組み合わせてもよい。