特許第6678026号(P6678026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6678026
(24)【登録日】2020年3月18日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】部品保持ノズル
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20200330BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   B25J15/06 Z
   H05K13/04 A
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-255368(P2015-255368)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-113869(P2017-113869A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006932
【氏名又は名称】リコーエレメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一哉
(72)【発明者】
【氏名】川上 英明
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 由貴
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−002722(JP,A)
【文献】 実開昭63−122655(JP,U)
【文献】 特開平11−159333(JP,A)
【文献】 特開平07−247020(JP,A)
【文献】 特開平08−155872(JP,A)
【文献】 特開平08−313969(JP,A)
【文献】 特開2007−322631(JP,A)
【文献】 特開2009−023142(JP,A)
【文献】 特開2010−224105(JP,A)
【文献】 特開2013−184251(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0164620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/06
B05B 1/00
B29C 63/02
B65G 47/86
F02B 31/02
G01N 3/42
G03B 9/10
G03G 15/08
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気通路が設けられたボディと、
前記ボディに対して移動可能に前記ボディの先端部に設けられかつ第一の中心軸回りに設けられていて、前記空気通路の前記第一の中心軸上に位置された第一の開口端部の周縁部の一部を含んだ外周部を、それぞれが有した複数の可動部材と、
前記可動部材を前記ボディに対して移動させて前記第一の開口端部の大きさを変更する変更機構と、
を備え、
前記第一の開口端部からの空気の吸い込みにより部品を保持し、
前記複数の可動部材は、前記第一の中心軸に沿って前記第一の開口端部に向かうにつれて径が小さくなる筒状部を構成し、前記第一の開口端部を囲んだ、部品保持ノズル。
【請求項2】
前記ボディは、第二の中心軸回りの筒状であり、
前記第一の中心軸は、前記第二の中心軸に対して傾斜した、請求項に記載の部品保持ノズル。
【請求項3】
前記変更機構は、前記複数の可動部材を連動させる連動機構を有した、請求項1または2に記載の部品保持ノズル。
【請求項4】
空気通路が設けられたボディと、
前記ボディに対して移動可能に前記ボディの先端部に設けられていて、前記空気通路の第一の開口端部の周縁部の一部を含んだ外周部を有した可動部材と、
前記可動部材を前記ボディに対して移動させて前記第一の開口端部の大きさを変更する変更機構と、
を備え、
前記第一の開口端部からの空気の吸い込みにより部品を保持し、
前記ボディは、前記空気通路に含まれた第二の開口端部が開口された先端部を有し、
前記可動部材は、短手方向の端部が前記第二の開口端部と重ねられた状態で、前記第二の開口端部の一部を覆ったベルトであり、
前記周縁部は、前記第二の開口端部のうち開放された部分である開放部に面した前記先端部と、前記開放部に面した前記端部と、を含み、
前記変更機構は、前記ベルトを前記ベルトの長手方向に移動させる、部品保持ノズル。
【請求項5】
前記先端部に重ねられた第一の前記ベルトと、
前記第一のベルトの前記先端部とは反対側で前記第一のベルトに重ねられているとともに、前記第二の開口端部のうち前記第一のベルトが覆った部分とは異なる部分を覆った第二の前記ベルトと、
を備えた請求項に記載の部品保持ノズル。
【請求項6】
前記第一のベルトと前記第二のベルトとが互いに重ねられた部分で前記第一のベルトの長手方向と前記第二のベルトの長手方向とが互いに交差した、請求項に記載の部品保持ノズル。
【請求項7】
前記周縁部の一部を含んだ短手方向の端部の少なくとも一部が長手方向に対して傾斜した前記ベルトを備えた、請求項ないしのうちいずれか一項に記載の部品保持ノズル。
【請求項8】
前記周縁部の一部を含んだ短手方向の端部に段差部が設けられた前記ベルトを備えた、請求項ないしのうちいずれか一項に記載の部品保持ノズル。
【請求項9】
前記ベルトを前記周縁部で支持する支持部を備えた、請求項ないしのうちいずれか一項に記載の部品保持ノズル。
【請求項10】
前記支持部は、前記第二の開口端部を横切る線材である、請求項に記載の部品保持ノズル。
【請求項11】
前記支持部は、メッシュ状に設けられた、請求項10に記載の部品保持ノズル。
【請求項12】
前記ベルトに張力を与える張力付加機構を備えた、請求項ないし11のうちいずれか一項に記載の部品保持ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品保持ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品を吸着して保持する部品保持ノズルが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−150586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の部品保持ノズルでは、例えば、部品の大きさ等によらず、部品をより確実に吸着することができる部品保持ノズルが得られれば、有意義である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の部品保持ノズルは、空気通路が設けられたボディと、前記ボディに対して移動可能に前記ボディの先端部に設けられかつ第一の中心軸回りに設けられていて、前記空気通路の前記第一の中心軸上に位置された第一の開口端部の周縁部の一部を含んだ外周部を、それぞれが有した複数の可動部材と、前記可動部材を前記ボディに対して移動させて前記第一の開口端部の大きさを変更する変更機構と、を備え、前記第一の開口端部からの空気の吸い込みにより部品を保持する。前記複数の可動部材は、前記第一の中心軸に沿って前記第一の開口端部に向かうにつれて径が小さくなる筒状部を構成し、前記第一の開口端部を囲んでいる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、部品をより確実に吸着することが可能な部品保持ノズルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第一の実施形態の部品保持ノズルが装着されたロボットアームの例示的な図である。
図2図2は、第一の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図3図3は、第一の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な斜視図である。
図4図4は、第一の実施形態の部品保持ノズルの先端部の例示的な斜視図であって、ボディの側面からベルトが離された状態の斜視図である。
図5図5は、第一の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な断面図である。
図6図6は、第一の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な断面図である。
図7図7は、第一の実施形態の部品保持ノズルのボディの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図8図8は、第一の実施形態の部品保持ノズルの先端部の例示的な断面図である。
図9図9は、第一の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図であって、ベルトが展開された状態の図である。
図10図10は、第二の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図であって、ベルトが展開された状態の図である。
図11図11は、第二の実施形態の部品保持ノズルの第一のベルトの展開状態の平面図である。
図12図12は、第二の実施形態の部品保持ノズルの第二のベルトの展開状態の平面図である。
図13図13は、第三の実施形態の部品保持ノズルのボディの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図14図14は、第三の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図15図15は、第四の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な斜視図である。
図16図16は、第四の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図17図17は、第四の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図であって、開口端部の径が拡大された状態の図である。
図18図18は、第五の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な側面図である。
図19図19は、第五の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な側面図であって、開口端部の径が拡大された状態の図である。
図20図20は、第五の実施形態の部品保持ノズルの先端部を軸方向から見た例示的な図である。
図21図21は、第五の実施形態の部品保持ノズルの板状部材の例示的な図である。
図22図22は、第六の実施形態の部品保持ノズルの一部の例示的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成や制御、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成や制御以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成や制御によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)を得ることが可能である。
【0009】
また、以下の例示的な複数の実施形態には、同様の機能を有する構成要素が含まれている。同様の機能を有する構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。また、以下の各図では、部品保持ノズル100に関して、X軸、Y軸およびZ軸が規定されている。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交している。
【0010】
<第一の実施形態>
図1に例示される部品保持ノズル100の内部には、空気通路102(開口部、図2,3)が設けられている。部品保持ノズル100の先端部100aには、当該空気通路102の開口端部102a(図2)が設けられている。部品保持ノズル100は、開口端部102aから内部の空気通路102に空気を吸い込むことにより、先端面100bに接触した状態で部品Pを吸着し、吸着した状態を維持することにより部品Pを保持する。空気の吸い込みが停止されると、部品は先端部100aから解放される。すなわち、部品保持ノズル100は、空気の吸い込みと吸い込みの停止とを切り替えることで、部品Pの保持状態と解放状態とを切り替えることができる。
【0011】
部品保持ノズル100は、例えば、ロボットアーム10等の搬送機構に支持されうる。本実施形態では、ロボットアーム10は、複数の回転軸Axで互いに回転可能に接続された複数の可動部を含む変形自在なアームを備えており、アームの先端部で支持した部品保持ノズル100の位置や、姿勢、角度等を変更することができる。よって、不図示の制御部によってロボットアーム10と部品保持ノズル100とを制御することにより、部品Pを運ぶことができる。すなわち、部品保持ノズル100が始点位置で部品Pを吸着し、部品Pを保持した部品保持ノズル100をロボットアーム10が搬送することによって部品Pを移動し、部品保持ノズル100が終点位置で部品Pを解放することによって、部品Pが始点位置から終点位置へ運ばれる。なお、搬送機構は、ロボットアーム10には限定されず、種々の形態によって構成されうる。部品保持ノズル100は、ハンドや、ロボットハンドとも称されうる。
【0012】
図2〜4に例示されるように、部品保持ノズル100は、部品Pが収容された容器(不図示)等の深さに対応できるよう、Z軸の軸方向に延びた延部110を有している。本実施形態では、延部110は、Z方向に延びた直方体状に構成されており、当該延部110の先端部100aに、部品Pが吸着される。先端部100aは、部品保持ノズル100および延部110のZ軸の軸方向の端部である。なお、延部110は突出部とも称されうる。
【0013】
部品保持ノズル100の先端部100aには、四角形状の先端面100bが設けられている。先端面100bは、Z軸の軸方向と交差する方向、例えばZ軸の軸方向と直交する方向に沿って延びている(広がっている)。本実施形態では、先端面100bが面状であるため、比較的大きな部品Pであっても、先端面100bに突き当てられることで、より安定的に保持されうる。なお、先端面100bの形状は、四角形状や平面状には限定されず、例えば、凹面状や凸面状であってもよいし、他の多角形状であってもよいし、微少な突起やディンプル等が設けられてもよい。
【0014】
また、先端部100aには、壁部101が設けられている。本実施形態では、先端面100bは、壁部101の外面(表面)である。先端部100aの内部には空間が設けられており、壁部101は、部品保持ノズル100の内部の空間と外部とを隔てている。この壁部101に、空気通路102の開口端部102aが設けられている。壁部101は、例えば、互いに重ねられた可撓性のベルト30A,30Bを含む。吸着された部品Pには、空気流によって生じた圧力差による力が作用し、当該力が壁部101としてのベルト30A,30Bを押す。ベルト30Aは、可動部材および第一のベルトの一例であり、ベルト30Bは、可動部材および第二のベルトの一例である。なお、ベルト30A,30Bは、変更部材や調整部材とも称されうる。
【0015】
ベルト30A,30Bは、部品Pに押されることにより、部品Pの表面形状に倣って僅かに撓むまたは凹むよう構成されてもよい。例えば、先端面100bの広さよりも小さい部品Pが吸着された場合、ベルト30A,30Bが撓むあるいは凹むことにより、先端面100bとしてのベルト30A,30Bの表面30Aa,30Baと部品Pとの接触面積が増大し、部品Pがより確実にあるいはより安定的に保持されやすくなる場合がある。また、ベルト30A,30Bが撓むことにより、部品Pとベルト30A,30Bとの隙間が狭まって負圧がより大きくなる場合がある。このような場合には、部品Pがよりベルト30A,30Bに強く押し付けられるため、部品Pがより安定的に保持されやすくなる。
【0016】
また、ベルト30A,30Bは、極力凹まないようにあるいは撓まないように構成されてもよい。例えば、先端面100bの広さよりも大きい部品Pの場合にベルト30A,30Bが撓むと、部品Pとベルト30A,30Bとの隙間が広がって、負圧がより小さくなる場合がある。このような場合には、ベルト30A,30Bが撓まない方が、部品Pがより安定的に保持されやすくなる。
【0017】
部品保持ノズル100の延部110は、上述したように、直方体状に構成されており、四つ(複数)の側端部103aを有している。側端部103aは、Z軸の軸方向に沿って延びており、直方体状の延部110の稜線を構成している。側端部103aは、Z軸の軸方向と直交する方向に突出したコーナー部である。なお、側端部103aは、完全に尖っている必要は無く、比較的小さな曲率の曲面状に構成されてもよい。また、側端部103aには、面取り等が施されうる。
【0018】
図1に例示されるように、部品保持ノズル100は、吸引機構50を備えている。吸引機構50は、空気を吹き出すことによりその周辺に生じた負圧を利用してより流量の多い空気流を生じさせる。このような方式の吸引機構50は、ジェットポンプとも称されうる。図3,4に示されるように、延部110には、ボディ20が設けられており、このボディ20の壁部21で囲まれた内部の空間は、空気通路102である。例えば、空気通路102には、空気を吹き出す吹出口(不図示)が設けられる。吹出口から空気が吹き出すと、吹き出した空気の流れによって生じた負圧により、空気通路102内に空気の流れFjが生じる。なお、ノズルの形状は適宜に調整されうる。吸引機構50は、フレキシブルホース(高圧ホースなど)を介して部品保持ノズル100の吹出口に空気を供給することによって、開口端部102aから吸い込まれる空気流を生じさせる。よって、比較的コンパクトな構成によって、またエアの供給装置が設けられている設備においては比較的容易に、部品Pの吸着に必要な空気流を得ることができる。フレキシブルホースが届く範囲であれば、部品保持ノズル100の位置や、姿勢、角度等によらず、吸引機構50は、空気流を生じさせうる。
【0019】
また、図2〜6に示されるように、部品保持ノズル100には、ベルト30A,30Bが移動可能に支持されている。上述したように、ベルト30Aとベルト30Bとは互いに重ねられている。ベルト30Aとベルト30Bとは、当該ベルト30Aと当該ベルト30Bとの互いに重ねられた部分である重部30aで当該ベルト30Aの長手方向と当該ベルト30Bの長手方向とが互いに交差している(図9)。重部30aは、壁部101に含まれる。ベルト30A,30Bは、移動機構60A,60B(図5,6)によって動かされる。移動機構60A,60Bは、モータや、ギヤ、シャフト64A,64B等を有している。モータの回転がギヤを介してシャフト64A,64Bに伝達され、シャフト64A,64Bの回転によって、ベルト30A,30Bの一端が巻き取られる。モータは、指定された角度で静止可能に構成される。モータは、例えばステップモータである。移動機構60A,60Bは、変更機構120を構成している。また、ベルト30A,30Bの他端には、張力付加機構70A,70Bが設けられている。また、モータによるベルト30A,30Bを一端側へ巻き取るトルクを解除した場合、張力付加機構70A,70Bは、ベルト30A,30Bの他端側を巻き取ることができる。張力付加機構70A,70Bは、例えば、ぜんまい等を含みうる。移動機構60A,60Bおよび張力付加機構70A,70Bは、巻き取り機構とも称されうる。
【0020】
移動機構60A,60Bおよび張力付加機構70A,70Bは、延部110の基端側(根元側)に設けられている。移動機構60Aと張力付加機構70Aとは、Z軸の軸方向と直交するX軸の軸法に並び、延部110を挟んで位置されている。また、移動機構60Bと張力付加機構70Bとは、Z軸の軸方向と直交するY軸の軸方向に並び、延部110を挟んで位置されている。すなわち、延部110は、移動機構60Aと張力付加機構70Aとの間および移動機構60Bと張力付加機構70Bとの間をZ軸の軸方向に貫通している。そして、延部110は、移動機構60A,60Bと張力付加機構70A,70Bとの間からZ軸の軸方向に突出している。このような構成により、容器の中の部品を吸着する際に、移動機構60A,60Bや張力付加機構70A,70Bが容器と干渉するのが抑制されうる。なお、Z軸の軸方向は、延部110の突出方向でもある。
【0021】
図3〜7に示されるように、ボディ20は、長方形状の四つの壁部21e〜21hを有している。以後、四つの壁部21e〜21hの総称として壁部21を用いる場合もある。四つの壁部21が矩形断面の中空部(空間)を構成している。この中空部が、ボディ20内の空気通路102の一部としての開口部22である。壁部21eと壁部21fとは、互いに平行であり、X軸の軸方向と直交するYZ平面に延びている(広がっている)。壁部21eと壁部21fとは、X軸の軸方向に互いに間隔を空けて設けられている。また、壁部21gと壁部21hとは、互いに平行であり、Y軸の軸方向と直交するXZ平面に延びている(広がっている)。壁部21gと壁部21hとは、Y軸の軸方向に互いに間隔を空けて設けられている。
【0022】
また、ボディ20の長手方向(Z軸の軸方向)の一端側である先端部20bは四角形状に開放され、開口部22の開口端部22aが設けられている。開口端部22aは四角形状である。開口端部22aの周縁部には、壁部21e〜21hの長手方向の端部21a〜21dが四角形の枠状に配置されている。端部21a〜21dは、先端部20bに含まれる。端部21aと端部21bとは、互いに直線状であるとともに平行であり、Z軸の軸方向と直交するY軸の軸方向に延びている。また、端部21cと端部21dとは、互いに直線状であるとともに平行であり、Z軸の軸方向と直交するX軸の軸方向に延びている。図8,9に示されるように、ベルト30Aは、先端部20bに重ねられて、端部21a,21b間で架け渡されかつ張られることで、ボディ20の開口端部22aの一部を覆っている。また、図9に示されるように、ベルト30Bは、ベルト30Aのボディ20の先端部20bとは反対側でベルト30Aに重ねられて、端部21c,21d間で架け渡されかつ張られることで、ボディ20の開口端部22aの一部を覆っている。このように、部品保持ノズル100の先端部100aにおいて、先端側の壁部101の少なくとも一部が、ベルト30A,30Bによって構成されている。また、ベルト30A,30Bの表面30Aa,30Baが、先端面100bを構成している。
【0023】
また、図5,9から分かるように、ベルト30Aは、端部21aと移動機構60Aとの間、および端部21bと張力付加機構70Aとの間で、ボディ20の壁部21e,21fの表面20aに沿っている。移動機構60Aまたは張力付加機構70Aによって引っ張られた場合、ベルト30Aは、ボディ20の壁部21e,21fの表面20aに沿ってスライドする。また、図5に示されるように、壁部21e,21fには、ベルト30Aが通る隙間Gを構成するとともにベルト30Aをガイドするガイド23が設けられている。また、図6,9から分かるように、ベルト30Bは、端部21cと移動機構60Aとの間、および端部21dと張力付加機構70Bとの間で、ボディ20の壁部21g,21hの表面20aに沿っている。移動機構60Bまたは張力付加機構70Bによって引っ張られた場合、ベルト30Bは、ボディ20の壁部21g,21hの表面20aに沿ってスライドする。また、図6に示されるように、壁部21g,21hには、ベルト30Bが通る隙間Gを構成するとともにベルト30Bをガイドするガイド23が設けられている。
【0024】
図2,8,9に示されるように、ベルト30A,30Bは、表面30Aa,30Ba、裏面30Ab,30Bb,表面30Aa,30Baと裏面30Ab,30Bbとに渡って設けられた外周部30Ac,30bcと、を有している。外周部30Ac,30Bcのうちベルト30A,30Bの短手方向の端部30Ad,30Bdには、ベルト30A,30Bの長手方向に対して傾斜した傾斜部30Ae,30Beが設けられている。
【0025】
ベルト30A,30Bは、端部30Ad,30Bdの傾斜部30Ae,30Beが開口端部22aと重ねられた状態で、開口端部22aの一部を覆っている。ベルト30Bは、開口端部22aのうちベルト30Aが覆った部分とは異なる部分を覆っている。開口端部22aのうちベルト30A,30Bと重ならない部分が開口される。すなわち、ベルト30A,30bは、開口端部22aを部分的に開口させる。開口端部22aのうち開放された部分である開放部22dは、開口端部102aに含まれる。開口端部102aの周縁部32は、開放部22dに面した先端部20b(図9では端部21a,21d)と、開放部22dに面した端部30Ad,30Bd(傾斜部30Ae,30Be)と、を含む。すなわち、ベルト30A,30Bは、それぞれが開口端部102aの周縁部32の一部を含んだ外周部30Ac,30Bcを有している。部品保持ノズル100は、開口端部22aからの空気の吸い込みにより部品Pを保持する。開口端部102aは、第一の開口端部の一例であり、開口端部22aは、第二の開口端部の一例である。
【0026】
また、本実施形態では、図9に示されるように、開口端部102aは、ある側端部103aに寄せられている。これにより、容器の隅部に部品Pがあった場合に、当該隅部に側端部103aを近付けることで、開口端部102aを容器の隅部に近づけることができる。よって、本実施形態によれば、容器の隅部にある部品も、吸着しやすい。
【0027】
上記のように傾斜部30Ae,30Beが設けられたベルト30A,30Bを移動させることにより、開口端部102aの大きさが変更可能である。
【0028】
移動機構60A,60Bによって構成された変更機構120は、ベルト30Aとベルト30Bとを相対的に移動させて、開口端部102aの大きさ(開口量)を変更する。変更機構120は、ベルト30Aの長手方向への当該ベルト30Aの移動とベルト30Bの長手方向への当該ベルト30Bの移動との少なくとも一方を行うことにより、開口端部102aの大きさを変更することができる。ベルト30A,30Bの位置と、ベルト30A,30Bにおける傾斜部30Ae,30Beの位置との関係を予め取得しておくことで、不図示の制御部は、指令に応じた開口端部102aの大きさが得られるよう、移動機構60A,60Bを制御することができる。なお、移動機構60A,60Bは、モータ以外のアクチュエータで動作してもよいし、手動でベルト30A,30Bの位置を変更できる構成であってもよい。
【0029】
また、ベルト30Bの裏面30Bbは、ベルト30Aの表面30Aaおよび壁部21e,21fの表面20aに沿ってスライドする。また、ベルト30Bの表面30Baには、部品Pが吸着される。よって、本実施形態では、ベルト30Bの先端部20bとは反対側の表面30Ba(面)の摩擦係数は、ベルト30Bの先端部20b側の裏面30Bb(面)の摩擦係数よりも高く設定されている。
【0030】
以上、説明したように、本実施形態の部品保持ノズル100は、ボディ20の先端部20bに設けられていて、空気通路102の開口端部102aの周縁部32の一部を含んだ外周部30Ac,30Bcを有し、ボディ20に対して移動可能に設けられたベルト30A,30Bと、ベルト30A,30Bをボディ20に対して移動させて開口端部102aの大きさを変更する変更機構120と、を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、変更機構120によってベルト30A,30Bを相対的に移動させることにより、開口端部102aの大きさを変更することで、部品保持ノズル100の空気通路102の開口端部102aの仕様(大きさや形状)を変更することができる。よって、例えば、開口端部102aを、部品Pの仕様(大きさや形状)に応じた大きさに設定することができる。
【0031】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、ボディ20は、空気通路102に含まれた開口端部22aが開口された先端部20bを有している。ベルト30A,30Bは、短手方向の端部30Ad,30Bdが開口端部22aと重ねられた状態で、開口端部22aの一部を覆っている。周縁部32は、開口端部22aのうち開放された部分である開放部22dに面した先端部20bと、開放部22dに面した端部30Ad,30Bdと、を含む。変更機構120は、ベルト30A,30Bをベルト30A,30Bの長手方向に移動させる。よって、開口端部22aをボディ20の端部21a〜21d(図9の例では端部21a)に寄せやすい。
【0032】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、ベルト30Aとベルト30Bとの互いに重ねられた部分である重部30aで当該ベルト30Aの長手方向と当該ベルト30Bの長手方向とが互いに交差している。よって、ベルト30Aとベルト30Bとをそれらの交差方向に相対移動させることにより、開口端部102aの大きさを変更することができる。
【0033】
また、本実施形態の部品保持ノズル100は、周縁部32の一部を含んだベルト30A,30Bの短手方向の端部30Ad,30Bdの少なくとも一部が長手方向に対して傾斜している。よって、開口端部102aの大きさを連続的に変化させることができる。
【0034】
また、本実施形態の部品保持ノズル100は、ベルト30A,30Bに張力を与える張力付加機構70A,70Bを備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、ベルト30A,30Bの張力が高くなる分、部品Pの吸着等によってベルト30A,30Bが撓むのが抑制されやすい。
【0035】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、ベルト30Bの先端部20bとは反対側の表面30Baの摩擦係数は、ベルト30Bの先端部20b側の裏面30Bbの摩擦係数よりも高い。よって、本実施形態によれば、例えば、ボディ20およびベルト30Aに沿ってより動きやすく、かつ部品Pをより確実に保持可能なベルト30Bが得られやすい。
【0036】
また、本実施形態の部品保持ノズル100は、空気通路102からの空気の吸い込みを生じる吸引機構50を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、吸引機構50が部品保持ノズル100から離間して設けられた場合に比べて、より高い吸引力が得られやすい。
【0037】
なお、延部110の形状は、直方体状には限定されず、例えば、Z軸の軸方向から見て四角形以外の多角形状であってもよい。また、部品保持ノズル100は、張力付加機構として、ローラのような構成を備えてもよい。
【0038】
<第二の実施形態>
図10〜12に示されるように、本実施形態は、ベルト30A,30Bの外周部30Ac,30Bcのうちベルト30A,30Bの短手方向の端部30Ad,30Bdに、段差部30Af,30Bfが設けられている点が、第一の実施形態と主に異なる。段差部30Af,30Bfでは、ベルト30A,30Bの短手方向の幅がベルト30A,30Bの長手方向の一方側に向かうにつれ段階的に変化している。段差部30Af,30Bfは、開口端部102aの周縁部32を構成する。変更機構120は、段差部30Af,30Bfの位置を相対的に変化させることにより、開口端部102aの大きさを変更することができる。
【0039】
なお、ベルト30A,30Bの形状は、第一の実施形態および第二の実施形態で例示された形状に限らない。
【0040】
<第三の実施形態>
図13,14に示されるように、本実施形態では、開口端部22aに、メッシュ状に構成された複数の線材41が設けられている点が第一の実施形態と主に異なる。図13に示されるように、線材41は、Z軸の軸方向と直交する方向に延びた線状の部材であり、開口端部22aを横切っている。線材41は、開口端部22aの位置、または開口端部22aの近傍位置、具体的には、開口端部22aの位置からZ軸の軸方向の先端側とは反対側、すなわち開口部22のZ軸の軸方向の内側に僅かに離れた位置に、設けられている。図14に示されるように、線材41は、ベルト30A,30Bと重なる。換言すれば、ベルト30A,30Bは、線材41を覆っている。
【0041】
吸引機構50の動作により、空気通路102を空気が流れると、ベルト30Aの裏面30Abの圧力がベルト30Bの表面30Baの圧力よりも低くなり、ベルト30A,30Bにはベルト30A,30Bを空気通路102の下流側に押す力が作用する。線材41は、ベルト30A,30Bの裏面30Ab,30Bb側に隣接または近接して位置されており、ベルト30A,30Bを支持し、ベルト30A,30Bが大きく変形するのを抑制する。線材41は支持部の一例である。
【0042】
図13に示されるように、線材41は、開口端部22aの周縁部を構成する複数の端部21a〜21d間で架け渡されている。すなわち、線材41は、複数の端部21a〜21dのうちZ軸の軸方向と直交する方向に互いに対向する二つの端部21a〜21d間、または端部21a〜21dのうちZ軸の軸方向と直交する方向に互いに対向する部分間で、架け渡されている。図13の例では、二つの端部21a,21b間で架け渡された線材41と、二つの端部21c,21d間で架け渡された線材41とが直交し、メッシュが構成されている。複数の線材41の間には、空気が通る隙間(開口部)が設けられる。このような構成により、支持部を比較的簡素な構成として得ることができる。また、支持部を、比較的軽量な構成として得ることができる。
【0043】
図14に示されるように、線材41は空気通路102の開口端部102aから露出し、開口端部102aを横切っている。すなわち、線材41は、開口端部102aから露出する露出部41aを有している。上述したように、線材41は、メッシュ状に設けられている。また、図13に示されるように、端部21a〜21dの近く、すなわち開口端部22aの中央部から離れた領域では、開口端部22aの中央部に比べて、線材41のメッシュの間隔が狭く構成されている。また、開口端部22aの隅部22bに近い領域では、隅部22bから離れた領域に比べて、線材41のメッシュの間隔が狭く構成されている。なお、隅部22bから離れた領域とは、例えば、隅部22bと隅部22bとの間の領域であって、具体的には、開口端部22aの中央部や、各端部21a〜21dの中央部に近い領域、各端部21a〜21dから離れた領域等である。本実施形態では、開口端部22aに対応して移動機構60A,60Bの制御によりあるいは手動により設定される開口端部102aの配置について、少なくとも一つの線材41、あるいは互いに交差する二つの線材41が開口端部102aを横切るように設けられている。よって、部品Pが開口端部102aから空気通路102へ吸い込まれるのが抑制される。このように、線材41は、開口端部102aから露出する露出部41aを有するため、部品Pの支持部としても機能する。また、線材41は細いため、支持部により空気抵抗が増大するのが抑制される。なお、線材41が延びる方向は、図13,14には限定されず、例えば線材41は、任意の方向に延びうる。また、複数の線材41は直交しなくてもよいし、交差しなくてもよいし、平行であってもよい。また、線材41同士の間隔は、図13,14には限定されない。
【0044】
以上、説明したように、本実施形態の部品保持ノズル100は、ベルト30A,30Bを開口端部102aの周縁部32で支持する線材41(支持部)を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、ベルト30A,30Bが撓むのを抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、支持部は、開口端部22aを横切る線材41である。よって、本実施形態によれば、例えば、比較的簡素な構成によって支持部を構成することができる。
【0046】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、線材41(支持部)は、開口端部102aを横切る部分を有している。よって、本実施形態によれば、例えば、線材41は、部品Pが開口端部102aからボディ20の空気通路102内に進入するのを抑制することができる。また、線材41は、部品Pの支持部としても機能しうる。
【0047】
また、本実施形態の部品保持ノズル100では、線材41(支持部)は、メッシュ状に設けられている。よって、本実施形態によれば、例えば、比較的簡素な構成で所要の剛性を有した支持部が得られやすい。また、例えば、開口端部102aから支持部が露出される(開口端部102aを横切る)構成が得られやすい。また、例えば、線材41が細い分、空気抵抗が大きくなり難い。
【0048】
<第四の実施形態>
図15〜17に示されるように、本実施形態は、ベルト30A,30Bおよび変更機構120に替えて絞り機構200が設けられている点と、ボディ20の形状と、が第一の実施形態と主に異なる。本実施形態のボディ20は、中心軸Ax1回りの円筒状である。
【0049】
絞り機構200は、絞り部201と、変更機構210と、を有している。絞り部201は、ボディ20の先端部に設けられている。絞り部201には、空気通路102の開口端部102aが設けられている。開口端部102aは、中心軸Ax上に設けられている。図16,17に示されるように、絞り部201は、ボディ20の先端部20bに設けられた複数の板状部材202を有している。複数の板状部材202は、中心軸Ax1(第一の中心軸)回りに並べて設けられている。中心軸Ax1回りに隣り合う板状部材202同士は、それらの一部同士が重ねられている。板状部材202は、中心軸Ax1に沿った支軸203回りに回転可能に支軸203に支持されている。板状部材202は、中心軸Ax1と交差する方向に沿っている(広がっている)。また、板状部材202の外周部202aには、凹部202b(切欠)が設けられている。
【0050】
図16,17に示されるように、複数の板状部材202の外周部202aは、それぞれ開口端部102aの周縁部32の一部を含んでいる。本実施形態では、複数の板状部材202のそれぞれの外周部202aの一部によって、周縁部32が構成されている。すなわち、本実施形態では、開口端部102aは、複数の板状部材202の外周部202aによって囲まれている。本実施形態では、複数の板状部材202をそれぞれの対応する支軸203回りに回転させることにより、開口端部102aの大きさ(開口量)の変更が可能である。板状部材202は、可動部材の一例である。
【0051】
変更機構210は、連動機構204と、モータ205(駆動源)と、を有している。連動機構204は、複数の支軸203と、ギヤ206と、を有している。支軸203は、ボディ20に結合されている。ギヤ206は、ボディ20に回転可能に支持されている。ギヤ206は、外歯歯車である。ギヤ206の内側に、複数の支軸203および板状部材202が位置されている。ギヤ206の内周部には、複数の凸部206aが設けられている。凸部206aは、板状部材202ごとに設けられている。凸部206aは、凹部202bに入れられた状態で板状部材202に引っ掛かっている。連動機構204では、ギヤ206が回転することにより凸部206aが各板状部材202を支軸203回りに回転させる。つまり、連動機構204は、複数の板状部材202を連動させる。モータ205は、連動機構204を介して複数の板状部材202に連結されている。モータ205は、複数の板状部材202をボディ20に対して移動させる駆動力を生じる。変更機構210は、モータ205の駆動力を連動機構204を介して複数の板状部材202に伝達して、複数の板状部材202を回転(移動)させることにより、開口端部102aの大きさを変更する。なお、板状部材202とギヤ206の内周面との間の隙間はカバーによって覆われ得る。
【0052】
以上、説明したように、本実施形態の部品保持ノズル100は、ボディ20の先端部20bに設けられていて、空気通路102の開口端部102aの周縁部32の一部を含んだ外周部202aを有し、ボディ20に対して移動可能に設けられた板状部材202と、板状部材202をボディ20に対して移動させて開口端部102aの大きさを変更する変更機構210と、を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、変更機構210によって板状部材202を相対的に移動させることにより、開口端部102aの大きさを変更することで、部品保持ノズル100の空気通路102の開口端部102aの仕様(大きさや形状)を変更することができる。よって、例えば、開口端部102aを、部品Pの仕様(大きさや形状)に応じた大きさに設定することができる。
【0053】
<第五の実施形態>
図18,19に示されるように、本実施形態は、絞り機構200が第四の実施形態と主に異なる。
【0054】
本実施形態の絞り部201を構成する複数の板状部材202は、中心軸Ax1に沿って開口端部102a(図20)に向かうにつれて径が小さくなる筒状部220を構成している。図21に示されるように、板状部材202は、ボディ20側から開口端部102aに向かうに連れて先細りになる台形状である。板状部材202は、弾性を有している。板状部材202は、合成樹脂材料やゴム材料等によって構成され得る。中心軸Ax1回りに隣り合う板状部材202同士は、それらの一部同士が重ねられている。
【0055】
複数の板状部材202の外周部202aは、それぞれ開口端部102aの周縁部32の一部を含んでいる。本実施形態では、複数の板状部材202のそれぞれの外周部202aの一部によって、周縁部32が構成されている。すなわち、本実施形態では、開口端部102aは、複数の板状部材202の外周部202aによって囲まれている。本実施形態では、板状部材202の少なくとも先端部がボディ20に対して移動するように複数の板状部材202を変形させて、筒状部220の径を変更させることにより、開口端部102aの大きさ(開口量)の変更が可能である。また、各板状部材202の内面は、環状の弾性部材221に結合されている。弾性部材221は、筒状部220を縮径させる方向に複数の板状部材202を引っ張る。板状部材202は、可動部材の一例である。
【0056】
変更機構210の連動機構204は、モータ205に連結されたシャフト223とシャフト223に設けられた支持部224と、支持部224に一端部が結合されたワイヤ225と、弾性部材221と、を有している。ワイヤ225の他端部は、板状部材202に結合されている。連動機構204は、ギヤ206の回転によってワイヤ225を支持部224に巻き取ることにより、筒状部220を拡径させる。ワイヤ225の支持部224への巻き取りを解除すると、弾性部材221の弾性力によって、筒状部220が縮径される。つまり、連動機構204は、複数の板状部材202を連動させる。モータ205は、連動機構204を介して複数の板状部材202に連結されている。モータ205は、複数の板状部材202をボディ20に対して移動させる駆動力を生じる。本実施形態では、板状部材202の少なくとも先端部がモータ205の駆動力によってボディ20に対して移動される。変更機構210は、モータ205の駆動力を連動機構204を介して複数の板状部材202に伝達して、複数の板状部材202を移動(変形)させることにより、開口端部102aの大きさを変更する。
【0057】
以上、説明したように、本実施形態の部品保持ノズル100は、ボディ20の先端部20bに設けられていて、空気通路102の開口端部102aの周縁部32の一部を含んだ外周部202aを有し、ボディ20に対して移動可能に設けられた板状部材202と、板状部材202をボディ20に対して移動させて開口端部102aの大きさを変更する変更機構210と、を備えている。よって、本実施形態によれば、例えば、変更機構210によって板状部材202を相対的に移動させることにより、開口端部102aの大きさを変更することで、部品保持ノズル100の空気通路102の開口端部102aの仕様(大きさや形状)を変更することができる。よって、例えば、開口端部102aを、部品Pの仕様(大きさや形状)に応じた大きさに設定することができる。
【0058】
<第六の実施形態>
図22に示されるように、本実施形態は、筒状部220がボディ20に対して傾斜している点が第五の実施形態と主に異なる。本実施形態の筒状部220は、ボディ20の中心軸Ax1に対して傾斜した中心軸Ax2回りの筒状である。筒状部220は、中心軸Ax2に沿って開口端部102aに向かうにつれて径が小さくなる。本実施形態では、中心軸Ax1は、第一の中心軸の一例であり、中心軸Ax2は、第二の中心軸の一例である。
【0059】
以上の構成によれば、容器の隅部に部品Pがあった場合に、当該隅部に筒状部220の先端部を近付けることで、開口端部102aを容器の隅部に近づけることができる。よって、本実施形態によれば、容器の隅部にある部品Pも、吸着しやすい。
【0060】
なお、上記各実施形態で説明した部品保持ノズル100のうち、吸引機構50を、空気通路102に空気を吹き出す(吐き出す)吹出機構(吐出機構)に替えることにより、開口端部22aから空気を吹き出す吹出装置(空気吹出装置)を構成することができる。すなわち、吹出装置は、部品保持ノズル100のうち吸引機構50以外の構成と、空気通路102に通じて設けられ空気通路102に空気を吹き出す吹出機構と、を備える。
【0061】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
20…ボディ、20b…先端部、22a…開口端部(第二の開口端部)、30A…ベルト(可動部材、第一のベルト)、30Ac,30Bc,202a…外周部、30Ae,30Be…傾斜部、30Af,30Bf…段差部、30B…ベルト(可動部材、第二のベルト)、30a…重部(部分)、32…周縁部、41…線材(支持部)、50…吸引機構、70A,70B…張力付加機構、100…部品保持ノズル、102…空気通路、102a…開口端部(第一の開口端部)、120…変更機構、202…板状部材(可動部材)、220…筒状部、Ax1…中心軸(第一の中心軸)、Ax2…中心軸(第二の中心軸)、P…部品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22