特許第6678051号(P6678051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6678051
(24)【登録日】2020年3月18日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】漏電検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/50 20200101AFI20200330BHJP
   H02H 3/16 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   G01R31/02
   H02H3/16 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-55920(P2016-55920)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-172992(P2017-172992A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】羽田 正二
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭56−049231(JP,Y1)
【文献】 特開2009−047447(JP,A)
【文献】 特開平05−275687(JP,A)
【文献】 特開平11−088095(JP,A)
【文献】 実開昭50−127630(JP,U)
【文献】 特開2013−130536(JP,A)
【文献】 特表2014−522628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/50
H02H 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の送電ライン(L1、L2)間に接続される漏電検出装置において、
第1の線形抵抗素子(R1)と、所定の電圧を超える電圧印加に対して低抵抗化して両端間を定電圧に維持する第1の定電圧素子(VR1)とが直列接続された第1抵抗回路(C1)と、
第2の線形抵抗素子(R2)と、所定の電圧を超える電圧印加に対して低抵抗化して両端間を定電圧に維持する第2の定電圧素子(VR2)とが直列接続された第2抵抗回路(C2)と、を有し、
前記第1抵抗回路(C1)と前記第2抵抗回路(C2)が前記送電ライン(L1、L2)間に直列接続されており、かつ、前記第1抵抗回路(C1)と前記第2抵抗回路(C2)の接続点(N)が接地されており、かつ、
漏電が発生していない正常時において前記第1及び第2の定電圧素子(VR1、VR2)の各々に印加される電圧が各々の前記所定の電圧を超えるように、前記第1及び第2の定電圧素子(VR1、VR2)の各々が選択されることを特徴とする漏電検出装置。
【請求項2】
前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子がそれぞれバリスタであることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出装置。
【請求項3】
前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子がそれぞれ、逆極性にて直列接続された2つのツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出装置。
【請求項4】
前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子がそれぞれツェナーダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電源又は直流電源の中点接地方式における漏電検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、系統電源等の接地方式として中点接地方式が知られており、交流電源だけでなく高圧直流電源でも用いられている。
【0003】
中点接地方式において、抵抗分圧を用いた漏電検出装置も公知である。例えば特許文献1、2に開示されている。特許文献1、2では、直流電源の正側の送電ラインと負側の送電ラインの間に分圧抵抗を2つ接続し、それらの中点の電位を接地している。特許文献1では、正側及び負側の各分圧抵抗素子をさらに2つの小分圧抵抗素子に分割し、小分圧抵抗素子の中点電位と基準電位を比較することにより漏電検出を行っている。特許文献2では、分圧抵抗素子の各々の両端電圧を監視して両者の電圧比又は電圧差分の変化を検出することにより漏電を検出することが開示されている。
【0004】
なお、抵抗素子により分圧した中点接地方式は、送電ラインに触れるなどの感電事故が発生しても、感電体と抵抗素子が並列となることから感電体に流れる電流が低減されるという効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−296316号公報
【特許文献2】特開2009−261039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
中点接地方式における漏電検出装置においては、2つの送電ライン間に実質的に2つの抵抗素子を直列接続して中点電位を接地し、各抵抗素子又はその一部の両端電圧を検出に用いている。すなわち抵抗素子に流れる電流を検出していることと同等である。できるだけ少量の電流で検出することが好ましいので、漏電検出のための抵抗素子は比較的高抵抗に設定されている。例えば電源電圧が数百Vであり、抵抗素子が数十kΩの場合、地絡等の漏電時に抵抗素子に流れる感度電流は数mA程度になる。このような高感度領域の電流計測はノイズにも敏感となり誤動作も多くなる。
【0007】
そこで、漏電検出装置における抵抗素子を小さくして感度電流を大きくし低感度にしようとすると、ノイズには強くなるが、正常時に抵抗素子に流れるブリーダ電流も大きくなり消費電力が大きくなるという問題がある。
【0008】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、中点接地方式における漏電検出装置において、正常時のブリーダ電流は小さくして消費電力を抑制すると同時に、漏電時の感度電流は大きくして低感度としノイズの影響を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するべく、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の符号は後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
【0010】
本発明の態様は、一対の送電ライン(L1、L2)間に接続される漏電検出装置において、第1の線形抵抗素子(R1)と、所定の電圧を超える電圧印加に対して低抵抗化して両端間を定電圧に維持する第1の定電圧素子(VR1)とが直列接続された第1抵抗回路(C1)と、第2の線形抵抗素子(R2)と、所定の電圧を超える電圧印加に対して低抵抗化して両端間を定電圧に維持する第2の定電圧素子(VR2)とが直列接続された第2抵抗回路(C2)と、を有し、前記第1抵抗回路(C1)と前記第2抵抗回路(C2)が前記送電ライン(L1、L2)間に直列接続されており、かつ、前記第1抵抗回路(C1)と前記第2抵抗回路(C2)の接続点(N)が接地されており、かつ、
漏電が発生していない正常時において前記第1及び第2の定電圧素子(VR1、VR2)の各々に印加される電圧が各々の前記所定の電圧を超えるように、前記第1及び第2の定電圧素子(VR1、VR2)の各々が選択されることを特徴とする。
【0011】
上記態様において、前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子をそれぞれバリスタとすることができる。
上記態様において、前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子をそれぞれ、逆極性にて直列接続された2つのツェナーダイオードとすることができる。
上記態様において、前記第1定電圧素子及び前記第2定電圧素子をそれぞれツェナーダイオードとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の漏電検出装置は、直列接続された2つの抵抗回路を備え、各抵抗回路は、線形抵抗素子と定電圧素子とが直列接続されたものである。各抵抗回路においては、定電圧素子が無い場合に比べて定電圧素子の両端間の定電圧分だけ線形抵抗素子に印加される電圧が低減されることになる。
【0013】
正常時の送電状態においては、定電圧素子が無い回路に比べて定電圧素子の両端間の電圧分だけ線形抵抗素子に印加される電圧が低減される。従って、低減された電圧分だけ、ブリーダ電流と線形抵抗素子の抵抗値の双方を小さく設定することができる。この結果、正常時においては、定電圧素子が無い回路に比べて線形抵抗素子による消費電力を低減できる。また、漏電時においては、線形抵抗素子の抵抗値を小さく設定できたことにより、定電圧素子が無い回路に比べて感度電流を大きくすることができる結果、低感度としてノイズの影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明による漏電検出装置の基本構成における一実施例を示した図である。
図2図2(a)は、図1の漏電検出装置において、送電ライン上で漏電が発生した状況を模式的に示している。(b)は、比較例の漏電検出装置を示している。
図3図3は、図2(a)の実施例及び図2(b)の比較例のそれぞれについて、正常時と漏電時における一方の抵抗回路の両端電圧と電流の関係を示すV−I特性を示した図である。
図4図4は、本発明の漏電検出装置の別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明による漏電検出装置の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
[1]基本形態
図1は、本発明による漏電検出装置の基本形態における一実施例を示した図である。ここでの漏電検出装置とは、正常時のブリーダ電流及び漏電時の感度電流が流れる回路を意味する。感度電流を用いて漏電判定を行ったり、送電の遮断制御を行ったりする漏電ブレーカ等の回路は含まないものとする。
【0017】
本発明の漏電検出装置は、例えば交流電源である系統電源(図示せず)からの一対の送電ラインL1、L2間に接続される。三相交流の場合は、各相間に接続される。なお、本発明は、交流電源に限られず、直流電源にも適用可能である。直流電源の場合、送電ラインL1とL2の正負極は任意に設定可能である。よって本発明の漏電検出装置は、電源に対して並列に接続されている。
【0018】
実施例の漏電検出装置は、送電ラインL1、L2間に直列に接続された第1抵抗回路C1と第2抵抗回路C2とを有する。第1抵抗回路C1では、定電圧素子であるバリスタVR1と抵抗素子R1が直列に接続されている。抵抗素子R1は、線形の抵抗素子である。第2抵抗回路C2でも、定電圧素子であるバリスタVR2と抵抗素子R2が直列に接続されている。抵抗素子R2も、線形の抵抗素子である。さらに、第1抵抗回路C1と第2抵抗回路C2の接続点Nが接地されている。
【0019】
送電ラインの中点接地方式は公知である。第1抵抗回路C1と第2抵抗回路C2の抵抗値は等しいことが好ましいが、大きく異なっていなければ必ずしも等しくなくてもよい。バリスタVR1とバリスタVR2の関係も同様であり、また、抵抗素子R1と抵抗素子R2の関係も同様である。
【0020】
バリスタは、一定のバリスタ電圧以下の電圧に対しては高抵抗を維持してほとんど電流を流さないが、バリスタ電圧を超える電圧が印加されると低抵抗化してその両端電圧をバリスタ電圧に維持する。バリスタは、双方向の電流に対して機能し、数百ボルトの耐圧性を有する素子であるので高圧交流電源にも使用することができる。
【0021】
[2]動作説明
次に、図2図3を参照して図1の漏電検出装置の動作を説明する。
以下の動作説明は、交流電源の場合、各抵抗回路C1、C2に各バリスタのバリスタ電圧を超える所定の電圧が印加されている時点の状態と想定する。また、直流電源の場合も、電源電圧により各抵抗回路C1、C2に各バリスタのバリスタ電圧を超える所定の電圧が印加されているとする。すなわち、いずれの場合も、送電ラインL1、L2間には2つのバリスタのバリスタ電圧を加算した電圧を超える電圧が印加されているとする。これは、電源電圧に対して適切なバリスタ電圧を有するバリスタを選択することで実現できる。
【0022】
また、説明を簡易とするために一例として、バリスタVR1とVR2のバリスタ電圧が等しく、かつ、抵抗素子R1とR2の抵抗値が等しい場合について説明する。
【0023】
図2(a)は、図1の漏電検出装置の実施例において、電源側において、送電ラインL1の電位が+Vi、送電ラインL2の電位が−Viの状態を示している。よって、送電ラインL1とL2間の電圧は2Viである。図2(a)は、送電ラインL2上で漏電が発生した状況を模式的に示している(点線は漏電箇所のある負側)。漏電箇所は、送電ラインL2と接地Gの間の地絡抵抗Rsで示している。地絡抵抗Rsの抵抗値は、各抵抗回路C1、C2の抵抗値に比べて遙かに小さいか又はほぼ零である。以下では説明を簡単とするために零とする。なお、図中の漏電判定部の構成は任意である。
【0024】
ここで、図2(a)の図示とは異なるが、漏電が発生していない正常時を想定すると、送電ラインL1、L2の電位が+Vi、−Viの時点では、漏電検出装置の第1抵抗回路C1及び第2抵抗回路C2の両端電圧はそれぞれViである。
【0025】
図2(b)は、比較例の漏電検出装置を示している。比較例では、送電ラインL1、L2間にバリスタが無く2つの線形の抵抗素子Roが直列接続され、その接続点が接地されている。比較例も、正常時の各抵抗素子Roの両端電圧はViである。
【0026】
図3は、図2(a)の実施例及び図2(b)の比較例のそれぞれについて、正常時と漏電時における正側の抵抗回路(第1抵抗回路C1)の両端電圧Vと電流Iの関係を示すV−I特性を示した図である。
【0027】
<正常時のブリーダ電流>
正常時において、比較例の抵抗素子Roからなる正側の抵抗回路の両端電圧Vと電流Inoの関係は次のようになる。
no=(1/R)・V (1)
no:正常時の抵抗素子Roの電流
:抵抗素子Roの抵抗値
式(1)は、図3のグラフでは直線1のように、傾き1/Rで原点を通る直線となる。V=Viのときの電流Inoは、点Aになる。
【0028】
正常時において、実施例の抵抗素子R1とバリスタVR1からなる第1抵抗回路C1の両端電圧Vと電流Iの関係は次のようになる。
=(1/R)・V−Vvr/R (2)
:正常時の抵抗素子R1の電流
:抵抗素子R1の抵抗値
vr:バリスタVR1のバリスタ電圧
式(2)は、図3のグラフでは直線2のようになる。
【0029】
なお、本発明は、比較例の場合よりも抵抗素子の抵抗値を小さくできるという作用効果があるので、
<R
とする。従って、直線2の傾き1/Rは、図示のように直線1の傾き1/Rよりも大きな傾きとなる。直線2は、バリスタ電圧Vvrに起因する定数項があるので、直線1のように原点を通る直線ではなく切片が負の直線となる。V=Viのときの電流Iは点Bになる。
【0030】
上述した通り、実施例の回路は、第1抵抗回路の両端電圧Vがバリスタ電圧Vvrよりも大きい場合に機能する(V>Vvr)。バリスタVR1の両端電圧Vvrは、Vが変動しても常に一定であり、抵抗素子R1の両端電圧をVr1とすると、
r1=V−Vvr
の関係がある。正常時において第1抵抗回路C1の両端電圧がViのとき、抵抗素子R1の両端電圧Vr1は、Vi−Vvrになる。
【0031】
図3の直線1の点Aと直線2の点Bを比較すると、正常時に第1抵抗回路C1に流れる電流すなわちブリーダ電流は、比較例に比べて小さくなることがわかる(白矢印参照)。抵抗素子R1が抵抗素子Roより小さいことに加えてブリーダ電流も小さくなるので、ブリーダ電流による消費電力IRは、比較例に比べて大きく低減される。
【0032】
一例として、設定値を以下の通りとする。
・電源電圧2Vi(Vi) :600V(300V)
・バリスタVR1のバリスタ電圧Vvr :200V
・抵抗素子R1の抵抗値R :10kΩ
・抵抗素子Roの抵抗値R :20kΩ
この場合、正常時のブリーダ電流は、実施例ではIn=10mA、比較例ではIno=15mAとなり、実施例の方が小さくなる。
【0033】
なお、図3から示されるように、この作用効果を得られる範囲は、直線1と直線2の交点の位置より左側にあることが判る。従って、本装置がこの範囲で動作するように、電源電圧に応じて適切なバリスタ電圧及び抵抗素子の抵抗値を設定する。
【0034】
<漏電時の感度電流>
次に、図2(a)に示す漏電時においては、第2抵抗回路C2の両端電圧が零になるとすると、第1抵抗回路C1の両端電圧は2Viとなる。比較例についても同様に、正側の抵抗素子Roの両端電圧が2Viとなる。
【0035】
漏電時における比較例及び実施例のそれぞれの正側の抵抗回路(第1抵抗回路C1)の両端電圧Vと電流Iso、Iの関係は、上記式(1)、式(2)の傾きをそれぞれ2倍にした直線となり、それぞれ次のようになる。
so=(2/R)・V (3)
so:漏電時の抵抗素子Roの電流
:抵抗素子Roの抵抗値
=(2/R1)・V−Vvr/R (4)
:漏電時の抵抗素子R1の電流
:抵抗素子R1の抵抗値
vr:バリスタVR1のバリスタ電圧
【0036】
式(3)は、図3のグラフでは直線3のようになり、V=2Viのときの電流Isoは点Cになる。また、式(4)は、図3のグラフでは直線4のようになり、V=2Viの時の電流Iは点Dになる。このときも、バリスタVR1のバリスタ電圧Vvrは一定であるから、
r1=2V−Vvr
の関係がある。漏電時において第1抵抗回路C1の両端電圧が2Viのとき、抵抗素子R1の両端電圧Vr1は、2Vi−Vvrになる。
【0037】
図3の直線3の点Cと直線4の点Dを比較すると、漏電時に第1抵抗回路C1に流れる電流すなわち感度電流は、比較例に比べて大きくなることがわかる(白矢印参照)。従って、抵抗素子R1を流れる感度電流が大きくなることで漏電検知が低感度となり、ノイズの影響を低減できる。
【0038】
一例として、正常時の例として示した上記の設定値とした場合、漏電時の感度電流は、実施例ではIn=40mA、比較例ではIno=30mAとなり、実施例の方が大きくなる。
【0039】
なお、図3から示されるように、この作用効果を得られる範囲は、直線3と直線4の交点の位置より右側にあることが判る。従って、本装置がこの範囲で動作するように、電源電圧に応じて適切なバリスタ電圧及び抵抗素子の抵抗値を設定する。
【0040】
以上に述べた通り、バリスタVR1、VR2を直列に挿入した本発明の漏電検出装置は、バリスタが無い比較例に比べて、抵抗素子R1、R2の抵抗値を小さくできると同時に正常時のブリーダ電流を小さくできる。また抵抗素子R1、R2の抵抗値を小さくしたことにより、漏電時の感度電流を大きくすることができる。
【0041】
[3]その他の形態の実施例
図4は、本発明の漏電検出装置の別の実施形態の例を示す図である。
図4に示す構成では、図1の構成における第1抵抗回路のバリスタが一対のツェナーダイオードZ1、Z2に置き換えられ、第2抵抗回路のバリスタが一対のツェナーダイオードZ3、Z4に置き換えられている。交流電源に対応するために、各対のツェナーダイオードは互いに逆極性で直列接続されている。なお、直流電源の場合は、電源電圧の極性に対して逆方向に1つずつ接続すればよい。ツェナーダイオードは比較的低電圧の電源の場合に適している。
【0042】
本発明の実施形態を幾つかの構成例について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。本発明の基本構成の原理に従う限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
VR1、VR2 定電圧素子(バリスタ)
Z1、Z2、Z3、Z4 定電圧素子(ツェナーダイオード)
R1、R2 抵抗素子
C1、C2 抵抗回路
L1、L2 送電ライン
Rs 地絡抵抗
G 接地
図1
図2
図3
図4