(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性片は、前記外側ピボット凸面および前記外側ピボット凹面の一方または双方の湾曲面を切り欠いて片持ち支持状に構成されている請求項1に記載の視認角度調整機構。
前記ピボット凸部および前記ピボット凹部の少なくとも一方は、軸方向に割りが形成されて周方向に分割されている請求項1から4のいずれか1つに記載の視認角度調整機構。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明が適用された車両用左側ドアミラーの傾動装置10の分解斜視図を示す。この傾動装置10は、本出願人の特許出願に係る特開2014−159221号公報および特開2014−159222号公報に記載の傾動装置をベースにした構造を有する。傾動装置10は傾動支持部12とミラー傾動部14を有する。傾動支持部12は図示しないミラーハウジング(バイザー)の開口部内に取り付けられる。ミラー傾動部14は合成樹脂で一体成形されたミラーホルダー16の前面の凹所16aにミラー18(ミラー板)を嵌め込み装着して構成される。傾動支持部12はその前面にミラー傾動部14をピボットで連結支持して、電動駆動で鏡面角度調整を行う。傾動支持部12は合成樹脂製のアクチュエータハウジング22を有する。アクチュエータハウジング22は、車両の前方側に配置されるハウジングフロント22Aと、車両の後方側に配置されるハウジングリア22Bの前後二分割構造を有する。ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bは相互に嵌まり合って一体化される。ハウジングフロント22Aは正面が円形で椀状の形状を有する。ハウジングフロント22Aの椀内には、その中心から離れた位置に2本の雄ねじ部材24,26がハウジングフロント22Aと一体に立設されている。雄ねじ部材26は椀の中心に対し雄ねじ部材24を90度回転した位置に配置されている。雄ねじ部材24,26の外周面には、その軸方向の全長にわたり雄ねじが形成されている。
【0012】
ハウジングフロント22Aの椀内には、2台の直流モータ28(左右方向傾動用),30(上下方向傾動用)、ホイールウォーム32,34(ギヤ部材)、ナットアジャスト36,38(ナット部材)が収容される。モータ28,30は長方形状の凹所40,42に収容保持される。ナットアジャスト36,38は雄ねじ部材24,26の自由端部(上端部)に同軸かつ回転自在に被さり、雄ねじ部材24,26の外周面の雄ねじと螺合する。これにより、ナットアジャスト36,38は、ナットアジャスト36,38の回転方向に応じて雄ねじ部材24,26に沿って昇降(前進、後退)する。ホイールウォーム32,34の下部は、ハウジングフロント22Aの椀内に雄ねじ部材24,26と同軸に形成された円形の凹所46,48に回転自在に収容保持される。ホイールウォーム32,34は、モータ28,30の回転軸に装着されたウォーム50,52と噛み合って、モータ28,30により回転駆動される。ナットアジャスト36,38は、ホイールウォーム32,34に対し相対回転不能に(ホイールウォーム32,34と一体に回転可能に)、かつホイールウォーム32,34の軸方向に移動自在に、ホイールウォーム32,34に結合されている。したがってモータ28,30を回転すると、ウォーム50,52およびホイールウォーム32,34を介してナットアジャスト36,38が回転し、ナットアジャスト36,38はその回転方向に応じて雄ねじ部材24,26に沿って昇降(前進、後退)する。
【0013】
ハウジングフロント22Aの前面には、ハウジングリア22Bが被せて装着される。これによりモータ28,30、ウォーム50,52、ホイールウォーム32,34、ナットアジャスト36,38で構成される傾動アクチュエータ53は、ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bで構成されるアクチュエータハウジング22の内部空間に収容された状態となる。このとき、ホイールウォーム32,34は、軸方向の移動がハウジングリア22Bで阻止され、軸周り方向の回転のみ許容された状態となる。また、ナットアジャスト36,38の前端部の凸球部36a,38aは、ハウジングリア22Bの中央位置を外れた位置に形成された開口部54,56からアクチュエータハウジング22の外部に突出した状態となる。
【0014】
アクチュエータハウジング22の前面にはミラー傾動部14が傾動自在に保持される。すなわちハウジングリア22Bの前面中央部にはピボット凸部58が形成され、ミラーホルダー16の背面(裏面)中央部にはピボット凹部60(
図10)が形成されている。これらピボット凸部58とピボット凹部60の無理嵌めによる球継手結合により、ミラーホルダー16はハウジングリア22Bに対し車両左右方向および車両上下方向に傾動自在に保持される。ハウジングリア22Bの前面のピボット凸部58の周囲には、4本の回り止め突起62がピボット凸部58の周方向の等間隔の位置(90度等配位置)に突設されている。これに対応して、ミラーホルダー16のピボット凹部60の周囲には、4個の回り止め穴64がピボット凹部60の周方向の等間隔の位置(90度等配位置)に開設されている。ピボット凸部58とピボット凹部60が無理嵌め嵌合した状態で、各回り止め突起62は各回り止め穴64に、回り止め穴64の奥行き方向に移動自在に差し込まれる。これにより、ミラー傾動部14は傾動支持部12に対して回転が阻止された状態で傾動する。ミラーホルダー16の背面には、ナットアジャスト36,38の前端部の凸球部36a,38aに対面する位置に凹球部66,68(
図10)が形成されている。凹球部66,68に凸球部36a,38aが嵌め込まれて、それぞれ球継手結合される。その結果、雄ねじ部材24に対するナットアジャスト36の昇降位置に応じて鏡面の左右方向角度が調整され、雄ねじ部材26に対するナットアジャスト38の昇降位置に応じて鏡面の上下方向角度が調整される。
【0015】
図1の傾動装置10は例えば次のようにして組み立てられる。傾動支持部12については、ハウジングフロント22Aの凹所40,42に、ウォーム50,52が装着されたモータ28,30を収容する。ナットアジャスト36,38を雄ねじ部材24,26にねじ込む。ホイールウォーム32,34をナットアジャスト36,38に同軸に差し込み、ホイールウォーム32,34の下部を凹所46,48に回転自在に保持する。このときホイールウォーム32,34はウォーム50,52に噛み合う。ハウジングフロント22Aにハウジングリア22Bを被せて両者を仮結合する。この仮結合は、
図5において、ハウジングリア22Bの背面側中央部に突出形成された2本の爪70をハウジングフロント22Aの中央部に形成された爪係合部72に着脱可能に係合させることで行われる。これで、傾動支持部12が、
図2(正面から見た状態)、
図3(右側面から見た状態)のように組み立てられる。2本の爪70が爪係合部72に係合した状態は、
図2において、ピボット凸部58の中心に開設された穴58aを通して見えている。また、同係合状態は、
図4においても、ハウジングフロント22Aの中心に形成された凹所73の中に見えている。
【0016】
一方、ミラー傾動部14については、
図1において、ミラー18をミラーホルダー16の前面の凹所16aに嵌め込んで装着する。これで、ミラー傾動部14が組み立てられる。一般に、ミラー18とミラーホルダー16の対向面間にブチルゴム両面テープを貼り付けて鏡面のビビリ振動を抑制することが行われるが、この実施の形態では後述する外側ピボット90によりビビリ振動抑制効果が得られているので、ブチルゴム両面テープは使用されてなく、部品点数の削減が図られている。
【0017】
以上のようにして傾動支持部12とミラー傾動部14がそれぞれ組み立てられたら、ピボット凹部60と、後述する外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102との間の隙間104(
図10参照)の全周にグリースを充填する。次いで、傾動支持部12とミラー傾動部14どうしを面方向および回転方向に位置決めして連結する。位置決めは、傾動支持部12とミラー傾動部14の中心位置を合わせ(ピボット凸部58の先端部をピボット凹部60(
図10)の入口部に当てる)、さらに
図4において、ハウジングフロント22Aの外周面に形成された合いマーク74とミラーホルダー16の背面に形成された合いマーク76の回転方向位置を合わせることにより行われる。この位置決めの結果、ピボット凸部58とピボット凹部60は対面し、かつ4本の回り止め突起62は4個の回り止め穴64にそれぞれ対面し、かつナットアジャスト36,38の凸球部36a,38aとミラーホルダー16の凹球部66,68はそれぞれ対面した状態となる。この状態で、傾動支持部12とミラー傾動部14どうしを対面方向に手で強く押し付ける。これにより、ピボット凸部58とピボット凹部60どうしが無理嵌めされる。また、ナットアジャスト36,38の凸球部36a,38aはミラーホルダー16の凹球部66,68にそれぞれ無理嵌めされる。また、4本の回り止め突起62は4個の回り止め穴64にそれぞれ差し込まれる。これで、傾動支持部12とミラー傾動部14はねじ止め無しで相互に連結されて、傾動装置10が
図4および
図5(
図4のA−A矢視断面を180度回転して示した図)の状態に組み立てられる。
【0018】
以上のようにして組み立てられた傾動装置10について
図5を参照して説明する。傾動支持部12とミラー傾動部14の間には、同心異径の内側ピボット88と外側ピボット90が構成されている。内側ピボット88はピボット凸部58とピボット凹部60を無理嵌めして構成されている。外側ピボット90は内側ピボット88の無理嵌めにより組み付けられている。外側ピボット90はミラーホルダー16に構成された外側ピボット凸面92と傾動支持部12のハウジングフロント22Aに構成された外側ピボット凹面94が摺動自在に嵌合した構造を有する。外側ピボット凸面92と外側ピボット凹面94はともに球面である。内側ピボット88と外側ピボット90のピボット中心Oはともにピボット凸部58の球の中心位置にある。左右方向傾動用の凹球部66にはナットアジャスト36の凸球部36aが嵌め込まれて球継手結合されている。
図5には図示されていないが、同様に、上下方向傾動用の凹球部68(
図10)にはナットアジャスト38の凸球部38aが嵌め込まれて球継手結合されている。
【0019】
図5は鏡面角度が中立位置にある状態である。中立状態とは、ピボット凸部58の中心軸Vがミラー18と交差する位置におけるミラー18の接面が中心軸Vに直交する状態である。この状態から、左右方向傾動用のモータ28(
図1)を駆動してウォーム50(
図1)が回転すると、ウォーム50と組んでウォームギヤを構成するホイールウォーム32が回転する。ホイールウォーム32はハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bの間に挟まれているので、軸方向の移動が阻止されている。ホイールウォーム32が回転すると、この回転に従動してナットアジャスト36が回転しながら雄ねじ部材24を昇降する。これによりミラー傾動部14はピボット中心Oを中心に傾動し、左右方向の鏡面角度調整が行われる。
図6はミラー傾動部14が左向き方向に最大角度位置まで傾動した状態を示し、
図7はミラー傾動部14が右向き方向に最大角度位置まで傾動した状態を示す。上下方向の鏡面角度調整も同様にして行われる。すなわち、
図1を参照して説明すると、上下方向傾動用のモータ30を駆動してウォーム52を回転すると、ウォーム52と組んでウォームギヤを構成するホイールウォーム34が回転する。ホイールウォーム34はホイールウォーム32と同様に軸方向の移動が阻止されている。ホイールウォーム34が回転すると、この回転に従動してナットアジャスト38が回転しながら雄ねじ部材26を昇降する。これによりミラー傾動部14はピボット中心Oを中心に傾動し、上下方向の鏡面角度調整が行われる。
【0020】
組み立てられた傾動装置10のミラーハウジング(バイザー)への取り付けは例えば次のようにして行われる。
図8に示すように、傾動装置10をミラーハウジング82の開口部内の所定の取付位置に位置決めする。ミラーハウジング82の背面にサポート84(補強用樹脂部品)を当てて、4本のビス86をサポート84、ミラーハウジング82、ハウジングフロント22Aの一連のねじ通し穴84a,82a、22Aaに通して、ハウジングリア22Bのねじ穴22Baに強くねじ込む。ハウジングフロント22Aの4個のねじ通し穴22Aaの位置は
図4に示されている。また、ハウジングリア22Bの4個のねじ穴22Baの位置は
図2に示されている。これで、ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bどうしは本止めされ、かつ傾動装置10がミラーハウジング82に取付け固定される。この取り付け後に、ミラーハウジング82の背面に、図示しないハウジングカバー(2ピース型ミラーハウジングの場合)が装着されて、ビス86の頭は外界から隠される。
【0021】
ここで、ミラーホルダー16の詳細構成を説明する。
図9〜
図13はミラーホルダー16単体を示す。
図9は正面側(ミラー18が装着される面側)の斜視図、
図10は背面側の斜視図、
図11は正面図、
図12は背面図、
図13は右側面図である。ミラーホルダー16はポリプロピレン(PP)等の合成樹脂の一体成形品で作られている。ミラーホルダー16の前面(
図9)には、ミラー18を嵌め込む凹所16aが構成されている。ミラー18を凹所16aに嵌め込むと、ミラー18の外周縁全周が凹所16aの周縁部の被り16bに係止され、かつミラーホルダー16の前面の外周部各所に形成された押圧突起95a,95bがミラー18の背面に押圧当接して、ミラー18はミラーホルダー16に安定に保持される。押圧突起95aはミラーホルダー16の前面に直に突設された突起であり、押圧突起95bはミラーホルダー16の面を切り欠いて片持ち支持状に構成した弾性片16c上に突設された突起である。ミラーホルダー16の背面(
図10)には、その中央部に、内側ピボット88のピボット凹部60を構成するピボット凹部環状壁96が突出形成されている。ピボット凹部環状壁96には周方向の等間隔の位置(120度等配)に3本の割り98が形成され、これによりピボット凹部環状壁96は周方向に3分割されている。割り98によりピボット凹部環状壁96は弾性変形が容易になり、ピボット凸部58をピボット凹部60に無理嵌めしてがたつきなく保持することができる。しかも、分割数が3なのでピボットの芯出しが確実に得られる。無理嵌めした状態では、ピボット凹部環状壁96はその弾性力でピボット凸部58を掴んだ状態(鷲掴み状態)となり、ピボット凸部58に対して所定の押圧力を与える。また、ピボット凹部環状壁96は弾性変形が容易なので、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持が外側ピボット90の周方向で均一化される。すなわち、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持が外側ピボット90の周方向で偏っていると、その偏りによる押圧力がピボット凹部環状壁96に作用して、ピボット凹部環状壁96を弾性変形させる。その結果、該偏りが修正されて、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持が外側ピボット90の周方向で均一化され、ビビリ振動を抑制する効果が得られる。ピボット凹部環状壁96の直ぐ外周側には4個の回り止め穴64が形成されている。ミラーホルダー16の背面には、ピボット凹部環状壁96の外周側に外側ピボット90を構成する外側ピボット凸面形成環状壁100が360度全周に連続して突出形成され、さらにその外周側に、外側補助環状壁102が360度全周に連続して突出形成されている。ピボット凹部環状壁96と外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102は相互に同心に配置されている。外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102との間には360度全周に連続して隙間104が形成されている。この隙間104には、ハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123(
図1)が、ミラー傾動部14の傾動動作に応じて出入り自在に収容されて、移動(揺動)する。ミラーホルダー16の背面の、ピボット凹部環状壁96と外側ピボット凸面形成環状壁100の間の領域には、ナットアジャスト36,38の凸球部36a,38aを無理嵌めする凹球部66,68が配置されている。無理嵌めするために、凹球部66,68には周方向の3箇所に割りがそれぞれ形成されされている。例えば
図6に明確に示されているように、ミラーホルダー16の板面の、ピボット凹部環状壁96と外側ピボット凸面形成環状壁100の間の領域の一般板厚t1(例えば3mm)は、外側ピボット凸面形成環状壁100の外周側の領域の一般板厚t2(例えば2mm)よりも厚く設定されている。これにより、ミラーホルダー16の傾動支持部12に連結される領域の剛性が高められているので、鏡面振動を抑制する効果が得られる。また、ミラーホルダー16の外周側の領域の剛性が低められているので、ミラーホルダー16に対するミラー18の嵌め込みを容易に行うことができる。
【0022】
図10において、外側ピボット凸面形成環状壁100は、外側ピボット凸面92を構成する環状壁本体100aと、該環状壁本体100aの内周側に配置される内側補助環状壁100bを有する。環状壁本体100aと内側補助環状壁100bどうしは壁の頂部どうしが360度全周で連結されている。ミラーホルダー16の前面側(
図9)から見て環状壁本体100aと内側補助環状壁100bは、360度全周で、径方向に所定幅の空間111(開口部)を隔てて、相互に同心に配置されている。このように、外側ピボット凸面形成環状壁100は、環状壁本体100aと内側補助環状壁100bの二重構造とされて、剛性が高められている。
【0023】
図10、
図12等に示すように、環状壁本体100aには、その周方向の等間隔の位置(72度等配位置)に、環状壁本体100aを切り欠いて片持ち支持状に構成した5個の弾性片113が形成されている。
すなわち、環状壁本体100aは、その周方向の複数箇所に開口部114を有し、開口部114は開口の周縁が閉じた構成を有し、弾性片113は開口部114内に片持ち支持状に配置されている。弾性片113の外向きの面の中央部には突起113aが形成されている。弾性片113は、突起113aの頂部で、傾動支持部12に構成された外側ピボット凹面94(
図1、
図5等)に摺動自在に弾性当接する。これにより、ミラー傾動部14は、傾動支持部12に、内側ピボット88に支持されるほか、外側ピボット90に弾性支持されるので、車両走行風や車両振動等による鏡面振動を抑制することができる。このとき、弾性片113は突起113aによる点接触で外側ピボット凹面94に当接するので、弾性片113と外側ピボット凹面94との間の摺動抵抗を低減し、しかも部品ごとのばらつき(成形誤差)を吸収して摺動抵抗を一定化することができる。また、弾性片113は外側ピボット凸面形成環状壁100の周方向の均等位置に5個配置(72度等配位置)されているので、仮に弾性片113の1つに支持不良が生じても、残りの4個の弾性片113で、ミラー傾動部14を外側ピボット凹面94の半周以上に支持することができ、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持能力が極端に低下するのが防止される。なお、環状壁本体100aを切り欠いて弾性片113を形成することにより環状壁本体100aには穴が開くが、環状壁本体100aの内周側には穴のない内側補助環状壁100bが配置されているので、外側ピボット90よりも内周側の空間への異物、水等の浸入は抑制される。
【0024】
図9に示すように、外側ピボット凸面形成環状壁100の環状壁本体100aと内側補助環状壁100bとの間の空間111内には、環状壁本体100aと内側補助環状壁100bを連結する複数本のリブ115が適宜の間隔で配置されている。リブ115により外側ピボット凸面形成環状壁100の剛性がさらに高められている。特に、リブ115は環状壁本体100aの、弾性片113の左右(周方向)両側の近傍位置に配置されているので、環状壁本体100aを切り欠いて弾性片113を形成することに伴う環状壁本体100aの剛性低下をリブ115で補うことができる。
【0025】
次に、ハウジングフロント22Aの詳細構成を説明する。
図14はハウジングフロント22A単体の正面図を示す。ハウジングフロント22AはABS樹脂等の合成樹脂の一体成形品で前述のように椀状に作られている。ハウジングフロント22Aは所定半径位置119を境に径方向に区画された、内周側の平坦部121と外周側の湾曲状の外側ピボット凹面形成環状壁123を有する。平坦部121には、前述したとおり、モータ28,30を収容保持する長方形状の凹所40,42、ホイールウォーム32,34の下部を回転自在に収容保持する円形の凹所46,48、4個のねじ通し穴22Aa、ハウジングリア22Bの2本の爪70(
図2、
図4、
図5、
図17等)が係合してハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bとを仮結合する爪係合部72等が構成されている。ハウジングリア22Bの2本の爪70,70は、爪係合部72の左右両側の穴71,71にそれぞれ進入して、爪係合部72の左右部にそれぞれ着脱可能に係合する。外側ピボット凹面形成環状壁123の内周面は球面であり、外側ピボット凹面94を構成する。外側ピボット凹面94の径方向途中位置には周方向に延在する溝117が形成されている。この溝117は外側ピボット90のグリース溜まりを構成する。グリース溜まり117は周方向に均等間隔(72度等配間隔)の5箇所117aで途切れている。この溝なし箇所117aは、弾性片113(
図10、
図13等)の突起113aが摺動する箇所で、この摺動が妨げられないように溝117をなくしたものである。
図15は凹所40,42にモータ28,30を収容保持し、凹所46,48にホイールウォーム32,34を保持した状態を示す。モータ28,30の回転軸に装着されたウォーム50,52はホイールウォーム32,34にそれぞれ噛み合っている。
【0026】
次に、ハウジングリア22Bの詳細構成を説明する。
図16はハウジングリア22B単体の正面側から見た斜視図を示し、
図17はその背面図を示す。ハウジングリア22Bはハウジングフロント22Aと同じABS樹脂等の合成樹脂の一体成形品で作られている。
図16において、ハウジングリア22Bの前面には、中央部にピボット凸部58が突出形成されている。ピボット凸部58の外周面には、その周方向の等間隔の位置(90度等配位置)に、ピボット凸部58の中心軸Vの方向に延在する4本の溝125が形成されている。ハウジングリア22Bの前面には、ピボット凸部58を取り囲む位置に、4個の回り止め突起62が突出形成されている。さらに、ハウジングリア22Bには、ナットアジャスト36,38が出入りする開口部54,56、ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bをねじ止めしかつ傾動装置10をミラーハウジング82に取付け固定するために4本のビス86(
図8)がねじ込まれるねじ穴22Ba等が形成されている。
図17において、ハウジングリア22Bの背面の中央部には、前述の2本の爪70が突設されている。ハウジングリア22Bの背面の外周部には、4本のボス127が突設されている。これらボス127には、その中心軸に沿って前述のねじ穴22Baが開設されている。ハウジングフロント22Aにハウジングリア22Bを被せて押し下げると、2本の爪70がハウジングフロント22Aの爪係合部72(
図2、
図4、
図5、
図14等)に係合して、ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bは嵌まり合い、仮結合される。これにより、ハウジングフロント22Aの平坦部121(
図15)上に配置された傾動アクチュエータ53(
図1)は、ハウジングフロント22Aとハウジングリア22Bで構成されるアクチュエータハウジング22の内部空間に収容され、ナットアジャスト36,38の凸球部36a,38aのみがハウジングリア22Bの開口部54,56から突出する。また、ハウジングフロント22Aの4個のねじ通し穴22Aaとハウジングリア22Bの4個のねじ穴22Baがそれぞれ連通する。
【0027】
内側ピボット88のピボット凸部58とピボット凹部60の面形状を説明する。
図18はピボット凸部58の凸面形状を示す。一点鎖線Vはピボット凸部58の中心軸を示す。ピボット凸部58の外周面(凸面129)はその上部領域129aおよび下部領域129cが、ピボット中心Oを中心とした同一半径の球面でそれぞれ構成され、上部領域129aと下部領域129cの間の中間領域129bが、中心軸Xを中心軸とする円柱面で構成されている。
図19はピボット凹部60の凹面形状(ピボット凸部58と嵌合しているときの形状)を示す。一点鎖線Xはピボット凹部60の中心軸を示す。ピボット凹部60の内周面(凹面131)はその上部領域131aが、上側に頂点を有する円錐の、中心軸Xに沿った一部の領域の円錐面で構成されている。また、下部領域131cが、下側に頂点を有する円錐の、中心軸Xに沿った一部の領域の円錐面で構成されている。上部領域131aの円錐の頂角と下部領域131cの円錐の頂角は等しい。上部領域131aと下部領域131cの円錐面の円錐軸は中心軸Xに一致している。下部領域131cの中心軸Xに沿った方向の長さは、上部領域131aの同方向の長さよりも短い。上部領域131aと下部領域131cの間の中間領域131bは中心軸Xを中心軸とする円柱面で構成されている。上部領域131aと中間領域131bと下部領域131cの各境界部分は滑らかな曲線で繋がれている。上部領域131aと下部領域131cの円錐の頂角は、上部領域131aとピボット中心Oを結ぶ線L1が、上部領域131aの軸X方向の途中位置P1で上部領域131aの面と直交するように、また下部領域131cとピボット中心Oを結ぶ線L2が、下部領域131cの軸X方向の途中位置P2で下部領域131cの面と直交するように設定されている。
【0028】
図20は内側ピボット88のピボット凸部58とピボット凹部60が無理嵌めで嵌合した状態を示す。ミラー傾動部14は
図5の中立位置にある状態で示す。このとき、ピボット凸部58の上部領域129aおよび下部領域129cの各球面は、ピボット凹部60の上部領域131aおよび下部領域131cの各円錐面に内接している。すなわち、ピボット凸部58の凸面129は、ピボット凹部60の凹面131に、前記位置P1,P2の円周位置C1,C2の全周でのみ当接する。
図21は
図20の状態から、ミラー傾動部14を左方向に傾動させたときの状態を示す。このときも、ピボット凸部58の凸面129は、ピボット凹部60の凹面131に、前記位置P1,P2の円周位置C1,C2の全周でのみ当接する。すなわち、ミラー傾動部14を傾動させると、凸面129と凹面131の当接位置は、凸面129の当接位置が移動するだけで、凹面131の当接位置は円周位置C1,C2のまま移動しない。したがって、ピボット凸部58の凸面129とピボット凹部60の凹面131がともに球面で、両球面を球面全体で当接摺動させる場合に比べて、面精度の影響を受けにくく、鏡面角度調整時の動作トルクが安定する。雰囲気温度の変化に対しても、安定した動作トルクが得られる。また、凸面129と凹面131が当接する円周位置C1,C2の間には、凸面129と凹面131との間に隙間133が全周に連続して形成されている。この隙間133はグリースが充填されてグリース溜まりを構成する。これにより、凸面129と凹面131の摺動を円滑にして、より安定した動作トルクで鏡面角度調整を行うことができる。
【0029】
次に、外側ピボット90の外側ピボット凸面92に構成された弾性片113の動作を説明する。
図22〜
図25は、ミラー傾動部14が、
図6の左向き方向に最大角度位置に傾動した状態から、
図5の中立位置を経て、
図7の右向き方向に最大角度位置まで傾動したときの弾性片113の動作を順を追って示したものである。
図22〜
図25は、ピボット凸部58およびピボット凹部60の両中心軸V,Xおよび弾性片113の突起113aを通る平面による切断位置での、外側ピボット90の右端位置の縦断面を示している。はじめに、
図22は、ミラー傾動部14が左向き方向に最大角度位置に傾動した状態である。このとき、外側ピボット90の右端位置では外側ピボット凸面92の端部と外側ピボット凹面94の端部どうしがわずかに重なり合った状態にあり、外側ピボット凸面92と外側ピボット凹面94との間には大きな隙間は生じていない。また、この位置の弾性片113は外側ピボット凹面94との当接を外れている。この状態からミラー傾動部14を右向き方向に傾動させると、
図23の位置でハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123の上端部の傾斜面123aと弾性片113の突起113aの下端部の傾斜面113bどうしが当接する。これにより、弾性片113の弾性力に抗して傾斜面123a,113bどうしが摺動し、弾性片113が内側に引っ込んでいき、ついには弾性片113が外側ピボット凹面形成環状壁123の内周側に入り込んでくる。弾性片113が外側ピボット凹面形成環状壁123の内周側に入ると、突起113aの頂部が外側ピボット凹面94に当接して摺動する。
図24はミラー傾動部14が
図5の中立位置に達したときの状態である。弾性片113の弾性力(弾性当接の押圧力)により突起113aの頂部が外側ピボット凹面94に当接している。また、ハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123の上部が、外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102の間の隙間104に入り込んでくる。この状態からさらにミラー傾動部14を右向き方向に傾動させると、
図25に示すように、外側ピボット凹面形成環状壁123の上端部が隙間104内の最深部の突き当たり面104aに突き当たって傾動が停止される。このとき、ミラー傾動部14は右向き方向に最大角度位置にある。このときも、弾性片113の弾性当接の押圧力により突起113aの頂部が外側ピボット凹面94に当接した状態が保たれている。
【0030】
なお、この実施の形態では、ミラー傾動部14は、
図5の中立位置に対し、各方向へ最大±13.5度〜14度の角度で傾動できるように設計されている。ミラー傾動部14の傾動角度を大きくすると、
図22のように一部の弾性片113が外側ピボット凹面94との当接を外れて効かない状態となる。しかし、その場合でも残りの少なくとも3個の弾性片113は外側ピボット凹面94に当接して、外側ピボット凸面92を外側ピボット凹面94に支持することができる。しかも、本ドアミラーが車両に搭載された実使用状態では、大半の使用者は中立位置より±5度付近で使用することになり、そのときは5個全部の弾性片113が外側ピボット凹面94に当接して、外側ピボット凸面92を外側ピボット凹面94に全周で支持した状態となる。
【0031】
内側ピボット88は、ねじ止め無しで、ピボット凸部58と、割り98によって周方向に3分割されたピボット凹部環状壁96との無理嵌めで組み付けられているので、ミラー傾動部14はピボット凹部環状壁96の弾性変形により傾動支持部12に対して面方向または軸方向に多少動く余地がある。このため、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持が外側ピボット90の周方向で均一化され、外側ピボット90による良好なビビリ振動抑制効果が得られる。また、ハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123は外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102との間の隙間104に差し込まれるので、外側ピボット90内の空間への異物、水等の浸入が抑制される。また、隙間104にグリースが充填保持されるので、外側ピボット90内の空間への異物、水等の浸入を抑制する効果が高まる。この場合、グリースが付着した外側ピボット凸面形成環状壁100の外周面は外側補助環状壁102でカバーされるので、傾動支持部12とミラー傾動部14の組み付け時に、外側ピボット凸面形成環状壁100の外周面に付着したグリースが作業者の手に付着するのを防止できる。
【0032】
次に、ホイールウォーム32,34およびナットアジャスト36,38の詳細構成を説明する。
図26はホイールウォーム32,34を示す。ホイールウォーム32,34は合成樹脂の一体成形品で作られる。ホイールウォーム32,34は下部外周面に、ウォーム50,52(
図1)と噛み合うギヤ(はす歯)135が形成されている。ホイールウォーム32,34の内周側部分は上方に延長されて延長部137を構成している。ホイールウォーム32,34の内周側部分には、周方向の均等な4箇所の位置(90度等配位置)に、軸方向に延在する溝139が形成されている。溝139は延長部137では切欠を構成している。この溝乃至切欠139はホイールウォーム32,34の下端から上端まで連続して形成されている。
【0033】
図27〜
図29はナットアジャスト36,38を拡大して示す。ナットアジャスト36,38はポリアセタール(POM))等の合成樹脂の一体成形品で作られている。ナットアジャスト36,38は、前端部にミラーホルダー16の凹球部66,68(
図10)と球継手結合される凸球部36a,38aが形成され、凸球部36a,38aの下に円筒状の胴部140が連結され、胴部140の下に5本の足部143が連結された構造を有する。ナットアジャスト36,38の内部には雄ねじ部材24,26が出入り自在に挿通する空所141が形成されている。空所141はナットアジャスト36,38の後端部に開口している。5本の足部143はナットアジャスト36,38の周方向に均等間隔(72度等配間隔)で配置されている。各足部143の内周面側には雄ねじ部材24,26の雄ねじに螺合する爪145がそれぞれ形成されている。胴部140の外周面下部の、足部143の直ぐ上の位置には、4個の突起147が外方に向けて突出形成されている。4個の突起147はナットアジャスト36,38の周方向に均等間隔(90度等配間隔)で配置されている。突起147の、ナットアジャスト36,38の軸方向に関する長さは、突起147の、ナットアジャスト36,38の周方向に関する長さよりも長く形成されている。つまり、突起147はナットアジャスト36,38の周方向に扁平で、縦長に形成されている。
【0034】
傾動支持部12において、ナットアジャスト36,38の爪145はハウジングフロント22Aの雄ねじ部材24,26に螺合し、ホイールウォーム32,34はその内周側空間にナットアジャスト36,38を収容して、下部がハウジングフロント22Aの凹所40,42に回転自在に収容保持される。このときナットアジャスト36,38の4個の突起147はホイールウォーム32,34の4本の溝乃至切欠139に、それぞれ溝乃至切欠139沿って移動自在に収容される。これにより、ホイールウォーム32,34がモータ駆動で回転されると、溝乃至切欠139と突起147の係合により、ナットアジャスト36,38がホイールウォーム32,34とともに回転する。このとき、ナットアジャスト36,38の爪145は雄ねじ部材24,26に螺合しているので、ナットアジャスト36,38は雄ねじ部材24,26に沿って昇降する。このとき、突起147は溝乃至切欠139沿って移動する。
【0035】
図30はミラー傾動部14が右向き方向に最大角度位置まで傾動した状態(
図7の状態)におけるナットアジャスト36の状態を示す。ナットアジャスト38が突出するハウジングリア22Bの開口部54の内径は、ナットアジャスト38の胴部140の外径より少し大きく、突起147の外周径より小さい。ハウジングリア22Bの、開口部54の周縁の構造部分149は突起147が当接する突起当接部を構成する。ミラー傾動部14が右向き方向に最大角度位置まで傾動した状態では、
図7、
図25に示すように、ハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123の上端部が、外側ピボット凸面形成環状壁100と外側補助環状壁102の間の隙間104内の最深部の突き当たり面104aに突き当たって傾動が停止されている。このとき、
図30において、ナットアジャスト36の突起147はホイールウォーム32の溝乃至切欠139の最上部に達しているが、突起当接部149には当たっていなく、わずかなクリアランスgがある。ミラー18の破損等によりミラー傾動部14を交換する際には、この状態から、
図7のミラー傾動部14の左端部の下に指を掛けて、ミラー傾動部14を引き上げる。すると、ミラー傾動部14は、
図7において、ミラー傾動部14の右寄り位置の、ハウジングフロント22Aの外側ピボット凹面形成環状壁123の上端部と突き当たり面104aとの当接位置を支点にして右回り方向に回動し、内側ピボット88の球継手結合が外れようとする。この回動に伴い、ナットアジャスト36も少し引き上げられるが、
図30において、突起147の頂面147aは、すぐに突起当接部149の下面149aに当接して係止されるので、ナットアジャスト36の引き上げは停止される。その結果、ナットアジャスト36の凸球部36aと凹球部66の球継手結合が外れ、また内側ピボット88のピボット凸部58とピボット凹部60の球継手結合が外れて、ミラー傾動部14が傾動支持部12から外れる。ナットアジャスト36の爪145は雄ねじ部材24の雄ねじに螺合したまま雄ねじ部材24から抜かれずに傾動支持部12側に残される。突起147が突起当接部149に係止されることにより、突起147には引き上げ力が加わるが、突起147は胴部140に連結されているので、足部143に無理な力がかかるのが防止され、足部143の変形、破損が防止される。また、突起147の、ナットアジャスト36,38の軸方向に関する長さは、突起147の、ナットアジャスト36,38の周方向に関する長さよりも長く形成されているので(つまり、突起147はナットアジャスト36,38の周方向に扁平で、縦長に形成されているので)、突起147が突起当接部149に係止されて突起147に引き上げ力が加わっても、該引き上げ力に対する突起147の強度は高く、突起147の変形、破損は防止される。
【0036】
前述のとおり、突起147はナットアジャスト36,38の周方向に均等間隔(90度等配間隔)で4個配置されている。突起147の数が例えば2個(180度等配間隔)の場合は、ミラー傾動部14の交換のためにミラー傾動部14の周縁部を斜め上方に引き上げたときに、雄ねじ部材24,26に対するナットアジャスト36,38の回転位置によっては、雄ねじ部材24,26に対してナットアジャスト36,38が大きく傾くまで突起147のいずれも突起当接部149に当接しない状態が生じるので、足部143に変形または破損が生じ易い。これに対し、突起147がナットアジャスト36,38の周方向の4箇所以上に等配配置されていると、ナットアジャスト36,38の回転位置に関わらず、雄ねじ部材24,26に対してナットアジャスト36,38が大きく傾く前に、4箇所以上の突起147のうちのいずれかが突起当接部149に当接して、ナットアジャスト36,38の凸球部36a,38aと凹球部66,68の球継手結合が外れ、ミラー傾動部14からナットアジャスト36,38を外すことができるので、足部143の変形、破損が防止される。
【0037】
ところで、突起147に、ホイールウォーム32に対する回転止めの機能と、雄ねじ部材24に対するナットアジャスト36の抜け止めの機能を兼ねさせると、ナットアジャスト36の移動距離が抜け止め機能によって制限され、結果として鏡面角度調整幅(振り角)が狭められることになる。その対策として、この実施の形態では、
図30から容易に理解されるように、突起147が突起当接部149に当接した状態で突起147が雄ねじ部材24の頂部を超えた位置に配置されるようにしている。これにより、突起147が突起当接部149に当接した状態で突起147が雄ねじ部材24の頂部を超えない位置に配置される場合に比べて、突起147が突起当接部149に当接するまでの移動距離が長なり、鏡面角度調整幅が小さくなるのが抑制される。また、突起147は、胴部140の下部の、足部143の直ぐ上の高さ位置に配置されている。これによっても、突起147が胴部140のより上の位置に配置されている場合に比べて、突起147が突起当接部149に当接するまでの移動距離が長なり、鏡面角度調整幅が小さくなるのが抑制される。また、突起当接部149をハウジングリア22Bに構成したので、突起当接部149をアクチュエータハウジング22内に収容されているホイールウォーム32に構成した場合に比べて、突起147が突起当接部149に当接するまでの移動距離が長なり、これによっても鏡面角度調整幅が小さくなるのが抑制される。
【0038】
なお、以上ではナットアジャスト36側の抜け止め構成および抜け止め動作を説明したが、ナットアジャスト38側の抜け止め構成および抜け止め動作もナットアジャスト36側と同様である。また、ミラー傾動部14が上向き方向に最大角度位置まで傾動したときはナットアジャスト38は
図30と同様の状態になる。
【0039】
また、ピボット凸部58には、
図16に示す溝125に代えて、
図31に示す割り151を形成することもできる。このようにすると、割り151によりピボット凸部58は弾性変形が容易になり、ピボット凹部環状壁96が割り98により弾性変形が容易になっていることと相まって、ピボット凸部58をピボット凹部60に無理嵌めして、よりがたつきなく保持することができる。無理嵌めした状態では、ピボット凹部環状壁96はその弾性力でピボット凸部58を掴み、ピボット凸部58はその弾性力でピボット凹部環状壁96を押し広げた状態となり、互いに相手方に対して所定の押圧力を与える。ピボット凸部58とピボット凹部環状壁96の双方が弾性変形容易なので、外側ピボット90によるミラー傾動部14の支持が外側ピボット90の周方向でより均一化され、外側ピボット90によるビビリ振動抑制効果がより向上する。なお、ピボット凹部環状壁96の割り98をなくして、ピボット凸部58側だけに割り151を形成することもできる。この場合、無理嵌めした状態では、ピボット凸部58はその弾性力でピボット凹部環状壁96を押し広げた状態となり、ピボット凹部60に対して所定の押圧力を与える。
【0040】
前記実施の形態では、弾性片を外側ピボット凸面に配置したが、弾性片を外側ピボット凹面に配置し、あるいは外側ピボット凸面と外側ピボット凹面の両方の、相互に干渉し合わない位置に配置することもできる。前記実施の形態では、弾性片を片持ち支持状に構成したが、この発明の弾性片はこのような構造のものに限らない。前記実施の形態では、ミラーをミラーホルダーに保持してミラー傾動部を構成した傾動装置にこの発明を適用した場合について説明したが、本出願人の特許出願に係る特開2014−159221号公報および特開2014−159222号公報に記載の傾動装置のように、ミラーを保持したミラーホルダーをプレートピボット等と呼ばれる部品に保持してミラー傾動部を構成した傾動装置にもこの発明を適用することができる。前記実施の形態では、電動リモコン式の鏡面角度調整機構にこの発明を適用した場合について説明したが、この発明は手動式(鏡面を直接手で触れて操作する方式、ワイヤー操作リモコン方式、レバー操作リモコン方式等)の鏡面角度調整機構にも適用することができる。前記実施の形態では、視認素子がミラーである視認角度調整機構にこの発明を適用した場合について説明したが、この発明は視認素子がカメラ(車載カメラ等)、あるいはその他の視認素子である視認角度調整機構にも適用することができる。前記実施の形態では、この発明を自動車用アウターミラーに適用した場合について説明したが、この発明は自動車用インナーミラーにも適用することができる。また、この発明は自動車用途以外のミラー装置その他の視認装置にも適用することができる。この発明において、ピボットの凸形状と凹形状のいずれを視認素子傾動部側に配置し、いずれを傾動支持部側に配置するかは、適宜選択することができる。