特許第6678066号(P6678066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6678066
(24)【登録日】2020年3月18日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/06 20060101AFI20200330BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20200330BHJP
   E06B 7/22 20060101ALI20200330BHJP
   E06B 3/16 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   E06B7/06
   E06B7/14
   E06B7/22 F
   E06B3/16
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-106914(P2016-106914)
(22)【出願日】2016年5月30日
(65)【公開番号】特開2017-214701(P2017-214701A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2018年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 龍大
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−069936(JP,A)
【文献】 特開2015−218485(JP,A)
【文献】 米国特許第03616743(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上框と下框と戸先框と召合せ框を框組みした障子と、障子に組み込んだ換気装置とを備え、換気装置は、障子の戸先框に沿って配置してあり、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレームと、フレーム内に設けた内開き式の換気戸を有し、縦フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、室内側戸重合片に換気戸の回転軸を受ける軸受け部が設けてあり、室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあり、室内側戸重合片のタイト材は軸受け部の内周側に設けてあることを特徴とする建具。
【請求項2】
上框と下框と戸先框と召合せ框を框組みした障子と、障子に組み込んだ換気装置とを備え、換気装置は、障子の戸先框に沿って配置してあり、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレームと、フレーム内に設けた内開き式の換気戸を有し、縦フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、下フレームは、その内部に換気装置内に浸入した水を溜める中空部と、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、縦フレームと下フレームの室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあり、下フレームの中空部の室外側の壁に排水孔が設けてあることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子に換気装置が組み込まれた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
障子に組み込まれる換気装置としては、上框又は下框に設けられる換気框が知られている。換気框は、横にスライドするつまみを操作してスリット状の換気口を開閉するものであるが、換気量が小さい問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、換気装置の換気量を大きくできると共に、耐風圧性・水密性の優れた建具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、上框と下框と戸先框と召合せ框を框組みした障子と、障子に組み込んだ換気装置とを備え、換気装置は、障子の戸先框に沿って配置してあり、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレームと、フレーム内に設けた内開き式の換気戸を有し、縦フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、室内側戸重合片に換気戸の回転軸を受ける軸受け部が設けてあり、室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあり、室内側戸重合片のタイト材は軸受け部の内周側に設けてあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による建具は、上框と下框と戸先框と召合せ框を框組みした障子と、障子に組み込んだ換気装置とを備え、換気装置は、障子の戸先框に沿って配置してあり、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレームと、フレーム内に設けた内開き式の換気戸を有し、縦フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、下フレームは、その内部に換気装置内に浸入した水を溜める中空部と、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、縦フレームと下フレームの室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあり、下フレームの中空部の室外側の壁に排水孔が設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による建具は、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレーム内に内開き式の換気戸を設けた換気装置を、障子の戸先框に沿って縦に配置したので、換気面積が広く、換気量を大きくできる。また、縦フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあるので、耐風圧性・水密性が優れている。さらに、縦フレームの室内側戸重合片に換気戸の回転軸を受ける軸受け部が設けてあり、軸受け部の内周側に換気戸に当接するタイト材が設けてあることで、換気戸の回転軸と軸受け部の間に雨水が浸入しても、軸受け部の内周側のタイト材が雨水を堰き止めるので、室内まで雨水が浸入しない。
【0007】
請求項2記載の発明による建具は、上框に係合する上フレームと下框に係合する下フレームとガラス間口側縦フレームと戸先框に係合する戸先側縦フレームとを枠組みしたフレーム内に内開き式の換気戸を設けた換気装置を、障子の戸先框に沿って縦に配置したので、換気面積が広く、換気量を大きくできる。また、縦フレームと下フレームは、室外側戸重合片と室内側戸重合片を有し、室外側戸重合片と室内側戸重合片に換気戸に当接するタイト材がそれぞれ設けてあるので、耐風圧性・水密性が優れている。また、下フレームは、その内部に換気装置内に浸入した水を溜める中空部を有し、中空部の室外側の壁に排水孔が設けてあることで、換気装置内に浸入した水を障子下框のガラス間口を通さずに室外に排水できるので、排水性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図3のA−A断面図である。
図2図3のB−B断面図である。
図3】本発明の建具の第1実施形態を示す室内側正面図である。
図4】換気戸を開けた状態を示す横断面図である。
図5】換気戸の操作部を示す室内側正面図であって、(a)は施錠時の状態、(b)は解錠時の状態を示している。
図6】換気装置の開口部にフィルターを取付けた状態を示す横断面図である。
図7】同フィルターの取外し方を示す横断面図である。
図8】本発明の建具の第2実施形態を示す室内側正面図である。
図9図8のC−C断面図である。
図10図8のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜5は、本発明の建具の第1実施形態を示している。本建具は、図3に示すように、躯体開口部に取付けられる枠4と、枠4内に引違い状に開閉自在に収めた内障子1と外障子2を備える。枠4は、アルミニウム合金の押出形材よりなる上枠20と下枠21と左右の縦枠22,22とを四周枠組みして構成されている。外障子2は、上框23と下框24と戸先框5と召合せ框25を四周框組みし、その内側にガラス(複層ガラス)26を嵌め込んで構成してある。内障子1は、上框23と下框24と戸先框5と召合せ框25を四周框組みすると共に、戸先框5の内周側に沿って換気装置3を設け、上框23と下框24と召合せ框25と換気装置3とで形成される開口部にガラス26を嵌め込んで構成してある。
【0010】
換気装置3は、図1〜3に示すように、上フレーム6と下フレーム7とガラス間口側縦フレーム8と戸先側縦フレーム9とを四周枠組みしてなる縦に細長い矩形のフレーム10と、該フレーム10の室外に面した換気用の開口部27を開閉する内開き式の換気戸11とを備えるユニットになっている。
ガラス間口側縦フレーム8は、図1に示すように、内周側にガラス間口12が形成され、ガラス間口12の外周側に矩形の中空部13が設けてある。ガラス間口12は、戸先框5のガラス間口29と同じ溝幅で形成してあり、ガラス間口12にガラス26の端部が挿入され、シール材28で固定してある。中空部13の外周側には、室外側端部に室外側戸重合片14aが、見込方向の中間部に室内側戸重合片15aがそれぞれ外周側に突出して形成してあり、室外側戸重合片14aが室内側戸重合片15aよりも外周側に長く突出している。室外側戸重合片14a及び室内側戸重合片15aの先端部には、タイト材16,17がそれぞれ室内側に向けて取付けてある。室外側のタイト材16は、L字型に屈曲した軟質のヒレ片を有し、室内側のタイト材17は中空部を形成してあり、いずれも室内外方向に柔軟に圧縮復元するものとなっている。
戸先側縦フレーム9は、外周側に戸先框5のガラス間口29に挿入すると弾発的に係止して抜け止めされる一対の係止片30,30を有し、室内側の係止片30の室内側にはパッキン31が設けてある。また戸先側縦フレーム9は、室外側端部に室外側戸重合片14bが、見込方向の中間部に室内側戸重合片15bがそれぞれ内周側に突出して形成してあり、室外側戸重合片14a及び室内側戸重合片15bの先端部にタイト材16,17がそれぞれ室内側に向けて取付けてある。室内側戸重合片15bは、タイト材保持部32の外周側に隣接した位置の室外側に、換気戸11の回転軸33が係合する軸受け部34が設けてある。
上フレーム6は、図2に示すように、外周側に上框23のガラス間口29に係止する一対の係止片30,30を有し、室内側の係止片30の室内側にパッキン31が設けてある。また上フレーム6は、室外側端部に室外側戸重合片14cが、見込方向の中間部に室内側戸重合片15cがそれぞれ内周側に突出して形成してあり、室外側戸重合片14cが室内側戸重合片15cよりも内周側に長く突出しており、室外側戸重合片14c及び室内側戸重合片15cの先端部にタイト材16,17がそれぞれ室内側に向けて取付けてある。
下フレーム7は、外周側に下框24のガラス間口29に係止する一対の係止片30,30を有し、室内側の係止片30の室内側にパッキン31が設けてある。係止片30,30の内周側には、換気装置3内に浸入した水を一時的に溜めることのできる中空部18が設けてある。中空部18の内周側(上側)の壁には、図2,4に示すように、換気装置3内に浸入した水を前記中空部18に落すための水抜き孔35が設けてある。中空部18の室外側の壁の下部には、図2に示すように、中空部18に溜まった水を室外に排水するための排水孔19が設けてあり、排水孔19には排水弁36が取付けてある。また、中空部18の室内側壁の上部には、換気戸11に生じた結露水を受ける結露水受け部37が室内側に突出して設けてあり、結露水受け部37の室外側に隣接して形成された傾斜面38に排水弁39が設けてあり、結露水受け部37で受けた結露水はこの排水弁39を通じて中空部18へと導かれる。中空部18の内周側には、室外側端部に室外側戸重合片14dが、見込方向の中間部に室内側戸重合片15dがそれぞれ内周側に突出して形成してあり、室外側戸重合片14d及び室内側戸重合片15dの先端部にタイト材16,17がそれぞれ室内側に向けて取付けてある。
換気装置3のフレーム10は、図1,2に示すように、結露水受け部37が室内側に突出しているのを除いて、内障子1の見込み寸法内に納まっている。換気戸11は、フレーム10の見込寸法内に納まっている。
【0011】
換気戸11は、図1,2に示すように、アルミ製の形材40の上下端部に樹脂製の端部キャップ41,41を取付けて構成してある。形材40は、左右方向の中央部に中空部42を有し、中空部42の室内側壁から左右方向と上下方向に延出する延出部43a,43b,43c,43dが設けてあり、延出部43a,43b,43c,43dの室外側面に四周のフレーム6,7,8,9の室内側のタイト材17が室内外方向に若干押し潰された状態で圧着している。また、形材40の室外側面に四周のフレーム6,7,8,9の室外側のタイト材16が室内外方向に若干押し潰された状態で圧着している。中空部42の室外側の壁42aは、図1に示すように、外周側に延出すると共に先端部を室内側に向けて湾曲し、その先に回転軸33を形成してあり、回転軸33は換気戸11の見込み寸法の略中央部に位置している。回転軸33の外周側には、水返し片44が外周側に突出して設けてある。
換気戸11は、回転軸33を戸先側縦フレーム9の軸受け部34に係合し、戸先側縦フレーム9の室外側戸重合片14bと室内側戸重合片15bの間に外れ止め部品45を上下方向に間隔をおいて複数取付けることで、図4に示すように、回転軸33を支点として室内側に回動して開くようになっている。また、戸先側縦フレーム9の上部及び下部の室内側戸重合片15bの室内側にストッパー部品46が取付けてあり、ストッパー部品46により換気戸11の開く角度を60°までに規制している。換気戸11を60°まで開くと、水返し片44の先端部が外れ止め部品45に設けた突起47に係止して、その開き角度に保持される。
【0012】
換気戸11は、図3,5に示すように、上下方向の中間部の室内側面に操作部としての平面ハンドル48が取付けてある。平面ハンドル48は、換気戸11の室内側面に形成した孔から中空部42内に埋め込んで固定されるハウジング49と、ハウジング49の前面に設けたボタン50及び引手51と、ハウジング49の後方に設けた作動片52を有している。引手51は、ハウジング49の室内側面と面一となるように収納されており、ボタン50を押すと室内側に飛び出すようになっている。
図1,5に示すように、換気戸11の中空部42の内周側の壁42bには、連動棒53が上下方向に摺動可能に保持してあり、連動棒53は平面ハンドル48の作動片52と係合している。ガラス間口側縦フレーム8の外周側面には、図1,3に示すように、上部と中間部と下部の3箇所にロックピン54が取付けてあり、連動棒53には各ロックピン54と係合するロック受け55が取付けてある。すなわち換気戸11は、上部と中間部と下部の3カ所でロックされている。換気戸11を開ける際には、平面ハンドル48のボタン50を押して引手51を室内側に飛び出させ、図5(b)に示すように、引手51を反時計回りに回動させると作動片52がそれに連動して回動し、作動片52を介して連動棒53が下方にスライドして3カ所のロック受け55が一斉にロックピン54から外れるので、後は引手51を引くことで換気戸11を開けることができる。
【0013】
以上に述べたように本建具は、上フレーム6と下フレーム7とガラス間口側縦フレーム8と戸先側縦フレーム9とを枠組みしたフレーム10内に内開き式の換気戸11を設けた換気装置3を、内障子1の戸先框5に沿って縦に配置したので、換気面積が広く、換気量を大きくできる。また、ガラス間口側縦フレーム8は、図1に示すように、ガラス間口12の外周側に中空部13を有しているので、ガラス26に強い風圧を受けてもガラス間口側縦フレーム8が撓み難い上、中空部13の外周側に室外側戸重合片14aと室内側戸重合片15aを有し、室外側戸重合片14aと室内側戸重合片15aに換気戸11に当接するタイト材16,17がそれぞれ設けてあるので、耐風圧性・水密性が優れている。
さらに換気装置3は、換気戸11の戸先部を上下方向の複数箇所でロックすることで、ガラス間口側縦フレーム8に中空部13を設けたことと相まって、耐風圧性をより一層高めることができる。
また換気装置3は、ガラス間口側縦フレーム8と下フレーム7に室外側戸重合片14a,14dと室内側戸重合片15a,15dを有し、ガラス間口側縦フレーム8と下フレーム7の室外側戸重合片14a,14dと室内側戸重合片15a,15dに換気戸11に当接するタイト材16,17がそれぞれ設けてあるので、耐風圧性・水密性が優れている。また下フレーム7は、図2に示すように、換気装置3内に浸入した水を溜める中空部18を有し、中空部18の室外側の壁に排水孔19が設けてあることで、換気装置3内に浸入した水を、図2中の矢印56に示すように、障子下框24のガラス間口29を通さずに室外に排水できるので、排水性が良い。
換気装置3は、四周の全てのフレーム6,7,8,9に室外側戸重合片14a,14b,14c,14dと室内側戸重合片15a,15b,15c,15dがそれぞれ設けてあり、各室外側戸重合片14a,14b,14c,14dと各室内側戸重合片15a,15b,15c,15dに換気戸11に当接するタイト材16,17がそれぞれ設けてあることで、フレーム10と換気戸11の間に全周にわたり室外側と室内側の2箇所にタイトラインが形成されるため、高い耐風圧性・水密性が得られる。さらに、タイト材16,17を、それぞれフレーム10と換気戸11の間に室内外方向から挟み込まれるように設けたことで、止水効果をより一層高められる。
さらに換気装置3の下フレーム7は、室内側に結露水受け部37を有しており、結露水受け部37で受けた結露水を中空部18へと導き、中空部18の室外側の排水孔19から室外に排水することができる。
換気装置3の戸先側縦フレーム9は、図1に示すように、室外側戸重合片14bと室内側戸重合片15bを有し、室内側戸重合片15bに換気戸11の回転軸33を受ける軸受け部34が設けてあり、軸受け部34の室内側に換気戸11に当接するタイト材17が設けてあることで、換気戸11の回転軸33と戸先側縦フレーム9の軸受け部34の間に雨水が浸入しても、軸受け部34の室内側のタイト材17が雨水を堰き止めるので、室内まで雨水が浸入しない。
【0014】
図6は、換気装置3のフレーム10の開口部27にフィルター57を取付けた例を示している。フィルター57は、外部カバー58と内部カバー59を有し、外部カバー58はガラス間口側縦フレーム8と戸先側縦フレーム9の室外側戸重合片14a,14bの先端部に係合し、室内側からのネジ60で固定してあり、内部カバー59は片方の縁部を外部カバー58に形成した溝61に係止し、もう片方の縁部を外部カバー58にロック片62で係止して取付けてある。内部カバー59には、防塵フィルター63と花粉フィルター64が積層して保持してある。外部カバー58と内部カバー59には、横長のスリット状の換気口65が上下方向に間隔をおいて多数形成してある。
【0015】
図7は、同フィルター57の清掃・交換を行うときの状態を示している。まず、戸先側縦フレーム9に取付けてあるストッパー部品46を取外し、換気戸11を通常より大きく室内側に開くようにする。その後、ロック片62を外した上で、内部カバー59を室内側に取外す。その後、内部カバー59から防塵フィルター63と花粉フィルター64を取外し、必要に応じて清掃・交換を行う。このようにして、フィルター57の清掃・交換が室内側から容易に行うことができる。
【0016】
図8〜10は、本発明の建具の第2実施形態を示している。本建具も、枠4内に内障子1と外障子2を引違い状に開閉自在に収めたものであり、換気装置3は内障子1ではなく外障子2の戸先框5の内周側に沿って設けてある。換気装置3は、基本的に第1実施形態のものと同じものであり、第1実施形態のものとは左右勝手違いになっている(図1,9参照)。図10に示すように、換気装置3の下フレーム7は結露水受け部37を無くしてあり、換気戸11の操作部は第1実施形態と同じく平面ハンドル48を用いており、換気装置3全体が外障子2の見込み寸法内に納まっている。したがって、外障子2又は内障子1を開けたときに換気装置3が内障子1と干渉することがなく、換気装置3によって建具の最大開口幅が狭められない。
【0017】
換気装置3は、内障子1又は外障子2に最初から組み込んでおくこともできるが、既設の建具の内障子1又は外障子2に後から組み込むこともできる。その際には、内障子1又は外障子2の框5,23,24,25をいったんばらし、予め組み立てておいた換気装置3を戸先框5のガラス間口29に嵌め込んで取付け、換気装置3の幅分だけ小さくしたガラス26を囲んで四周の框5,23,24,25を再び框組みする。
【0018】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。換気装置は、内障子と外障子の両方に設けることもできる。換気装置のフレーム、換気戸の形状、材質等は、適宜変更することができる。障子は、左右に摺動するものに限らず、上下に摺動するもの、室外側又は室内側に開くもの、枠に固定した嵌め殺し障子であってもよい。本発明の建具は、窓に限らず、出入口用の戸に適用することもできる。
【符号の説明】
【0019】
1 内障子(障子)
2 外障子(障子)
3 換気装置
4 枠
5 戸先框
6 上フレーム
7 下フレーム
8 ガラス間口側縦フレーム
9 戸先側縦フレーム
10 フレーム
11 換気戸
12 ガラス間口
13 ガラス間口側縦フレームの中空部
14a,14b,14c,14d 室外側戸重合片
15a,15b,15c,15d 室内側戸重合片
16,17 タイト材
18 下フレームの中空部
19 排水孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10