(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の食器洗い用洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」ともいう)は、(A)〜(C)成分を含有する組成物である。
<(A)成分>
(A)成分はアニオン界面活性剤である。(A)成分は、スルホン酸型アニオン界面活性剤(A1)を含有する。さらに
【0011】
[(A1)成分]
(A1)成分としては、一般に洗浄剤に用いられるスルホン酸型アニオン界面活性剤を用いることができる。
(A1)成分は、直鎖状または分岐鎖状の、アルキル基またはアルケニル基を有するものが好ましい。(A1)成分は塩であることが好ましい。
(A1)成分として、例えば(a1)アルキルベンゼンスルホン酸塩、(a2)アルカンスルホン酸塩、(a3)α−オレフィンスルホン酸塩、(a4)下式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、(a5)スルホコハク酸塩等が挙げられる。
下式(I)において、R
10は炭素数8〜18の炭化水素基であり、R
20は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは対イオンである。
【0013】
(a1)のアルキル基の炭素数は10〜21が好ましく、10〜18がより好ましく、10〜16がさらに好ましい。特にアルキル基の炭素数が10〜15である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
(a2)の炭素数は10〜21が好ましく、10〜18がより好ましく、10〜16がさらに好ましい。特に炭素数が13〜18である第2級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
(a3)の炭素数は10〜21が好ましく、10〜18がより好ましく、10〜16がさらに好ましい。特に炭素数12〜16のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
(a4)において、上式(I)のR
10は炭素数10〜21のアルキル基であることが好ましく、炭素数10〜18のアルキル基がより好ましく、10〜16のアルキル基がさらに好ましい。
【0014】
(A1)成分を構成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩(モノエタノールアンモニウム)、ジエタノールアミン塩(ジエタノールアンモニウム)、トリエタノールアミン塩(トリエタノールアンモニウム)等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
(A1)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A1)成分は、洗浄性と水切れ性を両立しやすい点で前記(a1)、(a2)、および(a3)からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、前記(a1)および(a3)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0015】
[(A1)成分以外のアニオン界面活性剤]
(A)成分は、(A1)成分以外のアニオン界面活性剤を含有してもよい。たとえば、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、カルボン酸塩型アニオン界面活性剤、リン酸エステル型アニオン界面活性剤タイプが挙げられる。
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カルボン酸塩型アニオン界面活性剤としては、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤等が挙げられる。
(A1)成分以外のアニオン界面活性剤は、炭素数8〜18のアルキル基を有するもの、又は、炭素数8〜18のアルケニル基を有するものが好ましい。該アルキル基又は該アルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
(A1)成分以外のアニオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩(モノエタノールアンモニウム)、ジエタノールアミン塩(ジエタノールアンモニウム)、トリエタノールアミン塩(トリエタノールアンモニウム)等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
(A1)成分以外のアニオン界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
[配合量]
本明細書において(A)〜(D)成分及び任意成分として配合された界面活性剤の合計量を界面活性剤総量という。
界面活性剤総量に対する(A)成分の含有量の質量比を表す(A)成分/界面活性剤総量は0.02〜0.45であり、0.02〜0.30が好ましく、0.05〜0.3がより好ましい。(A)成分/界面活性剤総量の質量比が上記の範囲であると洗浄力と水切れ性の両方に優れる。
洗浄剤組成物中の界面活性剤総量は4〜40質量%が好ましく、6〜35質量%がより好ましく、8〜26質量%が特に好ましい。界面活性剤総量が上記下限値以上であると、洗浄剤組成物の粘度をより高めやすい。界面活性剤総量が上記上限値以下であると、界面活性剤以外の成分の配合量を適切に調整しやすい。
洗浄剤組成物に対して(A)成分の含有量は0.2〜20質量%が好ましく、0.3〜9質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましく、0.5〜3.0質量%が特に好ましい。上記の範囲であると洗浄力と水切れ性の両方に優れる。
(A)成分に対して(A1)成分の含有量は40〜100質量%が好ましく、50〜100質量%より好ましく、70〜100質量%がさらに好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。上記範囲であると洗浄力および水切れ性に優れる。
【0017】
<(B)成分>
(B)成分は下式(1)で表されるノニオン界面活性剤である。式(1)中、AOはオキシエチレン基を表す。xとyはそれぞれ1〜6の整数であり、かつ6≦x+y≦12である。mはAOの平均繰り返し数を表し6〜12である。式(1)で表される化合物は、AOの繰り返し数が互いに異なる分子の集合体である。
【0019】
式(1)において、mが6以上であると洗浄力に優れ、12以下であると水切れ性に優れる。mは6〜10が好ましく、9〜10が特に好ましい。
式(1)において、洗浄力および水切れ性に優れる点で、xとyがそれぞれ1〜6の整数であり、かつ6≦x+y≦10であることが好ましく、6≦x+y≦8がより好ましく、x+y=8が特に好ましい。
式(1)中のC
xH
2x+1、C
yH
2y+1としてはそれぞれ、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、直鎖状のアルキル基であることが好ましい。たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好適なものとして挙げられる。特にC
xH
2x+1とC
yH
2y+1との組み合わせが、エチル基とブチル基との組合せまたはプロピル基とペンチル基との組合せであることが好ましく、プロピル基とペンチル基との組合せが特に好ましい(いずれの組み合わせにおいても、一方がどちらの基であってもよい)。
【0020】
(B)成分としては、ガーベット反応による2分子縮合で得られた、β位に分岐構造を有するアルコールのエチレンオキシド付加物が特に好適なものとして挙げられる。
具体例として、BASF社製のポリオキシエチレンモノ(2−プロピルへプチル)エーテルが挙げられる。具体的には、Lutensol XP60(商品名、式(1)におけるm=6の化合物)、Lutensol XP90(商品名、式(1)におけるm=9の化合物)、Lutensol XP100(商品名、式(1)におけるm=10の化合物)が挙げられる。
[配合量]
洗浄剤組成物に対して、(B)成分の含有量は1〜6質量%が好ましく、2〜5.5質量%がより好ましい。上記の範囲であると洗浄力と水切れ性の両方に優れる。
【0021】
<(C)成分>
(C)成分は、アミンオキシド型界面活性剤及びベタイン型界面活性剤の一方または両方である。アミンオキシド型界面活性剤は半極性界面活性剤であり、ベタイン型界面活性剤は両性界面活性剤である。
本明細書において、「半極性界面活性剤」とは、半極性結合(無極性結合及び極性結合の中間の性質を有する結合)を有する界面活性剤のことであり、半極性界面活性剤が溶解する溶液又は分散する分散系のpHにより、陽イオン性、陰イオン性、又は両極性となるものをいう。
【0022】
[アミンオキシド型界面活性剤]
アミンオキシド型界面活性剤としては、たとえばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
中でも下式(2)で表される化合物が好適である。
【0024】
[式中、R
1は、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり;R
2、R
3は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり;R
4は炭素数1〜4のアルキレン基である。Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−であり;rは0又は1の数である。]
式(2)中、R
1は、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
R
1のアルキル基、アルケニル基において、炭素数は8〜18であり、油汚れに対する洗浄力がより向上することから、10〜14であることが好ましい。
R
2、R
3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R
2およびR
3はいずれもメチル基であることがさらに好ましい。
R
4は、炭素数1〜4のアルキレン基である。
Bは−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−又は−O−である。rは、0又は1の数であり、0が好ましい。
【0025】
アミンオキシド型界面活性剤の具体例として、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジエチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。なかでも、洗浄力が特に良好であることから、ラウリルジメチルアミンオキシドが好ましい。市販品では、例えばライオン・アクゾ株式会社製の「アロモックスDM12D−W」などが挙げられる。
アミンオキシド型界面活性剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
[ベタイン型界面活性剤]
ベタイン型界面活性剤としては、たとえば、アミノ酢酸ベタイン(アルキルベタイン、アルキルアミドベタインなど)、スルホベタイン(アルキルヒドロキシスルホベタインなど)が挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤として具体的には、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(コカミドプロピルベタイン)等のアミノ酢酸ベタイン;N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホベタイン、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−1−スルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン等のスルホベタインが挙げられる。
なかでも、水切れ性が特に良好であることから、アミノ酢酸ベタインが好ましい。
ベタイン型界面活性剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
[配合量]
洗浄剤組成物に対して、(C)成分の含有量は0.5〜12質量%が好ましく、0.5〜6.0%がより好ましい。上記の範囲であると洗浄力と水切れ性の両方に優れる。
また、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比を表す(B)成分/(C)成分は0.3〜5.0が好ましく、0.5〜2.0がより好ましい。(B)成分/(C)成分が上記の範囲であると優れた洗浄力と水切れ性を両立しやすい。
(C)成分は、アミンオキシド型界面活性剤及びベタイン型界面活性剤の両方を用いることが水切れ性と洗浄力との両立の観点から好ましい。これらの両方を用いる場合、アミンオキシド型界面活性剤の含有量に対するベタイン型両性界面活性剤の含有量の質量比を表すベタイン型両性界面活性剤/アミンオキシド型界面活性剤は、0.15〜7が好ましく、0.6〜7がより好ましい。
【0028】
<(D)成分:(B)成分以外のノニオン界面活性剤>
(D)成分は上記(B)成分以外のノニオン界面活性剤である。アミンオキシド型界面活性剤はノニオン界面活性剤に含まれない。
洗浄剤組成物に、(A)〜(C)成分に加えて(D)成分を含有させることにより、主として、泡持続性が向上する。
(D)成分としては、たとえば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸モノエタノールアミドが挙げられる。これらのなかでも、水切れ性、洗浄力が良好であることから、アルキルポリグリコシドが好ましい。
【0029】
[アルキルポリグリコシド]
アルキルポリグルコシドは糖類と高級アルコールとから誘導されるノニオン界面活性剤であり、下式(3)で表される化合物が好ましい。
R
5−O−[G]
y …(3)
式中、R
5は炭素8〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはグルコシド残基を示す。yは平均で1〜5の数を示す。yは平均で1〜3の数が好ましい。
アルキル基(R
5)の炭素数が異なる2種以上のアルキルポリグルコシドの混合物を用いてもよい。R
5の平均炭素数が10〜14であることが好ましい。
アルキルポリグルコシドの市販品として花王株式会社製の「マイドール12」が挙げられる。
【0030】
[配合量]
洗浄剤組成物に(D)成分を含有させる場合、洗浄剤組成物に対して(D)成分の含有量が30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。上記上限値以下であると、洗浄力と水切れ性の両方に優れる。該(D)成分の含有量の下限値はゼロ超であり、泡持続性の向上効果に優れる点で3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。
【0031】
<水>
本発明の洗浄剤組成物は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
【0032】
<任意成分>
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外の任意成分が配合されてもよい。
任意成分としては、特に限定されず、通常、食器用洗剤に配合される成分が挙げられ、例えば(A)〜(D)成分以外の界面活性剤、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、漂白成分、金属捕捉成分、ラジカルトラップ剤、香料などが挙げられる。
洗浄剤組成物のpH(25℃)は、5〜8が好ましく、5〜6がより好ましい。必要に応じてpH調整剤を添加する。
【0033】
[ハイドロトロープ剤]
ハイドロトロープ剤は、主として、洗浄剤組成物の保存安定性(特に低温安定性)を向上させ、透明外観の安定性に寄与する。
ハイドロトロープ剤として具体的には、芳香族スルホン酸又はその塩、芳香族カルボン酸又はその塩、炭素数2〜4のアルコール、又はこれら以外の水溶性溶剤が挙げられ、1種以上を使用できる。
(芳香族スルホン酸塩・芳香族カルボン酸塩)
芳香族スルホン酸としては、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸などが挙げられ、なかでもトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸が好ましい。
トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸は、それぞれo体、m体、p体の3異性体のいずれでもよく、これらのなかでも容易に入手が可能なことからp体が好ましく、そのなかでも、p−トルエンスルホン酸がより好ましい。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸などが挙げられる。
芳香族スルホン酸塩または芳香族カルボン酸塩における塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。
なかでも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0034】
(炭素数2〜4のアルコール)
炭素数2〜4のアルコールのうち、1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
(上記以外の水溶性溶剤)
上記以外の水溶性溶剤としては、ポリエチレングリコール、フェニルグリコール等が挙げられる。
洗浄剤組成物に対して、ハイドロトロープ剤の配合量は2〜30質量%が好ましく、より好ましくは3〜10質量%である。ハイドロトロープ剤をこのような範囲で配合すると、洗浄力を低下させることなく、その配合効果を得ることができる。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
<(A)成分>
A−1:(A1)成分、アルキル基の炭素数が10〜14である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、テイカパワーL124(商品名、テイカ株式会社製)を水酸化ナトリウムで中和したもの。
A−2:(A1)成分、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、リポランLB440(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)。
A−3:(A1)成分、炭素数14〜17の第2級アルカンスルホン酸ナトリウム(SAS)、HOSTAPUR SAS 30A(商品名、クラリアントジャパン株式会社製)。
A−4:アルキル基の炭素数が12〜14、エチレンオキシドの平均付加モル数が3であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES(3))、テイカポールNE1230(商品名、テイカ株式会社製)。
<(B)成分>
B−1:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル(上式(1)におけるm=10、x+y=8の化合物)、Lutensol XP100(商品名、BASF社製)。
B−2:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル(上式(1)におけるm=9、x+y=8の化合物)、Lutensol XP90(商品名、BASF社製)。
B−3:ポリオキシエチレンモノ(2−プロピルヘプチル)エーテル(上式(1)におけるm=6、x+y=8の化合物)、Lutensol XP60(商品名、BASF社製)。
<(C)成分>
C−1:コカミドプロピルベタイン(CAPB)、オバゾリンCAB−30(商品名、東邦化学工業株式会社製)。
C−2:ラウリルジメチルアミンオキシド(AX)、カデナックスDM12D−W(商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)。
<(D)成分>
D−1:上式(3)で表されR
5の炭素数が10〜14であるアルキルポリグルコシドの混合物、yの平均値は1.3、マイドール12(商品名、花王株式会社製)。
D−2:アルキル基の炭素数が12〜14、エチレンオキシドの平均付加モル数が15であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(BRE(15))、LMAO−90(商品名、ライオンケミカル株式会社製。)
【0037】
<その他成分>
p−トルエンスルホン酸:ハイドロトロープ剤、テイカトックス300(商品名、テイカ株式会社製)。
pH調整剤:水酸化ナトリウム。
水:イオン交換水。
【0038】
<実施例1〜28、比較例1〜7>
実施例2、5〜9、12、13、15〜17、20〜23、及び28は参考例である。
表1〜3に示す組成に従い、以下に示す製造方法により、各実施例および比較例の洗浄
剤組成物をそれぞれ調製した。表中の配合量の単位は「質量%」であり、いずれの成分も
純分換算量を示す。水の配合量を示す「バランス」は、洗浄剤組成物に含まれる全配合成
分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられた残部を意味する。
【0039】
まず、200mLビーカーに、(A)成分、(B)成分、および(D)成分を入れ、マグネチックスターラにより撹拌した。次いで、全体量が50質量部になるように水を入れて撹拌した。その後、(C)成分と、p−トルエンスルホン酸と、pH調整剤とを加えてpHを調整した後、全体量が100質量部になるように水を加えて、各例の洗浄剤組成物をそれぞれ製造した。
なお、pH調整剤の「適量」は、洗浄剤組成物のpH(25℃)を表に示す値に調整するために配合した水酸化ナトリウムの量(10質量%前後)を示す。
表中、(A)/界面活性剤総量は洗浄剤組成物中の(A)〜(D)成分の合計含有量に対する(A)成分含有量の割合(質量比)を、(C)/(B)は、洗浄剤組成物中の(B)成分含有量に対する(C)成分含有量の割合(質量比)である。ノニオン界面活性剤総量は(B)成分と(D)成分の合計含有量である。
【0040】
得られた洗浄剤組成物について下記の方法で洗浄力と水切れ性を評価した。また実施例25〜28で得られた洗浄剤組成物については下記の方法で泡持続性も評価した。これらの結果を表に示す。
【0041】
<評価方法>
[洗浄力の評価方法]
牛脂1gをタッパ容器(底面が10cm×15cmであり、側面の高さが5cmの直方体であって、上端が開口しているプラスチック容器)の内面全体に均一になるように塗布したものを洗浄対象とした。
11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、洗浄対象のタッパ容器を通常家庭で行われるのと同様にして洗浄した。洗浄後、25℃の水道水でよくすすぎ、タッパ容器の内面を手で触ったときの感触に基づいて、下記の基準で洗浄力を評価した。評価A〜Cが合格である。
A:タッパ容器内面のいずれの部位を触っても、キュッキュッと音がするような摩擦感があり、油の残留によるぬるつきはまったく感じられない。
B:角の部位には僅かにぬるつきが残るが、底面および側面を触ると摩擦感があり、油の残留によるぬるつきは感じられない。
C:側面や角の部位に僅かにぬるつきが残るが、底面を触ると摩擦感があり、油の残留によるぬるつきは感じられない。
D:タッパ容器内面の全体にぬるつきが感じられ、明らかに油が残留していることがわかる。
【0042】
[水切れ性の評価方法]
汚れが付着していない直径21cmの陶器皿を洗浄対象とした。
11.5cm×7.5cm×3cmの食器洗い用スポンジに、38gの水道水と2gの洗浄剤組成物をとり、数回手で揉んだ後、洗浄対象の陶器皿1枚の表面を10回擦り洗いした。その後、水道水で充分にすすぎ、皿がほぼ垂直になるように、市販の食器かごに立てかけて置き、目視により、陶器皿から水が流れ落ち陶器皿表面全体の50%の面積に水が付着していない状態になるまでの時間(50%水切れ時間)を評価した。50%水切れ時間に基づいて、下記の基準で水切れ性を評価した。評価A〜Cが合格である。
A:50%水切れ時間が1分以下。
B:50%水切れ時間が1分を超え、2分以下。
C:50%水切れ時間が2分を超え、3分以下。
D:50%水切れ時間が3分を超える。
【0043】
[泡持続性(泡立ちと泡量の持続性)の評価方法]
モデル油汚垢としてオリーブ油1gと水5gを採取した皿(直径21cm)をモデル油汚垢皿とし、当該モデル油汚垢皿を30枚用意した。
縦11.5cm×横7.5cm×高さ3cmの食器洗い用スポンジ(住友スリーエム(株)製、商品名:スコッチブライト)に、25℃水道水38gと洗浄剤組成物2gをそれぞれ取り、3回手で揉んだ後の食器洗い用スポンジをモデル油汚垢皿と接触させ、モデル油汚垢と食器洗い用スポンジとを馴染ませた。その後、食器洗い用スポンジをモデル油汚垢皿に押さえつけた状態で円を2周描くように動かして擦り洗いを行った。
そして、食器洗い用スポンジには水道水と洗浄剤組成物を新たに注ぎ足すことなく、連続してモデル油汚垢皿を擦り洗い続け、擦り洗い後のモデル油汚垢皿の上に泡が残らない(確認できない)状態になるまで洗い続けた。洗った皿の枚数に基づき下記の基準で評価した。評価A〜Cが合格である。
A:20枚以上。
B:18枚以上。
C:16枚以上。
D:15枚以下。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
表1〜3の結果に示されるように、本発明を適用した実施例1〜28の洗浄剤組成物は洗浄力と水切れ性が優れていた。
また、表3の実施例25〜28の結果に示されるように、(B)成分に加えてノニオン界面活性剤(D−1)を含有させることにより泡持続性が向上した。
(A)成分を含まない比較例1は水切れ性は良好であるが、洗浄力に劣っていた。
(B)成分を含まない比較例2は洗浄力は良好であるが、水切れ性に劣っていた。
(C)成分を含まない比較例3は洗浄力は良好であるが、水切れ性に劣っていた。
(A1)成分を含まず、(A1)成分以外のアニオン界面活性剤を含む比較例4は、洗浄力は良好であるが、水切れ性に劣っていた。
(B)成分を含まず、(B)成分以外のノニオン界面活性剤(D−2)を含む比較例5は、洗浄力は良好であるが、水切れ性に劣っていた。
(A)成分/界面活性剤総量の値が小さい比較例6は、水切れ性は良好であるが、洗浄力に劣っていた。
(A)成分/界面活性剤総量の値が大きい比較例7は、洗浄力は良好であるが、水切れ性に劣っていた。