【文献】
"ラビッツランド",「電撃Nintendo 2013 7月号」,日本,アスキー・メディアワークス,2013年 5月21日,第13巻,第9号,p.88-91,(特に、p.89下方)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするためのプログラムであって、コンピュータに、
前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップと、
前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させるステップと、
前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するステップと
を実行させ、
前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させるステップを含み、
前記ミニゲームを実行するステップは、
前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始するステップと、
前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させるステップと
を含む
プログラム。
前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまでの距離に応じて前記遅れの時間を決定するステップをさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
前記ミニゲームを実行するステップは、前記第2のキャラクタが前記プレイヤキャラクタである場合に、前記プレイヤによる所定の操作を受けて前記遅れの時間を短縮するステップを含む、請求項1又は2に記載のプログラム。
前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤにより選択されたルートに沿って、前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量に応じて前記プレイヤキャラクタを前記マップ上において移動させるステップを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
前記第2のキャラクタが所定の第2のマスに到達した場合に、当該到達を受けて前記第2のキャラクタにアイテムを取得させるステップをさらに実行させる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
前記アイテムは、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの中で決定される前記第2のキャラクタの順位を上昇させるためのアイテムである、請求項5に記載のプログラム。
前記ミニゲームを実行するステップは、前記ミニゲームの実行画面と、前記第2のキャラクタが前記ミニゲームに参加するまでの時間を示す遅れ時間表示画面とを同時に前記表示部に表示させるステップを含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプログラム。
前記遅れ時間表示画面は、前記第2のキャラクタ又は前記第2のキャラクタを示す指標が前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまで移動するアニメーションを含む画面である、請求項9に記載のプログラム。
前記ミニゲームは、前記ミニゲームの開始後、前記ミニゲームの所定の終了条件が満たされるまでの期間内に取得されて累積された値が高くなるにつれて、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの各々について決定される順位が高くなるゲームである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
前記ミニゲームの終了後に、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップをさらに実行させる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプログラム。
前記キャラクタを移動させるステップは、前記複数のキャラクタの各々を、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を一斉に移動させるステップである、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のプログラム。
プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理装置であって、
前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定する移動量特定部と、
前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させる移動処理部と、
前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するミニゲーム実行部と
を備え、
前記移動処理部は、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させ、
前記ミニゲーム実行部は、
前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始し、
前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させる
情報処理装置。
前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまでの距離に応じて前記遅れの時間を決定する遅れ時間決定部をさらに備える、請求項14に記載の情報処理装置。
前記ミニゲーム実行部は、前記第2のキャラクタが前記プレイヤキャラクタである場合に、前記プレイヤによる所定の操作を受けて前記遅れの時間を短縮する、請求項14又は15に記載の情報処理装置。
前記ミニゲーム実行部は、前記ミニゲームの実行画面と、前記第2のキャラクタが前記ミニゲームに参加するまでの時間を示す遅れ時間表示画面とを同時に前記表示部に表示させる、請求項14乃至16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記ミニゲームは、前記ミニゲームの開始後、前記ミニゲームの所定の終了条件が満たされるまでの期間内に取得されて累積された値が高くなるにつれて、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの各々について決定される順位が高くなるゲームである、請求項14乃至17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理システムであって、
前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定する移動量特定部と、
前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させる移動処理部と、
前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するミニゲーム実行部と
を備え、
前記移動処理部は、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させ、
前記ミニゲーム実行部は、
前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始し、
前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させる
情報処理システム。
プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップと、
前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させるステップと、
前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するステップと
を有し、
前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させるステップを含み、
前記ミニゲームを実行するステップは、
前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始するステップと、
前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させるステップと
を含む
情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のゲームでは、従来、すべてのプレイヤキャラクタに平等な条件でミニゲームが開始されていた。より具体的には、マップ上の各プレイヤキャラクタの位置の違いはミニゲームに反映されていなかった。そのためプレイヤはマップ上の移動ルートを考える際に、ミニゲームのことを考慮する必要がなかった。すなわちゲームの戦略性が低いものとなっていた。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ゲームの戦略性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするためのプログラムであって、コンピュータに、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップと、前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させるステップと、前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するステップとを実行させ、前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させるステップを含み、前記ミニゲームを実行するステップは、前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始するステップと、前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させるステップとを含むプログラムを提供する。
【0006】
前記プログラムは、前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまでの距離に応じて前記遅れの時間を決定するステップをさらに実行させてもよい。
前記ミニゲームを実行するステップは、前記第2のキャラクタが前記プレイヤキャラクタである場合に、前記プレイヤによる所定の操作を受けて前記遅れの時間を短縮するステップを含んでもよい。
前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤにより選択されたルートに沿って、前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量に応じて前記プレイヤキャラクタを前記マップ上において移動させるステップを含んでもよい。
前記プログラムは、前記第2のキャラクタが所定の第2のマスに到達した場合に、当該到達を受けて前記第2のキャラクタにアイテムを取得させるステップをさらに実行させてもよい。
前記アイテムは、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの中で決定される前記第2のキャラクタの順位を上昇させるためのアイテムであってもよい。
前記プログラムは、前記第2のキャラクタが前記アイテムを取得後に、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動する移動量を特定するステップをさらに実行させ、前記アイテムは、前記第2のキャラクタが前記アイテムを取得後に前記第2のキャラクタについて特定される移動量を前記アイテムが使用しない場合と比較して増加させるか、又は、前記第2のキャラクタが前記アイテムを取得後に他のキャラクタについて特定される移動量を前記アイテムを使用しない場合と比較して減少させるアイテムであってもよい。
前記アイテムは、前記ゲームの勝敗を決定する値を増加させるアイテムであってもよい。
前記ミニゲームを実行するステップは、前記ミニゲームの実行画面と、前記第2のキャラクタが前記ミニゲームに参加するまでの時間を示す遅れ時間表示画面とを同時に前記表示部に表示させるステップを含んでもよい。
前記遅れ時間表示画面は、前記第2のキャラクタ又は前記第2のキャラクタを示す指標が前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまで移動するアニメーションを含む画面であってもよい。
前記ミニゲームは、前記ミニゲームの開始後、前記ミニゲームの所定の終了条件が満たされるまでの期間内に取得されて累積された値が高くなるにつれて、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの各々について決定される順位が高くなるゲームであってもよい。
前記プログラムは、前記ミニゲームの終了後に、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップをさらに実行させてもよい。
前記キャラクタを移動させるステップは、前記複数のキャラクタの各々を、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を一斉に移動させるステップであってもよい。
【0007】
また、本発明は、プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理装置であって、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定する移動量特定部と、前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させる移動処理部と、前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するミニゲーム実行部とを備え、前記移動処理部は、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させ、前記ミニゲーム実行部は、前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始し、前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させる情報処理装置を提供する。
【0008】
前記情報処理装置は、前記ミニゲームの開始時点において前記第2のキャラクタが位置するマスから前記第1のマスまでの距離に応じて前記遅れの時間を決定する遅れ時間決定部をさらに備えてもよい。
前記ミニゲーム実行部は、前記第2のキャラクタが前記プレイヤキャラクタである場合に、前記プレイヤによる所定の操作を受けて前記遅れの時間を短縮してもよい。
前記ミニゲーム実行部は、前記ミニゲームの実行画面と、前記第2のキャラクタが前記ミニゲームに参加するまでの時間を示す遅れ時間表示画面とを同時に前記表示部に表示させてもよい。
前記ミニゲームは、前記ミニゲームの開始後、前記ミニゲームの所定の終了条件が満たされるまでの期間内に取得されて累積された値が高くなるにつれて、前記ミニゲームの実行の結果、前記複数のキャラクタの各々について決定される順位が高くなるゲームであってもよい。
【0009】
また、本発明は、プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理システムであって、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定する移動量特定部と、前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させる移動処理部と、前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するミニゲーム実行部とを備え、前記移動処理部は、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させ、前記ミニゲーム実行部は、前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始し、前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させる情報処理システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、プレイヤが操作する少なくとも1つのプレイヤキャラクタを含む複数のキャラクタの各々を、表示部に表示される複数のマスからなるマップ上において移動させるゲームをプレイするための情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記複数のキャラクタの各々について、前記マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定するステップと、前記複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて特定された移動量に応じて前記マップ上を移動させるステップと、前記複数のキャラクタのうち第1のキャラクタが前記マップ上の所定の第1のマスに到達したことを受けてミニゲームを実行するステップとを有し、前記キャラクタを移動させるステップは、前記プレイヤキャラクタを、前記プレイヤによる操作と前記プレイヤキャラクタについて特定された移動量とに応じて前記マップ上において移動させるステップを含み、前記ミニゲームを実行するステップは、前記第1のキャラクタを参加させて前記ミニゲームを開始するステップと、前記複数のキャラクタのうち前記ミニゲームの開始時点において前記第1のマスに到達していない第2のキャラクタを前記第1のキャラクタよりも遅れて前記ミニゲームに参加させるステップとを含む情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によればゲームの戦略性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態
1−1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム装置1の構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置1は情報処理装置の一例であり、具体的には携帯型のコンピュータゲーム装置である。ゲーム装置1は、
図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信部15とを備える。
【0014】
制御部11はCPU、GPU等の演算処理装置と揮発性のメモリとを備え、記憶部12に記憶されるプログラムを実行し、画像処理に基づいて表示部13へ表示される画像を生成する。記憶部12はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであり、制御部11により実行されるプログラム等を記憶する。なお記憶部12は他の実施形態において外部記憶媒体であってもよい。表示部13は上側表示部131と下側表示部132とを備える。上側表示部131と下側表示部132は各々、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。操作部14は、下側表示部132に重ねられたタッチセンサや、十字キーや、アナログスティックや、その他の各種の操作ボタンを備える。通信部15はネットワーク通信部151とローカル通信部152とを備える。ネットワーク通信部151は無線LANやインターネット等のネットワークを介して1以上の他のゲーム装置1と通信を行うための通信モジュールである。ローカル通信部152は無線通信や赤外線通信を1以上の他のゲーム装置1との間で行うための通信モジュールである。
【0015】
図2は、記憶部12の記憶領域の一例を示す図である。記憶部12は、
図2に示すように、プログラム記憶領域121とデータ記憶領域122とを有する。
【0016】
プログラム記憶領域121は、ゲームをプレイするためのゲームプログラム1211を格納する。ここでゲームとは具体的にはボードゲームである。より具体的にはすごろくゲームである。このゲームでは、複数のキャラクタの各々を、表示部13に表示される複数のマス(言い換えるとマス目)からなるマップ上において移動させる。そして、当該ゲーム内で実行されるミニゲームの回数が所定回数に到達するまでに各キャラクタにより獲得された所定のアイテム取得数の多寡に応じてゲームの勝敗を決定する。所定のアイテムはここでは例えばスターとする。ここでマスとは、マップを構成する区画であってキャラクタの移動の単位である。マスの形状はどのようなものであってもよい。ゲームに登場するキャラクタは、人間のプレイヤが操作する2以上のプレイヤキャラクタにより構成されてもよいし、人間のプレイヤが操作する1以上のプレイヤキャラクタと、制御部11がゲームプログラム1211に従って制御する1以上のノンプレイヤキャラクタとにより構成されてもよい。ここで人間のプレイヤとは具体的には、通信部15を用いて通信する他のゲーム装置1のプレイヤである。本実施例ではゲーム装置1は携帯型のゲーム装置であり、それぞれのゲーム装置1の表示部13には、当該ゲーム装置をプレイするプレイヤのためのゲーム画像が表示される。例えば、当該プレイヤが操作するプレイヤキャラクタを少なくとも含むように仮想カメラを制御する画像処理に基づいて生成されたゲーム画像が表示される。1つのゲーム装置1を用いて、1人のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと1以上のノンプレイヤキャラクタとによるゲームを行う場合には、当該ゲーム装置1の制御部11において、プレイヤの操作に基づいた操作データに基づいてプレイヤキャラクタに関するゲーム処理を行い、さらに予め設定されたプログラムに基づいてノンプレイヤキャラクタの行動に関するゲーム処理を行い、それらのゲーム処理の結果としてのゲーム画像が表示部13に表示される。複数の人間のプレイヤによるゲームプレイの場合は、複数のゲーム装置1においてゲームが実行される。それぞれのゲーム装置1の表示部13には、それぞれのプレイヤのためのゲーム画像が表示されるが、ゲームの進行状況は共有される。そのため、たとえば、いずれかのゲーム装置1を親として、当該親となるゲーム装置1が、他のゲーム装置1のプレイヤの操作データまたは操作の結果を示すデータを、通信部15を介して取得し、自らの操作データと、他のゲーム装置1から取得されたデータに基づいてゲーム処理を行い、ゲーム処理が行われた結果の状態を表すデータを他のゲーム装置1に送信すると共に、ゲーム処理が行われた結果のゲーム画像を表示部13に表示するようにしてもよい。この場合、他のゲーム装置1は、親となるゲーム装置1からゲーム処理が行われた結果の状態を表すデータを取得し、当該データに基づいた画像処理を行って自機を操作するプレイヤのためのゲーム画像を表示部13に表示させる。
【0017】
ここでミニゲームとは、ゲームプログラム1211を実行することにより実現されるゲームに含まれるゲームである。ゲームの中の特定の場面ということもできるが、本編のボードゲームとはルールの異なるゲームを実施される場面があり、それらをミニゲームと呼ぶこととする。言い換えるとサブゲームである。ミニゲームは本編のゲームよりも短い時間で終了する。ミニゲームにはすべてのキャラクタが参加するものとする。ミニゲームには、所定のミニゲームマスに到達したキャラクタから参加し、当該ミニゲームマスに到達していないキャラクタは遅れて参加する。さらに、現在位置するマスから当該ミニゲームマスまでの距離に応じて遅れて参加する。
【0018】
ミニゲームは早く参加した方が有利なゲームとなっている。具体的には、ミニゲームの開始後、ミニゲームの所定の終了条件が満たされるまでの期間内に取得されて累積された値が高くなるにつれて、ミニゲームの実行の結果、複数のキャラクタの各々について決定される順位が高くなるゲームとなっている。また、時間の経過とともに難易度が高くなるゲームとなっている。ただし、ミニゲームのプレイ次第では、遅れて参加しても逆転可能なゲームとなっている。
【0019】
ミニゲームの内容は、例えば、ステージ内に散在するフルーツを、敵キャラクタを避けながら拾い集めて自身のカゴに収集し、カゴに収集したフルーツの数を競うゲームである。別の例としては、ステージ内に散在する砲弾を、敵キャラクタを避けながら砲台にセットしてボスキャラクタに向けて発射し、ボスキャラクタに命中させた砲弾の数を競うゲームである。さらに別の例としては、ミニゲームの開始から終了までの期間内にキャラクタが進んだ距離を競うゲームである。具体的にはレースゲームである。
【0020】
ミニゲームで最も高い順位を獲得したキャラクタにはスターが与えられる。本編のゲームはスターの取得数により勝敗が決定される。本編の終了条件はどのようなものであってもよいが、たとえばミニゲームが所定回数実行されると本編のゲームが終了する。
【0021】
データ記憶領域122は、オブジェクトデータ領域1221と、所持スターデータ領域1222と、所持コインデータ領域1223と、所持アイテムデータ領域1224と、キャラクタ位置データ領域1225と、ミニゲーム回数データ領域1226とを含む。オブジェクトデータ領域1221は、ボードゲームを実行するために必要な、マップデータやキャラクタデータ等を格納する。所持スターデータ領域1222は、スターの数を示すデータをキャラクタごとに格納する。所持コインデータ領域1223は、上記スター以外の取得アイテムとして、所定枚数集めることでスターに変換可能なコインの数を示すデータをキャラクタごとに格納する。所持アイテムデータ領域1224は、ボードゲームの進行上役に立つ仮想的なゲーム要素であるアイテムのデータをキャラクタごとに格納する。キャラクタ位置データ領域1225は、ボードゲームのマップ上の位置を示すデータをキャラクタごとに格納する。ミニゲーム回数データ領域1226は、ボードゲーム内で実行されたミニゲームの回数を示すデータを格納する。
【0022】
制御部11は、ゲームプログラム1211を実行することにより、
図1に示すように、移動量特定部111と、移動処理部112と、ミニゲーム実行部113と、遅れ時間決定部114と、勝敗決定部115という機能を実現する。
【0023】
移動量特定部111は、複数のキャラクタの各々について、マップ上を移動させる移動量であってランダムに決定される移動量を特定する。具体的には、乱数を生成することで移動量を特定する。ここで移動量とは具体的にはマス目の数である。移動量を特定する際、移動量特定部111は、ダイスを振るアニメーションを表示部13に表示させる。移動量特定部111はゲームの終了条件が満たされるまで、上記の移動量を特定する処理を繰り返し実行する。ミニゲームの終了後もゲームの終了条件が満たされるまでは繰り返し実行する。
【0024】
移動処理部112は、移動量特定部111によって移動量が特定された後、複数のキャラクタの各々について、当該キャラクタについて移動量特定部111により特定された移動量に応じてマップ上を移動させる。その際、移動処理部112は、各キャラクタを一斉に移動させる。具体的には、各プレイヤにより操作部14を用いて行われる移動ルートの選択及び決定を並行して受け付ける。また、移動処理部112は、プレイヤキャラクタを移動させる場合には、プレイヤによる操作部14の操作に応じて当該プレイヤキャラクタを移動させる。より具体的には、プレイヤにより操作部14を用いて選択されたルートに沿って当該プレイヤキャラクタを移動させる。また、移動処理部112は、複数のキャラクタのうちのいずれかのキャラクタが所定のアイテムマスに到達した場合に、当該到達を受けて当該キャラクタにアイテムを取得させる。具体的には当該キャラクタに対応づけて、取得させるアイテムのデータを所持アイテムデータ領域1224に格納する。
【0025】
キャラクタに取得されるアイテムには、ミニゲームのプレイを有利にするためのものと、マップ上の移動を有利にするためのものと、ゲームの勝敗に直接的に有利な影響を与えるものの3種類がある。
【0026】
ミニゲームのプレイを有利にするためのアイテムとは具体的には、ミニゲームの実行の結果、複数のキャラクタの中で決定される対象のキャラクタの順位を上昇させ易くするためのアイテムである。例えば、対象のキャラクタとともにミニゲームに参加して対象のキャラクタをサポートするサポートキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタ)を登場させるアイテムや、ミニゲーム実行中に他のプレイヤのミニゲーム実行画面の表示面積を狭めて当該プレイヤのプレイを妨害するアイテムや、ミニゲーム実行中に他のキャラクタを一定時間痺れさせて動きを止め、他のプレイヤのプレイを妨害するアイテムである。
【0027】
マップ上の移動を有利にするためのアイテムとは具体的には、当該アイテムの取得後に、移動量特定部111が各キャラクタについて移動量を特定する際に、対象のキャラクタについて特定される移動量を当該アイテムを使用しない場合と比較して増加させるか、又は、他のキャラクタの移動量を当該アイテムを使用しない場合と比較して減少させるアイテムである。例えば、対象のキャラクタのダイスの出目に数値を加算するアイテムや、対象のキャラクタのダイスの出目を有利な数値に限定するアイテムや、対象のキャラクタのダイスの数を増加させるアイテムである。または、他のキャラクタのダイスの出目に数値を減算するアイテムや、対象のキャラクタのダイスの出目を不利な数値に限定するアイテムである。その他、ダイスの出目を特定の数値に確定するアイテム等であってもよい。
【0028】
ゲームの勝敗に直接的に有利な影響を与えるアイテムとは具体的には、ゲーム本編の勝敗を決定する値を増加させるアイテムである。例えば、対象のキャラクタが保持するスターの数やコインの数を増加させるアイテムである。
【0029】
ミニゲーム実行部113は、複数のキャラクタのうちいずれかのキャラクタがマップ上の所定のミニゲームマスに到達したことを受けてミニゲームを実行する。その際、ミニゲーム実行部113は、当該ミニゲームマスに到達したキャラクタを参加させてミニゲームを開始する。また、複数のキャラクタのうちミニゲームの開始時点において当該ミニゲームマスに到達していないキャラクタを、当該ミニゲームマスに到達したキャラクタよりも遅れてミニゲームに参加させる。
【0030】
ミニゲーム実行部113は、上記のミニゲームマスに到達していないキャラクタがプレイヤキャラクタである場合に、プレイヤによる操作部14に対する所定の操作を受けて上記の遅れの時間を短縮する。ここで所定の操作とは、例えば、操作ボタンの押下や、タッチセンサの表面に対するこすりや、アナログスティックの回転である。遅れの時間は、所定の操作の回数が増加するにつれてより短縮される。
【0031】
ミニゲーム実行部113は、ミニゲームの実行画面と、ミニゲームマスに到達していないキャラクタがミニゲームに参加するまでの時間を示す遅れ時間表示画面とを同時に表示部13に表示させる。実行画面は例えば上側表示部131に表示され、遅れ時間表示画面は例えば下側表示部132に表示される。遅れ時間表示画面は、上記のミニゲームマスに到達していないキャラクタを示す指標であるアイコンがミニゲームの開始時点において当該キャラクタが位置するマスから上記のミニゲームマスまで移動するアニメーションを含む画面である。この画面に示されるアイコンからミニゲームマスまでの距離は、当該ミニゲームマスに到達していないキャラクタがミニゲームに参加するまでの時間を示している。このアイコンの移動速度はプレイヤによる上記の所定の操作を受けて速くなる。
【0032】
遅れ時間決定部114は、ミニゲームの開始時点において上記のミニゲームマスに到達していないキャラクタが位置するマスから当該ミニゲームマスまでの距離に応じて上記の遅れの時間を決定する。遅れの時間は当該距離が長くなるにつれて長くなる。遅れ時間決定部114は例えば、マス目の数と遅れの時間とを対応付けた対応テーブルを参照して遅れの時間を決定する。
【0033】
勝敗決定部115は、ミニゲーム実行部113がミニゲームを所定回数実行すると、所持スターデータ領域1222に格納される各キャラクタの所持スター数を参照して、所持スター数の多い順に各キャラクタの順位を決定する。
【0034】
1−2.動作
ゲーム装置1の制御部11が実行するゲーム実行処理について説明する。
図3は、このゲーム実行処理の一例を示すフローチャートである。なお、下記の処理は、すべての参加キャラクタについて処理を行っているが、典型的には、1つのゲーム装置1を使って1人のプレイヤキャラクタと1人以上のノンプレイヤキャラクタでプレイをする場合のゲーム装置1か、複数のゲーム装置1を使って複数のプレイヤキャラクタでプレイをする場合の親機となるゲーム装置1の制御部11において実行される。複数のゲーム装置1を使う場合の他の例においては、下記の処理の一部を他のゲーム装置1で分散的に実行するようにして、複数のゲーム装置1からなるゲームシステム全体で処理を実行するようにしてもよい。いずれの場合も、それぞれのゲーム装置1の表示部13には、それぞれのプレイヤのための画像が表示される。
【0035】
ゲーム装置1のプレイヤが操作部14を用いてゲームプログラム1211の実行を指示すると、制御部11はデータ記憶領域122のデータを初期化する(ステップS1)。
【0036】
データの初期化を完了すると、制御部11はデータ記憶領域122に格納されるデータに基づいて表示部13に表示されるマップ画面Sc1と移動量決定画面Sc2とを生成する(ステップS2)。
図4は、マップ画面Sc1と移動量決定画面Sc2の一例を示す図である。マップ画面Sc1は例えば下側表示部132に表示され、移動量決定画面Sc2は例えば上側表示部131に表示される。ここで表示部13に表示されるのは、当該ゲーム装置1を操作するプレイヤのためのゲーム画像である。したがって、複数のゲーム装置1によるゲームプレイの場合には、それぞれのゲーム装置1の表示部13にそれぞれ異なるゲーム画像が表示される。
【0037】
マップ画面Sc1では、複数のマスがグリッド状に配列されたマップMが表示される。当該マップMはグリッド構造を有しているため、キャラクタは前後左右に移動することができる。そのため、プレイヤは同じマスに進むにしても複数のルートを選択することができる。マップMを構成するマスの中には1以上のミニゲームマスCe1が含まれている。また、1以上のアイテムマスCe2とが含まれていてもよい。またコインCoが配置されるマスが含まれていてもよい。また、マップ画面Sc1では、マップM上に各キャラクタCa1〜Ca4が表示される。また、マップ画面Sc1では、その画面の下方において、キャラクタCa1〜Ca4の各々について順位と所持スター数と所持コイン数とが表示される。移動量決定画面Sc2では、キャラクタCa1〜Ca4の各々についてダイスD1〜D4が表示される。Ca1〜Ca4のいずれかが操作対象のプレイヤキャラクタであり、他が、他のゲーム装置1で操作されているプレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタを表している。
図4の例では、Ca4が操作対象のプレイヤキャラクタである。
【0038】
マップ画面Sc1と移動量決定画面Sc2とを表示部13に表示させると、制御部11は移動量決定処理を実行する(ステップS3)。
図5は、この移動量決定処理の一例を示すフローチャートである。移動量決定処理は複数のキャラクタの各々について並行して実行される。
【0039】
制御部11は、対象のキャラクタについてアイテムが使用されたか否かを判断する(ステップS31)。この判断の結果、アイテムが使用されていない場合には(ステップS31のNO)、制御部11は乱数を生成して、移動するマス数を決定する(ステップS32)。一方、この判断の結果、アイテムが使用された場合には(ステップS31のYES)、制御部11は、使用されたアイテムの効果を反映して、移動するマス数を決定する(ステップS33)。例えば、対象のキャラクタのダイスの出目に数値を加算するアイテムが使用された場合には、制御部11は乱数を生成し、生成した乱数に当該数値を加算することで、移動するマス数を決定する。そして制御部11は、使用されたアイテムのデータを所持アイテムデータ領域1224から削除する(ステップS34)。
【0040】
移動するマス数を決定後、制御部11は、対象のキャラクタに対して他のキャラクタによりアイテムが使用されたか否かを判断する(ステップS35)。この判断の結果、アイテムが使用されていない場合には(ステップS35のNO)、制御部11は移動量決定処理を終了する。一方、この判断の結果、アイテムが使用された場合には(ステップS35のYES)、使用されたアイテムの効果を考慮して、移動するマス数を減算する。例えば、対象のキャラクタのダイスの出目から数値を減算するアイテムが使用された場合には、制御部11は、決定した移動するマス数から当該数値を減算する(ステップS36)。その後、制御部11は移動量決定処理を終了する。
【0041】
すべてのキャラクタについて移動量決定処理を完了すると、制御部11は移動処理を実行する(ステップS4)。
図6は、この移動処理の一例を示すフローチャートである。移動処理は複数のキャラクタの各々について並行して実行される。
【0042】
制御部11は、対象のキャラクタについて移動ルートが決定されたか否かを判断する(ステップS41)。この判断の結果、移動ルートが決定されていない場合には(ステップS41のNO)、制御部11はステップS41を再度実行する。一方、この判断の結果、移動ルートが決定された場合には(ステップS41のYES)、制御部11は対象のキャラクタを、決定された移動ルートに沿って移動させる(ステップS42)。具体的には、キャラクタ位置データ領域1225に格納される対象のキャラクタの位置データを、移動先の位置を示す位置データに更新する。
【0043】
キャラクタの移動後、制御部11は移動ルート上にコインが存在したか否かについて判断する(ステップS43)。この判断の結果、コインが存在しない場合には(ステップS43のNO)、制御部11はステップS45に進む。一方、この判断の結果、コインが存在した場合には(ステップS43のYES)、制御部11は、移動ルート上に存在したコインの枚数に応じて、所持コインデータ領域1223に格納される対象のキャラクタの所持コイン数を増加させる(ステップS44)。なお、コイン以外にも、アイテムマスに到達することで取得されるアイテムをマス上に配置し、当該マスを通過したキャラクタに当該アイテムを取得させるようにしてもよい。
【0044】
ステップS45において制御部11は、対象のキャラクタが到達したマスがアイテムマスであるか否かを判断する。この判断の結果、対象のキャラクタが到達したマスがアイテムマスでない場合には(ステップS45のNO)、制御部11は移動処理を終了する。一方、この判断の結果、対象のキャラクタが到達したマスがアイテムマスである場合には(ステップS45のYES)、制御部11は、対象のキャラクタに取得させるアイテムをランダムに選択して、選択したアイテムのデータを対象キャラクタと対応付けて所持アイテムデータ領域1224に格納する(ステップS46)。その後、制御部11は移動処理を終了する。なお、制御部11は、キャラクタの移動中は、移動中のアニメーションやアイテム取得のアニメーションを表示部13に表示させる。
【0045】
すべてのキャラクタについて移動処理を完了すると、制御部11は、いずれかのキャラクタがミニゲームマスに到達したか否かを判断する(ステップS5)。この判断の結果、いずれのキャラクタもミニゲームマスに到達していない場合には(ステップS5のNO)、制御部11はステップS2に戻る。一方、この判断の結果、いずれかのキャラクタがミニゲームマスに到達している場合には(ステップS5のYES)、制御部11は遅れ時間決定処理を実行する(ステップS6)。
図7は、この遅れ時間決定処理の一例を示すフローチャートである。遅れ時間決定処理は複数のキャラクタの各々について実行される。
【0046】
制御部11は、対象のキャラクタが現在位置するマスからミニゲームマスまでの距離を特定する(ステップS61)。距離を特定すると、制御部11は、特定した距離に応じて遅れ時間を決定する(ステップ62)。例えば、対象のキャラクタが現在位置するマスからミニゲームマスまでの距離が「0(マス)」の場合は(すなわち、対象のキャラクタがミニゲームマスに到達している場合は)、遅れ時間を「0(秒)」に決定する。別の例として、同距離が「2(マス)」の場合は、遅れ時間を「5(秒)」に決定する。遅れ時間を決定すると、制御部11は遅れ時間決定処理を終了する。
【0047】
すべてのキャラクタについて遅れ時間決定処理を完了すると、制御部11はミニゲーム実行処理を実行する(ステップS7)。
図8は、このミニゲーム実行処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
制御部11はミニゲームを開始する(ステップS71)。その際、制御部11は、上記の遅れ時間決定処理で決定された遅れ時間が「0(秒)」であるキャラクタ(すなわち、ミニゲームマスに到達しているキャラクタ)を参加させてミニゲームを開始する。ゲーム装置1のプレイヤのキャラクタがすでにミニゲームマスに到達している場合には、当該プレイヤは操作部14を操作してミニゲームをプレイする。制御部11はプレイヤの操作に応じてキャラクタを移動させる等のミニゲームの処理を行う。また、制御部11は、ミニゲーム実行画面Sc3と遅れ時間表示画面Sc4とを表示部13に表示させる。
図9は、ミニゲーム実行画面Sc3と遅れ時間表示画面Sc4の一例を示す図である。ミニゲーム実行画面Sc3は例えば上側表示部131に表示され、遅れ時間表示画面Sc4は例えば下側表示部132に表示される。
図9に示す例は、キャラクタCa1及びCa2がミニゲームマスに到達している一方、キャラクタCa3及びCa4がミニゲームマスに到達していない場合を想定している。
【0049】
ミニゲーム実行画面Sc3では、ミニゲームのステージStと、キャラクタCa1及びCa2と、敵キャラクタCa5とが表示される。
図9に例示するミニゲームは、ステージSt内に散在するフルーツFを、敵キャラクタCa5を避けながら拾い集めて自身のカゴBに収集し、カゴBに収集したフルーツFの数を競うゲームである。また、ミニゲーム実行画面Sc3では、その画面の下方において、キャラクタCa1及びCa2の各々について収集したフルーツFの数が表示されている。
【0050】
遅れ時間表示画面Sc4では、平面視したマップMが表示される。マップMを構成するマスにはミニゲームマスCe1が含まれている。また、遅れ時間表示画面Sc4では、キャラクタCa3及びCa4のミニゲーム開始時点の位置を示す2重丸の図形G1及びG2と、キャラクタCa3及びCa4のアイコンP1及びP2とが表示されている。キャラクタCa3の位置を示す図形G1とミニゲームマスCe1とはそれらの最短経路を示す矢印A1により結ばれ、キャラクタCa4の位置を示す図形G2とミニゲームマスCe1とはそれらの最短経路を示す矢印A2により結ばれている。アイコンP1及びP2は、
図10に示すように、時間の経過とともにミニゲームマスCe1に向かって移動する。キャラクタCa3のアイコンP1は、キャラクタCa3の遅れ時間の経過と同時にミニゲームマスCe1に到達するように矢印A1に沿って移動する。キャラクタCa4のアイコンP2は、キャラクタCa4の遅れ時間の経過と同時にミニゲームマスCe1に到達するように矢印A2に沿って移動する。キャラクタCa3及びCa4のアイコンP1及びP2は、遅れているプレイヤが操作ボタンを押下すると遅れ時間が短縮される結果、移動速度が速くなる。
【0051】
ミニゲームを開始すると、制御部11はいずれかのキャラクタについて遅れ時間が経過した否かを判断する(ステップS72)。この判定の結果、いずれのキャラクタについても遅れ時間が経過していない場合には(ステップS72のNO)、制御部11はステップS74に進む。一方、この判定の結果、いずれかのキャラクタについて遅れ時間が経過した場合には(ステップS72のYES)、制御部11は当該遅れ時間が経過したキャラクタをミニゲームに参加させる(ステップS73)。
図11は、遅れ時間の経過後に表示部13に表示されるミニゲーム実行画面Sc5と遅れ時間表示画面Sc6の一例を示す図である。ミニゲーム実行画面Sc5は例えば上側表示部131に表示され、遅れ時間表示画面Sc6は例えば下側表示部132に表示される。
図11に示す例は、キャラクタCa1及びCa2はすでにミニゲームマスに到達しており、キャラクタCa3及びCa4の遅れ時間が経過した場合を想定している。
【0052】
ミニゲーム実行画面Sc5は、ミニゲームのステージStと、キャラクタCa1〜Ca4と、敵キャラクタCa5とを表示している。
図11に例示するミニゲームは、
図9に例示したミニゲームと同様である。また、
図9に示したゲームの状況の続きとなる状況である。また、ミニゲーム実行画面Sc5は、その画面の下方において、キャラクタCa1〜Ca4の各々について収集したフルーツFの数を表示している。
図11に示す例では、
図9に示した例と比較して、キャラクタCa3及びCa4が新たにミニゲームに参加している。一方、キャラクタCa1及びCa2は先にミニゲームを開始していたので、収集したフルーツFの数が多くなっている。
【0053】
遅れ時間表示画面Sc6は、平面視したマップMを表示する。マップMを構成するマスにはミニゲームマスCe1が含まれている。また、遅れ時間表示画面Sc6は、キャラクタCa3及びCa4のミニゲーム開始時点の位置を示す2重丸の図形G1及びG2を表示している。キャラクタCa3の位置を示す図形G1とミニゲームマスCe1とはそれらの最短距離を示す矢印A1により結ばれ、キャラクタCa4の位置を示す図形G2とミニゲームマスCe1とはそれらの最短距離を示す矢印A2により結ばれている。
図11に示す例では、キャラクタCa3及びCa4の経過時間がすでに経過しているため、
図9に示した例とは異なり、キャラクタCa3及びCa4のアイコンP1及びP2を表示していない。
【0054】
ステップS74において制御部11は、まだ遅れ時間が経過していないいずれかのキャラクタについてプレイヤにより操作部14に対して所定の操作が行われたか否かを判断する。例えば、操作ボタンが押下されたか否かを判断する。ゲーム装置1のプレイヤは自身のキャラクタについて未だ遅れ時間が経過していない場合には、遅れ時間を短縮するために操作部14に対して所定の操作を行うことができる。ステップS74の判断の結果、所定の操作が行われていない場合には(ステップS74のNO)、制御部11はステップS76に進む。一方、この判断の結果、所定の操作が行われた場合には(ステップS74のYES)、制御部11は、所定の操作が行われたキャラクタの遅れ時間を短縮する(ステップS75)。
【0055】
ステップS76において制御部11はミニゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。この判断の結果、ミニゲームの終了条件がまだ満たされていない場合には(ステップS76のNO)、制御部11はステップS72に戻る。一方、この判断の結果、ミニゲームの終了条件が満たされた場合には(ステップS76のYES)、制御部11はミニゲームの勝敗判定処理を実行する(ステップS77)。具体的には、ミニゲーム中に各キャラクタにより累積された値同士を比較して最も高い値を累積したキャラクタを特定する。最も高い値を累積したキャラクタを特定すると、制御部11は当該キャラクタに対応付けて所持スターデータ領域1222に格納される所持スターの数を増加させる(ステップS78)。
【0056】
所持スターの数を更新すると、制御部11はミニゲーム回数データ領域1226に格納されるミニゲーム回数データをインクリメントする(ステップS79)。その後、制御部11はミニゲーム実行処理を終了する。
【0057】
ミニゲーム実行処理を完了すると、制御部11は本編のボードゲームの終了条件の判定として、所定回数のミニゲームを実行したか否かを判断する(ステップS8)。例えばミニゲームを3回実行したか否かを判断する。この判断の結果、所定回数のミニゲームを実行していない場合には(ステップS8のNO)、制御部11はステップS2に戻る。この際に、新しいミニゲームマスが設定される。なお、ステップS2が実行される際の各キャラクタの位置は、ミニゲームマスから一斉にリスタートするようにはせずに、ミニゲームの開始時のそれぞれのキャラクタの位置としてもよい。この場合、ミニゲームに遅れて参加したプレイヤも、次のミニゲームマスに近い位置からゲームを続行できる場合があり、戦略性を高めることができる。たとえば、ミニゲームマスに到達することが困難な状況において、次回のミニゲームを有利にするためにあえて今回のミニゲームマスに向かわないルートを選択する等の戦略が成立する。一方、所定回数のミニゲームを実行した場合には(ステップS8のYES)、制御部11はゲームの勝敗判定処理を実行する(ステップS9)。具体的には、所持スターデータ領域1222に格納される各キャラクタの所持スター数を参照して、所持スター数の多い順に各キャラクタの順位を決定し、表示部13に表示させる。勝敗判定処理を完了すると、制御部11はゲーム実行処理を終了する。
【0058】
以上説明したゲーム実行処理では、ミニゲームマスへの到達が遅れたキャラクタはその分ミニゲームに遅れて参加することになる。すなわちマップ上の各キャラクタの位置の違いがミニゲームに反映されることになる。そのためプレイヤはマップ上の移動ルートを考える際にミニゲームのことを考慮する必要がある。すなわちゲームの戦略性が向上する。また、上記ゲームのマップはグリッド状に配列された複数のマスにより構成されており、キャラクタの移動の自由度が高い。そのため、その点によってもゲームの戦略性が向上する。
【0059】
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。下記の変形例は互いに組み合わせて適用されてもよい。
【0060】
2−1.変形例1
ゲーム装置1は据え置き型のゲーム装置であってもよい。ゲーム装置1の記憶部12、表示部13及び操作部14は、ゲーム装置1と別体としてもよい。すなわち上記のゲームプログラム1211は情報処理システムにより実行されてもよい。上記のゲームプログラム1211はゲーム装置1以外にも、スマートフォンやタブレット端末やウェアラブル端末等の情報処理装置により実行されてもよい。
【0061】
2−2.変形例2
上記のゲームのマップはグリッド構造を有するものに限られない。例えば、分かれ道のない一本道のマップであってもよい。別の例として、マス同士が間隔を空けて配置されてもよい。マップを構成するマスの形状及びサイズは必ずしも一律である必要はなく、それぞれ異なってもよい。
【0062】
2−3.変形例3
上記の移動量特定部111は、移動量を特定する際に、ダイスを振るアニメーションに代えて、例えばルーレットを回すアニメーションや、異なる数字の書かれたカードの山からカードを引くアニメーションを表示部13に表示させてもよい。
【0063】
2−4.変形例4
上記の遅れ時間決定部114は、キャラクタの位置からミニゲームマスまでの距離に応じて遅れ時間を決定するのではなく、ミニゲームマスに到達していないすべてのキャラクタについて一律の遅れ時間を設定するようにしてもよい。別の例として、キャラクタの位置からミニゲームマスまでの距離が近い順に順位付けし、順位に応じて所定の遅れ時間を設定するようにしてもよい。その際、順位間の遅れ時間の増分を一定にしてもよい。
【0064】
2−5.変形例5
上記の表示部13は、上側表示部131と下側表示部132のいずれか一方に、ミニゲーム実行画面と遅れ時間表示画面とを同時に表示するようにしてもよい。遅れ時間表示画面は、キャラクタの位置からミニゲームマスまでの距離により遅れ時間を表示するのではなく、グラフや数値により遅れ時間を表示してもよい。遅れ時間表示画面は、キャラクタのアイコンに代えてキャラクタそのものを表示してもよい。
【0065】
2−6.変形例6
上記のゲームプログラム1211は、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介してゲーム装置1に提供されてもよい。ここで記録媒体とは、例えば、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体や、光ディスクなどの光記録媒体や、光磁気記録媒体等である。また、ゲームプログラム1211は、インターネット等のネットワークを介してゲーム装置1に提供されてもよい。