特許第6678085号(P6678085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジーの特許一覧

<>
  • 特許6678085-熱交換器 図000002
  • 特許6678085-熱交換器 図000003
  • 特許6678085-熱交換器 図000004
  • 特許6678085-熱交換器 図000005
  • 特許6678085-熱交換器 図000006
  • 特許6678085-熱交換器 図000007
  • 特許6678085-熱交換器 図000008
  • 特許6678085-熱交換器 図000009
  • 特許6678085-熱交換器 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6678085
(24)【登録日】2020年3月18日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20200330BHJP
   F28F 9/16 20060101ALI20200330BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20200330BHJP
   F25B 39/02 20060101ALI20200330BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20200330BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20200330BHJP
   B23K 101/14 20060101ALN20200330BHJP
   B23K 103/10 20060101ALN20200330BHJP
【FI】
   F28F9/02 301D
   F28F9/16
   F28D1/053 A
   F25B39/02 C
   B60H1/32 613C
   B23K1/00 330K
   B23K101:14
   B23K103:10
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-155337(P2016-155337)
(22)【出願日】2016年8月8日
(65)【公開番号】特開2018-25314(P2018-25314A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2019年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】512025676
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 基之
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0147501(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/017042(WO,A1)
【文献】 特開平9−113175(JP,A)
【文献】 特開2003−214794(JP,A)
【文献】 特開2013−72607(JP,A)
【文献】 特開2016−200331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00 − 9/26
B60H 1/32
F25B 39/00 − 39/04
F28D 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向を同方向に向けた状態で互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コア部とを備えており、ヘッダタンクに、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた状態で通風方向に並んだ風下側ヘッダおよび風上側ヘッダが設けられ、ヘッダタンクが、ヘッダタンクにおける熱交換コア部側のコア内側部分および熱交換コア部とは反対側のコア外側部分のうちいずれか一方を形成する第1タンク部材と、ヘッダタンクにおける前記コア内側部分および前記コア外側部分のうちいずれか他方を形成するとともに、第1タンク部材に固定された第2タンク部材と、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けるとともに幅方向をヘッダタンクの高さ方向に向けた状態でヘッダタンク内における通風方向の中間部に配置され、かつ幅方向の両側縁部が両タンク部材に接合された仕切部材と、ヘッダタンクの両タンク部材の両端部に配置されて両タンク部材に接合されたエンド部材とを備えており、ヘッダタンクにおける仕切部材よりも風下側が風下側ヘッダになるとともに、風上側が風上側ヘッダとなっている熱交換器において、
仕切部材の幅方向の両側縁部に、仕切部材の長手方向に一定の長さを有する複数の突起が仕切部材の長手方向に間隔をおいて設けられ、両タンク部材に、両タンク部材の長手方向に一定の長さを有しかつ仕切部材の突起が嵌め入れられる複数の貫通穴が形成され、仕切部材の一方の第1側縁部の全第1突起が、仕切部材の長手方向同一側の第1端縁およびこれとは反対側の第2端縁を有し、第1突起の第1端縁が仕切部材の第1側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の他方の第2側縁部の全第2突起が、仕切部材の長手方向同一側の第3端縁およびこれとは反対側の第4端縁を有し、第2突起の第3端縁が仕切部材の第2側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の第1突起が第1タンク部材の第1貫通穴内に嵌め入れられるとともに第1突起の第1端縁が当該第1貫通穴の一方の端縁に係合させられ、仕切部材の第2突起が第2タンク部材の第2貫通穴内に嵌め入れられるとともに第2突起の第3端縁が当該第2貫通穴の一方の端縁に係合させられ、両エンド部材に、仕切部材の両タンク部材に対する長手方向の移動を阻止する阻止部が設けられている熱交換器。
【請求項2】
仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の突出端部における仕切部材の長手方向の長さが、第1タンク部材の第1貫通穴のタンク内側端部およびタンク外側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、同じく第1突起の基端部における仕切部材の長手方向の長さが、第1タンク部材の第1貫通穴のタンク内側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の突出端部における仕切部材の長手方向の長さが、第2タンク部材の第2貫通穴のタンク内側端部およびタンク外側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、同じく第2突起の基端部における仕切部材の長手方向の長さが、第2タンク部材の第2貫通穴のタンク内側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下である請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第2端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度、および仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の第4端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度がそれぞれ90度以上である請求項1または2記載の熱交換器。
【請求項4】
仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度をα1、同じく第1突起の第2端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度の補角をα2、第1タンク部材に形成された第1貫通穴における第1突起の第1端縁が係合する端縁と第1タンク部材の内面とのなす角度をα3、同じく第1貫通穴における第1突起の第2端縁側の端縁と第1タンク部材の内面とのなす角度の補角をα4とした場合、α1≧α2、α3≦α4、α1≧α3の関係を満たし、
仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度をβ1、同じく第2突起の第4端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度の補角をβ2、第2タンク部材に形成された第2貫通穴における第2突起の第3端縁が係合する端縁と第2タンク部材の内面とのなす角度をβ3、同じく第2貫通穴における第2突起の第4端縁側の端縁と第2タンク部材の内面とのなす角度の補角をβ4とした場合、β1≧β2、β3≦β4、β1≧β3の関係を満たしている請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
前記α1〜α4および前記β1〜β4が、α1=α2=α3=α4、β1=β2=β3=β4の関係を満たしている請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁および第2端縁、第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁および第4端縁、第1タンク部材に形成された第1貫通穴の両端縁、ならびに第2タンク部材に形成された第2貫通穴の両端縁が、ヘッダタンクの高さ方向に延びる仮想線に対して傾斜しており、前記第1突起の第1端縁および第2端縁と、前記第2突起の第3端縁および第4端縁と、前記第1および第2貫通穴の両端縁とが、前記仮想線に対して同方向に傾斜している請求項4または5記載の熱交換器。
【請求項7】
仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁および第2端縁、第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁および第4端縁、第1タンク部材に形成された第1貫通穴の両端縁、ならびに第2タンク部材に形成された第2貫通穴の両端縁とが、ヘッダタンクの高さ方向に延びる仮想線に対して傾斜しており、前記第1突起の第1端縁および第2端縁と、前記第1貫通穴の両端縁とが前記仮想線に対して同方向に傾斜し、前記第2突起の第3端縁および第4端縁と、前記第2貫通穴の両端縁とが前記仮想線に対して同方向に傾斜し、前記第1突起の第1端縁および第2端縁、ならびに前記第1貫通穴の両端縁と、前記第2突起の第3端縁および第4端縁、ならびに前記第2貫通穴の両端縁とが、前記仮想線に対して異なった方向に傾斜している請求項4または5記載の熱交換器。
【請求項8】
両ヘッダタンクが、両端が開口した筒状のタンク本体を有するとともに、タンク本体の両端開口がエンド部材により閉鎖されており、エンド部材が、タンク本体の両端部に外側から嵌め被せられるキャップ状であり、エンド部材が、外面における両端から一定幅の部分に沿う周壁と、周壁におけるタンク本体の長手方向外側端に設けられた頂壁とよりなり、両エンド部材の頂壁に、仕切部材の両端が当接している請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【請求項9】
両ヘッダタンクが、両端が開口した筒状のタンク本体を有するとともに、タンク本体の両端開口がエンド部材により閉鎖されており、エンド部材が、タンク本体内に嵌め入れられる凹陷部を有し、当該凹陷部の周壁外面が両タンク部材の両ヘッダの内面に沿わされ、両エンド部材の凹陷部の底壁に、仕切部材の両端が当接している請求項1〜7のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンのエバポレータに好適に使用される熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
カーエアコンのエバポレータに用いられる熱交換器として、長手方向を同方向に向けた状態で上下に間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コア部とを備えており、ヘッダタンクに、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた状態で通風方向に並んだ風下側ヘッダおよび風上側ヘッダが設けられ、ヘッダタンクが、両ヘッダにおける熱交換コア部側のコア内側部分および熱交換コア部とは反対側のコア外側部分のうちいずれか一方を形成する2つのヘッダ形成部を有する第1タンク部材と、2つのヘッダにおける前記コア内側部分および前記コア外側部分のうちいずれか他方を形成する2つのヘッダ形成部を有するとともに、第1タンク部材に接合された第2タンク部材と、2つのヘッダの両端部に配置されて両タンク部材に接合されたエンド部材とを備えており、第1タンク部材および第2タンク部材における2つのヘッダ形成部間に、積層状に重なり合う板状部が設けられ、2つの板状部からなる積層部において、積層方向の一端に配置された第1の板状部に設けられた爪が、他の第2の板状部に形成されかつヘッダタンクの長手方向に長い貫通状長穴に通されて折り返されるとともに、第2の板状部の積層方向外面における長穴の長手方向の一端部に係合させられ、この状態で前記ヘッダタンクを構成する複数のタンク部材の板状部どうしがろう材により接合されている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の熱交換器は、一方のタンク部材の第2の板状部に長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた貫通状長穴を形成した後、両タンク部材の板状部を積層し、ついで他方のタンク部材の第1の板状部を打ち抜いて長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた貫通状長穴を形成すると同時に当該貫通穴の一端部に第2の板状部に係合する爪を形成し、これにより両タンク部材を仮止めすることを含む方法によって製造されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器を製造する方法によれば、爪を形成する際に爪にクラックが発生し、爪が折れて2つのタンク部材の仮止め強度が不足するおそれがある。
【0005】
そこで、熱交換器を製造する際の2つのタンク部材の仮止めを強固に行いうる熱交換器の製造方法として、本出願人は、先に、長手方向を同方向に向けた状態で上下に間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コア部とを備えており、少なくともいずれか一方のヘッダタンクが、積層状に重なり合う板状部を有する複数のタンク部材により形成され、複数の板状部からなる積層部において、積層方向の一端に配置された第1の板状部に設けられた爪が、他の板状部に形成されかつヘッダタンクの長手方向に長い貫通状長穴に通されて折り返されるとともに、積層方向の他端に配置された第2の板状部の積層方向外面における長穴の長手方向の両端部分に係合させられ、この状態で複数のタンク部材の板状部どうしがろう付されている熱交換器を製造する方法であって、
前記積層部を構成するすべての板状部のうちの第1の板状部を除いた板状部に、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向け、かつ前記積層部の厚みから第1の板状部の厚みを減じた寸法の2倍以上の長さを有する貫通状長穴を形成すること、
第1の板状部の長穴に臨む爪形成部における隣接する板状部側を向く面の長穴の長手方向一端、または長穴の長手方向一端よりも長穴内側に位置する部分と、同じく長穴の長手方向他端、または長穴の長手方向他端よりも長穴内側に位置する部分とに、それぞれ曲げ用のノッチを形成すること、
第1の板状部の爪形成部における長手方向の中間部を複数の板状部の積層方向の他端側に加圧することにより、爪形成部を長手方向の中央部で破断するとともにノッチの部分で屈曲させて、先端に向かって積層方向の他端側に傾斜した2つの爪形成片をつくり、さらに両爪形成片の先端に爪形成片に対して外側に曲がった屈曲片を形成すること、
すべてのタンク部材の板状部を、第1の板状部を除いた板状部の長穴が合致しかつ第1の板状部の爪形成片が他の板状部の長穴内に位置するように積層すること、
第1の板状部の爪形成片をノッチの部分で積層方向の他端側に曲げることにより、長穴の両端部の内面に密着した爪を形成するとともに爪の先端部を第2の板状部よりも積層方向外方に突出させること、
および第1の板状部の爪における第2の板状部よりも外方に突出した部分を、長穴の長さ方向外側に曲げて折り返し片を形成し、折り返し片を第2の板状部の積層方向外面に係合させて全タンク部材を仮止めすることを含む熱交換器の製造方法を提案した(特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、特許文献2記載の方法の場合、製造工数が増えるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−214794号公報
【特許文献2】特開2013−72607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、製造工数を少なくしうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)長手方向を同方向に向けた状態で互いに間隔をおいて配置された1対のヘッダタンクと、両ヘッダタンク間に設けられた熱交換コア部とを備えており、ヘッダタンクに、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けた状態で通風方向に並んだ風下側ヘッダおよび風上側ヘッダが設けられ、ヘッダタンクが、ヘッダタンクにおける熱交換コア部側のコア内側部分および熱交換コア部とは反対側のコア外側部分のうちいずれか一方を形成する第1タンク部材と、ヘッダタンクにおける前記コア内側部分および前記コア外側部分のうちいずれか他方を形成するとともに、第1タンク部材に固定された第2タンク部材と、長手方向をヘッダタンクの長手方向に向けるとともに幅方向をヘッダタンクの高さ方向に向けた状態でヘッダタンク内における通風方向の中間部に配置され、かつ幅方向の両側縁部が両タンク部材に接合された仕切部材と、ヘッダタンクの両タンク部材の両端部に配置されて両タンク部材に接合されたエンド部材とを備えており、ヘッダタンクにおける仕切部材よりも風下側が風下側ヘッダになるとともに、風上側が風上側ヘッダとなっている熱交換器において、
仕切部材の幅方向の両側縁部に、仕切部材の長手方向に一定の長さを有する複数の突起が仕切部材の長手方向に間隔をおいて設けられ、両タンク部材に、両タンク部材の長手方向に一定の長さを有しかつ仕切部材の突起が嵌め入れられる複数の貫通穴が形成され、仕切部材の一方の第1側縁部の全第1突起が、仕切部材の長手方向同一側の第1端縁およびこれとは反対側の第2端縁を有し、第1突起の第1端縁が仕切部材の第1側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の他方の第2側縁部の全第2突起が、仕切部材の長手方向同一側の第3端縁およびこれとは反対側の第4端縁を有し、第2突起の第3端縁が仕切部材の第2側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の第1突起が第1タンク部材の第1貫通穴内に嵌め入れられるとともに第1突起の第1端縁が当該第1貫通穴の一方の端縁に係合させられ、仕切部材の第2突起が第2タンク部材の第2貫通穴内に嵌め入れられるとともに第2突起の第3端縁が当該第2貫通穴の一方の端縁に係合させられ、両エンド部材に、仕切部材の両タンク部材に対する長手方向の移動を阻止する阻止部が設けられている熱交換器。
【0011】
2)仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の突出端部における仕切部材の長手方向の長さが、第1タンク部材の第1貫通穴のタンク内側端部およびタンク外側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、同じく第1突起の基端部における仕切部材の長手方向の長さが、第1タンク部材の第1貫通穴のタンク内側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の突出端部における仕切部材の長手方向の長さが、第2タンク部材の第2貫通穴のタンク内側端部およびタンク外側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下であり、同じく第2突起の基端部における仕切部材の長手方向の長さが、第2タンク部材の第2貫通穴のタンク内側端部における仕切部材の長手方向の長さ以下である上記1)記載の熱交換器。
【0012】
3)仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第2端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度、および仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の第4端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度がそれぞれ90度以上である上記1)または2)記載の熱交換器。
【0013】
4)仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度をα1、同じく第1突起の第2端縁と仕切部材の第1側縁部とのなす角度の補角をα2、第1タンク部材に形成された第1貫通穴における第1突起の第1端縁が係合する端縁と第1タンク部材の内面とのなす角度をα3、同じく第1貫通穴における第1突起の第2端縁側の端縁と第1タンク部材の内面とのなす角度の補角をα4とした場合、α1≧α2、α3≦α4、α1≧α3の関係を満たし、
仕切部材の第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度をβ1、同じく第2突起の第4端縁と仕切部材の第2側縁部とのなす角度の補角をβ2、第2タンク部材に形成された第2貫通穴における第2突起の第3端縁が係合する端縁と第2タンク部材の内面とのなす角度をβ3、同じく第2貫通穴における第2突起の第4端縁側の端縁と第2タンク部材の内面とのなす角度の補角をβ4とした場合、β1≧β2、β3≦β4、β1≧β3の関係を満たしている上記3)記載の熱交換器。
【0014】
5)前記α1〜α4および前記β1〜β4が、α1=α2=α3=α4、β1=β2=β3=β4の関係を満たしている上記4)記載の熱交換器。
【0015】
6)仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁および第2端縁、第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁および第4端縁、第1タンク部材に形成された第1貫通穴の両端縁、ならびに第2タンク部材に形成された第2貫通穴の両端縁が、ヘッダタンクの高さ方向に延びる仮想線に対して傾斜しており、前記第1突起の第1端縁および第2端縁と、前記第2突起の第3端縁および第4端縁と、前記第1および第2貫通穴の両端縁とが、前記仮想線に対して同方向に傾斜している上記4)または5)記載の熱交換器。
【0016】
7)仕切部材の第1側縁部に設けられた第1突起の第1端縁および第2端縁、第2側縁部に設けられた第2突起の第3端縁および第4端縁、第1タンク部材に形成された第1貫通穴の両端縁、ならびに第2タンク部材に形成された第2貫通穴の両端縁とが、ヘッダタンクの高さ方向に延びる仮想線に対して傾斜しており、前記第1突起の第1端縁および第2端縁と、前記第1貫通穴の両端縁とが前記仮想線に対して同方向に傾斜し、前記第2突起の第3端縁および第4端縁と、前記第2貫通穴の両端縁とが前記仮想線に対して同方向に傾斜し、前記第1突起の第1端縁および第2端縁、ならびに前記第1貫通穴の両端縁と、前記第2突起の第3端縁および第4端縁、ならびに前記第2貫通穴の両端縁とが、前記仮想線に対して異なった方向に傾斜している上記4)または5)記載の熱交換器。
【0017】
8)両ヘッダタンクが、両端が開口した筒状のタンク本体を有するとともに、タンク本体の両端開口がエンド部材により閉鎖されており、エンド部材が、タンク本体の両端部に外側から嵌め被せられるキャップ状であり、エンド部材が、外面における両端から一定幅の部分に沿う周壁と、周壁におけるタンク本体の長手方向外側端に設けられた頂壁とよりなり、両エンド部材の頂壁に、仕切部材の両端が当接している上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【0018】
9)両ヘッダタンクが、両端が開口した筒状のタンク本体を有するとともに、タンク本体の両端開口がエンド部材により閉鎖されており、エンド部材が、タンク本体内に嵌め入れられる凹陷部を有し、当該凹陷部の周壁外面が両タンク部材の両ヘッダの内面に沿わされ、両エンド部材の凹陷部の底壁に、仕切部材の両端が当接している上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の熱交換器。
【発明の効果】
【0019】
上記1)〜9)の熱交換器によれば、仕切部材の幅方向の両側縁部に、仕切部材の長手方向に一定の長さを有する複数の突起が仕切部材の長手方向に間隔をおいて設けられ、両タンク部材に、両タンク部材の長手方向に一定の長さを有しかつ仕切部材の突起が嵌め入れられる複数の貫通穴が形成され、仕切部材の一方の第1側縁部の全第1突起が、仕切部材の長手方向同一側の第1端縁およびこれとは反対側の第2端縁を有し、第1突起の第1端縁が仕切部材の第1側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の他方の第2側縁部の全第2突起が、仕切部材の長手方向同一側の第3端縁およびこれとは反対側の第4端縁を有し、第2突起の第3端縁が仕切部材の第2側縁部に対して鋭角をなしており、仕切部材の第1突起が第1タンク部材の第1貫通穴内に嵌め入れられるとともに第1突起の第1端縁が当該第1貫通穴の一方の端縁に係合させられ、仕切部材の第2突起が第2タンク部材の第2貫通穴内に嵌め入れられるとともに第2突起の第3端縁が当該第2貫通穴の一方の端縁に係合させられ、両エンド部材に、仕切部材の両タンク部材に対する長手方向の移動を阻止する阻止部が設けられているので、熱交換器の製造時に、両タンク部材と仕切部材とエンド部材とを組み合わせた際に、仕切部材の第1突起の第1端縁が第1貫通穴の一方の端縁に係合させられるとともに、仕切部材の第2突起の第3端縁が第2貫通穴の一方の端縁に係合させられた状態で、エンド部材の阻止部により仕切部材の両タンク部材に対する長手方向の移動が阻止される。したがって、仕切部材の第1突起および第2突起が、第1タンク部材の第1貫通穴および第2タンク部材の第2貫通穴から抜けることが防止され、両タンク部材、仕切部材および両エンド部材が仮止めされる。その結果、仮止めのための工数が、特許文献2記載の熱交換器に比べて少なくなる。
【0020】
上記2)〜5)の熱交換器によれば、仕切部材の第1突起および第2突起を、第1タンク部材の第1貫通穴および第2タンク部材の第2貫通穴内に嵌め入れる作業を簡単に行うことができる。
【0021】
上記6)の熱交換器によれば、上記5)の条件を満たす場合、仕切部材の両側縁部の全突起を、同時に両タンク部材の貫通穴に嵌め入れることが可能になり、仮止めのための工数が一層少なくなる。
【0022】
上記8)および9)の熱交換器によれば、比較的簡単の構成でエンド部材に阻止部を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明よる熱交換器を適用したエバポレータの全体構成を示す一部を省略した斜視図である。
図2図1のA−A線拡大断面図である。
図3図1のエバポレータの上ヘッダタンクの左端寄りの部分を示す図2のB−B線断面に相当する一部を省略した垂直断面図である。
図4図3の上ヘッダタンクの左端寄りの部分を示す分解斜視図である。
図5図3の一部分に相当する部分を拡大して示す分解図である。
図6図3の上ヘッダタンクの第1タンク部材と第2タンク部材と仕切部材とを組み合わせる方法を示す図3相当の図である。
図7図1のエバポレータの上ヘッダタンクにおけるエンド部材の変形例を示す図4相当の分解斜視図である。
図8図1のエバポレータの上ヘッダタンクの変形例を示す図3相当の図である。
図9図8の上ヘッダタンクの第1タンク部材と第2タンク部材と仕切部材とを組み合わせる方法を示す図6相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態は、この発明による熱交換器を、カーエアコンのエバポレータに適用したものである。
【0025】
以下の説明において、隣接する熱交換管どうしの間の通風間隙を流れる空気の下流側(図1および図2に矢印Xで示す方向)を前、これと反対側を後といい、同じく下流側から上流側を見た際の上下、左右(図1の上下、左右)を上下、左右というものとする。
【0026】
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0027】
図1はエバポレータの全体構成を示し、図2図5図1のエバポレータの要部の構成を示す。また、図6図1のエバポレータを製造する際のヘッダタンクの第1タンク部材と第2タンク部材とを組み合わせる方法を示す。
【0028】
図1および図2において、エバポレータ(1)は、長手方向を左右方向に向けるとともに幅方向を前後方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置されたアルミニウム製上ヘッダタンク(2)およびアルミニウム製下ヘッダタンク(3)と、両ヘッダタンク(2)(3)間に設けられた熱交換コア部(4)とを備えている。
【0029】
上ヘッダタンク(2)は、前側(通風方向下流側)に位置しかつ長手方向を左右方向に向けた風下側上ヘッダ(5)と、後側に位置しかつ長手方向を左右方向に向けた風上側上ヘッダ(6)とを備えており、風下側上ヘッダ(5)の右端部に冷媒入口(7)が設けられ、風上側上ヘッダ(6)の右端部に冷媒出口(8)が設けられている。下ヘッダタンク(3)は、前側に位置しかつ長手方向を左右方向に向けた風下側下ヘッダ(9)と、後側に位置しかつ長手方向を左右方向に向けた風上側下ヘッダ(11)とを備えている。
【0030】
熱交換コア部(4)には、長手方向を上下方向に向けるとともに幅方向を通風方向に向けた状態で左右方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換チューブ(12)からなり、かつ通風方向に並んだ風下側チューブ列(13A)および風上側チューブ列(13B)が設けられている。風下側チューブ列(13A)の熱交換チューブ(12)の上下両端部は、風下側上ヘッダ(5)および風下側下ヘッダ(9)に接続され、風上側チューブ列(13B)の熱交換チューブ(12)の上下両端部は、風上側上ヘッダ(6)および風上側下ヘッダ(11)に接続されている。
【0031】
両チューブ列(13A)(13B)の左右方向に隣接する熱交換チューブ(12)どうしの間の通風間隙および左右両端の熱交換チューブ(12)の外側に、それぞれ両チューブ列(13A)(13B)の熱交換チューブ(12)に跨って共有されるようにアルミニウム製コルゲートフィン(14)が配置されて両熱交換チューブ(12)にろう材により接合され、左右両端のコルゲートフィン(14)の外側にそれぞれアルミニウム製サイドプレート(15)が配置されてコルゲートフィン(14)にろう材により接合されている。左右両端の熱交換チューブ(12)とサイドプレート(15)との間も通風間隙となっている。以下、ろう材による接合をろう付というものとする。
【0032】
図1図4に示すように、上ヘッダタンク(2)は、上ヘッダタンク(2)における熱交換コア部(4)側のコア内側部分(下側部分)および熱交換コア部(4)とは反対側のコア外側部分(上側部分)のうちいずれか一方、ここではコア内側部分を形成するアルミニウム製第1タンク部材(16)と、上ヘッダタンク(2)における前記コア内側部分および前記コア外側部分のうちいずれか他方、ここではコア外側部分を形成しかつ第1タンク部材(16)にろう付されたアルミニウム製第2タンク部材(17)と、長手方向を左右方向に向けるとともに幅方向を上下方向(ヘッダタンク(2)(3)の高さ方向)に向けた状態で上ヘッダタンク(2)内における通風方向の中央部に配置され、かつ幅方向の上下両側縁部が両タンク部材(16)(17)にろう付されたアルミニウム製帯板状仕切部材(18)と、上ヘッダタンク(2)の両タンク部材(16)(17)の左右両端部に配置されて両タンク部材(16)(17)にろう付されたエンド部材(19)(21)とを備えている。そして、上ヘッダタンク(2)における仕切部材(18)よりも前側(風下側)部分が風下側上ヘッダ(5)となり、同じく後側部分が風上側上ヘッダ(6)となっている。なお、上記とは逆に、上ヘッダタンク(2)におけるコア外側部分を形成するタンク部材が第1タンク部材となり、同じくコア内側部分を形成するタンク部材が第2タンク部材となる場合がある。
【0033】
上ヘッダタンク(2)は、両端が開口した筒状のタンク本体(22)を有するとともに、タンク本体(22)の両端開口がエンド部材(19)(21)により閉鎖されており、第1タンク部材(16)がタンク本体(22)の下側部分を形成し、第2タンク部材(17)がタンク本体(22)の上側部分を形成する。
【0034】
第1タンク部材(16)は、風下側壁(16a)、風上側壁(16b)、および両側壁(16a)(16b)における第2タンク部材(17)とは反対側の端部(下端部)どうしを連結する連結壁(16c)からなるとともに第2タンク部材(17)側(上側)に開口した略U字状である。第1タンク部材(16)の連結壁(16c)における前後方向の中央部には、左右方向に長い複数の第1貫通穴(23)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第1貫通穴(23)は、左側の第1端縁(23a)と右側の第2端縁(23b)とを有している。第1貫通穴(23)の第1端縁(23a)と第1タンク部材(16)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(上面)とは鋭角をなしている。第1貫通穴(23)の第2端縁(23a)と第1タンク部材(16)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(上面)とは90度以上の角度をなしている。第1タンク部材(16)は、仕切部材(18)の厚み方向の中心を通る垂直面を対称中心として面対称となっている(図2参照)。また、第1タンク部材(16)の連結壁(16c)における前側部分および後側部分には、それぞれ長手方向を前後方向に向けた複数のチューブ穴(24)が左右方向に間隔をおいて形成され、両チューブ列(13A)(13B)の熱交換チューブ(12)の上端部がチューブ穴(24)に通されて連結壁(16c)にろう付されている。
【0035】
第2タンク部材(17)は、風下側壁(17a)、風上側壁(17b)、および両側壁(17a)(17b)における第1タンク部材(16)とは反対側の端部(上端部)どうしを連結する連結壁(17c)からなるとともに第1タンク部材(16)側(下側)に開口した略U字状であり、両側壁(17a)(17b)の下端寄りの部分が、第1タンク部材(16)の両側壁(16a)(16b)の上端寄りの部分の内面に接した状態でろう付されている。第2タンク部材(17)の連結壁(17c)における前後方向の中央部には、左右方向に長い第2貫通穴(25)が左右方向に間隔をおいて形成されている。第2貫通穴(25)は、右側の第3端縁(25a)と左側の第4端縁(25b)とを有している。第2貫通穴(25)の第3端縁(25a)と第2タンク部材(17)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(下面)とは鋭角をなしている。第2貫通穴(25)の第4端縁(25b)と第2タンク部材(17)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(下面)とは90度以上の角度をなしている。第2タンク部材(17)は、仕切部材(18)の厚み方向の中心を通る垂直面を対称中心として面対称となっている(図2参照)。
【0036】
なお、第1および第2タンク部材(16)(17)は、両面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートにプレス加工を施すことにより形成されている。
【0037】
仕切部材(18)の下側の第1側縁部(18a)には、左右方向に長くなっているとともに下方に突出した複数の第1突起(26)が左右方向に間隔をおいて設けられている。仕切部材(18)の上側の第2側縁部(18b)には、左右方向に長くなっているとともに上方に突出した複数の第2突起(27)が左右方向に間隔をおいて設けられている。
【0038】
仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の全第1突起(26)は、仕切部材(18)の長手方向同一側(左側)の第1端縁(26a)およびこれとは反対側(右側)の第2端縁(26b)を有しており、第1突起(26)の第1端縁(26a)は第1側縁部(18a)に対して鋭角をなしている。仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)は、仕切部材(18)の長手方向同一側(右側)の第3端縁(27a)およびこれとは反対側(左側)の第4端縁(27b)を有しており、第2突起(27)の第3端縁(27a)は第2側縁部(18b)に対して鋭角をなしている。また、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(26)の第2端縁(26b)と第1側縁部(18a)とのなす角度、および仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)の第4端縁(27b)と第2側縁部(18b)とのなす角度はそれぞれ90度以上であることが好ましい。
【0039】
仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(26)は第1タンク部材(16)の第1貫通穴(23)内に嵌め入れられており、第1突起(26)の第1端縁(26a)が第1貫通穴(23)の左側の第1端縁(23a)に係合させられている。仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)は第2タンク部材(17)の第2貫通穴(25)内に嵌め入れられており、第2突起(27)の第3端縁(27a)が第2貫通穴(25)の右側の第3端縁(25a)に係合させられている。
【0040】
この実施形態においては、仕切部材(18)の両側縁部(18a)(18b)の全突起(26)(27)の両端縁(26a)(26b)(27a)(27b)、および両タンク部材(16)(17)の全貫通穴(23)(25)の両端縁(23a)(23b)(25a)(25b)は、それぞれ上ヘッダタンク(2)の高さ方向(上下方向)にのびる垂直仮想線に対して、上方に向かって左右いずれか一方、ここでは右方に傾斜するとともに互いに平行となっている。また、全突起(26)(27)の両端縁(26a)(26b)(27a)(27b)の前記垂直仮想線に対する傾斜角度は、両タンク部材(16)(17)の両貫通穴(23)(25)の両端縁(23a)(23b)(25a)(25b)の前記垂直仮想線に対する傾斜角度と同じであり、両貫通穴(23)(25)内にぴったりと嵌っている。
【0041】
ここで、図5に示すように、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(26)の突出端部(下端部)の左右方向の長さ(L1)は、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(23)の上ヘッダタンク(2)内側端部(上端部)の左右方向の長さ(L3)および上ヘッダタンク(2)外側端部(下端部)の左右方向の長さ(L4)以下であり、同じく第1突起(26)の基端部(上端部)の左右方向の長さ(L2)は、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(23)の上ヘッダタンク(2)内側端部(上端部)の左右方向の長さ(L3)以下であることが好ましい。また、仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)の突出端部(上端部)の左右方向の長さ(L5)は、第2タンク部材(17)の第2貫通穴(25)の上ヘッダタンク(2)内側端部(下端部)の左右方向の長さ(L7)および上ヘッダタンク(2)外側端部(上端部)の左右方向の長さ(L8)以下であり、同じく第2突起(27)の基端部(下端部)の左右方向の長さ(L6)は、第2タンク部材(17)の第2貫通穴(25)の上ヘッダタンク(2)内側端部(下端部)の左右方向の長さ(L7)以下であることが好ましい。
【0042】
また、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(26)の第1端縁(26a)と第1側縁部(18a)とのなす角度をα1、同じく第1突起(26)の第2端縁(26b)と仕切部材(18)の第1側縁部(18a)とのなす角度の補角をα2、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(23)における第1突起(26)の第1端縁(26a)が係合する第1端縁(23a)と第1タンク部材(16)の内面(上面)とのなす角度をα3、同じく第1貫通穴(23)の第2端縁(23b)と第1タンク部材(16)の内面とのなす角度の補角をα4とした場合、α1≧α2、α3≦α4、α1≧α3の関係を満たしいることが好ましい。
【0043】
さらに、仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)の第3端縁(27a)と第2側縁部(18b)とのなす角度をβ1、同じく第2突起(27)の第4端縁(27b)と第2側縁部(18b)とのなす角度の補角をβ2、第2タンク部材(17)の第2貫通穴(25)における第2突起(27)の第3端縁(27a)が係合する第3端縁(25a)と第2タンク部材(17)の内面(下面)とのなす角度をβ3、同じく第2貫通穴(25)の第4端縁(25b)と第2タンク部材(17)の内面とのなす角度の補角をβ4とした場合、β1≧β2、β3≦β4、β1≧β3の関係を満たしていることが好ましい。
【0044】
この実施形態においては、前記α1〜α4および前記β1〜β4が、α1=α2=α3=α4、β1=β2=β3=β4の関係を満たしている。
【0045】
上ヘッダタンク(2)の右側エンド部材(19)および左側エンド部材(21)は、それぞれタンク本体(22)の端部に外側から嵌め被せられるキャップ状であり、エンド部材(19)(21)は、タンク本体(22)の外面に沿う周壁(19a)(21a)と周壁(19a)(21a)の右端開口を塞ぐ頂壁(19b)(21b)とを有しており、仕切部材(18)の両端部が両エンド部材(19)(21)の頂壁(19b)(21b)に当接している。そして、両エンド部材(19)(21)と、両タンク部材(16)(17)および仕切部材(18)とがろう付されている。両エンド部材(19)(21)の頂壁(19b)(21b)が、仕切部材(18)と両タンク部材(16)(17)の長手方向(左右方向)への相対的移動を阻止する阻止部となっている。右側エンド部材(19)の頂壁(19b)に、風下側上ヘッダ(5)内に通じる冷媒入口(7)と、風上側上ヘッダ(6)内に通じる冷媒出口(8)とが設けられている。
【0046】
下ヘッダタンク(3)を形成する部材は、右側エンド部材(28)を除いては上ヘッダタンク(2)を形成する部材と同じであり、同一部分には同一符号を付す。すなわち、下ヘッダタンク(3)のタンク本体(22)における熱交換コア部(4)側のコア内側部分(上側部分)および熱交換コア部(4)とは反対側のコア外側部分(下側部分)のうちいずれか一方、ここではコア内側部分を形成するアルミニウム製第1タンク部材(16)と、下ヘッダタンク(3)のタンク本体(22)における前記コア内側部分および前記コア外側部分のうちいずれか他方、ここではコア外側部分を形成しかつ第1タンク部材(16)にろう付されたアルミニウム製第2タンク部材(17)と、長手方向を左右方向に向けるとともに幅方向を上下方向(ヘッダタンク(2)(3)の高さ方向)に向けた状態で下ヘッダタンク(3)内における通風方向の中央部に配置され、かつ幅方向の両側縁部が両タンク部材(16)(17)にろう付されたアルミニウム製帯板状仕切部材(18)と、下ヘッダタンク(3)の両タンク部材(16)(17)の左右両端部に配置されて両タンク部材(16)(17)にろう付されたエンド部材(21)(28)とを備えている。右側エンド部材(28)は、タンク本体(22)の端部に外側から嵌め被せられるキャップ状であり、エンド部材(28)は、タンク本体(22)の外面に沿う周壁(28a)と周壁(28a)の右端開口を塞ぐ頂壁(28b)とを有しており、仕切部材(18)の右端部が右側エンド部材(28)の頂壁(28b)に当接している。右側エンド部材(28)の頂壁(28b)には冷媒入口および冷媒出口は設けられていない。そして、右側エンド部材(28)と、両タンク部材(16)(17)および仕切部材(18)とがろう付されている。右側エンド部材(28)においては、頂壁(19b)(21b)が、仕切部材(18)と両タンク部材(16)(17)の長手方向(左右方向)への相対的移動を阻止する阻止部となっている。
【0047】
下ヘッダタンク(3)の第1タンク部材(16)および第2タンク部材(17)は、上ヘッダタンク(2)の第1タンク部材(16)および第2タンク部材(17)と同じ構成であり、両ヘッダタンク(2)(3)の第1タンク部材(16)どうしおよび第2タンク部材(17)どうしは、熱交換コア部(4)の上下方向の中心を通る水平面を対称中心として面対称となっている
【0048】
上述したエバポレータ(1)は、すべての部品を組み付けた後仮止めし、炉内で全部品を一括してろう付することにより製造される。
【0049】
次に、エバポレータ(1)を製造する方法の中で、両ヘッダタンク(2)(3)を構成する第1および第2タンク部材(16)(17)と仕切部材(18)とエンド部材(19)(21)(28)とを仮止めする方法について、図6を参照して説明する。
【0050】
まず、第1および第2タンク部材(16)(17)と仕切部材(18)とを、図6に示すように、第1タンク部材(16)が、仕切部材(18)よりも下方でかつ左側に位置するとともに、第2タンク部材(17)が、仕切部材(18)よりも上方でかつ右側に位置するように配置する。ついで、第1タンク部材(16)を仕切部材(18)に対して上方にかつ右方に移動させることにより、仕切部材(18)の下縁部の第1突起(26)を第1タンク部材(16)の連結壁(16c)の第1貫通穴(23)内に嵌め入れるとともに、第2タンク部材(17)を仕切部材(18)に対して下方にかつ左方に移動させることにより、仕切部材(18)の上縁部の第2突起(27)を第2タンク部材(17)の連結壁(17c)の第2貫通穴(25)内に嵌め入れ、第1突起(26)の第1端縁(26a)を第1貫通穴(23)の第1端縁(23a)に係合させ、第2突起(27)の第3端縁(27a)を第2貫通穴(25)の第3端縁(25a)に係合させる。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)の両タンク部材(16)(17)および仕切部材の組み合わせ体をつくる。
【0051】
その後、上ヘッダタンク(2)の場合には、両タンク部材(16)(17)からなるタンク本体(22)の両端部にキャップ状の両エンド部材(19)(21)を外側から嵌め被せ、下ヘッダタンク(3)の場合には、両タンク部材(16)(17)からなるタンク本体(22)の両端部にキャップ状の両エンド部材(21)(28)を外側から嵌め被せ、仕切部材(18)の両端を両エンド部材(19)(21)(28)の頂壁(19b)(21b)(28b)に当接させる。すると、両ヘッダタンク(2)(3)の第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)、仕切部材(18)およびエンド部材(19)(21)(28)が組み合わされて仮止めされる。第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)、仕切部材(18)およびエンド部材(19)(21)(28)の組み合わせ体において、エンド部材(19)(21)(28)の頂壁(19b)(21b)(28b)働きにより、第1および第2タンク部材(16)(17)と仕切部材(18)との左右方向への相対的移動が阻止され、第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)および仕切部材(18)の仮止めを強固に行うことができる。
【0052】
図7はエンド部材の変形例を示す。なお、図7は、エンド部材を上ヘッダタンク(2)の左端部に用いた場合を示している。
【0053】
図7に示すエンド部材(30)は、上ヘッダタンク(2)のタンク本体(22)内に嵌め入れられる凹陷部(31)を有しており、凹陷部(31)の周壁(31a)外面がタンク本体(22)の内面に沿わされ、凹陷部(31)の底壁(31b)に仕切部材(18)の両端部が当接するようになっている。したがって、凹陷部(31)の底壁(31b)が、仕切部材(18)と両タンク部材(16)(17)の長手方向(左右方向)への相対的移動を阻止する阻止部となっている。
【0054】
なお、図7に示すエンド部材(30)を、上ヘッダタンク(2)の右端部に用いる場合、凹陷部(31)の底壁(31b)に、風下側上ヘッダ(5)内に通じる冷媒入口と、風上側上ヘッダ(6)内に通じる冷媒出口とが設けられる。
【0055】
図8は上ヘッダタンクの変形例を示す。
【0056】
図8に示す上ヘッダタンク(40)の場合、第1タンク部材(16)の連結壁(16c)における前後方向の中央部に左右方向に間隔をおいて形成された左右方向に長い複数の第1貫通穴(41)は、右側の第1端縁(41a)と左側の第2端縁(41b)とを有している。第1貫通穴(41)の第1端縁(41a)と第1タンク部材(16)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(上面)とは鋭角をなしている。第1貫通穴(23)の左側の第2端縁(41b)と第1タンク部材(16)における上ヘッダタンク(2)内側を向いた面(上面)とは90度以上の角度をなしている。
【0057】
仕切部材(18)の下側の第1側縁部(18a)には、左右方向に長くなっているとともに下方に突出した複数の第1突起(43)が左右方向に間隔をおいて設けられている。仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の全第1突起(43)は、仕切部材(18)の長手方向同一側(右側)の第1端縁(43a)およびこれとは反対側(左側)の第2端縁(43b)を有しており、第1突起(43)の第1端縁(43a)は第1側縁部(18a)に対して鋭角をなしている。また、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(43)の第2端縁(43b)と第1側縁部(18a)とのなす角度は90度以上であることが好ましい。
【0058】
そして、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(43)の両端縁(43a)(43b)、および第1タンク部材(16)の第1貫通穴(41)の両端縁(41a)(41b)は、上ヘッダタンク(2)の高さ方向(上下方向)にのびる垂直仮想線に対して、上方に向かって左右いずれか一方、ここでは左方に傾斜するとともに互いに平行となっている。全突起(43)の両端縁(43a)(43b)の前記垂直仮想線に対する傾斜角度は、第1タンク部材(16)の貫通穴(41)の両端縁(41a)(41b)の前記垂直仮想線に対する傾斜角度と同じであり、貫通穴(41)内にぴったりと嵌っている。したがって、第1タンク部材(16)の貫通穴(41)の両端縁(41a)(41b)および仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(43)の両端縁(43a)(43b)と、第2タンク部材(17)の貫通穴(25)の両端縁(25a)(25b)および仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)の両端縁(27a)(27b)とは、前記垂直仮想線に対して異なった方向に傾斜している。
【0059】
ここで、第1突起(43)の突出端部(下端部)の左右方向の長さと、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(41)の上ヘッダタンク(2)内側端部(上端部)および外側端部(下端部)の左右方向の長さとの関係、同じく第1突起(43)の基端部(上端部)の左右方向の長さと、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(41)の上ヘッダタンク(2)内側端部(上端部)の左右方向の長さとの関係は、上述した実施形態の第1突起(26)と第1貫通穴(23)の場合と同じである。さらに、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(43)の第1端縁(43a)と第1側縁部(18a)とのなす角度と、第1突起(43)の第2端縁(43b)と仕切部材(18)の第1側縁部(18a)とのなす角度の補角と、第1タンク部材(16)の第1貫通穴(41)における第1突起(43)の第1端縁(43a)が係合する第1端縁(41a)と第1タンク部材(16)の内面(上面)とのなす角度と、第1貫通穴(41)の第2端縁(41b)と第1タンク部材(16)の内面とのなす角度の補角との関係は、上述した実施形態の第1突起(26)と第1貫通穴(23)の場合と同じである。
【0060】
図8に示す上ヘッダタンク(40)を構成する第1および第2タンク部材(16)(17)と仕切部材(18)とエンド部材(19)(21)とを仮止めする方法について、図9を参照して説明する。
【0061】
まず、第1および第2タンク部材(16)(17)と仕切部材(18)とを、図9に示すように、第1タンク部材(16)が、仕切部材(18)よりも下方でかつ右側に位置するとともに、第2タンク部材(17)が、仕切部材(18)よりも上方でかつ右側に位置するように配置する。ついで、第1タンク部材(16)を仕切部材(18)に対して上方にかつ左方に移動させることにより、仕切部材(18)の第1側縁部(18a)の第1突起(43)を第1タンク部材(16)の連結壁(16c)の第1貫通穴(41)内に嵌め入れて第1突起(43)の第1端縁(43a)を第1貫通穴(41)の第1端縁(41a)に係合させるとともに、第2タンク部材(17)を仕切部材(18)に対して下方にかつ左方に移動させることにより、仕切部材(18)の第2側縁部(18b)の第2突起(27)を第2タンク部材(17)の連結壁(17c)の第2貫通穴(25)内に嵌め入れて第2突起(27)の第3端縁(27a)を第2貫通穴(25)の第3端縁(25a)に係合させる。こうして、両ヘッダタンク(2)(3)の両タンク部材(16)(17)および仕切部材(18)の組み合わせ体をつくる。
【0062】
その後、両タンク部材(16)(17)からなるタンク本体(22)の両端部にキャップ状の両エンド部材(19)(21)を外側から嵌め被せ、仕切部材(18)の両端を両エンド部材(19)(21)の頂壁(19b)(21b)に当接させる。すると、上ヘッダタンク(2)(3)の第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)、仕切部材(18)およびエンド部材(19)(21)が組み合わされて仮止めされる。第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)、仕切部材(18)およびエンド部材(19)(21)の組み合わせ体において、エンド部材(19)(21)の頂壁(19b)(21b)の働きにより、第1および第2タンク部材(16)(17)に対する仕切部材(18)の左方への相対的移動が阻止され、第1タンク部材(16)、第2タンク部材(17)および仕切部材(18)の仮止めを強固に行うことができる。
【0063】
図8に示す上ヘッダタンク(40)の場合、上下逆向きにして下ヘッダタンクとして用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
この発明による熱交換器は、カーエアコンを構成する冷凍サイクルのエバポレータとして好適に用いられる。
【符号の説明】
【0065】
(1):エバポレータ(熱交換器)
(2)(40):上ヘッダタンク
(3):下ヘッダタンク
(4):熱交換コア部
(5):風下側上ヘッダ
(6):風上側上ヘッダ
(9):風下側下ヘッダ
(11):風上側下ヘッダ
(16):第1タンク部材
(17):第2タンク部材
(18):仕切部材
(18a):第1側縁部
(18b):第2側縁部
(19)(21)(28):エンド部材
(19a)(21a)(28a):周壁
(19b)(21b)(28b):頂壁
(22):タンク本体
(23)(41):第1貫通穴
(23a)(41a):第1端縁
(23b)(41b):第2端縁
(25):第2貫通穴
(25a):第3端縁
(25b):第4端縁
(26)(43):第1突起
(26a)(43a):第1端縁
(26b)(43b):第2端縁
(27):第2突起
(27a):第3端縁
(27b):第4端縁
(30):エンド部材
(31):凹陷部
(31a):周壁
(31b):底壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9