特許第6678498号(P6678498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6678498
(24)【登録日】2020年3月19日
(45)【発行日】2020年4月8日
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/06 20060101AFI20200330BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20200330BHJP
【FI】
   G08B17/06 K
   G08B17/00 K
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-71720(P2016-71720)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-182617(P2017-182617A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松田 大造
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−87190(JP,U)
【文献】 特開平8−293083(JP,A)
【文献】 特開2003−109143(JP,A)
【文献】 特開2013−050928(JP,A)
【文献】 特開2006−024064(JP,A)
【文献】 特開2010−79828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00−17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器を作動させる作動手段を有する本体と、該本体の頂部に設けられ、該火災感知器の少なくとも感知部の周囲を覆う筒状部を有するフードとを備え、試験者が該本体を該火災感知器に向けて支持する支持棒の先端に取り付けて用いる試験装置であって、
前記フードの少なくとも底部の一部又は全部を透光性部材で形成し、直下の試験者から前記透光性部材を介して試験対象の前記火災感知器に備わる作動確認灯までの視線を遮らないように、前記本体の側部に前記透光性部材の直下に突出しない非突出部を設けたことを特徴とする試験装置。
【請求項2】
前記本体をその直下に投影させた形状が略長方形であり、その短辺が前記フードの底部周縁の内側にあることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記フードの外周及び/又は前記本体の外周に、外方に向けて突出させた複数の突起部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に試験装置。
【請求項4】
前記突起部は、弾性体から成り、前記フード及び/又は前記本体に対する衝撃を吸収する突起部を含むことを特徴とする請求項3に記載の試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災感知器用の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物等の施設に設置されて火災に伴う熱や煙等に基づいて火災を感知するスポット型の火災感知器を作動させて試験を行う試験装置がある。このような試験装置には、例えば加熱試験器や加煙試験器が挙げられ、前者は感熱式の火災感知器を加熱して作動させ、後者は煙感知式の火災感知器を作動させるためのエアロゾル、例えば流動パラフィンを含むエアロゾルを火災感知器に噴射して作動させることで各火災感知器の試験を行う。
【0003】
これらの試験装置は、一般に火災感知器を作動させるための熱やエアロゾルを発生させる試験装置本体の頂部にフードを取り付け、これを試験する火災感知器の取付面(例えば天井面)に当接させて火災感知器の周囲を覆う。このように試験対象の火災感知器の周囲を覆って閉鎖空間を形成して熱やエアロゾルを与えることによって、火災感知器を効率よく作動させる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
一方、火災感知器は、一般に、高さの低い略円筒形に形成され、作動したときにその旨を表示する作動表示灯が、あるいは、作動表示灯の発光領域が、火災感知器の周縁部に備わる(例えば特許文献2参照)。試験装置に設けるフードを透明又は半透明の素材で形成すると、この作動確認灯を視認できる。そして、試験装置を用いて火災感知器を試験する試験者は、自らが試験した火災感知器の作動確認灯をフード越しに視認することによって、当該火災感知器の作動を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−118962号公報
【特許文献2】特開平10−111988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の試験装置を用いて火災感知器の直下から試験すると、試験者からは火災感知器が試験装置本体の死角となって作動確認灯を直接視認することができない。このため、一人で試験を行えない場合があり、複数名で試験を行うなどの対応を要した。また、火災感知器が作動した後も、作動確認灯を視認できない試験者が作動したことを認識できずに試験を継続してしまうと、試験装置を無駄に消耗させ、時間を浪費していた。
【0007】
この発明は、上記の事情に鑑み、火災感知器の直下から作動試験を行ったとしても、試験者が作動確認灯を直接視認できる試験装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、火災感知器を作動させる作動手段を有する本体と、該本体の頂部に設けられ、該火災感知器の少なくとも感知部の周囲を覆う筒状部を有するフードとを備え、試験者が該本体を該火災感知器に向けて支持する支持棒の先端に取り付けて用いる試験装置であって、前記フードの少なくとも底部の一部又は全部を透光性部材で形成し、直下の試験者から前記透光性部材を介して試験対象の前記火災感知器に備わる作動確認灯までの視線を遮らないように、前記本体の側部に前記透光性部材の直下に突出しない非突出部を設けたことを特徴とする試験装置である。
【0009】
また、この発明は、前記本体をその直下に投影させた形状が略長方形であり、その短辺が前記フードの底部周縁の内側にあることを特徴とする試験装置である。
【0010】
また、この発明は、前記フードの外周及び/又は前記本体の外周に、外方に向けて突出させた複数の突起部を設けたことを特徴とする試験装置である。
【0011】
また、この発明は、前記突起部は、弾性体から成り、前記フード及び/又は前記本体に対する衝撃を吸収する突起部を含むことを特徴とする試験装置である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、本体の非突出部分の側方に透光性部材の直下に位置する空間が形成される。そして、その空間は、火災感知器の直下の試験者から透光性部材を介して試験対象の火災感知器に備わる作動確認灯までの視線を遮らない。これにより、火災感知器の直下からでも試験者自身が本体の非突出部分の側方の空間と透光性部材とを介して、試験している火災感知器の作動確認灯を視認できる。すなわち、試験者自身が試験中の火災感知器の作動を認識することができる。ひいては、一人で火災感知器の作動試験を行うことができる。
【0013】
したがって、この発明によれば、火災感知器の直下から作動試験を行ったとしても、一人の試験者自身が当該火災感知器の作動確認灯を直接視認できる試験装置を得ることができる。
【0014】
また、この発明によれば、本体を直下に投影させた形状が略長方形のものとし、その短辺側がフードの底部周縁の内側に位置するものとしたことにより、本体の側部の非突出部分の側方に形成される空間を直下の試験者から透光性部材を介して試験対象の火災感知器に備わる作動確認灯までの視線を遮らないようにするのに十分な大きさで確保しながら、本体の容積も十分な大きさで確保することができる。
【0015】
また、この発明によれば、フードの外周及び/又は本体の外周に、外方に向けて突出させた複数の突起部を設けたことにより、それら突起によって試験装置が転がるのを防ぐことができる。例えば、試験装置を床に置いても転がらないようにすることができる。
【0016】
また、この発明によれば、前記の突起部は、弾性体から成り、フード及び/又は本体に対する衝撃を吸収する突起部を含むものとしたことにより、それら弾性体から成る突起部によってフード及び/又は本体に衝撃が及ぶのを防ぐことができる。例えば、試験装置が転倒してもフード及び/又は本体に衝撃が及ぶことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施形態の一例を示し、支持棒の先端に取り付けられた試験装置の概要を示すと共に、天井に取り付けられている火災感知器の直下から作動試験をする際の様子を示した説明図である。
図2】この発明の実施形態の一例を示し、フードの側面及び本体部分における本体短辺側の側壁の側を示した側面図であり、そのフード内部に作動試験をする火災感知器を破線により示したものである。
図3】この発明の実施形態の一例を示し、フードの側面及び本体部分における本体長辺側の側壁の側を示した側面図であり、(a)が側壁に外気の導入口が設けられている側を示したものであり、(b)が側壁に作動状態を示す表示灯等が設けられている側を示したものである。
図4】この発明の実施形態の一例を示し、フード及び本体部分における(a)が上面図、(b)が底面図である。
図5図4(a)の拡大図である。
図6】(a)が図4(a)のA−A線矢視断面図であり、(b)が同断面図の要部拡大図である。
図7図4(a)のB−B線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施形態について、感熱式の火災感知器を加熱して作動試験を行う加熱試験器に適用する場合を例に図1乃至図7に基づいて説明する。なお、この発明は、火災感知器用の種々の作動試験を行う試験装置に適用することができる。すなわち、感熱式の火災感知器用の種々の加熱試験器、例えば、ベンジンを用い、白金を触媒として触媒反応による熱により加熱するもの、熱湯により加熱するタイプ、消石灰の化学反応熱により加熱するもの、電力による駆動されるヒータにより加熱するもの等に適用することができる。さらに、そのような加熱試験器だけでなく、煙感知式の火災感知器用の加煙試験器、例えば、エアロゾルを噴射する加煙試験器に適用することができる。なお、この発明を適用できる試験装置は、上述の加熱試験器や加煙試験器に限るものではなく、作動確認灯を有するスポット型の火災感知器の作動試験を行う試験装置に適用できるものである。
【0019】
先ず、この発明に係る加熱試験器1の構成の概要及び支持棒5の先端に取り付けられた加熱試験器1によって火災感知器Dの作動試験をする際の様子について図1を参照して簡単に説明する。なお、加熱試験器1の試験対象となる火災感知器Dは、感熱式のスポット型火災感知器であり、例えば、定温式スポット型感知器、差動式スポット型感知器、補償式スポット型感知器等である。
【0020】
加熱試験器1は、本体2と、その頂部に設けられたフード3と、本体2を回動可能に軸支するブラケット4とを備え、本体2を火災感知器Dに向けて支持するための支持棒5の先端に取り付けて用いる。そして、例えば、天井面Cに設置される火災感知器Dの作動試験を行う場合、試験者Hは、支持棒5により本体2を火災感知器Dに向けて支持し、フード3により火災感知器Dを覆いながら、その上端を天井面Cに当接させ、その状態で作動試験を行うことになる(図1参照)。フード3は、火災感知器Dの全体を覆うことに代えて、火災感知器Dの感知部の周囲を覆うようにしてもよい。なお、この加熱試験器1によれば、詳細は後記するが、図1に示したような火災感知器Dの直下から作動試験を行う場合でも、試験者Hは火災感知器Dの作動確認灯Lを直接視認することが可能である。
【0021】
次に、この加熱試験器1の構成中、特に本体2及びフード3の構成について詳細に説明する。
【0022】
本体2は、略直方体の形状を成し、内部に火災感知器Dを作動させる作動手段が収納されている。長辺側の両側壁2a,2bには、加熱試験器1の重心より上方に軸着部4c,4dが設けられ、略コ字状のブラケット4の両アーム部4a,4bが軸着部4c,4dにより軸着されている。本体2は、そのブラケット4により短辺方向に沿う軸回りに回動可能に軸支されている。なお、ブラケット4において、4eは支持棒5との接続部であり、その接続部4eに支持棒5の先端が着脱可能に接続されるようになっている(図1及び図2参照)。
【0023】
フード3は、上端が開口した有底の略円筒状の形状を成し、前記の通り、本体2の頂部に設けられており、作動試験の際、その上端を天井面Cに当接させ、その底部3bを有する略円筒状の筒状部3aの内部に火災感知器Dを位置させ、その周囲を覆うことができるようになっている(図1及び図2参照)。ここで、本実施形態の場合、筒状部3aと底部3bとを別々に成形し、両者を接合して成るものとしている。具体的には、底部3bの外周縁に設けた凹溝内に筒状部3aの下部開口縁を嵌入し、それにより両者を接合している(図6及び図7参照)。なお、フード3の形成はこれに限るものではなく、例えば両者を一体成形により形成したものとしてもよい。3cは、筒状部3aの上部開口縁全周に亘るフードカバーである。具体的には、底部3bと同様、筒状部3aとは別に成形され、外周縁に設けた凹溝内に筒状部3aの上部開口縁が嵌入され、それにより筒状部3aと接合されている(図6及び図7参照)。このフードカバー3cの形成はこれに限るものではなく、底部3bと同様、筒状部3aと一体成形により形成したものとしてもよい。
【0024】
そして、本実施形態において、加熱試験器1は、フード3の底部3bを透光性部材(透明又は半透明の部材)により形成したものとしている。具体的には、底部3bの全てを透光性部材として形成したものとしている。また、本体2の側部にフード3の底部3bの直下側に突出しない非突出部を設け、その非突出部分の側方は透光性部材3bの直下に位置し、直下の試験者Hから透光性部材3bを介して試験対象の火災感知器Dの周縁部にその発光領域が備わる作動確認灯Lまでの視線を遮らない空間Sが形成されるものとしている。具体的には、本体2を前記の通り略直方体形状を成すものとし、その長辺側の側壁2a,2bの直下方向に平行な平らな側面部分が前記の非突出部となり、その側方は透光性部材3bの直下に位置し、直下の試験者Hから透光性部材3bを介して作動確認灯Lまでの視線を遮らない空間Sが形成されるものとしている(図1及び図2参照)。
【0025】
したがって、この加熱試験器1によれば、火災感知器Dの直下からでも試験者H自身が本体2の非突出部分の側方の空間Sと透光性部材3bとを介して、試験している火災感知器Dの作動確認灯Lを視認できる。すなわち、試験者H自身が試験中の火災感知器Dの作動を認識することができ、一人でも火災感知器Dの作動試験を行うことができる(図1及び図2参照)。なお、作動確認灯Lが火災感知器Dの周縁部に位置しない場合であっても、作動確認灯Lの発光領域が火災感知器Dの周縁部であって透光性部材3bに対応する位置に一部でも存在すれば、試験者Hが火災感知器の直下に居ても、作動確認灯Lの発光を視認することができる。
【0026】
また、加熱試験器1は、本体2を直下に投影させた形状が略長方形のものとし、その短辺側がフード3の底部3b周縁の内側に位置するものとしている。具体的には、本体2を略直方体状のものとし、その頂部4辺の全てがフード3の底部3b周縁の内側に位置するものとしている(図4b参照)。この加熱試験器1によれば、本体2の前記の非突出部分である側壁2a,2bの側方に形成される空間Sを直下の試験者Hから透光性部材までの視線を遮らないようにするのに十分な大きさで確保しながら、本体2の容積も十分な大きさで確保することができる。
【0027】
さらに、本実施形態の場合、フード3の底部3b外周に、外方に向けて突出し、弾性体(例えばエラストマー)から成る突起部3dが複数設けられている(図4及び図5参照)。これら突起部3dにより、加熱試験器1が転がるのを防ぐことができる。また、これら突起部3dが衝撃を吸収し、加熱試験器1内部に衝撃が及ぶのを防ぐことができる。
【0028】
具体的には、複数の突起部3dは、先端に角を形成する形状で外方に突出するものとしているが、突起部3dの先端が丸みを有するものであってもよい。また、平面視で多角形状を成すように周方向に連続するものとしており、平面視で四角形の4隅の角を略V字状に切り欠いたような形状を成すものとしている(図4及び図5参照)。なお、本実施形態において、複数の突起部3dは、肉抜き部を有し、外力に対して潰れ易く、衝撃を吸収し易い形状のものとしている。
【0029】
さらに、加熱試験器1は、本体2にも弾性体から成る衝撃吸収部材2cが設けられている。衝撃吸収部材2cは、本体2の外形に沿った枠状の形状を成し、本体2の底部に設けられている(図4b参照)。この衝撃吸収部材2cによっても、加熱試験器1内部に衝撃が及ぶのを防ぐことができ、特に本体2内部に衝撃が及ぶのを防ぐことができる。
【0030】
なお、フード3の上部開口縁にはフードカバー3cが設けられているが、フードカバー3cも弾性体から成るものとすることができ、フードカバー3cによっても衝撃を吸収できるようにしてもよい。
【0031】
ここで、フード3の材質についてであるが、少なくとも直下に空間Sを形成する底部3bの一部を透光性部材から成るものとしてもよいが、底部3bの全部を透光性部材から成るものとしてもよい。さらに、筒状部3a、フードカバー3c及び突起部3dを含むフード3の全部を透光性部材から成るものとしてもよく、そのようにすることは、広い方向から作動確認灯を視認することが出来る点で好ましい。また、底部3bを突起部3dと共に透光性部材、かつ弾性体として形成してもよい。その場合、例えば透明又は半透明のシリコーンゴムから成るものとすることができる。フードカバー3cも、同様に例えば透明又は半透明のシリコーンゴムから成るものとすることができる。筒状部3aは、弾性部材とはせずに、例えば透明又は半透明のプラスチックから成るものとすることができる。
【0032】
次に、この加熱試験器1の構成中、特に加熱手段6及び送風手段7の構成について詳細に説明する。
【0033】
加熱試験器1は、熱感知器式の火災感知器Dの作動手段として、加熱手段6及び送風手段7を本体2の内部に備えている。
【0034】
加熱手段6は、両端が開口した筒状の外筒6aと、外筒6aと離間してその内側に収納され、両端部が開口した筒状の耐熱性素材から成る内筒6bと、内筒6bに収納された電熱線から成る発熱体6cとを有している。この加熱手段6において、外筒6aの下方に向かう開口を送入口6d(外筒6aと内筒6bとの間)とすると共に、上方向かう開口を吹出口6f(外筒6aと内筒6bとの間)としている。また、内筒6bの下方に向かう開口を送入口6eとすると共に、上方に向かう開口を吹出口6gとしている(図6b参照)。なお、加熱手段6は、本体2の上部中央部に設けられている。また、本体2の頂部に取り付けられたフード3の底部3bに設けられた底部開口3fに連通すると共に、加熱手段6の内筒及び外筒の吹出口6f,6gと連通する頂部開口2dが設けられている。これにより、加熱手段6の吹出口6f,6g(特に内筒6bの吹出口6g)から吹出される高温風が本体2の頂部開口2d及びフード3の底部開口3fを介してフード3内に吹き出されるようになっている。
【0035】
送風手段7は、外気導入口2eから吸入した空気を加熱手段6の送入口6d,6eに送風し(図6bの矢印A1参照)、その内筒6bの送入口6eから吹出口6gに向けて内筒6内を通過させるように送風する(同矢印A2参照)と共に、外筒6aの送入口6dから吹出口6fに向けて外筒6aと内筒6bとの間を通過させるように送風する(同矢印A3参照)ものとして設けられている。
【0036】
加熱手段6及び送風手段7は、前記のように設けられ、発熱体6cにより加熱されて内筒6bからフード3内に吹き出す高温風を当てることによって火災感知器Dを加熱する。一方、送風手段7が内筒6bと外筒6aとの間に空気を流すことによって、内筒6bの熱が外筒6aに伝わることを抑え、外筒6aから本体2内部への熱放射を抑制するようになっている。
【0037】
したがって、この加熱試験器1によれば、電熱線を熱源とする高温風により火災感知器Dを加熱するので、可燃物を用いることなく、任意のタイミングで繰り返して火災感知器Dの作動試験を行うことができる。また、加熱試験器1内部への熱放射が抑制されるので、本体2内の実装密度を増すことができ、加熱試験器1を小型化することができる。さらに、加熱出力を上げたとしても、例えば作動温度が150℃の補償率方式の火災感知器を作動させられる程度に加熱出力を上げたとしても、本体2内の熱害を防ぐことができ、加熱試験器1に熱による破損が生じるのを防ぐことができる。
【0038】
また、本実施形態において、発熱体6cは、送風手段7による送風方向に離間しながら巻線され、略環状の加熱域R(図5参照)を発生させる発熱体6cの巻線部を有している。
【0039】
これにより、送風手段7から内筒6bの送入口6eへ送風された空気は、略環状の加熱域Rの内周側R’と外周側R’’とを通過し、内筒6bの吹出口6gから環状の高温分布域を有する高温風としてフード3内に吹き出されて火災感知器Dを加熱することになるので、加熱が一点に集中するのを防ぐことができ、火災感知器Dを焦がすのを防ぐことができる。
【0040】
さらに、本実施形態の場合、送風手段7は、加熱手段6の側方に位置し、本体2の側壁2aに沿う向きで本体2内部に設けられ、厚みを薄く形成できる遠心ファンの一例として、ターボファンとしている。また、その遠心ファンである送風手段7は、吸気口7aから吸入した空気を下方に向けて吹き出す吹出口7cを有するものとし、その吹出口7cから吹き出した空気を下方に設けられた通風路8を介して加熱手段6の送入口6d,6eへ送風する(図6b矢印A1参照)ものとしている。
【0041】
これにより、送風手段7を加熱手段6の側方に位置させつつも厚みを薄く形成することによって、本体2の厚みを薄くすることができる。また、加熱手段6及び送風手段7等を本体2の上部に集中させているので、それらの下方にスペースを確保することができ、そのスペースを他の部品や部材の実装スペースとして用いることができる。例えば、後記で詳細に説明するが、加熱手段6及び送風手段7等を駆動する電池電源12の収納スペースとして用いることができる。
【0042】
送風手段7は、吸気口として、本体2の側壁2aに設けられた外気の導入口2eを介して外部の空気を吸入する第1の吸気口7aに加えて、本体2の内部の空気を吸入する第2の吸気口7bを有するものとしてもよい。
【0043】
これにより、本体2の内部の空気を、加熱手段6を介して外部に排出することができ、本体2の内部に熱が溜まるのを防ぎ、これによっても本体2内部の熱害を防ぐことができる。ひいては、本体2の側壁2aに取り付けた送風手段7を、加熱手段6の側方に位置させる場合に近接して設けることができ、本体2の厚みを薄くすることができる。
【0044】
ここで、本実施形態において、送風手段7は、具体的には、厚みの薄い箱状のファンケース7d内に遠心方向に送風をするフィンを収納して成り、その一方の側面が本体2の側壁2aに沿って近接する、あるいは接する配置で設けられている。さらに、ファンケース7dの一方の側面に前記の第1の吸気口7aが外気導入口2e側に向けて開口して設けられ、前記の第2の吸気口7bを設ける場合は、ファンケース7dの他方の側面が加熱手段6側に向けて開口して設けられ、また、底面に前記の排気口7cが前記の通風路8の一方の端部開口である入口8a側に向けて開口して設けられている。上述したように、本実施形態では、厚みを薄く形成できる遠心ファンとしてターボファンを用いているが、これに限るものではなく、他の遠心ファン、例えばシロッコファン等、各種遠心方向に送風をする送風機を用いることができる。
【0045】
また、通風路8は、具体的には、その一方の端部開口である前記の入口8aが送風手段7の前記の排気口7c側に向けて開口して設けられている。なお、通風路8の入口8aが送風手段7の排気口7cに当接して連通するように設けられてもよい。また、通風路8の他方の端部開口である出口8bが加熱手段6の両送入口6d,6e側に向けて開口して設けられている。さらに、通風路8は、全体として略U字状の流路を形成するように設けられており、その流路中に、風向を下方から側方に向かうものへと変更する第1の偏向部8cと、側方から上方に向かうものへと変更する第2の偏向部8dとを有している。それら偏向部8c,8dは、何れも、曲面を成すものとして形成され、空気抵抗を減ずるようにしている。なお、出口8bには、網等の整流手段を設けて、加熱手段6への送風が均等化されるようにしてもよい。
【0046】
加熱手段6は、前記の通り、耐熱素材から成る内筒6bを有しているが、内筒6bは、具体的には、例えばセラミックスや陶器等から成るものとすることができる。また、前記の通り、その内筒6bが収納される外筒6aを有し、その外筒6aと内筒6bとの間に空気を流すことにより、内筒6bと外筒6aとの間に断熱のための気流を発生させ、外筒6aから本体2内部への熱放射が抑制されるようになっている。その外筒6aは、例えばステンレス等の金属素材から成るものとすることができるが、耐熱性の高い樹脂素材から成るものとしてもよいし、断熱素材から成るものとしてもよい。外筒6aを断熱素材で形成することにより、内筒6bからの熱放射を外筒6aでさらに遮り、外筒6aから本体2内部への熱放射をより抑制することができる。
【0047】
加熱手段6において、発熱体6cは、前記の通り、略環状の加熱域Rを発生させる巻線部を有するものとしている。本実施形態の場合、その巻線部は、内筒6bの内壁から離間して配置され、コイル状に巻線されたものとしている。他の態様で巻線されたものとしてもよいが、コイル状に巻線されたものとすることにより、加工が容易であり、前記のような略環状の加熱域Rを発生させる巻線部を容易に得ることができる。
【0048】
さらに、加熱試験器1は、加熱手段6及び送風手段7等を制御するためのプリント回路基板9を本体2の内部に備えている。前記の通り、外筒6aと内筒6bとの間にも送風することにより、外筒6aからの熱放射を抑制することができ、さらには、送風手段7により本体2内部の空気を吸引することによって本体2内部に熱が溜まることを防止できる。したがって、この加熱試験器1にように、本体2内部に加熱手段6を設けるものであっても、本体2の内部に備えたプリント回路基板9への熱害を防ぐことができる。
【0049】
このため、プリント回路基板9は、加熱手段6を挟んで送風手段7とは反対側の側方に設けることができる。すなわち、送風手段7、加熱手段6及びプリント回路基板9の順に、本体2の短辺方向に横に並んで頂部側のスペースへ集中的に設けられているので、本体2内部の下方に大きなスペースを確保することができる。そして、その下部スペースを各種部品、例えば電池電源12等の収納スペースとして使用することができる。
【0050】
また、この加熱試験器1は、前記の通り、本体2内部の部品に対する熱害を防ぐことができるようになっているので、本体2内部に電池電源12等を収納していても、その熱害を防ぐことができる。また、プリント回路基板9は、火災感知器Dを加熱するために中央に配置することが好ましい加熱手段6を挟んで、送風手段7が設けられているのとは反対側の側壁2bに設けられ、あるいは、側壁2bに沿って近接して設けられている。これによっても、本体2の厚みを薄くすることができる。
【0051】
さらに、加熱試験器1は、本体2の頂部に近接センサ10を備え、火災感知器Dとの距離が所定値以下となったときに加熱手段6の発熱体6cに通電して試験を開始するものとし、それ以外のときは通電せず、試験を開始しないものとすることもできる。
【0052】
これにより、加熱試験器1が試験する火災感知器Dへ接近する前に、必要以上に通電することを防止でき、ひいては、電池電源を長持ちさせて繰り返し試験することができる。この近接センサ10が設けられるのも、前記の通り、本体2内部の部品への熱害を防ぐことができるようになっているからである。なお、本実施形態において、近接センサ10は、加熱手段6の側方(本体2の長辺側の側方)に位置して設けられており、本体2の頂部に形成されているセンサ用開口窓2jからセンサ部をフード3の頂部中央側に向けて露出させている。
【0053】
また、加熱試験器1は、その作動状況を表示する表示灯11を備えている。表示灯11は、主電源スイッチ13及び操作スイッチ14と共に、プリント回路基板9が内側に設けられている側の側壁2bの側面上に設けられている。これにより、結線等が必要なプリント回路基板9と表示灯11、主電源スイッチ13及び操作スイッチ14等とを近接させて設けることができ、プリント回路基板9に一体化することができる。
【0054】
さらに、図示は省略するが、加熱手段6の発熱体6cを駆動する電池電源12からの電力の出力を可変とする出力可変手段をさらに備えたものとすることができる。そのような出力可変手段を備えて、試験する火災感知器Dの作動温度に応じて出力の大きさ又は出力上昇率を変えることによって、火災感知器Dが高温作動用の例えば作動温度が150℃の補償率方式定温式感知器であっても、作動可能な出力とすることが可能となる。
【0055】
なお、前記の表示灯11は、近接センサ10の作動状況や前記の出力可変手段の出力状況等を含め、加熱試験器1の各作動状況に応じ、それらを試験者Hが把握可能な態様で表示するものとすることができる。それにより、試験実行中か否か、出力の設定状況等を試験者Hに適切に把握させることができ、操作ミスを防ぎ、火災感知器を焦がす等して破損するのを防ぐことができる。
【0056】
次に、この加熱試験器1の構成中、特に本体2内部の電池電源12について詳細に説明する。
【0057】
加熱試験器1は、感熱式の火災感知器Dの作動手段として、加熱手段6及び送風手段7と共に、それらを駆動する電力を供給するための電池電源12を本体2内部に備えている。
【0058】
これにより、電熱線である発熱体6cを熱源とする高温風により火災感知器Dを加熱するので、可燃物を用いることなく、任意のタイミングで繰り返して火災感知器Dの作動試験を行うことができる。また、外部から本体2を軸支するブラケット4と本体2内部との間に電力を供給する電線が露出することがないので、火災感知器D周囲の障害物があっても、その障害物に電線が引っ掛かることがない。
【0059】
したがって、この加熱試験器1によれば、可燃物を用いることなく、任意のタイミングで繰り返して火災感知器Dの作動試験を行うことができ、また、火災感知器D周囲の障害物に電線が引っ掛かるのを防ぐことができる。
【0060】
また、本実施形態の場合、前記の通り、本体2内部において、加熱手段6の側方には、送風手段7が設けられている。また、プリント回路基板9も設けられている。そして、それら側方に並んで設けられる加熱手段6、送風手段7及びプリント回路基板9と、加熱手段6及び送風手段7の下方に位置し、送風手段7と加熱手段6とを連通させる通風路8との下方に電池電源12が収納されている。
【0061】
これにより、本体2内部の頂部側のスペースに加熱手段6、送風手段7及びプリント回路基板9等の電池電源12以外の部材を集中して配置することができ、その下方の電池電源12を収納するスペースを大きく確保することができ、電池電源12の容量を大きくすることができる。
【0062】
さらに、本実施形態において、本体2の底部に電池電源12を着脱するための開口2fが設けられている。これにより、その底部開口2fから電池電源12を着脱することができ、重力を利用して容易に取り外すことができるので、その作業を容易にすることができる。
【0063】
また、本体2の底部には、底部開口2fを開閉するカバー2gと、電源電池12の脱落を防ぐロック部材2hと、カバー2gを閉状態に保持するロック部材2iとが設けられている。そして、それらカバー2g、電池用ロック部材2hは、互いに協働し、電池電源用ロック部材2hが電池電源12の落下を防ぐロック状態にないとカバー2gが閉じられない機構を構成している。これにより、電池電源用ロック部材2hによって電池電源12を本体2内に確実に収納して固定しない限り、カバー2gを閉じることができないので、電池電源12が不完全に固定されて誤って落下することを防止する。すなわち、フールプルーフの機構を構成している。
【0064】
なお、電池電源12は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム電池等の二次電池とすることができ、それら二次電池の組電池を収納した電池パックとすることができる。電池パックとすることにより、必要に応じて電池電源12を任意かつ容易に交換することができる。
【0065】
以上、この発明の実施形態を図1乃至図7を参照しつつ説明したが、この発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0066】
例えば、加熱手段6と送風手段7と電池電源12とを本体2に収納するものであるが、電力供給用の電線が本体2から外部へ露出することがないように、電池電源12は、加熱手段6および送風手段7と本体2の内部で結線されているようにすることが望ましい。また、送風手段7が内筒6bと外筒6aとの間に空気を流すことによって、内筒6bの熱が外筒6aに伝わることを抑え、外筒6aから本体2内部への熱放射を抑制する熱放射抑制手段を形成しているが、これに限るものではなく、他の方法で熱放射抑制手段を形成するようにしてもよい。このような熱放射抑制手段を備えることにより、本体2の内部の実装密度を増すことができるので、送風手段7を加熱手段6の側方に近接して本体2の上方に設けることができる。そして、このようにすることによって、本体2の下方に電池電源12を収納するスペースを形成することができる。また、電池電源12を着脱するための開口2fは本体2の底部に設けられているが、これに限るものではなく、本体2のどの位置に設けられてもよい。このとき、電池電源用ロック部材2hは電池電源12の脱落を防ぐロック状態にないとカバー2gが閉じられない機構を構成することとなり、電池電源用ロック部材2hによって電池電源12を本体2内に確実に収納して固定しない限り、カバー2gを閉じることができないので、電池電源12が不完全に固定されて誤って脱落することを防止する。 また、略直方体の本体2を下方に投影したときに形成される略長方形の頂部4点の全てが、フード3を下方に投影したときに形成される形状に包含されるようにして、直下の試験者Hから透光性部材3bを介して試験対象の火災感知器Dの周縁部にその発光領域が備わる作動確認灯Lまでの視線を遮らない空間Sが、上記略長方形の4辺の側方に、形成されるようにしてもよい。あるいは、略直方体の本体2を下方に投影したときに形成される略長方形の頂部4点の全てが、フード3を下方に投影したときに形成される形状に包含されない場合であっても、上記略長方形の長辺の一部が、フード3を下方に投影したときに形成される形状の内側に位置するようにして、直下の試験者Hから透光性部材3bを介して試験対象の火災感知器Dの周縁部にその発光領域が備わる作動確認灯Lまでの視線を遮らない空間Sが、上記長辺の側方に形成されるようにしてもよい。また、フード3の外周に設けられる突起部3dは、平面視で多角形状をなすように周方向に連続した形状を成すものとしてもよく、例えば、平面視で四角形の四隅の角を略V字状に切り欠いたような形状を成すものとしてもよい。また、本体2の外周に設けられる衝撃吸収部材2cは、本体2の底部外周に設けられるものとしてもよいし、本体2の外周に沿った枠状の形状をなすものとしてもよいし、エラストマ等の弾性体で形成されたものとしてもよい。フード3の筒状部3aは、上方に拡径するようにしてもよいし、上下方向に収縮自在な蛇腹構造としてもよい。また、フード3は、火災感知器Dの取付面に当接させて閉鎖空間を形成しなくても、火災感知器Dに近接させて、少なくとも火災感知器Dの感知部の周囲を覆うようにしてもよい。また、火災感知器Dが火災をリモートセンシングするタイプ、例えば炎からの放射を検出する炎感知器の場合、フード3は感知部に入射する外部からのノイズ光を遮るだけの部材であってもよい。また、電池電源12は、二次電池でなくとも乾電池等の一次電池であってもよいし、組電池でなくとも個々に収納する複数の電池であってもよいし、燃料電池であってもよい。また、電池電源12は、本体2の内部に収納しなくとも外部に設けてケーブルで接続するようにしてもよいし、支持棒5の内部に収納するようにしてもよい。また、発熱体6cは、コイル状の巻線に限るものではなく、複数層の正多角形に巻線するものであってもよく、電熱線の用いない円筒形の発熱体であってもよい。また、送風手段7は、吸気口から吸入した空気を直角に偏向させて吹き出す吹出口を有する遠心ファンを用いているが、これに限るものではなく、送風方向を偏向しないような軸流ファン等の他のファンであってもよい。また、出力可変手段による出力の変化状況や出力状況や近接センサの作動状況等を含め、試験器の各作動状況に応じ、それらの状況を把握可能な態様で表示する表示灯を備えて、加熱試験器の作動状況を試験者が容易に把握できるようにしてもよい。また、上記出力状況や近接センサの作動状況等を表示する表示灯は兼用するものとしてもよい。また、吹き出す高温風の温度や温度上昇を可変するために、発熱体6cに通電する出力の大きさ又は出力上昇率を可変としているが、発熱体6cへ出力する電圧を可変としてもよいし、発熱体6cへ出力するパルスのレートを可変とするようにしてもよい。また、吹き出す高温風の温度や温度上昇を可変するために、発熱体6cの出力を可変することに代えて、送風手段7の風量を可変としてもよく、送風手段7へ出力する電圧を可変としてもよく、送風手段7へ出力するパルスのレート等を可変とすてもよい。これらは、高温風の温度又は温度上昇率を可変とする温度可変手段として設けられる。また、出力可変手段や温度可変手段は、切替スイッチやボリュームによって操作されるものとしてもよい。また、加煙試験器に適用する場合に火災感知器を作動させる作動手段は、流動パラフィンを用いたエアロゾルを噴射するものに限るものではなく、他のエアロゾルであってもよい。また、直下の試験者Hから試験対象の火災感知器Dの確認灯Lを視認できるようにする本発明の試験装置は、スポット型で作動確認灯を有する火災感知器であれば、如何なる火災感知器にも適用可能であり、試験対象の火災感知器は、感熱式や煙感知式に限るものではなく、炎からの放射を検出する炎感知器であってもよいし、匂い等、他の検出原理に基づく火災感知器であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:加熱試験器 2:本体 2a:長辺側の側壁 2b:長辺側の側壁
2c:衝撃吸収部材 2d:頂部開口 2e:外気導入口 2f:底部開口
2g:底部カバー 2h:電池用ロック部材 2i:カバー用ロック部材
2j:センサ用開口窓 3:フード 3a:筒状部 3b:底部
3c:フードカバー 3d:突起部 3f:底部開口
4:ブラケット 4a:アーム部 4b:アーム部 4c:軸着部
4d:軸着部 4e:接続部 5:支持棒
6:加熱手段 6a:外筒 6b:内筒 6c:発熱体
6d:送入口(外筒側) 6e:送入口(内筒側) 6f:吹出口(外筒側)
6g:吹出口(内筒側) 7:送風手段(遠心ファン) 7a:第1の吸気口
7b:第2の吸気口 7c:排気口 7d:ファンケース 8:通風路
8a:入口 8b:出口 8c:第1の偏向部 8d:第2の偏向部
9:プリント回路基板 10:近接センサ 11:表示灯
12:電池電源 13:主電源スイッチ 14:操作スイッチ
C:天井面 D:火災感知器 H:試験者 L:作動確認灯 S:空間
R:環状加熱域 R’:内周側加熱域 R’’:外周側加熱域
A1〜A3:気流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7